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Page 1: PowerPoint プレゼンテーション...我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の 充実が求められている状況にあります。しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査
Page 2: PowerPoint プレゼンテーション...我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の 充実が求められている状況にあります。しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査

厚生労働省 平成26年度雇用管理改善支援委託事業

介護の雇用管理改善CHECK &DO 25

本書は「働きやすい・働きがいのある職場づくり」に実際に役立つツールとして

開発されたものであり、雇用管理の改善を行うための25のチェックリストから事業

所の雇用管理の状況がわかるようにしました。チェックリストの結果から雇用管理

改善が必要と思われる各チェックポイントが階層的に分析できるようになっており

ます。

また、各チェックポイントの解説については、取り組みの過程から改善のプロセ

スを見える形となっており、どのように雇用管理の改善に取り組めば良いか、具

体的に理解できるように工夫されております。介護事業所の人材の確保・定着に向

けた雇用管理改善を進めるためのヒントとなることを期待しております。

なお、本書の詳細につきましては、お近くの介護労働安定センター支部(所)に

お問い合わせください。

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我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の

充実が求められている状況にあります。

しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査 の結果では、

人手不足を感じている事業所が全体の67.2%に上り、5年連続して不足感が増加する結果とな

りました。このような状況下、 厚生労働省は、2040年を展望し、誰もがより長く元気に

活躍できる社会の実現を目指すとしています。その中で現役世代の人口の急減という新た

な局面に対応するため、次の3つの政策課題をあげています。①多様な就労・社会参加、②

健康寿命の延伸、③医療・福祉サービス改革。特に「多様な就労・社会参加」「医療福祉サー

ビス改革」は介護事業所が国と一体となって取組みを進めるべき課題であるといえます。

また、労働環境の改善、いわゆる「働き方改革」が国と産業を挙げたテーマとなってい

ます。「働き方改革」を進めるためには、生産性向上が求められることとなります。介護

サービス事業においては、生産性向上を「介護の価値を高めること」として捉え、介護

サービスの質を向上させることとしています 。介護サービスにおける生産性の向上・

質の向上を推進することにより、魅力ある職場づくり、介護人材の定着・確保につながる

好循環を作り出すことが必要となっているといえます。

この度、愛知労働局から委託を受け実施した「介護分野における人材確保のための雇用管

理改善推進事業」では、相互の経験や知識を共有し効果的に雇用管理改善に取組むことを目的とし

た「地域ネットワーク・コミュニティの構築」を行い、介護人材の確保のため地域ぐるみで

雇用管理改善に取り組めるよう支援をしました。

本書には、地域ネットワーク・コミュニティでの取り組みの結果として、採用と定着化、

コミュニケーションの円滑化による生産性の向上等を掲載しております。

雇用管理改善の推進による、魅力ある職場づくりと介護人材の定着・確保への一助として

いただければ幸いです。

なお、介護労働安定センターは「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成4

年法律第63号)に基づく厚生労働大臣の指定法人として、介護労働に対するさまざまな支援

事業を実施しております。

本書に係る問合せの他、介護労働者の福祉の増進と魅力ある職場づくりのために様々な支

援メニューを用意しお待ちしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

はじめに

公益財団法人 介護労働安定センター

愛知支部長 島野 光史

※1 介護労働安定センター 平成30年度介護労働実態調査『事業所における介護労働実態調査結果報告書』

※2 厚生労働省「第2回 2040年を展望した社会保障・働き方改革本部/資料」

※3 厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」平成31年3月

01

※1

※2

※3

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目 次

はじめに 01

Ⅰ 介護労働実態調査から診る介護労働の現状

1 介護人材の不足 04

2 介護人材の確保 05

Ⅱ 介護サービス事業における生産性向上

1 生産性向上の捉え方 08

2 業務改善取り組みの意義 09

Ⅲ 介護分野における人材確保のための雇用管理改善

1 地域ネットワーク・コミュニティの構築 10

2 地域ネットワーク・コミュニティとしての取り組み 11

Ⅳ コミュニティ参加事業所の取り組み事例

事例1 後進育成のための人材開発支援助成金・特別育成訓練コース(有期実習型訓練)の導入

16

事例2 人材育成と処遇改善加算取得によるモチベーションアップ

18

事例3 利用者様の満足度アップを目指したコミュニケーション円滑化

20

事例4 「マイスター制度」による評価のしくみづくり-介護に感動できる会社にしたい-

22

02

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介護分野における人材確保のための

雇用管理改善推進事業

「魅力ある職場づくり」のための雇用管理改善への取り組み

愛 知 支 部

03

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介護労働実態調査から診る介護労働の現状

1 介護人材の不足

我が国では、高齢化が進み、介護サービスに対する需要が増加する中で、多くの介護事業所にお

いて介護労働力の確保が喫緊の課題となっています。

当センターが介護事業所を対象に実施した介護労働実態調査 では、平成30年度において訪問介

護員、介護職員の1年間の離職率は15.4%であり、離職率は経年で比較すると、減少傾向にあります。しが

しながら、介護サービスに従事する従業員の不足感については、人手不足を感じている介護事業所が図

表1のとおり全体の67.2%に上っており、5年連続して不足感が増加しています。また、介護労働者を

対象に実施した調査 においても、労働条件等の悩み、不安、不満では「人手が足りない」が54.2%と最

も高く、介護現場において人材不足が大きな問題になっていることがわかります。

不足している理由については、「採用が困難である」が89.1%と最も高く、採用が困難である

原因については、図表2のとおり「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が56.2%と最も高く、次

いで「他産業に比べて、労働要件等が良くない」が54.9%、「景気が良いため、介護業界へ人材が

集まらない」が46.1%となっています。

04

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度

【図表1】 介護人材の不足感

「大いに不足」+「不足」+「やや不足」

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%

無回答

わからない

その他

景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない

他産業に比べて、労働要件等が良くない

同業他社との人材獲得競争が厳しい

【図表2】 介護人材が不足している理由

56.2

54.9

46.1

17.4

5.8

0.3

50.3

53.1

57.4

56.5

59.3

61.3

62.6

66.6

67.2

※4

※5

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2 介護人材の確保

現役世代(担い手)が減少していく社会において、より多くの人材を介護労働に引き付ける

ためには、同業他社だけでなく、異業種との人材獲得競争を勝ち抜く必要があり、介護の仕事

の魅力を発信して、介護労働のイメージを変えていくことが重要になるといえます。

一方で、厚生労働省は 、2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現

を目指すとしており、政策課題として「多様な就労・社会参加」「健康寿命の延伸」「医療・

福祉サービス改革」の3つをあげました。

この中で「多様な就労・社会参加」「医療・福祉サービス改革」については、介護事業所が

国と一体となって取組む課題であるといえます。

ア 多様な就労・社会参加に向けた取組

高齢化の一層の進展、現役世代の急減に対応し、我が国の成長力を確保するためにも、より

多くの人が意欲や能力に応じた社会の担い手としてより長く活躍できるよう、高齢者をはじめ

とした多様な就労・社会参加を促す取組を推進するとしています。雇用・年金制度改革等につ

いては、70歳までの就業機会の確保、就職氷河期世代の方々の活躍の場を更に広げるための

支援、中途採用の拡大、地域共生・地域の支え合い等が政策課題として挙げられています。

なお、当センターが介護事業所を対象に実施した介護労働実態調査では、図表3のとおり、

65歳以上の介護労働者の割合は12.2%で全体の1割を超え、60歳以上65歳未満と合わせると

21.6%と全体の2割を超えることがわかりました。図表4のとおり、60歳以上の介護労働者

の推移は年々増加傾向にあり、このシニア層が活躍できる環境整備や仕組み作り・制度導入が

求められます。

20歳未満

20歳以上25未満

25歳以上30未満

30歳以上35未満

35歳以上40未満

40歳以上45未満

45歳以上50未満

50歳以上55未満

55歳以上60未満

60歳以上65未満

65歳以上

【図表3】 介護労働者の年齢割合

20歳未満 0.4

20歳以上25歳未満 3.4

25歳以上30歳未満 5.8

30歳以上35歳未満 8.4

35歳以上40歳未満 10.3

40歳以上45歳未満 12.8

45歳以上50歳未満 12.3

50歳以上55歳未満 11.5

55歳以上60歳未満 10.7

60歳以上65歳未満 9.4

65歳以上 12.2

05

※6

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06

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年

【図表4】 60歳以上の介護労働者の推移

17.4

18.9

19.9

20.9

21.6

イ 医療・福祉サービス改革に向けた取り組み

「労働力制約が強まる中でのマンパワーの確保」と「医療・介護・福祉の専門人材による機

能の最大限発揮」に向けて、テクノロジーも活用しつつ、生産性向上を図るため、「効率的な

業務分担の推進」、「テクノロジーの徹底活用」、「組織マネジメント改革の推進」の分野を設定し、

重点的に取組みを推進するとしています。具体的には、ロボット・AI・ICT 等の実用化推進、

データヘルス改革、タスクシフティングを担う人材の育成、シニア人材の活用推進等が挙げ

られます。

※4

※5

※6

介護労働安定センター 平成30年度介護労働実態調査『事業所における介護労働実態調査結果報告書』

介護労働安定センター 平成30年度介護労働実態調査『介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書』

厚生労働省「第2回 2040年を展望した社会保障・働き方改革本部/資料」

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07

※7 働き方改革実現会議決定平成29年3月28日 働き方改革実行計画(概要)

ウ 求められる「働き方改革」

国、産業を挙げて「働き方改革」が進められています。平成29年3月の『働き方改革実行計画

(概要)』では、基本的な考え方として働く人の視点に立って、働く方一人ひとりが、より良い将

来の展望を持ち得るようにするとしています。同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、賃金

引上げと労働生産性向上、罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正などを課題

としています。「働き方改革」こそが労働生産性を改善するための最良の手段であり、生産性向上

の成果を働く人に分配することで賃金の上昇、需要の拡大を通じた成長を図る「成長と分配の好循

環」が構築されるとしています 。

介護サービスにおいては、従事する従業員の不足感について、人手不足を感じている事業所が継

続して増加しており、介護職員の新規採用、定着率の向上が必要となっています。採用人員の増加

や定着の安定化を進めるためには働きやすい職場づくりが重要であり、介護職員の処遇改善や生産

性の向上による「働き方改革」が求められているといえます。

※7

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1 生産性の向上のとらえ方

平成31年3月、厚生労働省老健局より「介護サービス事業における生産性向上に資するガイド

ライン」(以下『ガイドライン』)が示されました。『ガイドライン』では、「一人でも多くの

利用者に質の高いケアを届ける」という介護現場の価値を重視し、介護サービスの生産性を「介

護の価値を高めること」と定義しています。

介護の仕事の価値を高める取り組みは、人材育成とチームケアの質の向上、そして情報共有の

効率化です。この3つを生産性向上に取り組む定義とし、介護サービスの質の向上と人材定着・

確保を目指します。

生産性向上のとらえ方は様々あり、例えば整理整頓により物を探す時間を短縮し、利用者との

コミュニケーションの充実や、どう質を高めるかを考える時間をもつことが挙げられます。その

ようなとらえ方は、利用者について新しい発見をしたり、仕事の意義を再認識するなど、自らの

仕事へのやりがいや楽しさを実感し、モチベーションを向上させることにつながります。

また、評価の観点は、量的な効率化と質の向上に加え、職員間での負担の偏りを是正しつつ、

チームケアを通じてサービスを提供するという意識も重要であるとしています 。

介護サービス事業における生産性の向上

【図表5】生産性向上のイメージ

08

※8

厚生労働省老健局「介護サービス事業における生産性の向上に資するガイドライン」5頁

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※8 厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」 平成31年3月

※9 厚生労働省『より良い職場・サービスの提供のために今日からできること(業務改善手引き)』 平成31年3月

2 業務改善の取り組みの意義

業務改善とは一般的に、業務のやり方を工夫することで、現状の業務から「ムリ」「ムラ」

「ムリ」を無くし、現状の業務をより安全に、正確に、効率的に行うことや、負担を軽くす

ることなどを目的として取り組む活動といえます。

介護サービスの業務改善の上位目標を「介護サービスの質の向上」とし、業務改善に取り

組む意義は、人材育成とチームケアの質の向上、そして情報共有の効率化です。また、この

3つの意義に資する取組を通して、楽しい職場・働きやすい職場を実現し、そこで働く人の

モチベーションを向上することで、人材の定着・確保へつなげることをめざします 。

【図表6】ムリ・ムダ・ムリ

09

※9

厚生労働省老健局「より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)」12頁

Page 12: PowerPoint プレゼンテーション...我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の 充実が求められている状況にあります。しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査

介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業

1 地域ネットワーク・コミュニティの構築

愛知労働局委託事業「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」では、

介護事業所の雇用管理改善に関する諸課題に対応すべく、雇用管理改善に積極的に取り組

む事業所を中心とした「地域ネットワーク・コミュニティ」を構築し、相談支援を実施し

ました。

「地域ネットワーク・コミュニティ」とは、事業所の地理的な地域性を踏まえた連携、同

種の介護サービスを提供する事業所の連携及び包括的に介護サービスを提供する事業所の

連携等により構築するもので、これら連携した介護事業所が集まって行う勉強会などをと

おして、相互の経験や知識を共有し効果的に雇用管理改善に取り組むことを目的としまし

た。また、事業所によって規模、雇用状況、経営状況、更に考え方まで違うため、必要に

応じて社会保険労務士や中小企業診断士等の雇用管理改善の専門家と連携しながら、個々

の事業所の状況に合わせたサポートを実施しています。

地域ネットワーク・コミュニティを構築し、相互のノウハウを共有することで、1つの

事業所では難しい雇用管理改善を行うことができ、また、必要に応じて専門家の力を借り

ることで、より効果的な雇用管理改善を行うことができます。

取り組み事例紹介にあたっては、地域ネットワーク・コミュニティを構築した効果や専

門家からのサポート内容等も含め掲載しているので参考にしてください。

10

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2 地域ネットワーク・コミュニティとしての取り組み

「地域ネットワーク・コミュニティ」(以下「コミュニティ」と言います。)とは、複数の介護事

業者が集い、「魅力ある職場づくり」のために勉強会などを行って、相互の経験や知識を共有すること

で、自事業所の課題を抽出したり、解決のための方策を探るなど、効果的に雇用管理改善に取組

むものです。

愛知県では、名古屋南地域、名古屋北地域、西三河地域、東三河地域にて、4つのコミュニティを

構築して、各々のコミュニティ毎に共同で雇用管理改善への取組みを行うとともに、個別で22

事業所において状況に沿った雇用管理制度の導入等に取組みました。

対象事業所の概要は、以下のとおりです。

【図表7】各コミュニティの構成事業所概要

地域 事業所番号 提供サービス 職員数うち正職員

名古屋南

1-① 訪問介護 35 9

1-② 訪問介護 4 2

1-③ 訪問介護 15 2

1-④ 訪問介護 8 1

1-⑤ 通所介護ほか 24 6

名古屋北

2-① 訪問介護ほか 45 33

2-② 訪問介護 8 1

2-③ 訪問介護 15 4

2-④ 訪問介護ほか 56 43

2-⑤ 通所介護 10 3

西三河

3-① 通所介護 20 8

3-② 通所介護 13 2

3-③ 通所介護 31 5

3-④ 通所介護 11 4

3-⑤ 通所介護 16 2

3-⑥ 通所介護 10 3

東三河

4-① 認知症対応型共同生活介護 41 15

4-② 訪問介護 15 2

4-③ 通所介護 18 3

4-④ 訪問介護 16 6

4-⑤ 通所介護 18 2

4-⑥ 通所介護 21 16

11

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12

介護の雇用管理改善のCHECK&DO25

コミュニティ構成事業所における雇用管理改善状況については、『介護の雇用管理改善CHECK

&DO25』における「雇用管理改善チェックリスト」の「A 情報共有・コミュニケーション」、

「B労務管理・職場環境」、「C評価・報酬」、「D人材育成」および「E法人・事業所の風土」

の5領域における自己診断評価点を集計し、コミュニティ全体の診断結果をレーダーチャートに可視

化しました。結果は、次の図に示すとおりです。

【図表8】コミュニティ全体の診断結果

「厚生労働省 平成26年度雇用管理改善支援委託事業

介護の雇用管理改善CHECK&DO25」では、A~Eの

5領域・25項目で構成された項目をチェックしていくこと

により、領域別あるいは、項目別に法人・事業所の取り組み

課題を発見することができます。課題を解決するための具体

的な進め方のポイントや事例が記載されており参考にするこ

とができるようになっています。

また、「同活用の手引き」 では、発見した課題を有す

る項目の改善をすすめるステップについて詳細に説明をして

います。課題への対応策の検討、取り組みの実施、進捗管

理、結果の振り返り・検証のPDCAサイクル、発見した雇

用管理項目の改善手法についても述べております。

※10 介護の雇用管理改善CHECK&DO25および同活用の手引きは、当センターホームページに掲載しています。http://www.dosuru.kaigo-center.or.page6.html

※10

このレーダーチャートは、地域

ネットワーク・コミュニティ構築に

参加された事業所における各領域の

平均値をもとに作成しました。

【図表9】介護の雇用管理改善

CHECK&DO25活用の手引き

13.5

16.1

13.713.8

15.1

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13

働き方改革で働きやすい職場づくり

地域ネットワーク・コミュニティ構成事業所の雇用改

善CHECK&DOの平均値を見るとB、Eの領域は評

価点の平均値が高くより良い風土作り、労務管理・職場

環境の改善が進んでいるといえます。他方、A、C、D

の領域の平均値は低く、良い風土づくり、良い制度・環

境を整備しているものの、情報共有・コミュニケーショ

ン、人材育成、評価・報酬に改善の余地を残していると

いえます。

● 雇用管理改善の現状

● 業務改善の7つの視点

● 業務改善をすすめるために

介護サービス事業において、業務改善を進める方法として、『ガイドライン』では、7つの視点から

取りまとめています 。

具体的には、①職場改善の整備、②業務の明確化と役割分担、③手順書の作成、④情報共有の工

夫、

⑤記録・報告様式の工夫、⑥OJTの仕組みづくり、⑦理念・行動指針の徹底です。

【図表11】取り組みの7つの視点

厚生労働省老健局「より良い職場・サービスのために今日からできること(業務改善の手引き)」10頁

介護サービス事業における生産性向上の取り組む意義は、「人材育成・チームケア・情報共有の

効率化」を推進することです。働きやすい職場づくり・介護職員のモチベーションアップを図るこ

とが人材の定着・確保につながり、介護サービスの質の向上させることになります 。

経営者・管理者・現場職員がコミュニケーションを良好にし、対話を密にすることが重要です。

キーワードは「対話力」といえます。

※11

※11、12 厚生労働省『より良い職場・サービスの提供のために今日からできること(業務改善手引き)』 平成31年3月

※12

Page 16: PowerPoint プレゼンテーション...我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の 充実が求められている状況にあります。しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査

14

採用のための効果的な求人のしかた

● 労働市場の動向

● 人材確保に向けた求人

図表12 愛知県内の有効求人倍率名古屋中公共職業安定所 本事業勉強会資料より

図表13 対象を絞った求人票名古屋中公共職業安定所 本事業勉強会資料より

令和元年10月の愛知県内の有効求人

倍率を左図に示しています。職業計で、

1.71倍、その内介護職は、6.60倍となっ

ています。地域別の介護職の有効求人倍

率をみると、名古屋市が7.98倍、尾張地

域が5.99倍、西三河地域が5.88倍、東三

河地域が4.60倍となっています。

有効求人倍率が示すとおり、介護現場

においては、人材不足が大きな問題であ

り、人材確保に苦慮されている姿がうか

がえます。

介護の仕事を求職されている人を、①転職希望の方、②資格取得後経験なしの方、③資格・経験なし

の方に区分し、各々の注目するポイント、求職者への訴求ポイントは、以下のとおりです 。

① 転職希望の方は、他社との比較を検討。

通勤(最寄駅、車通勤の可否と駐車場、交通費の上限・・)、勤務時間(夜勤有無・頻度・手当・・)

職場環境(同一職種の人数、補充or増員、利用者情報・・)、賃金(幅が大きいと躊躇、賞与・・)

② 資格取得後経験なしの方は、未経験でも採用されるかが不安。

未経験者への配慮(一人での不安感、採用後の指導・研修・・)

③ 資格・経験なしの方は、仕事内容、資格なしでも採用されるか、一人でできるかなどが不安。

資格取得(取得のための支援・補助・・)、教育・訓練(採用後の指導・研修・・)

※13 本事業地域ネットワーク・コミュニティ勉強会資料 名古屋中公共職業安定所 令和元年12月16日による

※13

介護現場が必要としている人材がどういう人な

のかの対象を明確にすること、対象者が注目して

いる内容について具体的に表すことが重要といえ

ます。

①転職希望者には、何を重視するかが人により異

なるので全ての項目を明確にすること。

②有資格未経験者には、採用後の指導方法や研修

内容を詳しく記載すること、キャリアプランを

イメージしやすくすること、

③未経験者には仕事内容をわかりやすく示すこ

と。

これらが、人材確保のために求められることとい

えます。

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コミュニティ参加事業所の

取り組み事例

地域ネットワーク・コミュニティに参加した事業所が、それぞれの事業所の状

況や課題に応じて、雇用管理改善への取組みを行った中から次頁以降に具体的

事例①~④をご紹介します。

15

Page 18: PowerPoint プレゼンテーション...我が国では、急速に少子高齢化が進行しており、介護人材は質・量の両面において一層の 充実が求められている状況にあります。しかしながら、当センターが令和元年8月に公表した介護労働実態調査

事例①

16

後進育成のための人材開発支援助成金・特別育成訓練コース(有期実習型訓練)の導入について

● 事業所等概要

主 た る 地 域 名古屋市南区、港区、緑区、東海市

介 護 サ ー ビ ス の 種 類 通所介護

事 業 開 始 年 月 平成26年8月

従 業 員 数 24人(うち正社員数:6人)

他 の サ ー ビ ス 認知症対応型通所介護、居宅介護支援

● 事業所の理念・指針

★ 自分の親を利用させたいデイサービスに!!

★ 認知症に患っている人や生活保護を受けている人の役に立つ。

★ 「従業員の幸せが経営者の幸せ」ととらえる。

● 事業所の特長・問題点

施設内は、利用者がゆったりと利用できる広さが確保できています。地域の方との交流

が盛んで、夏祭りやさまざまなイベントに参加いただくとともに地域の方のお手伝いも得る

ことができています。サービス提供時間を10時から16時10分とすることで、冬場でも

利用者様を明るいうちにお送りするようにしています。また、職員の残業はなく、有給休暇

の取得率もほぼ100%となっています。利用者様にとって利用しやすい環境づくり、職員

にとっても働きやすい職場づくりに注力しています。ケア現場をより良くする運営を進めて

きているといえます。

良い職場環境であるとはいえますが、

職員が資格取得に前向きでないなど、

キャリアアップに対する意識が薄い面が

あります。また各種申請業務等ができる

職員がいないため、管理者が現場実務と

事務処理で多忙になり、負荷がかかりす

ぎている状況にあります。長い目で見る

と、利用者様へのケアに支障をきたす要

因も内在しています。

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● 以前より進めてきたより良い職場づくり

利用者様向けの取組として、管理者がボランティア

で「モーニング・サービス」を提供していること、

抱っこできる大きさの介護ロボットを導入している

ことなどにより、利用者様が落ち着いた状況でケア

を受けられる環境づくりに努めています。その結

果、職員がケア業務に専念する時間が増えました。

また、サービス提供時間を16時10分とするこ

と、夕方の清掃を短時間パートに任せること、外国

人労働者採用に際には、OJTのため専任担当者を

つけ、他の職員の負担を軽減することなどにより、

残業を無くすことができました。

● 今回の相談と提案内容導入による期待される効果

助成金に関する知識がありませんでしたが、

様々な助成金の内容を知ることができ、今後更

なる活用を進めたいと思います。

現場中心の管理者は勉強時間が少なく、管理

業務に不慣れな面がありますが、今回の相談を

通じて、課題の整理と方向性を認識することが

できました。あらためて後進の育成を推進した

いと思います。相談の過程の中で、当たり前の

ことを行ってきたつもりでしたが、振り返って

みるとより働きやすい職場づくりを進めてきた

との実感を得ることができました。

● 取組後の管理者の感想

管理者にケア現場業務、各種申請事項など様々な業務が集中し、多忙を極めており、片腕と

なる後進を育成したいという悩みがありました。他にストレッチャーなどの機器導入のニーズ

もありました。そのために助成金を活用したいという相談から始まりました。

人材開発支援助成金・特別育成訓練コース(有期実習型訓練)、人材確保等助成金(介護福

祉機器導入コース)、キャリアアップ助成金等の活用についての提案がありました。

提案の中から、今回は、人材開発支援助成金・特別育成訓練コース(有期実習型訓練)の導

入を決定しました。

後進の育成に努め、公的申請など管理者がひとりで行っている業務を引き継ぐことで、管理

者の負担を軽減し、新たな業務改善に取り組み、より働きやすい職場づくりを推進できるよう

になり、その結果、介護サービスの質的向上が期待できると思われます。

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事例②人材育成と処遇改善加算取得によるモチベーションアップについて

● 事業所等概要

主 た る 地 域 名古屋市中村区

介 護 サ ー ビ ス の 種 類 訪問介護

事 業 開 始 年 月 平成30年4月

従 業 員 数 10人(うち正社員数:3人)

他 の サ ー ビ ス なし

● 事業所の理念・指針

● 事業所の特長・問題点

★ 理念:利用者様の望む人生をともに考える介護

★ スローガン:介護をやりきる

人材育成・チームケア・コミュニケーションの円滑化を進めるために、教育・研修や定期

的なミーティングに力を入れています。訪問先を近隣(半径500メートル程度)を中心に

し、移動時間の効率化を図ることで研修や申し送りの時間を作っています。

認知症介護指導者研修を修了した職員も2名所属しているのと合わせて、職員が順番に社

内研修を行うことで、教育体制を整えています。また外部のコンサルティングを受け、日常

業務にミスが出ないような取り組みを行っています。これらにより、円滑なコミュニケー

ション、業務の効率化を図ることができ、チームケアの実践につながっています。

一方で、人材育成・コミュニケーション

の円滑化のために時間をかけているので、

経費が多くかかっています。

また、訪問先のエリアが狭いために、収

益の伸びが緩やかになっているという問題

点があります。

現状では処遇改善加算を取得していない

ため、処遇改善加算の申請・取得が課題と

なっています。

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● 以前より進めてきたより良い職場づくり

● 今回の相談と提案内容導入による期待される効果

● 取組後の事業主の感想

研修は、予め週間予定に組み込み、時間を確保する

ことで、職員が研修を受けやすくする環境を整えまし

た。研修については、管理者のほか、テーマごとに職

員持ち回りで行っており、職員自らが介護に対しての

気付きを得る場となっています。

また、無料で、介護についての考え方、視点や知識

を、現在家族介護をされている方やこれから介護をさ

れることとなる一般の方にもお伝えするために、Yo

uTubeにて動画を配信しています。

他の事業所から研修の状況など、見学に来られるよ

うにしており。参加された他の事業所の方へも、教育

の重要性を訴え続けてきました。

管理者として、介護実務に関する領域については、知識や経験は高いレベルにあるものの、

雇用管理改善に関わる知識、管理方法などについて知識が不十分でした。雇用管理関係の規

定、書類を見てもらおうとして相談に至りました。今まで処遇改善加算は何も取得していな

かったために、就業規則の見直し、等級ごとの職務要件、賃金表についてアドバイスを受け、

まずは処遇改善加算Ⅱを取得するべく改善をすすめました。

改定後の就業規則の周知、研修体系の見える化、明文化等を行うことで、雇用管理関係の書

類の意味合いを再確認できました。職員の意識としても、雇用管理改善への取り組む経緯を見

ることにより、処遇の改善に期待を持ち、同じ方向を向くことができました。処遇改善加算Ⅱ

を取得することでの職員の意識改革に繋げられます。

雇用管理にかかわる書類を確認することで、

事業所として足りないところがわかるととも

に、書類ごとの関連性もわかり、事業所として

整備すべき方向性が明らかになりました。

就業規則や規程等を整備することで、雇用管

理に関して職員への説明が的確になり、職員が

働きやすい職場づくりにつながったと感じてい

ます。

一層の人材育成強化のために、人材開発に係

わる視点や研修計画の体系化などについて、今

後検討していきたいと思います。

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事例③利用者様の満足度アップを目指したコミュニケーション円滑化について

● 事業所等概要

主 た る 地 域 西尾市、岡崎市、蒲郡市、碧南市、安城市

介 護 サ ー ビ ス の 種 類 通所介護

事 業 開 始 年 月 平成26年12月

従 業 員 数 31人(うち正社員数:5人)

他 の サ ー ビ ス なし

● 事業所の理念・スローガン

★ 「利用者様想い」

一人ひとりのニーズに合った介護を心がけます。

利用者様第一で心のこもった介護を徹底いたします。

★ 「はつらつと、アットホームで、とびっきりの笑顔で」をもとに

「家ではできないことがここではできる」

● 事業所の特長・問題点

利用者第一の理念のもと、レクリエーションは利用者様自身がしたいことを選択できるよう

にしています。食事についても選択が可能で、常に温かい料理を食べていただけるよう利用者

様の前で盛り付けています。機能訓練については、自宅での生活状況を評価し、日常生活動作

や生活関連動作の維持・改善を目的に個別訓練を行っています。

パート職員の休日について、希望制限を設けていないため好きなときに働いて好きなときに

休みが取れるよう工夫をしています。働く時間も小刻みにしているので分担した業務が行えて

います。

しかしながら、事務的な業務が煩雑となり、

利用者に係れる時間が少なくなっているこ

と、パートが多く職員間の連絡が取りづらく

申し送りなどに時間がかかっていること、指

示待ちの職員が多いことなどの問題点があり

ます。コミュニケーションの良好化、職員の

自立的な業務遂行が課題となっています。

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● 以前より進めてきたより良い職場づくり

● 今回の相談と提案内容導入による期待される効果

● 取組後の施設長の感想

事務処理業務について、手書きでの記入、複数回

の転記による時間のロスがありましたが、タブレッ

ト端末を導入することで、転記作業及びカルテの出

し入れ作業がなくなり時間の短縮が図れました。

コミュニケーション面では、全員が集まる機会が

ないため、チャットワークのアプリケーションで申

し送り事項などを入力し、タブレットや携帯電話で

いつでも見れる環境を整えました。

施設長が中心となって、職場改善の取り組みを行ってきましたが、継続することが難し

く、思うように改善が進んでいない状況にありました。業務改善をすすめながら利用者様と

のかかわりを強くしたいという意向で相談にいたりました。

厚生労働省老健局作成の『ガイドライン』を活用したチームとしての勉強会を通じて、

「生産性向上のための取り組み」の掲示、「報告・連絡・相談」の徹底のために、ホワイト

ボードの改善とマグネットの活用による見える化を推進し、また報告漏れを無くすために、

ポスターを掲示し報告することの意識付けなどを行いました。

現状では、改善はスタートしたばかりではありますが、継続することで、コミュニケー

ションの良好化、時間の効率化が図ることができ、利用者様に接する時間を増やすとともに

利用者様の満足度をあげることができると期待しています。

今回の相談を通して、施設長とスタッフが同じ意識

を持って取り組むことができました。「報・連・

相」、スタッフ間の連携が密になりました。自主的

に業務を行うために事前の計画を立てることや問題

点を先に考えることができるようになりました。

主観的には、利用者様への対応がより良いものに

なっている実感はありますが、今後は、客観的な評

価、データ計測を通して利用者様の満足度向上、ひ

いては介護サービスの質の向上につなげていきたい

と思います。

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事例④「マイスター制度」による評価のしくみづくりについて

-介護に感動できる会社にしたい-

● 事業所等概要

主 た る 地 域 豊橋市

介 護 サ ー ビ ス の 種 類 認知症対応型共同生活介護

事 業 開 始 年 月 平成18年3月

従 業 員 数 41人(うち正社員数:15人)

他 の サ ー ビ ス 訪問介護、居宅介護支援

● 事業所の理念・指針

● 事業所の特長・問題点

★ 介護の仕事を通して「家族が暮らしているように成長できること」

★ 目が行き届く介護で看取りまで責任を持って寄り添います

第一に、人を大切にしています。学歴や経歴で優秀な人材を揃えようという物差しではな

く、その人が持っている優れたものを出せるようにとの考えのもと、雇用管理を進めること

で、退職者が減少しました。

有資格者のスタッフが充実し、介護福祉士18名、看護師1名、准看護師3名、社会福祉士

1名、精神保健福祉士1名、介護支援専門員3名が従事しています。質の高い、きめ細かいケ

アーができる職場を作り出すことができるようになりました。その結果、継続して空室が無い

状況が続いています。空室がないことは良いことではありますが、入居者がご利用したいとき

に空きが無いことは弱点でもあります。

現状、正規職員15名に対し、非正規職員は26

名(内フルタイムが6名)従事していますが、優秀な

非正規職員から不満が出てきています。

人材育成に努めてきている一方で、更なる改善をす

すめるためには、その人が持っている能力、行ってい

る業務実績を客観的に評価するための仕組みづくりと

適正な運用が課題となっています。

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● 以前より進めてきたより良い職場づくり

● 今回の相談と提案内容導入による期待される効果

● 取組後の事業主の感想

同一労働同一賃金と叫ばれる中で、フルパートの

者数名を正規職員にしました。介護に携わり、同じ

時間を働くと考えれば同一労働同一賃金であるべき

なのでしょうが、職員一人一人の能力には、実際に

はかなりの差があり、業務の洗い出しをしてみる

と、特定の業務には携われない者(例えば、自動車

の運転の可否)もいます。

一方、パートの短時間勤務者が、何でもできる者

がいます。パートから正規職員のカバーをしている

との不満の声が聞こえていますので、時間をかけて

マイスター認定をみんなで作り上げて行けたらと思

います。

過去においては、上からの命令で管理的な対応で

義務と権利を表に出して厳しい態度と評価により、

退職者が続いた時期がありました。その反省から、

事業所の社員を信頼し、皆で考えるよう仕事を任せ

るようにしてみると、自主的に活き活きした動きが

出てきました。そして知り合いを会社に呼んでくれ

るようになり採用がすすみ、退職者も激減しまし

た。

さらに、事業主として、職員からの相談事を真摯

に受け止め、就業時間内・外に限らず「対話」に努

めてきました。その結果、平成27年以降、退職者

が大幅に減少しました。

相談当初ヒアリングの段階では、退職金制度、昇給や賞与の支給のための人事評価制度

の構築などの課題がありました。その中から、取り組むべき課題として、優秀なパート職

員の不満を解消させるために、マイスター制度の導入を進めることにしました。

現場で習得が必要な20項目を職員全員でかかわり詳細を検討しています。それらの習

得の程度に応じて、マイスターと認定するような制度とします。また、現在の改善手当も

一律ではなく習熟状況に応じて差をつけるようにしました。

マイスター制度の推進・運用により、マイスターはより良い処遇を手にすることがで

き、仕事に誇りを持って臨むことができるようになります。そして、介護の質が上がり、

事業所の評価が上がり、安定した運営につながることを期待しています。

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令和元年度愛知労働局委託事業

介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業公益財団法人 介護労働安定センター 愛知支部

〒450-0003 名古屋市中村区名駅南2丁目14番19号 住友生命名古屋ビル

14階TEL 052-565-9271 FAX 052-565-927224

雇用管理改善企画委員会 委員

雇用管理改善サポーター

委員長 長岩 嘉文 日本福祉大学中央専門学校 校長委 員 松下 洋三 一般社団法人『民間事業者の質を高める』

全国介護事業者協議会 東海・北陸地区 理事委 員 東 賢司 名古屋市介護サービス事業者連絡会 幹事委 員 船間 廣治 社会保険労務士船間事務所 所長(社会保険労務士) サポーター兼務委 員 伊藤 悟 アイエス社労士事務所 所長(社会保険労務士) サポーター兼務

敬称略、順不同

磯貝 孝行 磯貝孝行社会保険労務士事務所 所長 (社会保険労務士)隅田 裕志 隅田労務管理事務所 所長 (社会保険労務士)岩田 健一 社会保険労務士岩田事務所 所長 (社会保険労務士)上條由香里 社会保険労務士事務所キャリアデザイン 所長 (社会保険労務士)江場 一尊 江場社会保険労務士事務所 所長 (社会保険労務士)小山田政義 有限会社エーアイ 代表取締役 (社会保険労務士・産業カウンセラー)大崎 千秋 名古屋柳城短期大学准教授 (介護福祉専攻)鯖戸 善弘 ヒューマン・コミュニケーションラボ 代表 (キャリアコンサルタント)

愛知労働局の委託事業の一環として、「介護事業所の『魅力ある職場づくり』のための雇用管理改

善への取り組み」事例集をここに上梓することができました。

現在、我が国では、国および産業を挙げて『働き方改革』に取り組んでいます。『働き方改革』を

推進するためには、生産性向上が求められます。厚生労働省では、介護サービス事業においては、生

産性向上を「介護の価値を高めること」として捉え、介護サービスの質を向上させることとしていま

す。しかしながら、これらは一朝一夕に実現できることではありません。継続した地道な改善活動が

実現の道筋と思われます、本事例集では、従前より、より良い職場づくりを実践してこられた事業所

を取り上げました。

多くの求職者は、賃金の多寡だけではなく、事業所の「働きやすさ」を就職先選定の大きなポイン

トとして考えています。また、所定内賃金の推移におきましては、愛知県では例年全国平均より2万

円近く高い水準となっています。しかし賃金水準だけで就職志望者を集めることは事業経営上も大変

厳しい状況となります。

この事例集に掲載しております好事例などを今後介護業界に横断的に展開し、『魅力ある職場づく

り』を積極的に推進することが業界全体の雇用管理改善につながっていくものと考えます。各事業所

の皆様にとって、より良い職場づくり・働きやすい職場づくりの一助となれば幸甚に存じます。

末筆となりましたが、今までのご苦労や成果を惜しみなくご披露いただきました各事業所の皆様、

本事業を推進するにあたり、ご多用の中、多くのご助言、ご支援をいただきました皆様方に対しまし

て、ここに衷心より御礼申し上げます。

令和2年2月

公益財団法人

介護労働安定センター愛知支部

支部長 島野 光史

あとがき

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平成26年度 厚生労働省 雇用管理改善委託事業

介護の雇用管理改善 CHECK&DO25

雇用管理改善チェックリスト

法人・事業所の雇用管理状況をチェックしてみましょう!

1 理念やビジョン、方針を職員に対し周知・徹底している 4 3 2 1

2 年度事業計画と目標を職員に対し明確に示している 4 3 2 1

3 記録・報告、ミーティング等で、職員間での情報共有を徹底している 4 3 2 1

4 自法人・事業所を取巻く環境や今後の課題について話合う機会を設けている 4 3 2 1

5 現場からのアイデアや意見・提案を吸上げる機会を設けている 4 3 2 1

6 仕事と育児など生活との調和等、個人の事情に配慮した支援を行っている 4 3 2 1

7 業務内容や量に対応できる適切な人員を確保している 4 3 2 1

8 勤務時間や仕事の内容で過重な負担を強いないようにしている 4 3 2 1

9 有給休暇の取得推進や福利厚生面の整備など、労働環境の整備・改善を行っている 4 3 2 1

10 職員一人ひとりの心身の健康に配慮している 4 3 2 1

11 仕事の役割や責任の範囲、必要な能力等を明確に示している 4 3 2 1

12 一人ひとりの果たすべき役割や目標について話合いを行っている 4 3 2 1

13 仕事ぶりや能力について評価し、面談によるフィードバックを行っている 4 3 2 1

14仕事ぶりや能力について評価し、何らかの処遇改善(賞与、一時金、報奨金、賃金改定等)

につなげている。4 3 2 1

15 賃金の決め方・上げ方をルール化し、明確に示している 4 3 2 1

16 職員のスキルアップのための研修方針があり研修を行っている 4 3 2 1

17 外部の講習会や資格取得等のために支援を行い、職員のスキルアップを行っている 4 3 2 1

18 新人に対する教育(OJTや新人研修等)を体系的に行っている 4 3 2 1

19 管理職層やリーダー層育成のための教育に力を入れている 4 3 2 1

20 将来のキャリアについて、支援(相談、研修等)やアドバイスを行っている 4 3 2 1

21 挨拶・声かけ、認める・ほめるといった組織風土がある 4 3 2 1

22 職員が、自由にアイデアや意見を言える組織風土がある 4 3 2 1

23 新しいアイデアを取入れたり、難しい課題に取組んだりする組織風土がある 4 3 2 1

24 質の高いケアへの意識や向上心をもつ職員を育てる組織風土がある 4 3 2 1

25 自主性を尊重し、仕事を任せ、それを支援する組織風土がある 4 3 2 1

A 情報共有・コミュニケーション

B 労務管理・職場環境

C 評価・報酬

D 人材育成

E 法人・事業所の風土

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