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仙台高専教育研究交流会 2014年6月16日 での発表資料

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学生が行うプロジェクト活動へのアジャイル開発手法「 Scrum 」の導入

情報システム工学科力武克彰

仙台高専教育研究交流会  2014 年 6 月 16 日

自己紹介

担当科目

Scrum Alliance認定スクラムマスター

研究内容

認定資格

組込み分野向けソフトウェア設計モデル駆動開発、 UML モデリング

ディジタル技術、マイクロコンピュータLinux 実習、組込み PBL( 専攻科 )

Scrum

Scrum とは

チームで効果的にプロジェクトを進めていくための枠組み ( フレームワーク )

Agile 型 [ ソフトウェア ] 開発手法の一つ

Agile: 迅速・適応

ScrumCrystal

Kanban

LeanXP

etc.

Scrum役割

イベント

成果物

スクラムマスター

プロダクトオーナー

チーム( 開発者 )

プロダクトバックログ

スプリントバックログ

インクリメント( 製品の増分 )

スプリント

スプリント計画ミーティング

デイリースクラム

スプリントレビュー

レトロスペクティブ

Scrum の目指すチーム像

• 境界が定められている• 次にやることがわかっている• 規律がある

自律的なチーム

プロジェクトの進め方従来の方法

要求

検証

実装

設計

受け入れ

Scrum

スプリント

固定された反復期間

近くを狙う

撃つ

見直す

チームの学びと成長

Planning

問題の発見

現在地の確認

改善への試行

未熟で混乱したチーム

自律的で機能するチーム

Scrum を導入している企業Web 開発

Rakuten, GREE, DeNA, Yahoo Japan!

組込みSony, Denso

海外Amazon.com, Bank of America,

GE, Google, Microsoft, SalesForce.com,

実践

実践事例 1•ET ロボコンへの参加 (H23,24,25 年度 )•自走型ロボットによるレース大会•チーム:専攻科本科混成 10 名程度•開発対象:ロボットの制御プログラム

システム開発チーム作り

(4 月 )

大会 (10 月 )

実践事例 2•児童向け物語創作支援システムの開発•卒業研究・専攻研究 (H25,26 年度 )•チーム:専攻科生、卒研生、(力武)•開発対象: Web アプリケーション

チーム作り

評価( 出前授業 )

調査・開発

本年度の取り組みの紹介•児童向け物語創作支援システムの開発•卒業研究・専攻研究 •チーム:専攻科生 2 名、卒研生 2 名、力武•開発対象: muphic-online(Web アプリケーション )•スプリント期間: 2 週間

開発対象•ものがたり創作支援システム muphic-online

•ユーザーとして小学校 3-4 年生を想定•直観的操作による紙芝居の創作

イラスト作成

メロディ作曲

Scrum 実践の全体像

スクラムチーム ( 役割 )

プロダクトオーナー スクラムマスター

チーム

プロダクトオーナー:製品に対して責任を持ち、方向性を示す•専攻科 2 年生の専攻研究として取り組む•Web アプリケーションのユーザー体験向上•共同研究者 (北九州市立大 佐藤貴之准教授 ) と協力

チーム:製品の成功に対して最大限の努力を行う•専攻科 1 年、本科 5 年生の研究として取り組む•Web アプリケーション開発の技術面

スクラムマスター:スクラムプロセスがうまくいくようチームを支援する•力武が担当

チーム外の人

ステークホルダ

ステークホルダ:製品の利用者などの利害関係者•共同研究者:北九州市立大 佐藤貴之准教授•製品顧客としての役割を依頼•ゲーミフィケーションの教育効果について研究と実践

•出前授業先の児童及び担任教諭•ユーザビリティ調査対象の児童

成果物

プロダクトバックログ

スプリントバックログ インクリメント

プロダクトバックログ:優先順位が付けられた製品の機能一覧•プロダクトオーナーが責任を持つ

製品の使われ方

優先度

児童は作成したメロディを再生して、聴くことができる

•各機能はストーリー形式で記述

スプリントバックログ:各スプリントで取り組む機能と課題の一覧•チームがプロダクトオーナーに提示する

•機能を実現するための課題の洗い出しと見積もりを行い、チームで共通認識を持つ

インクリメント:各スプリントで開発され、品質が確認された製品の増分•チームがコミットし、プロダクトオーナーが品質を確認する

•スプリントレビューで確認する

児童はメロディを作曲することができる。

児童は作曲したメロディを再生して聴くこ

とができる

イベント

スプリント計画ミーティング

デイリースクラム

レトロスペクティブ

スプリントレビュー

スプリント

スプリント固定された、開発の反復期間•2 週間で実施

•スプリント内で、要求定義→設計→実装→テスト→受け入れのすべてを行う

スプリント計画ミーティング各スプリントの初めに行い、スプリントのゴールを共有する•スクラムオーナーは取り組んでほしい機能をチームに提示し内容を説明する•チームは、機能の実現可能性を吟味し、見積もりを行いスクラムオーナーと交渉する•合意をスプリントバックログとする

昼会(デイリースクラム)毎日チームが次の 3 つの質問に答える•昨日からこれまでにやったこと•これから今日やること•困っていること

•昼休み中の 15 分で実施

デモ(スプリントレビュー)スプリントの終わりに、スプリントゴールが達成されたかを確認する•チームは開発した機能のデモを行う•プロダクトオーナーは開発された機能の品質を確認し、受け入れ可/不可を判断する。

ふりかえり(レトロスペクティブ)スプリントの最後に実施し、スプリント中での改善事項を話し合い次につなげる

•KPT+ KJ 法的グルーピングを実施•次のスプリントの TODO を決定する

スプリントバックログの見直し

ユーザビリティテスト:製品の使用性を検証するための調査•共同研究者 (顧客役 ) のもとで、プロダクトオーナーが計画し実施•被験者:小学 2 年生の児童 5 名•内容: muphic-online を使用した課題を与え、児童が課題に取り組む様子を観察・分析する

分析結果よりプロダクトバックログを見直す

Scrum を実践してみて 効果:不明?•メトリクスや対照実験なし

チームが成長している実感はある•ふりかえり、計画ミーティングは盛り上がる•学生の率直な思いが出る

Scrum を実践してみて 開発にリソースが集中してしまい、研究としての側面が軽視•スプリント中に 1 日、論文執筆のみを行う日を設定

実践は非常に難しい•スクラムマスターがサボるとチームは簡単に崩壊する•イベントを行う時間が取れない (時間割 )

Do Food

スクラムマスターの責務:サーバントリーダーシップ•自律的なチームを維持するためのサポート•環境整備、対外・チーム内調整、教育など•ただし、権限は持たない

•お菓子大切

環境と技術

Scrum 実践を支える環境と技術

•チームが創造的活動に集中できる環境•スプリント内で要求→受け入れまでを実現できる高い技術力

壁とふせん

•何に取り組んでいるか•何に躓いているか

タスクボードによる魅せる化

コミュニケーション

Facebook Group

実名制のソーシャルネットワークサービス

非公開グループ機能を利用会話内容はグループ内だけで公開・共有

•共同研究者、 OBOG もグループに参加

気軽なコミュニケーションからディスカッションまで

ソースコードの共同所有

ソフトウェア開発プロジェクト用のソースコード共有Webサービス

Github Education プログラムにて

プライベートレポジトリ取得・利用

バージョン管理

ソースコードレビュー

成果物の運用環境への展開(デプロイ)

Web アプリケーション向けの PaaS(Platform as a Service)

Web, DBサーバなどを一式提供

無料枠内での利用

テスト、本番環境へのデプロイ

Web アプリケーションのホスティング

自動化

ソフトウェアのテスト実行、ビルド、デプロイなど自動化する

開発支援ツール

オープンソースソフトウェア

チーム 1. コードの変更

5.通知

2. コード取得

3. ソフトウェアのビルド4. テストの実行

5. デプロイあとは

お任せあれ

環境構築・技術導入にあたって

コミュニケーションコストを下げる⇒ アナログツール重要

メンテナンスコストを下げる⇒ 出来るだけ外部サービスを利用

学習コストを下げる⇒ 学生の力に見合った技術・ツールの導

まとめ

H23 年度より学生の行うプロジェクトへのScrum の導入を試みてきた

Scrum は自律的なチームをめざし保つための働き方のフレームワークである

絶え間ない Planning によるチームの成長を実感できた

高い生産性を保つための環境構築と技術の導入が重要である

まとめ

●広瀬キャンパス第3回専攻特別講義日時:6月16日 ( 月 ) 15:20~17:10場所: ICTメディア教室内容: 世界中で注目されている Agile とか Scrum の実話講師: 江端一将様(株式会社 Odd-e Japan,株式会社 Pastoral Dog代表取締役社長 アジャイルコーチ)

案内

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