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研 究 紀 要
第 5 号
研 究 の 概 要
平成24年 2月
岡山県総合教育センター
研究番号 研究主題
11-01 新学習指導要領の趣旨を踏まえた新しい学習評価の在り方に関する研究
11-02 高等学校教員の授業力の力量形成に関する研究
11-03学び合いを促進する教師の関わりについての研究-なぜ,あの子が学びに入れたのかを探る-
11-04 実物投影機活用校内研修の評価に関する研究
11-05 中学校技術・家庭科〔技術分野〕における融合題材を用いた授業づくりに関する提案Ⅱ
11-06特別に支援が必要な生徒への就労継続に関する研究-高等学校卒業生の就労継続のために必要な支援-
11-07校内研修ガイドブックの作成-参画型研修で学校の活性化-
11-08 特別支援学級担任のためのハンドブックの作成
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本冊子は,研究紀要第5号の研究構想図を掲載したものです。
研究紀要等の全文は岡山県総合教育センターのWebページに掲載
していますので,ぜひ御高覧ください。
URL http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/
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ご あ い さ つ
豊かな自然に恵まれた岡山県の中央部,吉備高原の地に,岡山県総合教育センターは県内の学校
の歩む道を照らす灯台となるべくたたずんでいます。当センターは,岡山県教育委員会が平成22年
2月に策定した「岡山県教育振興基本計画-未来を拓く人づくりプラン-」の理念に基づき,「心ひ ら
豊かに たくましく 未来を拓く 岡山の人づくり」を基本目標に,「自立」「共生」「郷土岡山を
大切にする心」を育みたい資質能力として,教師力向上,学校力向上の実現に向けて取り組んでい
ます。そのために,教職員研修,調査研究と学校支援,教育情報の収集と提供,教育相談,特別支
援教育の推進及び情報教育の推進等の各事業を通して,優れた教育人材の育成に努めるとともに,
学校の教育活動に対する多様な支援を行っています。
本県の教育が直面する喫緊の課題として,新しい学習指導要領が求める「新たな学力」の育成や,
不登校・いじめ・暴力行為などへの対応の強化,教員の大量退職・大量採用に伴う若手教員の育成
などがあります。こうした課題に対応するため,当センターでは各事業をそれぞれ充実させるとと
もに,これらの機能を総合した事業展開を工夫していくことが重要であると考えています。そして,
この事業展開の基盤となる存在として,「調査研究」を位置付けています。
当センターでは,本県の教育の発展に資することを目的として,「児童生徒の学力の向上」「教
職員の資質・能力の向上」「喫緊の課題への対応」の三つの視点についての研究主題を設定し,共
同研究,個別テーマ研究等に取り組んでいます。本年度も大学等からの指導助言を受けながら,学
校の研究協力委員と所員が協力し,実践的,開発的な研究に取り組んできました。
このたび,本年度の研究をまとめ,岡山県総合教育センター研究紀要第5号を発行することがで
きました。未来を拓く人づくりのために,この研究成果を御高覧の上,御意見,御批評を頂くとと
もに,各学校における授業改善,校内研修等の充実,各学校の特色づくりや活性化等に幅広く役立
てていただくことを期待しております。
終わりに,この研究を進めるに当たり,御指導,御助言を頂きました先生方,御協力を頂きまし
た指導助言者,協力委員の先生方並びに関係各位に対し,厚くお礼申し上げます。
平成24年2月
岡山県総合教育センター所長
松 沢 克 彦
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研究番号 11-01
新学習指導要領の趣旨を踏まえた新しい学習評価の在り方に関する研究
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-01.pdf
各教科及び領域における新しい学習評価のポイントを示すとともに,授業実践を通してその具体を示した『学習評価 授業実践事例集』を作成し,研修講座及び学校支援等を通じて,新学習指導要領の趣旨を踏まえた学習指導と学習評価とを推進する。
研究の目的
平成20年小学校・中学校
学習指導要領告示
◆研修講座及び学校支援において研究成果の活用を図り授業改善につなげる
◆各校において校内研修で活用し,授業改善を図る◆平成24年度所員研究
『学習評価 授業実践事例集(中学校編)』の刊行国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,技術・家庭,外国語,総合的な学習の時間,特別活動
研究の活用,発展
生きる力の育成
◆『学習評価 授業実践事例集(小学校編)』の刊行
○各教科及び領域(国語,社会,算数,理科,生活,音楽,図画工作,家庭,体育,外国語活動,総合的な学習の時間,特別活動)の学習評価のポイントを踏まえた学習指導と学習評価の実践事例の提示・指導と評価の計画を立てる際のポイント・授業を構想する際のポイント・学習状況を評価する際の判断のポイント
○PDCAサイクルを取り入れた校内研修の提示・「診断的評価」を共通理解するための校内研修の進め方
研究の内容
学習評価の改善に関する基本的な考え方を踏まえた各教科及び領域の学習評価の在り方を授業実践を通して示す。
研究の成果
平成23年度研究成果物『学習評価 授業実践事例集
(小学校編)』
平成22年度研究成果物『学習評価ガイドブック』
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研究番号 11-02
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-02.pdf
高等学校教員の授業力の力量形成に関する研究
高等学校教員の授業力の力量形成の時期や形成に有効な機会に対する認識を明らかにするとともに,力量の形成に有効な研修の在り方等について提案する。
【力量形成上の課題】「授業のPDCAサイクル」における「C」「A」に対する意識の希薄さ新学習指導要領を踏まえた新しい授業づくりに必要とされる力量への不安
【力量形成上の視点】力量形成において,自己の振り返りをすることが有効
アンケート調査「必要であると意識した時期」や「身に付きつつあると実感した時期」及び授業力獲得に有効な機会について回答
基礎的,汎用的授業力
専門的な授業力
成果
「指導と評価の一体化」の観点を意識した研修の工夫改善 生徒の主体的な学習を促す授業デザインや教材研究に資する研修の工夫改善 授業力の獲得,ステップアップに必要な,自身の授業やライフヒストリーの見つ
め直しや,自己を客観視する機会の設定
ライフヒストリーの聞き取り授業力の形成時期や機会,その背景にある環境等について教員からの聞き取り
力量形成への提案
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研究番号 11-03
学び合いを促進する教師の関わりについての研究—なぜ,あの子が学びに入れたのかを探る—
・学習指導における生徒指導に関するアンケート調査授業に関わる生徒指導の実態を探る
・授業における学び合いに関するアンケート調査学び合いに関する教師の意識を探る
学び合いの授業づくりに取り組む先進校の授業参観,研究協議会の視察
授業における生徒指導の課題や留意点を,子どもの状況や『生徒指導提要』,アンケート調査等から明らかにし,学び合いを促進する教師の関わりから見えてきた,子どもを「育てる」生徒指導の具体について探る
・全ての子どもの居場所をつくり,「学び」を保障する工夫・授業の中で,子どもの関わる力を育てる工夫
自己指導能力を高める必要性
目的:
内容:
学習意欲の向上,自己指導能力の育成言語活動の充実,問題行動の減少
授業を生徒指導の実践の中核にする成果:
学びを語り合う
(振り返る)
学び合いの促進
(つなぐ)
学びの場づくり
(聴く)
「学び合う」学習指導
☆授業では,「学び合う」学習指導と「育てる」生徒指導を一体で進める☆
子どもの育ち
分かってもらえる,信頼できる(受容)
居場所(つながる先)がある(安心・安全,自己存在感)
関わり合える(共感)選択できる(自己決定)
「あるがまま」を受け入れる子ども理解・共通理解チームでの支援
関わりを「援助」する人と関わる力の育成よりよい人間関係の構築
「居場所」をつくるつながる先の保障子どもを育てる基盤づくり
「育てる」生徒指導
<授業での課題>
子どもの実態,子どもを取り巻く状況の把握
【紀要編】http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-03kiyo.pdf
【リーフレット編】http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-03leaf.pdf
<研究の流れ>
分 析
観察視点
の明確化
分 析
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研究番号 11-04
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-04.pdf
実物投影機活用校内研修の評価に関する研究
段階的な実物投影機活用校内研修を実施し,1)各研修段階で,「実物投影機活用スキル」を習得できるのか,2)各研修段階後の授業で,実物投影機の活用回数は増えるのか,3)授業で,「実物投影機活用スキル」を発揮しながら指導できるのか,についてアンケート調査を行い,実物投影機活用校内研修を評価する。
研究の目的
研究の結果
1)各研修段階で,「実物投影機活用スキル」を習得できる。2)研修段階が進むに連れ,実物投影機活用の授業回数が増える。3)「実物投影機活用スキル」は,第1回校内研修段階後の授業で,容易に発揮できる(a)(b)(f)(g)(h)の
スキルと,研修段階が進むに連れ,授業で徐々に発揮できる(c)(d)(e)のスキルに分類できる。
実物投影機活用授業研修パッケージ
研修の進行台本
ステージ上のものを拡大提示する書き込んだり,指し示したりする必要なもの以外を隠して映すアームを動かして映す前時の復習や本時の課題を提示する正しい方法や手順を説明する学習内容を分かりやすく説明する演示して分かりやすく指示する
実物投影機活用スキル
各研修段階と研修段階後の授業についてアンケート調査
段階的な実物投影機活用校内研修の実施
STEP.1
接続を体験するSTEP.2
焦点化のこつを体験するSTEP.3
授業場面を話し合う
第1回校内研修段階 第2&3回校内研修段階
STEP.4
模擬授業で確認する
実物投影機とプロジェクタを接続して教材等を拡大提示したり,いろいろな焦点化のこつを体験したりして,主として(a)(b)(c)(d)のスキルを習得する。
授業場面を取り上げ,実物投影機を操作しながら,何を拡大提示して,どう焦点化し,その際に,どう発話するかを協議・発表し,主として(e)(f)(g)(h)のスキルを習得する。
(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)
研修カリキュラム ワークシートや教材
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中学校技術・家庭科〔技術分野〕における
融合題材を用いた授業づくりに関する提案Ⅱ
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-05.pdf
研究番号 11-05
生物育成に関する技術と情報に関する技術とを同時に学習させることができる題材
材料と加工に関する技術とエネルギー変換に関する技術とを同時に学習させることができる題材
授業パッケージの提案授業パッケージの提案
(平成20年3月告示)
A 材料と加工に関する技術
B エネルギー変換に関する技術
C 生物育成に関する技術
D 情報に関する技術
全て必履修
効率的な指導
多岐にわたる内容 限られた授業時数
内容の有機的な関連
結果結果
新学習指導要領に示された中学校技術・家庭科〔技術分野〕の内容,項目を有機的に関連付けた効果的な指導を目指し,融合題材を用いた二つの授業パッケージを開発し,授業実践を通して提案する。
目的目的
新学習指導要領
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研究番号 11-06
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-06.pdf
特別に支援が必要な生徒への就労継続に関する研究-高等学校卒業生の就労継続のために必要な支援-
「地域生活支援マップ」の作成
高等学校において,実行可能であり,かつ高等学校卒業後に就労を果たした特別に支援の必要な生徒が,必要なときに必要な支援を受けることができる可能性を高めるような,実効性のある支援ツールを開発する。
研究の目的
各種統計調査から高等学校卒業者の就職率と離職率の把握
質問紙調査や聞き取り調査による岡山県A地域における高卒就職者の離職の状況の把握
本人が問題状況に気付かない本人が問題状況に気付かない
問題解決方法の選択肢として相談そのものが思い浮かばない問題解決方法の選択肢として相談そのものが思い浮かばない
どのような問題の場合にどこへ相談すればよいかが分からないどのような問題の場合にどこへ相談すればよいかが分からない
相談スキルがないために相談できない相談スキルがないために相談できない
①相談行為に含まれる四つの力に対応させる
②障害の有無に関わらず利用可能な機関を含める
③第一次窓口となる機関を明確にする④教師用の別紙「地域支援機関の情報につ
いて」を作成する
マップ作成に当たっての配慮事項
研究の内容及び成果
離職の背景に浮かび上がった相談スキルの課題
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研究番号 11-07
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-07/index.htm
校内研修ガイドブックの作成—参画型研修で学校の活性化—
研究の目的
学校を活性化するため,組織マネジメントの視点・手法を取り入れた参画型研修の在り方を提案する。
研究の成果
1 組織マネジメントの視点・手法を取り入れ,現状と目指す児童生徒の姿を明確にしながら課題を設定し,全教職員が見通しをもって課題を解決していくプロセスを提案した。
2 組織マネジメントの視点・手法を取り入れ,「個人の知」を「組織の知」に変える研修手法やワークシートを提案した。
Ⅰ課題を設定するために
Ⅱ課題を解決するために
Ⅲ評価し改善するために
C=check(評価)
A=action(改善)
課 題 設 定課 題 設 定
R=research(現状把握)
P=plan(計画)
D=do(実施)
V=vision(将来像)
自校の使命自校の使命
・・・・・
目指す児童生徒の姿目指す児童生徒の姿
問題問題 問題問題
現 状現 状
問題の明確化・構造化問題の明確化・構造化
評 価評 価
改 善改 善
取り組みの見通し取り組みの見通し
問題問題
達成基準作成達成基準作成 個人化個人化重点化重点化
ギャップ
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研究番号 11-08
http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/chousa/kiyou/h23/11-08.pdf
特別支援学級担任のためのハンドブックの作成
・ 岡山県における特別支援学級在籍児童生徒は年々増加しており,それに伴って学級設置数も増加の一途をたどっている。
・ 岡山県において特別支援学級を担任する教員の多くが3年前後の比較的短い期間で交替している。
・ 生活単元学習や自立活動等,特別支援学校の教育課程を参考にした指導について,計画や実施に困難を感じている教員が多い。
・ 通常の学級に比べ,校内において,専門的な指導に関する相談相手や指導の手掛かりを得ることが難しい。
研究の背景研究の背景
研究の成果研究の成果
特別支援学級担任になって 障害の状態等に応じた指導教室環境 個別の指導計画教育課程 個別の教育支援計画自閉症・情緒障害特別支援学級の 交流及び共同学習
教育課程の編成 保護者との連携知的障害特別支援学級の教育課程 各種援助制度
の編成
ブックレット「特別支援学級担任のためのハンドブック」の作成
岡山県の小・中学校において,数多く設置されている自閉症・情緒障害特別支援学級及び知的障害特別支援学級を担任する教員を対象に,特別支援学級を担任するに当たって必要であると想定される教育課程や指導に関する知識等の情報をブックレット形式にまとめ,提供する。
研究の目的研究の目的
・ 「岡山県教育基本振興計画」より・ 「岡山県特別支援教育推進プラン」より・ 小・中学校特別支援学級の児童生徒数の推移に関する調査より・ 特別支援学級等新任担当者研修講座の受講者アンケートや協議中の発言等より
岡山県の特別支援学級を巡る現状の把握
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平成24年2月発行
岡山県総合教育センター 研究紀要 第5号
研究の概要
編集兼発行所 岡山県総合教育センター
〒716-1241 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7545-11
TEL (0866)56-9101 FAX (0866)56-9121
URL http://www.edu-ctr.pref.okayama.jp/
E-MAIL [email protected]
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