news sept 30
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8/3/2019 news sept 30
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セシウム汚染の帯、首都圏に 千葉・埼玉の
汚染地図公表
関連トピックス
• 原子力発電所
• 東京電力
セシウム134、137の蓄積量
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文部科学省は29日、航空機を使って測定した放射性セシウムの蓄積量について、千葉
県と埼玉県の汚染マップを公表した。東京電力福島第一原発事故によって飛散した汚染の
帯が、薄まりながら首都圏まで広がっていることが示された。
両県とも9月8~12日、ヘリコプターで測った。放射性物質の量が半分になる半減期
が30年のセシウム137の蓄積量をみると、千葉県で高かったのは柏 や松戸、我孫子、流山市などの県北部。1平方メートルあたり3万~6万ベクレルにのぼった。他は木更津
市の一部を除きほぼ1万ベクレル以下だった。チェル ノブイリ原発事故では3万7千ベ
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クレル以上が「汚染地域」とされた。ただし強制避難の基準は55万ベクレル以上。
文科省によると、千葉県では、原発から放出された放射性物質を含んだ雲がいったん太
平洋に流れ、再び茨城県の霞ケ浦付近を通り、埼玉県境まで広がったと推測できるという。
埼玉県では、原発から250キロ離れた秩父市の山間部の一部で3万~6万ベクレルに
のぼった。放射性物質を含んだ雲が原発から南西方向に流れ、群馬を過ぎて、埼玉県に回
り込み、地上に沈着したようだ。
両県とも蓄積量の多い地点では放射線量が毎時0.2~0.5マイクロシーベルトで、
このほかの多くは0.1マイクロシーベルト以下だった。学校において、校庭の除染を行
う目安は1マイクロシーベルト以上とされている。
文科省は東日本全域で航空機による測定をしている。測定を終えた県の汚染マップを順
次、ウェブサイトで公表している。(佐藤久恵)
• 関連リンク• セシウム飛散、250キロ以遠にも 群馬の汚染地図公表(9/28)
• 年間5ミリシーベルト以上地域、国が除染へ 環境省方針(9/27)
• 放射線高い「ホットスポット」発見法 学会がマニュアル(8/31)
• セシウム汚染土壌マップ発表 文科省、原発百キロ圏内(8/29)
年間5ミリシーベルト以上地域、国が除染へ
環境省方針
関連トピックス
• 原子力発電所
• 東京電力
環境省が試算した汚染土壌や落ち葉の量
東京電力福島第一原発事故に伴い、国の責任で実施する放射性物質の除染について、環
境省は原則として年間の追加被曝(ひばく)線量が5ミリシーベルト以 上の地域を対象
とする方針を固めた。都市部の側溝など、線量が局所的に飛び抜けて高く、生活への影響
も大きいホットスポットは1ミリシーベルト以上とす る。森林では土壌は除去せず落ち
葉の回収でも対応可能とした。土壌や落ち葉などの総除去量は最大で東京ドーム23杯分
の約2900万立方メートルになる。
除染基準をめぐっては、政府が8月に示した除染の緊急実施基本方針で、平常時の年間
許容量とされる1ミリシーベルトを長期的に目指すとしてきた。環境省 は今回、5ミリ
シーベルトを原則とした根拠について、それ以下の低線量地域では表土を削るなどしても効果が上がりにくいことなどを挙げた。セシウムの一部 が2年で半減期を迎えることな
ど自然減の効果もあわせて、1ミリシーベルトを目指すという。
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同省は27日、有識者による「環境回復(除染)検討会」の会合を開き、試算結果を示
した。5ミリシーベルト以上の地域はすべて福島県内といい、県面積の13%に当たる約
1778平方キロ。
土壌の除去は、セシウムが集まる地表から深さ約5センチまでを基本とする。森林では
土壌は除去せず、文部科学省の調査などをもとに、落ち葉の回収や枝打 ちで除染できる
としている。葉や枝は同じ面積当たりの除去量が土壌の5~6分の1で済み、さらに焼却などで減量できる。対象面積の約7割を占める森林での 土壌除去を回避することで総除
去量を減らせるという。
都市部の側溝や雨どいなど、局所的に年間の被曝線量が高いホットスポットは、福島県
と隣接する4県だけで約640平方キロあるが、高圧水で洗い流すなど の対応が中心の
ため、除去土壌は40万立方メートル程度にとどまると試算。仮置き場や中間貯蔵施設の
規模にあまり影響がないという。
環境省はこの日の検討会で有識者らの理解が得られたとして、10月10日の次回の検
討会では、除染対象の地域指定や汚染状況の調査方法、土壌の収集・運搬指針などの除染
基準案を提示する方針だ。(森治文)
【土に生きる】放射能の不安 身近に2011年 09月 30日
有機米の放射線を測る米原光伸さ
ん。測定器は、今年新たに契約し
た卸売業者から借りたという=入善町神林
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客から問い合わせ 独自に検査
不検出でも晴れぬ心
9月中旬、入善町の有機農家・米原光伸さん(62)は、田んぼのコメの収穫に取りか
かった。猛暑に悩まされた昨年と比べて「稲穂に元気がある」という。
米原さんには不安があった。福島第一原子力発電所の事故の影響だ。「毎年買ってくれるお客から、放射性物質による汚染を心配する電話があったんだ」と教えてくれた。
原発事故は、コメの流通に大きな影響を与えている。野菜や牛肉、魚から相次いで放射
性物質が検出された。消費者の不安は強まり、国はコメについて収穫前と収穫後に検査を
する方針を決めた。
対象外の県でも、独自検査を行うところは少なくない。それでも消費者の不安は消えな
い。
民間の調査会社「米穀データバンク」によると、卸売業者などの間で取引される201
0年産のコメは震災以降、値上がり傾向だ。
秋田県産あきたこまちは震災直前の3月9日、60キロあたり1万2400円(関東の
基準価格)だったが、7月20日には1万8600円 に。新潟産コシヒカリも、1万9
100円から2万6800円に跳ね上がった。消費者の不安を受け、卸売業者が震災前の
古米の確保に動いているためだ。
全国農業協同組合連合会(全農)が、卸売業者と相対取引で決めている11年産の新米
の価格も上昇している。全農によると、茨城・千葉・滋賀3県のコシヒカリの基準価格は、
いずれも1万5500円(60キロあたり)。昨年から1500~2500円値上がりし
た。
富山産てんたかくも1万4千円で2千円値上がりした。東北などの新米で原発事故による風評被害が出るのを恐れ、卸業者が早めに他地域の新米の仕入れに動いているためと見
られる。
追い打ちをかけるように悪いニュースが続いた。福島第一原発から約200キロ離れた
新潟県十日町市で8月下旬、幼稚園の敷地内にためられた汚泥から、1キロあたり2万7
千ベクレルという高濃度の放射性セシウムが検出された。
さらに福島県二本松市では9月23日、収穫前のコメの予備検査で、同500ベクレル
の放射性セシウムが検出されたことが分かった。国の予備検査の基準値(同200ベクレ
ル)を大きく上回った。
米原さんは今年、収穫直前に自ら有機米の放射性物質を調べ、民間の調査機関にも詳し
い検査を依頼した。いずれもセシウムやヨウ素は検出されなかった。
それでも米原さんの心は晴れない。「放射性物質は山にも降っただろうに、誰もその話
をしない。田んぼには山から水を引いているのに」
(井上潜)
■コメの放射性セシウム検査
国が東日本を中心に17都県(東北・関東16都県と新潟県)を指定。収穫後の本検査
で国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超えた場合、検出され た旧市町村で今
年収穫されたコメは出荷できない。富山県の独自検査では、てんたかく、コシヒカリともにセシウムは検出されなかった。
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