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GENESIS
VERSION 17.0 新機能および拡張機能
2018年 6 月
GenesisVersion17.0 リリースノート
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目次
1.サマリー
2.解析機能の強化
3.構造最適化機能の強化
4.印字出力機能の強化
5.ポストファイル出力機能の強化
6.新規入力データ
7.強化された入力データ
8.マニュアルの更新
9.前バージョンとの互換性
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1.サマリー
このドキュメントは、GENESIS version17.0 の新機能と拡張機能について記します。主な項目は次のとおり
です。
1.1 流体要素(音響伝達要素)の固有値
流体メッシュの固有値と固有ベクトルを計算し、モーダル周波数応答解析で使用することができます。
1.2 閉空間の音響解析
直接およびモーダル周波数応答解析を使用できるようになりました。新しくサポートされた流体要素によ
り、空間をモデル化できます。
1.3 グローバル応答 von Mises 応力
応力制約のパフォーマンスが向上しました。新しい応答 VMINDEX がトポロジーはじめ全てのタイプの最適
化において利用できます。
1.4 ランダム応答解析のための von Mises 応力結果
パワースペクトル密度値(PSD)および二乗平均平方根値(RMS)が解析結果として出力できるようになり
ました。ソリッド要素応力およびシェル要素応力をサポートします。output ファイルと post ファイルに
出力されます。
1.5 既存のランダム応力と新しい von Misesランダム応力の応答の最適化
ソリッド要素およびシェル要素に関連付けられたパワースペクトル密度値(PSD)および二乗平均平方根
値(RMS)が、最適化で利用可能になりました。 PSD結果(PSDSTR)と RMS結果(RMSSTR)が、目的関数
や制約条件として使用できます。 これらの応答は、あらゆるタイプの最適化(形状、サイジング、トポ
ロジーなど)で利用可能です。
1.6 プログレッシブ・トポロジー最適化
トポロジー設計変数と要素剛性を関連付けている Power Rule(べき乗則)のべき数を段階的に変更する新
しい方法が追加されました。DOPTパラメーターTCYCLEM でコントロールできます。この新しい方法は、
TCYCLE バルク・データ入力と新しい DOPTパラメーターDESMAXM、CONVTD、および CONVTS を使用してさら
に洗練できます。
1.7 ハイブリッド・トポロジーの最適化
より鮮明に2値化されたトポロジー解をもたらします。この新しいメソッドは、DOPTパラメーターPOLEM
で有効化します。 このメソッドは、前項のプログレッシブ・メソッドと一緒に使用することもできます。
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1.8 トポロジーの最適化結果を完全に2値化するオプション
トポロジー最適の最終設計サイクルの結果を用い、要素設計変数の値を 0.0 か1.0 に完全に 2値化する
オプションです。DOPT パラメーターTOPDIS および TOPDISM によってコントロールします。
1.9 離散変数/連続変数最適化のための専用 CMBDOTオプティマイザ
離散変数または離散変数/連続変数最適化の問題を解くための専用オプティマイザが追加されました。
1.10 伝熱入力データの可用性の向上
入力データ CHBDYE、CHBDYG、CHBDYP、BDYOR、CONVおよび PCONV は、Nastran 形式のデータを生成できる
サードパーティーのプリプロセッサとの互換性を高めます。
1.11 スカラー要素の可用性の向上
Nastran 形式のデータを生成できるサードパーティーのプリプロセッサとの更なる互換性のため、データ
CELAS3、CELAS4、CMASS3、CMASS4、CDAMP3 および CDAMP4 は、SPOINT に接続される剛性、質量および減衰
を定義します。
1.12 歪みの大きいソリッド要素に対するトレランス
平べったい 2次要素が存在しても、 GENESIS はそれらの要素を無視することで、計算を継続します。
1.13 サードパーティーソフトの接触/固着データの入力変換
接触接続および固着接続(SURF、TIEおよび CONTACT)に関連付けられたサードパーティー入力データの
一部の形式が読み込まれ、等価な GENESIS データに自動的に変換されます。しかし、実証していない入力
データはサポートしていませんので、サードパーティーの入力データを使用する場合は、期待どおりに動
作するか注意深く調べる必要があります。
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2.解析機能の強化
2.1 流体要素の固有値
流体要素に関連付けられた固有値と固有ベクトルが計算できます。
Solution Control Data Statement - METHOD(FLUID)
音響1次モード
2.2 閉空間音響解析:流体‐構造連成の周波数応答解析が行えます。
Solution Control - METHOD(FLUID), METHOD(STRUCTURE)
Bulk Data - GRID, PSOLID, MAT10
PARAM - GFL
以下の要素タイプが流体要素に使用できます。
CHEXA (MAT10)
CHEX20 (MAT10)
CPENTA (MAT10)
CPYRA (MAT10)
CTETRA (MAT10)
変位(赤)、圧力(青)の周波数応答
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2.3 静解析・動解析で利用できる新入力データ
Bulk Data Entries - CELAS3, CELAS4, CMASS3, CMASS4, CDAMP3, and CDAMP4
2.4 熱伝導解析で利用できる新入力データ
Bulk Data Entries - CHBDYE, CHBDYG, CHBDYP, CONV and PCONV
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3. 構造最適化機能の強化
3.1 トポロジー最適化のためのプログレッシブ・ルール
トポロジー設計変数を段階的に変更する新しい方法が追加されました。この方法は、より2値化されたト
ポロジー結果をもたらします。
Bulk Data Statements - TCYCLE
DOPT Parameters - TCYCLEM, DESMAXM, CONVTD and CONVTS
標準 プログレッシブ・ル-ル使用
3.2 トポロジー最適化のためのハイブリッド法
ハイブリッド法は、より鮮明に2値化されたトポロジー解をもたらします。
DOPT Parameters - POLEM
3.3 グローバル応答 von Mises 応力
新しい応答 VMINDEX が DRESP1 と TRESP1 で利用できます。 VMINDEX は、トポロジーはじめ全タイプの最適
化において、von Mises 応力制約を効率的に課すために使用できます。
Bulk Data Statements - DRESP1/TRESP, new RTYPE=VMINDEX
応力制約を使ったトポロジー最適化結果
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3.4 ランダム応力の応答が最適化で利用可能
PSD(パワースペクトル密度)応力と RMS(二乗平均平方根)応力が、シェルとソリッドのすべての要素
で使用できるようになりました。 応力のタイプはすべての応力テンソル成分(Normal-x、Normal-y、Shear
xy など)と von Mises 応力です。
Bulk Data Statements - DRESP1, new RTYPE=PSDSTR and RMSSTR
3.5 シフト応答で利用可能な新しい応答
Bulk Data Statements - DSHIFT, new FTYPE=RECIP
3.6 トポロジーの最適化結果を完全に2値化するパラメーター
TOPDIS パラメーターと TOPDISM パラメーターで、2値化のための閾値を設定できます。(要素密度または
ヤング率)
Bulk Data Statements – DOPT, TOPDIS および TOPDISM
3.7 CMBDOT オプティマイザ
離散変数または離散変数/連続変数最適化の問題を解くための専用オプティマイザです。
Bulk Data Statements - DOPT, new value for DSCDOT parameter: 2
Bulk Data Statements - DOPT, new parameter: MAXDPG
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4. 印字出力機能の強化
4.1 ランダム応答解析における応力 PSD(パワースペクトル密度)と応力 RMS(二乗平均平方根)が、シェ
ルとソリッドのすべての要素で使用できるようになりました。印字出力可能な応力タイプは、応力テンソ
ル成分(Normal-x、Normal-y、Shear xy)と von Mises 応力です。
4.2 PSDSTR応答と RMSTR 応答の感度が出力できるようになりました。
4.3 流体要素の固有値が印字できるようになりました。
4.4 流体要素の圧力が印字できるようになりました。
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5. ポストファイル出力機能の強化
5.1 ランダム応答解析における応力 PSD(パワースペクトル密度)と応力 RMS(二乗平均平方根)が、ポストフ
ァイル出力できるようになりました。
5.2 設計サイクルが 99 を超えるポストファイルが生成できるようになりました。ファイル名におけるサイ
クル番号(xx)の表記が=xxxx=の形になりました。
5.3 トポロジー密度の結果ファイル(DENSxx.拡張子)への出力速度が向上しました。
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6. 新規入力データ
6.1 ソリューションコントロール・ブロック
AUTOSPC 低剛性自由度の単点拘束を自動処理するパラメーターを設定
PARAMでも指定可能
6.2 解析バルク・データ・ブロック
CELAS3 SPOINTを参照するためのCELAS1入力の別フォーマット
CELAS4 SPOINTを参照するためのCELAS2入力の別フォーマット
CDAMP3 SPOINTを参照するためのCDAMP1入力の別フォーマット
CDAMP4 SPOINTを参照するためのCDAMP2入力の別フォーマット
CMASS3 SPOINTを参照するためのCMASS1入力の別フォーマット
CMASS4 SPOINTを参照するためのCMASS2入力の別フォーマット
CHBDYE 弾性要素を参照するためのもう一つのCHBDY定義
CHBDYG 節点を参照するためのもう一つのCHBDY定義
CHBDYP プロパティを参照するもう一つのCHBDY定義
BDYOR CHBDYGとCHBDYPのデフォルト値
CONV 熱境界要素のCHBDYE、CHBDYGまたはCHBDYPに熱伝達条件を定義
PCONV 熱伝達境界条件のプロパティを定義
MAT10 流体要素の物性プロパティを定義
6.3 最適化バルク・データ・ブロック
TCYCLE トポロジーのプログレッシブ・ルール定義の入力
BUSHSTIF CBUSH要素に与える最大剛性
DUPTOL 重複節点座標の許容トレランス
ELASSTIF CELASi要素に与える最大剛性
GFL 流体の全体「剛性」マトリックスに適用する減衰係数
6.4 解析パラメーター
BUSHSTIF CBUSH要素に与える最大剛性
DUPTOL 重複節点座標の許容トレランス
ELASSTIF CELASi要素に与える最大剛性
GFL 流体の全体「剛性」マトリックスに適用する減衰係数
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6.5 DOPTパラメーター:トポロジー最適化以外
IZGRAD 0を指定すると、勾配が0の制約関数も使用
1を指定すると、制約違反していて勾配が0の制約を無視
2を指定すると、制約違反しているかどうかに関係なく、勾配が0の制約を無視
MAXDPG CMBDOT離散変数向けオプティマイザのパラメーター
セグメント内の離散変数の最大数
MAXDPGを大きくすると、CMBDOTが行う関数呼び出し回数が増加する為、関数評価
が非常に安価でない限り、10を超えないことを推奨
6.6 DOPT パラメーター:トポロジー最適化
TCYCLEM 0を指定すると、GENESISはプログレッシブ・ルールを無視
1を指定すると、GENESISはプログレッシブ・ルールを使用
負の値(-1〜-6)を指定すると、組込まれたプログレッシブ・ルールを使用
DESMAXM 1を指定すると、GENESISはプログレッシブ・ルールのスケジュールを完了するた
めに必要な設計サイクル数でDESMAXを上書き
0を指定すると、GENESISは設計サイクルの最大数としてDESMAXを使用し、プログ
レッシブ・ルールスケジュールに必要な設計サイクルの最大数は無視
DESMAX入力が存在する場合、DESMAXMのデフォルトは0
DESMAX入力が存在しなくてプログレッシブ・ルールが使用されている場合、その
デフォルトは1
CONVTD プログレッシブ・ルール使用時の収束判定値
プログレッシブ・ルールの終わりの連続する2回のデザインサイクルにおけるグ
レー変化率がCONVTD未満であるならば、トポロジー設計を終了
グレー変化率は、中間的密度値を設計領域要素数で割った値
CONVTS プログレッシブ・ルール使用時の収束判定値
連続する2つのセグメントのグレー比の変化がCONVTSよりも小さい場合、トポロ
ジー設計プロセスを終了
グレー比は、中間密度値の要素数を設計領域要素の総数で割った値
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POLEM POLEMの値が1の場合、GENESISはジオメトリー・ベースのトポロジー方式よりもハ
イブリッド・ベースのトポロジー方式を選択
POLEMの値が0の場合、GENESISはハイブリッド・ベースのトポロジー方式よりもジ
オメトリー・ベースのトポロジー方式を選択
TSYM1、TSYM2またはTSYM3に最小メンバー・サイズが使用されている場合、ジオメ
トリー・ベースまたはハイブリッド・ベースのトポロジー・メソッドを利用可能
最小メンバー・サイズが指定されない場合、要素ベースのトポロジー・メソッド
が使用され、このパラメーターは無視
TOPDIS 0.0より大きい値を指定すると、GENESISはすべてのトポロジー設計変数を完全に2
値化し、追加の一設計サイクルを実行
TOPVALより高い値を持つトポロジー設計変数は1.0に設定され、残りのトポロジ
ー変数は低い値(通常は0.0)に設定
DOPTパラメーターTOPDISMが0(またはブランク)の場合、TOPVALはTOPDISに同じ
TOPDISMが1の場合、TOVAL = TOPDIS **(1 / RV1)
RV1はPower Ruleのべき乗数
TOPDISM TOPDISに密度かヤング率かの何れを代表させるかを決定
TOPDISMの値を0にすると、GENESISは密度のカットオフ値としてTOPDISを使用
TOPDISMの値を1にすると、GENESISはヤング率のカットオフ値としてTOPDISを使用
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7.強化された入力データ
7.1 ソリューションコントロール(Solution Control)
LABEL セパレータ記号“=”が使用可能
LOADCASE 本リリースでは、IDは任意の順序で定義することができ、熱伝達荷重ケースは他
の荷重ケースタイプと混在させることが可能
※前リリースまでは、ロードケースIDを昇順に定義しなければならず、すべての
熱伝達ロードケースを他のすべてのロードケースタイプに先立って定義が必要
METHOD 流体要素(音響媒体)の固有内計算手法を選択可能: METHOD(FLUID) または
METHOD(STRUCTURE)
SUBTITLE セパレータ記号“=”が使用可能
TITLE セパレータ記号“=”が使用可能
7.2 バルク・データ(Bulk Data)
CHEXA 音響要素として使用するために流体節点を参照可能
CHEX20 音響要素として使用するために流体節点を参照可能
CPENTA 音響要素として使用するために流体節点を参照可能
CPYRA 音響要素として使用するために流体節点を参照可能
CTETRA 音響要素として使用するために流体節点を参照可能
GRID 流体メッシュを定義するために使用可能(CDフィールドに-1を入力)
特定の入力フィールド値は、「=」または「*(x)」を使用して以前のGRID入力から
複製および追加が可能
DRESP2 DVARとDRESP1リストで“THRU”をアクセプト可能
DRESP3 DVARとDRESP1リストで“THRU”をアクセプト可能
DSELECT DVARリストで“THRU”をアクセプト可能
DSHIFT 新タイプRECIP(周波数応答の逆数)を利用可能
PSOLID FCTN フィールドに“PFLUID”をセットすると、MAT10を参照
TRESP2 TVARとTRESP1リストでTHRU”をアクセプト可能
TRESP3 TVARとTRESP1リストでTHRU”をアクセプト可能
TSELECT TVARとPROPリストでTHRU”をアクセプト可能
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7.3 新しくサポートされた解析応答 (DREPS1/TRESP1)
VMINDEX グローバルvon Mises応力
PSDSTR パワースペクトラム密度ランダム応力
RMSSTR 二乗平均平方根ランダム応力
7.4 DOPTパラメーターの新オプション
DSCDOT CMBDOTオプティマイザをアクティブにするためのオプション
値2でCMBDOTが有効化
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8.マニュアルの更新
マニュアル タイトル ファイル名 状態
GENESIS: Analysis Manual volume1.pdf 全てのエンハンスと新機能を反映
GENESIS: Design Manual Volume2.pdf 全てのエンハンスと新機能を反映
GENESIS: Analysis Examples Volume3.pdf 更新
GENESIS: Design Examples Volume4.pdf 更新
GENESIS: Quick Reference Manual quickref.pdf 全ての変更と新データを反映
GENESIS: New Features and Enhancements newfeat.pdf V16.0からV17.0への変更点を記載
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9.前バージョンとの互換性に関して
GENESISデータは上位バージョン互換です。V17.0は、V16.0で作成したデータを実行できます。