fヌフユーiネムノタアi、..._fヌフユーiネムノタアi、 -887 [6)...
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-886ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
(臨 床 編)
千葉大学医学部第二内科学教室(指導斎藤十六教授〉
森 澄夫
SUMIOMORI
(昭和 32年 2月6日受付〉
日 次
1 はしヵき 2 高容量酸素吸入
ll実験方法 D心脈管疾患ことに心性呼吸困難を
lli実験成績 もつ患者にたいするそルフィンアミ
A心疾患 ノブィジシの影響
1代償不全のないもの 1モルフィシ
2 代償不全のあるものl 2 アミノフィリユノ
B高血圧症 工v総括ならびに考按
c低酸素高容量酸素吸入による循環動 vむすび
態の愛化 文 献
1 fJf酸素吸入
1 はしがき
臨床編において Fick-Cournand による右心カテテル法と Wezlerの新法 (1948)を
改良した教室の方法とを用い心疾患および高血圧症患者の心肺動態をしらべさらに
高低容量の酸素吸入がいかなる影響を及ぼすかを観察したO そのさいとくに呼吸中枢
と末梢化学受容体(頚動脈体および大動脈体)のありかたを考慮してしらべた
11 実験方法 いる方法にしたがった仰
1被検者は千葉大学第二内科にス院または 2) 混合静脈血は -カテテルの先端を肺動脈起
外来を訪れた心疾患および高血圧症患者 26例で 始部において採取したカテテルの位置はX線透
あるそのうちわけは僧帽弁口狭窄 3例僧帽弁 視圧曲線および Ecgなどの所見によって確か
口閉鎖不全 1例僧帽弁口狭窄+閉鎖不全 3例僧 めた採血眼ヘパリシで内陸をぬらした 5~10cc の
帽弁口狭窄+心性気管枝痘撃 1例大動脈弁口閉鎖 Luer-Lok式注射筒をカテーテルに接続して行つ
不全 5例および心冠硬化をともなう心哨息2例 た採血後た Yちに流動パラフィン 2--3ccを
である高血圧症は Keith-WagenerのI型(以 スれた太いスピッツに入れできるだ汁早くガス分
下 K W 1と略)1例 K W I~ll 1例 K 析をした
Wl+ll1例 K W II 4例 KW ll+高血圧 3) 動脈血は大腿動脈の穿刺により混合静脈血
性心疾患 1例 KW ll+高血圧性心疾患+心性 と同時に取った
気管枝痘撃 1例および KWlli+高血圧性心疾 4) 血液ガス分析は Van Slyke-Nei1の装置を
患+心性気管枝痘寧 1例合計 10例である心疾 使い酸素茨酸ガス同時測定法によった
患は 22--64才までの男性 8例女性 8例で高血圧 の動脈血酸素飽和度の算出には一部の症例に
症は 43~67 才までの男性 9 例女性 1 例である オキシメターを使ったが大部分の例には Van
2 全例に右心カテテノLを行った Slyke-Neilの方法で酸素飽合能を測定しこの測
1) 右心カテテルの手投は教室で慣用されて 定値で前記酸素含量を除Lて求めた
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -887ー
6) 呼吸酸素消費量の測定には Tab 1a
Knipping式ガス代謝測定器を使い 「一一一一一一 l 2 5 4 I 5 ti I 7
h時
038 I口拍031 口43 ロ27 ロ32 I口45
Ms Ms十MilMCbSar十rD嵐dn1e十b|l-- M1 Al Asth
SpS河m 巴ard
421 580 463 511
76 98 72 100
408 399 41 50
3900 2810 2693 1700 1300
206312148 1674 1904 1826
目 DlaJlnoss IMshellip~ (di
Iblood-cor仰 sclel 464
l Ht (帥 1 43 1410
yenVlta1-叫 cc yen2478 yen3306
IArt 02 y01 ~h5 55 11949
1 Art C九01ぉ 134431 40431 4214
jDecompens
349
100Hb () 1102
3999 1 247515030
Ven O2 01 112071 15891 13871 179811326 1 14221 1579
Ven C02vo1145061467914462
dA1V02V017- 348 360 676f1er
O2Cap yo1 1797 2011 216邑
O2Saturation完 865 969 952
4467 1 30771 5426
350 348 482 I247
払砧叫|山
958刈81 946 I975 1967
ロω
一-
C
一
n
パ一角
叫一
L
n一
v
o--
C一
M
nu
一 2600 2950 2655 2150 2467 2340
722 436 758 618 512 947
1092 ti41 ワ66 754 617 10~9
459 291 483 454 686
15ワ 150 157 13E 138
66 68 99 82 83 92
42 51 438 49 38 40
19 M 285 19 29 18
27 40 336 27 32 26
21 32 241 i95 1235 1 75
-ー ー柏町 -町田 - 一
SV cc I736
L叫 nm1j 453 card lnd
Bo匂邑urface Arj13己
Hear七l1S七e I 83
叫 2
品4
31
PC 也屯Eg 19
10間 100酸素を吸引させ酸素消費
量を求めたなお血液採取は酸素
消費量測定の終了直前にした
7) 分時送血量の算出には Fickの l式にしたがったまた心係数 (Groll-
mann)lsquoは分時送血量を体表面積で除
して求め拍出量は分時送血量を l間
の心拍数で除して求めた
8) 心内圧はベリリウム膜を張った
静脈用ヘッドを用い千葉電機製 N-F
式エレグトロマノメターで増幅L
6エレメントの記録器で描記した(教
室の井原論文ゆ参照〉
3 心疾患ならびに高血圧症の
一部について高(100)低(ゃく
10)容量の酸素吸入を行った吸入
方法は Douglas パッグ中に 10酸
素+窒素カスまたは 100酸素を
つめて吸入させる方法と Knipping
のスパイロメター内に 10酸 素 +
窒素ガスをつめスパイロメタ中
の苛性カ Pで炭酸ガスを吸収し呼吸
によってガスを稀釈する方法の二つに
よった
4 心疾患の一部にそルフイシア
ミノフィリシを注射し Fick-Cour-
nand法および Wezler の新法
(1948)を改良した教室の方法によっ
て循環動態をしらベた(教室の稲垣論文(7)参照〉
本文中の略号一覧表を次に示す
Abbreviation in this paper
Ai
As
E Mi
M s
M V
Aortic insu伍 ciency
Aortic stenosis
Volume Elasticity
Mitral insu伍ciency
Mitral stenosis
Minute Volume
P A 一PulmonaryArtery (Pressure)
P C Pulmonary Capi1lary (Pressure)
Pd Diastolic Pressure
Ps Systolic Pressure
羽T Peripheral Resistance
S V Stroke Volume
111 実験成績
A心疾患
心疾患の右心カテテル検査成績を表 1abに示
OK r瓦 KA MYI 蹄Y sKIHH
す
1 代償不全のないもの〈表 1a7例)
すなわち N Y Heart Associa-
tion(12)(1946)指定の第 1級
01 末柏血液
赤血球数は 349--580X 104平均値士標準偏差
は 4647士 526 X 104で赤血球増加症はなかっ
たヘマトグリット値は 399-500 (426t36
)であった血色素量 (Sahli) は 72~ 102
(913士 123)であった
20 血液ガス
(i) 酸素飽合能は 1770_2254 Vol (1977
士172Vol )であった
(ii) 動脈血酸素含量は 1555_2148 Vol 874t222Vol )で動脈血酸素飽和度は 865
-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患
血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉
(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数
(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった
(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した
5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士
(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2
士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった
30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄
女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm
は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm
の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc
(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管
40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動
Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー
Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)
1 2 5 4 b
Name FM r 11l bull SK TK MK
SexIAge 043 口 27 022 047 022
Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al
Red(sldcvlε spaSG1
b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369
Ht (t) 7fj 77 75 80 74
Ht (メ 34 405 41 49
Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200
Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629
Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540
Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814
Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317
IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer
02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881
02 Saturatlon 860 915 910 926 866
02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200
M V Lmln 547 913 510 1057 270
S V CC 3493 1171 510 839 284
Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214
Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126
Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95
syst 42 58
P A diast 47mmHg 28
mean 33 420 51
PC mmHg 26 15
DecompenB l十 十 ート 十 十
6 7
IS 血K
ロ43 059
Al Al
379 430
78 1
44 41
1787
1515 1571
2975 4349
601 1193
4072 4894
914 378
1600 1620
947 970
2733 3180
299 841
374 989
195
153
80 85
95 35
41 lマ
73 23
53 16
十 +
一一一一寸
8 9
日G H A
口48 048
As七h Al Card
431 361
120 78
44 42
2900 1359
1959 1738
山367 4328
1336 1135
5135 4719
623 603
2001 1987
9ワ9 875
27001 2066
433 343
471 404
287 274
151 125
92 85
39 31
20 16
26 21
130 155
十 十
テルを入れカテーテル
先端がつかえて少し引
きもどしても動かないと
きの値をとったが 75
_32mmHg (209士 68
mmHg)で尋常値より
高い
2 代償不全のあ
るもの(表 1b 9
NY Heart のFAssocia tion指定
の第 23級 01 末梢血液
赤血球数は 346431
X 104(388 289 x10勺
ヘマトグリット値は 34--
49 (419士 39)血
色素量 (Sahli)は 61--
120 (80 151)で
赤血球増加症はなかっ
可
ドyenー
20 血液ガス
(i) 酸素飽合能は
1600~217 4 Vol (1894
士182Vo1 )であっ
た
(ii) 動脈血酸素含量
は 15152014 Vol
(1687士171Vol )
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー
61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土
で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血
症状態にあった代償不全のないものにくらべて
飽和度の低いものが多かった
(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol
(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく
らべて特別の菱化はない
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol
(1161士 313Vol )で代償不全のないもの
にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol
(4540士 341Vol )であった
(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525
士191Vol )で代償不全のないものにくらべ
てゃい高い
30 肺活量
女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は
1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな
いものにくらべて男女ともに低し
40 呼吸酸素消費量
2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全
のないものにくらべて特別の差はなし
50分時送血量拍出量心係数
分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L
min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の
1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈
弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示
しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した
拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ
たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374
cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382
士171Lminmりで代償不全のないものにくら
べてわずかに低い
60 肺動脈庄肺毛細管圧
肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm
Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm
Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm
Hg)であったいずれも代償不全のないものにく
らべて高し表 1bNo 5および No6は縮
期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示
した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140
mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53
mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな
いものに〈らべて高い値を示す
括 ノト
以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例
あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする
代償因子を顧慮してしらベた
1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には
代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか
った
2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度
の低酸素血症をみた
3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全
のない群のそれにぐらべて低い値を示した
4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ
え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか
ならずしも比例しなかった
5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに
くらべて不全群が高い値を示した
6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが
表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示
した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全
症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo
2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以
上観察した後天性心疾患 16例においては代償不
全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送
血量の間に一定の傾向がなかった
7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ
り高しまた代償不全群はないものにくらべて
高い値を示した
8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく
に代償不全群はないものにくらべて低い値を示
した
B高血圧症
物理学的方法による高血圧症の循環動態について
は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく
しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ
る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No
7以外に特別の斐化がなし
20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)
で心疾患のように とくに減っているものはなか
った
30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7
を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol
)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9
を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動
静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3
64土 098Vol )であった
40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243
-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻
Tab 2
Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG
Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62
Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j
Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e
Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90
Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48
Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123
Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060
Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983
Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31
Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426
A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165
429 d1ffer vol
02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212
02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E
O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730
M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636
S V cc 1060 964 1024 619 805
619 976 985 1714
CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398
Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100
Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79
syst 32 24 19 23 30 66
P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32
ldquo『
mean 17 27 16 15 23 17 23 43
1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o
Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多
いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し
た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で
尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い
たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数
は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり
で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし
く高し
50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士
157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど
L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)
でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm
Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期
圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高
値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも
Keith
んだ時期のものかまたは合併症とくに高血
圧性心疾患をもつものである
60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm
Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性
心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで
いちじるしく高し
小括
1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛
化がなかった
2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも
なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範
囲内にあった
3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた
が心疾患におけるほどいちじるしくなし
4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
11
5 Pectorla 1nha 30
1ater 17 7
ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4
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82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
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97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
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-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
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900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
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持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
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主宰コ
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若
宮
』
弘
陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
KM
WY
Sex Dlagno畠18 A色e
同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口
Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320
向ゐ圃 向4c3sbull
口 Asthma carola1e
53
Ms
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ロ Ml
Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も
Morphln1740 1409 08ccln
10 1168
20 1176
30 1176
MOlphlne 009 1706 10cclnj
10 1853
20 1911
30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
20 1212
30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
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2006
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li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
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ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -887ー
6) 呼吸酸素消費量の測定には Tab 1a
Knipping式ガス代謝測定器を使い 「一一一一一一 l 2 5 4 I 5 ti I 7
h時
038 I口拍031 口43 ロ27 ロ32 I口45
Ms Ms十MilMCbSar十rD嵐dn1e十b|l-- M1 Al Asth
SpS河m 巴ard
421 580 463 511
76 98 72 100
408 399 41 50
3900 2810 2693 1700 1300
206312148 1674 1904 1826
目 DlaJlnoss IMshellip~ (di
Iblood-cor仰 sclel 464
l Ht (帥 1 43 1410
yenVlta1-叫 cc yen2478 yen3306
IArt 02 y01 ~h5 55 11949
1 Art C九01ぉ 134431 40431 4214
jDecompens
349
100Hb () 1102
3999 1 247515030
Ven O2 01 112071 15891 13871 179811326 1 14221 1579
Ven C02vo1145061467914462
dA1V02V017- 348 360 676f1er
O2Cap yo1 1797 2011 216邑
O2Saturation完 865 969 952
4467 1 30771 5426
350 348 482 I247
払砧叫|山
958刈81 946 I975 1967
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一-
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C一
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一 2600 2950 2655 2150 2467 2340
722 436 758 618 512 947
1092 ti41 ワ66 754 617 10~9
459 291 483 454 686
15ワ 150 157 13E 138
66 68 99 82 83 92
42 51 438 49 38 40
19 M 285 19 29 18
27 40 336 27 32 26
21 32 241 i95 1235 1 75
-ー ー柏町 -町田 - 一
SV cc I736
L叫 nm1j 453 card lnd
Bo匂邑urface Arj13己
Hear七l1S七e I 83
叫 2
品4
31
PC 也屯Eg 19
10間 100酸素を吸引させ酸素消費
量を求めたなお血液採取は酸素
消費量測定の終了直前にした
7) 分時送血量の算出には Fickの l式にしたがったまた心係数 (Groll-
mann)lsquoは分時送血量を体表面積で除
して求め拍出量は分時送血量を l間
の心拍数で除して求めた
8) 心内圧はベリリウム膜を張った
静脈用ヘッドを用い千葉電機製 N-F
式エレグトロマノメターで増幅L
6エレメントの記録器で描記した(教
室の井原論文ゆ参照〉
3 心疾患ならびに高血圧症の
一部について高(100)低(ゃく
10)容量の酸素吸入を行った吸入
方法は Douglas パッグ中に 10酸
素+窒素カスまたは 100酸素を
つめて吸入させる方法と Knipping
のスパイロメター内に 10酸 素 +
窒素ガスをつめスパイロメタ中
の苛性カ Pで炭酸ガスを吸収し呼吸
によってガスを稀釈する方法の二つに
よった
4 心疾患の一部にそルフイシア
ミノフィリシを注射し Fick-Cour-
nand法および Wezler の新法
(1948)を改良した教室の方法によっ
て循環動態をしらベた(教室の稲垣論文(7)参照〉
本文中の略号一覧表を次に示す
Abbreviation in this paper
Ai
As
E Mi
M s
M V
Aortic insu伍 ciency
Aortic stenosis
Volume Elasticity
Mitral insu伍ciency
Mitral stenosis
Minute Volume
P A 一PulmonaryArtery (Pressure)
P C Pulmonary Capi1lary (Pressure)
Pd Diastolic Pressure
Ps Systolic Pressure
羽T Peripheral Resistance
S V Stroke Volume
111 実験成績
A心疾患
心疾患の右心カテテル検査成績を表 1abに示
OK r瓦 KA MYI 蹄Y sKIHH
す
1 代償不全のないもの〈表 1a7例)
すなわち N Y Heart Associa-
tion(12)(1946)指定の第 1級
01 末柏血液
赤血球数は 349--580X 104平均値士標準偏差
は 4647士 526 X 104で赤血球増加症はなかっ
たヘマトグリット値は 399-500 (426t36
)であった血色素量 (Sahli) は 72~ 102
(913士 123)であった
20 血液ガス
(i) 酸素飽合能は 1770_2254 Vol (1977
士172Vol )であった
(ii) 動脈血酸素含量は 1555_2148 Vol 874t222Vol )で動脈血酸素飽和度は 865
-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患
血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉
(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数
(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった
(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した
5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士
(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2
士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった
30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄
女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm
は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm
の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc
(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管
40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動
Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー
Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)
1 2 5 4 b
Name FM r 11l bull SK TK MK
SexIAge 043 口 27 022 047 022
Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al
Red(sldcvlε spaSG1
b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369
Ht (t) 7fj 77 75 80 74
Ht (メ 34 405 41 49
Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200
Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629
Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540
Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814
Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317
IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer
02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881
02 Saturatlon 860 915 910 926 866
02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200
M V Lmln 547 913 510 1057 270
S V CC 3493 1171 510 839 284
Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214
Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126
Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95
syst 42 58
P A diast 47mmHg 28
mean 33 420 51
PC mmHg 26 15
DecompenB l十 十 ート 十 十
6 7
IS 血K
ロ43 059
Al Al
379 430
78 1
44 41
1787
1515 1571
2975 4349
601 1193
4072 4894
914 378
1600 1620
947 970
2733 3180
299 841
374 989
195
153
80 85
95 35
41 lマ
73 23
53 16
十 +
一一一一寸
8 9
日G H A
口48 048
As七h Al Card
431 361
120 78
44 42
2900 1359
1959 1738
山367 4328
1336 1135
5135 4719
623 603
2001 1987
9ワ9 875
27001 2066
433 343
471 404
287 274
151 125
92 85
39 31
20 16
26 21
130 155
十 十
テルを入れカテーテル
先端がつかえて少し引
きもどしても動かないと
きの値をとったが 75
_32mmHg (209士 68
mmHg)で尋常値より
高い
2 代償不全のあ
るもの(表 1b 9
NY Heart のFAssocia tion指定
の第 23級 01 末梢血液
赤血球数は 346431
X 104(388 289 x10勺
ヘマトグリット値は 34--
49 (419士 39)血
色素量 (Sahli)は 61--
120 (80 151)で
赤血球増加症はなかっ
可
ドyenー
20 血液ガス
(i) 酸素飽合能は
1600~217 4 Vol (1894
士182Vo1 )であっ
た
(ii) 動脈血酸素含量
は 15152014 Vol
(1687士171Vol )
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー
61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土
で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血
症状態にあった代償不全のないものにくらべて
飽和度の低いものが多かった
(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol
(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく
らべて特別の菱化はない
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol
(1161士 313Vol )で代償不全のないもの
にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol
(4540士 341Vol )であった
(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525
士191Vol )で代償不全のないものにくらべ
てゃい高い
30 肺活量
女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は
1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな
いものにくらべて男女ともに低し
40 呼吸酸素消費量
2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全
のないものにくらべて特別の差はなし
50分時送血量拍出量心係数
分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L
min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の
1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈
弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示
しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した
拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ
たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374
cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382
士171Lminmりで代償不全のないものにくら
べてわずかに低い
60 肺動脈庄肺毛細管圧
肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm
Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm
Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm
Hg)であったいずれも代償不全のないものにく
らべて高し表 1bNo 5および No6は縮
期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示
した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140
mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53
mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな
いものに〈らべて高い値を示す
括 ノト
以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例
あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする
代償因子を顧慮してしらベた
1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には
代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか
った
2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度
の低酸素血症をみた
3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全
のない群のそれにぐらべて低い値を示した
4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ
え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか
ならずしも比例しなかった
5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに
くらべて不全群が高い値を示した
6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが
表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示
した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全
症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo
2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以
上観察した後天性心疾患 16例においては代償不
全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送
血量の間に一定の傾向がなかった
7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ
り高しまた代償不全群はないものにくらべて
高い値を示した
8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく
に代償不全群はないものにくらべて低い値を示
した
B高血圧症
物理学的方法による高血圧症の循環動態について
は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく
しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ
る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No
7以外に特別の斐化がなし
20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)
で心疾患のように とくに減っているものはなか
った
30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7
を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol
)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9
を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動
静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3
64土 098Vol )であった
40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243
-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻
Tab 2
Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG
Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62
Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j
Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e
Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90
Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48
Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123
Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060
Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983
Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31
Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426
A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165
429 d1ffer vol
02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212
02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E
O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730
M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636
S V cc 1060 964 1024 619 805
619 976 985 1714
CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398
Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100
Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79
syst 32 24 19 23 30 66
P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32
ldquo『
mean 17 27 16 15 23 17 23 43
1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o
Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多
いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し
た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で
尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い
たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数
は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり
で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし
く高し
50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士
157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど
L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)
でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm
Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期
圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高
値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも
Keith
んだ時期のものかまたは合併症とくに高血
圧性心疾患をもつものである
60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm
Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性
心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで
いちじるしく高し
小括
1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛
化がなかった
2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも
なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範
囲内にあった
3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた
が心疾患におけるほどいちじるしくなし
4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
11
5 Pectorla 1nha 30
1ater 17 7
ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4
18 TT 1050+lI 1 ( 1
51 Pozblr耳ar- Inha11245 22
1tis 1ater 22
ロ Pa包且t 14
YH daurctEter戸1
IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5
oaua later 16
口 cl工Onobna5trl揺Ql2十0HA
14
国釘 FC VD 1730 18
41 1ater 20
H1bbyaEpyerreo14事 工nlClb0OaZaEIEblr政r2ohl+12Ha0
20
JiT () 26 55
26
[] 14 A5 Tuvenl1o znC1b1ca需a1むampr1oナH51a t-) 1525 E81EF0nez-むoll 10
later 11
口 c1Z1ZBbn7SatErlh+lEl24E 1550『
12
45 E耳1pearむen- 15
仁 1stor 15
ロ 50 A且も工ySm9 Z虚c1lao11n需azel15rrcν1o0lEa 10晶0 48
M 岳0 36
口 1工C2且oh1nEa七Erlbo十Hl6a40
20 S~ 国
誼83IFPozzrt8 640 256もE later 52
一-
砂
Heart System1c BPm皿Hg Art 0時z
Art CU2
COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (
88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea
82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152
SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11
97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
68 1200 110 自由 9 3761
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
ぴ+t同司】b
〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst
司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司
位司
No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge
ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC
z Before 948 874 1305 83811100 11965 67
δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85
1 MK 口
7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90
まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh
五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6
昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-
35 324 31 511892 261019562 103 65
2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535
55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh
Ms 民d十C電
Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923
3 O K
75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31
FさC4Dと 15 after 7 Inh
5851 624 1092 17041 9458 937 1901
』晶aSBEd4
Before1885 5631 731 1057
3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601
7 1600 88111014 740 1367110856
TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~
4 T 51 o 9 1580 6731 872 913
世て品が6Eロヨ F三U0三43
1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839
2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after
91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9
口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱
10 874 205627 ω
冨 求V4 6 after
91 51 262
6 Inh
z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874
口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83
43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h
tωEぷ
z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41
+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明
弘Eロ
V361100附hellip115870 肝 5
まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
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ωωMωωon
S
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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
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10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
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VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
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Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
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025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患
血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉
(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数
(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった
(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した
5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士
(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2
士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった
30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄
女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm
は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm
の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc
(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管
40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動
Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー
Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)
1 2 5 4 b
Name FM r 11l bull SK TK MK
SexIAge 043 口 27 022 047 022
Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al
Red(sldcvlε spaSG1
b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369
Ht (t) 7fj 77 75 80 74
Ht (メ 34 405 41 49
Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200
Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629
Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540
Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814
Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317
IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer
02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881
02 Saturatlon 860 915 910 926 866
02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200
M V Lmln 547 913 510 1057 270
S V CC 3493 1171 510 839 284
Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214
Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126
Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95
syst 42 58
P A diast 47mmHg 28
mean 33 420 51
PC mmHg 26 15
DecompenB l十 十 ート 十 十
6 7
IS 血K
ロ43 059
Al Al
379 430
78 1
44 41
1787
1515 1571
2975 4349
601 1193
4072 4894
914 378
1600 1620
947 970
2733 3180
299 841
374 989
195
153
80 85
95 35
41 lマ
73 23
53 16
十 +
一一一一寸
8 9
日G H A
口48 048
As七h Al Card
431 361
120 78
44 42
2900 1359
1959 1738
山367 4328
1336 1135
5135 4719
623 603
2001 1987
9ワ9 875
27001 2066
433 343
471 404
287 274
151 125
92 85
39 31
20 16
26 21
130 155
十 十
テルを入れカテーテル
先端がつかえて少し引
きもどしても動かないと
きの値をとったが 75
_32mmHg (209士 68
mmHg)で尋常値より
高い
2 代償不全のあ
るもの(表 1b 9
NY Heart のFAssocia tion指定
の第 23級 01 末梢血液
赤血球数は 346431
X 104(388 289 x10勺
ヘマトグリット値は 34--
49 (419士 39)血
色素量 (Sahli)は 61--
120 (80 151)で
赤血球増加症はなかっ
可
ドyenー
20 血液ガス
(i) 酸素飽合能は
1600~217 4 Vol (1894
士182Vo1 )であっ
た
(ii) 動脈血酸素含量
は 15152014 Vol
(1687士171Vol )
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー
61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土
で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血
症状態にあった代償不全のないものにくらべて
飽和度の低いものが多かった
(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol
(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく
らべて特別の菱化はない
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol
(1161士 313Vol )で代償不全のないもの
にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol
(4540士 341Vol )であった
(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525
士191Vol )で代償不全のないものにくらべ
てゃい高い
30 肺活量
女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は
1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな
いものにくらべて男女ともに低し
40 呼吸酸素消費量
2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全
のないものにくらべて特別の差はなし
50分時送血量拍出量心係数
分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L
min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の
1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈
弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示
しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した
拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ
たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374
cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382
士171Lminmりで代償不全のないものにくら
べてわずかに低い
60 肺動脈庄肺毛細管圧
肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm
Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm
Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm
Hg)であったいずれも代償不全のないものにく
らべて高し表 1bNo 5および No6は縮
期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示
した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140
mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53
mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな
いものに〈らべて高い値を示す
括 ノト
以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例
あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする
代償因子を顧慮してしらベた
1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には
代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか
った
2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度
の低酸素血症をみた
3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全
のない群のそれにぐらべて低い値を示した
4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ
え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか
ならずしも比例しなかった
5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに
くらべて不全群が高い値を示した
6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが
表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示
した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全
症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo
2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以
上観察した後天性心疾患 16例においては代償不
全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送
血量の間に一定の傾向がなかった
7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ
り高しまた代償不全群はないものにくらべて
高い値を示した
8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく
に代償不全群はないものにくらべて低い値を示
した
B高血圧症
物理学的方法による高血圧症の循環動態について
は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく
しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ
る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No
7以外に特別の斐化がなし
20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)
で心疾患のように とくに減っているものはなか
った
30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7
を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol
)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9
を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動
静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3
64土 098Vol )であった
40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243
-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻
Tab 2
Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG
Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62
Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j
Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e
Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90
Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48
Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123
Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060
Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983
Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31
Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426
A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165
429 d1ffer vol
02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212
02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E
O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730
M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636
S V cc 1060 964 1024 619 805
619 976 985 1714
CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398
Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100
Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79
syst 32 24 19 23 30 66
P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32
ldquo『
mean 17 27 16 15 23 17 23 43
1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o
Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多
いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し
た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で
尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い
たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数
は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり
で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし
く高し
50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士
157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど
L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)
でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm
Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期
圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高
値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも
Keith
んだ時期のものかまたは合併症とくに高血
圧性心疾患をもつものである
60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm
Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性
心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで
いちじるしく高し
小括
1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛
化がなかった
2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも
なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範
囲内にあった
3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた
が心疾患におけるほどいちじるしくなし
4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
11
5 Pectorla 1nha 30
1ater 17 7
ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4
18 TT 1050+lI 1 ( 1
51 Pozblr耳ar- Inha11245 22
1tis 1ater 22
ロ Pa包且t 14
YH daurctEter戸1
IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5
oaua later 16
口 cl工Onobna5trl揺Ql2十0HA
14
国釘 FC VD 1730 18
41 1ater 20
H1bbyaEpyerreo14事 工nlClb0OaZaEIEblr政r2ohl+12Ha0
20
JiT () 26 55
26
[] 14 A5 Tuvenl1o znC1b1ca需a1むampr1oナH51a t-) 1525 E81EF0nez-むoll 10
later 11
口 c1Z1ZBbn7SatErlh+lEl24E 1550『
12
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仁 1stor 15
ロ 50 A且も工ySm9 Z虚c1lao11n需azel15rrcν1o0lEa 10晶0 48
M 岳0 36
口 1工C2且oh1nEa七Erlbo十Hl6a40
20 S~ 国
誼83IFPozzrt8 640 256もE later 52
一-
砂
Heart System1c BPm皿Hg Art 0時z
Art CU2
COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (
88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea
82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152
SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11
97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
68 1200 110 自由 9 3761
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
ぴ+t同司】b
〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst
司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司
位司
No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge
ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC
z Before 948 874 1305 83811100 11965 67
δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85
1 MK 口
7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90
まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh
五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6
昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-
35 324 31 511892 261019562 103 65
2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535
55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh
Ms 民d十C電
Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923
3 O K
75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31
FさC4Dと 15 after 7 Inh
5851 624 1092 17041 9458 937 1901
』晶aSBEd4
Before1885 5631 731 1057
3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601
7 1600 88111014 740 1367110856
TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~
4 T 51 o 9 1580 6731 872 913
世て品が6Eロヨ F三U0三43
1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839
2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after
91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9
口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱
10 874 205627 ω
冨 求V4 6 after
91 51 262
6 Inh
z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874
口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83
43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h
tωEぷ
z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41
+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明
弘Eロ
V361100附hellip115870 肝 5
まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A
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O号U
主宰コ
哨一
若
宮
』
弘
陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
KM
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Sex Dlagno畠18 A色e
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53
Ms
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ロ Ml
Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も
Morphln1740 1409 08ccln
10 1168
20 1176
30 1176
MOlphlne 009 1706 10cclnj
10 1853
20 1911
30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
20 1212
30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
Tlme Before
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12854
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828
906
2022
13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
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025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー
61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土
で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血
症状態にあった代償不全のないものにくらべて
飽和度の低いものが多かった
(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol
(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく
らべて特別の菱化はない
(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol
(1161士 313Vol )で代償不全のないもの
にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol
(4540士 341Vol )であった
(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525
士191Vol )で代償不全のないものにくらべ
てゃい高い
30 肺活量
女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は
1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな
いものにくらべて男女ともに低し
40 呼吸酸素消費量
2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全
のないものにくらべて特別の差はなし
50分時送血量拍出量心係数
分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L
min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の
1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈
弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示
しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した
拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ
たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374
cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382
士171Lminmりで代償不全のないものにくら
べてわずかに低い
60 肺動脈庄肺毛細管圧
肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm
Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm
Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm
Hg)であったいずれも代償不全のないものにく
らべて高し表 1bNo 5および No6は縮
期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示
した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140
mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53
mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな
いものに〈らべて高い値を示す
括 ノト
以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例
あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする
代償因子を顧慮してしらベた
1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には
代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか
った
2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度
の低酸素血症をみた
3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全
のない群のそれにぐらべて低い値を示した
4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ
え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか
ならずしも比例しなかった
5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに
くらべて不全群が高い値を示した
6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが
表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示
した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全
症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo
2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以
上観察した後天性心疾患 16例においては代償不
全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送
血量の間に一定の傾向がなかった
7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ
り高しまた代償不全群はないものにくらべて
高い値を示した
8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく
に代償不全群はないものにくらべて低い値を示
した
B高血圧症
物理学的方法による高血圧症の循環動態について
は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく
しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ
る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No
7以外に特別の斐化がなし
20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)
で心疾患のように とくに減っているものはなか
った
30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7
を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol
)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9
を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動
静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3
64土 098Vol )であった
40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243
-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻
Tab 2
Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG
Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62
Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j
Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e
Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90
Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48
Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123
Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060
Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983
Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31
Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426
A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165
429 d1ffer vol
02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212
02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E
O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730
M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636
S V cc 1060 964 1024 619 805
619 976 985 1714
CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398
Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100
Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79
syst 32 24 19 23 30 66
P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32
ldquo『
mean 17 27 16 15 23 17 23 43
1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o
Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多
いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し
た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で
尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い
たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数
は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり
で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし
く高し
50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士
157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど
L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)
でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm
Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期
圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高
値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも
Keith
んだ時期のものかまたは合併症とくに高血
圧性心疾患をもつものである
60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm
Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性
心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで
いちじるしく高し
小括
1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛
化がなかった
2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも
なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範
囲内にあった
3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた
が心疾患におけるほどいちじるしくなし
4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
11
5 Pectorla 1nha 30
1ater 17 7
ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4
18 TT 1050+lI 1 ( 1
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88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea
82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152
SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11
97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
68 1200 110 自由 9 3761
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
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7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90
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2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535
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91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
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口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱
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z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41
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まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
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2医師 I言aE臼t6さ
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宮
』
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陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
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norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
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由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
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852
844
2006
12854
869
30
960
828
906
2022
13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻
Tab 2
Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10
Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG
Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62
Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j
Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e
Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90
Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48
Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123
Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060
Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983
Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31
Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426
A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165
429 d1ffer vol
02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212
02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E
O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730
M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636
S V cc 1060 964 1024 619 805
619 976 985 1714
CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398
Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100
Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79
syst 32 24 19 23 30 66
P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32
ldquo『
mean 17 27 16 15 23 17 23 43
1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o
Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多
いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し
た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で
尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い
たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数
は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり
で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし
く高し
50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士
157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど
L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)
でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm
Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期
圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高
値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも
Keith
んだ時期のものかまたは合併症とくに高血
圧性心疾患をもつものである
60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm
Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性
心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで
いちじるしく高し
小括
1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛
化がなかった
2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも
なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範
囲内にあった
3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた
が心疾患におけるほどいちじるしくなし
4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
11
5 Pectorla 1nha 30
1ater 17 7
ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4
18 TT 1050+lI 1 ( 1
51 Pozblr耳ar- Inha11245 22
1tis 1ater 22
ロ Pa包且t 14
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IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5
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口 cl工Onobna5trl揺Ql2十0HA
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M 岳0 36
口 1工C2且oh1nEa七Erlbo十Hl6a40
20 S~ 国
誼83IFPozzrt8 640 256もE later 52
一-
砂
Heart System1c BPm皿Hg Art 0時z
Art CU2
COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (
88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea
82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152
SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11
97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
68 1200 110 自由 9 3761
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
ぴ+t同司】b
〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst
司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司
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δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85
1 MK 口
7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90
まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh
五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6
昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-
35 324 31 511892 261019562 103 65
2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535
55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh
Ms 民d十C電
Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923
3 O K
75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31
FさC4Dと 15 after 7 Inh
5851 624 1092 17041 9458 937 1901
』晶aSBEd4
Before1885 5631 731 1057
3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601
7 1600 88111014 740 1367110856
TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~
4 T 51 o 9 1580 6731 872 913
世て品が6Eロヨ F三U0三43
1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839
2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after
91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9
口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱
10 874 205627 ω
冨 求V4 6 after
91 51 262
6 Inh
z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874
口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83
43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h
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z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41
+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明
弘Eロ
V361100附hellip115870 肝 5
まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
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陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
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30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
Tlme Before
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960
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13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
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025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-
であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸
心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の
弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり
を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった
囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ
C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸
よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が
1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭
以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常
は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心
くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激
- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患
例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および
示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す
実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は
をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな
空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい
吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる
直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急
症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ
Tab3 Hypoxic Test
Appearance ReaRpa 1tre as七oryName
Asseze D180rderll Remar瓦8 ot
Dyspno聾a
ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y
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82 138 90 976 4229
78 96 64 862 3703
85 107 52 631 4425 Cyanoe1s
72 114 68 880 4316
68 90 62 882 4409
82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache
71 91 55 878 4362
79 127 72 745 4380
81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea
69 1M 66
84 130 74 948 4966
90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822
80 160 70 969 4220
88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e
マa 158 ワ0 855 4527
79 208 128 961 5031 86
190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152
SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11
97 85 56 829(5 4546 paln
76 86 54 954 4244 Cyanoa1e
l宮O 120 75266 4130
12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl
68 1200 110 自由 9 3761
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
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91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
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10 874 205627 ω
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口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83
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+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明
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まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
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ωωMωωon
S
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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
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4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
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30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
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Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻
Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation
ぴ+t同司】b
〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst
司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司
位司
No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge
ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC
z Before 948 874 1305 83811100 11965 67
δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85
1 MK 口
7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90
まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh
五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6
昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-
35 324 31 511892 261019562 103 65
2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535
55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh
Ms 民d十C電
Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923
3 O K
75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31
FさC4Dと 15 after 7 Inh
5851 624 1092 17041 9458 937 1901
』晶aSBEd4
Before1885 5631 731 1057
3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601
7 1600 88111014 740 1367110856
TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~
4 T 51 o 9 1580 6731 872 913
世て品が6Eロヨ F三U0三43
1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839
2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after
91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after
900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660
z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9
口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱
10 874 205627 ω
冨 求V4 6 after
91 51 262
6 Inh
z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874
口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83
43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h
tωEぷ
z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41
+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明
弘Eロ
V361100附hellip115870 肝 5
まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5
持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
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宮
』
弘
陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
KM
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同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口
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53
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16 141
ロ Ml
Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も
Morphln1740 1409 08ccln
10 1168
20 1176
30 1176
MOlphlne 009 1706 10cclnj
10 1853
20 1911
30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
20 1212
30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
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86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-
ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ
らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直
接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多
くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静
脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと
があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし
えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ
徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1
~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸
素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では
意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100
酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4
~ー12平均一31の菱化であった
健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度
を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず
かに充進する(表 4No 1)
吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均
100 6 + 80 + 10
84 10 + 185 + 55
72 5 +260 -70
このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽
和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸
素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず
かしいさらに病的状態においては事情が複雑
になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧
が低下し卒倒することはよく知られた事実であ
るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか
知られている18h また慢性低酸素血症に心機能
Fig
の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも
ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を
させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か
らも理解できるしかしかようなさいに 100
酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に
することを教室の謝(13)は指摘したかように
血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観
察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋
常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し
たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧
は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に
あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある
4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど
不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不
愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ
る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ
りは平均一 15であったこれにたいして中等度
ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は
平均 +10まし弛期圧は平均一7へった
つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ
げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y
A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは
95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸
入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数
は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入
3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼
吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140
50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸
1
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
oき1ωr室吋g~ 5V
flfl)十B芸 dS~707 さ MV
2医師 I言aE臼t6さ
とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A
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主宰コ
哨一
若
宮
』
弘
陀
ωωMωωon
S
A
が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
KM
WY
Sex Dlagno畠18 A色e
同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口
Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320
向ゐ圃 向4c3sbull
口 Asthma carola1e
53
Ms
16 141
ロ Ml
Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も
Morphln1740 1409 08ccln
10 1168
20 1176
30 1176
MOlphlne 009 1706 10cclnj
10 1853
20 1911
30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
20 1212
30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
Tlme Before
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pulsquo Wq4』O
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10
887
793
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2006
12854
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960
828
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2022
13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻
困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2
じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs
えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis
たこのときの動脈血酸素飽和度は SV
774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT
は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV
Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度
は 976になった自覚症状は Jf酸
素吸入を中止してから 3後になくな
った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps
は平坦化L室内空気を吸入してから
3では徐拍および STmがさがり
Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3
慢性低酸素血症にたいする他の代償
因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ
るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血
球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ
けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる
そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を
生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ
うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より
もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および
うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす
るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ
ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除
き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら
すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること
などによると思われる原則として動脈血酸素飽
和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末
梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合
した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全
末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは
飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末
梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため
Tlme in minutes
分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165
ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明
にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降
する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切
りかえるとへる
図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心
カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入
させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈
血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時
送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入
中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に
Fig 3
OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis
~ tc lflin
妥70r7 I 堅
6霊苦 t』且Aめ 50p喜
L4ミ
合主d刊号印字宣武田町
士~日lt t百~
昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト
ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf
10ω 100
lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3
80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3
c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60
N
の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110
下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包
忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~
005
70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初
田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50
よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75
ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
OK
1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
A I
1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
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466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
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由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
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らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
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025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
~
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー
もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止
後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向
を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5
にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後
15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮
期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍
数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後
軽度にあがった全換気量および 1回換気量は
ともに吸入 7で著明に増した
表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ
させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは
tt怖n
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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して
むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵
抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管
拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に
たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ
の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である
といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分
析することにより心肺動態 とくに病的機能学
を明らかにすることができる表 4NO5では低
酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ
るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ
るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の
末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ
りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ
ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進
のないことは当然であるこの例の換気量はふえて
いるこれは主として神経性反応によると思われ
る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に
よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ
るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力
なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸
困難中には観察できないないししても無駄なこ
とがわかる動物実験で補足しなければならない理
由の一つはこんなところにもある
表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不
全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸
素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K
れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd
0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ
Time in MlntJfes うと考える
小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ
ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気
中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈
する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和
度は 361にまでさがった分時送血量および
拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような
激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は
41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止
後にかえってわずかではあるがあがっている
脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因
子で応じるがこのさいまず考えられることは
末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少
は大循環の血圧を充進させないほど有力である
低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ
以上のように心脈管疾患を中心として低酸素
吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ
て見かけの成績はしろいろであったしかし個
々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら
かにすることができる心疾患における低容量酸素
吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お
よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換
気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し
気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ
れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で
増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の
うち重症例では とくに正の不足を示すものが多
い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
NameSexAge Diagnosis Tidal
Volume Lminm2
1yen1inute Volume
cc
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1S
A 1yen1
TT
031
ロ43
059
口27
1yen1S
A 1yen1+ 1 S
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1yen1S+1yen11
396 109
536 725
448 750
541 1120
308 613
422 606
292 383
513 772
Asth 570口45 Bronch 220
402NT normal 805
354TT nonnal 844
にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
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37胆ワ6 922 21 85
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4732 871 22 85
4935 904 21 80
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3569 858 19 82
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7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
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らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
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小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻
Fig 5Tab 5
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にさらされていると低酸素血にたいする化学受容
体の興奮性が低下するとすればかような成積も理
解できないことはなしたどしこの仮定について
はもちろん験証がしる(実臨編参照〉
2 高容量酸素吸入
尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を
吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか
しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液
または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす
べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく
なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として
心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの
因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない
と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供
給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ
みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100
酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に
ついて説明する
図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉
患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動
態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の
低酸素血症があったが吸入により 977に増し
た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった
100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示
す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口
閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ
た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ
場合によっては収縮緊張を増すこともありうる
がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ
ート | 』ト
し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes
Fig 6
るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切
である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者
に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの
患者が失神したことを報告したわたくしが15)同
様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は
(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制
の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教
授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
IT
KM
WY
Sex Dlagno畠18 A色e
同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口
Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320
向ゐ圃 向4c3sbull
口 Asthma carola1e
53
Ms
16 141
ロ Ml
Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も
Morphln1740 1409 08ccln
10 1168
20 1176
30 1176
MOlphlne 009 1706 10cclnj
10 1853
20 1911
30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
20 1212
30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
3274 932 20 8マ
4732 871 22 85
4935 904 21 80
5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
Tlme Before
bull0
pulsquo Wq4』O
c羽u0為 FUh 44
呈ah吋司a露sニヲ『
10
887
793
913
2097
126己6
895
20
981
852
844
2006
12854
869
30
960
828
906
2022
13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
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Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー
において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6
にわたって存在すると茨酸ガスによ
り有力に支配される呼吸中枢よりも
呼吸調節の主導性は低酸素により有力
に支配される末梢化学受容体へ移る可
能性を示したこのようなときに
100酸素を吸引させれば末梢化学
受容体の呼吸調節にたしする主導性は
うばわれ換気の抑制がおこりうると
思われるしかし以上のことは慢
性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ
せることが不利であるとのい Lではな
いこの呼吸機能学的に興味のある現
象も一過性であるこの一過性の換気
抑制にもか Lわらず臨床的に必要の
ある時はそのま L酸素を吸入させる
と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す
る
D心脈管疾患ことに心
性呼吸困難をもっ患者に
たいするモルフィシア
ミノプイ Pユの影響
1 ーモノレフィユノ
モノレブイシは心疾患の治療におい
て第二のジギタリスといわれる日
常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB
を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ
Name
NK
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10 1168
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30 1874
904 1660 c1nJ
10 1722
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30 1731
norphine 1670 10cclnJ
10 1889
Art Art
vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色
4378 809 28 92
4066 671 27
ベ3867 675 28 90
466S 675 28 93
3509 849 21 86
37胆ワ6 922 21 85
3887 951 22 87
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5030 640 22 76
4936 909 22 81
3569 858 19 82
ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80
45 20
30
167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1
由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー
7 Tabせうることがょく知られてい
るしかし教室の千葉くりは
モノレブイシが気管枝哨息のみな
らず JLiyen鳴息ないし心性呼
吸困難患者においても換気そ
のものにたいしてはむしろ
抑制的にはたらくことを述べ
たことに前者ではそれがしち
じるしく ときに重大な結果を
t もたらすことを警告した後者
においては ときに気相面か
H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持
Tlme Before
bull0
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呈ah吋司a露sニヲ『
10
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126己6
895
20
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2006
12854
869
30
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2022
13158
86
S V cc 824
li V L皿ln 761
PerlphheslsじDynecm 929
VolUllle llast 町田cmS 1955
Blood ~reBBure m皿Hg 12456
Heart ftate 臼24
らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ
フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽
除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開
ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋
効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ
) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心
て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
宅密
-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻
血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に
おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり
容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患
者は「楽になったjといったかような循環動態の
改善はアミノフィりンでも見られる
2 アミノプイリン
心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら
アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g
を静注しその後 30ないし 40において調べた
血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1
は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ
025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合
静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび
に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった
動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分
時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全
Tab
末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその
かね合しから血圧は充進しない
NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No
1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に
も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち
じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914
rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出
量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc
に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ
れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった
No 1No 2における採血時間では動脈血酸
素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち
じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ
も増したことに代償不全のある NO2では 47
増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ
ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える
8
出
ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ
吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-
a|U8| |λName プま|プま いま|内渓
口必
口必
No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5
口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI
025 g inj
W Y Neophylline
Age
民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶
994 833after 40
Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994
2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452
Case l bO
2gz
ElullsgName ~Igtltlロロ ~ uτI~~雪訂iE2 孟lJlυ(No 誌宮jR31 3包
4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|
W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI
025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817
1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2
025 g inj 551 295 12760 82 553after 30
小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ
モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨
ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった
動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按
るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸
るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示
すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を
わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した
にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい
中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー
かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不
難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健
致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧
症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな
かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁
膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および
閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を
示すとしばしばいわれているしかしわたく
しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな
いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋
常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな
かったすでに教室のジギタリス委員会における
報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい
る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9
では Fick-Cournand法による分時送血量は 343
Lminであるが Wezler法による値は 1246L
minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため
左室の送血量が増しているためと考えかような場
合には Wezler法を用いるべきでないことを教
室の稲垣(りは述べている
肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高
血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示
し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを
みた Josephらのいうようにある心疾患では
肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ
とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入
する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか
まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して
しおとも考えられる場合もある(20)
一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激
がおこると考えられているがこれは極端に低い
(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく
誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂
の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動
物においてもヒトにおいてもそのような激しい
過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-
roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして
はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ
るといった Josephゅは健常人および心肺疾患
々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ
たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま
常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ
うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭
窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を
6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど
不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって
動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ
がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと
んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に
よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ
拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧
もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右
心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教
授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ
たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95
52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる
しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽
和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは
前に述べたように患者の非協力によるものと思わ
れこのことからみても動物実験の要があると考
える
慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球
増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ
るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない
と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素
を供給されず うつ血性心不全または心冠不全
をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は
Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth
〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは
心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって
肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ
たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を
吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが
ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい
する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの
ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機
能的に除去されそのはたらきが低下するからであ
る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-
daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ
ことができると考える
v むすび
以上述べたことから次のような結論をえた
1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総
-900一 千葉医学会雑誌 第32巻
全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈
血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動
脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと
はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW
JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった
2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂
のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反
応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら
べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験
の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細
胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に
10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ
血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義
があった
3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善
されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反
応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー
のある反応がみられることは重要であるO
4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か
ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します
本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30
10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部
省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研
究費によったことを附記する
支
1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)
2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The
Physiological basis for oxygen therapy
Charles C Thomas 1953
3 DrippsR DComroeJ H Jr Am
J Physiol 149277-2911497
4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)
5原亨日内誌 412961952
6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey
SchaferE P Clin Sc61871947
7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)
8 JosephWet al Circulation5263
献
1952
9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)
10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)
11中村和之 日内誌 459131 (昭31)
12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis
of diseases of the heart by the Criteria
Committee of the N Y Heart Association
4 ed N Y 1946
13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267
(昭31)
14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138
第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究
〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)
16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie
研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran
17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)
研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)
18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総