情報工学実験ii ネットワーク実験 実験要領 · 宇都宮大学工学部...

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情報工学実験 II ネットワーク実験 実験要領 2019 年度版 場所:情報工学実験室(4-221) 担当 森博志

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Page 1: 情報工学実験II ネットワーク実験 実験要領 · 宇都宮大学工学部 情報工学実験II ネットワーク実験 資料ver. 20190402 (一方FMラジオでは搬送波を周波数変調している.)Baseの意味は,基本信号周波数(ベースバン

情報工学実験 II

ネットワーク実験

実験要領

2019年度版

場所:情報工学実験室(4-221)

担当 森博志

Page 2: 情報工学実験II ネットワーク実験 実験要領 · 宇都宮大学工学部 情報工学実験II ネットワーク実験 資料ver. 20190402 (一方FMラジオでは搬送波を周波数変調している.)Baseの意味は,基本信号周波数(ベースバン

目 次

1 はじめに 1

2 目的 1

3 実験概説 1

4 コンピュータネットワーク (Ethernet)  (予習) 1

5 実験システム 3

6 ネットワーク構成の理解と基本特性の計測(1日目) 4

6.1 実験手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

6.2 考察内容 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

7 100BASE-TXを用いた計測,およびルータの役割の理解とそれを介した計測(2日目) 10

7.1 実験手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

7.1.1 100Mbps Full Duplexを用いた直接通信 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

7.1.2 ルータを介した通信(10Mbps Half Duplex) . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

7.2 考察内容 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

8 Wi-Fiを介した伝送実験(実験 3日目) 12

8.1 実験手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

8.2 考察内容 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16

9 実験の終了の際には 16

10 レポートについて 17

10.1 注意事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17

10.2 章節構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

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宇都宮大学工学部 情報工学実験 II ネットワーク実験 資料 ver. 20190402

1 はじめに

ネットワーク実験開始時(第 1回)に小テストを行います.本指導書内容に関することです.実験日前に,本指導書をよく読んで「何が分からないのか」が明確にしておいてください.また,実験データの持ち出しのために,実験当日はUSBメモリを持参してください.

• 実験を実施して分かることが多数あると思います.また,それが実験の目的でもあります.分からないことは,やさしい TAなどに質問してください.質問の際には,指導書の「この部分が分からない」と明示的に指摘して質問して下さい.

• 本実験には,基本的に危険はありません.実験グループのメンバー1がそろい,時間となったら実験を開始してください.

• 最終回の実験日以外には,実験システムをそのまま実験途中の状態で放置して実験を終了してかまいません.ただし,自実験グループが使用しているクライアント計算機,オシロスコープ,電源などは適切に停止し,コンセントも抜いてください.また,本日の実験予定が終了した旨をやさしい TAなどにどこまでの実験を終了したかを申告して,その日の実験終了の確認を受けてください.

2 目的

Ethernetにおける実効伝送能力をさまざまな環境で計測し,実際のネットワークにおける伝送性能を理解する2.

3 実験概説

本実験では実効伝送能力の測定対象として,EthernetとWi-Fiを用いる.Ethernetとは,コンピュータ間で通信を行うネットワーク規格の 1つである.一般家庭やオフィスなどで LAN (Local

Area Network) を形成するために用いられている.種類として主に 10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-Tなどがある.10BASE-Tの意味は,10 (10Mbit/S) Base (band) - T (Twisted pair)

である.最大で毎秒 10Mbitのデータを伝送することが可能である.しかし実際に伝送可能なデータ量は,伝送方法や伝送環境により大きく異なる.また,Wi-Fiとは無線通信で LANを形成する規格である.本実験では,ネットワークプロトコルとして TCP/IPと UDP/IPを比較する.また,伝送環境

として,直接通信を行う場合とルータやWi-Fiを介して伝送する場合を扱い,それらの伝送性能について比較を行う.

4 コンピュータネットワーク (Ethernet)  (予習)

コンピュータネットワークは,多くの階層から構成されている(表 1).一番下は,物理層である.最近は,Ethernetでは,100BASE-TXおよび 1000BASE-T方式がよく利用されている.このとき,物理層のケーブルは,「より対線」であり,そこに流れる電気信号は,ディジタル論理値の 0/1

を電圧に割り当てて表現している.これはAMラジオで,搬送波を振幅変調しているのと似ている.

1実験は基本的に,実験グループ全体の実験です,グループの全員が実験を目前で体験することが必要です.休みの連絡があった場合には,連絡のあったメンバーを除いて実験を実施してかまいません.また,5分程度待っても連絡がない場合には,残りのメンバーで実験を実施してかまいません.

2この実験は,ネットワークを介して実際にどの程度の情報が送れるかを計測します.

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(一方 FMラジオでは搬送波を周波数変調している.)Baseの意味は,基本信号周波数(ベースバンド)のまま伝送することである.上記物理層の上にデータリンク層として Ethernetが実現されている.Ethernetは,多重アクセスプロトコルとして CSMA/CD方式を採用している.

表 1: OSI参照モデル第 7層 アプリケーション層:ユーザが操作するインターフェース.

第 6層 プレゼンテーション層

第 5層 セッション層

第 4層 トランスポート層:ネットワークにおける通信管理.

第 3層 ネットワーク層:ネットワークにおいて通信経路の選択.

第 2層 データリンク層:通信機器間の直接的な信号の受け渡し.

第 1層 物理層:電気信号の変換等.

Ethernetでは,ホストAから送出されたデータは,同じ Ethernetに繋がっている全ホストへ届けられる.つまり「1対全」の通信であり,ホストAはホストB宛てのデータを送出しても,関係の無いホスト CやDにも届いてしまう.つまり,任意のホストAと Bとの 1対 1のみでの通信は不可能である.各端末を区別するためにイーサネット機器は全て固有のMACアドレスを持つ.ホスト CおよびDは一旦受け取るが自分宛てのデータでない為,これを廃棄する.また,「1対全」の通信であるため,既にホストAとBが通信している時にホストCが新たにデー

タを送出すると,データの衝突 (コリジョン)が発生してしまう.コリジョンが発生すれば通信は成り立たない.Ethernetでは,コリジョンを回避するためにデータ送出の手順が決められている.まずホストは,自分の繋がっているEthernet内でフレーム  (データ)が流れていないか確認する.もし既に別のホストが通信していれば,ランダムの時間だけ待って再び確認する.フレーム (データ)

が流れていなければ,自分のフレーム (データ)を送出する.しかし別のホストも同時に送り出していたら,ここでコリジョンが起こる.コリジョンを検知したホストは,ランダムの時間待ち,再度同じフレームを送出する.これがCSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access / Collision Detection)

と呼ばれる通信方式である.同じデータが到達するネットワークをコリジョンセグメントと言い,物理層により全体の長さが固定されている.それ以上の規模のネットワークを構築する場合,ブリッジ,もしくはそれが多ポート化したイーサネットスイッチ(スイッチングハブ),ルータ等を用いてネットワークを分割しなければならない.ネットワークの形は,最初に標準化された 10BASE-5や,10BASE-2などは,バス型ネットワー

クを構成していたが,現在,普及している 10BASE-Tや 100BABE-TXおよび 1000BASE-Tなどでは,スイッチを介してスター型につなぐ方式になっている.現在では有線の Ethernetでは全二重通信+スイッチングハブが主流であり,CSMA/CD方式は実質的に使われなくなっている.ただし,無線 LAN (Wi-Fi) では類似のCSMA/CA(Collision Avoidance)方式により,信号の衝突を回避した多重アクセスが実現されているため,現在においても重要な概念である.本実験は主に次の 3テーマで構成される.

(1) ネットワーク構成の理解と基本特性の計測

Ethernetケーブル上を伝わる信号の観測

サーバ,クライアント間を直接接続した場合の応答時間,パケットロス率,伝送速度の観測

(2) 100BASE-TXを用いた計測,およびルータの役割の理解とそれを介した計測

伝送速度を 100Mbpsに変更した際の応答時間,パケットロス率,伝送速度の観測

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サーバ,クライアント間通信において,ルータを介した場合の応答時間,パケットロス率,伝送速度の観測

(3) Wi-Fiの理解とそれを介した計測

サーバ,クライアント間通信において,Wi-Fiを介した場合の応答時間,パケットロス率,伝送速度の観測

詳細は実験時に説明を行う.

5 実験システム

実験システムの物理構成図を図 1に示す.実験システムは,各グループに 1台の計算機 (クライアント)と全体で 1台の計算機 (サーバ)で構成される.各グループで見ると,目の前にある 1台のクライアントと,少し離れた場所にある 1台のサーバ,およびそれらを結ぶケーブルから構成される.サーバは,片方向 200Mbit/sのバンド幅3を持っている.これをクライアント 7台(図 1では1台のみ図示)で共有している.クライアントの実験用ネットワークインターフェースを 10Mbit/s

に設定した場合,サーバは,各クライアントあたり,約 28Mbit/sのバンド幅を持っている.ゆえにサーバ側のバンド幅は,全クライアントの実験用ネットワーク接続からの伝送パケットを受信するのに十分である.

図 1: ネットワーク構成(物理構成図)

この実験では実験用とリモート接続用の 2つのネットワークを使用する.前者は pingコマンドなどを使用してパケットを伝送するネットワーク (192.168.100.0/24)で,パケット観測装置を介してサーバに接続する.後者はサーバへリモート接続し,サーバ側の設定確認および nc,recvコマンドの実行などを行うためのネットワーク (192.168.200.0/24)である.上記の様に,リモート接続用に別のネットワークインターフェースが準備されているため,実験用ネットワーク接続はリモート接続の影響を受けない4.

3伝送可能な通信路の容量.全 2重動作に設定すると上りと下りのそれぞれで 100Mbit/sの伝送速度が得られる.4実際には,計算機などの処理負荷の影響が現れる.

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以降,実験内容について詳述していく.なお,実験システムは,通信内容の観測等を行う実験などでネットワークの健全性を阻害する可能性があるために,大学のネットワークや外部とは一切接続されていない.データなどを回収記録するためにUSBメモリなどを利用すること.また,実験手順において “[Screenshot保存]”と記載がある箇所は,Screenshotを USBメモリに保存すること5.実験終了時には,保存した Screenshotを用いて,行った実験内容の確認を TAが行う.

6 ネットワーク構成の理解と基本特性の計測(1日目)

本実験では,サーバ-クライアント間を直接接続した場合の応答時間(内部ネットワーク,外部ネットワーク)およびパケットロス率を計測する.また,Ethernetケーブル上を伝わる信号をオシロスコープにより観測する.最後に伝送速度(内部ネットワーク,外部ネットワーク)を TCP伝送の場合とUDP伝送の場合に分けて計測する.

6.1 実験手順

手順 (1) まず,ネットワークケーブルを接続する.実験用ネットワーク用とリモート接続用ネットワークの 2本を接続する.実験用ネットワークは,クライアントの拡張インターフェース側から,サーバの拡張インターフェース6側(図 2参照)に接続されているスイッチングハブに接続する.使用するケーブルは,パケット観測装置が搭載されたケーブルを用いる.リモート接続用ネットワークは,クライアントのマザーボード上のビルトインインターフェース側(図 2参照)から,サーバのビルトインインターフェース側に接続されているスイッチングハブに接続する.ケーブルをスイッチングハブに接続するときはグループ番号と同じポートに接続すること.端子と穴を良く見ると差し込み方向が確認できる.ロックされるまでしっかりと差し込むこと.抜くときには,レバー(図 3)を押さえて,ロックを解除して抜くこと.(無理に抜くと壊れる!)

図 2: PC裏側の Ethernet接続の様子 図 3: ケーブルコネクタ

5スクリーンショットは “Print Screen”キーで全画面を,“Alt”+“Print Screen”キーでアクティブなウィンドウのみをクリップボードに保存することが可能である.クリップボードに保存後,ペイントツール等にペーストすることで画像ファイルとして USBメモリに保存可能である.

6PCのマザーボードではなく,PCI Express x1カードとして実装されている.

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手順 (2) クライアントの電源を投入して,ログインユーザ名・パスワードは共に “netX”(小文字.Xはグループ番号)である.図 4はログイン後のデスクトップ画面である.本実験で使用するショートカットアイコンが並んでいる.なお,図 4左下の丸印部分をスタートボタンと呼び,右下の丸印部分を通知領域と呼ぶ.

図 4: ログイン後のデスクトップ画面

手順 (3) コマンド使用の確認WindowsのコマンドプロンプトとCygwinのターミナルを併用する.双方ともデスクトップ上のショートカットアイコン(図 5)から起動可能である.

(a) Windows コマンドプロンプト

(b) Cygwinターミナル

図 5: コマンドを使用する際のアイコン

主なコマンドは以下で実行する.使用方法を確認する.

• ping: Cygwinターミナルで実行する.使用方法は “man ping”で確認できる.

• nc: Cygwinターミナルで実行する.使用方法は “man nc”で確認できる.

• ipconfig: Windowsコマンドプロンプトで実行する.使用方法は “ipconfig /?”で確認できる.

手順 (4) ネットワークインターフェースを設定まず,実験用ネットワークの設定を行う.スタートボタンを右クリックし,一覧の中から「ネットワーク接続」を選択しする(図 6(a)).表示されたネットワーク接続の一覧の中か

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ら設定を行いたいアイコン7を選択し,右クリックを行い,「プロパティ」を選択する(図6(b)).表示されたイーサネットのプロパティ画面から,「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IP v4)」を選択し,「プロパティ」をクリックする(図 6(c)).表示されたプロパティ画面において,「次の IPアドレスを使う」を選択し,次のように明示的に指定する(図 6(d)).� �実験用 IP:192.168.100.10+X サブネットマスク::255.255.255.0� �ここでXは,実験グループ番号(例:グループ 5であれば 192.168.100.15).同様に,リモート接続用ネットワークの設定を行う.� �リモート接続用 IP:192.168.200.10+X サブネットマスク::255.255.255.0� �

(a) スタートボタン右クリック (b) ネットワーク接続画面

(c) イーサネットのプロパティ画面 (d) ipv4のプロパティ画面

図 6: ネットワークインターフェースの設定

手順 (5) ネットワークの IPアドレスの確認クライアントのコマンドプロンプトを開き,ipconfigを用いて実験用ネットワークとリモート接続用ネットワークの IPアドレスなどが設定されたかを確認する [Screenshot保存].

手順 (6) ネットワーク通信タイプの設定前述の図 6(a)および 6(b)を経て,イーサネットのプロパティ画面において,「構成」を選択

7イーサネットは 2種類表示されているはずである.実験用ネットワークとリモート接続用ネットワークである.

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する(図 7(a)).プロパティ中の詳細設定のタブを選択し,リスト中の「Speed&Duplex」を選択する.値を所望の値に変更する(図 7(b)).実験用ネットワークは「10 Mbps Half

Duplex」に,リモート接続用ネットワークは,「Auto Negotiation」に設定する [Screenshot

保存].

(a) イーサネットのプロパティ(構成へ)

(b) プロパティの詳細設定

図 7: ネットワーク通信タイプの設定

手順 (7) サーバにリモート接続ネットワークケーブルの接続を確認して,サーバのビルドインネットワークインターフェース側にリモート接続用ネットワークが接続されていることを確認する.また,サーバの拡張インターフェース側に実験用ネットワークが接続されていることを確認する.クライアントのデスクトップ上にある「リモートデスクトップ接続」アイコンをクリックする(図8).接続先としてサーバの IP (192.168.200.10)を入力して接続する(図 9).

図 8: リモートデスクトップ接続アイコン 図 9: リモートデスクトップ接続開始画面

サーバの実験用インターフェースとリモート接続用インターフェースの IPアドレスなどを確認するために,リモート接続したサーバ上のコマンドプロンプトを利用し,ipconfig

を用いて接続状態を確認する [Screenshot保存].

手順 (8) 応答時間8(内部ネットワークと外部ネットワーク9),パケットロス率の観測クライアント上のCygwinターミナルにおいて,ping10コマンドを用いて,内部ネットワー

8応答時間とは,パケットを送信してから返事が返ってくるまでの時間を指す.9ここで内部とは自クライアン宛のネットワークであり,外部とはサーバ宛のネットワークを指す.外部の場合,受信

側はサーバであるため,クライアントにおけるリモートデスクトップ上で受信操作を行う.10ping -f のようにして大量のパケットを送信して実験を行う.-fをつけないと,1秒に 1個ずつパケットを送る.

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クの応答時間・パケットロス率,外部ネットワークの応答時間・パケットロス率をそれぞれ計測する [Screenshot保存].� �使用例:ping -fq 192.168.100.10 1000 10000� �適当に大きなパケットサイズとパケット数を指示しないと,差異が明らかになりにくい.

手順 (9) パケットの観測オシロスコープでパケット観測装置の端子(図 10中丸印)にオシロスコープのプローブを接続11し,直接観測する.ping -f 192.168.100.10などとして,連続してパケットが送信されるようにして観測すると,容易に観測できる [Screenshot保存].オシロスコープは適当なレンジに調整すること.オシロスコープの画面をUSBメモリに保存する(保存の仕方は配布されたオシロスコープの取扱説明書を参照).また,パケットの電圧を観測し,記録すること.伝送は,交流信号で行われているので全振幅を観測すること12.

図 10: パケット観測装置

手順 (10) 伝送速度の観測Cygwinターミナル上のコマンド nc13,send14,recv15を用いて,送信パケットデータの生成および受信パケットデータの計数を行い,内部ネットワークの伝送速度16および外部ネットワークの伝送速度を計測する [Screenshot保存].送信側はクライアント,受信側は

11プローブおよびプローブのアースリード線を,それぞれ Rx+,GND(Rx-)端子に接続する.12プローブに組み込まれているアッテネータの影響を考慮に入れるのを忘れないようにすること.13ncを使う際には,-nを指定しておくこと.これを指定しないとネームサービスを検索する時間のために遅れが生じ

る.14send(C言語で書かれた本実験用のソフトウェア)書式:send n 動作:n個のデータを生成して,出力する.1個

のデータは 10バイトで構成される.15recv(C言語で書かれた本実験用のソフトウェア)書式:recv m n 動作:m秒間計数する.n個単位で計数する.

計数中にm秒を超えれば終了する.指定時間よりも短く計数が終了すると,次の入力を待ち続けて終了しない.コントロール Cなどで強制的に終了させる必要がある.係数単位は,Byteである.bitではない.注意すること.

16伝送速度は,単位時間当たり送られるデータの量で表す.

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サーバとする.複数の実験グループが運悪く同時に計測するとサーバのプロセッサ能力の制限からネットワークの最大実効速度が出ないので何度か計測し,他のグループの干渉がないことを確かめること.また,安定した観測値を得るために,recvで観測パケット単位および観測時間は,十分大きくしておくこと.当然,sendで送るデータ総量もそれに見合うものとする.10Mbpsのネットワークを通じてどの程度のデータが送れるかを考える.観測時間は,20秒以上あると結果が分かりやすい.計測結果は,開始直後など動作が安定しない部分を除いてまとめること.コマンドの使用例および受信側の計測結果例を以下に示す.� �送信側使用例:send 100 | nc -v -n 192.168.100.10 1000X

受信側使用例:nc -v -l -n 1000X | recv 20 1000

※Xは自身のグループ番号� �� �受信側計測結果例:秒 受信バイト数/秒 総受信バイト数2 999 999

3 925074 926073

4 2572425 3498498

…11 4678317 37733229

12 4898097 42631326

13 4776219 47407545

…20 5144850 82026891� �

手順 (11) UDP伝送の場合の測定これまでの測定はTCP伝送の場合であった.ここでは,手順(10)を参考にして,UDP17

伝送の場合の内部ネットワークの伝送速度,および外部ネットワークの伝送速度を計測する [Screenshot保存].UDPでの伝送方法については ncコマンドのヘルプを確認すること.なお,send中に停止するときは,Cygwinターミナル上で “Ctrl”+“c”をキー入力する.

6.2 考察内容

以下の観点からの考察を行うこと.

• 伝送速度の理論値と実測値との比較• TCP伝送とUDP伝送との伝送速度の比較

17User Datagram Protocolの略.ハンドシェークなどを行わないので,最大伝送速度は大きくなる.

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7 100BASE-TXを用いた計測,およびルータの役割の理解とそれを介

した計測(2日目)

本実験では,1日目の実験(6章)のネットワーク通信タイプを「100 Mbps Full Duplex」に変更して実験を行い,その際の応答時間,パケットロス率,および伝送速度について計測する.また,ルータの役割を理解し,ルータを介してクライアントとサーバ間のネットワークを構築した際の応答時間,パケットロス率,および伝送速度について計測する.

7.1 実験手順

7.1.1 100Mbps Full Duplexを用いた直接通信

手順 (1) ネットワーク通信タイプの変更1日目の実験を参考に 6.1節中の手順(6)において,ネットワーク通信タイプ(図 7(b))を「100 Mbps Full Duplex」に変更する [Screenshot保存].

手順 (2) 応答時間,パケットロス率,および伝送速度の計測6.1節中の手順(8),手順(10),および手順(11)を参考に,ping, nc, send, およびrecvコマンドを用いて,応答時間,パケットロス率,および伝送速度の計測を計測する[Screenshot保存].

7.1.2 ルータを介した通信(10Mbps Half Duplex)

手順 (1) ルータの接続用意されたルータを,クライアントとパケット観測装置の間に接続する.その際,クライアントが LAN側,サーバがWAN側となるように接続する(図 11).LAN側のソケットは 4箇所あるが,いずれを使用しても良い.ルータ LAN側からクライアントまでは,用意してある短いネットワークケーブルを使用する.

図 11: ルータ接続端子群

手順 (2) ルータの設定はじめに,ルータマニュアル を参照し,ルータを工場出荷時の状態に戻す.次に,クライアントのネットワークインターフェース設定を「IPアドレスを自動的に取得する」に変更する (図 6(d)参照).最後に,IEを使ってルータの設定画面に接続し,以下の通りに設定する [Screenshot保存].

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• WAN側ネットワークの設定固定 IPを指定する(アドレスはクライアント側実験用ネットワークアドレスの末尾に+100した値となるように設定)

• LAN側ネットワークの設定DHCPを指定する

手順 (3) クライアントの IPを確認6.1節中の手順(5)を参考に,DHCPによって割り当てられたクライントの IPを,コマンドプロンプト上の ipconfigコマンドで確認する [Screenshot保存].

手順 (4) ネットワーク通信タイプの変更ネットワーク通信タイプ(図 7(b))を「10 Mbps Half Duplex」に変更する [Screenshot

保存].

手順 (5) 応答時間,パケットロス率,および伝送速度の計測1日目の実験である 6.1節中の手順(8),手順(10),および手順(11)を参考に,ping,

nc, send, および recvコマンドを用いて,ルータを介したネットワークの場合の応答時間,パケットロス率,および伝送速度の計測を計測する18.

7.2 考察内容

以下の観点からの考察を行うこと.

• 100Mbpsの通信において,伝送速度の理論値と実測値との比較

• 100Mbpsの通信において,TCP伝送とUDP伝送との伝送速度の比較

• 10Mbps通信の場合と 100Mbps通信の場合との比較

• ルータを介した通信の場合において,伝送速度の理論値と実測値との比較

• ルータを介した通信の場合において,TCP伝送とUDP伝送との伝送速度の比較

• 10Mbps通信の場合において,直接通信の場合とルータを介した場合との比較

1810Mbit/sで実験を行っているので,ルータの能力に十分余裕があるので,ルータを介さない場合との差異は小さい.ただし,ルータ経由で UDP伝送実験を行うとルータが機能不全に陥る場合がある.

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8 Wi-Fiを介した伝送実験(実験3日目)

本実験では,クライアントとサーバ間の通信を直接行った 1日目の実験(6章)に対して,Wi-Fi

を介して通信を行う.無線通信で LANを形成するWi-Fiが使用する無線チャネル,受信信号強度を観測し,応答時間,パケットロス率,および伝送速度について計測する.また,無線伝搬経路内に遮蔽物があった場合についても計測を行う.

8.1 実験手順

手順 (1) 無線 LANの接続確認ルータが接続されている場合は実験用ネットワークと共に外し,リモート接続用ネットワークのみとする.クライアント PC前方にWi-FiのUSBドングルが装着されていることを確認する(図 12).なお,無線 LANの AP (Access Point) はサーバ機付近にあり,WAN側 IP: 192.168.100.100で実験用ネットワークに接続,また無線 LANクライアント側 IPはDHCPでプライベートアドレス 192.168.150.0/24を割り当てる設定である.サーバ機付近のAPの有線 LAN接続状態を,直接目で確認すると理解が深まる.

図 12: Wi-FiのUSBドングル

手順 (2) ネットワークインターフェース(Wi-Fi)の IP設定実験用ネットワークとして,クライアントにおけるWi-Fiの設定を行う.スタートボタンを右クリックし,一覧の中から「ネットワーク接続」を選択しする(図 13(a)).表示されたネットワーク接続の一覧の中からWi-Fiのアイコンを選択し,右クリックを行い,「プロパティ」を選択する(図 13(b)).表示されたイーサネットのプロパティ画面から,「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IP v4)」を選択し,「プロパティ」をクリックする(図 13(c)).表示されたプロパティ画面において,「IPアドレスを自動的に取得する」「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」を選択し設定する.(図 13(d)).なお,リモート接続用ネットワークの設定は変更しない19.

19リモート接続用ネットワークは IP:192.168.200.10+X,サブネットマスク:255.255.255.0となっているはずである.

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宇都宮大学工学部 情報工学実験 II ネットワーク実験 資料 ver. 20190402

(a) スタートボタン右クリック (b) ネットワーク接続画面 (Wi-Fi選択)

(c) Wi-Fiのプロパティ画面 (d) ipv4のプロパティ画面(Wi-Fi)

図 13: ネットワークインターフェース(Wi-Fi)の設定

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手順 (3) 実験室の無線 LANに接続デスクトップ上の通知領域にある無線 LANアイコンをクリックすると,受信可能な無線ネットワークのリストが表示される(図 14).本実験で使用するネットワーク SSID

(Service Set Identifier)“ISEXP2 WIFI”が存在することを確認し,「接続」をクリックし,接続を試みる.ネットワークキーの入力が求められるため入力を行う.ネットワークキーは 3218585yoto712 である.結果,接続状態となったことを確認する.以上で準備完了である.なお,実験で用いるWi-Fiは IEEE 802.11 g規格の無線 LANである.

図 14: 無線 LANに接続画面

手順 (4) Wi-Fiネットワークにおいてクライアントに割り振られた IPを確認コマンドプロンプト上の ipconfigコマンドを利用しクライアントに割り振られている IP

を確認し記録する [Screenshot保存].ネットワークとして,リモート接続用ネットワークの IPアドレスと実験用ネットワークの IPアドレスの 2種類が表示されているはずである.

手順 (5) 無線 LAN信号のチャネルを確認デスクトップ上にある,無線LAN信号の観測ソフトウェア inSSIDerを起動する.inSSIDer

の画面上の「NETWORKS」を選択すると,受信可能な SSIDの一覧とそれぞれの信号のプロパティ(信号強度,チャネル番号,セキュリティ種別,MACアドレスなど)がリスト表示される(図 15)[Screenshot保存].また,画面下部には周波数帯 (2.4GHzと 5GHz20)

におけるチャネル使用状況がグラフとして表示される.また,画面右側にはリストで選択した信号の詳細情報が表示される.ここで,ネットワーク”ISEXP2 WIFI”が使用しているチャネル番号を観測し,記録する.

手順 (6) 受信信号強度の観測受信信号強度 RSSI (Received Signal Strength Indication)を観測する.時間変動をするため,15秒間の平均値を算出する.変動する値を読み上げ,記録し,平均値を計算する.単位が dBmであることに注意をすること.

手順 (7) ping/nc/send/recvコマンドによる計測Cygwinのping/nc/send/recvコマンドを用いて,1日目の実験である 6.1節中の手順(8),手順(10),および手順(11)を参考に,ネットワークの応答時間・パケットロス率,伝送速度の計測を行う.

20本実験で使用している受信機は 5GHzは非対応であるため,表示されたないはずである

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図 15: 無線 LAN信号の観測ソフトウェア inSSIDer

手順 (8) 無線伝搬経路内に遮蔽物があった場合の通信状態の計測クライアント PCに装着されている無線 LAN  USBドングルを手で覆い,無線伝搬経路内に遮蔽物がある状態を再現する(図 16).覆った状態で手順(6)および手順(7)の実験を行い,結果を記録する.受信状態が安定するまで手で遮蔽してから 30秒ほど経過してから計測するのが望ましい.

図 16: Wi-Fi USBドングルを手で覆った状態

手順 (9) 各ネットワークデバイスのMACアドレスの記録クライアント上のコマンドプロンプトで ipconfig /allと入力し,以下のMACアドレスを記録する.

• リモート接続用ネットワークインターフェース

• 実験用ネットワークインターフェース

• 無線 LANインターフェース

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8.2 考察内容

以下の観点からの考察を行うこと.

• Wi-Fiにおける伝送速度の理論値と実測値との比較

• TCP伝送とUDP伝送との伝送速度の比較

• 有線 LAN(100Mbps, 10Mbps)との比較

9 実験の終了の際には

レポートを書くのに十分な情報を観測・記録したことを確認して,実験を終了する.ネットワークネーブル 2本 (1本はパケット観測装置付),ルータ,オシロスコープ・プローブは,コネクタからはずし,コードを束ねて,クライアント計算機横に置く.オシロスコープ,PCは,電源を落としてから,電源コネクタを元から抜いておく.

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10 レポートについて

10.1 注意事項

本実験は 3回の実験で構成されている.以下の構成で 1本のレポートを執筆すること.レポートの雛形ファイル(wordファイル)を使用すること.必要な資料およびファイルは,下記URLからダウンロードすること.

http://www.ced.is.utsunomiya-u.ac.jp/lecture/2019/jikken2/net/

レポートの鉄則は,� �レポートは自分のメモ書きではない.相手に伝える報告書である.� �

である.他人が読んで理解できるように報告すること.

以下に注意する点を列挙する.

• インデントをつけて,全体的に見やすい体裁に仕上げること.

• 実験要領(本書)の内容のコピーはいらない.実験手順は,行った手順が理解できる程度に整理して記すこと.

• 自分のメモ書きではない.他の IT技術者が読んで理解できるよう,この実験固有の最低限の情報のみを漏れなく記載する.目安として他人が再実験によって現象が再現できる情報が求められる.

• 実験時の注意事項をレポートに書かない.(ケーブルを接続するときは**に気を付ける,とか)

• 実験内容と結果は分けて記載すること.

• 結果では,考察に必要な結果のみをのせること.

• 結果や比較考察などは,表を利用して見やすくまとめること.

• 単位をもつ値は必ず単位を記すこと.

• 表や図は,表番号や図番号を割り当て,必ず本文中で参照し説明をすること.

• 実験レポートにおける考察とは,実験データを基に論ずることである.元となるデータを表番号等で示し,そこから数値を引用して議論すること.

• 客観的な数値で考察すること.定量的な評価が客観性に繋がる.(例:ほとんど変わらない→違いは 3%以内である,遥かに大きい→ 8倍大きい,など)

• 評価をする際には,導いた評価の根拠を示すこと.(単に「明らかである」というのみでは根拠に欠ける.)

• まとめ(結論)は,目的に対応させて書くこと.「何のために,この実験をするのか」⇐⇒「この実験をしたら,どのような事が明らかになったのか(目的が達成できたのか)」

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10.2 章節構成� �1. 実験の目的

2. 実験の概要

3. 実験使用機器一覧【実験で使用した機器のメーカー,品番,S/N(シリアル番号)等をまとめる.また,ネットワークインターフェース(リモート用,実験用,無線 LAN)についても,型番,MAC

アドレス等を記載する.】

4. ネットワーク構成の理解と基本特性の計測(1日目)4.1 実験の目的4.2 実験環境【実験で構築したネットワーク構成(物理構成図に IPアドレスも追記すること)を図示すると共に説明する.】

4.3 実験手順4.4 実験結果4.5 考察4.6 まとめ

5. 100BASE-TXを用いた計測,およびルータの役割の理解とそれを介した計測(2日目)5.1 実験の目的5.2 実験環境【前半と後半の実験で分けて記す.】

5.3 実験手順5.4 実験結果5.5 考察5.6 まとめ

6. Wi-Fiを介した伝送実験(3日目)6.1 実験の目的6.2 実験環境6.3 実験手順6.4 実験結果6.5 考察6.6 まとめ

7. 課題【設問も記すこと】7.1 課題 17.2 課題 27.3 課題 37.4 課題 4

8. 本実験のまとめ

9. 参考文献� �

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