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32 申海に於ける観測(第二報) 海況悪擾に関する水質方面からの考察 酒井勝郎⑧曾我 (工)繕 中海は淡水と薗威水とが交雑する牛歯歳湖である。従来,水産養殖関係の人達の要求によつて婁 種序の調査が行はれてゐる。 (3)(4) これらは水産試験場等で,実施せられたものである為,その立場上応用方面からのデータ 蒐集に主力が注がれ,湖沼学的見地から,海況の変化を遣及して行ぐのには奮不足の感があ る⑧筆者等は・中海海況悪変による養殖性蠣大量鑑死の報告を見,島根果水産試験場の依嘱 により・調査を行ひ,純学術的立場から,この湖の性格を究明することを思ひたち,昭和24年 以来この間題に心を砕き,しばしば報告をしてゐるが,(1)(2) まだその望を達せす,今肯こ の研究の全貌を如何に展間すべきかの点に。考察を繰返すのみである。今回も未だ中間報告 であるが,昭和28年度測定結果と,その結果からの考察を,ここ俸のべるζとにする。 筆者等は1湖沼学的遣及を志すとはいへ,そのような本格的な調査は,実際には手がつげら れないので,先づ水産関係の試験と尚様なデータをとつた上で,考察を応用的ではなく,湖 沼学的に進め乏事にした。そこで ~帖 問睡ヒしたのぽ多ヰ海の海況悪変 をである・従来から無られてゐるよ 李し/へ うに・中海に於て・8月がら’0月 にかけて室養殖員類鑑死の現象が イ寸 ・タ 、・パ 新蕉 上亨師え 大根畠 o 観渕地点附近の地図 (1:70000) X印 観測場所 超り,。この時期に海況悪変が趨つ てゐる。 筆者等は1ζこ数年の調 査によザこの悪変が・童期カ咋 秋期俸がげて超る酸素猷亡,還元 的性質形蔵に塞《ものと推定して 次に報告するような事項を検討し た。 (2)報警事覇ζついて 島根果八束郡本庄村大字本庄町 沖養蠣場附近に観測定点を設け 7月からl1月迄1ケ月に2回内至 4回の測定を行つた。観渕事項は, 水温,乃,透明度,塩素量,溶存 酸素,ヨード消費量,過マンガン 酸カリ消費量,アンモニヤ態窒素, 亜硝酸態窒素,蛋白態窒素であ

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32

申海に於ける観測(第二報)

海況悪擾に関する水質方面からの考察

酒井勝郎⑧曾我 治

 (工)繕  言

 中海は淡水と薗威水とが交雑する牛歯歳湖である。従来,水産養殖関係の人達の要求によつて婁

種序の調査が行はれてゐる。 (3)(4)

 これらは水産試験場等で,実施せられたものである為,その立場上応用方面からのデータ

蒐集に主力が注がれ,湖沼学的見地から,海況の変化を遣及して行ぐのには奮不足の感があ

る⑧筆者等は・中海海況悪変による養殖性蠣大量鑑死の報告を見,島根果水産試験場の依嘱

により・調査を行ひ,純学術的立場から,この湖の性格を究明することを思ひたち,昭和24年

以来この間題に心を砕き,しばしば報告をしてゐるが,(1)(2) まだその望を達せす,今肯こ

の研究の全貌を如何に展間すべきかの点に。考察を繰返すのみである。今回も未だ中間報告

であるが,昭和28年度測定結果と,その結果からの考察を,ここ俸のべるζとにする。

 筆者等は1湖沼学的遣及を志すとはいへ,そのような本格的な調査は,実際には手がつげら

れないので,先づ水産関係の試験と尚様なデータをとつた上で,考察を応用的ではなく,湖

                         沼学的に進め乏事にした。そこで

                 ~帖     問睡ヒしたのぽ多ヰ海の海況悪変

          紬    をである・従来から無られてゐるよ

    李し/へ    うに・中海に於て・8月がら’0月    在                    にかけて室養殖員類鑑死の現象が

   イ寸        野        ・タ

、・パ新蕉庄

上亨師え

大根畠

  o

     \

観渕地点附近の地図  (1:70000)

    X印 観測場所

超り,。この時期に海況悪変が趨つ

てゐる。 筆者等は1ζこ数年の調

査によザこの悪変が・童期カ咋

秋期俸がげて超る酸素猷亡,還元

的性質形蔵に塞《ものと推定して

次に報告するような事項を検討し

た。

 (2)報警事覇ζついて

 島根果八束郡本庄村大字本庄町

沖養蠣場附近に観測定点を設け

7月からl1月迄1ケ月に2回内至

4回の測定を行つた。観渕事項は,

水温,乃,透明度,塩素量,溶存

酸素,ヨード消費量,過マンガン

酸カリ消費量,アンモニヤ態窒素,

亜硝酸態窒素,蛋白態窒素であ

                                   33

る。これと別に同村大字野原沖養蠣場附近に於て,8月10日11目の2日間24時間継続観測

を行つた。この際の観測事項は表1に示す。

 (3)観測記簸履破考嚢

  (A)野原に於ける24時間観測

  (a)二般的条件

 昭和28年8月10日及u日,沖合約100米,水深伽採水間隔2時商,上層は表面,中暦

は水面下2軸,下水は水面下ユ7㎜

 当時湖水の状態は,7月大雨の為,淡水混入賊度箸しく低下したが,8月初より殆ど降雨な

く・湖水は徐々に賊度上昇しつつある状況であつた。 当貝平均気温は10日2a3o C-1日

狙5o C(松江測侯所調)である。天候は両日共晴で微風。

  (b)観測記録 (表1),(Fig1→a)

 図中・ の点線は上暦水,  の破線は中層水,  の実線は下暦水の夫埼測定値を

示すことにレた。これは次の定点観測の図でも同じ。

表1 24時間観測表月 気 風 波 潮 層 水 塩 酸 酸飽 亜性目 素 素 和 硝室

豆 温 位 温 PH 量 量 繋度 酸素時刻 ◎C. 向 浪 (m) 別 ◎C 差 ㏄/L % ㎜g/L

上 30.9 8.4  2.55 5.91 ■O

18.O0 30.3 s 2 O 申 30.4 8.4  0.07 6.18 h4 0.002

下 27.9 8,2 13.80 5.25 〕05

上 30.7 2.55 6.02 n220.00 28.2 Nw 丁 _7 申 30.5 2.59 5.96 11O 0.O1O

下 28.7』 9.77 3.84 74

上 30.5 2.57 5.70 工05

22.O0 26.7 Nw O 一18 中 30.2 2.61 5.83 108 O.040

下 27.6 M.59 3.53 71

上 30.5 2.57 5.74 107

0 27.0 E 1 _ユ5 申 30.2 2.59 5.77 106 ・0.O15

下 28.1 11.96 3.25 64o

上 30.4 2.57 5.69 105冊

2 26.9 E O 一ユ0 申 30.2 2.63 5’50 コ02 O.003

下 28.2 H.86 4.30 84

上 30.0 2.62 5.49 101

4 27.1 N 1 _7 中 30.O 2.67 5.57 103 0.O03

下 28.3 u.21 4.24 85

上 29.8 8.1 2.64 5.62・ ユ04

6 25.6 N O 一3 申 29.9 8.2 2.68 5.25 107 O.00ゴ

下 20.5 8.2 4.73 5.32 99

34

上 30.0 8.2 一2.64 5.53 102

8 3コ.8 5 0 一5 申 29.9 8.3 4.27 昔5173 108 O.O07

下 28.O 8.1 H.85 4.32 87

上 30.6 8.3 2.70 5.43 1O1

1O 32.8 S 1 一7 申 30.4 8.3 2.86 5.57 ヱ03 O.026

下 27.8 8.O n.99 3.32 65邊

上 30.8 8.2 2.65 5.73 106ヱ2 33.O w 2 _8 中 30.5 8.3 2.68 5.87 109 O.008

下 28.8 8.O 1コ.90 4.28 84

上 31.3 8.2 2.65 5.82 ユ08

14 33.8 W 2 _3 申 30.6 8.2 3,13 5.69 104 O.026

下 27∵3 8.] 14.24 3.70 74

上 31.4 8.3 2.70 5.93 11O

16 30.2 w=口

O 申 30.3 8.4 3.73 6.39 u8 O.013

下 27.6 8.O 14.04 3.64 73

cnl

O

5

lO

15

20

cC 32

31

30

29

28

27

18 20 22 O 2 Fig 1

dlP・~'~A,~

4 6 8 ~~l f~~

1l~ '・-~~~~,F:: -- l

"' 1lp

10 12 14 16 ~~

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18 6 20 2 2 4

Fig 2 ~~: 7J~

lO 12 14 16 ~j~

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36

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18  20 22  0

 Fig52 4 6 8 10 1214、コ6時酸素飽和度

mg/LO.040

O.030

O.020

O.O1O

O.001

二I8   20   22   0    亘

        Fig6^

4    6    8    10   12   14   16目寄

No。一勇N

   (c)各測定f直の説明  (表1)

      甘)潮位 (Eig1) 潮位は現地水中に立てた棒に。目印をつけて,測定したものだが,水質測定各要素をこの

潮位:線と比較して。潮の具合の推量に便にする。中海のような入海では,その湖自身の流れ

の為・外海の潮汐干満による千満時刻と比較すると,時間的差異がある。それで干満につい 嬬

ては一応潮汐作用による・外海の千満潮時を無視した現地の・この測定偉を採用するのが便

利である。

37

      〔口)塩  素  量      (Fig’4)

 塩素量の増減は・上暦水及中層水については,多少の上り下りは認められるけれども,当

日の海況に・日照りによる漸亥高賊化の傾同が推察される通り,曲線に表れてゐる。下暦水

は申海底都に停滞する高賊水の動きによるもので・この水は湖固有の流の影響を受ける事少

く・頑強に帯留し・干満の動きや・水流の作用には・おもむろに遣騨し∴緩漆に中暦・上暦

の低歯成水に混合しつづけると思はれるもので,この曲線でも一概に捕捉すべからざる姿をも

つ』牟だこの測定債の中で上に下に甚しく差の顕著なもののあるのは・この下暦水が,本当

に中海の底に停滞ナる高戯水塊の本体ではなく,やはりその縁辺の混合暦の一部であり,或

程度移動しつつあるものと解釈されるから,一点だけのこの測定憧では,まだ緒論は出せな

い・、

      州水 温  (Flg2) 一昼夜間にわたると,気温に顯著な高底があるので,上騒水及び中暦水がその影響を受け

て・上下する。その上更に日照の影響もカロ味される事は剛Cよく表れてゐる。所でこの場合

も下暦水についてであるが,前述高戯序滞水は上中暦水より低温であり,旦湖底温度に大き

く支配されるので,変化が少いと想像されるけれども,図に見る通り,多少上下がある,こ

れは現地下暦水が,或程度上中暦水の移動に引すられて,流動してゐる事を示す。水温と塩

素量とを綜合して,現地の潮の変化してゐる状況を考へると,高賊低温の下暦水が,低温高

薗歳の上暦水に次第に混合し,跳躍暦消滅の方向へ向つてゐることが考へられる。このような

状況は目照がつづく限り存在するけれども,この混合均一化の進行は甚緩徐であつて,.その

最終均一化は実現しないと思は1れる。

      H溶存酸素  (表1)酸素飽和度(F三95)

 上中暦共に4-6時頃最低を示し,特に中暦水に於て,夜明け最低を示す。下暦水につい

.てはかなり不ス脇であつて,これにぼ探水誤差等も思ぼせるので,今ここでは一応議論を差

控える。

      (剥亜硝酸態窒素   (F三g6)

 この測定値は下暦水についてのみ得られた。数瞳も小いし,潮の動きもはつきり把擾出莱

ないので,その高低についてはここで論じないことたする。

      H P〃       (F三g3 )

 み年比色法を用ひたが・現地設備不良の為・夜間測定を嵌除・養間だけの測定値を得た。

   (d)総合考 察 当日プランクトンの観測は準騰不足の為行へなかつたが・,この海中徴生物の状況を,上の

言E録から推して考へ合せる。先づ酸素の下層水中に於ける僅少といふ現象は,生物の多量存

在による,動物呼吸に走旦因し,ここでは,亜硝酸態窒素の検出される所から,バクテリヤの存

在による,魔敗現象が考へられる。上中暦水に於て,亜硝酸態窒素の,顕著な検出が,行はれ

ないのは,バクテリヤの少い事を示し,この所の酸素量の増減は,主として,プランクトン吸

収の盛衰と結びつけて,考へてよいと思はれる。印ち上中暦に於ては,夜間プラン.クトンの

植物呼吸停止による酸素共給の終止・夜明けと共に・一酸素量が増大してゐるのは・碑な同化

作用の復活を示し,同時に1炭酸ガスが消費され,みが塘大することも,この事に結びつけて

考へてみたらどうであらうか。この点については今少し観渕を行ひ,考察をつづけてみる必要

がある。中海上暦水は夏期み塘大し9に近い値を示す。下暦水についてはまだこの渕定値

 38

から緒論を出すのは速断にすぎると思ふので,今後の研究にまつことにする。

  (B)本庄村地先に於ける定点観測

   (a)一般的記述  (表2,3,4)

 昭和28年7月6日よりl1月g日迄。天候は松江測候所の記録による。比壷の為昭和27

年測定の分(2)を示し対照する。

 日日の測定数瞳は,本当は一目中平均俺でなけれぼ長期厨変化を論する値として,不適当

である。この,測定精度のみに依存した,弐の図表に走よる推論を敢えてするとち課断にお

ちいる危険がある。前述野原に於ける24時間通じての変化値を参考にして,この定点観測

数臆の・1長期間変化を表す数字とし下の信額度を・大凡見当つけることが出来ると思はれる

ので・ここに参考として記しておく。水温2桁、み2桁,塩素量2桁,溶在酸素上暦ヱ桁,

中層1桁,下暦オーダー,亜硝酸態窒素オー.ダー。其他のものもこれに準じて考へて紅く必

要がある、但しこのことは、その日の上申下層の,水質測定憤相互の関係を,論する場合に

は適用しなくて宜しい。

   (b)測定値表及びプランクト1・観渕緒果  (表5,6)(Fi&7,→19)

表2 氣温統計表 (昭和27年⑧28年)松江測候所調

月 旬 昭 和 2 7年 昭 和 2 8年上

   ◎C.ユ8・6

月平均  oCr9.7

周平均oC

6』C

申 20.6 20.3 20.3 20.6下 21.7 21.8上 21.4 23.0

7 申 25.1 24.3 23.9 26.5下 26.2 27.3上 25.4 24.8

8 申 26.3 26.O 28.2 26.8下 26.1 25.7上 24.0 22.8

9 申 2コ.8 21.7 22.9 ,22.1

■下 19.3 20.7上 ’17.4 19.4

1

10 中 工4.9 15.3 15.9 1.73下 13..7 16・マ

雫均 22.ユ 2’2.7

3砂

表3 雨量統計表 (日召禾貞27年⑧28年) 松江測候所調

月 旬

昭和27年 昭和28年‘上 2}8.3mm 亙52.7峠肌

6 申 24.5 44.7下 154.2 150.2上 187.4 360.1申 工4.9 125,6㌔

7下 一丞42.7 55.4

上 62.5 4.18

申 O.7 37.4下 14。ヱ 161∴9一上 87.5 25.9申 17.一.5 一21.1 .

9下 、46・9 り2∴上 19,6 2・.6

中 32.7 7.O1O

下 24.7 69,5総  計 且O工2.2 工49⑪。星

4⑪、

表4(イ)風 カ⑧雫 均 (昭和28年) 松江測候所調・

単、位1x、

I~I ~~ 8

9 lO 11

J~; ~4. 4 ' 2. 5 1. 4 ~2. 2 2. 6

~

1 . 4i 2. 7 L 1. 7' 1 o 8.' 3. 6

~~ =, 2. 4 3. 6 2. 3 l 'o 8 2. 5 ~

(口) ’風向及その回数’ 1旬80回観測.    月旬 7 8 9 工O 、1

3一 ・  1一   劃 ,ま

’ ENE.10上 y・2,8.. E.19 醐竜.コO 肌1一亭

ム.1、

席 デ・・ W馴γ・17皿一‘.{12 ENE.台 w. 9

下 W・24 皿NE.119 ES皿. 12・ ESE.10 w.工1

(昭和28年度)表測観点定表5

    L

窒  素/

亜硝酸性g

    皿

    1

    L

窒  素/

アソモニヤ降一 糺

   -  n

    I

泊費量

肚g/L

2.90

3.20

n.48?

過カマリソ滑ガ費ソ量酸

mg/L

蛋白

窒素

m乳/L

酸素飽和度%

塩素

量忽

    L

溶存酸素/

    ㏄

戸H

水  混℃別

透明

ーゴー

波  ■浪

一風王風み

風   ‘向

気  温oC

天   侯

月目、時刻

89

88

62478

7了一45

66

5,22

5.209-63

8■78●7

7.8

23,0

23,0

20.0

上申下

2.002W.3

4■4SW28.0

7,6

13,0

13.30

7.20コ3.O

】3.30

0.003

0.0085■0O.26

4,38

4,60

4.75

6.39

9’5

■4

93

90

25000

.4-8126

5,39

5.66ユ。41

6079●76■7

664

664

222

上申下

O.351E.4

7■0sw26.1

0.00]

O.O141●O

4,09

5,42

3.79

2,07

2,88

6.10

4■83●8208

4620

3o)

30.1

上申下

工.501WアNVr.2

2●]

E33.2庸  0

迦ω応

7ー 二

3,76

3,59

3.44

99

98

7  8  2

1一 1  2

2 2 2

5.57

5,52

5.47

2●8

208

2■8

28,2

28,2

27.4

上申下

1.502

 2

て∫一

 E

平㎜。E

 坦

3●4

E晴

8,3

15.40

16.コO

0.0]3O.工3O.コ3

4,69

4,85

4.59

9,94

6,26

3.62

6,21

6,20

2.99769

887

872

997

222

上申下

コ.45W.3

8●2

ア~v32.9晴

8.ヱ9

10.10

m.50

0.04

0.12O.20

3,95

3,25

3.60

8。幻

8,84

8.90

95、.]

1↓  ー工

ー ヱ 4

5  4  9

3  6  4

6  7  0

6,63

6,35

2.ユ3

く凋β”

8  8 8

1一 9  5

氏5一・6二

2  2  2

上申下

工.901

 1㌔

し∫

 E

皿.酬.胴

6■0

皿26.O晴

9.7

工5.ユ0

15.30

9.14 E冒町2w5 上 26.9 8.5 5.31 6.工O 95 4.95 6.13 0.08 O.002

ユ5.54 曇 30.4 SW 2 2.1O 申 26.O 8.4 4.55 6.82 8一 4’31 3.83 O.08 一~

14.203.3 下 26.6 8.1 2.44 13.29 47 2.72 1,04 0.16 0.06 O.012

9.20NE.2

上 24.7 8.2 5.37 5.61 93 3.24 3.86 O.04 一9.30 曇 24.6 週 2 申 24.9 8.2 5.44 5.93 93 3.74 3.83 O.06 }~

10.202.7 下 26.4 7.9 3.00 工O.68 57 3.OO 3.43 0.08 0.08 O.016

9.28E靱.5 0 上 22.8 8.0 6.70 1.92 109 5.47 4.38 O.04 }

9.50 晴 21.3 E ~ 1.70 中 23.7 8.2 6.46 4.23 ユ09 5.54 5.59 0.05 }~

コ0.301.3 τ 下 20.7 8.O 6.14 5.65 104 5.53 5.21 0.08 0.08 0.00]

10.5E.3 2 上 22.6 8.3 6.47 3.OO 107 4.2工 2.48 一 一

n.00 晴 24.6 皿 ~ 3.00 申 22.5 8.3 6.43 3.02 107 3.44 2.42 0.055}

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10.00 晴 皿 ~ 3.20 申 20.1 8.O 5.77 5.50 90 2.62 7.92 0.050 O.001

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註 (風向1風力肌/s)は全目の主な昂の方向の数及平均の風速牽示す但8圓観翠岬(松江測侯所調査)

  上層は表面水,申暦は水面がら2皿下,下層は底層水で現鞄水深約4mである;

  表申塞欄は測定欠除,一は測定せるも値なきを示す

(昭和28年度)測表観プラソクトソ表6

月目 5.7 6.29 7.6 7.12 7.20 7.28 8.3 8.1O 8.29 ,9.6 9.14 9.20 1O.14 m.コ9 102.8 n.加属名Acar岨a 十十 十 十 十

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   (C)各項員の説明        .        嚢 ’’  凹

      ほ)天候及海況  (表2,3,4)

噛和28年は特に梅雨期参雨,7月下局晴れ上づも8冨庭はいつて晴天赤つづき彰雨が殆

ど降らなカり淀。ζの為申海は7月末表面水は著しく低鰯となり,8月俺はいつて,弐第に

鹸度が増加’ピ海況は例年並炬近づいたが,然し梅雨期多雨の影饗は脱し切れす,戯度は1例

年より.ひく伽ま∫秋を迎えた。・

      佃水温及塩素量  (Fig7,1l,9う13)

 水塩7月下旬上昇,8月g月次第に下降じている。塩素量は7月下降,8月から9月上旬

亀上鼻し;台一月中旬イ0.月次第恒下降してゐる。詳しくこれをみると。昭和28年寧月3日兵申

下暦の水温及塩素量が甚しく接近し跳麗暦が滑滅してゐる。ζれは風浪の援拝作用胆よるも

50

   のである然しこのような状態は長く保たれかやがて下層高滅部の出現となり、跳躍層の形

  威となる・この事から沖含深部の停滞水の存在を想像し,この跳躍暦の急速形成を,停滞水

  からの高戯水供給と説明してみる。昭和27年の記録にも似たような個所を発見する、 この

  他g月上旬・湖水の水温蔵層が逆転し・今迄上属高温下暦伊温だつたのが・気温低下の為上

  暦低温,下層高温に切りかわるのが見られる。昭和27年にも同様の事が見える。

         レ㍉1㌦    (Fig,8,12)

   みは中海では8月高水温の際,アルカリ性に傾き8,8から9,Oに近く迄なる。

         H溶 存 酸 素  (表5)酸素飽和度(Flg10,一4)

醸  下層は 般に酸素が少いが,8月3目は摺枠されて多くなり,表面と同じくなつてゐる。

  9月下旬にももう一回これに近い状況が見られる。7月20日下暦水に甚酸素猷乏の状態が現

  れ・9月中旬に上層及中暦も含めた酸素量滅少が着目される。

         ㈱ヨード消費量 (F三g15)

    ヲード消費量は硫化水素含量として渕定してゐたが,この測定値によつて判断してみると

   必すしも碗化水素と断定し難い点があり,且その測定法についても稿考慮を要する点がある

   ので午こではただ,湖水一定量にヨード溶液をカロえ,ヨードによつて酸化された物質の量を

  示すことにし。その意味及方法の検討は別の機会にゆする事にする。ただこの億は遺元性物

   質に関係の深い値なので,そのような海況が8月9目に表れ,9月中旬一応終熔し、9月下旬

  から10目上旬再発レてゐる事に注意する。この測定憧で一寸注意すべきは,大体に於て,下

  層水の漕費量が,上中暦のそれより少い事である。

         H遇マニ・ガニ・酸カリ消費量  (F1g16)

    1二の億も大体に於て。下暦水のそれが上暦水のそれより少い点着目に値する。

        (ト)蛋白態窒素 (Fig17)

   下属水についてのみ行つた。

        ㈱アニ・モニヤ態窒素,亜硝酸態窒素  (F1gヱ8,19)

   共に取立てて言ふことはない。

         (リ)ブランクトン観測緒果  (表6)

   プランクトンはネヅトによつて採集し淀ものを,目測によつて植物性及動物性あ量を判定

   し,後顕徴鏡により,概暑調査し記録した。

      (d)海況悪変に関テる考察

    海況悪変は沿岸漁民によつて。昭和28年もこの期間に展々報告されてゐる。 この悪変の

   正体が何物であるか突とめる事も,今の段階ではむづかしい。魚が死んで浮上つて屠れぼ,

   そのあたりの水が悪変してゐるといふのかもしれない。移動性アミの群集が逃避するとが貝

   が死ん恋魚が居なくなつてしまつたとかの理由をあげて報皆を受ける。赤潮,苦潮,くされ

   水,等といわれた。然し遺憾ながら,そのような場所は,局部的炬発生し,短時目で潰滅す

   るものらしい。正体の把握もむづかしい,定義づけも困難である。従つて我共の定点にこの

   状態が生超する事も,わかりにくいし,期待も持ちにくい。然しこの悪変が,湖水栄養分と

   水温の好条件に恵麦れたプラングトンやバクテリヤ等徴生物の異状増殖炬よるとする,ζ

   れ迄の多くの人痔の推論に賛意を感じ,一応この方面から調べてみようと考へてゐる。

                                       51

 昭和28年の記録についてこれをみると,7月20日頃過マンカン酸ガリ消費量は著大となり,

みは低下,溶在酸素は下暦水に於て,顯著に滅少してゐる、プランクトンの発生はこの時

を契期として盛になる。8月3日風浪の為欄幹され,跳躍暦が消滅し下暦水中の各種窒素類

が消朱してゐるから1腐敗が行はれす,酸素量は塘加し,みは急に増太し婁水はアルヵリ

性に傾く。9月上旬叉酸素量の抵下が起る。この際は日照りつづきの後でもあるので,7月

20目の低鹸度のとき一と異り,違つた形のものでありうる。 即ち今度は上中暦にも酸素量滅

少がみられるのである◎この直後叉プランクトンの大発生を見,中旬下旬と酸素量はふえ,

9月下旬上下暦の均一化を起し,その後働物性プランクトンの繁殖,終煉を経,l1月になり,

植物性プランクトンの発生をみる。

 酸素量の顕著に減少してゐる7月20日と9月上旬を普通海況の悪化と称してゐる状態に

近いものと思ふ。さうすると上下暦の混合した台月3日と9目下旬は健康な海況とでもいふ

べききあらう。然しこれは先程言及した通り,悪愛の定義が不明確たから,あまりはつきり

ここで言ふわけには行かない。魚類の棲息に不適な海況を悪変といふか,員類の生活に不適

な海況悪愛といふか,この二つでもちがつたものが存在しうると予想される。現に悪化の時

瑚と一応考へられる7月20日と9月キ旬・蚤白態及アンモニヤ態窒素の著増が鼻られ・バー

クテリヤには好適の海況であり,その後プランクトンの著増がみられるので所謂悪化の時期

が何時であるかは,はつきりしない。この辺の考察には目的とする魚とが員の,生理的研究

による緒論を加へなければならないだらう。

 (4)総播蛍酬ζ今後の芳針

  (A)

 以上巷間伝へる海況悪変を湖水の還元的性質形威に起因するものに非すやとの考から,観

測し,この間に連関性があるらしいといふ心証を得た。

  (B)

 海況悪変の正体を把握し,定義づける必要がある。

  (C)

 魚類,貝類の生理学的研究。其他バクテリヤプラソクトニ・の観察を大いに必要とする。

  (D)

 中海深部に於て,風浪,水流の影響を受ける事の少い,停滞水の存在を確め分市を調査す

る必要がある。

  (E)

 還元性水質測定法,過マンガン酸カリ漕費量,ヨード消費量,酸化還元電位等について,

更に吟味遣究の必要がある。

  (F)

 溶在炭酸ガス測定法に関する研究が必要である。

  (G)

 共他採水技術プランクトン採集及定量稜術等中海に適した方法を工夫しなければならな

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52

 (5)窃  す  破

 この研究は島根大学文理学都化学致室で行はれたものであるが,仕事が多方面¢わたるの

で多数の人々の協力を得たととをごごに記し感謝の意を述べる。

 本庄村の観測現地に於ては・島根果立農大附属農林高校本庄分核でいろいろ実験峯提供の

便宜を与へられた事,プランクト1・の定量及観察には島根果水産試験場申海分場で,その実

験室使用の便宜を与へられ,技術的指導までしていただいた事,友びこの事に終始激励をさ

れた島根果水産試験場澁谷光蒔氏,松江市竹矢小学校大島弘氏,及び島根大学丈理学部生物

学教室講先生に御礼申上げる。

 弐に早期閥にわたる観測を卑実に実行協力された文理学都学生斎下黎君(化学)教育学部

学生内田良雄者,落合通快君(生物)の努力に対しては特た深甚の謝意を示す。    ’

 (6)参 考 箕 載

(工)宍道湖及び1申海の研究雑報  酒井勝郎,曾我治

   島根大学論集 自然科学系2号 昭和27年3月一

(助 申海に於げる観測  酒井勝郎,曾我治

   島根大学論集 自然科学系3号 昭和28年3月

(3)中海に於げる赤潮の研究  鳥取県水産試験場  昭相23年12月

(4)牡蟻養殖試験報告書  島根県水産試験場申海分場  昭和28隼7月