電子顕微鏡付録micutil.com/em/em/index_files/電子顕微鏡付録.pdf•50%エタノールに5%濃度になるように酢酸ウランを溶解する。•この濃度は飽和状態に近いので完全に溶かすには時間がかかる。•8割ほど溶ければ染色液としては十分である。•紫外線により変性するので遮光して冷蔵庫で保存する。...
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付録0.2M カコジル酸緩衝液(500ml)
準備するもの:
• 0.2N HCl溶液•カコジル酸ナトリウム(Sodium Cacodylate:Na(CH3)2AsO2:試薬特級)
•純水• 500mL ビーカー• 500mL メスシリンダー•スターラー• pHメーター•パスツールピペット
作製手順:カコジル酸ナトリウム21.4g(TAAB社のEM grade試薬の場合)を500mLビーカーにとり、350mLの純水を入れ、スターラーで撹拌溶解する。pHメーターでpHを測定しながら0.2N HCl溶液をパスツールピペットでとり、滴下しながらpHを7.4~7.5の間に調節する。ビーカーの液を500mLメスシリンダーに移し、純水を加え全体量を500mLとする。(図1)
60mM HEPES緩衝液(1,000ml)組成:
60mM HEPES、200mM NaCl、 4mM CaCl2(pH7.4) 準備するもの:
• 1N NaOH溶液• HEPES(N-[2-Hydroxyethyl]piperazine-N'-[2-ethanesulfonic acid] 試薬特級)• NaCl• 1M CaCl2• 純水• 1,000mL ビーカー• 1,000mL メスシリンダー• スターラー• pHメーター• パスツールピペット
作製手順:
Trenz Pruca 城レポート, ページ 1
HEPES 14.3g(Sigma社製の場合)、NaCl 11.7gを1,000mLビーカーにとり、800mLの純水を入れ、スターラーで撹拌溶解する。十分溶解したら撹拌しつづけながらpHメーターでpHを測定する。1N NaOH溶液をパスツールピペットでとり、滴下しながらpHを7.4に調節する。pH調整後1M CaCl2を4mL加える。この時一度に入れないこと、撹拌しながら、少しずつ滴下する。最後にビーカーの液を1,000mLメスシリンダーに移し、純水を加え全体量を1,000mLとする。(図2)
グルタールアルデヒド
市販のものを直接希釈して使用する
10%パラフォルムアルデヒド水溶液(100ml)パラフォルムアルデヒドは純水にはほとんど溶けないの
で前もってアルカリ熱溶解しておく必要がある。※固定
する時に作る
準備するもの:
• 1N NaOH溶液•パラフォルムアルデヒド(Paraformaldehyde 試薬特級)
•純水• 200mL 三角フラスコ• 100mL メスシリンダー•パスツールピペット•加熱装置つきスターラー(または熱湯の入ったバットとスターラー)
作製手順:パラフォルムアルデヒド10gを三角フラスコにとり、純水70mLを入れ、撹拌しながら湯浴加熱する(60℃まで)。加熱は温度計で測りながら60℃を超えないようにする。溶液の温度が60℃近傍に達したら1N NaOH溶液をパスツールピペットにとり、滴下し、溶解する。2~3mLほどの滴下で透明な溶液となる。透明になれば十分であるのでNaOHを過剰に入れないよう注意する。さらに純水を加え全体量を100mLとする。ごくわずかであるが不溶成分が残る場合は#1の濾紙で濾過する。冷蔵庫に入れておけば2ヶ月は保存できる。(図3)
Trenz Pruca 城レポート, ページ 2
half Karnovsky固定液組成:
2%グルタールアルデヒド、
2%パラフォルムアルデヒド、
0.1Mカコジル酸緩衝液または30mM HEPES緩衝液
前固定液50mLの作製手順:これまでに作ったstock solutionを以下のように混合して作る。(図4)
• 25%グルタールアルデヒド 4mL• 10%パラホルムアルデヒド 10mL• 0.2M カコジル酸緩衝液または
60mM HEPES緩衝液 25mL•純水 11mL
オスミウム酸固定液組成:
1%オスミウム酸、0.1Mカコジル酸緩衝液
後固定液10mLの作製手順:
stock solutionを以下のように混合して作る。
• 2%オスミウム酸水溶液 5mL
• 0.2M カコジル酸緩衝液 5mL
後固定液は必ずネジフタ付きガラス瓶に入れる。専用の冷蔵庫に入れる暗所(遮光瓶)に入れる
Trenz Pruca 城レポート, ページ 3
Mammalian Ringer氏液(リンゲル液)1L
リンゲル液の組成:
• 155mM NaCl• 3mM KCl• 2mM CaCl2• 1mM MgCl2• 3mM NaH2PO4• 5mM HEPES• 10mM Glucose
作製手順: 1. 1LのビーカーにNaCl 9.06g、KCl 0.22g、NaH2PO4 0.36g、Glucose 1.80g、HEPES 1.2gを入れ、蒸留水800mLを加えスターラーで撹拌する。完全に溶けたら、1M MgCl2水溶液1mLと1M CaCl2水溶液2mLを加える。
2. 次に撹拌しながら1N NaOHをパスツールピペットで少しずつ数ml注ぎpHを7.2~7.4に合わせる。この時1度に入れないこと、撹拌しながら少しずつ滴下する。そうしないとCaが析出し濁ることがある。
3. 最後に、1Lのメスシリンダーに移し、純水を足して全体で1 Lとする。
PBS 1L PBS(phosphate buffer saline)の組成:
10mM リン酸緩衝液0.9% NaCl
作製手順:1Lのメスシリンダーに前のコラムに書いたSoerensenの0.2Mリン酸緩衝液 50mL、NaCl 9.0gを入れ蒸留水を足して1Lとする。※現在では薬品会社から粉末あるいは錠剤のPBSが市販されているので、それを買い求めるのが一番便利である。決められた量の蒸留水に溶かせばいい(一袋1L用が多い)。
100% エタノール1. 容量(1L)のネジ口の広口瓶を用意する。この瓶の下から1/5位のところまで無水硫酸銅を入れる。2. つぎに試薬特級のエタノールを上部まで注ぐ。ネジ口の栓をしっかりと閉めてから、瓶を強く揺すり、無水硫酸銅を撹拌する。
3. エタノールは白く濁るが、棚に載せ放置すると数時間で硫酸銅は沈殿する。この上澄み液を100% エタノールとして、ピペットで吸引し使用する。
4. 100% エタノールが少なくなったら、また特級エタノールを継ぎ足し、撹拌し放置する。無水硫酸銅が水色に変色するまで何回でも使用できる。
5. また、99.5% エタノールとはこの試薬特級エタノールそのもの濃度である。
トルイジンブルー染色液の作り方
Trenz Pruca 城レポート, ページ 4
蒸留水100mLに朋砂(Borax; Sodium tetra-borate)0.5gを混ぜて溶解し、その後トルイジンブルー0.5gを完全に溶解し、使用液とする。
ウラン染色液(エポキシ系切片用、疎水性樹脂用)• 50%エタノールに5%濃度になるように酢酸ウランを溶解する。•この濃度は飽和状態に近いので完全に溶かすには時間がかかる。• 8割ほど溶ければ染色液としては十分である。•紫外線により変性するので遮光して冷蔵庫で保存する。
クエン酸鉛染色液• 50mLの超純水(ミリQ水)または蒸留水を煮沸し、液中のCO2を除去した水にNaOH顆粒0.2gを完全に溶解し、1号の濾紙で濾過する。濾液は完全に透明でなければならない。
•つづいて、クエン酸鉛0.2gを完全に溶解する。•ふたたび1号の濾紙で濾過し、使用液とする(濾液は透明)。•最終的な濃度は0.4%クエン酸鉛/0.4%水酸化ナトリウム液である。•空気中のCO2に触れると白濁しコンタミの原因となるので空気を遮断し冷蔵庫に保存する。• 10mLの針付き注射器に保存している。
Trenz Pruca 城レポート, ページ 5