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採用に関するお問い合わせ先 経済産業省 大臣官房秘書課 採用担当 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 TEL:03-3501-1797(直通) www.meti.go.jp/ Dive rsity i n t o METI

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Page 1: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

採用に関するお問い合わせ先経済産業省 大臣官房秘書課 採用担当〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1TEL:03-3501-1797(直通)

www.meti.go.jp/

Diversityinto

METI

Page 2: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

MISSION

1-2

ORGANIZATION

3-4

MESSAGE

5-22

TRANSFER

23-24

CROSS TALK

25-26

CAREER STEP

27-30

INFORMATION

31-34C O N T E N T S

M E T I …Let me see…

METI!

METI?Well...Oh, METI!

1 2

2050年―日本は、どんな国になっていると思いますか。皆さんが、今の自分の親世代になり、そして、皆さんの子供が、今の皆さんと同じように、これから社会に出ようとしているだろう、2050年。

--超少子高齢化に、財政赤字の解消、地球温暖化への対応に、エネルギー制約の克服、新たな技術革新に、産業構造・就業構造転換… --皆さんも、ニュースや新聞で、この国が抱える、数多くの課題を聞いたことがあると思います。

はたして、皆さんの子供は、夢や希望にあふれて社会に出ることができるでしょうか。日本は、そんな国になっていると思いますか。

「課題先進国」と言われる、日本。

この国が抱える、これらの課題は、簡単に、すぐに、そして1人で解決できるものではありません。それでも、誰かが、その課題解決に取り組まないと、将来世代が、夢や希望を持って豊かな暮らしを送ることができなくなってしまいます。

経済産業省は、「日本を、国民一人ひとりの生活を、より豊かに」するため、経済・社会システムをデザインすることがミッション。

その実現のために必要なこと--例えば、映画・ゲーム等コンテンツ産業の推進から、働き方改革や人づくり革命まで、TPP等の経済連携から、地方創成や中小企業の活性化まで、そして、資源外交や再生可能エネルギーの推進など―それら、すべてにチャレンジ。その活躍のフィールドは、ローカルからグローバル、マクロからミクロ、正に「No Border」。

今、これを手にしている皆さんは、「将来の選択」という、人生の岐路に直面しているかと思います。経済産業省の職員は、たとえ大きな、難しい課題であっても、将来の日本の、そして、国民一人ひとりの豊かさの実現のために、文系・理系、それぞれのバックグラウンドに拘わらず、新たな世界で知識と経験を広げ、チャレンジし続けています。

「個」の力を最大限尊重する経済産業省。「将来の選択」の前に、是非、経済産業省で働く「個」の想いに触れてみてください。

「日本を、国民一人ひとりの生活を、より豊かに」経 済 産 業 省

※P5-24で、職員自ら手書きで書いた「あなたにとってMETIとは?」の答えを、紹介しています。

使命MISSION

Page 3: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

ORGANIZATION

3 4

経済産業省

経済産業研修所 経済産業局

北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州

産業保安監督部等

北海道、関東東北、中部近畿、中国四国、

九州、那覇産業保安監督事務所

組織図

(施設等機関)

(地方支分部局)

大臣

副大臣

副大臣

大臣政務官

大臣政務官

事務次官

経済産業審議官

大臣官房 経済産業政策局 通商政策局 貿易経済協力局 産業技術環境局 製造産業局 商務情報政策局 資源エネルギー庁 特許庁 中小企業庁

秘書課

総務部

総務課

会計課

企画調査課

普及支援課

国際政策課

国際協力課

審査業務部

審査業務課

出願課

商標課

審査第一部

調整課

意匠課

審判部

審判課

審査第二部

審査第三部

審査第四部

総務課

取引監視課

ネットワーク事業監視課

電力・ガス取引監視等委員会事務局

(審議会等)

総務課

調査課

産業構造課

産業組織課

産業再生課

産業資金課P.7-8

地域経済産業政策課

地域企業高度化推進課

地域産業基盤整備課

企業行動課P.7-8

地域経済産業グループP.7-8

総務課

米州課

欧州課

中東アフリカ課

北東アジア課

通商機構部

国際経済課P.9-10

経済連携課P.9-10

アジア大洋州課P.9-10

総務課

通商金融課

貿易振興課

投資促進課

技術・人材協力課

貿易管理部

貿易管理課

貿易審査課

安全保障貿易管理課

安全保障貿易審査課

安全保障貿易管理政策課P.11-12

P.11-12

P.11-12総務課

会計課

政策評価広報課

情報システム厚生課

福島復興推進グループ

調査統計グループ

秘書課P.5

総務課

研究開発課

基準認証政策課

国際電気標準課

環境政策課

リサイクル推進課

技術振興・大学連携推進課P.13-14

国際標準課P.13-14

P.13-14

総務課

金属課

化学物質管理課

素材産業課

生活製品課

産業機械課

自動車課P.15-16

P.15-16

航空機武器宇宙産業課P.15-16

総務課

情報経済課

サイバーセキュリティ課

情報技術利用促進課

情報産業課

コンテンツ産業課

商務・サービスグループ

消費・流通政策課

商取引監督課

サービス政策課

クールジャパン政策課

ヘルスケア産業課

生物化学産業課

産業保安グループ

保安課

鉱山・火薬類監理官

製品安全課

電力安全課P.17-18

P.17-18

P.17-18

長官官房

総務課

国際課

省エネルギー・新エネルギー部

政策課

新エネルギーシステム課

省エネルギー課

新エネルギー課

電力・ガス事業部

政策課

電力基盤整備課

原子力政策課

原子力立地・核燃料サイクル産業課

放射性廃棄物対策課

資源・燃料部

政策課

石油精製備蓄課

石油流通課

石炭課

鉱物資源課

石油・天然ガス課P.19-20

P.19-20

長官官房

総務課

事業環境部

企画課

財務課

取引課

金融課P.21-22

経営支援部

小規模企業振興課

経営支援課

創業・新事業促進課

技術・経営革新課

P.21-22

P.21-22

商業課P.21-22

※組織図内のページ数には、職員のメッセージを掲載しています。

P.6

P.19-20

Page 4: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

MESSAGE

5 6

MESSAGE

経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、法令審査、予算の策定、政策評価、適切なリソース(予算・人員)配分を行い、経済産業省の要の役割を担っています。大臣官房

休日は、職場の先輩や同期とともに、気になる街をゆるく探索するのが好きです。

最近では鎌倉でドライブしながらカフェ巡りをしたり、浅草で着物をレンタルして食べ

歩きをしたり、また、平日でも仕事後にディズニーランドに行ってみんなで閉園時間まで

遊んだりします。仕事以外の場でも、職場の方とつながりがあると、息抜きしながらも

仕事の相談ができ、先輩から有力なアドバイスを頂くことができます。また、経済産業省は

様々な分野を所管しているので、他部署の業務、産業の動きを知る良い機会になり、刺

激をもらい、自分も頑張ろうという気持ちになれます!

経済産業省の組織図を見ていただくと、局名でも、産業、地域、通商、貿易、技術、

環境、製造、情報、流通、保安、エネルギー、中小企業等、かなり幅広い業務内容を所管

しています。それゆえにきっと自分の興味ある分野や、自分でも気付いていなかった

新しい可能性が広がっていると思います。私自身これまで異動を何度も経験していますが、

その都度新しい分野に触れることで、新鮮な気持ちで業務に取り組むことが出来ています。

やりたいことが見つかっている方はもちろん、見つかっていない方も、経済産業省で自分の

やりがいを見つけてみませんか。

いま私は秘書課の総括係長というポストを任されています。総括は課の中心となり、

課内の業務がスムーズに進むための調整や取りまとめなどを行い、様々な面で各担当の

サポートをするのが重要な役割の一つです。また、課の窓口でもあるため、人との関わり

がとても多いポストで、それが総括としてのやりがいでもあると感じています。

そのような中で、私が主に担当している業務は「働き方改革」です。現在、政府として

働き方改革を進めているところで、「隗より始めよ」の精神で、経済産業省が率先して

働き方改革に取り組んでいます。働き方改革というとイコール早く帰ることと勘違いさ

れがちですが、そうではなく、「より大きな成果を、限られた時間で実現すること」を目指し

て、例えば、会議のペーパーレス化や無駄な業務の削減など、どうすれば効率的に業務を

進めることが出来るのかを考え、試行錯誤しながら省内の改革に取り組んでいます。

特に総括係長は課内の各担当に仕事をお願いする立場でもあり、働き方改革との

両立が難しいと感じるときもありますが、そこにやりがいを感じながら、一方で仕事を

やるからには楽しくという意識で、明るい雰囲気の課になるよう日々心がけています。

私は現在、大臣の秘書として、多忙な大臣のスケジュールを1分1秒たりとも無駄

にしないよう、常に次のことを考えながら行動しています。例えば、大臣が出発される

時、到着される時、昼食をとられる時、そうしたタイミングで秘書はいかにスムーズに

対応できるかが重要となります。

大臣室では、来客・電話対応等の一般的な秘書業務の他、日々様々な突発的な事態

が生じるため、今の状況を常に観察しながら、次にどういう対応が求められそうかを自

ら考え行動に移す必要があります。また、執務室の環境整備も我々秘書の大事な仕事

のため、常に大臣が集中しやすいような環境作りを心がけています。

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前職では、メディア・コンテンツ課という部署で海賊版対策のため、アニメやマンガ業界等が団結して様々な取組を実施する事業に携わっていました。日本のアニメやマンガ等は海外でも人気が高くファンも多いのですが、残念なことに、彼らが見ているコンテンツのほとんどは海賊版です。対策だけではなく正規版コンテンツをもっと海外に輸出するため、企業の皆様にご協力頂いて事業を進められたことが、大変ながら非常にやりがいのある仕事として印象深いです。

経験談

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激変する世界経済の中での日本経済及び産業構造のあるべき姿を中長期的な視点から検討し、その実現に向けた“経済産業政策”全体を示す役割を担っています。税制・産業金融・財投・規制改革などの産業構造を通じて我が国の産業競争力強化を図るとともに、人口問題や人材・雇用・教育などに及ぶ経済構造の改革を推進しています。経済産業政策局

企業行動課は、経済産業省の税制政策の司令塔として、我が国

の経済成長を促すため、企業の国際競争力強化や地域に根ざした

中小企業等の活性化、エネルギー政策などタテ軸の政策的支援に

加え、税務手続の簡素化や諸外国との税制上の競争環境整備と

いったヨコ軸の政策的支援を組み合わせるなど、税制面から、産業

全般を俯瞰した総合的な企画立案を行う部署です。

その中で、私は中小企業税制、地域活性化関連税制などの担

当として、省内の関係部局の税制改正要望を取りまとめ、制度の

効果分析や新たな制度の設計など、地域活性化や中小企業の支援

として意義のある制度となるよう、税制改正の実現に向けた、

関係省庁等との調整を行っています。さらに、毎年度の税制改正

の事業者向けの説明会開催や企業の制度活用実態のヒアリング

などを通じて、事業者ニーズの収集を行っています。こうした現場

ニーズを踏まえながら、円滑に運用できる制度の検討をしていき

ます。

私は入省6年で3つの局に異動し、それぞれの部署の視点から

施策を講じていく経験をしました。経済産業省には、幅広いフィー

ルドで活躍する機会があるため、自らの専門を活かしたい方のみ

ならず、専門以外でも業務を通じてさらに成長したいという方に

も非常にお勧めできる職場です。

全ての経済活動は、そこを流れる「お金」によって、支えられて

います。現在私が所属する産業資金課は、「お金」という側面から、

産業の新陳代謝を促し、企業の稼ぐ力を高める方策や、FinTechに

よって実現される社会のデザイン等を日々検討しています。これまで、

個々の企業と向かい合う中で、中長期的な戦略が不透明で、戦いき

れていない企業を多く見てきました。経済産業政策局では、そうし

た課題に横串の政策対応でアプローチします。コーポレート・

ガバナンスの強化や、長期投資の促進、経営者と投資家の対話の

あり方など、資本市場との関わりの観点から、企業が変わるため

の仕掛け作りをしています。経済・社会を変える「お金の流れ」を

どう作っていくか。難しいですが、挑戦しがいのある分野だと思っ

ています。

私が担当している「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」は、

人口構成や産業構造、企業の活動状況、消費動向、人の動きなど、

官民のビッグデータを都道府県・市区町村ごとに分かりやすく表示す

るウェブサイトです。ビッグデータを地域経済の活性化に役立てるた

め開発されました。誰でも無料で閲覧でき、地域経済の現状や課題、

強み・弱みを把握し、将来像の分析などを行うことができます。

RESASは平成27年4月の公開ですが、もっと有効に活用しても

らえるよう各経済産業局や内閣官房まち・ひと・しごと創生本部

事務局などと連携し、ワークショップの開催、先進的な分析事例

の紹介、より使いやすいシステムの開発などに取り組んでいます。

こうした活動を通じて、客観的なデータに基づく政策立案が各地で

行われるようになればと考えています。皆さんもぜひ一度、RESAS

で地域経済を分析してみてください。(https://resas.go.jp/)

仕事をする上で私が心がけていることは、「誰のための、何のた

めの政策なのか」を問い続けることです。中小企業庁在籍時、

実際に企業を訪問して多くの経営者にお話を伺い、後継者問題の

深刻さを肌で感じました。現場で得られた情報は、その後、政策の

方向性を議論し制度の見直しへとつなげていく大きな原動力に

なっています。

入省2年目からインドへのインフラ輸出と日本企業の進出支援を担当し、3年間全力で取り組みました。結果、インドと言えば足立さん、と言ってもらえるように。当時も今も、インドと聞くと一歩引く人が大勢います。ビジネスの進まない国と思っているのです。これは正しいのですが、しかし間違っています。彼らの課題にしっかり向き合い解決策を一緒に提示できると、物事は一気に進みます。ここが一番の醍醐味でやりがいを感じる部分でした。

経験談

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MESSAGE

MESSAGE

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日本を取り巻く国際政治経済の情勢を踏まえて、対外経済政策に関する総合戦略を企画立案するとともに、多国間・地域間・2国間の国際的な枠組みを活用し、円滑な対外経済関係を推進するための交渉などを行っています。通商政策局

私は、日本と欧州連合の経済連携協定(日EU・EPA)交渉を担当し

ています。日EU・EPAは、2017年7月に大枠合意が発表されました。

EPAで最も注目されるのは関税分野で、関税が撤廃されれば、双方の

経済が活性化されます。また、EPAの効果は関税だけではなく、日EU

が共通のルールを導入することで、国際的なルール作りをリードする

ことが可能になります。

交渉開始以来、私はEU側との意見交換だけではなく、日本の交渉

方針を決めるために、国内の関係者との意見交換も繰り返してきま

した。初めは意見の隔たりが大きくても、議論を交わしお互いの立場を

理解することで、落としどころを見いだすことができました。EPA

交渉は政府全体の取り組みですが、それまで外国との交渉経験が

なかった私でも、微力ながら貢献できたと思っています。

日EUの規制問題の交渉分野では、日本とEUの基本的な考え

方が異なる点も多く、交渉の場で日本側の考えを伝えるために、

相手の立場に立って考えることを心がけています。その上で、自

分が議論をリードしなければならない場面もあるので、英語での

交渉では、念入りに準備し交渉に臨みました。図表等の資料を

事前に配布したり、休憩時間に相手を捕まえてホワイトボードで

補足説明する等、様々な工夫を加えています。

私の仕事は、各国の利害がひしめく国際会議を舞台に、外国政

府との合従連衡、ときに喧々諤々の議論を通して、世界規模の通

商課題に取り組むことです。

その一例には、鉄鋼の過剰生産能力問題があります。トランプ

大統領やEU首脳が声高に対策を呼びかけており、世界の鉄鋼

生産量の半分を占める中国が国を挙げて取り組んでいる課題

です。この課題に対応するために30か国以上が参加する国際会

議で、私は日本として何をいつ発言するかを発言者に伝えたり、

関係国と水面下で意見調整したりしました。こうした現場で得た

情報、外国政府との電話会議、メールによる情報、調査・報道機関

からの情報などを基に、G7、G20、OECDの首脳級・閣僚級会合で

の日本の意見案を作ったり、関係部署や幹部との相談、関係国へ

働きかける作戦を練ったりします。

やる気と能力があれば、若い時から、こんなに世の中に影響を

与えることに関われる職場は、なかなかないと思います。あふれ

るほどの情報、名刺一つで様々な人に会えるネットワーク、通商、

産業、エネルギー、中小企業といった幅広い所掌分野。この恵ま

れた環境をいかして、いかに自分が世の中に貢献できるか、面白

いことをできるか、そうしたことを考えながら仕事ができることが

私にはとても魅力的です。

アジア大洋州課では、「世界の成長センター」と呼ばれるASEAN

と日本の経済関係をより強化し、東南アジアで日本企業のビジネ

スを発展させるため、必要な経済連携や協力の方向性について

政府間で話し合うとともに、決定された具体的な経済・産業協力の

内容を実施するための調整などを行っています。私は特に経済・産

業協力の具体化のため、日ASEANの政府や企業との対話の場を

設けたり、事業を企画したりしています。また、ASEAN地域へ出張

し、日本の政策や事業の内容についてプレゼンすることもあり、経済

産業省の代表として参加することは責任も大きいですが、海外から

見た日本のプレゼンスを再確認できるので、とても貴重な経験です。

仕事では常に「敏感」であることを心がけています。世界で今起

こっていることや日本の経済・社会の変化だけではなく、身近な

職場での気付きも大事だと思います。例えば、上司の次の行動を

想像し必要な資料を準備したり、チームのメンバーのために参考

になりそうな情報を共有するなど、注意を払っています。それを

きっかけに、チーム内のコミュニケーションが促進され結束力も

高まり、仕事が効率よく進められるからです。そんな考え方に共感

してくれる方と一緒に働けることを楽しみにしています。

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貿易投資や経済協力を通じて、日本の優れた技術を海外へ発信し、世界から信頼される存在となることを目指しています。新興国や開発途上国の発展の支援、日本のインフラ・システム輸出、また、大量破壊兵器の不拡散、野生動物の保護などの国際約束を遵守するための貿易管理を行っています。貿易経済協力局

貿易経済協力局現通商金融課で、主に中東、アフリカ、中南米

における再生可能エネルギーの発電設備、海水淡水化施設、都市

交通、及び港湾・空港などのプロジェクトへの支援を検討してい

ます。対象地域も分野も幅広く、各国・地域が望む未来を実現で

きるよう、省内の関係部署、他省庁とともに、優れた技術と経験を

持つ日本が為すべきことを日々考えています。また、危険な地域や

復興を目指す国などの電力供給や上水道整備への貢献を検討す

る日本企業への支援も行っています。様々な国から首脳や閣僚が

往来し、日本との連携などについて首脳会談や閣僚会合等が

開催されますが、事前に関係国と意見交換などの準備を行い、

会合にも参加します。世界のために何ができるか、何をすべきかを

考え、実りある成果を導きだすことが私の使命です。

近年、民間企業の先進的な製品や技術が武器の製造などに

活用される度合いが急激に高まっています。日本と世界の安全保

障を確保するには、日本企業の製品や技術の懸念国への流出と

軍事転用を防ぐ必要があります。そのため、安全保障上機微な貨物

の輸出や、外国からの対内直接投資を規制する、外国為替及び外

国貿易法(外為法)の制度の在り方を検討し、制度改正につなげる

のが私のミッションです。

制度というものは必ず抜け穴が出来るので、設計の段階では、

1つ1つパズルを組み立てるように緻密に検討を重ねる必要が

あります。このように、社会のルールを設計し、適用していく一連の

仕事は、国家公務員の仕事の醍醐味。仕事の成果次第で、日本や

世界の安全保障環境が大きく変わり得ると思うと、緊張感もありま

すが、やり遂げたときの達成感は格別です。

特殊関税等調査室では、WTO協定で認められた貿易救済措置

(アンチ・ダンピング関税措置、補助金相殺関税措置、セーフガード

措置)の調査を行っています。

この制度は、世界で積極的に活用されていますが、日本は他国へ

の発動件数があまりありません。企業活動の中で制度の活用を

適切に検討してもらうためには、制度の認知度を上げることが

重要です。そのため、各業界向けの説明会の開催や、制度を活用

しやすくする制度改正手続きなどを行うほか、調査の精度を上げ

るため有識者を招聘し、WTO協定や判例についての研究会を企画

してきました。現在は、専門性が高く難しい業務ではありますが、

調査官として直接国内生産者の方々の支援を行い、やりがいを

実感する毎日です。

東日本大震災そして福島原発事故、計画停電、事態がめまぐるしく変わる中、被災者の方への迅速な賠償、原発の状態の安定化、電力の安定供給等に対応するため、内閣官房の対応チームに、一員として参加しました。数ヶ月間は、休日返上で上記の課題に対応する制度の検討や法案の作成に追われました。緊張感漂う毎日でしたが、チーム一丸となって取り組んだ日々は忘れることのできない経験です。

経験談

赴任先の中米コスタリカは、生物多様性に富み環境保全に関心が高く、経済発展との両立を掲げ、再生可能エネルギーによる発電を推進しています。この国で、意欲的な日本企業と電力公社との連携により、同国初となるメガソーラーを建設することになりました。建設は順調に進展し、大統領も出席する完成式典では日本の電気自動車の試乗会を企画しました。直前まで調整したこと、式典当日の関係者の喜ぶ顔が印象的でした。また、地熱開発にも協力し、両国連携による発電所の完成が楽しみです。

経験談

通商政策局ロシア・中央アジア・コーカサス室に在籍していた当時、ロシア・中央アジア諸国と日本との貿易関係が盛り上がり始めたのですが、他方でロシア情勢が悪化した時期でもありました。経済産業省そして日本として、今後、両国の貿易関係をどのように進めていくべきか慎重に検討する必要があり、省内外からの様々な要望・質問などに対応するため奔走しました。国と国との変換の時期に自分が関われたことはとても感慨深く、貴重な経験となりました。

経験談

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MESSAGE

13 14

MESSAGE

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世界に通用する最先端の技術・アイディアを生み出すため、民間の研究開発を支援し、その活力を日本全体の富に還元するための支援と環境作りを行っています。また、日本企業が開発した技術を世界の「標準」にしていく取組、地球環境と経済が両立する社会の構築も大切なミッションです。産業技術環境局

大学連携推進室は、日本の産業界と大学が世界との競争に勝

ち抜く上で鍵となる「産学連携」を推進しています。中でも私は、

産学連携を通じたイノベーション人材の輩出に取り組んでいます。

具体的には、産業界と大学が連携した人材育成・教育活動の推

進、大学発ベンチャーや大学の研究内容の社会への情報発信強

化によるイノベーション人材の見える化です。産業界が求める人

材、大学における教育や研究は多種多様で、技術や産業構造の

変化とともに常に変化しています。そのため変化を捉え、将来を

見据え、タイムリーに産業界や大学の人材育成・教育活動の現場

に落とし込む取組が不可欠です。現在は、将来圧倒的な不足が

予想される情報技術分野の人材に注目し、関心の高い経済団体・

企業や大学を巻き込んで、産学連携を促し、人材育成の機会を継続

的に創り出すための新たな仕組みの構築に向けた取り組みを

進めています。

私はこれまで、社会をよりよくしたいという情熱を持った先輩

職員に恵まれたおかげで、業務への向き合い方について良い方

向に感化されました。また、最近は、ワークライフバランス推進の

機運も高まり、育児・家事にも全力で挑むことでリフレッシュして

います。やりがいのある業務だけではなく、魅力ある職場として、

経済産業省という選択肢を是非御検討ください。

皆さんは、“製品を市場に出すとき、安心して使ってもらうには

何が必要か”と考えたことはありますか?その答えの一つが、一定

水準以上の製品の担保となる国内・国際の標準化を整備し、推進

していくことです。

私は、ロボットなど産業機械の標準化を推進する業務を行って

います。特に、生活支援ロボットのように新市場が形成されつつ

ある分野で、世界共通ルールのISO規格に日本の考え方を提案す

るため、関係者をサポートすることは重要な役割です。国際標準

は、一度できると変えることは容易ではないので、近い将来どの

ような市場を形成したいか、得意分野をどこまでスタンダードと

するかを、他国と駆け引きしながら提案しなければなりません。

標準化というツールで日本の優れた技術がより多く世界に展開

され、社会の姿が10年後、20年後がどのようになっているのか

考えながら、一翼を担えることにやりがいを感じています。

休日は、体力勝負です。保育園児の長男・次男とともに、電車、

ブロック、ザリガニ、紙飛行機、公園、プール等に主人と交代で出

かけ、間に怒りながらも子供達をいかに疲れさせて夜に寝かしつ

けるか挑戦中です。子供が疲れる前に、私達がヘトヘトになって

いますが、精神的にはリフレッシュしています。

2010年から7年間、地球温暖化の国際交渉を担当しました。私の

担当議題は、海外での排出削減量を活用する市場メカニズムと技術

移転を支援するためのルール。日本は、優れた省エネ技術等を途上

国に普及させ、世界全体の排出削減に貢献するための取組を進め

ており、それを後押しする国際ルール作りが課題でした。温暖化交渉

は各国から専門家が出てくるため、最初は技術的議論についていく

のが大変でしたが、専門知識を蓄積し、日本の立場を発信できるよ

うになりました。この経験を活かし、次に温暖化交渉の国連事務局

(UNFCCC)に出向。国連職員として、全ての国の意見を踏まえて合意

可能な共通項と意見の対立する論点・オプションを整理した資料を

作成する等、幅広い視野と交渉全体の妥結に向けた議論の進め方を

学びました。温暖化交渉は、長年先進国と途上国の利害対立が続き

ましたが、それを乗り越え、2015年12月にパリ協定が採択された

瞬間に立ち合えたことは、良い思い出の1つとなっています。

経済産業省では様々な分野で、日本の国益を背負った国際交渉

に参加しています。若手職員でも1つの議題を担当し、日本の

立場を発信する機会を与えてもらうこともあります。日本の立場を

適切に発信するには、英語力の他、各国の猛者とやり合うための

専門知識と日本として絶対に発信すべきという強い信念が必要です。

皆さんも経済産業省で国際交渉を担当してみませんか?

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我が国のものづくり産業の強みや課題を把握・分析し、グローバル競争力の強化を図るとともに、ロボットや自動車などの個別産業の強みを活かした我が国の社会問題解決に向けた政策を企画・立案・実施することで、我が国製造業の付加価値を高めています。製造産業局

私は、近年激化している第4次産業革命のイノベーションにより

実現が期待されている「自動走行」の実現と普及促進に向けた政

策を担当しています。我が国自動車産業が競争力を確保し世界を

リードするために必要な検討を行うことが、自動車課のミッション

の一つで、自動走行の技術面の競争力を加速するため産学官の

協調戦略の策定を進めています。加えて、社会受容性の検討や安

全性、ビジネス成立性など、自動走行施策の立案、遂行を業務と

しています。

具体的には、「自動走行ビジネス検討会」(国土交通省と共同

開催)を担当し、内容について自動車業界や関係団体、有識者等

と議論を行うための段取りなどの調整を行い、自動走行戦略を取

りまとめています。社会から求められるモビリティとは何か、日本

の自動車産業政策上どのような取組が必要なのか、海外動向も

注視しながら、日々頭を悩ませ業界の方々と議論しています。

業務が集中したときなどストレスが溜まらないよう、休日はリフ

レッシュを心がけています。ひたすら寝て過ごすこともあれば、

友人や同期と遊んだり、フィットネス&スパでリフレッシュすること

もあります。経済産業省の魅力の一つですが、同期とは仲が良く、

夏はバーベキューやキャンプ、冬はスノーボードなど、一年を通し

て楽しく過ごしています。

宇宙産業と聞くと、「ロケットや人工衛星を作る産業」と想像さ

れる方が多いと思いますが、その範囲はさらに広く、例えば衛星

データを使って、農業の収量予測や森林の状況監視等に応用す

るビジネスも宇宙産業の重要な要素です。私が所属する宇宙産

業室では、ロケットや人工衛星などの「機器産業」と、宇宙由来の

データを利用した「アプリケーション産業」を両輪で発展させるこ

とがミッションであり、民間の方々や関係省庁と議論しながら業

務を行っています。

私の宇宙産業室「国際担当」としての主な業務は、我が国宇宙

産業の海外展開の支援や、宇宙産業のビジネス環境整備につい

ての各国政府との協議などがあります。業務の中で、海外の方々

の日本の優れた技術に対する期待を肌で感じます。宇宙産業室

に着任して数ヶ月ですが、こうした「ニーズ」と日本企業をどのよ

うに橋渡しするか、日々考えながら仕事をしています。

経済産業省は「風通しの良い」職場で、若手でも意見を出すこ

とが歓迎されます。一方それは求められる成果の水準が高いこと

も意味します。常にアンテナを高く保ち、何事にも当事者意識を

持って業務を行う姿勢が必要です。求められるハードルは高いで

すが、何事にもチャレンジできる環境が整っていることが、経済産

業省の良さだと思います。

今、私はオゾン層保護や温暖化対策のためにフロンガスの規制

を行う部署に所属しています。フロンは、もう使われていないとい

う印象を持たれる方もいると思いますが、実はまだ一部必要とし

て使っている部分があります。さらに、代替フロンによっても温暖

化に影響を与えてしまうことがあるため、オゾン室では法律に基

づいた規制を行っています。

私は室の総括係長として、全体の業務の取りまとめや室員がス

ムーズに仕事ができるような調整、また改定したモントリオール

議定書に批准するための国内法の整備などを行っています。代替

フロン削減スケジュールには厳しい目標設定があり、代替フロン

の代替が見つかっていない現状で、どう日本企業がイニシアティ

ブを取れるのか、温暖化に影響をもたらす代替フロンの削減に産

業界をどう巻き込んでいくのか、また関係省庁とどう調整を行う

のか課題は多く、解決のため日々勉強です。

どんな仕事でも、人と人の関わり合いは重要だと考えています

ので、些細なことでも直接話をすることを心がけています。また、

普段から雑談をしたり、飲み会には顔を出すなど、多くの人と関

係づくりをするよう努力しています。先輩・後輩問わず、多くの職

員の方々に仲良くしていただき、困ったときには助けていただき、

感謝しています。

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情報産業、クリエイティブ産業、ヘルスケア産業及びサービス産業の強みや課題を把握・分析し、その競争力強化に向けた政策や個別課題解決のための政策を企画・立案・実施しています。また、電力・ガスインフラや石油コンビナート等における事故、サイバー攻撃の防止・事態収束等にも取組んでいます。商務情報政策局

現在私は、電力安全課に所属しています。大規模な発電所建設の

際に自然環境や生活環境などへの影響を審査する「環境アセスメン

ト手続」を通じて、環境保全に配慮された発電所の建設を実現する

ことが私のミッションです。手続の過程では、地域住民や学識経験者

等の専門家、他省庁、都道府県、事業者など多くのステークホルダーの

意見を聴き、規制部局としてバランスのとれた対応を意識しながら、

審査を行っています。

また、近年の再生可能エネルギーの普及・拡大策を受け、風力発電

所に係る環境アセスメントの審査件数が大幅に増加しているため、

効率的かつ効果的な環境アセスメントが行われるよう様々な改善に

取り組んでいます。その一つ、審査制度の改善に向けた新たな取り

組みに、いま日々奮闘しているところです。

IoTを活用した新たなビジネスモデルを生み出すこと、それが

私に課せられたミッションです。あらゆるモノがネットワークでつ

ながるIoT社会では、今までにないビジネスモデルを構築するた

めに、新たな技術に対応した規制の見直しや業種を超えた事業

者間の円滑なデータのやり取りを可能にするルール整備などが

必要になります。また、情報セキュリティ対策やデータ流通のルー

ル等を検討することも重要なファクターとなります。このため、民間

企業だけでは実現することが困難であり、かつ、社会課題の解決等

につながる分野へIoTを導入するため、業種横断的なルールの

策定や事業環境の整備に関する業務に日々取り組んでいます。

私はエネルギー政策に携わりたくて経済産業省を志し、エネルギー関係の部署を中心にキャリアパスを進めてきましたが、入省9年目に予想だにしていなかった大臣官房秘書課に異動することになりました。秘書課では職員の給与決定や級別定数の管理等を担当し、「政策フロントで働く職員が業務に専念できる環境を整えることは、組織のパフォーマンスの最大化につながる」という信念を持って組織を支える側の仕事に取り組んでいました。秘書課から異動し、再び政策フロントで仕事をするようになり、政策を動かす仕事に専念できる有難さを実感するとともに、組織を支える仕事を担う職員への感謝の気持ちを忘れないようになりました。

経験談

私が入省し、環境経済室に配属された2015年は、温室効果ガス削減目標の策定など、国内外の地球温暖化対策が大きく動きました。地球温暖化対策と経済成長をいかに両立させるか、省内外との激しい連絡調整が続きました。日本の地球温暖化対策計画の閣議決定に向けた総理大臣も出席する推進本部に陪席し、手を震わせ議事メモを作成したことを覚えています。地球温暖化対策という重要政策に携わる貴重な経験をしました。

経験談

医療機器は、世界的には市場が拡大しており、我が国の今後の

リーディング産業として期待されています。一方、国内市場では輸

入超過で推移し、国内産業としては十分な競争力が発揮されて

いない状況です。医療機器の開発・実用化はいくつものハードルが

あり、異業種からの新規参入や、中小企業による事業化は困難を

伴いますが、現場の声を聞き、課題を洗い出し、必要な支援施策

を講じることで、我が国の医療機器産業の裾野拡大に取り組んで

います。

また、高齢化に伴いニーズが拡大している福祉機器等の開発支援も

行っています。医療機器にも福祉機器にも言えることですが、ニーズ

とシーズのマッチングは非常に重要で、厚生労働省や関係機関と連

携し、アクセシビリティに配慮した製品等の開発支援と普及に力を

入れて取り組んでいます。

私は経済産業省野球部のマネージャーなので、春先から秋にか

けての週末は野球三昧です。公式戦や、練習試合など、年間で結

構な数の試合をこなします。試合後には、飲みに行くことも多く、

年齢層は幅広いですが、和気あいあいと楽しく活動しています。

同じ趣味を通じて人脈も広がりますし、野球部以外にも様々な部活

動があるので、興味のある部活動を探してみてください。でも、ぜひ

野球部に入部してください!(笑)

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石油やガスなどの資源に乏しい日本で、エネルギーを安定供給することが資源エネルギー庁のミッションです。また、原発事故後のエネルギー政策の見直しや、戦略的な資源外交、新たな国内資源開発の推進、地球温暖化対策にも配慮したエネルギー計画の策定などの難しい課題に取り組んでいます。資源エネルギー庁

「電力自由化」という言葉はご存知ですね。それまで一般家庭向けの

電気小売業は、規制により大手電力会社が地域独占で行ってきましたが、

2016年4月に市場が開放されました。私が所属する電力産業・市場室は、

この大転換点である電力自由化を進めていく上で、大手電力会社と新電

力と呼ばれる新規参入事業者が公平に競争し、電力市場全体を活性化

させていくビジネス環境の整備を行っています。

加えて私のミッションには、福島第一原発事故を起こした東京電力が、

事故収束を含め「福島への責任」を果たしていく制度設計があります。

特に、除染や被災者賠償、今後の廃炉作業など、福島再生のため東京電

力は長期的に資金を確保していく必要があり、これらが滞りなく行われ

るための財務・会計面での政策立案を担っています。

2011年、東日本大震災が一変させた国内エネルギー事情。世界に目を

向ければ、2015年COP21のパリ協定により新興国を含め各国が環境対

策目標を約束。国内外で従来のエネルギー政策の延長線上にはない新し

い道筋を描き出すことを求める状況が生じています。エネルギーの大半を

国外依存する日本として、内外状況や環境変化に即応しながら、他方で

一貫してエネルギー政策の基本視点である3E+S(Energy Security,

Economic Efficiency, Environment, Safety)の実現に向け取り組む

ことが重要です。これに貢献するべく、日本の省エネ・再エネの制度及び

先進技術のグローバル展開を通じて取り組んでいます。

電力とガスの一般家庭等への販売が自由化され、既存の電力・ガス会

社以外も販売が可能になった今、私が所属する電力・ガス取引監視等委

員会事務局では、企業の不正や、既存の電力・ガス会社による新規参入

阻害等を監視するほか、監視のために必要なルール作りをしています。

私は委員会で、電力・ガスの小売事業者の登録審査や、小売事業者の

営業活動等が適法か否かなどの監視業務などに従事しています。電力・

ガスの一般家庭等への販売は自由化されて間もないため、課題が多く

あり、企業の方々と直に話す機会も多く、システム改革の最前線を実感

できる重要な業務だと感じています。改革が需要家の利益に適い、日本の

エネルギー政策が少しでも良くなるよう改革の真只中で尽力しています。

連休などには足を伸ばして、よく温泉旅行に出掛けたりしますが、昔か

らある温泉街は過疎化や後継者問題などの影響で最近寂れているところ

が多くあります。経済産業省で働いているせいか、そんな現状を見る度に、

どうするべきか、と考えてしまいます。日本の現状を見るという意味でも、

休日の旅行は有意義だと思う今日この頃です。

日本は、経済・社会を支える石油や天然ガスなどエネルギー資源のほぼ

全量を海外からの輸入に頼っています。石油・天然ガス課では、石油・

天然ガスを国内に安定的に供給することをミッションとして、産油国へ

行き、権益の交渉をしたり、国内の油田・ガス田の開発を進めたり、供給

元を増やす様々な取組みを行っています。私が取り組んでいるのは後者の

ほうで、北海道や新潟などの油田・ガス田の開発・生産、南関東の地下水

に含まれる天然ガスを取り出す研究、さらに日本周辺の海底の下の地層

に眠る石油・天然ガスについても、探査船で調査を行っています。「資源の

ない国、日本」は見直されるかもしれません。

経済産業省では、エネルギー分野に限らず、あらゆる産業分野の業務に

携わることができます。この業務の幅広さが大きな魅力です。加えて、

各分野であらゆる最新情報が集まることが更に魅力です。その情報を

生かし次の政策にどうつなげるかは、皆さん次第。皆さんのバックグラウ

ンドが何であれ、できることはたくさんあり、活躍する場もあります。人の

想いを感じ、そのためにどれだけ尽くせるか、考えてみて下さい。

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私は、当時入省2年目だった3.11以降、2度にわたり派遣職員として福島の被災市町村で業務を行いました。そこで、国も推進してきた原発の事故が地元の方々へ与えた影響や現地の方々の復興への思いなどを直に感じたことが、今のポストも含め、国家公務員として職務を行う上での気概の礎となっています。

経験談

海外赴任は、改めて日本を代表して活動する責任感を培う機会でもあり、その中でこそ得られる活動展開やネットワーク構築機会ともなります。静岡県出身の私は、自身の趣味であるサッカーを活用し、海外赴任地で相手国政府機関との対戦を幾度となくアレンジしました。ハイライトは相手国政府機関のプラントがある洋上小島でのサッカー対戦。試合には負けましたが、試合と前後の懇親機会を通じて両国参加者全てが関係を深めた機会になったと、今も信じています。

経験談

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日本企業の約99.7%を占める中小企業の自主的な努力を支えるため、経営の革新及び創業の促進、経営基盤の強化に資する政策を企画・立案・実施しています。海外展開や新分野への進出の支援、経済的な変化への対応など、中小企業が日本経済全体を成長させる存在になるよう支援しています。中小企業庁

私は今、商店街の今後を考え、背中を押す仕事をしています。全国には

約1万2千の商店街がありますが、元気のある商店街は少なくなっています。

では商店街はもうダメかといったら、そうではないと考えてます。

全国には、市場のような商店街、旅行者を魅了する商店街、地域の人を

支える商店街など、まちと密着し魅力を発信する商店街がたくさんあります。

共通点は商店街に「行く理由がある」こと。「行く理由」は、買いたい物がある、

会いたい人がいる、何かおもしろいものがあるなど様々で、それが商店街の

魅力なのですが、その魅力に商店街の方々が気付いていないこともあります。

様々な政策ツールを使い、商店街の方々にまずその魅力に気付いてもらい、

その魅力を伸ばし、お客さまに発信していくお手伝いができればと、日々

考え行動しています。

中小企業が親会社の倒産や災害・事故などの危機に直面し業況が悪化

した場合、中小企業は金融機関からの融資を受けることが困難となります。

そんな時に重要な役割を果たすのが、私の担当する「セーフティネット保

証制度」です。この制度は中小企業が、そうした危機が生じた場合に金融

機関の中小企業に対する融資を特例的に100%保証し、中小企業が融資を

受けやすくするものです。本制度は非常に効果が大きい一方で、使いどころを

誤れば、市場を歪ませ、中小企業の経営状態をさらに悪化させてしまう

恐れすらあります。そのため、危機を冷静に分析し、適切なタイミングで発動

していく。これが私の仕事です。

週末は趣味のサッカー観戦や、いけばな教室に通っています。今の休日の

目標は「朝」から行動を始めること。社会人で時間の使い方がうまい方は、

朝の時間を有効活用できていると感じます。経済産業省にも時間の使い方

がうまいお手本がたくさんいるので、教えていただきながらがんばります。

第4次産業革命到来の鍵になると言われるIoT、AIなどの技術革新で、

私は企業連携を促し、尖ったIoTプロジェクトを発掘・支援する『IoT推進

ラボ』に取り組んでいました。支援スキーム検討から予算確保、グローバル

企業を含む企業の巻き込みなど、立上げ当初から携わり、今後日本発の

プロジェクトが創出されることを期待しています。

また、2017年3月には安倍首相、世耕経済産業大臣とともにドイツに

出張し、メルケル首相との会談や、国際展示会CeBITにおける日本政府

の取組等の発信、関係機関とのMOU締結など、海外との連携も担当し

ました。現在は、中小企業庁技術・経営革新課に所属し、日本の産業を支

える中小企業の技術開発に関する施策を担当しています。中小企業の技

術をいかに高度化し、次の担い手につないでいくか、私自身も挑戦して

いきたいと考えています。

私が日々心がけていることをご紹介します。参考になれば幸いです。

①視野を広く:国民や総理大臣の視点で政策を考える。②楽しく、そして

諦めない:仕事も課題もベストを尽くし諦めない。③常に冷静に:予想外

の展開でも、冷静に判断し迅速に対応する。

私が法律改正チームに所属していた時、担当した中小企業信用保険

法改正の柱の1つが、リーマンショックのような大規模な経済危機などに

対応できる新たなセーフティネット保証の創設でした。この経済危機を

表現する言葉が「信用収縮」だったのですが、この言葉は法令上、前例が

なく、内閣法制局との調整のため連日連夜の作業が発生しました。そして

2017年6月、「信用収縮」という言葉を初めて用いたこの法律が成立した

時は感無量でした。

私は中小企業庁の創業・新事業促進課と海外展開支援室という2つの

課室の総括を担当しています。課のミッションは、新しく事業を始める・

新しく商品開発に取り組む・新たに海外展開するなど、チャレンジする

方々を支援すること。具体的には、資金で困っている方への補助金の用意、

新しいことに取り組む際の相談体制の構築等を行います。私は課の窓

口として、日々届く仕事をいち早く理解し、それぞれの担当者に振り分け

ています。事業者の方々と直接接する機会は少ないのですが、出張等で自

分の課の施策や事業を中小企業の方が活用している場面を目にすると、

役立っていることを実感します。入省後、最初は実感しづらいかもしれま

せんが、得られた時は人生にとって大きな刺激になります。

入省して3年目から夜間大学に通わせていただき、教員免許を取得し

ました。自分を高めるチャンスとして、留学に向けて英語を学ぶ人、家族

と過ごす時間を増やす人など、 様々なオフタイムの選択肢があります。

ワークライフバランスを実践する経済産業省はメリハリのある職場で、

これも魅力の一つだと思います。

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国内拠点・海外拠点経済産業省は幅広い所掌分野での職責を果たすため、霞が関の本部以外に世界60ヵ国の日本国大使館及び国際機関などに約80名の職員を、また国内の地方自治体などに約40名の職員を派遣しています。

在オランダ大使館の経済班に所属し、経済産業省に関連する分

野以外に、金融・財政、厚生・労働、科学技術の分野を担当すると

ともに、日本企業支援担当官、知的財産担当官、対日投資担当官、

科学技術担当官を拝命しています。具体的には、オランダ政府関

係者等への働きかけや情報収集、また当地で活動している約400社

近くの日系企業が円滑に業務を行えるようサポートしています。

経済産業省の枠を超え、日本とオランダの経済発展のために様々な

人達と親交を深めながら業務に取り組んでいます。現在私は、家族

とともにハーグという街で生活しています。オランダに赴任して

驚いたことの一つは、ほとんどのオランダ人が流暢に英語を話す

ことです。またとてもフレンドリーな国民性なので、オランダ語が

出来なくても日常生活で困ることはほとんどありません。

ジェトロのミッションの一つは、日本企業の輸出促進や海外進出の

支援です。私は、菓子や酒、和牛などの日本の食品から、J-POPなど

のコンテンツ、自動車や飛行機の部品など、様々な日本のモノをブ

ラジルで普及させるために、日本企業のお手伝いをしています。

業界の動向を調査し情報発信し、個別企業の相談にも応じます。

またブラジルでの展示会にジャパン・パビリオンを設営し、日本企業

の出展支援や外国人バイヤーとの商談をアレンジするなど、ビジネ

ス支援に取り組んでいます。ブラジルはポルトガル語が公用語で、

英語はほとんど通じませんが、片言のポルトガル語と身振り手振り

でも、ゆっくり待ってくれるのがブラジル人です。経済産業省やジェ

トロという看板ありきではなく、ヒトとヒトがつながり、ヒトとモノを

つなげることにやりがいを感じます。

地域の人口減少を克服する「地方創生」に果敢に取り組む

自治体への人的支援として新たに創設された「地方創生人材

支援制度」を活用して、私は山形県の「日本一さくらんぼの里」

寒河江市で、まちづくりの日々を市役所の仲間たちと戦ってい

ます。私のミッションは市長の補佐役として、「稼ぐまちづくり」

「ひとが集うまちづくり」の実現のため、経済産業省の十八番

である企業誘致を含む商工振興をはじめ、ふるさと納税やス

ポーツツーリズムを活用したシティプロモーション、若者を

ターゲットとしたUIJターン支援、子育て・医療環境の整備、

また地域の婚活支援や中山間地域を含む地域づくりなどの

横断的かつ多様な課題に、日夜取り組んでいます。

多くの地方自治体は、戦後の経済復興の電力需要を賄うため、

約60年前から水力発電所の建設を始め、発電事業を経営してい

ます。長野県も多くの水力発電所を建設し、約10万世帯分の電気

を発電し、年間約40億円の売上、10億円前後の利益を産み出し

ており、電気事業課長は、この発電事業の経営者とも言うべき

役割を担っています。経済産業省から出向した人材として、従来

の県の発想に捕らわれない企画立案が期待される中、事業の

利益を用いて学校教育の充実を図ったり、電気を長野県産として

都市部に販売し、人々の交流を作り、地方創生につなげるなど、

長野県としては初となる取組を企画し、実現につなげています。

事業でしっかり成果を出し、県政に貢献していく仕事は、経済産業

省時代とは一味違う、やりがいと手ごたえを感じています。

OECD(経済協力開発機構)は、経済、貿易、開発、

産業、エネルギーなど様々な分野の政策提言を行う、

「世界最大のシンクタンク」と呼ばれる、フランスの

パリにある国際機関です。OECDの加盟国は、政府を

代表する常駐組織(政府代表部)をパリに置き、

OECDの活動を監視し、また自国の関心に沿う調査

活動を行ってもらえるよう、OECDや他の加盟国との

調整(会議等を通じた交渉)を定期的に行っていま

す。私は、日本の政府代表部の中で、貿易、投資、鉄鋼、

中小企業分野を担当し、日本の関係省庁の意向が

反映されるよう調整を日々行っています。

ひだい

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チーム座談会 チーム力は最高!チーム内のスタッフ連携で、想定以上の力が生まれる。この1年、通商政策局欧州課ロシア・中央アジア・コーカサス室に課せられた重大ミッションをチーム力でこなした皆さんに語ってもらいました。

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ムでは、頻繁に一緒に仕事をしましたね。芳澤:私の初めての大臣出張対応が、入省半年後の2016年の9月です。1年目だったので、出張の機会は無いと思っていたのですが、いきなり出張が決まりました。実際に出張に行ってみて、自分たちの事前準備がこんな風に役立っているんだ、って実感できました。新倉:いろいろなトラブルも乗り越えましたよね。大臣が視察する場所は全部事前下見をし、動線図などを作成していても、当日になってみると警備の都合でそこは通れないなどの変更があったり。その場で、スマホのメッセージアプリを使って『今こうなってますので、別のルートを使ってください!』など連絡を取り合って対処しましたね。芳澤:他に大変なことといえば、1月の極寒の-7度のモスクワで、視察先に先回りして外で待機していたところ、大臣の到着が遅

れて、凍えそうになったり(笑)。新倉:ただ、そういったチームの経験が積み重なって、阿吽の呼吸が出来てきましたね。言わなくてもわかる、誰かが指示しなくてもそれぞれの役割を果たしてくれる。指示する側の私としては非常にラクになりました。だんだん、直前でもできるという自信も出てきてぎりぎりになったり・・・。

新倉:我々は欧州課ロシア室で、去年の9月頃から大臣が主にロシアに出張する際に、出張や会議の準備などをみんなで一緒にやっていた仲間です。実は、大臣は2016年の9月、11月、2017年は1月、4月、6月、7月と1年の間に6回も出張したので、このチー

下田:いい流れを作れたと思うので、今後も、日本とロシアの関係に展望を見出して行きたいですね。私は今、ロシア人の人材育成を担当しています。ロシアの裾野産業から100人位を日本に招聘し、日本の生産現場を見て、生産管理のノウハウや物作りの技術を学ぶ機会を作っています。ロシア研修生の報告会では、彼らの生の声を聞いていますが、実際に日本の生産現場を見て、持ち帰って学ぶことが多いと高評価を得ています。ロシアの裾野産業のレベルが向上することで、日系企業の現地での部品調達環境が改善し、シェア拡大が期待されます。日露双方にメリットが生まれる機会をより多く築いていきたいです。また、イノプロムに向けて1年間準備してきました。当初は馴染みのないウラル山脈の都市エカテリンブルグに来てくれる企業はいるだろうかと心配でしたが、結果的には非常に多くの日本企業が参加しました。ロシアは大国ですが、市場としてどうなのか分からないという日本企業が多く、そういった企業が今回イノプロムに参加してみて、ロシア市場、ロシアという国を実際に見て、ポテンシャルがあるなと実感した、良い機会になったようです。そういう企業のビジネスが実現されるような支援をしていきたいと思っています。新倉:いろいろ大変でしたが、成果は実感しています。我々がやっている仕事は一部単調な部分やハードな部分もあるのですが、重要な仕事だと思っていますし、さらに自分達で楽しむことは大切ですよね。芳澤:外交の世界は華やかですが、その舞台裏で1年目から携われるような仕事は汗臭くて地味です。新倉さんがロジ隊長じゃ

なかったら、この仕事をこんなにも楽しみながらできなかったと思います。新倉:ありがとう(笑)。

芳澤:今後の抱負としては、1年目から大臣出張に何度も行ける人は少ないと思うので、そこから得た貴重な経験をほかの職場でも活かしていければいいなと思います。武藤:この大臣出張ロジは、省内でもなかなか携わることが出来ない業務です。この出張で培った経験を、今後、様々な場面で活かすことが出来ればと思います。中島:私がロシア室に配属されたのは2015年ですが、その時に比べると、この1年の間に数多くの首脳会談が行われ、企業同士の交流も深まり、日露関係が大きく発展していると思います。この大きな変化の中で、政策立案に携われたことは貴重な経験でした。この経験を活かし、今後はロシアだけでなく、様々な国との交渉に携わりたいと思います。下田:留学も含め、せっかくロシア語を勉強したので、語学力を活かせるよう、ロシアや中央アジアに関係する仕事に長期的に携われたらと思います。新倉:時に寝る時間も削ってやらなくてはいけないようなつらいこともありましたが、このメンバーだからこそ楽しく乗り切ることができました。ロシア室でつくったいい人間関係を異動先でもつくっていけたらと思っています。

※ロジ:ロジスティクスの略。会議場や宿舎の確保、機材の調達、経費管理など、出張全体のスムーズな運営を行うもので、その業務は多岐にわたる。

芳 澤:ぎりぎりでも焦らなくなりました(笑)。

中島:私は、二国間会談における大臣用の資料作成に関する省内や各省との調整を担当しています。ロシア側との会談では、時間や場所が突然変更されることもありましたが、そういった場合には、新倉さんやチームに電話すれば全て対処して頂けるという安心感がありました。武藤:ただ、最初から柔軟に動けるチームではなかったですね。初めてこのチームでの業務が始まったときは、経験値が豊かな人が少なかったので、ロジ※の回し方や資料作成、手続きなども手探りしながら進めていた記憶がありますし、直前になっても、その不安が完全には消えなかったです(特に私)。今となっては、物事を俯瞰して捉えるようになりましたが、当時は、何が起こるのか分からない想像出来ない作業や、現地での様々な障害など、全員野球で乗り越えられたからこそ、一つ一つの出張が内容の濃いものになり、この座談会に集まれる良いチームになったと思います。

中島:2017年7月に、ロシアのエカテリンブルクで「イノプロム」というロシア最大級の産業総合博覧会があり、日本はパートナー国として約170社の日本企業からなるパビリオンを設置しました。そのパビリオンに、プーチン大統領に来訪いただき、世耕大臣が案内しました。プーチン大統領に日本企業の技術力を直接御覧いただけたことは非常に重要なことであり、成果を実感しました。

武藤 優子平成20年入省Ⅲ種(行政)

下田 悦加平成21年入省Ⅱ種(行政)

新倉 崇之平成7年入省Ⅱ種(行政)

中島 真之介平成24年入省Ⅲ種(行政)

芳澤 遥奈平成28年入省一般職(大卒・電気・電子・情報)

CROSS TALK

Page 15: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

上を向いて歩こう経済産業省の職員は、2~3年おきに行う人事異動を通じて、様々な分野で新しい部署の仕事を経験します。そして専門力と総合力を兼ね備えた、「自ら考え、行動する」職員へと成長していくのです。いつも目標を目指し、上を向いてキャリアステップを歩んでいくことができます。

 平成5年から在籍した自動車課のミッションは、わが国自動車産業の発展であ

る。当時は、米国が日本との貿易インバランスを問題視し、改善を迫ったため、米

国との対話・交渉が当課における重要な課題の一つで、私はその担当だった。交

渉は約2年にわたり、平成7年6月にジュネーブで妥結に至るまでの間、言葉で

は表現し難い貴重な経験を得た。この時の達成感は、それまでの精神的・肉体的

な疲労を瞬時に払拭できたほど。交渉に当たって培った情報収集のノウハウは、

今も自分にとって貴重な財産である。

 通商機構部でのミッションは、通商分野の国際協定やルールを自由貿易の精

神に則り前進させることで、国益を左右する重要なことである。私は平成13年当

時、WTOやEPAの交渉で、原産地規則の担当だった。日本から輸出される製品

が、輸入国でどの程度関税が課されるかはコスト競争力の観点から極めて重

要。交渉に当たっては、日本製品の生産工程、サプライチェーン等を正確に把握

しておく必要があり、担当者は知識・知見を自ずと蓄えることになる。

 経済産業省の仕事は非常に多岐にわたり、人事異動の度に全く経験のない仕

事に就くことも珍しくない。従って異動直後は当然戸惑いもあるが、本人はその

度に貴重な経験をし、知識・知見を向上させる。要は、経済産業省は、職員に機

会を提供しつつ、その機会に応えれば応えるほど、本人の能力アップにつながる

人材育成を行う。長い経済産業省人生を過ごしたものの秘書課の経験がない私

が言うのだから間違いはない。やる気のある人こそ、経済産業省の業務に対し

て、やりがいを強く感じることだろう。

  勤 続 5 年 以 上 の 社 会 人 が 学 ぶミッド・キャリア・プ ロ グラム で P u b l i c

Administrationを専攻した。Interpersonal Conflict Resolutionの授業中に2

人一組でやったロールプレイの「オレンジ・ゲーム」は、対立からwin-winの解決

を導き出す方法として今も折衝の心得にしている。

 カナダ西部で開発が進むシェールガス・プロジェクトに参画する日本企業へ

の現地情勢等の説明をはじめ、進出日系企業と州政府との意見交換、農水産品

や日本酒の販路開拓に取り組む日本の生産者や自治体の視察およびプロモー

ション活動の支援など、経済担当として様々な案件に携わる。

 勤続25年、同僚、上司、同期、省内外の様々な方々に出会い、多くの励ましや

教えにより、学んできた。経済産業省のフィールドは広大である。分からないこと

は臆せず尋ね、多様な視点で考え、解に向かって前進していきたい。そして広大

なフィールドの中で一隅を照らす人になれればと思う。

平成4年大臣官房 秘書課長秘書

平成6年貿易局 貿易保険課 海外情報企画室

平成9年留学(米国シラキュース大学)

平成11年貿易経済協力局 貿易振興課/産業政策局 国際企業課

平成13年通商政策局 通商政策課

平成14年通商政策局 地域協力課/経済連携課

平成17年独立行政法人日本貿易保険

平成20年貿易経済協力局 貿易保険課 財務室

平成24年在バンクーバー日本国総領事館領事

平成27年製造産業局 航空機武器宇宙産業課

平成23年通商政策局 国際経済課

平成28年現職 製造産業局 素材産業課 企画官

入省 大臣官房 秘書課 平成3年

長濱 裕二昭和58年入省中級(機械)01CAREER STEP

昭和59年 中小企業信用保険公庫昭和61年 製造産業局 航空機武器課

平成1年 貿易経済協力局 安全保障貿易管理室/留学(米国ヴァンダービルド大学)平成3年 製造産業局 産業機械課

平成5年 製造産業局 自動車課平成9年 日本貿易振興機構 シカゴ支局

平成13年 通商政策局 通商機構部 参事官室平成16年 製造産業局 産業機械課

平成18年 産業技術環境局 環境指導室平成19年 産業技術環境局 地球環境対策室

平成20年 貿易経済協力局 技術評価室長平成22年 貿易経済協力局 安全保障貿易審査課 統括安全保障貿易審査官

平成24年 貿易経済協力局 安全保障貿易審査課長平成28年 現職 四国経済産業局長

昭和58年 入省 機械情報産業局 機械保険室

経歴

27 28

“名は体を表す” 経済産業省の仕事 生田目 尚美

平成3年入省Ⅱ種(行政)

02CAREER STEP臆せず尋ね︑考え︑

 解に向かって前進

経歴

 現在、国際担当として、素材産業メーカーのグローバル展開をサポートしている。

一見、地産地消型産業でも世界市場と繋がっている。産業が直面する貿易・投資上

の課題を、二国間政策対話や政府要人の会談の機会、在外公館を通じて相手国に

働きかけている。生産の現場を訪れ、製品・産業の特性を理解することが、はじめの

一歩。素材が最終製品でどう使われるか、ユーザーニーズにも目配りしている。

CAREER STEP

Page 16: Diversity - Minister of Economy, Trade and Industry...MESSAGE 5 6 MESSAGE 経済産業省の司令塔として、中長期的な政策目標を示すとともに、目標の達成に向け、省内の政策の総合調整、

 高校卒業後上京し、中央省庁再編前の通商産業省に採用。不安や心細さと

期待でお腹?がいっぱい。まずは新人研修や独身寮生活で社会人としての意識

と心構えを学んだ。今となっては確認できないが、面接時に「答えがある数学

がスキ」と言ったことで、「数学が得意」と誤解され情報処理部門へ配属。コン

ピュータって何?COBOLって?右も左も分からない状況で情報システムに関

わった。この時に仕事で電算機を利用するって面白い、と興味が湧いたのかも

しれない。

 入省から19年間は、情報システムに携わった。初異動は、鉱害本部への出向

だ。電算機に詳しいからと電算機担当。その後、様々な部署の情報システムに関

する仕事を胸?いっぱい経験した。「石の上にも三年」、今思えば、情報処理に長

く携わっていたことにより、広く吸収できた知識と経験によって、自分にできる仕

事を見つけることができた。もちろん異動先での職場仲間の助言や、良い意味で

背中を押してくれた先輩方との出会いがあったことは言うまでもない。

 夢中になれる仕事ってあるのだろうか?過去の自分を振り返れば、「スキこそ

ものの上手なれ」だったと思う。配属先の情報処理部門では、ワープロもコピー

機も携帯電話もなかった頃から情報システムに関わり、熱中してしまったのかも

しれない。では夢中になれる仕事を見つけ出す第一歩はどうしたらよいのだろ

う?最初は興味を持った分野でやってみる。途中で変えても構わないし、我武者

羅にチャレンジしてもいい。大切なことは、沢山の仲間と出会い、仕事を好きに

なる努力を惜しまなければ、ワクワク・ドキドキする仕事ができると思う。

 入省3年目にWTO(世界貿易機関)のサービス貿易交渉の担当となり、ジュ

ネーブ出張が頻繁にあった。WTOの会議では、仕事で困らない英語力を身につ

けたいと痛感。留学を希望する。留学先の米国の大学では、英語や国際関係のク

ラスをとり、多くの友人と充実した日々を過ごせた。留学後は、円借款を担当する

資金協力課で、インドネシアやスリランカに出張。現地の状況・希望を直に聞くと

ともに、日本政府として主張するという現場を体感。まだ苦労ばかりだが、私の

中では、英語が自分の軸の一つとなったと感じている。

 育休中、夫の留学に同行し、幼稚園や出産など、海外の生活を体験。帰国後、

4年ぶりにいきなり二人の子どもを抱えての復帰となり、当初は不安も多く、毎日

は常に消化不良であった。そこで育児サポートを見直し、自分のやりたい業務量

とバランスがとれる勤務時間に変えた。復帰後の仕事は、企業の女性活躍を

推進する「ダイバーシティ経営企業100選」や「なでしこ銘柄」の立ち上げ。まさに

「自分ごと」として取り組み、省内外の活躍している女性から、多くの刺激や元気

をいただいた。

 業種担当として、産業振興政策にじっくり取り組みたいと希望していたところ、

化粧品産業の担当になった。化粧品は国際競争力がある産業として、国際展開

支援が業務の大半である。業種担当は、想像以上に、業界・企業の方々との距離

が近く、まさに一体となり、海外市場を狙いに行くというやりがいがある。経営層

とも話をする機会は多く、将来の消費動向を捉えようという視点、大局観のある

企業戦略の話はとても勉強になる。

笹川 丞也昭和54年入省初級(行政)03CAREER STEP

ワクワク・ドキドキする  仕事をしよう

関 万里平成10年入省 Ⅱ種(行政)

04CAREER STEP自分ごとで取り組んだ

女性活躍推進

29 30

上を向いて歩こう

昭和63年通商産業研究所 政策情報システム部 技術室

平成3年大臣官房 情報管理課 電子計算機専門職

平成5年大臣官房 情報管理課 計画第二係長

平成9年大臣官房 情報システム課 管理班設備管理係長

平成10年NEDO 鉱害本部 鉱害総務部 鉱害総務課長代理

平成13年大臣官房 情報システム厚生課 電子計算機専門職

平成12年大臣官房 情報システム課 電子計算機専門職

平成16年商務流通グループ 業務管理官室長補佐

平成18年経済産業政策局 調査統計部 統計情報システム室 参事官補佐(調達担当)

平成21年商務流通グループ 消費経済対策課長補佐(消費者相談室消費者相談担当)

平成22年産業技術環境局 技術振興課 NEDO室長補佐

平成24年IPA 技術本部セキュリティセンター 企画グループリーダー

平成26年大臣官房 情報システム厚生課長補佐(調達担当)

平成29年現職 大臣官房 調査統計グループ 統計情報システム室長

平成11年 貿易経済協力局 局長秘書

平成13年 通商政策局 通商機構部 公正貿易推進室

平成15年 留学 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校

平成16年 貿易経済協力局 資金協力課

平成18年 資源エネルギー庁 国際課

平成20年 育児休業

平成24年 経済産業政策局 経済社会政策室

平成29年 現職 商務・サービスグループ 生物化学産業課 課長補佐

入省 大臣官房 情報管理課 政策情報システム室 昭和54年

経歴平成10年 入省 貿易経済協力局 総務課

経歴

CAREER STEP

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職場に関する情報

佐々木 千秋商務・サービスグループヘルスケア産業課 医療・福祉機器産業室 

31 32

9:30 登庁、メールチェック

10:20 室内でチームとの打合せ

1 1 :00 室内で業者との打合せ

12:00 同期とランチ

13:00 メールチェック、資料作成

14:30 省内で関係課室との打合せ

16:00 外勤(関係機関との打合せ)

17:30 職場に戻り、メールチェック、翌日の打合せの準備

18: 15 帰宅

チーム内で業務内容に応じて主担当と副担当を分けていて、担当が手一杯のときは副担当がフォローする等、効率的に作業ができるようにしています。

長本 雅樹商務情報政策局 情報産業課

9:30 登庁、メールチェック

10:00 民間企業の方と打合せ

1 1 :00 資料作成

12:00 昼食、愛妻弁当を食べつつ、 業界情報を収集

13:00 業界向けの施策説明会で講演

16:00 説明会での質問点等整理、 報告資料作成

17:00 上司に報告、 新たな政策提案に向けて議論

18: 15 帰宅

コスト意識をもって業務に取り組んでいます。明日やれば良い仕事は明日に回すなど、業務時間内に仕事を処理することを心がけています。また、資料を作成する際には構想の段階から上司に相談し、初動の時点でゴールイメージをすり合わせてから作業に着手することで、全体効率を上げるように努めています。

富永 和也資源エネルギー庁 資源・燃料部石油・天然ガス課

9:30 登庁、メールチェック

10:30 委託事業者と打ち合わせ。 調査の進捗を確認

12:00 昼食をデスクで食べながら 午後の会議の資料に目を通す

13:30 事業者との意見交換

15:00 会議の概要をメモにまとめ 関係者に共有

16:00 上司・同僚と進行中プロジェクト について相談・議論

19:00 少し残って資料作成

20:30 メールチェック、タスク整理

21:00 帰宅

会議・打ち合わせが多いので、落ち着いて自分の作業をする時間をいかにつくるか、が課題です。上司のスケジュールを意識する、帰宅前に必ずタスク整理をする、といった点に特に気をつけています。

時間の使い方で心がけていること

日々の業務で心がけていること

時間の使い方で心がけていること

INFORMATION

職員のある1日 よくあるQ&A

経済産業省には、どのような職員が多いですか。

Q1 A1経済産業省の職員は、「ダイバーシティ」にあふれています!職員一人ひとりの個性はもちろん、バックグラウンド、キャリアパス、働き方に至るまで、人それぞれです。経済産業省は、所管制度を定型的に、かつ着実に運用・執行するだけではなく、課題・ニーズを「現場」から拾い上げ、難しい課題であっても、それを解決すべく「挑戦」し、具体的な政策として「実現」することが大きなミッションです。そのためには、多様な視点で、また多様な価値観で、経済・社会を見つめ、政策課題を探り、解決策に向けて知恵を絞る必要があります。だからこそ、経済産業省は「個」の力を最大限尊重し、職員の「ダイバーシティ」を大切にしています。

ワークライフバランスについて教えてください。

Q2 A2経済産業省は、日本の経済力の生産性を高めることもひとつの使命である省庁です。『働き方改革』については、政府が率先して手本を示すことが重要と考えており、「隗より始めよ」の精神で、まずは当省が率先して取組むことで、政府内におけるモデルケースとして、その姿勢を示していこうと考えています!P33の制度のページでは、様々なワークライフバランスに活用できる制度を紹介していますが、その他にも、先進的な働き方に積極的に取り組んでもらうモデル課室の指定や、働き方改革に熱心に取り組んだ課室の表彰等も実施しています!

人事のサイクルですが、どのぐらいのスパンで異動がありますか。海外赴任や地方赴任、また留学のチャンスはありますか。

Q3 A3概ね、各職員は、2~3年に1度、異動の機会があります。社会情勢や担当の政策、また、本人の希望によっては、1年や4年で異動ということもありますし、もっと短かったり、逆に長かったりする人もいます。経済産業省のフィールドは、ローカルからグローバルまで広範に及ぶため、時に地方赴任や海外赴任に行くこともあります。こちらはP23~24をご参照ください。ただし、職員の意向を最大限尊重しつつ、相談しながら赴任するか否かを決めます。また、国際的な視野を持ち、世界的なネットワークを広げてもらうため、職員には留学のチャンスもあります。語学や政策に関わる知識については、業務内で学ぶことに加え、P33~34のように、留学や研修を利用する人も多くいます。

経済産業省ではどのような人材が求められていますか。

Q4 A4経済産業省は、「ダイバーシティ」にあふれた組織です!それゆえ、バックグラウンドや知識、試験区分、出身大学・学部や年齢等ではなく、「人物本位」で採用をしています!中には、特定の専門的な政策分野で、自身の専門性を活かしている職員もいますが、多くの職員は、様々なバックグラウンド、キャリアパス、そして働き方を通じて、それぞれのフィールドで活躍しています。また、経済産業省では、総合職だけでなく、一般職の職員も、定型的な業務だけではなく、政策の企画立案等、クリエイティブな業務に携わっていただきます。時には、一般職の職員も総合職の職員と同じように、幅のあるキャリアを歩み、ジェネラルな視点を養っていただきつつ、早くからマネジメントの立場を経験してもらうこともあります。経済産業省が「ダイバーシティ」を大切にする組織であるがゆえ、「適材適所」を心がけています。

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職場に関する情報

各種制度について

経済産業省の職員として働く際に利用できる各種制度は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律及び人事院の規則等に基づいて運用しています。その上で、当省は率先して働き方改革の手本を示していくため、多様で柔軟な働き方を認め、長時間労働の縮減や業務効率化、テレワーク推進等のワークライフ・バランスの推進を徹底していくこととしています。また、職員の意欲に応える組織的なサポートを同時に実施しています。

職員に、国際化する行政に対応するための専門的な知識、技能などを取得してもらうべく、人事院の留学制度の他、経済産業省独自の留学制度を整備しており、これまで多くの職員が利用しています。留学先も様々です!

勤務時間の原則は、1週間(月~金)あたり38時間45分、1日7時間45分勤務で経済産業省本省の本館や別館のオフィスに勤務となります。ただ、希望する場合は、フレックスタイムを利用して1日の勤務時間を組み変え、育児や介護に対応することも可能ですし、さらに在宅勤務をすることもできます。その他、勤務時間を短縮できる育児短時間勤務制度なども多く利用されています。働く環境の選択肢はどんどん広がっています!

1.勤務時間・勤務地について <フレックス制度・テレワークの利用例>

私は、フレックスタイムを利用し、10時出勤の日や16時退庁の日を作り、主人と連携しながら、保育園の送りとお迎えを担当しています!主人が出張で忙しいときなどは、私がテレワークをして通勤時間を省略し、送りも迎えも担当しています。

年次休暇(年20日の有給休暇で、年20日を限度として翌年に繰り越し可となっています)、特別休暇(夏季休暇や結婚・出産に関する休暇、男性職員向けの子供が生まれるときの育児参加休暇等)、病気休暇や介護休暇が利用できます。

2.休暇について <有給休暇取得の利用例>

省全体で取得が奨励されている月に1回の年次休暇を、毎月とることにして、子供と遊園地などを楽しんでいます。また、第二子が生まれるときには、上の子供の保育園の送迎や世話をするため、育児参加休暇を取得しました。

民間企業の基本給に相当する“俸給”のほかに、扶養手当、通勤手当、住居手当、地域手当、超過勤務手当などの“手当”が支給されます。(俸給は勤務成績が良ければアップする額も増えます!)そのほか、期末・勤勉手当(ボーナス)が夏冬年に2回あります。(ボーナスも勤務成績次第で大幅アップ!)

4.給与について

経済産業省の職員は、若いときから多様な業務で責任ある仕事が任されますが、これ自体が最大の人材育成の場となります。加えて、職員一人ひとりの成長を加速するために、OJT(職場内教育)・Off-JT(職場外教育)双方から、様々な学びの機会を提供します。

【OJT(職場内教育)】 業務上で得られたスキルや学びの効率を最大化するため、若手職員をサポートする仕組みを用意しています! (例)トレーナー制度(二人三脚でルーキーの成長をサポート!)、メンター制度(新入生の悩み相談にしっかり乗ります!)

【Off-JT(職場外教育)】 役職に応じて求められる能力・スキルを集中的に学ぶため、学習機会を体系的に用意しています。 (例)「新入職員研修」、「係長研修」、「課長補佐研修」、「ベーススキルの強化」等

【その他】 業務に必要な政策知識・スキルや、最新の社会・経済の動向などを学ぶための機会を、省内外で数多く提供しています。 (例)「ゆう活」期間中の勉強会、育児休業からの復帰に向けた研修、等

5.研修について

育児との両立に関する制度も充実しており、子供が3歳になるまで取得できる「育児休業制度」があります。また、外国で勤務等をする配偶者と生活を共にするために3年以内で取得できる「配偶者同行休業制度」や、大学等における修学や国際貢献活動を希望する職員に対する「自己啓発等休業制度」も利用されています!

3.休業制度について <配偶者同行休業の利用例>

共働きで、夫とともに育児を分担しながら仕事と両立をしていたところ、夫に海外勤務の辞令が出てしまいました。そこで、夫の海外勤務に合わせて配偶者同行休業を取得し、仕事を辞 めることなく、家庭生活と両立をさせることができました!

<育児との両立支援制度の利用例>

私は出産のあと、子供の年齢が2歳でようやく保育園に入れたので2年間育休を取得し、復職しました。復職直後には育児短時間制度で勤務時間を少し制限しましたが、子育てが大変な時期はテレワークを組み合わせるなど時間や場所の制約を超えて両立させることができ、今ではフルタイムで出勤をしています!

 メキシコに留学してからは、文化、習慣、食事に至るまで、日本との違いに驚かされる日々です。世界中の学生と学ぶ学校での授業、祝祭日に行われる様々なイベント、そして観光などを通して、メキシコの文化、歴史に触れ、役人生活とは違った生活を楽しんでいます。メキシコは中南米を代表する大国で、日本企業も多く進出し、歴史的にも日本との結びつきが強い国です。また、NAFTAにより北米経済圏に含まれるので、米国の影響を強く受けます。メキシコから日本や米国を見るという行為は非常に新鮮で、日本では経験できないことです。帰国後は、このような多角的な視点を政策立案等に生かしていきたいと考えています。

 開発学の修士論文を書き終え、留学2年目を迎えました。現在は、ロースクールで貿易や投資に関する国際ルールを勉強しています。社会人を経てからの学生生活では、以前の業務で携わった論点がディスカッションのテーマになることもあり、実務と照らしながら考えるという新鮮さがあります。また留学は多様な価値観に触れ、日本を外から眺める良い機会です。寮の顔ぶれだけ見ても、中国人、インド人、マレーシア人、ブラジル人と、国籍、世代も異なるメンバーが揃っており、キッチンに行くだけで異文化交流になります。残りの留学生活でも、帰国後の業務に還元できるよう、可能な限り多くのことを吸収したいと思います。

 「これまでの実務経験を通じて得た知識や経験を公共政策学の観点から振り返り、行政官としての専門性を高めたい」という気持ちがあり、一橋大学国際・公共政策大学院で公共政策学を体系的に学ぶ機会を頂きました。折角、学生の立場で学べる機会なので、今しかできないことを優先しようと思い、経済産業省の所掌に捉われず、人口減少社会への対応等、幅広い視点で公共政策学を学んでいます。また、経験豊富な教授陣、地方自治体からの留学生など、素敵な仲間にも恵まれました。大学院で学んだ知識、各地を訪問した経験、様々な人と築いたネットワークなど、多くの資産を得ることができ、今後の業務や私生活の中で活かしたいと思います。

写真右端

写真前列左端

INFORMATION

留 学

メキシコ留学

大田 浩貴Ⅱ種(土木) 平成24年入省

米国留学

川嶋 雄作Ⅱ種(行政) 平成23年入省

英国留学

荒井 優Ⅱ種(行政) 平成21年入省

国内留学

笹野 賢一Ⅱ種(行政) 平成18年入省

 入省7年目の夏から、米国の大学院に留学しています(行政学修士取得予定)。信じられないくらい努力するクラスメートに負けないよう自分自身を叱咤しつつ、「国の経済を発展させる要因はなにか」「変化する世界でいかに国際的統治機能を組み立てるか」

「簡単には解決できない課題に直面したチームをどう導くか」といったテーマを学んでいます。簡単ではありませんが、実際に政策に携わり、課題と向き合ってきた経験があるおかげで、授業の内容が深く理解できているように感じられます。もし、経済産業省に関心を持っていただけたのなら、ぜひ人事担当者に話しかけてください。新しい世界が見えてくるかもしれませんよ。