crest biodynamics...っていた私も、そうでないかもしれないと思い始め...

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Contents 挨拶/ 研究総括 山本雅 領域活動報告 特別企画/「CREST 出産・子育て・介護支援度の声」洪チーム洪グループ 特任研究員 納富 奈々 研究室の紹介/ 飯野チーム、影山チーム 海外出張報告/飯野チーム 岩崎 唯史 各チームの研究成果 領域参加者リスト 編集後記 (写真左上下・右上下) 「マウス気管の超高圧顕微鏡像」緑:微小管、黄:ケラチン、赤: Basal foot(月田チーム/立石和博 & 月田早智子 大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科) (左上 2 番目から時計回りに) ・「微小管とタンパク質モータ Eg5 が創り出す星状体のネットワーク化」(月田チーム/鳥澤嵩征 & 大岩和弘(情報通信 研究機構 未来 ICT 研究所) 繊毛の基部の基底小体を支える rootlet という繊維構造に含まれる rootletin タンパクの一部を Cos7 細胞に発現させた(繊 維と規則的な横紋構造が再現できた)・マウス 18 日胚の神経管を形成する細胞(月田チーム/米村重信(徳島大学大学院 医歯薬学研究部) (領域ロゴマークのコンセプト;右上図) 生命科学と数理科学の融合として、生命現象の非線形性や階層性を大きなフィボナッチ数列の円で表現し、躍動感のある 数学の近似記号(≈)と融合する姿をシンボライズした。 CREST BIODYNAMICS News Let

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Page 1: CREST BIODYNAMICS...っていた私も、そうでないかもしれないと思い始め た。だんだん空気が怪しくなり凍りついていく。美味 しく食事するために話題を変えようと、拙い英語で

Contents

挨拶/ 研究総括 山本雅

領域活動報告

特別企画/「CREST 出産・子育て・介護支援度の声」洪チーム洪グループ 特任研究員 納富 奈々

研究室の紹介/ 飯野チーム、影山チーム

海外出張報告/飯野チーム 岩崎 唯史

各チームの研究成果

領域参加者リスト

編集後記

(写真左上下・右上下)

・「マウス気管の超高圧顕微鏡像」緑:微小管、黄:ケラチン、赤: Basal foot(月田チーム/立石和博 & 月田早智子

大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科)

(左上 2 番目から時計回りに)

・「微小管とタンパク質モータ Eg5 が創り出す星状体のネットワーク化」(月田チーム/鳥澤嵩征 & 大岩和弘(情報通信

研究機構 未来 ICT 研究所)

・繊毛の基部の基底小体を支える rootlet という繊維構造に含まれる rootletin タンパクの一部を Cos7 細胞に発現させた(繊

維と規則的な横紋構造が再現できた)・マウス 18 日胚の神経管を形成する細胞(月田チーム/米村重信(徳島大学大学院

医歯薬学研究部)

(領域ロゴマークのコンセプト;右上図)

生命科学と数理科学の融合として、生命現象の非線形性や階層性を大きなフィボナッチ数列の円で表現し、躍動感のある

数学の近似記号(≈)と融合する姿をシンボライズした。

CREST BIODYNAMICS News Let

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挨拶: 夏休みとパーソナルスペース

研究総括 山本 雅

(沖縄科学技術大学院大学 教授)

今年の夏は、全国的に雨模様だった。が、私が住む恩納村では晴天

が続いた。夏充実で私もすっかり夏休み気分となり、6年前の来沖以来、

初めて沖縄の離島、西表島に2泊3日で行った。

この島は、我が国の最西端に近く、台湾までが200km と、ドイツのア

ウトバーンなら車で1時間そこそこの、目と鼻の先の距離にあり、国の特

別天然記念物となっているイリオモテヤマネコが見つかったところであ

る。

イリオモテヤマネコは、1960年代の発見当初は新種と騒がれ

た野生のネコであるが、ゲノム解析が進み、今ではベンガルヤマネコの亜

種と認定されている。いずれにしても珍獣である。

そのイリオモテヤマネコを大切に保存したいということからか、あるい

は西表島の大部分が滝あり河川ありの山間部という地形のせいか、この島

には自然がしっかり残っている。山の中腹や西表島からちょっと離れた無

人島の夜空では、ミルキーウェイが眩いと聞いて、実際、私も個人営業で

星空鑑賞ツアーを企画している船長さんが操縦するモーターボートで、2

0分ほど沖合の無人島に行ってみた。そして久しぶりに天の川の真ん中の

白鳥座を見た。何年ぶりだろう!小学生の頃、白山の麓の村で見た覚えは

ある。そして20年ほど前、Grand Canyon から Las Vegas へ移動す

る夜中のドライブの小一時間の滞在で、いくつも、いくつも流れ星を見た。

それが最後だった。

普段住んでいる恩納村もリゾートホテル周辺を除けば十分に田舎

で、豊かな自然と綺麗な空気を満喫していると思っていたが、西表の自然は比較にならないほどだった。全島

で 2,300 人余りの人口で、人口密度は 7.7 人/km2 と隣の石垣島の 210 人/km2 と比べて遥かに疎である。

ちなみに那覇市は8,000 人/km2 で、東京都世田谷区は 900,000 人/km2 となっている。島の道路を車で走

っていても行き交う車は少なく、パーソナルスペースが広い私は、このゆったりした環境に大変落ち着いた。

パーソナルスペースは男より女の方が狭い、

つまり女の方が男より無防備?ということで、男と

女の脳の違いに興味を持った。脳の話では、アメリカ

の精神神経科医 Louann Brizendine 著の“The

Female Brain”が面白い。

この本を知ったのは、私が留学時代に師事した Ira

Pastan が、Louann Brizendine の夫の友人という

縁だ。映画化もされ Best Seller となった本である。

では、何が面白いのか、、?どんなことが書かれて

いるのか。

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① 女の脳は男の脳より小さい。100年前まではこれにより女性が男性より劣るとされている。それで参政

権もなかった。 ②女は男に比べ互いの諍いなど過去の出来事を詳細に覚えている。③若い女は美しいか

可愛いかなど自分の見てくれをとても気にする。④性的好奇心がわきおこる頻度は男より女の方が圧倒的

に低い。⑤男は誰かが泣きだすまで感情を掴めないが女は容易に理解する。⑥50歳以上の女は男に比べ

離婚志向が高い。

等々、知っていて損はしない。ちなみに著者は女性な

ので私がこのように“引用”しても、女性偏見の誹り

は免れよう。このような命題に心理学、生理学、脳科

学の視点でわかりやすく解説を加え読者の心を掴ん

でくる。私もこの本を斜め読みし、男が女と口論する

と勝ち目が薄いと悟った。「あなたはあの時こう言っ

て私を悲しませた」と言われても男はまったくその

時何を言ったか思い出せない。悲しませようなんて

思っていなかったに違いないから、なんのことだっ

たかすら、見当がつかない。この見当がつかないのが

曲者で、ますます女を悲しませる。

以前イタリア人友人夫妻と楽しく夕食をし、

話が盛り上がっている中で、夫の方がアフリカ旅行

のことを言いだした。「君と一緒に行ったチュニジア

旅行では、、、」と話し始めると突然妻の方が「私は

行っていません。別の女でしょう」となった。

妻はその頃にどこへ行ったかを話し、チュニジアに

行ったことがないと言い張った。事細かに妻の記憶

が披露されると夫の記憶の曖昧なことがどんどん露

呈していく。実際に彼らがチュニジアに行ったと思

っていた私も、そうでないかもしれないと思い始め

た。だんだん空気が怪しくなり凍りついていく。美味

しく食事するために話題を変えようと、拙い英語で

汗だくになった。

このような、個人が経験した出来事の記憶をエ

ピソード記憶という。脳でエピソード記憶を制御す

る部分は海馬と言われているが、女の海馬の方が男

のより大きいらしい。一方で、背側乳頭体前核と言わ

れる“縄張り”意識を作る領域は男の方が大きく、ま

た脅威を意識する領域である扁桃体も女より男の方

が大きい。それで男の方が女より潜在的な危機を感

知し易い。この縄張りの空間をパーソナルスペース

と呼ぶ。誰でも持っているものだが個性があり、個々

人で異なった大きさを持つ。ちなみにある調査によ

ると、暴力的な人のパーソナルスぺースは、暴力的で

はない人と比べて数倍広い。暴力的な人は、他人が接

近してくると自分の安全が脅かされると感じ、先制

攻撃の必要を感じ始める。この辺りは、本 CREST 生

命動態プログラムの井ノ口先生に正確に解説をお願

いしたい。

私のパーソナルスペースは元来比較的広い

が、決して暴力的ではないと断っておきたい。福井の

田舎で育ったので人混みには基本的に免疫ができて

いなかった。東京に来てからの満員電車通勤で随分

トレーニングされ、少しは狭くなっている。しかし、

話しながら近寄ってくる人は苦手だ。相手が男なら

なおさら。

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つい先日、普段穏やかな恩納村の浜近くに米軍

か自衛隊かの戦艦らしき船があった。すわ一大事か

と驚いた。ヘリコプターも何機か周辺でホバリング

している。沖縄に移り住んで6年目にして見る異様

な光景に大変驚いた。折しも軍縮と外交力の狭間で、

北朝鮮の金党委員長と米国のトランプ大統領の丁々

発止が続いている最中、少しばかり心が乱れた。個人

のパーソナルスペースはあるが、国にもパーソナル

スペースがあると直感した。国家の存在の象徴とも

言える軍隊が国のパーソナルスペースを脅かす。綺

麗な海に囲まれながらも米軍基地と向き合っている

状況が、我々のパーソナルスペースに及ぼす影響は

微妙だ。

因みに恩納村沖の戦艦らしきものは、防災救助訓

練中の自衛艦だったとのことが後日判明した。

そうこうしているうちに、多くの人々が夏休みを終えて大学に戻ってきた。

束の間の西表島でのリフレッシュは、日々の生活の活性化に、また潤滑剤としてい

つまで効果があろうか。効果が切れる頃にまた行きたくなるだろう。

初秋の恩納村の田舎から

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領域活動報告 1

CREST「生命動態」第8回数理デザイン道場

開 催 日 : 2017 年 6 月 29、30 日

於 : プラサヴェルデ コンベンションホール B(静岡県沼津市)

概要:

第 8 回数理デザイン道場を静岡県沼津市のプラサヴェルデで開催し、総括、領域アドバイザー、各研究チーム

から、総勢 50 名にご参加いただきました。今回は、さきがけ「フィールド植物」領域からもお二人にご参加いただ

き、様々な専門分野の研究者が集まりました。

今回の会場「プラサヴェルデ」では、立派な歓迎看板もご用意いただきました。迫力の富士山も見られるはずだった

のですが、この日はあいにくの曇り空でした。

前回に引き続き、道場長を井上 康博先生(京都大学ウイルス・再生医科学研究所 准

教授)にお願いしました。

井上道場長からは、「チームとチーム、実験と実験、数理と数理、実験と数理が真にミックス

して交流できるような仕組みを検討しました。」とご挨拶をいただき、ポスターのグループビ

ューイングやハッカソン、プログラミング道場など、新しい取り組みが盛りだくさんのプロ

グラムがスタート。とても集中度の高い会議となりました。

基調講演

基調講演は、舘 知宏先生(東京大学大学院 総合文化研究科広域システム科学系 助教)にご登壇いただきまし

た。舘先生は計算幾何学を用いたデザイン手法に関してご研究をされています。今回は計算折紙について、実際に

舘先生が作製された作品や、折紙の展開図も見せていただきながら、お話をいただきました。折紙といえども、金属

を使ったものや、複曲面も作れること、生命科学との接点として、DNA やタンパク質のフォールディング、カブト

ムシのツノとの関連などについて触れていただき、数理系研究者、生命系研究者双方にとって、大変興味深く、示唆

に富んだお話でした。

井上道場長のご挨拶により

道場がスタート

講演される舘先生。休憩時間には、実際に作品に触れながら質問にご対応いただきました。

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各グループのポスターセッションの様子

ポスター発表(グループビューイング)

通常の会議では、なかなかポスターセッションの時間を十分にとることができないため、今回の数理デザイン

道場では、グループビューイングというかたちをとり、ポスター発表を行っていただきました。10 名程度のグルー

プに分かれ、グループメンバーのポスターを全員で順番に回っていき、メンバー全員で議論しながらコメント表を

記入しあいました。2 時間 20 分、皆さんほとんど休憩をとらずにじっくりと発表を聞き、議論していました。メ

ンバーからもらったコメント表は、それぞれの発表者にとって、貴重なものになったのではないかと思います。

また、ポスターセッションの際、各グループに審査委員を 2 名配置し、審査の結果をもとに、5 名にポスター賞

が贈呈されました。今後のご活躍をお祈りしています!

ハッカソン

2 日目は朝から、「数理系研究者が解決策を提案!」と題して、ハッカソンを行いました。ハッカソンとは、ハ

ック(hack)とマラソン(marathon)を合わせた言葉で、もともとはプログラマーやデザイナーからなるチームが、

マラソンのように、数時間から数日間の与えられた時間を徹してプログラミングに没頭し、アイデアや成果を競い

合う開発イベントのこと。今回の数理デザイン道場では、実験系研究者に現状困っている課題について発表を行っ

ていただき、数理系研究者を中心として解決策のアイデア出しを行いました。

中武先生の話題提供 グループに分かれてアイデア出しを実施 最後は各チームのアイデアを共有

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まずは、洪チームの中武 悠樹先生(慶應義塾大学医学部 坂口光洋記念システム医学講座 助教)から、現在困

っていることについて共有いただきました。お題を提示いただき、グループに分かれて議論スタート。模造紙やポ

ストイットにアイデアを書いたり、数式が並んでいたり・・・とチームによって議論のスタイルは様々でしたが、あ

っという間に時間が過ぎてしまいました。最後は、各チームから出たアイデアを全員で共有し、また中武先生には、

研究チームへ持って帰っていただきました。ここから、新たな連携や研究が生まれることを、楽しみにしています。

道場の最後には、運営支援委員長の巌佐先生(領域アドバイザー)から、「今回の道場では、准教授クラスの先生

がグループワークなどのまとめをされたが、今後はポスドクや大学院生の皆さんがこの役割をできるようになって

ください。海外では、学生のときからそのような訓練をしているので、研究者として、ぜひそのような能力を身につ

けてほしい。」というお言葉がありました。今後の数理デザイン道場では、ますます若手の方々が活躍されることが

期待されます。

プログラミング道場

お昼休憩をはさみ、2 日目の午後には、自由参加でプログラミング道場を実施しました。初級編、中級編、上

級編の 3 クラスに分かれ、各自で PC を持ち込んでいただきスタートです。

初級編は井上道場長による講義形式で、プログラミングに触れたことがない実験系の研究者でも参加できるよう

に工夫いただきました。中級編は、GPGPU による高速化をテーマに、武石 直樹先生(大阪大学大学院 基礎工

学研究科 機能創成専攻 助教)を講師としてお迎えしました。しっかりしたテキストもご用意いただき、道場終

了後も見返すことができそうです。

そして上級編。井上道場長が用意した問題を解き、さらにその答えが正しいのか、再現するプログラムを作成す

るという難題に挑みました。上級編に参加されたお二人には、最後に問題を解く過程などを全員に共有いただきま

した。

盛りだくさんのプログラムを終え、第 8 回数理デザイン道場も幕を閉じました。

次回の道場は、2017 年 11 月末に領域会議と同時開催します。栗原チーム時弘グループの時弘哲治先生先生(東

京大学大学院数理科学研究科 教授)に道場長をお願いしています。ご参加いただく皆様、どうぞお楽しみに!(以

上)(工藤)

※1 各研究チームの研究概要:http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah23-5.html

※2 数理デザイン道場 HP: http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/mathdojo/mathdojo.html

初級編 中級編 上級編参加者による発表

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■領域会議に参加しての感想(ポスター賞受賞者より)

■山本 香織(東京大学大学院 博士課程1年:黒田T黒田G)

今回初めて数理デザイン道場に参加いたしました。本

道場ではドライ系・実験系といった様々な分野の研究者

が一堂に会し、2 日間に渡る濃密なスケジュールの中で

じっくりとディスカッションが行われており、非常に刺

激的で貴重な経験をすることができました。

ポスターセッションでは、しっかりと時間をいただき、

自分の研究をグループメンバーの皆様に発表すること

ができました。自分とは異なる分野の方が多い中で、ど

う説明すれば分かりやすいか苦心しながら準備してい

ましたが、的確なコメントやアドバイス等を多く頂戴す

ることができ、有意義な時間とすることができました。

一方で、発表を通じて不足を感じる箇所も認識できたの

で、今後の参考にしたいと思います。フランクな雰囲気

ながらも、セッション中は会場全体が熱気に満ちており、

そんな中でこの度ポスター賞をいただけて、大変嬉しく

思います。講演に加えて行われたハッカソンやプログラ

ミング道場といった新たな試みも、大変勉強になったと

同時に楽しむことが出来ました。これらの経験を糧に、

より一層精進していこうと思います。

■稲垣 志帆(お茶の水女子大学大学院 博士前期課程 1 年:影山 T 郡 G)

今回の数理道場でのポスター発表では新鮮な経験を

させていただきました。今まで参加した学会ではバック

グラウンドが物理の方が中心でした。しかし今回は他分

野の理論系の方や実験系の方からも同時にアドバイス

をいただいたり議論したりしました。その結果、今まで

とは異なる視点から研究にアプローチできました。10

人弱で 1 グループになり十分な時間が取られた上で発

表・議論を進められたので、私自身も悔いのないように

説明でき、他の方の発表も理解が深まりました。

2 日目のアイデアソンでは中武さんから伺った話に

対して数理の立場からアイデアを出し合い議論し定め

られた時間内に発表資料を作ることが求められました。

議論の中では関連のありそうな研究が次々に紹介され

ていました。今後は自身の研究に関連した話題の引き出

しのみならず、幅広い分野に目を向けて引き出しを増や

していくことが必要であると痛感いたしました。

また光栄なことにポスター優秀賞をいただくことが

できました。日々の研究を進めるにあたり指導してくだ

さったり相談に乗ってくださったり励ましてくださっ

たりした共同研究者の皆様、研究室の皆様にこの場を借

りて感謝の意を表したいと思います。この名誉ある賞の

名に恥じぬよう、今後とも研究に邁進し、積極的な研究

発表、及び研究の重要性を示す態度を心がけたいと思い

ます。

最後になりましたが、数理道場の場を設けてくださっ

た運営支援委員会の皆様、実施委員会の皆様、JST の皆

様に深謝いたします。

■儀保伸吾(理化学研究所 望月理論生物学研究室 特別研究員:岡村 T 黒澤 G)

今回の数理デザイン道場では、RNA メチル化による

概日時計の制御について、数理モデルを使った制御の

作用点の予測と、音響工学的なアプローチによって明

らかにした周期と波形の非線形性との関係について発

表させていただきました。生物学の研究者としては経

験が浅く、手探りで研究をしていますが、ポスター賞

という形で私の研究を評価していただき、うれしく思

います。

また、今回は比較的小さいグループごとに分かれて、

学生から偉い先生まで同じテーブルで活発に意見を出

し合い、例年にも増して有意義な議論ができました。そ

の他にも、ハッカソン/アイデアソンやプログラミング

道場などの企画があり、いつも以上に参加者主体的で、

とても良い経験になりました。

■小川軌明(理化学研究所 理論科学連携研究推進グループ・特別研究員:望月 T 望月 G)

今回初めて、数理デザイン道場に参加させて頂きまし

た。よくある研究会と違い、独特の工夫が様々に凝らさ

れた集まりで、非常に有意義な時間を過ごすことができ

ました。

まず基調講演は折り紙がテーマ。近視眼的なことばか

りでなく、数理的な視野や発想を広げることを大事にし

ようという思想が感じられました。実際、舘さんの講義

はお話としても数理的にも大変興味深いもので、得難い

機会であったと思います。

その後のグループ別ポスターセッションは、通常の方

式に比べ、発表者の待ち時間がなく質問や議論も皆で集

中して行えるため、密度の高い議論ができたと思います。

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結果的にポスター賞まで頂くことができ、おかげで多く

の方とお話する切っ掛けができたのも有難いことでし

た。なお、今回は懇親会場とポスターが少し隔てられて

いましたが、欲を言えばポスターに囲まれる形で懇親会

ができれば、グループ別セッションを補完する形にもな

ってより理想的だったのではないかと思います。

二日目のハッカソン/アイデアソンはさらに斬新な

試みでしたが、大変面白く刺激的で、数理デザイン道場

の名に相応しいイベントだったと思います。グループ内

議論の時間はまさにあっという間。グループ内でもグル

ープ間でも、まだまだ議論は幾らでもできそうでした。

何より、生の研究内容を惜しげも無く提供・解説下さっ

た中武さんには、心から感謝と敬意を表したいと思いま

す。

プログラミング道場は中級編に参加し、武石さんの

GPGPU 講義は大変わかりやすく勉強になりました。

ただ折角なので、初・中級編にももっと「道場」らしさ

があるとよりよいかもしれません。

今回道場では、普段あまり接点のない方々と、深く突

っ込んだ議論などをできる機会が多くありました。この

ような経験や人脈、また今回賞を頂けたことなども励み

としつつ、より視野を広げ、深みのある研究ができるよ

う努めていきたく思います。

最後に、井上道場長、山本総括、巌佐委員長、JST の

工藤様、猿渡様、深澤様、ほか今回道場の企画開催に尽

力下さった方々、講師をお勤め下さった方々、ともに議

論を頂いた方々、また道場でお会いしたすべての方々に

感謝を申し上げます。

■岡田 崇(理化学研究所 理論科学連携研究推進グループ・特別研究員:望月 T 望月 G)

私はこれまで数理デザイン道場には何度か参加させて

いただいておりますが、毎回、幅広い研究分野からの話題

に触れられるのでとても勉強になっています。特に、今回

の数理デザイン道場は、井上道場長の工夫のおかげもあ

りまして、特に印象深いものとなりました。

ハッカソン・アイデアソンのセッションは、とても新鮮

なものでした。短時間で解決策を提案できるのか参加前

は若干不安な部分もありましたが、私のグループのメン

バーが様々な意見を提案してくれたおかげもあり、私の

グループでは(予想以上に?)議論が盛り上がり、とても

充実した時間となりました。私は数理生物学の理論研究

を中心に取り組んでおり、生物実験に関しては疎いので

すが、メンバーのなかには実験の知識に精通されている

方々もおり、議論を通して私の知らない知識や考え方に

触れられたのは大きな収穫でした。

また、今回のポスターセッションは、数人のグループ

に集中的に説明し、お互いを評価し合う、という形式で

した。発表者はメンバーからの質問に答えながら説明を

していくため、発表者の研究内容を、様々な角度から考

えながら聴くことができ、通常のポスター発表と比べて、

研究内容をしっかりと消化できたように思えます。また、

私自身が取り組んでいる研究内容について、これまでよ

りも丁寧に説明できたのは嬉しかったです。

数理デザイン道場は、高い目標をもって研究されてい

る方々からの刺激を受けるとても貴重な機会のひとつ

です。また次回、参加させて頂くのを楽しみにしており

ます。

最後に、このような寄稿の機会を与えてくださいまし

た、JST の関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。

ポスター受賞者の皆様

(前列左から、山本香織さん、稲垣志帆さん、小川軌明さん、岡田崇さん、儀保伸吾さん)

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出産・子育て・介護支援制度について

私は大学四年生の卒業研究で 、国立成育医療研究センター研究所生

殖・細胞医療研究部(梅澤研究室)にお世話になり、マウス胚操作や

幹細胞培養の技術・知識を身につけました。受精や初期発生に興味を

持ち、慶應義塾大学大学院医学研究科 修士課程(産婦人科学)に進学

しました。修士号を取得後、同教室の研究員を経て現在は坂口光洋記

念システム医学講座で、CREST 生命動態 洪チームの一員として研究

に従事しています。

洪 チ ー ム で は 、 ヒト 多 能 性幹 細 胞の 形 態 と機 能 を 調節 す る転 写 因

子 を網 羅 的 に解 析 す るた め に、 一 つ ずつ の 転 写因 子 を人 為 的 に誘 導

で きる 発 現 ベク タ ー の構 築 と、 そ れ らを 組 み 込ん だ ヒト 細 胞 リソ ー

スの作成、さらに全遺伝子の発現パターンの変化を詳細に調べるため

の時系列サンプル作成などの研究を遂行してきました。

研究員としてチームに参加した 当初は独身でしたが、その翌年に結婚、妊娠、出産(長女、長男)

を経験し まし た。妊 娠中 の経過は 順調 でそれ まで 通りの勤 務を こなし てい ましたが 、産 後は色 々な

問題がありました。最初に直面したのは、昨今大きな社会問題に もなっている保育園確保でした。な

んとか預 け先 を見つ けた ものの、 育休 を取得 せず にすぐ復 職し なけれ ば入 れない、 ここ で入ら なけ

れば来年、再来年に入れる保証もないという状況でした。また、私は今の研究を論文にまとめること

で博士号 取得 を目指 して いますの で 、 ブラン クを 空けずに 研究 活動を 継続 したい思 いが 強くあ りま

した。

特別企画

「CREST 出産・子育て・介護支援制度 」

文 慶應義塾大学医学部 坂口システム医学講座

特任研究員 納富 奈々(洪チーム・洪グループ)

JST では男女共同参画推進の取り組みの一環として「出産・子育て・介護支援制度」

を実施しており、生命動態領域でも子育て中の CREST 研究員を中心にご利用いた

だいております。本制度を多くの方に知っていただきたいと考え、今回のニュースレ

ターより複数回にわたり、制度を利用されている方の声をお届けいたします。また、

今後のキャリアパスを考える上で、子育て中や介護中でもご活躍の方々からのメッ

セージを、ぜひ大学院生・若手研究者の方にもお読みいただきたいと考えておりま

す。

編集 JST 工藤真由美、深澤麻由子

写真/沼津プラサ・ヴェルデ゙屋上庭園にて

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生 産 性 で 考 え れ ば 子 育 て 中 の 女 性 は 研 究 室 の 中 で 不 利 に な

ることも多いので、私もすぐに復帰可能かとても心配していま

したが、子育て支援制度のおかげで無事に仕事復帰を果たすこ

とができました。

子供が生まれてからは定時までの勤務 になり、長男(第二子)

は長女と別の保育園にしか入れず、送り迎えに さらに 時間がか

かるようになったため退勤時刻 も早くなりました。頻繁に病気

や 発 熱 を 繰 り 返 す 子 供 の 看 病 の た め 急 に 仕 事 を 休 ま ざ る を 得

ないこともしばしばあります が、本支援制度のおかげで子供の

都合に合わせたフレキシブルな勤務 が可能になり、研究員とし

て の キ ャ リ ア パ ス を 築 い て 行 く う え で と て も あ り が た く 感 じ

ています。子育て中の女性に深い理解のある上司にも恵まれ、

このような支援や理解がなければ 、転職や専業主婦の道も考え

ざるをえなかったかもしれない、と思っています 。

ただ、二人の子育ては、想像していた以上の時間的な制約が

かかり、以前のようなペースで実験ができないことへの 戸惑い

は大きなものでした。最初はなんとか産前と同じ量の仕事をこ

なそうとした結果体調を崩して 、逆に研究室の他のメンバーに

迷惑をか けて しまっ たこ ともあり まし た。仕 事も 育児もま ずは 健康第 一で ないと成 せな いこと 、子

供が大き くな れば出 来る ことも沢 山あ るのだ から と、今は 焦ら ず に不 完全 燃焼でも 割り 切るこ とも

必要だと 気付 き、そ れま でより仕 事内 容は縮 小し ましたが 、自 分の状 況に 合ったベ スト な働き 方を

徐々に確 立 で きてい ます 。限られ た時 間でい かに 効率よく 結果 を出す かを 熟考する よう になり 、以

前よりも無駄なく研究を進められるようになったと思います。

長 男 は まだ まだ 手 がかか る ので、家ではとに か く出来ると きにや れるこ とは済ませ るよう に心 が

けていま す。 手が空 いた ら家族の 団欒 時間を 楽し んだり、 勤務 時間内 に終 わらなか った パソコ ン仕

事やメール返信などに充てて、時短勤務を補っています。

週 末 は 仕 事 が あれ ば 朝 の う ち に 済 ま せ て 、家

族との時間 やリフ レッシ ュすること を大事 にし

ています 。 家族計 画や子 育て を優先 するこ とも

人生の 一つ の選択 肢だと 思いますが 、私は 今後

も子育てと 仕事( 研究) を両立し、 博士号 取得

という 目標 に向けて 頑張 りたいと思 っていま す 。

女性ということで不安になる局面も度々ありま

したが、それを支えて下さった本支援に深く感

謝しています。

産休前にベビーシャワーをしていた

長男 4 ヶ月、長女 3 歳

ラボミーティング風景

だきました/写真は洪先生

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「出産・子育て・介護支援制度」について

CREST 研究員として専従雇用されている研究者は、「出産・子育て・介護等支援制度」の利用が

可能です。当該支援制度では、当該研究員による研究開発の促進または負担軽減に資する目的とし

て、月額 25 万を上限として、「男女共同参画促進費」が支給されます。 詳しくは下記をご参照

ください。

http://www.jst.go.jp/diversity/about/research/child-care.html

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研究室の紹介

影山研究室(京都大学)影山チーム

1)ラボの雰囲気:いろいろなバックグラウンドの研究者が

集まっており、研究支援職員も含めると 30 名を超える大

所帯です。留学生が5名いるので国際色が豊かで、英語を

使う機会が多いです。

研究室の目玉装置:中立電機社製 高感

度生物発光測定装置(右下図)。CREST 予

算を使って購入しました。培養細胞用

に改良し、光遺伝学的操作や薬剤スク

リーニング等において 24 サンプルを同

時に経時的定量できるようになりまし

た。購入以来フル稼働です。

文責:影山龍一郎(京都大学・ウイルス・再生医科学研究所(影山研究室))

2)最近のブレイクスルー

Notch リガンド発現のタイミングを

変えることによって神経幹細胞や未

分節中胚葉における遺伝子発現振動

が減弱し、体節癒合や小頭症が起こ

りました。この現象は、数理モデル

でシミュレーションできました

(Shimojo, et al. Genes & Dev 2016)。ま

た、光制御システム lightON の改良

版によって細胞間振動情報伝達の操

作と可視化に成功しました(Isomura,

et al. Genes & Dev 2017)。

3)リーダーからの CREST 研究に

かける想い

いろいろな生命活動において遺伝

子発現が振動すること、振動を止

めると細胞増殖や分化に異常が起

こることが明らかになりました。

また、一見解釈が難しい現象も数

理モデルによって説明できるよう

になりました。さらに、胎児期と

成体期で遺伝子発現動態が異なる

ことが分かりましたので、今後

は、光制御技術を使って遺伝子発

現動態を胎児化したときに、成体

内で発生現象が再現できるかどう

かを解析します。再現できれば、

組織再生が可能になるのではない

かと期待しています。(影山)

京都大学 11 月蔡で研究成果を

紹介しました。

ラボ集合写真

郡 研究室(お茶の水女子大学)

郡研は毎年七夕の季節になると学生たちが植木に願い

事を書いた短冊を飾ります。ポスドクも書かされます。

毎年、突拍子もない短冊が多数現れるのですが、少しば

かり紹介します。みんなとても頑張っています。

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石原研究室(九州大学)飯野チーム

約 20 名(うち学生 12 名、また女性 12 名)のメンバーが、

自由で落ち着いた雰囲気の中で、それぞれのペースで研究

に打ち込んでいます。研究テーマは、神経回路のイメージ

ングによる情報処理機構だけでなく、記憶の忘却とその制

御機構、成長過程における行動変化の制御機構など多岐に

渡っていますが、いずれも線虫 C. elegans をモデル動物と

して取り組んでいます。

週に 1 回ずつ、ジャーナ

ルクラブ、学生セミナー、

グループミーティング、

プログレスレポートがあ

ります。プログレスレポ

ートは英語で行っていま

す。学年が進むにつれ、セミナーでの鋭い質問が増えていきます。

CREST 飯野チームの目玉装置の一つ「4D イメージングシステム」です。 3 台

のカメラの同期撮影と感覚刺激のために、5 台の PC を使っています。毎秒 5-6 立

体(20-25 切片)の画像を取得することができます。得られた画像は、解析パイ

プラインを通すことによって、神経活動データに変換されます。

線虫の嗅覚順応に関わる分子・神経回路メカニズムを解析しています。単純な

学習である嗅覚順応でさえ、複雑な忘却メカニズムによって制御されているこ

とが分かってきています。高等動物でも保存されている受容体チロシンキナー

ゼや膜タンパク質が忘却に働いていることが分かりました。

飯野先生とご相談して、線虫頭部の中枢神経系全体の活動の同時測定をしてみよ

うと研究を始めて、10 年近くになります。CREST 飯野チームの力を結集して、こ

のシステムの本来のポテンシャルが引き出せるようになったと思っています。残

りの期間を精一杯活かして成果を挙げたいと思っております。

文責:石原 健(九州大学大学院・理学研究院(石原研究室))

線虫へ遺伝子を導入しています 学生セミナーでも活発な討論が

われています

線虫の行動測定をしています

Forgetting signals

AWA

Diacetyl

SCD-2

AWC

Diacetyl chemoattraction

Interneurons ?

MACO-1

TIR-1/JNK-1

Forgetting

Forgetting

Adaptation

研究室の一週間

研究室の目玉装置

最近の研究成果

CREST 研究にかける思い

行われています行わ

れています

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海外出張報告 1:国際会議「第 19 回国際生物物理学会議」への参加発表報告

期間: 2017 年 7 月 16~20 日

於:エジンバラ(スコットランド)

概要:

第 19 回国際生物物理学会議が 2017 年 7 月 16 日~20 日にスコットラ

ンドの首都エジンバラで開催されました。国際純粋および応用生物物理学連合

(IUPAB)が 3 年に一度開催する国際会議で、今回はヨーロッパ生物物理学連

合(EBSA)との共催、正式名称は「19th IUPAB congress and 11th EBSA congress」

です。参加者は約 1400 人、講演セッション数は 35、3~4 会場に分かれて

のパラレルセッションでした。私の発表タイトルは「Neuronal signaling pathways

estimated from whole-brain imaging data of C. elegans」で、線虫の全中枢神経細

胞の活動データに対して相関解析や因果性解析を行った結果を「Modeling,

inference, big data」のセッションで発表しました。希望通り口頭発表として選

出され、多くの方に研究成果を聴いていただけました。質疑応答では、全神経

細胞間の結合が既知である線虫の神経系の研究では今後どのようなことが問

題になりそうかという質問がありました。私の発表セッションでは生体分子

向けメタ MD ソフト、癌細胞の統計モデル、マウス中のバクテリアコロニーに

関する確率モデル、プロテオーム解析ツールなどの口頭発表があり、実験デー

タを積極的に取り扱った様々な数理研究の動向を知ることができました。

次回 2020 年はブラジル・リオデジャネイロでの開催です。2020 年の開

催誘致に敗れた日本は 2023 年の開催地として立候補し、本会議中に行われ

た投票の結果、次々回の開催が日本・京都に決まりました。日本での開催は

1978 年以来 2 度目となります。東京、京都という開催都市の違いはありま

すが、ブラジル・リオデジャネイロから日本へという順序は奇しくもオリンピ

ックと同じになりました。

私のエジンバラへの渡英は学生の時以来 2 度目です。私の記憶ではエ

ジンバラの街並みが大きく変わった印象はないのですが、27 年前のエ

ジンバラにはなかった観光名所が少なくとも一つ加わっていました。そ

れは J.K.ローリングがハリー・ポッター第 1 巻執筆の際に通った

「elephant house」で、エジンバラの中心市街にある小さなカフェです。

カフェの前で記念撮影をする観光客も多く、混雑していました。私は店

内に入っていないので実際には確認していませんが、J.K.ローリングが

いつも座っていたテーブルからはエジンバラ城が見えるそうです。

なお、本発表は飯野グループ、石原グループ、吉田グループとの共同

発表です。線虫のイメージングデータ取得に関係する方々に感謝いたし

ます。

報告:飯野チーム・岩崎 G 岩崎 唯史

エジンバラの街並み

夜 8 時頃のエジンバラ城

国際会場のある通り

ハリー・ポッター執筆の地

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研究成果

月田チーム Site-specific distribution of claudin-based paracellular channels with roles in biological fluid flow and metabolism. Tanaka H, Tamura A, Suzuki K, Tsukita S. Ann N Y Acad Sci, in press. The claudins are a family of membrane proteins with at least 27 members in humans and mice. The extracellular regions of claudin proteins play essential roles in cell–cell adhesion and the paracellular barrier functions of tight junctions (TJs) in epithelial cell sheets. Furthermore, the extracellular regions of some claudins function as paracellular channels in the paracellular barrier that allow the selective passage of water, ions, and/or small organic solutes across the TJ in the extracellular space. Structural analyses have revealed a common framework of transmembrane, cytoplasmic, and extracellular regions among the claudin-based paracellular barriers and paracellular

channels; however, differences in the claudins’ extracellular regions, such as their charges and conformations, determine their properties. Among the biological systems that involve fluid flow and metabolism, it is noted that hepatic bile flow, renal Na+ reabsorption, and intestinal nutrient absorption are dynamically regulated via site-specific distributions of paracellular channel–forming claudins in tissue. Here, we focus on how site-specific distributions of claudin-2– and claudin-15–based paracellular channels drive their organ-specific functions in the liver, kidney, and intestine.

Apical cytoskeletons and junctional complexes as a combined system in epithelial cell sheets. Yano T, Kanoh H, Tamura A, Tsukita S. Ann N Y Acad Sci. 2017 Aug 1. doi: 10.1111/nyas.13432. [Epub ahead of print] Review. Epithelial cell sheet formation is central to many aspects of vertebrate development and function. For example, it is a major principle of differentiation in embryogenesis and regeneration, enables the compartmentalization of tissues, and is the basis for the maintenance of homeostasis throughout the body. A key characteristic of biologically functional epithelial cell sheets is a clear difference between the top and bottom sides owing to the apicobasal polarity of the cells in the sheet, as seen in the simple polar epithelia. Epithelial cell sheets are formed by cell-cell adhesion conferred by junctional complexes, in particular via tight junctions (TJs), which thus create a paracellular barrier. This

review focuses on the apical side of the sheet, which serves as the front line. The apical membranes and TJs of the various tissues have specific characteristics that enable them to function and adapt to their biological context: each system must be robust, but also dynamic and flexible to maintain homeostasis. Here, we describe various apical cytoskeletal structures that are critical to the integrity of epithelial cell sheets. We also discuss the association of apical cytoskeletal networks with TJs, which thus forms a combined system, tentatively termed the TJ-apical complex. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28763830

Time- and dose-dependent claudin contribution to biological functions: Lessons from claudin-1 in skin. Tokumasu R, Tamura A, Tsukita S. Tissue Barriers. 2017 Jul 3;5(3):e1336194. doi: 10.1080/21688370.2017.1336194. Epub 2017 Jun 19. There are many types of biologic compartments in the body. Tight junctions (TJs) function to create a dynamic paracellular barrier to separate these compartments and maintain homeostasis. The TJ component claudin-1 is the major transmembrane protein responsible for forming the paracellular barrier in the epidermis; other claudins in the epidermis include claudin-3, -4, -12, -23 and -25. Accumulating evidence points to a relationship between claudin-1 and skin diseases; for example, a decrease in claudin-1 is reported in human atopic dermatitis. However, how claudin-1 directly or indirectly contributes to

disease in the context of the paracellular barrier is poorly understood. We recently established several mouse lines in which the claudin-1 expression was systematically regulated, and showed that claudin-1 time- and dose-dependently regulates epidermis function and disease in vivo. In this commentary, we will discuss recent progress on this topic, including our latest findings, and remaining or newly arisen issues. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28650689

(その他論文)

IL-22 Upregulates Epithelial Claudin-2 to Drive Diarrhea and Enteric Pathogen Clearance. Tsai PY, Zhang B, He WQ, Zha JM, Odenwald MA, Singh G, Tamura A, Shen L, Sailer A, Yeruva S, Kuo WT, Fu YX, Tsukita S, Turner JR. Cell Host Microbe. 2017 Jun 14;21(6):671-681.e4. doi: 10.1016/j.chom.2017.05.009. Diarrhea is a host response to enteric pathogens, but its impact on pathogenesis remains poorly defined. By infecting mice with the attaching and effacing bacteria Citrobacter rodentium, we defined the mechanisms and contributions of diarrhea and intestinal barrier loss to host defense. Increased permeability occurred within 2 days of infection and coincided with IL-22-dependent upregulation of the epithelial tight junction protein claudin-2. Permeability increases were limited to small molecules, as expected for the paracellular water and Na+

channel formed by claudin-2. Relative to wild-type, claudin-2-deficient mice experienced severe disease, including increased mucosal colonization by C. rodentium, prolonged pathogen shedding, exaggerated cytokine responses, and greater tissue injury. Conversely, transgenic claudin-2 overexpression reduced disease severity. Chemically induced osmotic diarrhea reduced colitis severity and C. rodentium burden in claudin-2-deficient, but not transgenic, mice, demonstrating that claudin-2-mediated protection is the result of enhanced water efflux. Thus,

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IL-22-induced claudin-2 upregulation drives diarrhea and pathogen clearance.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28618266

Interaction between Plasmodium Glycosylphosphatidylinositol and the Host Protein Moesin Has No Implication in Malaria Pathology. Dunst J, Azzouz N, Liu X, Tsukita S, Seeberger PH, Kamena F. Front Cell Infect Microbiol. 2017 May 16;7:183. doi: 10.3389/fcimb.2017.00183. eCollection 2017. Glycosylphosphatidylinositol (GPI) anchor of Plasmodium falciparum origin is considered an important toxin leading to severe malaria pathology through stimulation of pro-inflammatory responses from innate immune cells. Even though the GPI-induced immune response is widely described to be mediated by pattern recognition receptors such as TLR2 and TLR4, previous studies have revealed that these two receptors are dispensable for the development of severe malaria pathology. Therefore, this study aimed at the identification of potential alternative Plasmodium GPI receptors. Herein, we have identified the host protein moesin as an interaction partner of

Plasmodium GPI in vitro. Given previous reports indicating the relevance of moesin especially in the LPS-mediated induction of pro-inflammatory responses, we have conducted a series of in vitro and in vivo experiments to address the physiological relevance of the moesin-Plasmodium GPI interaction in the context of malaria pathology. We report here that although moesin and Plasmodium GPI interact in vitro, moesin is not critically involved in processes leading to Plasmodium-induced pro-inflammatory immune responses or malaria-associated cerebral pathology. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28560184

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飯野チーム

国際シンポジウム「Computational Principles of the Nervous System: Educidated from the Observations of

Neural Population Activity」の開催

開催日:2017 年 7 月 24 日

会 場:東京大学鉄門記念講堂

-国際シンポジウム報告-

概要

7 月 24 日、東京大学鉄門記念講堂において、飯野チームの主催で、本チームの

成果発表を兼ねた国際シンポジウムを開催致しました。

海外より Manuel Zimmer (IMP, Austria)、Ralph Greenspan (UCSD, USA)、Ruben Portugues

(Max Planck Inst., Germany)をお招きし、国内からは津田一郎(中部大)、銅谷賢治

(OIST)、田中康裕(東京大)、菅谷佑樹(東京大)、栗川知己(理研)の各先生にご

講演を頂き、飯野チームより石原健、岩崎唯史、豊島有が発表を行いました。

マウス、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ、線虫を用いた多数神経のイメー

ジングにより運動制御や記憶学習の機構の解明を行っている研究者と、神経集団の

振る舞いについての理論的な解析を行っている研究者がさまざまなアプローチを紹

介し、約 100 名の来聴者とともに実験面、理論面の双方に関して活発な議論を交わ

しました。終了後レセプションも行われ、非常に有機的な研究交流がなされる場と

なりました。

なお、本シンポジウムは第 50 回日本神経科

学大会のサテライトシンポジウムとして開催

されました。また、Manuel Zimmer と飯野は神

経科学大会においてもシンポジウム「ニューロ

イメージングの最先端:包括的神経活動イメー

ジングから見えてくるもの」を企画、実施致し

ました。各方面からのご協力に感謝致します。

文責 岩崎

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イベント情報など

イベントスケジュール (~2018 年 3 月 31 日)

チーム 月日 イベント名 会場 主催など 定員 その他

黒田 T

9/20 生物学における数の数理:少数の分子が如何

にして機能の頑健性を生み出しているのか?

Number in biology: deciphering how small

number of molecules solve robustness of

biological functions

熊本大学

Kumamoto

University

日本生物物

理学会

50名

程度

http://www.a

eplan.co.jp/bs

j2017/index.h

tml

黒田 T 11/21

~22

The 1st International Symposium for Trans-Omics 東京大学

The

University

of Tokyo

CREST 生命

動態

/新学術 代

謝アダプテ

ーションの

トランスオ

ミクス解析

180

名程

http://kurodal

ab.bs.s.u-

tokyo.ac.jp/sy

mposium2017

.html

黒田 T 12/6

生命科学系学会合同年次大会シンポジウム:

シン・バイオ -分野を超えるインパクト-

ConBio2017: Impacts beyond the deciplines

神戸ポート

アイランド

Kobe Port

Island

日本分子生

物学会/日本

生化学会

(バイオテ

クノロジ

ー、新領

域、進化分

野)

50名

http://www.a

eplan.co.jp/co

nbio2017/ind

ex.html

受賞連絡

2016 年 11 月 25 日、黒田チーム黒田グループの井上晴幾(博士課程 2 年)が第 54 回日本生物物理学会年会にて「学

生発表賞」を受賞しました。

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参加メンバーリスト(ご所属機関に、研究室等へのリンクを張っています)

研究総括

山本 雅 沖縄科学技術大学院大学 教授

領域アドバイザー(五十音順)

秋山 徹 東京大学分子細胞生物学研究所 教授

浅井 潔 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授

巖佐 庸 九州大学大学院理学研究院 教授

加藤 毅 京都大学大学院理学研究科 教授

鈴木 貴 大阪大学 数理・データ科学教育研究センター 特任教授

高田 彰二 京都大学大学院理学研究科 教授

竹縄 忠臣 神戸大学バイオシグナル研究センター 客員教授

豊柴 博義 (株)FRONTEO 行動情報科学研究所 研究開発部 シニアリサーチャー

中野 明彦 東京大学大学院理学系研究科 教授/理化学研究所光量子工学研究領域 チームリーダー

西川 伸一 JT 生命誌研究館 顧問/オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ) 代表理事

深見 希代子 東京薬科大学生命科学部 教授

本多 久夫 神戸大学大学院医学研究科 客員教授

三品 昌美 立命館大学総合科学技術研究機構 教授

吉田 佳一 (株)島津製作所 顧問

研究チーム(採択年度および五十音順)2017 年 9 月 30 在

チーム名 研究課題名およびグループリーダー(★研究代表者)

飯野チーム

H24 年度

神経系まるごとの観測データに基づく神経回路の動作特性の解明

飯野 雄一 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)★

石原 健 (九州大学 大学院理学研究院 教授)

岩崎 唯史 (茨城大学 工学部 講師)

吉田 亮 (統計数理研究所 モデリング研究系 准教授)

影山チーム

H24 年度 細胞増殖と分化における遺伝子発現振動の動態解明と制御

影山 龍一郎 (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授)★

郡 宏 (お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 准教授)

黒田チーム

H24 年度 時間情報コードによる細胞制御システムの解明

黒田 真也 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)★

石井 信 (京都大学 大学院情報学研究科 教授)

小澤 岳昌 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)

藤井 輝夫 (東京大学 生産技術研究所 教授)

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洪チーム

H24 年度 動的遺伝子ネットワークの多次元構造解析による高精度な細胞分化制御技術の開発

洪 実 (慶應義塾大学 医学部 教授)★

阿久津 英憲 (国立成育医療研究センター再生医療センター生殖・細胞医療研究部 室長)

小原 收 (財団法人かずさDNA研究所ヒトゲノム研究部 研究部長、副所長)

西村 邦裕 (株式会社テンクー 代表取締役社長)

的場 亮 (株式会社DNAチップ研究所 代表取締役社長)

古澤 力 (理化学研究所生命システム研究センター チームリーダー)

木立 尚孝 (東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授)

松本 拡高 (理化学研究所情報基盤センター 研究員)

近藤チーム

H24 年度 動物の形態形成の分子メカニズムの探求と形を操る技術の創出

近藤 滋 (大阪大学 大学院生命機能研究科 教授)★

小椋 利彦 (東北大学 加齢医学研究所 教授)

井ノ口チー

H25 年度

細胞集団の活動動態解析と回路モデルに基づいた記憶統合プロセスの解明

井ノ口 馨 (富山大学 大学院医学薬学研究部 教授)★

深井 朋樹 (理化学研究所 脳科学総合研究センター チームリーダー)

古賀 浩平 (兵庫医科大学 生理学神経生理部門 講師)

竹川 高志 (工学院大学情報学部 准教授)

栗原チーム

H25 年度 細胞動態の多様性・不均一性に基づく組織構築原理の解明

栗原 裕基 (東京大学 大学院医学系研究科 教授)★

時弘 哲治 (東京大学 大学院数理科学研究科 教授)

安田 賢二 (早稲田大学理工学術院 教授)

和田 洋一郎 (東京大学 アイソトープ゚総合センター 教授)

武田チーム

H25 年度 DNA3 次元クロマチン動態の理解と予測

武田 洋幸 (東京大学 大学院理学系研究科 教授) ★

森下 真一 (東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)

月田チーム

H25 年度 細胞間接着・骨格の秩序形成メカニズムの解明と上皮バリア操作技術の開発

月田 早智子(大阪大学 大学院生命機能研究科/医学系研究科 教授) ★

石原 秀至 (東京大学 総合文化研究科 特任准教授)

大岩 和弘 (情報通信研究機構 未来 ICT 研究所 主管研究員)

米村 重信 (徳島大学医学部 教授/理化学研究所ライフサイエンス技術基盤センター チームリーダー)

濱田チーム

H25 年度 流れをつくり流れを感じる繊毛の力学動態の解明

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濱田 博司 (理化学研究所システム形成研究センター センター長) ★

石川 拓司 (東北大学 大学院工学研究科 教授)

高松 敦子 (早稲田大学 理工学術院 教授)

篠原 恭介 (東京農工大学 テニュアトラック推進機構 特任准教授)

望月チーム

H25 年度 ネットワーク構造とダイナミクスを結ぶ理論に基づく生命システムの解明

望月 敦史 (理化学研究所 望月理論生物学研究室 主任研究員) ★

佐藤 ゆたか (京都大学 大学院理学研究科 准教授)

西山 正章 (九州大学 生体防御医学研究所 准教授)

廣島 通夫 (理化学研究所 佐甲細胞情報研究室 研究員)

上村チーム

H26 年度 革新的1分子計測技術による RNA サイレンシング機構の可視化: 基盤作出と応用展開

上村 想太郎 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)★

塩見 美喜子 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)

岡部チーム

H26 年度 ナノ形態解析によるシナプス動態制御システムの解明

岡部 繁男 (東京大学 大学院医学系研究科 教授)★

楠見 明弘 (沖縄科学技術大学院大学 教授)

井上 康博 (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 准教授)

岡村チーム

H26 年度 クロノメタボリズム:時間相の生物学

岡村 均 (京都大学 大学院薬学研究科 教授)★

今西 未来 (京都大学 化学研究所 講師)

黒澤 元 (理化学研究所 望月理論生物学研究室 研究員)

三浦チーム

H26 年度 からだの外でかたちを育てる

三浦 岳 (九州大学 大学院医学研究院 教授)★

西山 功一 (熊本大学国際先端医学研究機構・特任准教授)

横川 隆司 (京都大学 大学院工学研究科 准教授)

関連・連携プロジェクト

さきがけ「細胞機能の構成的な理解と制御」(上田泰己研究総括:東京大学大学院医学系研究科 教授)

CREST「ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術(田中啓二研究総括(東京都医学総合研究所

所長))

さきがけ「ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術」(若槻壮市研究総括:米国 SLAC 国立加速

器研究所 光科学部門 教授/スタンフォード大学 医学部 構造生物学 教授)

理化学研究所生命システム研究センター(QBiC) (柳田敏雄センター長)

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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)生命動態システム科学推進拠点事業

多次元定量イメージングに基づく数理モデルを用いた動的生命システムの革新的研究体系の開発・教育拠点(代表研究

者:京都大学 松田道行)

転写の機構解明のための動態システム生物医学数理解析拠点(代表研究者:東京大学 井原茂男)

複雑生命システム動態研究教育拠点(代表研究者:東京大学 金子邦彦)

核内クロマチン・ライブダイナミクスの数理研究拠点形成(代表研究者:広島大学 楯真一)

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編集後記

生命動態領域を担当して 2 年半、平行してその他 2 領域(3 領域だったことも)を担当しておりますが、

この領域に対する思い入れは特別です。それは研究総括、アドバイザーの方々、多くの素晴らしい研究者

の方々と、領域会議等で身近に接する機会があり、またニュースレターの原稿を通し、細々としたメール

のやりとりが他領域にはない有意的なものとなって、何より親近感が湧いてきます。あと半年、あるいは 1

年半の担当となるか・・・Vol.8 はそんな気持ちを抱きながらの編集でした。(JST/深澤)

今号から、特別企画として「CREST 出産・子育て・介護支援制度利用者の声」の連載(予定)をスタート

し、第一回目として洪チーム洪グループの納富研究員にご執筆いただきました。我が家にももうすぐ 2 歳

の息子がおり、ドタバタの毎日。お子様二人の育児と研究を両立される姿には、個人的にも大変励まされ

る思いです。次号以降も、本制度利用者がご活躍されている様子をお伝えできればと思っていますので、

どうぞお楽しみに!(JST/工藤)

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Copyright: JST CREST-BIODYNAMICS(写真は各提供者による)

2017 年 10 月 1 日発行

国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)CREST「生命動態」研究領 域

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