第2次 日立市観光物産振興計画 - hitachi · 2020. 6. 18. · まちなか散策の促進...

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第2次 日立市観光物産振興計画 概要版 平和通りのさくらと日立風流物 平成25年3月

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Page 1: 第2次 日立市観光物産振興計画 - Hitachi · 2020. 6. 18. · まちなか散策の促進 「ひたち国際大道芸」、「ひたち秋まつり」の拡充 イ 日立地区

第2次日立市観光物産振興計画

概要版

平和通りのさくらと日立風流物

日 立 市

平成25年3月

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 近年、観光は交流人口の拡大による消費拡大や雇用機会の創出等により、地域経済の活性化に大きく寄与するものとして期待され、また観光に関する概念も従来の枠組を超え、食・文化・産業などが幅広く観光資源として活用されています。 本市では、平成 19年度に「日立市観光振興計画(平成 20~ 24年度)」を策定し、かみね動物園のリニューアル、たかはら自然塾の整備、地域ブランド認定制度などの施策を推進してきました。しかし、景気低迷の長期化や消費の減退、観光客のニーズや旅行スタイルの変化など、当市観光を取り巻く環境は大きく変化しており、一昨年3月の東日本大震災及び福島第一原発事故に起因する風評被害の払拭も、大きな課題となっています。 以上を踏まえ、本市観光を取り巻く社会・経済環境の変化や観光客のニーズ等の変化に対応し、持続的に観光施策を推進するため、「物産」関連事業の振興を含めた「第 2次日立市観光物産振興計画」を策定しました。

 策定の趣旨

入込客数 1,667 1,710 2,264 2,749 2,360 2,380 2,449 2,603 2,281 1,239

(資料:茨城県観光客動態調査及び当市試算)

(資料:茨城県観光客動態調査及び当市試算)

 本計画の期間は、平成 25年度から平成 29年度までの5年間とします。

 計画の期間

1)過去 10 年間の観光入込客の推移(単位:千人)

 日立市の観光の現状

2)月別観光入込客数(単位:千人)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

※東日本大震災等の影響により 前年度からほぼ半減しています。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月0

100

200

300

400

500

600

H16~H22平均 H22 H23

※4月・5月・8月に集中しており、 通年型への移行が望まれます。

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 日立市の観光の課題

 本市の有する海山の自然、市のシンボルでもある桜、ものづくりの歴史に培われた産業資産、かみね公園などの観光集客施設、日立風流物をはじめとする文化遺産など、それぞれの資源の特色に応じた魅力向上に努めるとともに、相互の連携強化や回遊性の創出などを図る必要があります。 また、「食」や「特産物」などのブランド化を推進し、既存観光資源と組み合わせた魅力づくりに取組む必要があります。

地域資源の活用と魅力づくり1

 平成24年度の「日立駅交流プラザ」開設を契機として、観光情報の集約や一元化を図り、タイムリーで質の高い情報提供を実現することが望まれます。 効率的な情報収集の仕組みと、受け手側のニーズに合った、効果的な情報発信の手法や媒体を検討する必要があります。

効果的な情報発信3

参加・体験型観光の推進2 近年の観光客のニーズは、団体で名所旧跡を巡る「広域周遊型」から、個人や小グループで地域に滞在し、自然や文化に親しむ「時間消費型」に移行しつつあります。 小規模であっても、「つくる・学ぶ・育てる」などの体験を通して地域との持続的な交流を育む、「参加・体験型」の観光を進めることが必要です。

ホスピタリティの向上と人材育成4 観光やビジネスで本市を訪れた方に良いイメージを与え、「もう一度日立に来たい」と思っていただくためには、おもてなしの心をもって接することが大事であり、そのための意識向上が必要です。 「市民一人一人が観光の担い手に」なっていただくための、人材育成が望まれます。

 従来の観光の枠を超えた幅広い分野(農林業、水産業等)との連携や、市民団体・NPO等との協働を進める上で、全体のマネジメントやコーディネートを行える組織や仕組みづくりが必要です。

コーディネート機能の創出5

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基本理念

多様な地域資源を活かし

        

交流と協働で育むもてなしのまち

基 本 方 針

 基本理念・基本方針と施策の方向

地域資源の活用と魅力づくり

・観光資源の掘り起こしと魅力向上・付加価値の高い商品・サービスの創出・観光資源の相互連携と回遊性の向上・国際化への対応

参加・協働・創造による持続的な交流の創出

・ニューツーリズムのための環境整備・フェアツーリズムの定着と推進

効果的な情報の発信

・案内表示の充実・インターネット、新たなメディアの活用・情報拠点の整備・着地型観光の推進

多様なニーズに対応した観光を担う人材育成と資質向上

・ホスピタリティの向上・観光ボランティアの育成と活用・新たな交流創出のためのネットワークづくり

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 基本方針に基づく施策一覧

地域資源の活用と魅力づくり1(1)観光資源の掘り起こしと魅力向上

① 産業の発展と環境への取組を学ぶ「スタディツアー」の創出② 環境とさくらの「ものがたり」の活用③ 日立独自の産業観光「メタルツーリズム」の創出

ア 産業と環境をモチーフにした観光の推進

④ さくらをモチーフにした商品の開発促進⑤ 市の花「さくら」保護育成の推進⑥ 「日立さくらまつり」の充実

イ 市の花「さくら」をモチーフにした観光の推進

⑦ 海を活用した観光の推進⑧ 海水浴場の環境整備⑨ 山を活用した観光の推進⑩ ハイキングコースの環境整備

ウ 自然や景観をテーマにした観光の推進

⑪ アンテナショップ等での物産販売の拡充⑫ 日立らしさのある土産品の開発及び販路拡大⑬ 地場産の素材や郷土料理を活用した「食」による魅力づくり⑭ 「日立港秋の味覚まつり」の拡充

エ 「食」や「物産」による魅力づくりの推進

⑮ 日立風流物など文化財の活用⑯ 文化遺産周遊ルートの設定と活用

オ 歴史・文化をテーマにした観光の推進

⑰ かみね公園の魅力向上⑱ 奥日立きららの里の魅力向上

カ 観光集客施設の魅力向上

(2)付加価値の高い商品・サービスの提供⑲ 地域ブランド認定事業の推進と販路拡大⑳ カンブリア紀の地層の活用

(3)観光資源の相互連携と回遊性の向上

  ウミウ捕獲技術と徒歩鵜漁の活用  景観や温泉等を活用した総合的な魅力づくり

ア 十王地区臨海部

  多様な資源のネットワーク化による回遊性の創出  まちなか散策の促進  「ひたち国際大道芸」、「ひたち秋まつり」の拡充

イ 日立地区

  河原子海岸~水木海岸の活用  ビーチスポーツ・マリンスポーツの大会開催  海のイベントの開催

ウ 中南部地区臨海部

大 煙 突 と 大 島 桜

地域ブランド認定品(食のきわみ)

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(4)国際化への対応

  中里・高原地区におけるグリーンツーリズムの推進  農家民泊等の促進  観光農園、体験農園の充実

エ 北西部地区山間部

  市内周遊ルートの設定と活用  近隣地区観光資源との連携

オ 回遊性の創出と向上

  茨城空港を活用したアジアからの誘客促進  案内板等の外国語表記の推進

参加・協働・創造による持続的な交流の創出2  農業体験、漁業体験等のプログラム・メニューの開発  フェアツーリズム(※)に関するフォーラム等の実施  国内版「ワーキングホリデー」の受入  姉妹都市・友好都市等との交流の拡充  スポーツ合宿及び研修合宿等の誘致

効果的な情報の発信3  観光施設等案内板・誘導標識の効果的な設置  ホームページの充実とフェイスブック等新たなツールの活用  フリーペーパー等、民間情報誌の活用  日立駅情報交流プラザの機能充実  着地型ツアーの実施

多様なニーズに対応した観光を担う人材育成と資質向上4ア ホスピタリティの向上  「おもてなし」意識の向上  市民の郷土意識の醸成  観光施設のバリアフリー化の推進

イ 観光ボランティアの育成と活用  ボランティアガイドの育成  参画型ボランティアの育成

ウ 新たな交流創出のためのネットワークづくり  市内外の「日立観光応援団」の結成  「ステップイヤー」や「インターンシップ」の受入

たかはら自然塾・農業体験

日立のまち案内人

(※)フェアツーリズムとは1 「フェアツーリズム」とは、グリーンツーリズムなどニューツーリズムへの取組の中で生み出された新しい概念…「公平・公正な観光」です。

2 ひとことで言えば、観光客(ゲスト)の需要だけに基づく開発やおもてなしに終始する従来型の観光とは違い、受入地域(ホスト)にとっ  てもメリットがある旅の形を目指すものです。

3 訪れた方は、「つくる」「学ぶ」「育てる」などの体験を通して、感動や受入側との交流を創出します。  受入側も、利益を優先して過剰なサービスに走るのではなく、社会的自己実現や生きがい創出を目標としながら、達成感を享受します。

4 一度に大勢の観光客を受入れて大量消費を目指す観光ではなく、規模は小さくても何度も足を運んでもらえるような「身の丈に合った」  観光を目指します。

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 重点プロジェクト

産業と環境をモチーフ(題材)にした観光の推進1 ものづくりのまちとして発展した本市の特色である「産業」と、近代産業の創生期における煙害克服など「環境への取組」をモチーフとして「学び」「交流」「体験」等のできる当市独自の「産業観光」に取組みます。 煙害克服の歴史と「さくら」を関連付け、他所の「さくら」との差別化を図ります。

○ 産業の発展と環境への取組を学ぶ「スタディツアー」の創出○ 日立独自の産業観光「メタルツーリズム」の創出○ 環境とさくらの「ものがたり」の活用○ 市の花「さくら」保護育成の推進

海を活用した観光の推進2 本市の「海」を、海水浴だけでなく景観や砂浜、遊歩道、港等を活用したスポーツ、レクリェーション、イベント等の場として、年間を通して総合的な活用を図ります。

○ ビーチスポーツ・マリンスポーツの開催○ 海のイベントの開催○ 河原子海岸~水木海岸の活用

参加型・体験型ツーリズムの推進3  近年の観光客のニーズを踏まえ、一定期間の滞在を前提とした「参加型・体験型」ツーリズムの推進により、来訪者と地域の持続的な交流を創出します。

○ 中里・高原地区におけるグリーンツーリズムの推進○ スポーツ合宿及び研修合宿等の誘致○ 国内版「ワーキングホリデー」の受入

 その土地でしか食べられないものを食べ、その土地でしか手に入らないものを買うことは、観光の大きな楽しみです。 「食」や「物産」の開発や販路拡大等を支援し、まちの魅力を高めます。

○ 日立らしさのある土産品の開発及び販路拡大○ 地場産の素材や郷土料理を活用した「食」による魅力づくり○ アンテナショップ等での物産販売の拡大

「食」や「物産」による魅力づくりの推進4

おもてなしの心を持った人材育成5 まちぐるみで来訪者を迎える雰囲気と環境を創出するため、観光事業者の「おもてなし意識」の向上を図るとともに、市民や市民団体の観光まちづくり活動を支援します。

○ 「おもてなし講座」等の開催○ ボランティアガイドの育成○ 参加型ボランティアの育成

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 推進体制の整備

 観光協会には、「観光まちづくり」に関わる多様な事業者、団体、NPO等の連携・協働の場となるよう、会員の構成や事業の方向性に変革が求められています。 柔軟で幅広い会員構成、物産事業への取組、自立性の強化、財源の確保などの課題に取り組みながら、「(新)日立市観光物産協会」への移行を促進します。

日立市観光協会の体制強化日立市観光協会の体制強化11

 これからの「観光まちづくり」を進めていく上では、これまでのように観光関連事業者や団体、行政だけでは限界があります。 まちぐるみで来訪者をおもてなしするため、イベントやガイドツアー等の現場だけでなく、その企画段階からボランティアが参画できる仕組みづくりに取組みます。

 本計画に基づき、産業観光、食や物産への取組、イベントの魅力向上、市内回遊性の向上等を進めるためには、商工業者や農漁業者など異業種との交流や連携が必要です。異業種間の交流等を促進するため、協議会的な組織や日常的な意見交換のできる「場」の創出に取り組みます。

異業種間の連携強化3

ボランティアの活用2

第2次日立市観光物産振興計画 ≪概要版≫

発 行:日立市 産業経済部 観光物産課    〒 317-8601 日立市助川町 1-1-1TEL:0294-22-3111 内線 406    050-5528-5106(IP 直通)e-mail:[email protected]

市民・市民団体

行  政

(新)日立市観光物産協会

観光事業者等

商 工 業 者

農 漁 業 者

その他事業者

コーディネート機能

【コアとなる組織の検討】【コアとなる組織の検討】

+ボランティアスタッフ

異業種間交流異業種間交流

【推進体制のイメージ】