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1 NO.134/ 2016.1 月号 カトリック厚木教会 243-0014 神奈川県厚木市 旭町 2-7-11 TEL.046-228-4164 FAX.046-228-4150 60年ぶりにやって来た「丙申」の年 新年明けましておめでとうございます。 「丙申」、「ひのえさる」、古代中国の伝統で は、60年周期の暦は繰り返されると考えられ ているそうです。60年前の1956年、エジ プト政府による強硬なスエズ運河国有化に端 を発し、イスラエル軍がシナイ半島へ侵攻し第 二次中東戦争が勃発したとありました。また、 東欧では冷戦真っただ中、ソビエト連邦の圧政 がハンガリーやポーランドの民衆の不満を爆 発させたものの、圧倒的に優勢なソ連軍によっ て抑え込まれたとも記されていました。 今の世界情勢も、イスラム国の存在や貧困、 環境問題の悪化など不安と緊張は前にも増し て高まっています。戸惑い、呆然と立ち竦んで いる子どもたちや女性、お年寄りの姿が目に浮 かんできます。 1月1日夕刻、鎌倉の雪ノ下教会大聖堂前で、 昨年に続き「鎌倉キリスト教万灯祈願」を行い ました。「『ひとりが一灯を捧げ、万人が捧げて 万灯となる』六角形の万灯ろうそくに願い事や 名前を書き込んで火を灯し、ご家族やご友人、 また、世界のひとたちのためにお祈りいたしま しょう」と、鶴岡八幡宮で初詣された帰りがけ の方々に呼びかけました。8年前、鎌倉の長谷 寺で元旦深夜に行われるようになった「鎮魂の 万灯会(まんどうえ)」を翌日の夕刻、カトリ ック教会で繋ごうという思いで、長谷寺の協力 を得、昨年からこれをはじめました。 降誕祭から続くイエス・キリストの公現の「光」 は、新年のこの「灯」と良く調和するように思 います。数百の「灯り」を眺めながら、共に手 を合わせ、「平和な良い年になるといいですね」 と声を交わしました。その中、ヒンドゥー教の グル(宗教指導者)スワミ・ジ師の姿もありま した。元旦になるとお弟子さんを引き連れ逗子 の山から鎌倉に下り、大仏、カトリック雪ノ下 教会、鶴岡八幡宮を巡る祈りを三十年間続けて おられる宗教家です。 「光は、ひとに道を示しますよ。自然と手も 合わせたくなります。一緒に、世界が少しでも 良い方向に進むように、今年も祈っていきまし ょうね」スワミ・ジ師のことばは、共に祈れる 喜びとその力を改めて感じさせてくださいま した。60年後に、新しいイメージの「丙申」 を伝えることができるように、私たち一人ひと りが希望の光を放つ「小さな道具」として 2016年を生きていければと願います。「灯」 にてらされながら。 小教区管理者 山口道孝神父 「林中の譚(たん)」に学び、みな仲良く (山口神父様 ボルネオ島にて撮影)

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Page 1: 60年ぶりにやって来た「丙申」の年catholic-atsugi.sakuraweb.com/Sintonokata/Atsugi/2015nen/...1 NO.134/ 2016.1 月号 カトリック厚木教会 〒 243-0014 神奈川県厚木市

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NO.134/ 2016.1月号

カトリック厚木教会

〒243-0014 神奈川県厚木市 旭町 2-7-11 TEL.046-228-4164 FAX.046-228-4150

60年ぶりにやって来た「丙申」の年

新年明けましておめでとうございます。

「丙申」、「ひのえさる」、古代中国の伝統で

は、60年周期の暦は繰り返されると考えられ

ているそうです。60年前の1956年、エジ

プト政府による強硬なスエズ運河国有化に端

を発し、イスラエル軍がシナイ半島へ侵攻し第

二次中東戦争が勃発したとありました。また、

東欧では冷戦真っただ中、ソビエト連邦の圧政

がハンガリーやポーランドの民衆の不満を爆

発させたものの、圧倒的に優勢なソ連軍によっ

て抑え込まれたとも記されていました。

今の世界情勢も、イスラム国の存在や貧困、

環境問題の悪化など不安と緊張は前にも増し

て高まっています。戸惑い、呆然と立ち竦んで

いる子どもたちや女性、お年寄りの姿が目に浮

かんできます。

1月1日夕刻、鎌倉の雪ノ下教会大聖堂前で、

昨年に続き「鎌倉キリスト教万灯祈願」を行い

ました。「『ひとりが一灯を捧げ、万人が捧げて

万灯となる』六角形の万灯ろうそくに願い事や

名前を書き込んで火を灯し、ご家族やご友人、

また、世界のひとたちのためにお祈りいたしま

しょう」と、鶴岡八幡宮で初詣された帰りがけ

の方々に呼びかけました。8年前、鎌倉の長谷

寺で元旦深夜に行われるようになった「鎮魂の

万灯会 (まんどうえ)」を翌日の夕刻、カトリ

ック教会で繋ごうという思いで、長谷寺の協力

を得、昨年からこれをはじめました。

降誕祭から続くイエス・キリストの公現の「光」

は、新年のこの「灯」と良く調和するように思

います。数百の「灯り」を眺めながら、共に手

を合わせ、「平和な良い年になるといいですね」

と声を交わしました。その中、ヒンドゥー教の

グル(宗教指導者)スワミ・ジ師の姿もありま

した。元旦になるとお弟子さんを引き連れ逗子

の山から鎌倉に下り、大仏、カトリック雪ノ下

教会、鶴岡八幡宮を巡る祈りを三十年間続けて

おられる宗教家です。

「光は、ひとに道を示しますよ。自然と手も

合わせたくなります。一緒に、世界が少しでも

良い方向に進むように、今年も祈っていきまし

ょうね」スワミ・ジ師のことばは、共に祈れる

喜びとその力を改めて感じさせてくださいま

した。60年後に、新しいイメージの「丙申」

を伝えることができるように、私たち一人ひと

りが希望の光を放つ「小さな道具」として

2016年を生きていければと願います。「灯」

にてらされながら。

小教区管理者 山口道孝神父

「林中の譚(たん)」に学び、みな仲良く

(山口神父様 ボルネオ島にて撮影)

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クリスマスミサ

2015年のクリスマスミサが12月24

日と25日に山口神父様の司式により行われ

ました。 山口神父様は説教で「数日前の日曜日に少し

お話ししたのですが、マリアとヨゼフがナザレ

の町からベツレヘムまで住民登録に行った。こ

の距離がすごく長い、120キロ。ここから静

岡の向こう位まで、それも標高差がすごくあっ

てそこをマリア様をロバに乗せて歩いて行っ

た。それ程大変な思いをしてイエス様がお生ま

れになった。そしてプレゼピオ(イエス・キリ

スト生誕の模様を再現の意味)馬小屋のイメー

ジなのですが、あの当時の馬小屋というのは木

をたくさん使って作るというのは有り得なか

った。飼葉桶も同じです。

みんな洞窟に住んでいて、洞窟の入り口の所

が馬小屋だった。飼葉桶も当然石をくり抜いて、

馬のエサが入るようにしていた。そういう飼葉

桶に寝かされた主イエス。本当に暗い中で冷た

い石の上にただ藁だけ載せられて生まれた。そ

してそれを見ていたのは素朴な何も分からな

い羊飼い。それしか居なかった。プレゼピオを

作りだしたのは、アシジのフランシスコだと言

われている。その時はかなりオリジナルに近か

ったと思います。本当に貧しいどん底の中で生

まれた。そしてそれは誰にも注目されなかった。

もしも華やかに注目されていたならば、聖書に

イエス様の子供時代の事が書かれているはず。

でもそれは何もない、誰も知らない。だからこ

そ大事。蛍の光のようにそこに光があって、そ

れが多くの人達の特に貧しい人達の希望とな

る光となる、その為の光がこのクリスマスに始

まるという事だと思います。そのイエス様のど

ん底だからこそ後でパワフルになっていくこ

のキリスト教の始まりは、とてもユニークで他

の宗教には見られないものです」と話されまし

た。クリスマスミサに与かった人数は24日午

後7時に360人、午後8時30分に220人、

25日午前0時に38人、午前10時に150

人でした。 2015年12月8日無原罪の聖マリアの

祭日から2016年11月20日王であるキ

リストの祭日まで、「いつくしみの特別聖年」

になります。神のいつくしみの最高のわざとは、

御言葉の受肉と

その救いのみわ

ざ、つまり御独り

子の受難と十字

架の死です。主イ

エスがこの世に

来られたのは、神

のいつくしみ深

い愛を示す事に

よって、人間を神

へと引き寄せる

ためでした。主イエスは言われます。「最も大

きな罪を犯した人であっても、私の憐みを願う

ならば、私は彼に罰を与える事が出来ない。そ

の代わりに、私の限りない、いつくしみによっ

て彼を義とする」「痛悔する霊魂にとって、私

はいつくしみそのものである」「全人類は、私

の限りないいつくしみを見極めるように。それ

は終末の時のためのしるしである。」(神のいつ

くしみへの礼拝より) この恵みである聖年を相応しく過ごすこと

ができますように。 (広報部 鈴木(正))

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待降節黙想会

黙想会の指導司祭の要望により、ホームペー

ジへの記事掲載を削除しました。

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「ローマ・ミサ典礼書の総則」に

基づく変更箇所の説明会

新司祭 内藤聡神父様ごミサ

11月8日 第 2ミサ後、山口神父様が配布さ

れた冊子(注1)に基づいて変更箇所の説明をさ

れました。これはあくまでも、日本語のミサにお

ける変更点です。

説明にあった変更点の主なものを以下に記

します。

[動作・姿勢]

・参加者一同が共通の姿勢を守ることによって、

祭儀に集まったすべての人の一致がしるし

として表されます。

・ミサの中では立つことと座ることを基本姿勢

とします。但し、立つことが定められている

場合でも、健康上の理由や他の重要な理由が

ある場合は座ることができます。

・パンとぶどう酒の聖別のとき、会衆はひざま

ずくのではなく立ったまま手を合わせます。

・拝領は立って拝領することを原則とし、左手

を上に右手を下に重ねて聖体を左手で受け

取ります。(左ききの方も左手が上と神父様

は言われました。)

[沈黙]

・ミサ中のみならず、ミサの前と後の沈黙が、

教会堂はもちろん、教会堂に隣接する場所で

も守られるよう配慮します。(厚木教会では

もっと沈黙が必要と神父様が言われまし

た。)

(注1)冊子標題:新しい「ローマ・ミサ典礼

書の総則」に基づく変更箇所 -2015 年 11 月

29日(待降節第 1主日)からの実施に向けて。

著者:日本カトリック司教協議会

その他については本冊子を熟読してください。

(広報部 山内)

11 月 22 日、昨年 4 月 29 日に叙階された内

藤聡神父様(末吉教会出身)司式によるミサが

行われました。説教では内藤神父様の召命に関

して次のように話されました。 「両親に連れられ

て末吉教会のミサに

与るうちに、小学 6年のときに受洗しま

した。その後、末吉教

会で神父様方(小笠原

神父、林神父、保久神父、カンペンハウド神

父・・・)との出会いがあり、だんだん神父様に

なる気持ちになっていきました。同じ教会出身

の田邉神父様(2 年前に叙階)より勇気を与え

られ、神父様になる決意が固まりました。 神学校時代は大変な思いをしましたが、愛で

包んでくださる神様とイエス様にゆだねて支

えられてきました。」 ミサ閉祭前に日曜学校の子供たちから内藤神

父様に花束が贈られ、子供からのお礼の言葉とし

て「神父様の説教は分かり易かったです」と述べ、

会衆の笑いに包まれました。

また、ミサに与られた神父様のおじい様とお兄

様も紹介されました。

ミサ後、信徒会館で叙階のお祝いの席が設け

られ、神父様は「祝 初ミサ」の文字入りケー

キに入刀され、くつろいだ様子で参加者と歓談

され、質問にも快く応えておられました。

(広報部 山内)

神父様、お兄様、おじい様

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第 48回 横浜教区

一 粒 会 大 会

10月 12日(月)体育の日に、カリタス

女子中学高等学校(川崎市多摩区)で一粒会

大会が開催されました。厚木教会からの参加者

は 27名。横浜教区全体では、司祭 40名、助祭

2名、大人の信徒 1300名、子ども 200名でした。

主なプログラム

・開会式

・第1講話 講師: 古巣 馨 師(長崎教区)

・第 2講話 講師: 市岡之俊 師(横浜教区)

・昼食

・ごミサ

・金祝・銀祝司祭ならびに参加司祭の紹介

・閉会式

第一講話

信徒発見 150周年に当たる今年の一粒会第1

講和のテーマは「小教区は司祭召命の畑―司祭

を生み出す豊かな畑となるために―」でした。

先ず神父様は司祭の使命、司祭と教会の関係

について述べられました。次に日本における司

祭養成の経緯を、長崎五島出身の神父様らしく

隠れキリシタンと教会、初期の司祭養成につい

ての高山右近の努力等について話されました。

そして、たまものとしての司祭職になるために

は、皆に仕える僕とならなければならない。ま

た人をキリスト信者とするのは、ある出来事と

の出会い、ある人格との出会いであると説かれ

ました。更に司祭の喜びとは、貧しさ、忠実さ、

従順を共にする喜びであると。

最後に「司祭を生み出す教会へ」について、

ある司祭の遺言として ①受け入れること

②捧げること ③感謝すること、の 3つを掲げ

られました。

第二講話

テーマは、「日本における司祭養成の現状と

将来への展望」でした。 2009 年に 2 つあった

神学校を統合して作られた日本カトリック神

学校について、当初の設立目的と 6年経過後の

現状、それに将来に向けた展望を述べられまし

た。 即ち、教会の一致と交わりを目指し設立

された日本カトリック神学校も今は学生数総

勢 38 名と減少傾向にあり、しかもその約 1/5

は、外国籍となっていること。また、神学生が

6 年間通う福岡キャンパスと東京キャンパスの

拠点が 2 つあることにより、却って神学生/講

師のスケジュール調整や重複財政等の運営上

の課題も上がってきている。この為、外国籍信

徒の司祭受入れや 2拠点の弊害を克服すべく一

本化対応等の取組みを通じ、サブテーマ“新し

いぶどう酒は、新しい革袋”に上手くたとえて

お話くださいました。

厚木教会でも外国人信徒の教会活動貢献は

大きく、“新しいぶどう酒”が熟成されつつあ

るように思います。第一講話の古巣神父様の

「司祭を生み出す教会へ」と合わせ、これまで

の一粒会が担ってきた司祭召命も、変わりつつ

ある日本の社会情勢への対応が迫られている

ように思いました。この為にも、今年は子ども

たちも一粒会大会に参加できるように、準備を

していこうと考えています。

なおこの大会の詳細は、後日発行される「一

粒会だより」をご覧ください。

一粒会委員

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2015年バザーを振り返って

バザー実行委員 鶴(32CM)・土谷(18CM) 本年度のバザーも、昨年度に引き続き聖堂を

会場とせずに、中庭と信徒会館を主な会場とし

て盛大に行われました。天候にも恵まれ、楽し

い一時を過ごすことができ、本当に感謝してい

ます。

聖堂の展示内容については、昨年度がボブ神

父様の司祭服など多彩なものであったため、ご

担当のグループは今年どうするか、さぞご苦労

が多かったのではと思います。そういう折に、

ちょうど山口神父様よりごミサの中で、世界中

で NPOのプロジェクトを手がけておられるお話

がありました。ベトナムでのその支援プロジェ

クトのご紹介でお聞きした様々な事実は、とて

もここに簡単に書けるようなレベルではない、

大変に過酷な状況の中で生きている子どもた

ちや現地の施設のことでした。

今回の聖堂の展示内容は、その山口神父様が

お持ちになられたプロジェクトに関する資料

と、ご寄付を募るとともに折り鶴を折って、い

っしょにプレゼントするというアイデアで、と

ても良い内容にまとまっていました。

また、恒例になっているバザー券の抽選につ

いてもいろいろな反省点なども出たことも踏

まえ、今年は賞品の内容がバラエティー豊かな

ものになっていました。抽選の様子もわかりや

すく、盛り上がることができていたと思います。

何日にもわたって販売をしていただいたグル

ープの方々もお疲れ様でした。

食べ物関係は、例年のようにどこも美味しく

評判が良かったです。カレーなどは前日より用

意して、うまく低温保存されていたのには、さ

すがに経験の豊富さを物語っていたと思いま

す。

また、近年の国際化を反映してか、「親父の

会」が「Oyaji no kai」となっていて、普通の

ビールなのに「ビール系飲料」という名目で販

売されおり、センスが一枚上手だな、と感心さ

せられました。

バザー献品については、今年も多くの献品に

ご協力いただきました。たくさんの品物の値段

付けと整理も、段取り良くグループの中でテキ

パキと進められていたのが印象に残っていま

す。

教会学校も、子どもたちは一生懸命がんばっ

ていたと思います。風の会やぶどうの実の会の

皆様もお疲れ様でした。とても、心のこもった

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七五三のお祝い

手芸品等で心あたたまる思いでした。

ご来場の方々は、あいにくと教会関係以外の

方は少なかったようにも思われますが、地域の

方とのコミュニケーションにも配慮していた

だくことができました。

今年のバザー収益は、約43万円ということで

したので、そのおよそ半分をベトナムのフラン

シスコセンターへ寄付し、残額につきましては

今後また適当な寄付先に支援をしていくこと

になりました。

皆様の力で厚木教会として、信仰のはたらき

を伝えていくことができることをともに喜び

たいなと思います。ありがとうございました。

11 月 15 日年間第 33 主日のミサで 1 名のお

子さんが祝われました。 ミサの始めに山口神父様は、「この日のミサ

で七五三の祝福を受けるお子さんが豊かな神

様のお恵みを与えられますように」と祈られま

した。 山口神父様は説教で、「昔北朝鮮との国境で

中国側の丘の上にある古びた教会を調査のた

めに訪ねたとき、気温は氷点下23℃で大変寒

い時でした。その教会の司祭は70代の神父様

で、昼食に出された食事はおかゆのようなもの

と卵だけでした。帰る際に教会の外には米俵が

積んであるのに気づき、その神父様に聞いたら、

その米は北朝鮮の貧しい人たちに渡すための

もので、今日は山口神父様が訪れたので卵を付

け加えたとの返事でした。確かに中国側の家々

からは煙が立ち上っていたが、北朝鮮側の家々

からは全く煙は上っていない光景を見ました。

自分たちの食事を犠牲にしてでも、もっと困っ

ている人たちにお恵みを施していることに胸

を打たれました」と話されました。 七五三の儀式では聖水による祝福がされ、

「今日、七五三を迎えたお子さんが共同体の一

員として健やかに成長しますように」と祈られ

ました。ミサ閉祭前に神父様からプレゼントが

渡され、お子さんはうれしそうに受け取ってい

ました。 (広報部 山内)

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2015年第 7地区合同集会

レクチオ デヴィナ「聖書を読み 祈る」

赤堀万里子(30CM)

第 7 地区宣教委員会の合同集会は例年では、

野外ミサに与り、レクレーションをして交流を

深める形で行われてきました。今年は厚木教会

が主催することになっていました。 宣教部では成田委員長の発案で、レクチオ

デヴィナ「聖書を読み 祈る」の集まりをする

ことに決まりました。 レクチオ デヴィナは厚木教会では宣教部の

活動として、2 年前の 4 月から月 1 回、その後

月2回と続けてきていますが、今のところ皆さ

んに馴染みになっていないかな?と少し不安

でもありました。 11 月 8 日午後冷たい雨の降る中、教会の聖堂

には 3 つの教会から総勢 43 名の信者が集まり

ました。厚木 21 名、大和 12 名、相模原 1 名、

南米グループ 9 名でした。 集会の始めに当たり、山口神父様は「これか

らのカトリック教会の展望において、地区の小

教区共同体が連携し交流することの実りと意

義」を話され、このように集まってみことばを

味わう機会は大切と励ましをいただきました。

初めての参加の方たちも多く、レクチオ デ

ヴィナの説明後、43 名は5-6人ずつ分かれて

小さな祈りのグループが7つできました。

祈りのために選ばれた箇所は次の通りです。

1.ヨハネ 5章1-9 ベトサダの池 2.ルカ 23章26-31 十字架の道 3.ヨハネ 15章1-8 ぶどうの木 4.ヨハネ 2章1-11 カナの婚礼 皆さんがエピソードとしてよく知っている

箇所です。 レクチオ デヴィナは古代の修道院では、祈

る人は聖書を読んでは目を閉じ何か思いめぐ

らしているように見え、そしてまた少し読み進

めるということを繰り返していたそうです。 聖書を読むこと自体が祈りだったということ

です。 レクチオ デヴィナは4つの段階からなって

います。 1.読書 [Lectio] 神様からの手紙のように、

ゆっくり何度も読む 2.黙想 [Meditatio] 思いめぐらす 3.対話 [Oratio] 神様に語りかける。祈り。 4.観想 [Contemplacio] 神の前にとどまる。賛

美と感謝のうちに頂いた恵みを深く味わう。

数人が集まってこの祈りをする場合、リーダー

の誘導のもとに このステップを順に追って体験

していきます。

繰り返し みことばを読み、心にどう感じたの

か?神様は私に何と呼びかけてくださっている

のか?どう味わっていたのか?など、参加者は沈

黙の間頂いた恵みを分かち合うのです。

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2015年バザーを振り返って 新成人お祝いミサ

一人で聖書を読むよりも多面的にその箇所

をとらえられ、今まで気づかなかったと思うこ

ともしばしばあります。静かで喜びも深く、み

ことばを味わうという豊かな時間の流れがあ

ります。

同じ教会であっても、普段は自分をそれほど

開示することもなく、やり過ごすのが多い私た

ちです。聖書の箇所を読み味わい分かち合うこ

とで、面識の無かった人たちとも違和感もなく

交流することができましたし、同じ教会の方で

あれば今までよりも もっと親近感を持つこと

ができるように感じました。

さて 1 時間くらいの祈りの後、信徒館でのお

茶会の状況はどうだったのでしょう。 時雨模様の天気にも拘わらず、明るい和気あい

あいの雰囲気で、知らない人同士も混ざり合い

会話が弾んでいたのです。皆それぞれに、心豊

かな思いを抱いているように感じられました。 「喜んで頂けましたか?」「ええもちろんです

とも」と言って頂けたことは大きな恵みでした。

“主の洗礼”の祭日である1月10日の成人式

お祝いミサで3名の新成人が祝福されました。 山口神父様は、ミサの中で新成人に向けて次

のようなことを話されました。

・イエス様が洗礼を受け、祈っているとき、鳩

(聖霊)が降ってきて、「あなたは私の愛する子、

私の心に適う者」と聞いているように、皆さん

の洗礼のとき見えないですが、鳩(聖霊)が降っ

ており、今日は神様が同じことを皆さんに言わ

れていることを改めて思い返えす日です。 ・貧しい人に福音を告げる為にイエス様に聖霊

が降った。これがキリスト教のベースであり、

私たちは貧しい人に福音を伝えないとキリス

トに生きていることにならない。 新成人の方もイエス様の価値観を持って貧

しい人や困っている人に自分にできることは

何かないか、といつも考えながら生きていくこ

とが自分にとっても幸せになることでしょう。 お祝いの式で新成人の方々は、洗礼の約束の

更新をされ、神様から示される道に励む約束を

され、また祭壇上で一人ひとりが「キリストの

御血」の拝領に

与りました。 ミサ閉祭前、

山口神父様か

ら記念品とし

て、新成人一人

ひとりに本(注

1)とマザー・

テレサの祈り

のカードが贈

られ、ミサ後、

神父様との記

念写真やご家

族との記念写

真が撮られま

した。 注1):「そよかぜのように生きて ~旅ゆくあ

なたに」(バレンティンデ・スーザー著(イエズ

ス会のインド人神父)) (広報部 山内)

南米グループの人たちの祈り

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クリスマスコンサート

(若者たち 子どもたちも)

コンサートを終えて、この企画を担当した青

年会の Kentaro H.さんが「10年ぶりに教会全

体のクリスマスコンサートができて、みんなが

一つになった気持ちがしました」と嬉しそうに

感想を述べていました。12月 20日のミサ後、

観客のみんなが笑顔になったひと時でした。

トップバッターは聖歌隊と有志の方。水色の

スカーフに緑のクリスマスリースをつけて、

「しずけき」「We Wish You a Merry Christmas」

モーツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

「きたれ友よ」を、曲に合わせてアカペラや二

部や三部合唱、時には鈴やトライアングルを使

って歌いました。指揮は Toshiki H.さんです。

フィリピンコミュニティーの方々はお揃い

のサンタ帽に赤いシャツ。小林グロリアさんの

独唱「Holly Night」には、思わずみんなが

聞き惚れてしまいました。その他、ラパパンパ

ンでお馴染みの「Little Drummer Boy」「Feliz

Navidad」そしてジングルベルロックなどのク

リスマスメロディーを明るく楽しく歌ってく

ださいました。電子オルガンも迫力があって、

観客のみなさんが自然に手拍子を取って盛り

上がりました。

小林グロリアさんと Kentaro H.さんの歌われ

た「恋人たちのクリスマス」は、聖堂いっぱい

に声が響き渡り、みんなを驚かせました。

最後は Seito I.君(中1)の司会で日曜学校

の子どもたち約 20人が一生懸命歌いました。

曲目は「サンタクロースがやってくる」「聖夜」

「あめのみつかい」「あわてんぼうのサンタク

ロース」・・・すると本物の?サンタクロース

が登場。「みんなの歌はどうでしたか」の質問

に「Very Good!」(とても良かったです)と

サンタさんの英語をミカエラ・ニコルさん(

6年)が和訳してくれました。

サンタさんからプレゼントをもらった子ども

たちに、山口神父様は質疑応答形式でクリスマ

スの意味を考えさせ「世界にはプレゼントをも

らえなかったり、ごちそうを食べられなかった

りする子どもがたくさんいます。そのような子

どもたちのためにもお祈りしましょう」と。

クリスマスツリーは、

日曜学校の子どもたちがデ

コレーションしました。

小島敏夫さんが焼き物の粘

土を寄付して下さり十字架

やステッキなどの飾りを一

人ひとりが工夫しながら作

ったんですよ。

(広報部 松本)

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あかしの会報告

~聖書に生きていた姉~

11 月 29 日ミサ後に宣教部主催のあかしの会

が開催され、小原さんの胸を打つお話の後に出

席者の中から「聖書に生きていた方」ですねと

の発言があり、内容を表すぴったりの表現なの

でタイトルに記しました。 (広報部 山内)

小原 恵利子(32CM)

今年の年頭の祈りの中で神様に「もっと心を

開きなさい」と、呼びかけられたように感じた

ので「何か・・・」と考えておりましたら、神

様の導きでレクチオとフォコラーレの会に参

加することになりました。 聖書の御言葉を深

く味わううちに、姉が

体験した神様の御業

を分かち合うように

なり、あかしの会でお

話させて頂くことに

なりました。 姉は気性の激しい性格で、幼いころ私は良く

いじめられ、母にとっても手に負えない子だっ

たようです。その姉が 27 歳の頃、聖書と出会

い、1 年をかけて旧約から新約まで読み、5 年

をかけて 5 回繰り返して読み続け、翌年受洗し

ました。聖書はボロボロになっていました。 受洗後は徐々に価値観が変わり神様を一番

に考えるようになり、祈る人になりました。 また、困っている人を見れば自分の食べ物やお

金を差し出し、いつもギリギリの生活でした。 姉は亡くなる 5年前から教会で神父様のお手

伝いや電話番等をさせて頂いていました。そん

な頃、姉が 45 歳の時、肺肉腫という当時日本

では 8 例しかないという不治の病にかかり、余

命 3 か月の宣告を受けました。姉の様子は見た

目には元気そうで点滴棒を片手に聖書を抱え

て同室や隣の病室を巡り、御言葉を読み伝えま

わっていました。 病状は進み食事

も喉を通らず、つば

を飲み込むだけで

30 分ぐらいせき込

み苦しむようにな

り、食事は全て点滴

栄養になった頃、神

父様がご聖体を持

ってきて下さいま

した。私は姉が苦し

むのでは・・・と心

配になりましたが、姉は何の躊躇もなく手を差

し出し、ご聖体を飲み込みました。ご聖体は姉

の体の中にスッと入り、咳一つ出ず、姉の目か

らは感謝の涙が溢れました。私はご聖体の秘跡

をこの目で見て確信にいたり、弱かった私の信

仰も強められました。 当時は病人に告知をすることに積極的では

なく、姉にも告知していませんでした。私は主

治医と話し合い、ようやく告知することになり

ました。告知の瞬間は少し驚いた様子でしたが、

すぐに平和な顔になり受け止めたようでした。

病院のお庭を散歩しながらつぶやいた言葉は

今でも忘れることができません。「私、幸せ」

と一言。聞き返すと「私本当に幸せなの・・・。

小さな者になりたかったの・・・。今私は自分

では何もできないし、何も持たない・・・ただ

神様に委ねているだけの私。一番小さな者にな

ったのよ」と、輝くような天使のようなほほ笑

みでした。 死が近づいて来た頃、「毎晩、恵利子をいじ

めていた夢を見るの・・・。神様が見せて下さ

っていると思う」と言い、温かい眼差しで「ご

めんね」と謝ってくれました。ある日「もう夢

を見なくなったの・・・。天国が近づいている

みたい・・・」と言いました。 亡くなる前日の早朝、私の耳に「病者の秘跡」

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異動情報

(2015.10.1~12.31) 敬称略

編集後記 広報誌づくりに参加して見ませんか?

という言葉が 3 回聞こえました。神様だと思い

ました。その夜神父様にそのことを伝え、病者

の秘跡を授けて頂きました。姉は亡くなる前日

まで点滴棒片手に御言葉を伝え、外見も変わら

ずでした。翌朝、静かに息を引き取り天国に旅

立ちました。 主治医より解剖依頼があり、結果は驚くべき

ものでした。内臓のほとんどに肉腫が浸潤して

おり大動脈まで食い込み、あと少しで大事にな

るところだったと主治医。これだけすごい状態

で痛みも訴えず、告知後からの輝くような笑顔

に皆驚き、神の御業であると感じさせられたよ

うでした。 葬儀は、小さく何も持たない姉とは反対に大

きな教会に入りきれない程の献花の列でした。

葬儀ミサで神父様が「みどりさんは元気な頃、

毎日告解に来ました。沢山信者を見てきました

が、毎日告解する人は初めてでした」と、涙な

がらに話して下さいました。 私は姉の人生について考える時、愛する、祈

る、感謝する、委ねる、待つという言葉が浮か

びます。私の人生の指針となる言葉です。

広報誌「あつぎ」を制作する仲間を募っていま

す。現状、女性陣がこの活動を支えております

が、新たに活動に参加される方を歓迎いたしま

す。広報部員に声をお掛けください。

現在は広報誌を年4回発行しています。パソ

コンや文章を作成するのは苦手と言う方も大

丈夫!広報部員は無理という方でもご自分の

信仰体験、四季折々の話題などを広報誌に提供

してくだされば幸いです。

教会事務へのお届出時に掲載を希望されない方 の情報は割愛しています。

個人情報の為、削除します。

異動情報は、カトリック厚木教会ホームページ

にアクセスして次の手順で参照してください。

「信徒の方」→「(5)厚木教会資料室(パスワ

ード付)」→「厚木教会資料室/(2)信徒情報」

山口神父様は国内外の貧しい人たちや苦し

んでいる人たちに遣えております。超多忙なス

ケジュールにも拘わらず、2015年 7月末から小

教区管理者として厚木教会にも遣え、心より感

謝しております。2016年復活祭の頃には、厚木

教会に主任司祭が任命されるようにお祈りし

ましょう。

小原さんの原稿をパソコンに入力している

時、だんだん目頭が熱くなるような感動を覚え

ました。

(広報部 山内、竹内、松本、鈴木(正)、植木)