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2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項 2015 年 9 月 (作成)早稲田大学文学学術院事務所 最新情報は、論系ゼミ/ゼミ論文/卒業研究 Web ページ で随時確認するようにしてください。

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Page 1: 2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項 - Waseda University...ゼミの時間帯以外に1対1の個別指導を行うこ ともあります。 シラバス 【3年生】

2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項

2015年 9 月 (作成)早稲田大学文学学術院事務所

最新情報は、論系ゼミ/ゼミ論文/卒業研究 Webページ

で随時確認するようにしてください。

Page 2: 2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項 - Waseda University...ゼミの時間帯以外に1対1の個別指導を行うこ ともあります。 シラバス 【3年生】

授業内容

【3年生】

本ゼミでは教員二人が常に出席し担当します。

授業の目的は、歴史学的方法を基軸に据えて、日本社会の成り立ち、そして、その特質について検討

することです。具体的には、「基礎講義」のオンデマンドコンテンツを見ていただきたいと思いますが、

まず、近現代社会を視野に入れつつ、ゼミ生との話し合いによって、その年度の大テーマを設定します

(これまでは戦争、都市、宗教などがありました)。その上で、ゼミ生の報告をもとに教員・ゼミ生相互

が討論を行い、問題の本質を解明します。

なお、合宿・調査旅行なども行い、フィールドワークも適宜実施する予定です。

【4年生】

基本的に3年生と同じですが、ゼミ論執筆に向けて、内容は高度になります。また、ゼミ論執筆のた

め、少人数による指導も行いたいと思います。

シラバス

【3年生】

4月~6月の間は、私たちが選んだテキストについて合評を行い、分析方法の理解・習得をめざすと

ともに、その年度の大テーマを設定し、その内容理解を深めます。班ごとの発表を予定しています。7

月には、大テーマに沿った各自(各班)の小テーマを設定し、9月の合宿を経て本格的な学習をはじめ

ます。

10 月以降、各テーマに沿った研究報告を行って討論を行い、年度末にレポート化していただきます。

したがって、この時点までに、ある程度の分析能力、叙述能力の取得ができることを目指します。その

上で、文集の形にまとめたいと思います。

【4年生】

基本的には3年生と合同でゼミに参加することを考えていますが、ゼミ論指導の時間を別に設け、き

め細やかなゼミ論文作成のための指導を行う予定です。

教科書

特にありません。ただし、論文や著書の一部をコピーして配布する場合があります。

参考文献

適宜指示します。

担当教員 科目名

川尻 秋生

久保 健一郎

社会構造論ゼミ1(日本社会の成り立ちを考える)

副題:

プログラム:社会構造論

1 定員

10~15名

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評価方法

出席状況、報告内容、討論に積極的に参加したか否か等の点から、総合的に評価します。

履修モデル

大学のホームページをご参照下さい。

ゼミ紹介

私たちは、学生の皆さんが積極的にゼミに参加し発言すること、そして、何よりも問題に対して自分

自身で深く考えることに期待します。それには、日ごろから、身の回りにある情報や知識を鵜呑みにす

るのではなく、それらが正確か、またそうであるならばその原因を調べ・考える姿勢が大切です。つま

り私は、「疑問に思う」態度を大切にします。

こうした物事に対する考え方は、大学を卒業してからも、きっと役立つはずです。私は、ゼミ生の皆

さんがこのような習慣を体得するお手伝いをしようと思っています。「厳しくも暖かい」。これが私たち

のゼミの方針です。

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】2学年合同で木曜 5時限に行なう。

選考方法

・ゼミ志望理由書

・2年春学期までの成績を参考にする。

・面接を行う。

見学会(浅草浅草寺付近にて 前列右から2番目のゼミ生は人力車夫のバイト中でした)

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授業内容

【3年生】

春学期では、歴史的な学術論文等を正確に読むことをとおして、基本的な問題や概念を歴史的に把

握し理解する姿勢、および論文作成の仕方を身に着けてもらうことを主な目的とします。2015 年度

春学期の場合には、1冊の本を全員で読むことにし、4年生と一緒に 4つの班に分かれてそれぞれ担

当した部分を報告してもらった後に全員で考える、という方式をとりましたが、班ごとに異なる文

献等を紹介してもらった年度もあります。2016 年度にどちらの形をとるかは、授業開始前に相談し

て決めます。

秋学期では、ゼミ論文となる各自の研究課題を見出していくことを主な目的とします。4年生のゼミ

論文の作成過程の報告を聞くとともに、3年生の皆さんも関心のあるテーマについて報告してくださ

い。

【4年生】

3年生と合同で授業を行います。

春学期では、上記のような 3 年生の基礎作りを先輩として手伝ってください。また、各自の研究課

題をゼミ論文として完成させていく作業を進めてください。

秋学期は、ゼミ論文を完成させるための時期です。ゼミの時間帯以外に 1 対 1 の個別指導を行うこ

ともあります。

シラバス

【3年生】

春学期:

上述のように、適当な文献を選び、4年生と班を組んで、毎週班単位で報告していきます。

秋学期:

各自が選んだ研究課題についての報告を中心として行います。その合間に 4 年生も作成中のゼミ論

文について報告しますので、参考にしてください。互いにヒントを与え合うような形に持っていく

ことが望ましいと思っています。

学年末には各自の研究課題に関するレポートを提出してください。

【4年生】

春学期:

上述のように 3年生と班を組んで、かつ 3年生を主導する形で毎週班単位で報告していきます。

秋学期:

各自ゼミ論文の作成に向けて発表し、最終的には400字換算50枚程度以上のゼミ論文を提出し

てください。

必要に応じて個人指導を行います。

担当教員 科目名

井内 敏夫

社会構造論ゼミ2(西洋社会の成り立ちを考える)

副題:ヨーロッパ、東と西

プログラム: 社会構造論

2 定員

15名

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教科書

春学期に共通のテキストを一緒に読んでいく場合以外には、とくに決まった教科書は用いません。

共通のテキストを使用する場合には、印刷して配付します。

参考文献

とくに指定しません。

評価方法

【3年生】

学年末に提出するレポートに対する評価に、ゼミへの参加度やゼミにおける積極度などの平常点を

加味して最終的な評価とします。

【4年生】

ゼミ論文に対する評価を基本として、ゼミへの参加度やゼミにおける積極度などの平常点を加味し

て最終的な評価とします。

履修モデル

いろんな形の履修がありえると思いますので、とくに履修モデルにはこだわりません。

ゼミ紹介

このゼミは、ヨーロッパ近代の市民社会がどのように成立してきて、どのような特徴を持っている

のかという問題を歴史的な観点から考えていくことを主眼としています。ヨーロッパは地理的には

比較的狭いのに歴史的多様性に富んでいることを大きな特徴としています。加えて、「東と西」を意

識することで「ヨーロッパ」というものに対する理解もいっそう深まるのではないかと思います。

西洋史系のゼミなので、西洋史上の様々な事象がゼミ論文のテーマとなりえますが、いまの日本に

生きている私たちということを考えれば、日本との比較もテーマとなりえます。これまで提出され

たゼミ論文の特色は、テーマは様々であるものの、比較して考えるという視点が目立つことです。

具体的な例は、基礎講義のゼミ紹介や、社会構築論系室に備えてある「ゼミ論文概要集」をみてく

ださい。

なお、これまで共同でゼミを担当してきた大内宏一先生は 2015年度末に退職しますが、井内も 2017

年度末に定年ですので、私のゼミ生募集も 2016年度が最後となります。

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】2学年合同で月曜日 5時限に行ないますが、多少 6時限に食い込むかもしれません。

選考方法

・ゼミ志望理由書

・成績証明書(成績よりもこれまで履修してきた科目を知るため)

・面接を行う

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(注:総務省統計局のサイト『全国消費実態調査トピッ (注:厚生労働省のサイト『貧困・格差の現状、背景とその問題点』

クス―日本の所得格差について―』平成14年、から引用) 「第2章 貧困・格差の現状と分厚い中間層の復活に向けた課題」p.133

より引用

授業内容

【3年生】【4年生】

わが国社会をはじめとした今日の先進社会は「後期近代社会」としての構造特性を有しています。そ

の構造特性は近代化の歴史的プロセスの中で「近代(モダニティ)」の理念・理想に導かれて構築された

「後期近代社会」として結実し、その結果(経済面での)「豊かな社会」や(個人の信条・生活スタイル

面での)「個人主義的・自由主義的社会」を実現してきたのです。しかしそうである半面、「近代社会」

の理念を制度化する際に生まれた諸矛盾が徐々にその深刻性を増大し、その結果ある種の「問題状況」

と呼ぶべき予期せざる社会現象を生み出していることも事実なのです。いうなれば、豊かで自由な社会

の実現を果たしてきた「近代の成熟(high modernity)」がある種の副作用としての問題状況(リスク)

となって出現してきたと言えるでしょう。こうした現象のひとつが、格差・不平等の特性変化です。平

等主義は近代の理念のひとつであり、その理念は近代的社会の制度構造を支える基本原理となっている

のですが、その基本原理は決して一元的性質のものではなく、平等主義的社会の理念は極めて多様であ

ることから新たな問題状況を生み出していることも現実です(上記図を参照)。本ゼミでは、後期近代社

会における(経済的)格差現象―「所得格差」とか社会保障の受益と負担をめぐる「世代間格差」と呼

ばれる格差もその例です―の社会的本質を後期近代のリスク社会化という文脈の中で理解することを目

指していきます。

「所得格差」や「世代間経済格差」をはじめとした様々な格差現象の特性を理解するためには、ひと

つには後期近代社会の制度構造を理解するという視点からその問題を論じることが肝要です。そしてさ

担当教員 科目名

和田 修一

社会構造論ゼミ3(社会構造の近代と脱近代)

副題:後期近代社会における経済格差と共生社会

プログラム:社会構造論

3 定員

10~15名

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らには、「平等主義理念をその中核とする社会正義論の社会的受け入れ様式、そしてそのグローバル化」

といった価値論的側面からする議論へと繋がっていくということを理解することが肝要です。というの

は、富の配分が全く平準化された社会というイメージはユートピア論にすぎない以上、格差の許容範囲

について社会的に合意を求める道徳的手続きを考えることが議論の要諦となるからです。

シラバス

【3年生】【4年生】共通

《春学期》「世代間の経済格差」をはじめとして、(経済)格差を論じる文献を読み進めるとともに、「近

代化論」「近代の成熟化論」「脱近代化論」等のテーマに関する基本的な文献を読んでいきたいと思いま

す。各参加者には、ゼミの討論へ向けての積極的な参加と予備的学習に基づく報告を行う権利と義務を

有することを学生と教員との間の相互了解とします。そうした教場での文献購読の成果をもとに、各班

で世代間経済格差に関わる文献を自主的にリサーチし、その成果をゼミの時間に発表することを義務と

します。

《秋学期》主として制度論・道徳的価値論の観点から、制度構築に関わる「平等」論や「社会的正義」

論に関わる文献を読み進めるとともに、それら文献の学習を基に各人が(あるいは、グループ分けした

上でグループごとに)世代間経済格差に関わった研究テーマを設定し、研究成果を発表し合うことにし

ます。春学期と同様に、ゼミの場で行う各参加者の学習・研究報告を義務とします。

【4年生】

なお、4年生に関しては、3・4年生合同ゼミにおける学習以外にも、ゼミ論執筆のためのサブ・ゼミを、

水曜日の3限(予定)に行い、ゼミ論の執筆に関わる個人的指導を行います。(ただし、このサブ・ゼミ

では単位を取得することはできません。)

教科書

【3年生】【4年生】共通

教場にて改めて指定しますが、参加者には、かなりの数の文献を読むことが要求されることを覚悟して

おいてください。

【4年生】

上記の文献以外に、論文の書き方に関する一般的な方法を学ぶために、河野哲也著『レポート・論文の書

き方入門』慶應義塾大学出版会、を共通の教科書とします。

参考文献

教場にて改めて指摘します。

評価方法

【3年生】【4年生】(ゼミの成績評価)

出欠状態(20%)、各人の発表内容、議論への参加態度と意見の内容(30%)、グループ作業への参加姿

勢(20%)、学期末に提出される発表原稿あるいはレポートの内容(30%)、以上の事柄を勘案して評価

する予定でいます。ただし、秋学期の評価に関しては、3年生の場合学期末に提出するレポートの内容評

価に重点が置かれ、4年生の場合にはゼミ論文の評価結果も勘案されます。

【4年生】(ゼミ論文の評価)

4年生に関しては、ゼミの成績評価に併せてゼミ論文の内容評価の結果が成績評価に加えられます。ゼミ

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論文の評価に関しては、論文としての様式が整えられていること、論文としての論述の進め方が理論的

であること、選択されたテーマに関する研究・考察が充分に行われていること、並びに 40,000字以上の

分量があること、これらの要件が満たされていることを基本的判断基準として評価します。

関連 URL

未定

履修モデル

学部のホームページに掲載されているものを参考にしてください。ただし、モデル通りの学習履歴を有

することを参加条件としているものではありません。

授業実施時限(予定)

【3 年生】【4 年生】2 学年合同で水曜日の 2 時限に、社会構築論系の論系室で行なう予定です。さらに、

4年生のゼミ論サブゼミは、水曜日の 3時限に社会構築論系論系室で行う予定です。

ゼミ紹介

本ゼミは、今日の社会の在り方やその病理現象を近代化という歴史過程にさかのぼって明らかにする歴

史社会学の観点、並びに「正義」論や「規範」論に関わる(道徳的)価値の社会学の観点に立脚するも

のです。歴史社会学は社会学の中のひとつの方法論であり、また社会学は社会科学の中のひとつの分野

ですから、歴史社会学は歴史学との関連は当然のことですが、それ以外にもたとえば経済学や政治学等

の他の社会科学とも密接な関連を有する方法論だと考えています。したがって、なるべく幅広い興味関

心を持っている学生を歓迎します。また、春学期(並びに/あるいは秋学期)に 3 年生と 4 年生合同の

合宿を行うことを予定していますが、参加学生の同意に基づいて最終的に判断します。合宿を実施する

ための諸経費(交通費・宿泊費(セミナーハウス利用代)・食事代等)に関しては、参加学生に実費負担

が求められることになることを諒解しておいてください。

選考方法

①ゼミ志望理由書に記述された志望理由に基づいて、②2年春学期までの成績をも参考にしたうえで参加

学生を決定します。なお、場合によっては、志望理由や学習関心に関して、個々に聴取する可能性もあ

ります。いずれにしても、今日のわが国社会の直面している社会問題に関して関心を持ち、かつそれを

明らかにしていくことに意欲を持つ学生諸君の参加が期待されています。

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ゼミ紹介

近現代日本の社会構造について、歴史と経済の観点から研究することを目標とする。

ゼミ活動を通じて、①関連する文献を読み、文献の趣旨を正確に読みとり、研究史を理解する能力、

②史料・資料を自力で収集し、歴史学・経済学の手法を用いて分析し、論点を構成する技術、③発表能

力、を習得する。

研究テーマは、近現代日本の経済と社会を対象とする。

年度末に、1年間の成果をレポートにまとめる。

シラバス

【3年生】

春学期は、共通テーマを決め、グループ研究を行う。並行してテキスト講読を行う。関連する代表的

な文献を読み、史料・資料を用いつつ、その時代の社会を理解し、研究史を正確に把握した発表を行う。

発表に基づき、参加者全員で討議を行う。

秋学期は、日本経済に関する参加者の研究発表とテキスト講読を行う。

【4年生】

3 年生との討議に参加すると共に、各自の「ゼミ論文」のテーマに関する研究発表と討議を行い、12

月中旬に「ゼミ論文」を完成させる。

【3年生・4年生合同】

秋学期に、ゼミのテーマと関連した見学会の実施を予定している(5,000円程度)。

教科書

近現代日本経済史に関するテキスト 1 冊(2,000 円~3,000 円)。テキストは 3 月に指定する。1 回目の

ゼミまでに、各自、購入する。

参考文献

研究テーマに応じて、適宜、文献を紹介する。

評価方法

出席状況、発表準備、発表内容、討議・ゼミ活動への参加状況、により総合的に評価する。

担当教員 科目名

森田 貴子

社会構造論ゼミ4(近現代日本経済史)

プログラム:社会構造論

4 定員

10~14名

Page 10: 2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項 - Waseda University...ゼミの時間帯以外に1対1の個別指導を行うこ ともあります。 シラバス 【3年生】

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】 月曜日 4時限。

【4年生】 月曜日 5時限。

3年生は 4時限、4年生は 5時限に登録されるが、合同で授業を行うため、4時限と 5時限をあけておくこと。

履修モデル

演習科目「社会構築論系演習(社会構造論12)」「社会構築論系演習(社会構造論15)」「社会構築

論系演習(社会構造論16)」、講義科目「経済と社会」「近代日本の社会制度と社会思想」等を、履修す

ることが望ましい。

備考

近現代日本の社会構造・経済構造に関心があり、ゼミ活動に積極的・協調的に参加する学生を希望す

る。

選考方法

1.ゼミ志望理由書(必須)

2.2年生春学期までの成績を参考にする。

3.面接を行う。

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授業内容

ものごとを根本的にとらえかえすためには、歴史的な接近が不可欠です。今、私たちが直面している

課題は何なのか、それを解決するためには何が必要なのか。それを、私たちの生活の場=拠点である地

域、とくに都市の歴史に即して考えます。一般に都市とは、農村とは区別される人口の集中地域であり、

政治・行政・社会・文化にかかわる施設・機能が集まっている地域、おもに土地と直接に関係しない産

業にたずさわる人びとが暮らしている地域です。日本の場合、明治維新後の近代化の過程で多数の近代

都市が出現し、戦後の経済成長を背景に都市的な社会が全国化しました。

ゼミでは、日本の近現代都市に照準を定めて調査・分析を重ね、その歴史と問題点・課題を照射しま

す。運営方針は、毎年 4 月初め、全員が提案書を提出し、それにもとづいて論議して決めます。2009 年

度は東京・新宿地域、2010年度は新宿以外の都心・副都心と都市の再開発、2011年度は防災研究、2012

年度春学期は東京下町(墨田区)、秋学期は都市と道、2013年度春学期は渋谷研究、秋学期は中央区研究、

2014年度春学期は臨界副都心・下町、秋学期は豊島区を研究地域に設定して、調査・報告を重ねました。

2015 年度春学期は再開発をテーマに、渋谷班・錦糸町班・横浜班・銀座班にわかかれ、現地に足を運び

ながら調べました。グループ・ワークが基本です。何をテーマに、どう追究するのかは、皆で相談して

決めます。成功するかどうかは、皆さんのやる気次第です。

調査を進める際には、情報を収集し、徹底的に調べあげることが大切です。本・新聞・雑誌・文書な

どを探し、そこから歴史を読み取ることが基本です。絵・写真・地図などのビジュアルな資料から過去

に迫ることも大切です。また、実際に街に出て、地域のヒトに歴史を聞き、地域のモノに歴史を見るよ

うな、行動的なゼミを目指します。授業とは別に、随時、フィールド・ワークなどを実施します。

新ゼミ生を迎える 3月と春・秋に、ゼミ全体のフィールド・ワークを実施しています。

普段のゼミとは別に、合宿などを活用して現地に出向き、集中的に調査を行ないます。2009 年度は小

田原市、2010 年度は長野市、2011 年度は小田原市、2012 年度は名古屋市、2013 年度は京都市で実施し

ました。2014 年度は倉敷で実施し、土地利用班、観光班(美観地区)、商業班(玉島地区)、伝統産業班

(児島地区)、工業班(水島地区)にわかれて、調査・ヒアリングなどを行ない、市内各地域の様子を様々

な角度から追究しました。2015 年度合宿は、皆で検討の結果、9 月に名古屋市域で実施することになり

ました。

フィールド・ワーク、合宿、ともにそれぞれの係が企画を提案し、全体で討議して決めます。年度末

には、研究成果を報告書にまとめます(2009~2014年度の各報告書は論系室に備えてあります)。

地域・都市論ゼミ1(地域・都市社会史)

副題:

プログラム:地域・都市論

大日方 純夫

科目名 担当教員

15名

定員

5

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【2015年度ゼミ:フィールド・ワークの様子】

《3月港区FW:新ゼミ生と》 《7月渋谷FW:再開発現場》 《7月横浜FW:旧正金銀行前》 《7月銀座FW:再開発現場》

シラバス

【3年生】

春学期:近現代の都市史に関する基本的な文献や資料などを集団的に読み込みながら、問題意識を鮮

明にし、追究すべき全体課題と個別課題を発見します。そして、個別課題に即してグループを編成し、

集中的に調査・分析する体制を構築します。また、歴史的な調査・分析の方法や手続きを学びます。夏

には合宿を実施し、現地での見学・調査なども組み込んで、集中的に報告・討論する機会を設定します。

秋学期:グループごとに情報収集や調査を重ねて徹底的に調べあげ、その成果を報告しあって討論し

ます。また、聞き取りの実践なども組み込みます。そのうえで、年間の研究報告をまとめます。

【4年生】

春学期:前年度(3年次)の蓄積を踏まえて文献・資料の設定と読み込みに主導性を発揮するととも

に、調査グループの中心となって、研究推進体制を構築します。これらを通じてゼミ全体の力量の充実

をめざすとともに、自らの問題発見力と調査・分析力のアップをはかり、ゼミ論文のテーマを確定しま

す。ゼミ論文については、独自の体制をとって系統的な指導を行ないます。夏には合宿を実施し、現地

での見学・調査なども組み込んで集中的に報告・討論します。

秋学期:研究成果をゼミ論文にまとめる作業を系統的に重ね、これを完成させます。ゼミ論文の執筆

に際しては、独自の体制をとって指導を行います。年度末には、全員の論文を収録したゼミ論文集を作

成します(2010~2014年度の各ゼミ論文集は論系室に備えてありますので、参照してください)。

教科書・参考文献

適宜、紹介・案内しますが、参加者それぞれが問題意識と課題に即して“発見”することが大切です。

評価方法

【3年生】

出席、報告・討論への参加、ゼミ運営への取組み、年度末の研究

報告などから総合的に評価します。

【4年生】

出席、報告・討論への参加、ゼミ論文・ゼミ運営への

取組み、年度末の研究報告などから総合的に評価します。

履修モデル 学部のホームページを参照してください。

《2014年度夏合宿:岡山県倉敷で》

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授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】2学年合同で月曜 5時限に行ないます。

ただし、論文指導などを含め時間を延長することが多々ありますので、6時限も出席可能な態勢をとって

ください。

選考方法

・ゼミ志望理由書

・2年春学期までの履修状況を参考にする

(都市史・都市論関係科目への関心如何)

・面接を行う

《各年度のゼミ報告書:論系室でご覧ください》

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ゼミ紹介・授業内容

このゼミでは、わたしたちが現実に生活している都市や地域社会を対象にして、人々の生活の実相と動態的

に変化していく地域社会の姿を解読し、現代の地域や都市が抱えるさまざまな課題を探求していきます。文献

研究に加えてインタビュー調査などを含むフィールド・ワーク、統計データの収集・分析などを通じて実地に

地域生活の課題に触れ、地域住民が自ら活動を構築しボランティア・NPO活動、市場セクターや公共セクター

とさまざまな連携をとりつつ対応していこうとするすがたを考え学んでいきます。とりあげるテーマは、下記

の資料 1のような広がりをもつものになると思いますが、それらを掘り下げながら中心的に扱うテーマを絞っ

ていくことになると思います。実際のゼミの運営は、履修する学生と相談しながら柔軟に進めていきます。

<資料1> 現在の地域社会における社会問題の位相

1. <都市-農村(中央-地方)>関係

巨大プロジェクトによる地域開発の波紋---地域開発が行われる磁場---/産業化の陰の部分の処理--

資源調達、廃棄物処理、病とリスク—-/地域の活性化と大都市集中---過疎と過密、労働力移動、経済

と文化による支配、政治の場への問題の発現スタイル---

2. <先進国経済-第三世界>関係

世界経済と Globalized Society---<資源-経済>支配のしくみ---/国際労働力移動と移民社会/日

本のなかの新たなエスニシティと地域生活/国際都市<東京>と都市再開発の波紋

3. 都市の歴史的発展---Pre-modern/ Modern/ Post-modern---

近代を駆け抜けてきた都市

4. 現在の日本の都市が抱える諸問題

都市の資源・エネルギー循環・廃棄物(水、産業廃棄物等)/都市災害---自然と人為の狭間で---/自己

管理システムの設計/都市における土地と住宅---快適な居住の確保---/ホームレスなどの都市階層問

題/東京一極集中などいわゆる東京/地方都市問題

【3 年次】3 年次の春学期は、主として問題意識を深め調査研究の方向性を定めていくために既存の都市・地

域関係の文献を集中的にかつ批判的に読み込む作業を続けます。併せて実地のフィールド・ワークなどの社会

調査を取り入れていきます。1年間の主な行事としては、合宿(春学期授業期間、及び秋学期~春休みの期間)、

その他数度の地域見学を全員で行うほか、グループ単位による実地調査(フィールド・ワーク)などを組み合

わせていく予定です。なお、3年次終了の時点までに、各自がある程度のボリュームのレポート(地域調査報

告・分析)を書けるように指導していきます。

【4 年次】4 年次ではさらにそのテーマを掘り下げ現代の地域・都市を覆う普遍的なテーマとつなげて考えて

いけるように指導していきます。最終的に作成するゼミ論文は各自が独自のテーマを追求して書いていくこと

になりますが、グループ単位で類似した共通の課題を一緒に深く掘り下げて追求していくケースもあると思い

ます。いずれにしても自分の関心を掘り下げながら、教員や友人たちのアドバイスを得て補足調査研究や資料

収集・分析、文献研究などを行い論文の執筆を進めていきます。とくに 4年次は、自分なりの論点を煮詰めそ

れを深めていく形ですすめていくことになりますので、その研究状況や内容についてプレゼンテーションや議

論を行い、論旨の整った説得力のあるゼミ論文にまとめていく過程を重視して指導を行います。

関連 URL http://www.waseda.jp/sem-muranolt01/

担当教員 科目名

浦野 正樹

地域・都市論ゼミ2(コミュニティ論)

副題:現代の地域・都市とローカル・ガバナンス

プログラム:地域・都市論

6 定員

10~15名

Page 15: 2016 年度 社会構築論系 論系ゼミ要項 - Waseda University...ゼミの時間帯以外に1対1の個別指導を行うこ ともあります。 シラバス 【3年生】

履修モデル

プログラム基軸型履修モデル

現代の都市とコミュニティ(副題「コミュニティ---現代の地域・都市とローカル・ガバナンス---」)

現代日本社会の変動と都市・地域(副題「近現代の日本社会の変動過程に焦点をあてた地域社会の理解」)

複合プログラム型履修モデル

現代の地域・都市問題と開発のゆくえ(副題「日本とアジアにおける地域開発と環境の行方を考えるために」)

授業実施曜日・時限(予定)

ゼミの履修登録時限は、4年生が木曜日5時限、3年生が木曜日6時限を予定しています。

但し、実際の授業は3年生、4年生合同の形式で、ともに5時限~6時限を使って実施することが多く

なりますので、両方の時間を空けておくことが必要です。また、履修生と相談しながら、正規の授業時間

以外に適宜集中授業やサブ・ゼミを行うことがあります。とくに3年生の春学期については、ゼミで学ぶ領

域について基礎的な学力と素養をつけるために、サブ・ゼミを木曜日の第4時限、第7時限を使って適

宜行う予定です。

備考

ゼミ参加者は、地域に関して自ら問題を設定して考え、かつじっくりとまとめてある程度の内容と長さの論文

にしていくことが要求されるので、そうした意欲のある学生を期待しています。できるかぎりゼミ生が自由に

論議をし、企画を立てて合宿などの行事を組み立てていく文化をつくりたいと思っています。

選考方法 ・ゼミ志望理由書/・2年春学期までの成績を参考にする/・面接を行う

ゼミ風景の一コマ 渋谷調査の一場面(2014 年春)

多摩ウォーキングツアー(2014.7) 白馬合宿 2015(グループ学習の様子)

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授業内容

【3年生】

地域・都市論ゼミの中における文化遺産ゼミの位置づけをおこなう。文化遺産のあり方をフィールド・

ワークを含めて具体的に考えていく。海外の文化遺産で実施されているリスク・マネージメント、文化

遺産の保存と活用の問題、観光と文化遺産をめぐる具体的事例、博物館等の地域社会への教育・還元を

する施設の問題、文化遺産の地域への活用など文化遺産を取り巻く問題は多岐にわたっており、実際に

自分自身の眼と足を使って、机上だけではなく実際の文化遺産と触れあうことを目指す。ゼミ生との間

で問題点・課題を共有するとともに、お互いの興味・関心・疑問についても、議論を通じてより具体的

に絞り込んでいく作業をしていく。、

【4年生】

ゼミ論の作成に向けて、ゼミ生がそれぞれ自分自身のテーマを設定して、自分たちの身近に存在する

文化遺産を地域・都市の中でいかに保護し、活用していくかをまとめる作業を具体的に実施していく。

この 4年生における個別テーマの設定は、3年生におけるゼミの中であるいはフィールド・ワークにおい

て具体的な内容に関しておこなわれるものである。

2016年度の授業担当について

春学期は近藤二郎が担当するが、秋学期は特別研究期間で主に海外にいるため代行として別の教員が担

当する。

シラバス

【3年生】

地域・都市の中における文化遺産の問題をさまざまな角度で考えていく。国内だけではなく、海外の

文化遺産(世界遺産)における現状と課題についても、考察範囲として加え、幅広く文化財の問題に関

して理解を深めていく。

各自の興味に従い、4年次に作成するゼミ論文を決めるための予備的作業を実施していく。基本的には

各自の興味に応じて報告・発表を実施し、ゼミ生との討論を通して問題点を抽出し、ゼミ生の理解を深

めていく。ゼミ論文のための主題を絞り込むことを目標としていく。

各自のテーマとは別に、ゼミとして地域の文化遺産に関する知見を深める取り組みを実施していく。

大学から比較的近距離に存在する早稲田周辺の文化遺産に関して、実地調査を含む踏査をおこないレポ

ートをまとめる作業を実施する。早稲田の中の文化財の実態を深く考えることをテーマとする。

【4年生】

3年生の時に学んだ地域・都市における文化遺産のあり方をさらに深める中で、具体的な研究・目標を

設定していく。個々にテーマを設定し、その問題に関して調査・研究することで地域・都市における文

化遺産に関する保存・修復や教育・還元などの提言プランともなるようなゼミ論文を作成することを目

指していく。問題の所在や方向性、課題などに関し、常にゼミで報告・討議することで、内容豊かなゼ

ミ論文を完成するようにしたい。3年生との共同研究として早稲田大学構内および周辺の文化遺産に関し

て調査研究を実施し、早稲田大学や新宿区、東京都など関係機関に対し、ゼミとしての提言のあり方、

担当教員 科目名

近藤 二郎

地域・都市論ゼミ 3(文化遺産論)

副題:文化遺産の保存と活用

プログラム:地域・都市論

7 定員

12~15名

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可能性に関して具体的に何ができるかを模索していく。

ゼミ合宿

全員参加を原則とするゼミ合宿を実施する。文化財の見学を含むものであり、3・4 年生の親睦と文化

財に対する見方を養うことを目的としている。これまでに日光(2009年度)、箱根(2010年度)、京都・奈

良(2011 年度)、気仙沼・平泉(2012 年度)、鳥羽・伊勢神宮(2013 年度)、札幌・小樽(2014 年度)でゼ

ミ合宿を実施した。2015年度は北陸方面への合宿が予定されている。

2013年度ゼミ合宿:菅島灯台前にて 2013年度:伊勢神宮内宮前にて

2014年度:札幌、クラーク博士銅像前

教科書

【3・4年生】特にない。必要がある場合は教場においてプリントで配布。

参考文献

教場で指示をする。文化遺産関連の文献リストに関しては、保存修復、特定地域など複数の分野ごとに

文献リストを配布していく。また分野別に参考文献の詳細なリストの作成もゼミ生に課していく。また、

4年生には、教場や個別に指示する。各自の個別テーマにそくした参考文献リストの作成を課する。

評価方法

【3・4年生】出席と受講態度、提出レポートで判定する。

履修モデル

◆社会構築論系履修モデル 12

「文化遺産の保存と活用~都市景観の保存と文化財の活用」を参考にすること。

基礎講義でも紹介したように、文化遺産関連のブリッジ科目、演習科目を履修していることが望ましい。

ゼミ紹介

地域・都市論ゼミの中で扱う文化遺産の種類は、多様である。そうした性格も異なる文化遺産を身近な

地域・都市の中で具体的にどのように保存し継承していくかを考えていくゼミである。ゼミ生がテーマ

を設定し、フィールド・ワークを含む実地検証をおこなうことで、各自が対象とする文化遺産(文化財)

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の保存・修復や活用などの面で具体的な提言プランを作成することを目指す。3年生と 4年生とが合同で

早稲田大学および周辺にある文化遺産も調べていく。私たちの身近な文化遺産の歴史と現状を具体的に

把握することで地域の中の文化遺産に関する興味を各自がもっていくことを目的としている。

授業実施曜日・時限(予定)

金曜日 3・4 時限に社会構築論系・論系室で実施する。クラス増設をして 2 時限連続でゼミを運営する。

3 年生は 3 時限、4 年生は 4 時限に登録されるが、年に数回の合同授業を実施するので、4 年生は 3 時限

にほかの科目の登録を行わず、金曜 3時限を空けておくこと。

選考方法

・ゼミ志望理由書と 2年春学期までの成績を参考にする

・面接を行う

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授業内容(3・4 年共通)

この演習は、「子ども支援とまちづくりー子どもの権利条約ゼミナール」として開設します。地域・都市の形成に

とって、その形成主体、まちづくりの主体として子ども、若者の参加と成長が必須と言えます。しかも来年の参議

院選挙で 18 歳選挙権が実施に移されることから、子ども期の社会参加がとくに注目されるようになりました。

したがって、子ども市民の社会参加をうたう「子どもの権利条約」(1994年日本批准)が日本における地域形成、

まちづくりにも生かされていく必要があります。子どもの権利条約は、子どもに対して、教育への権利だけでなく、

子どもの意見表明、参加の権利、遊び、文化、休息の権利、障害児や外国人などマイノリティの権利、虐待や体罰

を受けない権利、性的な搾取や麻薬から守られる権利、法を犯したとされて自由が奪われている少年の権利など、

総合的に権利保障していこうとしている子どもの人権章典です。

ユニセフは、この条約に依拠した都市運営システムを「子どもにやさしい都市」と表現し、子ども支援のまちづ

くりを提唱してきました。このような国際的な動きをふまえつつ、地域における子どもの現状、権利問題の現状な

どを分析しつつ家庭や学校、福祉施設、地域の実践と課題、制度と条件など幅広く学び合っていきたいと思います。

そのため、喜多ゼミでは、毎年9月-11月に「まちづくり」フィールドワーク合宿を行います。(就活期間が夏休

みに食い込んできたため、時期をずらす場合があります)

このゼミナールは、以上のようなゼミ学習活動により培った教養、能力を、将来、家庭や職場、地域や国際社会

などで広く活用すること、とくに子ども支援事業を展開していける自治体職員として、あるいは子どもを支える市

民活動、子ども NPO活動などに活かしていけるような実践力、行動力を養っていくことを目標とします。

シラバス

【3年生】

3 年生に関しては、子どもの権利条約に関して、主に幅広く関心を持ってもらう学習(主に3年生)を主眼とし、

学生の自発的・主体的学習・研究を促進していくために、2 年のときの演習に引き続き学問研究を行う基礎として

の研究発表の方法、共同研究報告の作り方、ゼミ、グループの運営方法等についても実践的に学習できるよう配慮

していきます。

【4年生】

4 年生に関しては、一方では、子どもの権利条約に関係してより深く掘り下げて、少なくとも各論(個別テーマ、

権利問題等)をひとつ 1年間かけて追究していくフィールドワーク(主に4年生)に従事するとともに、1年目(主

に3年生)のゼミ生に対する助言や経験交流を行ってもらいます。そのような経験がゼミ論での全面的な論文展開

(主に 4 年生)につながると考えています。

【フィールドワーク】

なお、前期は 3 年生のために自主研究の土台となる基礎学習を共有していきますが、夏休み以降は、この自主研

究ゼミを実地に検証し、喜多ゼミ全体の活動を通して自己の研究の位置や意味を考えていくために「地域研究=ま

ちづくりフィールドワーク」を行います。

地域対象は、主に子ども支援とまちづくりに先進的な取り組みをしてきた地域・自治体の中から選定します。

担当教員 科目名

喜多 明人

地域・都市論ゼミ4(子ども支援とまちづくり)

副題:子どもの権利条約ゼミナール

プログラム:地域・都市論

8 定員

15~17名

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【グループ研究】

子どもの権利条約は子どもの意見表明権を高らかにうたっています。学生も当然意見表明・参加が大切です。こ

のゼミの最大の特徴は、ゼミ員相互の自主的な意思とニーズに基き、テーマを設定し、そのもとでグループ研究を

行います。これまでとかく受け身になりがちな学習から、自分の意思でテーマを決めて、自分から情報、資料検索

し、フィールドワークを通して自分の目で確かめて問題意識を高め、自分たちのオリジナルな報告にまとめ上げて

いく、そんなプロセスを大切にしたいと思います。

1年目の前期は、条約基礎学習をふまえて、7 月~本格的なグループ研究に入ってもらいます。グループ研究で

は、クリティーク(相互批判)の精神を大切にし、その研究成果は、年間で共同研究報告書として作成し、合評会

を行います。

ゼミ論ゼミナール(4年生全員)のあとの懇親会風景―研究所図書室の会議室にて

喜多ゼミのゼミ活動終了後の記念撮影―社会構築論系室(33 号館 9 階 905号室)にて

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教科書

【3年生】『子どもの権利条約ガイドブック』(日本評論社)

【4年生】『子どもの権利―次世代につなぐ』(エイデル研究所)

参考文献

参考図書・資料は、研究室に常備している日本・世界『子ども白書』、『子どもの権利研究』1-23 号(10 号特集:

遊びの権利)など。なお、適宜、子どもの権利条約総合研究所の図書(『子どもとともに創る学校』『子どもにやさ

しいまちづくり』『解説子ども条例』『子ども支援の相談救済』など)を活用する。

評価方法

ゼミへの参加意欲や共同研究報告書・ゼミ論づくりなどゼミ活動の平常点で評価します。

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】

主には 33号館 9階・社会構築論系室(変更あり)にて、火曜日の 5 時限に、3年生・4年生合同のゼミを行う。適

宜、ゼミ論ゼミナール(4年生のみ)をゼミ終了後に行う。そのため 4年生は、春期、6時限を空けておくこと。

選考方法

ゼミは 2 年間継続することが前提となっており、そのようなゼミの趣旨を十分承知し、自覚的に履修してもらう

ために、以下のような選考方法を取りたいと思います。

① ゼミ志望理由書の提出

1 志望理由書の記入事項(4点について記入すること)

1) 氏名・学籍番号・所属論系・学年・連絡先(緊急に連絡可能な電話番号)

2) このゼミを志望する理由(400字程度)

3) 子ども問題について関心のあることについて(400字程度)

4) 備考 その他ゼミへの抱負など自由に書いてください。

② 個人面接

ゼミの運営委員等とともに個人面接を行う。最終的には書類審査と面接結果をもとにして決定する。

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授業内容

誰が・どんな子どもなら、産んでも良いのか。

このゼミでは、上記のような問いを中心に、現代社会にも残る優生思想について歴史をひもときなが

らジェンダーの視点から考察します。

優生思想とは、(1)子孫を残すに相応しいと見なされた者(優れた形質をもつ者、適者)と、(2)子孫

を残すに相応しくないと見なされた者(劣った形質を持つ者、不適者)を選別する、20 世紀初頭に世界

を席巻したイデオロギーです。優生思想ときくと、ナチス・ドイツのユダヤ人政策や「安楽死」計画な

どを思いつく人が多いでしょう。しかし、それは半分正しく、半分間違っています。そしてドイツの問

題はこのゼミでは扱いません。むしろこのゼミで注目するのは、優生思想は現在のわたしたちがいまな

お抱えている問題であること、現代の日本社会において、例えば出生前診断や婚活ブームなど、個々人

のレベルにおいても生き続けているということです。つまりわたしたちは、さまざまな規範や社会政策

によって優生思想を内面化し、ある特定の生き方を知らないうちに強制されているともいえるのです。

このゼミでは、現代社会をいきるわたしたちひとりひとりが抱える問題を歴史的な経緯を知った上で

理解すること、その上で、自分のなかにある優生思想に気づくこと、そしてそこから「共生社会」を展

望することを目指します。

シラバス

このゼミは、ディスカッションやプレゼンテーション、相互コメント等、学生主体で運営します。

【3年生】

春学期は、全員で共通の文献を読み、グループディスカッションをした後でプレゼンテーションを行

います。その際、文献の選択は4年次のゼミ生が行います。なお、文献担当者は、疑問点およびコメン

トを提示します。

夏休みには、ゼミ論文のテーマ選択にむけてのプレゼンテーションおよびディスカッションを行うた

めのゼミ合宿を計画しています(予定、1泊 2日)。

秋学期からは、ゼミ論文執筆に必要な技術を身につけること(図書館ガイダンス、論理トレーニング、

クリティカルリーディング等)を行いつつ、最終的には、個人研究(ゼミ論文)への最初のステップと

して、自分の定めたテーマに関する本の書評を書くことを目標とします。また、4年次生のゼミ論文を精

読し、コメントをする「ゼミ論文講評会」を行います。

【4年生】

春学期は、ゼミの共通文献としてふさわしい文献をひとつ選択し、自分が選んだ文献がゼミで取りあ

げられる際には、3年次生からの疑問点やコメント等に答えるとともに、全体のディスカッション等のモ

デレーターもつとめます。また、毎週ゼミで行う 3年次生とのグループディスカッションおよびプレゼ

ンテーションにも参加します。

夏休みには、ゼミ論文執筆にむけての最終プレゼンテーションを行うためのゼミ合宿を計画していま

す(予定、1泊 2日)。

担当教員 科目名

豊田 真穂

共生社会論ゼミ1(優生思想とジェンダー)

副題:

プログラム:共生社会論

9 定員

15名

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秋学期からは、本格的にゼミ論文執筆を行い、ゼミ生同士の相互添削に従事し、ゼミ論文の完成度を

高めます。また、3年次生の「ゼミ論文講評会」に出席し、疑問点やコメント等に答えます。

教科書 ゼミ開始時に、受講生と相談した上で決定する。

参考文献 適宜指示する。

評価方法

【3年生】 文献まとめ・ゼミ論文講評会でのプレゼンテーションおよびコメント、グループワーク/デ

ィスカッションへの貢献度、レポート内容などにより、総合的に判断する。

【4年生】 文献選択の適切さ、モデレーターとしての役割、グループワーク/ディスカッションへの貢

献度、ゼミ論文に関するプレゼンテーション内容、ゼミ論文各章の提出状況(秋学期のみ)、ゼミ論文講

評会での受け答え等により、総合的に判断する。

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】 火曜 3限(予定)

【4年生】 秋学期はゼミ論文執筆のため、火曜 4限(予定)もあけておくように

履修モデル 特に定めないが、ジェンダー関連の科目を履修していることが望ましい

ゼミ紹介

このゼミは、学生主体で運営されます。グループワークを中心として、ゼミ生同士のディスカッショ

ン、グループ発表、相互コメント、相互添削、個人の研究発表などを基本とします。そのため、各ゼミ

生のゼミへの強いコミットメントを求めます。

また、ゼミを通してクリティカルな思考法を身につけることを目指します。「クリティカル」は「批判

的」と日本語に訳されますが、批判的であるということは、必ずしもあら探しや非難することではあり

ません。見たり聞いたりしたことをそのまま受けとめるのではなく、客観的・分析的に理解することで

す。そこでゼミでは、世界を今までとは違うやり方で見るためのレッスンを目指します。わたしたちが

ふだん疑うことのない「常識」にひそむ矛盾や思いこみに気づき、それらを打ち破っていくことが最終

目標です。

選考方法

1. ゼミ志望理由書

これまでどのような科目を履修してきたか、そこで何を学んだか(独学でも可)、そのことと本ゼミ

のテーマとはどのような関係があるか、ゼミ論文のテーマとして考えていること等を書いてください。

2. 2年春学期までの成績 どのような科目を履修しているか等も参考にします。

3. 面接 ゼミ生による個人面談を予定しています。

*主にゼミ志望理由書をもとに、成績と面接も参考にして総合的に判断します。

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授業内容 一流大学の学部教育で求められるのは、世界のどこに出ても通

用する教養とポテンシャルを身につけることである。大学教員といういわ

ゆる学者(博士)のコピー&ペーストを作る場ではない(ちなみに、私は博

士号取得者である)。そういう点で、このゼミの主旨はゼミ参加者の未来に

向けて自律した強い個性を持つ人間になってもならうところにある。

そのためには若いみなさんが、「社会」とは何か、未来を見透し論理的か

つ理論的に道筋を見きわめることができる必要がある。○○社会学という

ような、広く深いはずの社会科学を恣意的に切り取ったタコツボ的専門を、このゼミでやるつもりはない。私

の知っていることをすべて教え、強い適応力を高める。10年、20年後の Next Society について見透す力がな

い人は生きていけないだろう。そのための力をこのゼミで育て磨く。それゆえに、Can We Live Together? と

いうことが基本テーマであり、強くたくましく知的に器用でアイデア豊富な人間になるためのゼミである。

Q&A

(1) 履修モデルの科目は、ゼミ志願前にどの程度受講している必要があるでしょうか?

A: 次の私の授業を介して、私を知るのがよいでしょう。2年度末までに2科目以上履修するのがよい。

(2) 2016 年度に扱うテーマの予定はどのようでしょうか?

A: 2015 年同様、春学期は必携教科書『理論社会学』(東信堂 2014 年)の基本問題を体系的に勉強し「リ

スク、貨幣、権力、暴力、愛」について正確に捉え、具体的課題(下表 2015年度実績)をセメスター末合宿を

目途にチーム研究をし、合宿で報告と討論を行い、セメスター末プロシーディングスとして上梓する。

1 「親子」「家族」「地域」という古典的観念との決別 ―川崎市中学生殺害の報道とウェブ書き込みを素材に

2 民主主義と権力の使い捨て ―橋下住民投票結果と大阪の将来

3 日本の憲法秩序とエントロピー -集合的記憶の多元性 ―小島毅『靖国史観』を踏まえて

4 社会的世界の構成理論の変換 ―Twitter, LINE, Facebook が結ぶ身体性、言語性、そして人という帰属点

5 仮想通貨の構造と通貨共同体の特質 ―Trustと Cryptographic Proof、どちらが信頼できるか?

秋学期は、春学期の根本課題から、発展課題「ポスト日本的経営は可能か? -日本人エコノミックアニマ

ルか組織人間か」を掲げ(下表 2015 年度予定)セメスター末合宿を目指してチーム研究をする。正確な論拠

を持って自分の言葉で明快かつ論理的に論じるトレーニングとなるでしょう。

1 地デジ化政策による家電メーカーの蹉跌とその後 ―生産過程への追加的貨幣供給の実践と帰結 ケインズ

的解釈とハイエク的解釈試論

2 家電メーカー大手の将来と日本-進化と淘汰 原因は何だったか?

3 テレビ民放と日本放送協会の将来 ―広告代理店の営業利益構造変遷に着目して

4 オリンピック 2020 年の意味 -職業別人口における建設従事者の割合と政治家・御用学者の性向

5 社会的世界構成のテレビ的構成 ―テレビの技術史、番組史、および日本人のテレビ的生活共同体と性向

春・秋ともに、研究成果は、セメスター末プロシーディングスとして公表してきた。これらに加えて、社会

科学の基本的論理と問題を学ぶために、2015 年度は、Thomas Piketty, Capital in the Twenty-First

Century, 2014 を、英文で通読してきた。2016年度もピックアップしてこの種の英文に対する免疫を作る。

講義「社会理論」「社会システム論」(1 年から受講可)、「現代中欧の歴史 -都市ウィーン研究」(3 年以上)

演習「社会構築論系演習(社会理論と現代社会)」「社会構築論系共通演習(社会現象をデータで見る)」

「社会構築論系演習(カテゴリーとパースペクティブ)」

担当教員 科目名

森 元孝

共生社会論ゼミ2(現代共生理論)

副題: Can we live together?

プログラム:共生社会論

10 定員

最大 15 名

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(3) ゼミは、何曜日何限に行われるのですか?

A: 2学年合同で金曜 5-6限です。ただし簡潔で要領よく頭のいい

ゼミ運営とし、だらだら時間だけが長くそれが民主的だと思う自己

満足、超退屈な報告の繰り返しはやらない。真面目なだけ長時間勉

学は、人生最悪のリスク。

(4) 合宿が必修だと聞きましたが?

A: 3、4年生ともに年2回〔7月第1週(軽井沢 SH)、冬 12 月

第3週(川奈または鴨川 SH)〕で2泊3日(夏 20,000 円程度、冬

18,000 円程度、交通費・宿泊費・食事代等を含む全額参加者負担)を行い、課題をチームでこなすことが

重要となる(ゼミ履修必須要件)。夏合宿は、公務員試験とバッティングすることがある。同受験者の本ゼ

ミ受講は至難。チームワーク中心であり、通年採用の外資系企業物色型一匹狼、はぐれ羊型就活人も、本ゼ

ミには不適。他の道を選ぶべし。

(5) ゼミ論文は、どのように準備すればよいでしょうか?

A: ゼミが、チームワーク中心に進んでいくので、ゼミ論文課題は、各自自由に決め、個人研究の徹底し

てもらう。3年後半から始める。

(6) 森ゼミの卒業者は、どのような進路を歩まれているのでしょうか?

A: 森ゼミは、第一文学部社会学専修の時代から優秀、傑出した先輩たちを世の中

に多数送り出してきた。なお、卒業後も FB などつうじて 1986 年卒業生以来、魅力

的な卒業生たちとは個人的関係も大事にしている。「仕事をする」と題して、活躍す

る OBの講演会を開催している。

以下は文化構想学部発足時からの卒業生の就職と進学のおもなもの(50音順)。 2010年度: 朝日放送、ソフトバンク、NHK(2)、みずほ銀行、三井住友海上火災、三菱電機、横浜市役所、早稲田大学政治学研究科修士課程、他。 2011 年度: 昭和電工、東京三菱 UFJ 銀行、豊田通商、日本電気硝子、野村総合研究所、防衛省、三井住友銀行、三菱商事、他 2012 年度:アクセンチュリー、Ernst & Young、澤藤電機、セコム、全日空商事、大和証券、東京都庁、東京三菱 UFJ銀行、日立製作所、りそな銀行、早稲田大学日本語研究科修士課程、他 2013 年度: 神奈川県庁、ジャパネット銀行、武田薬品工業、三菱商事、みずほ銀行、NTTデータ、他 2014 年度: 旭化成、朝日新聞、NTTデータ、資生堂、小学館、TDK、帝国データバンク、デンソー(2)、東京都庁、豊田通商、日本シーメンス、野村證券、、北海道電力、三井住友信託銀行、リクルート、早稲田大学会計学研究科修士課程、他。2015 年度: 三井住友銀行、三井物産、Works Applications(8 月中旬現在)。

(7) ゼミ修了者には記念品がもらえると聞きましたが?

A: 2年間のプログラム完走者には、、想い出満載の森 元孝

特製DVDを卒業式の際に贈呈する(右写真)。

(8) 留学をする予定なのですが?

A: 遊学、留学、とくに遊学を歓迎する。2009年以来、アメ

リカ(7)、ブラジル(1)、ウズベキスタン(1)、ドイツ(1)。

関連 URL 以下をよく閲覧・熟読して、ゼミの方針、雰囲気、

そして私のことを知っておくこと。

森研究室 HP http://www.f.waseda.jp/wienmoto/

森 元孝のブログ http://wienmoto.at.webry.info/

選考方法

①ゼミ志望理由書には、「~したい」ではなく。高校生から今ま

で「~してきた」ことを書く。

②2年秋学期までの科目履修状況(成績評点は選考と無関係)。

③①と②では不明の場合、電子メールによるアンケート形式の書面インタビューを行う。

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ゼミとは、参加と協働を軸にした研究・教育活動の場である。山西ゼミでは、3年生と 4年生が協働し

て取り組む「協働研究」(横軸)と、3年生・4年生がゼミ論作成に向け取り組む「個別研究」(縦軸)

を交錯させながら行うことになる。

Ⅰ「協働研究」(3 年生・4 年生)

協働研究の目的・内容

このゼミの協働研究は、国際化・グローバル化が進展し、一方地球的諸問題がその深刻さを増す中に

あって、人間と人間そして人間と自然が、共に生きること、平和に生きることに向けて求められる課題

や方策を、「文化づくり」「地域づくり」そしてそのための「学びづくり」という視点から検討すること

を基本目的としている。したがって、たとえばこれからの社会のあり様として注視されている「多文化

共生」や「持続可能な開発」などの概念やそのアプローチも改めて捉え直していくことになる。

ゼミでは、毎年特定のゼミテーマを設定し、そのテーマに即した基礎研究を踏まえたうえで、3年生・

4年生が協働し、グループ別にサブテーマを設定し、グループ研究を行う。グループ研究では、文献研

究を基礎としながらも、可能な限り、各地域やNPO・NGOなどの各種団体の現場にも関わりながら、

丁寧な協議を通して、実践的かつ実感のある研究を生み出すことを心がける。また年度末には、現場へ

の報告を兼ねたゼミ報告書を作成する。

2009年度ではゼミテーマを「平和の文化を構築するための○○の提案ー構造的暴力の視点から歴

史に学び、世界に学び、地域に学ぶ-」とし、「教育」「遊び・時間」「表現・コミュニケーション」「く

らし」といったサブテーマからの研究が実施された。2010年度ではゼミテーマを「コミュニケーシ

ョンと共生の文化」とし、「戦争」「多文化共生」「食」「NGO」「精神障害者」「早稲田のまちづくり」「格

差」などの視点から、コミュニケーションのあり様への研究が実施された。2011年度ではゼミテー

マを「地域にみる共生に向けての教育づくり」とし、「国籍・民族」「言語」「経済格差」「震災」「市民参

加」などの視点から、地域の実情に即した共生に向けての教育に関する研究が実施された。2012年

度ではゼミテーマを「共生社会に向けての遊び」とし、「戦争・貧困」「食」「地域文化」「震災」を対象

に、「遊びで構造を読み、遊びで物語を生む」ことを通して、消費社会を変容させ共生社会に近づく方策

が検討された。2013年度ではゼミテーマを「マイノリティと共生社会」とし、共生に向けて「人間

関係」「はたらく」「教育」「社会保障」「公共圏」の視点から、マジョリティそしてマイノリティを取り

巻く人間関係・社会関係・社会制度などにみられる構造を突き抜けていくことの重要性が指摘された。

2014年度では、「新宿にみる外国人を取り巻く地域社会と共生社会」をテーマに、「内なる多文化に

出会い、外なる多文化とつながる」ことの重要性を視野に入れた研究が、新宿という足元に即して実施

された。2015年度は「『ゆとり』からみる平和・共生に向けての風土を生かした地域づくり~祭りを

題材として~」をテーマにした研究が実施されつつある。

研究計画

ゼミ協働研究の年間の基本計画は以下の通りであるが、詳細はゼミ時に協議の上、決定する。年間を

通して、年2回の合宿なども活用しながら、グループ協議・全体協議・フィールドワークなどを交錯さ

せながら協働研究を進めていく。

担当教員 科目名

山西 優二

共生社会論ゼミ3(地域・文化・学びと平和構築)

副題:年度ごとに設定する

プログラム:共生社会論

11 定員

15名

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4月・・・・・・・・・・オリエンテーション、過去の協働研究の振り返り

4月~6月・・・・・・・ゼミテーマの検討とゼミテーマに関する基礎研究

6月・・・・・・・・・・グループ研究のためのサブテーマ・構成員の協議

6月~7月・・・・・・・グループ研究基礎発表・協議

7月~9月・・・・・・・夏休みを活用してのフィールドワークなど

9月・・・・・・・・・・ゼミ合宿

10月~12月・・・・・グループ研究発表・協議

12月・・・・・・・・・グループ研究最終発表・協議、ゼミ合宿

1月・・・・・・・・・・ゼミ報告書作成、1年間の総括

教科書

特定の教科書は使用しない。

参考文献

山西優二・上條直美・近藤牧子編『地域から描くこれからの開発教育』新評論,2008年

鈴木敏正・佐藤真久・田中治彦編『環境教育と開発教育~実践的統一への展望:ポスト 2015の ESDへ

~』筑波書房、2014年 など

評価方法

ゼミ協働研究・個別研究への参加、グループ研究への参加、報告書の作成などによる総合的評価。

Ⅱ「個別研究」(3年生夏期から4年生)

大学の学部研究の一つの集大成としてゼミ論を完成させる。「個別研究」は、個々人の研究を軸にしな

がら全員参加のもと発表・協議という演習方式で進めていく。「個別研究」演習の曜日・時間は、「協働

研究」とは異なる時間帯に協議の上設定する。

研究計画

3年生夏期以降の研究計画の概要は以下の通りであるが、詳細は協議の上、決定する。

3年生7月~9月・・・・・・3年自由研究テーマの検討と自由研究の実施

3年生11月初・・・・・・・「ゼミ論個別研究計画書」提出

3年生11月~2月・・・・・個別研究テーマ・研究方法などの検討

4年生 4月~7月・・・・・「個別研究」演習での発表・協議

4年生 9月・・・・・・・・「個別研究」集中検討会

4年生10月~12月・・・・「個別研究」演習での原稿検討

4年生12月・・・・・・・・ゼミ論提出

Ⅲ ゼミの曜日・時限・選考方法

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】:「協働研究」は 2学年合同で金曜の 5・6時限に行う。

3年生は 5時限、4年生は 6時限に登録されるが、2学年合同でゼミを行うので、両学年とも 5時限・6

時限の時間を空けておくことが必要。

なお「個別研究」は異なる曜日・時限に行う。現時点では4年生は金曜の 3・4時限に行う予定。

選考方法

「ゼミ志望理由書」「面接」を軸に、「2年春学期までの成績」を参考にしながら、総合的に判断する。

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ゼミ紹介と授業内容 このゼミは現代アジアに関する諸事象についてグローバルな視点、地域研究の視

点、さらに日本との関係性から多角的、総合的に探求する複合的なアプローチを導入します。そのため、

グローバル・アジア・研究という三つの概念が用いられています。

このゼミに参加する意義は?-みなさんにとって、今まで講義科目や演習として一度も履修したこと

がなく、さらに本人から直接説明を聞くこともないままこのゼミを選ぶということは確かに「冒険」と

言えるでしょう。しかし未知の世界へのチャレンジは、私たちが日ごろから行っていることでもあり、

生きる上で避けて通れない宿命かもしれません。消極的にはリスクとも言えますが積極的にはアドベン

チャーでもあります。新しいゼミを選ぶという冒険は、言い換えれば新しいゼミの文化を構築し、ゼミ

の歴史を切り開くことを意味しています。

どんな学生がこのゼミに向いているのか?-アジアが好きな方、アジアの時代が来たと確信している

方、アジアの○○が問題であると思う方、日本とアジアの関係に希望または不安を感じている方…。こ

のような問題意識を抱く学生にとって、このゼミはその問題意識を冷徹に分析・考察し、体感し、実践

活動を通じて検証する場と時間になるでしょう。他人にその問題解決を任せず、自らアジアの役割と課

題を探求する姿勢を重視します。それは自分の役割と課題を知る、いわゆる「自分探し」の旅路でもあ

ります。冷徹な思考と熱いパッションをバランスよく組み合わせたい方、フットワークが軽快な行動派

の学生にお勧めです。将来、アジアをはじめ海外をフィールドに活躍してみたい方にとって、このゼミ

は(失敗も含めた)原体験を創る現場(フィールド)になるかもしれません。

ゼミの運営スタイルは?-ゼミは大学生活の醍醐味ともいわれます。個人の研究テーマも大切ですが、

ゼミ活動を通じての協働作業は洞察力、協働力、コミュニケーション能力を高める場になるでしょう。

そのためには、ゼミメンバーをはじめ外部アクターとの調整に必要な合意(コンセンサス)づくりが大

切になります。言い換えれば、それが一つのコミュニティーや社会における政治であり、ゼミを取り巻

く様々な出来事が実社会の縮図でもあります。民主的かつ自主的な運営スタイルを好み、ゼミ教員の役

割はその調整を試みることです。当然ですが、ゼミ運営の当事者はゼミ生一人ひとりであり、その力が

結集して、ゼミという集合体になります。

どのようなアプローチで進めるのか?-このゼミを通じて、グローバルな視点(日本、アジア圏内に

限らず、世界におけるアジア研究の動向把握など)とローカルな視点からアジア(の特殊かつ地球的な

課題)を探求する予定です。すなわち、グローバル化時代におけるアジアの発展や変化、アジアの役割

と課題などについて地域研究ならびにトランスナショナルな分析枠組みから探求し、私たちが暮らす足

元の課題にも着目します。その過程を通じて、卒業研究などの成果作成に発展させることが期待されま

す。ゼミ教員が担当する「アジア社会構造論」、「アジアのトランスナショナル関係論」、「アジアにおけ

る人間の安全保障」、「アジアン・ディアスポラ論」、「南北コリアと日本の関係」などの講義科目や演習

科目との関連性も高いでしょう。したがって、学部内、学内の関連科目とのつながりを模索しながらも、

ゼミとして独自のスタイルを堅持します。

担当教員 科目名

(新規嘱任者)

共生社会論ゼミ4(グローバル・アジア研究)

副題:グローバル化時代におけるアジアの役割と課題

プログラム:共生社会論

12 定員

15名

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ゼミ教員の専門性と過去の経歴-これから早稲田大学・文化構想学部に着任するゼミ担当教員は、学

生時代以来、世界を知るための旅を続けてきました。また、その学びをライフワークにするために、国

際関係論、平和研究、アジア研究、市民社会論などを学び、研究と実践活動に取り組んできました。

2005 年から 2015 年までは中京大学・国際教養学部の専任教員として「平和論」「グローバル・メディ

ア論」「国際地域研究入門」「地球社会論」「留学生向け科目」などの講義科目や関連ゼミを担当してきま

した。また、いままで東アジアや世界の紛争と平和、多文化共生、人間の安全保障などをテーマにした

NGOや教育機関・行政機関などが企画した国際キャンプ・セミナー、海外フィールドスタディーなど(多

国籍の参加者、英語使用など)の運営・教育にかかわり、国際交流や平和教育の実践にも関わってきた

経験があります。

さらに、大学院生の時から日本の国際協力 NGO の会員、職員や理事として、緊急救援担当や調査研究

活動にかかわり続けています。現在は、日本国際ボランティアセンター(JVC)、オックスファム・ジャ

パン(Oxfam Japan)という国際協力 NGOの理事も務めています。

要するに、学術面での理論考察に加え、現場経験を通じた実践知を重視するスタイルをとってきまし

た。したがって、現場(フィールド)を持つことを大切にしています。現場に出かけることは一見、華

やかかつ楽しさが先行しそうですが、多くの現場にはつらく悲しい問題が見え隠れします。また、現場

は遠い海外ではなく身近な空間にもあります。どこが自分にとっての現場なのかは問題意識次第でしょ

う。

シラバス

【3年生】新ゼミであるために、3年生が 1期生になります。ゼミは、ゼミ生主体のコンセンサスづくり

が何よりも大切です。春学期には必要な文献講読、ディスカッション、フィールド選びなどについての

問題意識を徹底的に共有します。秋学期には、徐々に個人の研究テーマを見つけ、そのための先行研究

や事例選びなどに力を入れます。アジアの特定国家や地域のことや、宗教や伝統、社会制度、文化事象、

日本や私とのつながり、日本で再発見するアジア(人)などもテーマに含まれます。

学生の自主性を尊重しつつも、研究成果としてまとめられる実現性も考慮し、アドバイスします。ゼ

ミ教員が担当する他の講義科目、演習科目などの履修が参考(または必要)になるでしょう。

【4年生】

新しく教員が着任するゼミであるために、4年生は原則いないという理解です。しかし、2年目以降に

は、3年生と 4年生ゼミを合同で行ったりするなど、密接な関係性が求められます。ゼミ論文のテーマを

決め、問題意識、研究上の問い、方法論、先行研究の批判的考察と整理などをすすめ、質的研究(参与

観察、フィールド調査、文献資料の活用など)を重視した研究方法に取り組むでしょう。

教科書

【3年生】【4年生】

必要に応じて指定します。

参考文献

【3年生】

ゼミが始まった段階で、文献リストを共有します。基礎知識を身に着けるためスーパーバイズドリー

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ディング制度を設け一定量の文献講読とレポート作成を求め、評価に反映します。

【4年生】

各人のテーマによって、アドバイスします。

評価方法

【3年生】【4年生】

ゼミへの出席と参加態度、提出レポートなどで総合的に判断します。3年生はテーマ課題レポートやス

ーパーバイズドリーディングのレポートなど。4年生はゼミ論文なども関係します。

関連 URL

ゼミが始まったら必要に応じてお知らせします。

授業実施曜日・時限(予定)

【3年生】【4年生】

3 年生は木曜日 3 時限、4 年生は木曜日の 4 時限に登録する形になりますが、他の多くのゼミと同様

に合同ゼミを行ったり、拡大ゼミ(3 年生は 4 時限も、4 年生は 3 時限も活用)の運営も行うことが多

いので、木曜日の 3時限と 4時限は必ずゼミ参加のために時間枠を確保しておいてください。

履修モデル

特にありません。

ゼミ合宿・フィールド調査

夏休み期間中などを利用して 1 泊 2 日(または 2 泊 3 日)程度で全員参加を原則とするフィールド調

査とメンバーシップトレーニングを兼ねた合宿を行います。場所の選定はゼミ生たちと相談しつつ決め

たいと思いますが、日本とアジアのつながりを社会、文化的な側面から模索するフィールドを選びたい

と思います。その経費の負担についてもゼミ生と相談しつつ、他のゼミと同様、無理のない範囲で適切

に決めていきたいと思います。

選考方法

1. ゼミ志望理由書を作成するにあたって以下の小項目について記述願います(文字数は指定しません

がゼミ選考におけるもっとも重要な判断基準になるため、できる限り詳細に作成していただくこと

が望ましいです。)

① なぜ「グローバル・アジア研究」ゼミを志望することになったのか。

② このゼミを通じて、どのようなことを期待(自己成長を含む)しているのか。

③ 2030年のアジアと世界についての未来予測を行ってみてください。

④ あなたは、アジアのどのようなイシュー、国・地域に関心があるのか。

⑤ その他 自由記述

2. 2年春学期までの成績を参考にする場合もあります。

以 上