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1 LD(学習障害)と読書 LD(学習障害)と読書 マルチメディア・ITを活用した マルチメディア・ITを活用した 支援の可能性と著作権問題 支援の可能性と著作権問題 井上芳郎 井上芳郎 障害者放送協議会著作権委員会 障害者放送協議会著作権委員会 2005.8.30 2005.8.30

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LD(学習障害)と読書LD(学習障害)と読書

マルチメディア・ITを活用したマルチメディア・ITを活用した支援の可能性と著作権問題支援の可能性と著作権問題

井上芳郎井上芳郎

障害者放送協議会著作権委員会障害者放送協議会著作権委員会

2005.8.302005.8.30

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2

障害者放送協議会について障害者放送協議会について

1998年9月29日発足。全国20の障害者1998年9月29日発足。全国20の障害者関係団体によって構成。関係団体によって構成。

放送・通信バリアフリー委員会;放送・通信バリアフリー委員会;

災害時情報保障委員会;災害時情報保障委員会;

著作権委員会;障害者にかかわる著作権問著作権委員会;障害者にかかわる著作権問題等について、調査・研究及び関係機関と題等について、調査・研究及び関係機関との協議及び要望。の協議及び要望。

http://http://wwwwww..normanetnormanet..nene..jpjp//~housou~housou//

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3

LDLDLLearningearning DDisabilitiesisabilities

学習障害学習障害複数形であることに注意!複数形であることに注意!

単一の「障害」ではない単一の「障害」ではない

複数の状態像を総称複数の状態像を総称

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4

LD(学習障害)の公式な定義LD(学習障害)の公式な定義

学習障害とは、基本的には学習障害とは、基本的には全般的な知的発達全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のもののするまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態習得と使用に著しい困難を示す様々な状態をを指すものである。指すものである。

学習障害は、その原因として、学習障害は、その原因として、中枢神経系に中枢神経系に何らかの機能障害があると推定何らかの機能障害があると推定されるが、視されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害など覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。ものではない。

文部省調査研究協力者会議 文部省調査研究協力者会議 1999.71999.7

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5

LDと困難の領域

1.1. 学力の特異な困難学力の特異な困難

  読み・書き・算数(計算・推論)読み・書き・算数(計算・推論)

2.2. 話し言葉の特異な困難話し言葉の特異な困難

  聞く・話す聞く・話す

3.3. 社会性の困難社会性の困難

4.4. 運動能力の困難運動能力の困難

5.5. 注意集中困難・多動性注意集中困難・多動性

上野一彦(東京学芸大・日本上野一彦(東京学芸大・日本LDLD学会会長)による学会会長)による

LDに重複LDに重複

ADHDADHD

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6

読字障害(ディスレクシア)DSMDSM--ⅣⅣ** ((19941994)) での定義での定義

AA..読みの正確さと理解力についての個別施読みの正確さと理解力についての個別施行による標準化検査で測定された読みの到達行による標準化検査で測定された読みの到達度が、その人の生活年齢、測定された知能、度が、その人の生活年齢、測定された知能、年齢相応の教育の程度に応じて期待されるも年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低い。のより十分に低い。

BB..基準基準AAの障害が読字能力を必要とする学業の障害が読字能力を必要とする学業成績や日常の活動を著明に妨害している。成績や日常の活動を著明に妨害している。

CC..感覚器の欠陥が存在する場合、読みの困感覚器の欠陥が存在する場合、読みの困難は通常それに伴うものより過剰である。難は通常それに伴うものより過剰である。

* Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders * Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders -- Fourth EditionFourth Edition

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7

LDの出現率/文部科学省調査LDの出現率/文部科学省調査

 知的発達に遅れはないものの学習面や行動面 知的発達に遅れはないものの学習面や行動面の各領域で著しい困難を示すと担任教師が回の各領域で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒答した児童生徒  6.3% 6.3%

↓↓

 「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論す 「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」に著しい困難を示す る」に著しい困難を示す 4.5%4.5%

↓↓

 「読む」又は「書く」に著しい困難を示す  「読む」又は「書く」に著しい困難を示す 2.5%2.5%

通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査;児童生徒に関する全国実態調査; 2002.22002.2~~33

(全国の小中学生のうち約4万人を対象)(全国の小中学生のうち約4万人を対象)

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8

フジテレビフジテレビスーパーニューススーパーニュース““クラスに一人クラスに一人””

「学習障害「学習障害==LDの実態」LDの実態」

2001.6.8 放映2001.6.8 放映

フジテレビ・スーパーニュースフジテレビ・スーパーニュース制作部の許諾を得て制作部の許諾を得て上映上映

約15分約15分

取材協力;全国LD親の会他取材協力;全国LD親の会他

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9

愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛知県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県愛媛県

読字障害の状態の読字障害の状態の擬似的体験 1擬似的体験 1

愛知県

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10

擬似的体験 2擬似的体験 2

学  習  障  害  中枢  経  機  能  障害  視  覚  障  害聴  覚  障  害  知的  障  害  情  緒障  害  環  境  要因  直  接  原  因

学習障害 中枢神経

機能障害 視覚障害

聴覚障害 知的障害

情緒障害 環境要因

直接    原因

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擬似的体験 3擬似的体験 3

がくしゆうしようがいはそのげんいんとしてちゆうすうしんけいけいになんらかのきのうしようがいがあるとすいていされる

「学習障害」は、その原「学習障害」は、その原因として、中枢神経系に因として、中枢神経系に何らかの機能障害があ何らかの機能障害があると推定される。ると推定される。

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12

擬似的体験 4擬似的体験 4

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13

擬似的体験 5擬似的体験 5魑魅魍魎魑魅魍魎

↓↓

魑魅魍魎魑魅魍魎

魑魅魍魎魑魅魍魎

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擬似的体験 6擬似的体験 6

学習障害

学習障害

学習障害学習障害

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15

21世紀の特殊教育の在り方21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告) について(最終報告) 2001.12001.1

小・中学校等の通常の学級に在籍する学習障害児小・中学校等の通常の学級に在籍する学習障害児や注意欠陥や注意欠陥//多動性障害(多動性障害(ADHDADHD))児、高機能自閉児、高機能自閉症児等症児等特別な教育的支援を必要とする児童生徒等特別な教育的支援を必要とする児童生徒等に対しても積極的に対応していく必要に対しても積極的に対応していく必要がある。がある。

最新の情報技術(最新の情報技術(ITIT))を活用して障害のある児童を活用して障害のある児童生徒等が障害に基づく種々の困難を改善・克服し、生徒等が障害に基づく種々の困難を改善・克服し、自立や社会参加を促すため、一人一人の障害の自立や社会参加を促すため、一人一人の障害の状態等に応じた情報機器等の研究開発を行うとと状態等に応じた情報機器等の研究開発を行うとともに、もに、情報技術(情報技術(ITIT))を活用した指導方法や体制のを活用した指導方法や体制の在り方について検討を行う在り方について検討を行うこと。こと。

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特別支援教育今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)文部科学省調査研究協力者会議 2003.3

特別支援教育特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象だけとは、従来の特殊教育の対象だけ

ではなくではなく 、、 LD、ADHD、高機能自閉症LD、ADHD、高機能自閉症 を含めてを含めて

障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、

そのその一人一人の教育的ニーズを把握一人一人の教育的ニーズを把握してして 、その、その

持てる力を高め、生活や学習の困難を改善また持てる力を高め、生活や学習の困難を改善また

は克服するために、は克服するために、適切な教育や指導を通じて適切な教育や指導を通じて

必要な支援を行なう必要な支援を行なうものである。ものである。

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17

            特別支援教育特別支援教育      

     特殊教育     特殊教育

   小・中・高等学校小・中・高等学校

       通級学級特殊学級

    

盲・聾・養護学校盲・聾・養護学校

    

特殊教育と特別支援教育原図;上野一彦(東京学芸大)原図;上野一彦(東京学芸大)

特別支援学校特別支援学校

特別支援教室特別支援教室  LD・ADHD等LD・ADHD等

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小・中学校におけるLD(学習障害)等の児小・中学校におけるLD(学習障害)等の児

童生徒への教育支援体制の整備のための童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)ガイドライン(試案) 文部科学省文部科学省 2004.1.302004.1.30    http://www.http://www.mextmext.go..go.jpjp//b_menub_menu//houdouhoudou/16/01/04013002./16/01/04013002.htmhtm

全国の小・中学校においてLD,ADHD,高機能自全国の小・中学校においてLD,ADHD,高機能自閉症の児童生徒への支援体制の構築に役立てる。閉症の児童生徒への支援体制の構築に役立てる。

全国の小・中学校において支援体制を構築していく全国の小・中学校において支援体制を構築していく際の具体的な方法,手続き,配慮事項などを盛り込際の具体的な方法,手続き,配慮事項などを盛り込む。む。

教育行政担当者,学校関係者,専門家,保護者は,教育行政担当者,学校関係者,専門家,保護者は,本ガイドラインを参考としながら,地域や小・中学校本ガイドラインを参考としながら,地域や小・中学校の実情等を踏まえ適宜工夫を加え活用していく。の実情等を踏まえ適宜工夫を加え活用していく。

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障害者基本法改正案に対する障害者基本法改正案に対する附帯決議 附帯決議 2004.5.272004.5.27 参議院内閣委員会 参議院内閣委員会

四、四、情報バリアフリー化の推進は、障害者等のコミュニケーショ情報バリアフリー化の推進は、障害者等のコミュニケーションの保障に資するべきものンの保障に資するべきものであることにかんがみ、情報通であることにかんがみ、情報通信機器やアプリケーションの設計面のみならず、コンテンツ信機器やアプリケーションの設計面のみならず、コンテンツや通信サービスについても、や通信サービスについても、手話、文字、点字、音声等の活手話、文字、点字、音声等の活用による改善及び充実を促進する用による改善及び充実を促進すること。こと。

六、「障害者」の定義については、「障害」に関する医学的知見六、「障害者」の定義については、「障害」に関する医学的知見の向上等について常に留意し、適宜必要な見直しを行うようの向上等について常に留意し、適宜必要な見直しを行うよう努めること。また、てんかん及び自閉症その他の努めること。また、てんかん及び自閉症その他の発達障害発達障害を有する者を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、継続的に生活上の支障があるものは、を有する者であって、継続的に生活上の支障があるものは、この法律の障害者の範囲に含まれるこの法律の障害者の範囲に含まれるものであり、これらのものであり、これらの者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めること。者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めること。

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発達障害者支援法発達障害者支援法2004.12.3 2004.12.3 成立 成立 2005.4.1 2005.4.1 施行施行

第一条 第一条  ……略略 ……発達障害を発達障害を早期に発見早期に発見し、発達支し、発達支援を行うことに関する援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務国及び地方公共団体の責務をを明らかにするとともに、明らかにするとともに、学校教育における発達障害学校教育における発達障害者への支援者への支援、、発達障害者の就労の支援発達障害者の就労の支援、発達障害、発達障害者支援センターの指定等について定めることにより、者支援センターの指定等について定めることにより、発達障害者の自立及び社会参加に資する発達障害者の自立及び社会参加に資するようそのようその生活全般にわたる支援生活全般にわたる支援を図り、もってその福祉の増を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。進に寄与することを目的とする。

第二条 この法律において第二条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢におい機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。て発現するものとして政令で定めるものをいう。

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特別支援教育を推進するための制度の在り方について特別支援教育を推進するための制度の在り方について(中間報告)(中間報告)  2004.12.12004.12.1  中央教育審議会中央教育審議会

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小中学校における特別支援教育の推進(1)小中学校における特別支援教育の推進(1)

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小中学校における特別支援教育の推進(2)小中学校における特別支援教育の推進(2)

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小中学校における特別支援教育の推進(3)小中学校における特別支援教育の推進(3)

中央教育審議会答申(素案)中央教育審議会答申(素案) 2005.7.292005.7.29

  「特別支援教室」(仮称)導入に向けたステップとして、  「特別支援教室」(仮称)導入に向けたステップとして、通級指導の対象に学習障害(LD)、注意欠陥・多動性通級指導の対象に学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)児らを加えるよう求める。障害(ADHD)児らを加えるよう求める。

義務教育標準法改正案を次期通常国会提出義務教育標準法改正案を次期通常国会提出

  文部科学省   文部科学省 2005.7.312005.7.31

  学級編成権を学校に移譲し、学級定数の基準を決め  学級編成権を学校に移譲し、学級定数の基準を決める権限も都道府県から市町村に移す。「加配」教員をる権限も都道府県から市町村に移す。「加配」教員を学校単位での学級編成に活用。また、LDやADHDな学校単位での学級編成に活用。また、LDやADHDな

ど軽度発達障害のある子に対する教育の充実を図る。ど軽度発達障害のある子に対する教育の充実を図る。

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文字・活字文化振興法文字・活字文化振興法2005.7.292005.7.29

第三条 文字・活字文化の振興に関する施第三条 文字・活字文化の振興に関する施策の推進は、すべての国民が、その自主策の推進は、すべての国民が、その自主性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、学校、家庭その他の様々な場において、居学校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、住する地域、身体的な条件その他の要因身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備する化の恵沢を享受できる環境を整備することことを旨として、行われなければならない。を旨として、行われなければならない。

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26

DAISYDAISYについてについてDDigital igital AAccessible ccessible IInformation nformation SYSYstemstem

目次から読みたい章や節、ページにジャンプできる。目次から読みたい章や節、ページにジャンプできる。 圧縮技術で一枚の圧縮技術で一枚のCDCDにに5050時間以上収録が可能。時間以上収録が可能。 マルチメディアマルチメディアDAISYDAISY図書は音声にテキスト、画像を図書は音声にテキスト、画像をシンクロ(同期)させることができる。シンクロ(同期)させることができる。

HTMLHTML、静止画や動画とテキストや音声を同期させる、静止画や動画とテキストや音声を同期させる言語である言語であるSMILSMILををDAISYDAISYの仕様としている。の仕様としている。

ネットワークを介してストリーミング配信等が可能。ネットワークを介してストリーミング配信等が可能。 DAISY3 DAISY3 →→ANSI/NISO Z39.86 ANSI/NISO Z39.86 米国公式規格認証。米国公式規格認証。

仕様書が公開されている。オープンなシステム。仕様書が公開されている。オープンなシステム。

Synchronized Maltimedia Integration Language

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DAISYDAISY録音図書と再生ソフト録音図書と再生ソフト LpPlayer LpPlayer 日本語版日本語版 1.01.0 (デモ) (デモ)

AMIS AMIS 日本語版日本語版 1.31.3 (デモ) (デモ)

  Adaptive Multimedia Information SystemAdaptive Multimedia Information System

    障害者の情報アクセスを支援する目的で、かつ障害者の情報アクセスを支援する目的で、かつ

非営利活動で用いるために開発し、サポートの非営利活動で用いるために開発し、サポートの

責任を負わないことを条件に無償で配布。責任を負わないことを条件に無償で配布。

参考;参考;DAISYDAISY録音図書作成ソフト録音図書作成ソフト

  SigtunaSigtuna DAR 3 JPDAR 3 JP

http://www.http://www.dinfdinf.ne..ne.jpjp/doc/daisy//doc/daisy/

Page 28: 20050830

28

DAISYDAISYを活用した支援についてを活用した支援について

DAISYDAISY活用事例交換セミナー 活用事例交換セミナー 

2003.2.152003.2.15    http://www.http://www.dinfdinf.ne..ne.jpjp/doc//doc/japanesejapanese/conf/030215//conf/030215/

日本日本LDLD学会第学会第1212回大会自主シンポジウ回大会自主シンポジウム「情報技術ム「情報技術((IT)IT)を活用したを活用したLD LD 児・者へ児・者へ

の教育支援のあり方」 の教育支援のあり方」 2003.11.232003.11.23    http://www.http://www.dinfdinf.ne..ne.jpjp/doc//doc/japanesejapanese/conf/031123//conf/031123/

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軽度の障害を持つ生徒における音声テキストによる中等課程の内容の習得効果

Learning Disability Quarterly - Vol. 26, No. 2 Summer 2003

抄訳:(財)日本障害者リハビリテーション協会http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/john_hopkins.htm

  本研究の結果から、教科書だけを読む場合と比較し  本研究の結果から、教科書だけを読む場合と比較して、音声教科書の使用は、長期的には、増大する高て、音声教科書の使用は、長期的には、増大する高度の学問的内容の習得に効果的な道具となりうること度の学問的内容の習得に効果的な道具となりうることが示された。音声教科書を使用した2つの実験群の生が示された。音声教科書を使用した2つの実験群の生

徒の知識の習得度を測る試験の点数は、この技術の徒の知識の習得度を測る試験の点数は、この技術の助けを借りずに教科書を読んだグループよりも大幅に助けを借りずに教科書を読んだグループよりも大幅に増加した。これらの研究結果には、増加した。これらの研究結果には、軽度の認知障害を軽度の認知障害を持つ生徒のための補助手段としての音声教科書の価持つ生徒のための補助手段としての音声教科書の価

値が示された。値が示された。

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著作権法上の「複製」著作権法上の「複製」

既存の著作物から既存の著作物からDAISYDAISY録音図書を作成す録音図書を作成す

ることは、著作権法上「複製」にあたる。ることは、著作権法上「複製」にあたる。

一般論として、著作物を「複製」使用する場合、一般論として、著作物を「複製」使用する場合、「著作権者」の許諾が原則として必要。「著作権者」の許諾が原則として必要。

例外的に無許諾で「複製」可能な場合がある。例外的に無許諾で「複製」可能な場合がある。    ただし、著作権者への通知・補償金が必要な場合があり、複ただし、著作権者への通知・補償金が必要な場合があり、複製のための要件も定められている。製のための要件も定められている。

  私的使用・図書館・教科用図書・教科用拡大図私的使用・図書館・教科用図書・教科用拡大図書・学校の授業用・視覚障害者用の点字及び書・学校の授業用・視覚障害者用の点字及び録音・聴覚障害者用の字幕送信録音・聴覚障害者用の字幕送信その他その他

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31

視覚障害者用の点字及び録音で視覚障害者用の点字及び録音で

の複製の複製  著作権法第三十七条著作権法第三十七条

第三十七条 公表された著作物は、点字により複製す第三十七条 公表された著作物は、点字により複製することができる。ることができる。

2 公表された著作物については、電子計算機を用い2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又て点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことがでの場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。きる。

3 3 点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表さ視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。れた著作物を録音することができる。

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32

学校その他の教育機関における学校その他の教育機関における複製等 複製等 著作権法第三十五条著作権法第三十五条  

第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的と第三十五条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)においてして設置されているものを除く。)において教育を担任教育を担任する者及び授業を受ける者する者及び授業を受ける者は、そのは、その授業の過程にお授業の過程における使用に供することを目的とする場合ける使用に供することを目的とする場合には、必要とには、必要と

認められる限度において、認められる限度において、公表された著作物を複製公表された著作物を複製することができるすることができる。ただし、当該著作物の種類及び用。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでの利益を不当に害することとなる場合は、この限りで

ない。ない。

2 略2 略

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33

教科用拡大図書等の作成のため教科用拡大図書等の作成のための複製 の複製 著作権法第三十三条の二著作権法第三十三条の二

第三十三条の二 教科用図書に掲載された著作物第三十三条の二 教科用図書に掲載された著作物は、は、弱視の児童又は生徒の学習の用に供するため、弱視の児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている当該教科用図書に用いられている文字、図形等を拡文字、図形等を拡大して複製することができる。大して複製することができる。

2 2 ……略略 ……あらかじめ当該教科用図書を発行するあらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書を頒布する場合にあつては、前条該教科用拡大図書を頒布する場合にあつては、前条第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。に支払わなければならない。

3 略3 略

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34

録音図書に係る権利制限拡大録音図書に係る権利制限拡大著作権審議会第一小委員会 著作権審議会第一小委員会 1999.121999.12

録音図書の利用対象者を学習障害者や録音図書の利用対象者を学習障害者や高齢者等に拡大することについて要望高齢者等に拡大することについて要望がある。がある。

第第3737条第条第22項の対象施設の拡大につい項の対象施設の拡大についての要望がある。ての要望がある。

コンピュータ・ネットワークを通じて音訳コンピュータ・ネットワークを通じて音訳データを送信する行為について新たに権データを送信する行為について新たに権利制限を行うべきとの意見がある利制限を行うべきとの意見がある 。。

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35

学習障害者等への情報保障の要望学習障害者等への情報保障の要望著作権審議会第一小委員会 著作権審議会第一小委員会 1999.121999.12

視聴覚障害者以外にも、学習障害者等に対し、視聴覚障害者以外にも、学習障害者等に対し、権利制限による様々な形態での視聴覚障害者権利制限による様々な形態での視聴覚障害者に準じる「情報保障」の要望がある。に準じる「情報保障」の要望がある。

この問題については、この問題については、学習障害者等の判断基学習障害者等の判断基準や範囲準や範囲が現時点においてまだ確定しているとが現時点においてまだ確定しているとは言い難いこと等の問題があることから、は言い難いこと等の問題があることから、政府政府全体と全体と しての取組み等、関係各方面の検討状しての取組み等、関係各方面の検討状

況を見ながら引き続き検討を行う況を見ながら引き続き検討を行うことが適当とことが適当と考えられる。考えられる。

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36

文部科学大臣宛要望事項文部科学大臣宛要望事項 (抜粋)(抜粋)障害者放送協議会 障害者放送協議会 2002.62002.6  2004.112004.11

第第3737条の字幕送信について、利用者を聴覚障条の字幕送信について、利用者を聴覚障害者だけでなく、害者だけでなく、LDLD者や知的障害者者や知的障害者も利用でも利用できるよう、きるよう、利用対象者を拡大利用対象者を拡大すること。すること。

第第3737条改正に伴って認められた要約に限定さ条改正に伴って認められた要約に限定されたれた翻案権(第翻案権(第4343条の条の33)の制限)の制限を、を、LDLD者や知者や知的障害者的障害者も情報にアクセスできるよう、内容のも情報にアクセスできるよう、内容の書き直し等も含む書き直し等も含む柔軟なものに拡大柔軟なものに拡大すること。すること。

第第3737条で規定されている録音図書を含む音訳条で規定されている録音図書を含む音訳物について、視覚障害者だけでなく、音声情報物について、視覚障害者だけでなく、音声情報を必要とするを必要とするLDLD者や高齢者者や高齢者なども利用できるなども利用できるよう、よう、利用対象者を拡大利用対象者を拡大すること。すること。

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障害者福祉関係の権利制限について障害者福祉関係の権利制限について文化審議会著作権分科会法制問題小委員会文化審議会著作権分科会法制問題小委員会厚生労働省作成資料(要旨) 厚生労働省作成資料(要旨) 2005.32005.3

視覚障害者の用に供する録音図書の作成に係る権利視覚障害者の用に供する録音図書の作成に係る権利制限について、公衆送信を認めていただきたい。制限について、公衆送信を認めていただきたい。

聴覚障害者の用に供するため、著作物への「手話」や聴覚障害者の用に供するため、著作物への「手話」や「字幕」の付与と、公衆送信を認めていただきたい。「字幕」の付与と、公衆送信を認めていただきたい。

字幕に関する翻案権の制限に関しては、一定の条件を字幕に関する翻案権の制限に関しては、一定の条件を満たしたうえで、認めていただきたい(知的障害者や学満たしたうえで、認めていただきたい(知的障害者や学習障害者への配慮)習障害者への配慮) 。。

個人が所有する著作物を所有者自身が利用するため個人が所有する著作物を所有者自身が利用するために、録音など本人が読める形に「第三者」が変換(複製)に、録音など本人が読める形に「第三者」が変換(複製)することに関し一定の条件で、認めていただきたい。することに関し一定の条件で、認めていただきたい。

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障害者用音訳資料利用ガイドライン障害者用音訳資料利用ガイドライン((障害者用音訳資料作成の一括許諾に係わる)障害者用音訳資料作成の一括許諾に係わる)日本図書館協会 日本文藝家協会 日本図書館協会 日本文藝家協会 2004.42004.4

通常の印刷物での読書に困難を持つ者通常の印刷物での読書に困難を持つ者(「読書に困難(「読書に困難を持つ者」)のために音訳資料を作成し、貸与等を行うを持つ者」)のために音訳資料を作成し、貸与等を行う場合に遵守すべき事項を定める。場合に遵守すべき事項を定める。

「読書に困難を持つ者」「読書に困難を持つ者」

 1)視覚障害者 1)視覚障害者 2)重度身体障害者2)重度身体障害者 3)寝たきり高齢者3)寝たきり高齢者

 4) 4)その他の読書に困難を持つ者その他の読書に困難を持つ者→→身体の障害、読み身体の障害、読み

の学習障害、疾病等により読書に困難を持つ者の学習障害、疾病等により読書に困難を持つ者で、前で、前三項に準ずると当該図書館が判断し、所属図書館団三項に準ずると当該図書館が判断し、所属図書館団体と日本文藝家協会が該当と了解した者。体と日本文藝家協会が該当と了解した者。

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海外の著作権法海外の著作権法

アメリカ;アメリカ;19961996年改正年改正 ((Chafee Chafee 改正改正))  認可機関で認可機関では視覚障害者その他の障害者向けに、点字、音声は視覚障害者その他の障害者向けに、点字、音声またはデジタル・テキスト等の特別なフォーマットでまたはデジタル・テキスト等の特別なフォーマットで複写し配布できる。複写し配布できる。

オーストラリア;オーストラリア;19981998年改正 文字障害者(年改正 文字障害者(people people with print disabilitywith print disability))用ラジオ放送、文字障害と知用ラジオ放送、文字障害と知的障害者の援助施設(営利組織も含む)による著作的障害者の援助施設(営利組織も含む)による著作物(テレビジョン放送を含む)の複製は著作権の侵物(テレビジョン放送を含む)の複製は著作権の侵害とみなさないと規定。害とみなさないと規定。

シンガポール;シンガポール;19981998年改正 視覚障害者援助施設年改正 視覚障害者援助施設及び知的障害者援助施設において、一定の条件下及び知的障害者援助施設において、一定の条件下で行われる出版物の複写・複製は、著作権を侵害すで行われる出版物の複写・複製は、著作権を侵害するものでないと規定。るものでないと規定。

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まとめまとめと提言と提言

通常の印刷物での読書に「困難」のある人達通常の印刷物での読書に「困難」のある人達

現行著作権法では想定されていない「困難」現行著作権法では想定されていない「困難」

技術革新の後追いと新たな不平等を生む著作権法技術革新の後追いと新たな不平等を生む著作権法

「読めない教科書」が生む教育の不平等「読めない教科書」が生む教育の不平等

著作権者の権利制限で障害者への読書権を保障著作権者の権利制限で障害者への読書権を保障

障害者/著作権者・出版社のみが負うべき課題か障害者/著作権者・出版社のみが負うべき課題か

デジタル化とネットワーク化で資源の有効活用デジタル化とネットワーク化で資源の有効活用

フォーマットの統一とシステムのオープン化フォーマットの統一とシステムのオープン化

バリアフルバリアフル →→バリアフリーバリアフリー →→ユニバーサルデザインユニバーサルデザイン

情報へ自由にアクセス出来る権利は民主主義の基本情報へ自由にアクセス出来る権利は民主主義の基本