191008 ecmo registry - jikeimasuika.jp
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ELSO registry
2019.10.8 火曜勉強会臨床工学部池田 潤平
ELSO registry について振り返る
ASAIO J. 2019 Aug;65(6):537-544.
体外循環
1693年、Jean Baptiste Denisによって人間と子羊の交換輸血実験をおこなったことが体外循環の起源とされている。
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
ELSO registryは1984年に設立され、1989年に運営委員会が結成された。
ELSOの目的は、ECMOを使用した際の共通データを蓄積する、ECMO治療を適に行うために、ECMOの治療成績比較や意見交換の場を提供すること。
ELSOレジストリからの 初のレポートは、1988年にASAIO Journalに掲載された。Toomasianと同僚は、ECMOでサポートされている715人の新生児について、使用したECMOテクニック、合併症、および結果について説明した。
ASAIO Transactions. 34(2):140–147, APRIL-JUNE 1988
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
Registry
レジストリデータは、臨床研究のサポート、規制機関のサポート、および個々のELSOセンターのサポートに使用される。
データ入力フォームにてデータを登録
患者基本情報ECMO実行情報ECMO前評価ECMO前サポートECMO導入後評価ECMO中の治療モードと機器合併症感染症転帰
https://www.elso.org/Home.aspx
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
ELSOレジストリは60か国から400以上の貢献センターを含むように成長し、80,000人を超える患者のデータが蓄積された。
ELSOレジストリからの文献は、過去10年間で2006年の3つから2017年22文献に増加し、106の文献が累積された。
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
Center Membership Applicationセンター会員の利点
・世界 大のECMOコミュニティへの直接参加・ELSOメンバーニュースレター・ELSOレジストリデータレポート・ELSOオンラインディスカッションボードへのアクセス・ELSOオンラインECMO知識評価試験へのアクセス・ELSO委員会およびワーキンググループに参加する資格・ELSO Webサイトのディレクトリおよびセンターマップに載る
個人会員での参加方法もあるらしいhttps://www.elso.org/Home.aspx
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
ELSOライフサポートエクセレンス賞は、ECMOの卓越性と並外れたケアを促進
するプロセス、手順、およびシステムを導入することで際立っている世界的なECLSプログラムを表彰する。
The ELSO Award for Excellence in Life Support
https://www.elso.org/Home.aspx
ELSO: The Extracorporeal Life Support Organization
ELSO Guidelines患者ケア実践ガイドライン
すべてのケースの一般的なガイドライン
・ELSO Guidelines General v1.4 ECLS患者の機器、カニューレ挿入、安全対策、および一般的な管理については、これらのガイドラインで説明されている。・Guidelines for ECMO Transport ・Ultrasound Guidance for Extra-corporeal Membrane Oxygenation
呼吸補助ガイドライン
・ELSO Guidelines for Neonatal Respiratory Failure v1.4・ELSO Guidelines for Pediatric Respiratory Failure v1.3・ELSO Guidelines for Adult Respiratory Failure v1.4・Endotracheal extubation in patients with respiratory failure receiving venovenous ECMO・Identification and management of recirculation in venovenous ECMO・Indications for Pediatric Respiratory Extracorporeal Life Support ・Ultrasound Guidance for Extra-corporeal Membrane Oxygenation Veno-Venous ECMO
https://www.elso.org/Home.aspx
ELSO Guidelines患者ケア実践ガイドライン
循環/心臓サポート
・ELSO Guidelines for Pediatric Cardiac Failure v1.4・ELSO Guidelines for Adult Cardiac Failure v1.3・ELSO Guidelines for ECPR Cases v1.3・Ultrasound Guidance for Extra-corporeal Membrane Oxygenation Veno-Arterial ECMO
特別なトピックのガイドライン・ELSO Anticoagulation Guidelines 2014・ELSO Recommendations for Neonatal-Pediatric ECMO Patient Follow-Up・ELSO H1N1 Specific Guidelines
センターとトレーニングのガイドライン・ELSO Guidelines For ECMO Centers v1.8・ELSO Guidelines for Training and Continuing Education of ECMO Specialists
ガイドライン翻訳
・ELSO Guidelines for ECMO Centers v1.8 Japanese・ELSO Guidelines General v 1.3 Japanese
https://www.elso.org/Home.aspx
ECMO Outcome Prediction Scores For Estimates of Likelihood of Survival
ELSOホームページには、生存率の推定値に関するECMOの結果予測スコアも掲載されている。
https://www.elso.org/Home.aspx
ECLS Transport System
ECMO輸送システムは、FAAが承認した医療プラットフォーム。救急車や飛行機を含む多くの輸送モードで使用可能。ECMO機器および回路はすべてフレーム内に含まれ、独立したガスおよび電気システムが設計に組み込まれている。
federal aviation administration (FAA):連邦航空局 https://www.elso.org/Home.aspx
Publications
「ELSOレッドブック、第5版」は、数百人の国際的な研究者と臨床医の専門知識を組み合わせたECMOの主要な教科書。
https://www.elso.org/Home.aspx
ELSOレジストリのデータを使用して公開された臨床研究の要約
ASAIO J. 2019 Aug;65(6):537-544.
Methods
科学審査委員会のメンバーによって、pubmed (Extracorporeal life supportorganization [tiab] OR ELSO [tiab]) AND (registry [tiab] OR registries [MeSH])およびWeb of Science (Extracorporeal life support organization OR ELSO) AND (registry ORregistries))を使用して、 2006年から2017年の文献を検索した。
各メンバーは、臨床診療への潜在的な影響とECMO文献の価値に基づいて、潜在的な掲載対象となる10の記事を選択した。 レビューのために照合された21の記事のうち、ELSO運営委員会が投票し、最も投票数の多い記事が選ばれた。
Results
科学審査委員会メンバーによって、新生児、小児、成人、心臓及び呼吸を含む複数の専門分野をカバーした
16文献が抽出された。成人:9小児:9
今回抽出された文献のうち成人を対象とした文献を紹介
目的:呼吸不全に対するECMOの開始時の病院生存予測モデルを作成する。
対象:2000年から2012年までのECMOで治療された重度の急性呼吸不全成人患者をELSO registryより抽出した。
Am J Respir Crit Care Med. 2014 Jun 1;189(11):1374-82.
Results
2355名が対象
ECMO施行170(105-280)
時間後に退院した患者は合計1,338人(57%)。
Venovenous ECMOは、患者の82%(PaO2 / FIO2比59 [48-75] mmHg)で使用。
人工呼吸管理57(19-151)時間後にECMOが導入。
年齢免疫不全状態細菌性肺炎ウイルス性肺炎喘息外傷と火傷誤嚥性肺炎その他の急性呼吸器疾患CNS機能不全肺に関与しない感染腎不全心停止人工呼吸器装着時間筋弛緩薬の使用一酸化窒素使用重炭酸の注入PIPPaCO2
ECMO開始前のこれらが、独立したリスク因子として挙げられ、RESP scoreに含まれた。
CNS機能不全」および「急性非肺関連
感染」の両方が病院死亡率と強く関連しており、RESPスコアに大きく影響している 。
オンライン計算機はwww.respscore.comから入手可能。
RESPスコアによる病院生存の予測
57%
92%76%
57%
33%
18%
RESPスコアの内部検証は、AUC 0.73 [95%CI、0.71-0.75]、Hosmer-Lemeshow C統計値12.81(P = 0.12)と妥当な解析能と、良好な適合度を示した。
RESPスコアの外部検証
PRESERVEデータにおけるRESPスコアの外部検証は、優れた性能(AUC 0.92 [95%CI、0.89-0.97] )を示しICU重症度スコアよりもかなり良好であった。
SAPS II [0.60 (95%CI 0.51 – 0.70) ]SOFA [0.58 (95%CI 0.48 – 0.67) ]
今後治療の多様性による校正は必要となるかもしれないが、優れた予測能を有している。
目的:2012年7月までのELSOレジストリレポートの概要データを示す。
対象:2012年7月までにELSOに報告された全ての患者。
新生児:生後30日未満小児:生後30日以上18歳未満成人:18歳以上
ASAIO J. 2013 May-Jun;59(3):202-10.
Results
2012年7月までのECLS施行件数はTotal 50,667件、生存率61%成人における生存率は、肺症例55%、心臓症例39%、心肺蘇生症例が27%であった。
ECLS:Extracorporeal Life Support
H1N1 influenza pandemic
Adult Respiratory ECLS
2009年の急増は、H1N1インフルエンザのパンデミック、それ以降の増加はCESAR試験の結果の公表に起因する可能性がある。
2012年の値は、レジストリへの報告が遅れているため、予想よりも低くなっている。
Cardiac ECLS
新生児の年齢グループ以外では、心筋炎のECLSが も生存率が高くなった。
成人cardiac ECLS期間の中央値 は93時間でRespiratory ECLS より短い(144時間)。
ECLS Complications
機械関連
人工肺の故障、チューブの破裂、ポンプの故障、カニューレの問題患者関連
頭蓋内出血、カニューレ部の出血、手術部位の出血、心タンポ、けいれん
カニューレおよび手術部位からの出血は重大な問題であり、生存率の低下に関連していた。
頭蓋内出血とけいれんは、小児では依然として一般的であり、成人では発生率が低下している。
ICH, intracranial hemorrhage.
目的:国際ECMOレジストリ内のデータを分析して、年齢層別の年間病院ECMO症例数と病院死亡率との関係を調べた。
対象:1989年1月1日から2013年12月31日までのELSOレジストリのすべての症例(290のELSOセンター、56,222人 )が分析に含まれた。
Am J Respir Crit Care Med. 2015 Apr 15;191(8):894-901.
Results
全体で、290のELSOセンターが56,222人(新生児:30,909人、小児:14,725人、成人:10,588人)にECMOサポートを提供した。
成人ECMO症例の34%が、年30症例以上のECMO施行施設で実施され、2008年から2013年の間にこの数字は49%に増加した。
成人のカテゴリーでは、症例数が多い群ではECPRが多く行われ、ECMO導入前の人工呼吸器装着時間も短く、より早期にECMOが導入されている。
Volume=症例数
Results
Results
年間のECMO死亡率はECMOセンター間で大きく異なり、四分位範囲は新生児で18〜50%、小児科で25〜66%、成人で33〜92%。
死亡率は、ECMO症例数がより多い施設で低くなった。
成人症例において、ECMO症例数の
多さが、死亡率の低下と有意に関連性があった。
Results
目的:病院の生存率に関連する要因を決定するために、呼吸不全の成人患者のELSOデータレジストリを分析。
対象:1986〜2006年の呼吸不全に対して、ECMOでサポートされた患者1,473人。
Intensive Care Med (2009) 35:2105–2114
Results生存率は
約50%
・生存者は非生存者よりも有意に若く、体重が大きかった。・性別による生存の違いはなかった。・生存率は人種および診断カテゴリーによって大きく異った。
Results
ECMO以前の治療法に大きな違いはない。
生存者はECMOの前に人工呼
吸器を使用する時間が大幅に短かった。
生存者は非生存者と比べ、pHが高くPCO2 が低い。
ECMOサポートの期間は両群間で差はありませんでした 。ECMO24時間経過後、生存者のPIPとFiO2は著しく低下した。
Results
非生存者は回路の機械的合併症および破裂を含むECMO合併症の割合が高かった手術、消化管出血、肺出血は非生存者でより頻繁に見られた。
Results
・患者の年齢、体重、男性の性別、ECMO前の心停止の割合、および感染は時間とともに著しく増加した 。
・継時的変化で、ECMO前の人工呼吸器時間を短縮し、動脈のpH、PaCO2の増加がみられた。
Results
回路の破裂と気胸の頻度は低下したが、回路の凝血、腎不全、腎代替療法、肺出血、強心薬、高血糖、極端なpH、不整脈、高血圧は継時的に増加した 。
Results
患者の高齢、ECMOの前の人工呼
吸器日数、および患者の体重の減少は、死亡率の増加と関連した。
回路破裂、CPR、CNS損傷、消化管
出血または肺出血の、極端な動脈pH 、腎不全は死亡率を増加さた。
アジアの人種は白人種に比べて死亡率が高かった。
急性呼吸不全または喘息と診断された患者は、ARDS患者と比較して死亡率が低下した。
目的:ELSOデータレジストリーより成人の重症呼吸不全に対するP-ECMOの結果を調べ、生存に関連する特性を評価する。
対象:1989年から2013年7月まで、呼吸にP-ECMOを必要とする成人患者974名(18歳以上)。
P-ECMO:Prolonged (≧14日)ECMOAnn Surg. 2016 Mar;263(3):573-81.
Results
2007年から2013年のグループの患者は有意に高齢、preECMO PIPが低く 、生存率が大幅に増加した。
Results
すべてのP-ECMO症例の28%(273/974)が1989年から2006年に発生し、72%(701/974)が2007年から2013年7月に発生した 。ECMO装着期間が2-3週間を超えた患者においては、全体平均の生存率を下回った。
Results
長期のECMO施行患者において生存群が有意に若い結果となった
生存率増加に関連するpre ECMOの因子は、挿管からECMO開始までの時間、PIP、PaCO2、PaO2、およびHCO3
-の低下が有意であった。
Results
ECMOの開始24時間後に人工呼吸器の設定を調べたところ、
生存率の改善に関連する唯一の変数はPIPであった。
Results
・2007年から2013年7月にP-ECMOを受けた患者の方が死亡リスクが低い 。
・生存と独立して関連するその他の要因は、若年および低PaCO2 。
目的:ELSOレジストリから抽出された大規模なECMO前評価データに基づき、ECMOを必要とする難治性心原性ショック後の院内生存予測因子を特定し、これらの所見から、生存予測スコア、(SAVE – score)を作成。
対象:2003年から2013年までの心原性ショックのためにECMOを受けた成人患者3846名。
Eur Heart J. 2015 Sep 1;36(33):2246-56.
Results
主な診断は
慢性心不全(33%)急性心筋梗塞(29%)弁膜症(17%)
退院時生存率:42%
ICU入室からECMO導入までの時間は生存群で短い。
32%でECMOカニューレ
挿入前に心停止が発生した。
Table 1 Patient characteristics in derivation and validation cohorts according to their hospital outcomes
Results
慢性腎不全、ECMO開始前の長時間の機械換気、臓器不全、ECMO前心停止、先天
性心疾患、低脈圧、低重炭酸が病院死亡率に関連する危険因子として独立していることが確認された。
Results診断グループ年齢体重臓器障害挿管期間
高気道内圧ECMO前心停止拡張期圧脈圧HCO3
ー
18%30%
42%
58%
75%
42%
SAVEスコアの内部検証は、AUC 0.68 [95%CI、0.66-0.69]、Hosmer-Lemeshow C統計値9.7(P = 0.29)と適度な解析能と、良好な適合度を示した。
ValidationSAVEスコアの外部検証は、オーストラリアのメルボルンにあるアルフレッド病院の161人の患者のデータセットで行われた 。
検証データでのSAVEスコアのパフォーマンスは、AUC = 0.90 [95%CI 0.85–0.95]およびHosmer-Lemeshow C統計量13.97(P = 0.08)で優れていた。
Resuscitation. 2017 Oct;119:56-62.
目的:ELSOデータベースからの難治性OHCAに対するECPRの患者の人口統計、結果、および合併症の記述分析を実行する。
対象:2010年から2016年までのOHCA後の成人(18歳以上)ECPR 217例 。
out-of-hospital cardiac arrest (OHCA)
Results
人種、地域、施行時期、
挿入したカニューレ総数に生存率の有意差はなかった。
生存率は男性と比較して女性で有意に高かった。
施行地域はヨーロッパが多く、施行人種は白人が多かった。
生存者の体重は非生存者の体重よりも有意に少なかった
Results
ほとんどが経皮的に留置され(71.0%)、 も一般的な場所は大腿動脈(98.6%)と大腿静脈(95.7%)。
Results
ECPRの全期間の中央値は47時間(IQR 17–94, range 0–711 )であった。生存者のECPRの期間は非生存者よりも有意に長かった(78対37時間、p <0.05)。
ECPRは患者の回復(34.6%)、臓器不全(35.5%)、生命維持が困難と診断(24%)、家族の要求(2.3%)、出血(1.4%)、および原因不明(2.3%)により中止された。
Results
・家族のリクエストによるECPRの中断は、アジア太平洋(3.2%)または北米(5.8%)でヨーロッパ(0%)よりも多かった(;p <0.05)。
・アジア太平洋(33.9%)または北米(32.7%)の方がヨーロッパ(13.9%)よりも生命維持が困難と診断されたため中止された(p <0.05)。
・ヨーロッパ(47.5%)の方が、アジア太平洋(24.2%)または北米(26.9%)よりも臓器不全により頻繁に中止された(p <0.05)。
Results
退院までの全生存率は
27.6%[95%CI 22.1–34.0%]
体重別、年齢別での有意差はなかった。
実施された補助的処置の割合は、生存者と非生存者の間で有意差はなかった。
Results
性別(男性)が死亡率を個別に予測することを示した。
ECPRのより長い期間は、死亡率の低いオッズと有意に関連していた。
体重が死亡率の高いオッズと有意に関連していた。
目的:ELSOレジストリから抽出された成人(16歳以上)VA-ECMO患者におけるCNS合併症の有病率と病院転帰への影響を明らかにし、VA-ECMO中のCNS合併症の発生に関連する患者およびECMO要因を評価した。
対象:1992年1月1日から2013年6月30日までの間に単一のVA-ECMOを受けた16歳以上の患者に関するデータが抽出された。
Crit Care Med. 2016 Oct;44(10):e964-72.
Results
研究にはVA-ECMOを1回実行した4,522人の成人患者が含まれた。全体として682人の患者(15.1%)でCNS合併症が発生した。
CNS合併症の有病率の傾向は 初の増加の後、近年、CNS損傷患者の割合が大幅に減少を示した(p = 0.034)。
この減少は主にECPR患者におけるCNS損傷患者の割合の低下と、全体での脳死の発生の大幅な減少によるもの。
Results
CNS合併症の種類に関しては、脳死が も頻繁に見られ、ECPRグループでより多くみられた(p <0.0001)。
ECPR患者の脳梗塞率は、他のECMO患者と比較して有意に高かった(p = 0.001)。
神経学的欠損のある患者の生存率は11%
頭蓋内出血の患者では有意に生存率が低下した(p <0.001)。
Results
CNS合併症患者の特徴
・ 若い
・ECMO前の心停止
・バイパス患者が少ない
・酸素化が悪い
・NO使用が少ない
Results
CNS合併症の患者で
ECMOの期間と
ECMO後の換気期間が
短かった 。
Results
呼吸器障害
心停止溶血循環作動薬心機能障害年齢心停止循環作動薬タンポナーデDICRenal creatinine > 3 mg/dL1.5 < renal creatinine < 3 mg/dLECPR年齢低血糖CHFRenal creatinine > 3 mg/dL1.5 < renal creatinine < 3 mg/dL
ECMO適応別にみた、神経学的合併症の院内発生に関連した因子の検討
目的:ELSOレジストリから抽出された成人(18歳以上)VV-ECMO中の神経学的損傷、損傷の種類、院内生存、および神経学的損傷に関連する要因の有病率を調査すること。
対象:1992年1月1日から2015年12月31日までに呼吸不全に対してVV-ECMOを1回実行したすべての成人(18歳以上と定義)4988人のデータを抽出した。
Crit Care Med. 2017 Aug;45(8):1389-1397.
Results
intracranial hemorrhage (ICH)brain death (BD)
・呼吸不全のためにVVECMOでサポートされている成人 症例の356例(7.1%)で神経合併症が発生している。
・報告された426の神経学的イベントのうち181件のICH(42.5%)、100件のBD(23.5%)、85件の脳卒中(19.9%)、および60件のけいれんイベント(14.1%)が発生。
・神経損傷のタイプの発生率は研究期間にわたって変化しなかった(p = 0.8)。
Results院内死亡率は、
神経学的合併症患者では75.8%で
これらの合併症のない患者では37.8%で
あった(p <0.001)。
1つの神経学的イベントを有する患者の院内死亡率は73.1%(212/290)、および2つ以上のイベントを有する患者では87.9%(58/66)。
BD患者と2つ以上の神経学的イベントを有する患者を除外した後、死亡率はICH患者でも高く、その後に脳卒中、発作が続いた。
ResultsVariable No CNS Complications
(n = 4,632) CNS Complications (n = 356) P
Hours on ecmo(total duration) 258.8 ± 276.5 257.3 ± 368.9 0.924
Creatinine > 3 (mg/dL) 367 (7.9) 41 (11.5) 0.022
Creatinine 1.5–3.0 (mg/dL) 651 (14.1) 65 (18.3) 0.036
Inotropes on extracorporeal membrane oxygenation 1,619 (35.0) 175 (49.2) < 0.001
Hypertension requiring vasodilators 188 (4.1) 32 (9.0) < 0.001
Cardiac arrhythmia 433 (9.3) 56 (15.7) < 0.001
Culture proven infection 745 (16.1) 76 (21.3) 0.012
Pneumothorax 351 (7.6) 42 (11.8) 0.006
Pulmonary hemorrhage 254 (5.5) 31 (8.7) 0.016
Hyperbilirubinemia 338 (7.3) 65 (18.3) < 0.001
Pre-ECMO cardiac arrest 294 (6.3) 48 (13.5) < 0.001
多変量解析により、ECMO以前の心停止(オッズ比[OR]、3.127、95%CI、1.788〜5.469、p <0.001)、ECMO中の高ビリルビン血症(OR、2.370、95%CI、1.446〜3.886、p = 0.001 )、およびCVVHの使用(OR、2.331; 95%CI、1.280–4.426; p = 0.006)は、VV-ECMO中の神経損傷の独立した予測因子であった。
Conclusions
・ELSOレジストリのデータを使用して公開され、ECMOでサポートされている新生児、小児、および成人のケアの重要な側面を説明している文献を要約した。
・これらの紹介した文献は、私たちの知識、臨床実践を形作り、ECMOでサポートされている子供と大人のケアの改善領域を特定するのに役立つ。
・ELSOレジストリは、より詳細で意味のあるデータを目指して、データ入力、定義、およびコーディングを継続的に改善している。
・レジストリの今後の使用では、ECMOでサポートされる患者のケアの質と長期的な結果に焦点を当てる可能性があ
・レジストリの今後の使用では、ECMOでサポートされる患者のケアの質と長期的な結果に焦点を当てる可能性がある。
私見・有限である医療資源を適正に使用するためにも、侵襲の大きいECMOにおける転帰を考慮しなくてはならない。
・ECMO症例数の多さが死亡率と関連していた。当院での年間でのECMO施行件数は10件に満たない。突発的な事例に対応するためにも、シミュレーションが必要。
0
1
2
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2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
成人
小児
年度別ECMO患者数患者数
・レジストリーでは伏臥位、プラトー圧、血液ガス以外の生理学的データが評価されておらず、今後それらを加味した検証が必要と考える。
・予測スコアについては今後の研究結果、デバイスの変化など、時間の経過に伴う較正が必要と考える。
・経験が増えると、結果が向上すると考える。症例数の多い施設では死亡率が低い結果もあり、他施設への搬送を考慮してもいいかも。
・今回紹介した2つの予測スコアにて、低いスコアリングでも生存率18%はあり、この低さをどう解釈すればいいだろうか。
・ECMO導入前・後には予後や、治療継続、患者意思の確認、医療者間のコンセンサスなどの問題がある。今後これらのデータを参考にしていきたい。
私見