tmug 2006年7月度定例会 mac os x server...
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私について
1994年大学入学。SunOS 4 + X Windows System という環境に触れる。
1996年、大学の演習の自習用にタダで手に入るコンパイラ(gcc)とエディタ(Mule)が欲しくなり、自宅のパソコンに FreeBSD 2.1.0 を導入。
1998年、大学院入学。研究室のサーバ・ネットワーク管理を始める。当初は SunOS 4 + Digital UNIX. そのうち FreeBSD や Linux が混ざって来る。
2000年、自宅に新しいパソコンを導入。Linux と Windows 2000 を導入(約3年ぶりに Windows を触る)。
2001~2002年頃から、FreeBSD や Linux distribution などの開発に首をツッコムようになる。
2004年、大学で Mac を使うようになる(Mac OS X 10.3)。生まれて初めての Mac. いろいろ苦労しつつも、大学の生活環境は Mac になる。
2005年、大学を追い出され、防衛庁前の某社に入社。中古の iBook を譲ってもらい、晴れて Mac ユーザーとなる。
私について
長くなりましたが…根っからの UNIX屋です。Mac歴わずか2年の初心者ですしかも、OS 9 以前の話はまったく知りません。
今日はこういう人間が話しているということを頭に入れておいていただければと思います。
そもそも Mac OS X Server って何よ?
Mac OS X のサーバ版です。
オープンソースソフトウェアがベースになってます。(Mach 3.0, FreeBSD 5.x, etc...)
GUIな管理ツールがついてきて、UNIXの知識がなくても比較的簡単に管理できるようになっている。
そもそも Mac OS X Server って何よ?
逆に、純粋なUNIXサーバとして使うのであれば、クライアント版で十分。
Mac OS X のサーバ版です。
➡ じゃあ、クライアント版とどう違うの?
各種サーバソフトウェアが入ってない。特に、Open Directory サーバが入ってない(Open Directory を使うためには、Mac OS X Server が必須)。サーバを管理するためのコマンドラインツールが入ってない。
GUIなサーバ管理ツールで接続するためのサーバソフトウェア(servermgrd など)が入ってない。
そもそも Mac OS X Server って何よ?
オープンソースソフトウェアがベースになってます。
➡ 「ベース」ってどういうことですか?
全部が全部オープンソースで構成されているわけではない。GUIツールはもちろん、コマンドラインツールでもソースコードが公開されてないと思われるものがある。(探し方が悪い可能性も否定は出来ませんが…)
機能改変・拡張のための patch が当たっていることがある。特に Open Directory 対応のため(postfix, cyrus-imap, etc...)。
そもそも Mac OS X Server って何よ?
GUIな管理ツールがついてきて、UNIXの知識がなくても比較的簡単に管理できることになっている。
➡ ホントですか
Apple が想定しているシナリオの範囲内では正しい。
しかし、現実の要求はそう甘くはないことが多い。
GUIで出来る範囲はGUIで設定し、出来ないところはコマンドラインツールを使ったり、設定ファイルをエディタで直接編集したりする、というのが現実の姿。
以下に挙げるサービスを提供することが出来る。ファイルサーバ(AFP, SMB, FTP, NFS)
Open Directory サーバ(Master, Slave)
メール(SMTP, POP, IMAP, ML)
Web (Apache, Tomcat, Blog, etc.)
QuickTime
Mac クライアント管理Windows サービスプリントDHCP
DNS
iChat
ファイアウォール、NAT
NetBoot
VPN
Mac OS X Server で出来ること
管理用のGUI ツールが用意されているので、これらをクライアント
Mac にインストールして使うのが基本。
サーバ管理ワークグループマネージャ
サーバモニターリモートデスクトップ(別売)
Xsan Admin (Xsan を購入したときのみ)
これらのツールを使うことによって、慣れていない管理者でも比較的簡単に管理できるようになっていることに
Mac OS X Server の管理ツール
サーバ管理
Mac OS X Server で用意されている各種サービスを管理するためのツール。OS X Server で用意されているサービスの基本的設定、簡単な状態監視、ログ表示などが出来る。
基本的なことしか出来ないが、このツールで出来ることはこのツールで設定しておいた方が安全。
Mac OS X Server の管理ツール
一番テストされてると思われるから。
あまりテストされてなさそうなツールを使うと、何が起こるかわかったものではない。
ワークグループマネージャ
Mac OS X Server のアカウント管理ツール。次のことが出来る。
NetInfo アカウントの管理
Open Directory アカウントの管理
ファイル共有サービスの共有ポイントの管理
Mac クライアント管理
個人的には、LDAPのデータ管理ツールとして、便利だと思う。
Mac OS X Server の管理ツール
サーバモニター
サーバのハードウェア状態監視ツール。ただし、監視できるのは XServe のみ。。。
GUI で shutdown, reboot したいときには、このツールを使う。
Mac OS X Server の管理ツール
リモートデスクトップ
Mac OS X 用 VNCクライアント。別売だが、Mac OS X Server を管理するとき(特にビデオカードなしの場合)には買っておいた方が良い。
理由:
リモートからサーバの画面にアクセスできる。特に「システム環境設定」を使いたいとなどに便利。ssh port forwarding が素直にできる。他のGUIツールや ssh が使えない時の緊急避難ツールとして使える時がある。
Mac OS X Server の管理ツール
コマンドラインの管理ツール
GUIの管理ツールには、対応するコマンドラインツールがあって、そっちを使って管理することも出来る。
serveradmin(8)networksetup(8)/System/Library/ServerSetup/serversetupetc...
Mac OS X Server の管理ツール
コマンドラインの管理ツール
serveradmin(8)
「サーバ管理」のコマンドライン版。
「サーバ管理」でできることは serveradmin(8) でもできる。
詳しくは man serveradmin を実行せよ。
serversetup
yet another CUI tool(?).
一部、serveradmin(8)では設定できず、こっちを使わなければいけないこともある。
例: リモートデスクトップサーバを有効にする。$ sudo serversetup -setAutostartARD 1
man はないので、-help を読みましょう。$ sudo serversetup -help
コマンドラインの管理ツール
コマンドラインの管理ツール
その他
“Command-Line Administraion” というドキュメントがあるので、そちらを参照のこと。
http://www.apple.com/jp/server/documentation/Command_Line_v10.4.pdf
IPアドレスの変更
「システム環境設定」で変更するだけでなく、changeip(8)も実行する必要がある。
Usage:
$ changeip old-ip new-ip [old-hostname new-hostname]
リモートデスクトップを有効にするのを忘れたとき$ sudo serversetup -setAutostartARD 1
コマンドラインが必要な時(例)
マトモなバックアップツールがない
ditto: 差分転送が出来ない。rsync: ACLや resource fork はちゃんとバックアップ出来るのか?一応出来ることにはなっているが…
UFS や LVM の snapshot, あるいは ntbackup.exe の「ボリュームシャドウコピー」に相当するものがない。
Mac OS X Server で出来ないこと
サービスを実行中にバックアップを取ると、整合性が取れなくなる恐れがある。