sightama art center vol. project...sightama art center project 『sightama art center...

24
2020 3~10 月 お家で再考期 Sightama Art Center Project Vol. 4 コロナ疲れを癒す 新曲「A New Normal」小林未季 私たちが「今」考えていること 開幕延期中の芸術祭 「エアーさいたま芸術祭」とは? リモートでつながる芸術祭の可能性

Upload: others

Post on 26-Sep-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

20203~10月お家で再考期

S i g h t a m aA r tC e n t e rP r o j e c t

Vol.4

コロナ疲れを癒す 新曲「A New Normal」小林未季

私たちが「今」考えていること開幕延期中の芸術祭

「エアーさいたま芸術祭」とは?リモートでつながる芸術祭の可能性

Page 2: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

S i gh t ama A r t C en t e r P r o j e c t

  

 『Sightama Art Center Project』(以下SACP)は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクトとして、2019年8月より実施しているプロジェクトです。プロジェクトでは、「生活都市さいたま」で、市民や、来場者自身の「ライフスタイル」に合わせた「アートへ参加する習慣」をつくりだすことを目的としています。今回の芸術祭を機に、作家と市民が協働し継続的なアートの場づくりを試みる「浅見俊哉・青木裕志・山本未知・懸谷直弓・小林未季」の5人のメンバーが集い、それぞれ分野の異なる創造力を持ち寄り、「日常賛花―さいたまでアートに参加し・伝え・感じ合う」を合言葉に、「Sightama Art Center Project Team」を結成し展開しています。 今、ニューノーマル(新しい生活様式・ウィズコロナ)に合ったアートの場づくり、芸術祭の形やシステムを再構築することが求められています。開幕直前に延期を余儀なくさせられた「さいたま国際芸術祭2020」自体もアップデートされ、今秋公開予定です。

   さいたま市には2012年4月1日に施行された、「さいたま市文化芸術都市創造条例」があります。この条例は、「生き生きと心豊かに暮らせる文化芸術都市」の創造に向けて、条例に基づく7 つの基本施策を定めるとともに、「文化芸術を活かしたまちの活性化」、「文化芸術都市創造を担う人材の育成」、「さいたま市の魅力ある資源の活用と発信」を3 つの重点プロジェクトとして位置付け、計画期間である7年間において、重点的に取り組む」とされ、その具体的な方策事業として、「さいたまトリエンナーレ2016」が開催されました。

さいたまアートセンタープロジェクト

その時のディレクターの芹沢高志さんは「さいたま市」を「生活都市」と表現し、そのさいたま市を舞台に、アートのための祭典ではなく、市民がアーティストとともに、自分たちの未来を探していく、「市民の想像力の祭典」にしたいとトリエンナーレを位置付けました。芸術祭を「ソフト・アーバニズム」=「柔らかな都市計画」と考え、文化・芸術を核として、まちの営みに創造性を吹き込むための社会的な実践の場であるという点はSACPの活動の核にもなっています。「やわらかな都市計画」とはハードをつくる都市計画ではなく、前述した「さいたま市文化芸術都市創造条例」にもあるように、文化・芸術の持つ可能性(自分や他者の再発見、多様性との出会いの機会、異なる文化への理解と共有、協働などを生み出すこと等)を期待して、「精神的なインフラを都市計画の中で実践していく」というチャレンジングな試みであると私は考えています。

 今回、「さいたま国際芸術祭2020」は、「祝祭感のあるイベントとしての開催」は見送る方向を打ち出しました。これにより、持続可能な芸術祭のあり方の実践と議論の場がより活性化していくことを期待します。そして、SACPでは、さいたまトリエンナーレ2016より続く「共につくる、参加する」市民参加型の芸術祭の実現を目指し、日常生活の中、アートに参加することで生まれた気持ちやアイデアを、「おすそわけ」し合うことで、しなやかで逞しいアートの場を皆さまとつくっていきたいと考えています。「日常生活」そのものを讃え、大切に育てた植物の「花」が咲く時の様な喜びをさいたまで広げていきましょう!

さいたまトリエンナーレ2016のコンセプトを継承するプロジェクト

誰もがアートに参加できる場をつくるアートプロジェクト

持続可能な逞しいアートの場をつくろう

 市民プロジェクトコーディネーター             浅見俊哉

Page 3: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

Sightama Art Center Project Team

市民プロジェクトコーディネーター

写真家造形 WS デザイナー

浅 見 俊 哉

「時間」と「記憶」をテーマにカメラを使わない写真作品(フォトグラム)を制作する一方、その魅力を伝えるワークショップを全国各地で開催する。「つくること」と「つたえること」の両輪を持って活動する事が自身の芸術活動であると考え、制作者と鑑賞者の創造力を双方向に生み出す「場」や「時間」を創り出す。

Shunya.Asami

オーガナイザー音楽家

青 木 裕 志

Sightama Art Center Project アシスタントコーディネーター。主に水曜日のプログラムを担当する。grandtreehouserecords、はなしプロジェクト代表。国内外問わず、音楽に関わる組織、運営に、表裏方として尽力し、音楽の表現者の場づくりに関わる。声、響、世界観の表現に特化。

アシスタントコーディネーター

Hiroshi Aoki小 林 未 季

シンガーソングライター作曲家

埼玉県蕨市出身。人の心に寄り添う楽曲、深く透明な歌声は支持も高い。2019年は舞台『刀剣乱舞 慈伝 日々の葉よ散るらむ』OP曲ストリングスアレンジ、『夕-ゆう-』『あの星に願いを』劇伴。映画『Wasted eggs』では主題歌と劇伴を担当し、タリン・ブラックナイツ映画祭にノミネートされる。景色の見えるような音楽で人の心を癒すことを軸に活動を続ける。

「深呼吸する水曜日」アーティスト

Miki Kobayashi山 本 未 知

ソーシャルデザイナー本屋

埼玉県さいたま市出身。日本大学生産工学部創生デザイン学科卒業。日本建築学会準会員。「coconogacco」プライマリーコース(第 14 期生)。「これからの本屋講座」(第11 期生)。   thirdkindbooks 代表。大学の卒業研究をきっかけに書籍に関わる実用品、環境設計に新たな可能性を提案している。

アーカイブ担当

Minori Yamamoto懸 谷 直 弓

アイテムクリエイター美術家

埼玉県所沢市生まれ。都市銀行での勤務を経て、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科で学ぶ。2018年に「2 .5次元の触覚」が東京都知事賞を受賞し、上野恩賜公園内に長期展示される。工場と美術を繋げる「アート&ファクトリー」活動をはじめ、愛に触れる手段を表現するべく作品制作を行っている。

SACP メディアデザイン担当

Nayu Kakeya

さいたまアートセンタープロジェクトチームさいた

ま市文化芸術都市創造条例

2012    さいたま市

文化芸術都市創造計画20

14-2020

さいたま

トリエンナーレ2016

いたま国際芸術祭

2020

日常賛花

約三年

スキルアップ期-201

9.AU

G-OC

T   

アウトプ

ット期-2019.NOV-2020.FEB  お家で再考期-2

020.FEB-OCT    おすそ分け期-2020.OCT-

NOV

約三ヶ月

約四ヶ月

約二ヶ月

約八ヶ月

呼吸する水曜日   金曜日の芸

術学校   土曜アート

チャレンジ    スペシャ

ルプログラム

パフォーミングアー

ツ ライブプログラム レクチ

ャー  ワークショップ  展覧会

Sightama Art Center Project Conceptさいたまアートセンタープロジェクトコンセプト

日常生活  日常生活を土台として、「さいたま市文化芸術都市創造条例」から「さいたま市文化芸術都市創造計画」がつくられ、「さいたまトリエンナーレ2016」、「さいたま国際芸術祭2020」と繋がる時間がさいたま市にある。その中で、SACPでは、「日常生活の中でアートに参加できる機会」を継続的に創造している。 様々なライフスタイルに合わせ、幅の広い表現ジャンルを体験できるプログラムの展開を考え、水曜日の夜には、ライブ・パフォーミングアーツを中心にした「深呼吸する水曜日」、金曜日の夜には美術の知識を学ぶ「金曜日の芸術学校」、土曜日の昼間には、親子で参加できるワークショップ「土曜アートチャレンジ」を実施している。 長期にわたるプログラムをターム分けし、その時期のねらいに合わせた企画を実施。2019. 8月~10月を【スキルアップ期】として美術の基礎的なプログラムを展開。2019 .11月~2020 . 2月初旬を【アウトプット期】としてSACPで経験したことや地域のユニークな活動を発信。2020 . 2月中旬~10月は【お家で再考期】。COVID-19の影響で、予定していたプログラムは延期となった。 現在、芸術祭再開時の【おすそ分け期】に向け、ウィズコロナ時代のアートの場を考え「日常賛花」を実感出来るプログラムを制作している。

Page 4: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

コロナ禍、芸術祭開幕延期中に行われたオンラインの芸術祭 !?

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から2回の開幕延期のアナウンスが行われた現場。これまで芸術祭を支え、開幕を待ち望んでいたサポーター有志が集まり、オンラインで独自の「エアーさいたま国際芸術祭」を展開した。今回そのキーパーソン2人にお話を聞いた。

森久憲生 もりひさのりお

「さいたま国際芸術祭2020サポーター」役者・カフェ経営者。独自の芸術祭の楽しみ方を実践し、エア-国際芸術祭を実施した。

毎日展開する中で

演劇のエチュードのような

場所だなと思った。

森久(以下森):芸術祭の開幕が延期になる中、開幕日までのカウントダウンをオンラインで行っていた。その場所に多くの人が関わってきて、オンライン上で展開される「芸術祭」となりました。

植森(以下植):最初は芸術祭の開幕延期があり、予定されていたプログラムに参加できない状況の中、これまで芸術祭で会えていた人にも会えなくなった。そこでみんなの生存確認の意味もあり、オンラインで何かできないか?と始めてみたのがきっかけです。当初予定されていた3/14開幕日には、オンラインでテープカットも行いました。 森:3/14からZOOMという環境で何ができるのかを試してみていた中で集まった人たちとオンライン上で「芸術祭」ができるんじゃないかという話になり、4/1に「エアーさいたま国際芸術祭」の開幕を宣言しました。芸術祭本体から怒られるかもとも思い

Q1:エアーさいたま国際芸術祭って何ですか?

4/1のエイプリルフールで宣言を行いました。あとで何かあったとき、言い逃れもできる設定の中での開幕宣言でしたね。(笑)浅見(以下浅):そんな感じで始まった「芸術祭」が後に面白い展開になってきますよね。

森:4/1から5/17(本来の芸術祭の最終日)まで、毎日オンラインで何かしらかのコンテンツを展開していました。それを改めて振り返ると、毎回異なる人たちが集まり展開される、演劇の「エチュード=即興劇」のようだなと感じています。これまでは接点のなかったキュレーターの話を聞ける時間も生まれました。 植:さいたまだけでなく、新潟や横浜、愛知などで芸術祭に関わる方の話も聞け、情報交換ができました。これが可能なのはオンラインならではだと思います。 浅:森久さんは演劇畑の方なので、大変な状況の中、新たな設定をつくり、その中で起こることに関わっていくプロセスが特別なことではなく自然にできていたことが面白いですね。

Q2:エアーさいたま国際芸術祭をするきっかけは?

Q3:展開していく中で印象に 残っていることは?

「エアーさいたま国際芸術祭」「エアーさいたま国際芸術祭」

Page 5: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

2020/07/21旧大宮図書館「ことば基地」にて聞き手:浅見俊哉

植森侑子 うえもりゆうこ

「さいたま国際芸術祭2020サポーター」さいたまトリエンナーレ2016から芸術祭に関わり様 な々企画を実施している。

始まりはみんなの生存確認だった

植:私の担当していたゲストの話を聞くコンテンツで、5/2に芹沢高志さんを招いてお話を伺いました。芹沢さんがなぜアートに関わることになったのかという話が聞けたことがとても印象的で嬉しかったです。

浅:この回は、ディレクターの遠山さんやビジュアルディレクターの田中さんも集まり盛り上がりましたよね。他に、オンラインでワークショップなども展開していましたがどうでしたか? 植:めっちゃうまくいかなかったワークショップもありました。身近な音を集めてオンライン上で共有しようとした時に、テクニカルな部分で共有する方法が分からなかったことや、オンラインで展開する上でハードルになることを想像できないこともありました。けれどこうした経験を積み重ねていくことで、何か新しいことへチャレンジすることへの恐怖や苦手意識がなくなっていった事も印象に残っています。 浅:このコロナ禍で誰も正解が分からない中だからこそチャレ

ンジができる場所、芸術祭に関わる人が集まれる場所として、「エアー国際芸術祭」があった意味は大きいですね。

植:本来芸術祭最終日の5/17にテープコネクトをしました。その思いを引き継いで再開に向けて頑張ってほしい。 森:これまでの形にこだわることなく、すでに完成している作品を観られる機会を皆待っているので、是非実現してもらいたいなと思います。 浅:こうした熱いサポーターさんが支えているさいたまの現場はとても素敵だと思います。今日は本当にありがとうございました。

Q4:今秋再開を予定している芸術祭  へのメッセージをお願いします。

インタビューを終えて Photo:Minori Yamamoto

とは?

Page 6: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト
Page 7: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

森久憲生さいたま国際芸術祭2020サポーター

エアーさいたま国際芸術祭 エアーさいたま国際芸術祭は、 芸術祭サポーターによる幾重にも張り巡らせた伏線を壮大なスケールで回収する作品です。 本会期中は疫病の為テレワークを余儀なくされオンライン上でエアー展覧会が開催されます。 2年前から準備してきた芸術祭が疫病によって開催延期になるという設定を忠実に再現し、 実際に会場を設営して、実際に先行プログラムを走らせて、ディレクターをすえて、キュレーターは作品をキュレーションし、アーティストは作品を制作します。  「空想と現実が入れ替わる様子を約2ヶ月かけて体験をする長編作品」 、この作品のために膨大な時間と労力を費やしていただいたディレクター、キュレーター、アーティスト、事務局の皆様には、シャッポを脱ぐ思いであります。

芹沢高志さいたま国際芸術祭実行委員会参与

未来の発見! 今回のCOVID-19パンデミックで、私たちの社会は激変した。ライフスタイルそのものの変化さえ余儀無くされるという事態が、ことの深刻さを雄弁に物語っている。ただの変化ではないのだ。我々は新たな風景のなかにいる。 芸術と生活がひとつとなる「アート・サイト」を目指したさいたま国際芸術祭2020、そして「ライフスタイルにアート」をと標榜してきたSACPに、新たな役割が生まれる。変質が迫られる現場は、まさに我々の生活、ライフスタイルそのものなのだから。 「未来の発見!」とはさいたまトリエンナーレ2016で掲げたテーマだった。アートの力を使い、新たな目で世界を見つめ、自分たちの進むべき未来を幻視する。パオロ・

ジョルダーノが言うように、我々は本当にコロナ以前の世界に戻りたいのか?原子力や化石燃料に依存し、地球温暖化を放置し、経済格差が極端に進む「これまで」の世界に戻りたいのか?アートとはヴィジョン、幻影だ。今こそ、その力を全開させねばならない。

鈴木知佐子さいたま市民

自分の感覚に触れ表現し、後悔のない人生を まず、今回の新型コロナウイルスに罹患された方、お亡くなりになった方、及び関連被害に遭われている方に、心からお見舞い申し上げると共に、一刻も速い終息を祈って止みません。先日、知人が新型コロナウイルスにより40歳の若さで亡くなりました。世界的に活躍していた芸術家でした。事故や病氣は突然の死をもたらします。今、亡くなっても後悔はありませんか?ともかく後悔のないように生きましょう。今は、深く内観し、自分ができることをする時だと思っています。美術館に行ったから「アート」なのではなく、日常の中にアートを見いだす。そして、あなた自身がアーティスト足り得ると氣付く機会ではないでしょうか。ぜひ内側を、何が好きで何が嫌いか?何が大切で何は必要ないか?問い直し見出したものを、何らかの表現でSNS等で発信されてみてはいかがでしょうか。私は「みんなアーティスト」だと思っています。ぜひ後悔のない人生を送りましょう。

Page 8: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

小林優佳Gallery Pepinギャラリスト・アートディレクター

「おうちにあるアートとの健やかな関係」 「stay home」が世界共通の大事な呪文となり、おうち時間が多くなりました。それは行動範囲とともに気持ちも内に向く時間が重なっていくこと。人の傾向として、マイナス思考になりやすいタイミングとも言うけれど、そうとは限りません。私が最初にしたことは、自宅に飾っている作品の展示替えをし、そのバランスとともに今の心境を込めること。自宅にアートを取り入れるというのは「外から戻れば安らぎとなり、内にいるときは祈りとなる。人の想いに寄り添って存在してくれること」だと思うのです。アートの存在は、気持ちの拠り所にもなってくれます。整理整頓のメソッドとして「その物を仕舞う場所を作ってあげること」というのを見たことがあります。場所を作ることで出したままの物を仕舞うことができる。行き場のない気持ちを、自宅にあるアートの存在が行き場(受け皿)になってくれるというイメージはいかがでしょうか。そして最近のSNSでは、何かを作り始めた人の報告が増えています。マスクやパンやアマビエ描きなど、その営みが心を活性化することに自然と気が付いている。マスクやパンは必要に迫られて作っていることもありますが、その昔は買うのではなくなんでも手作りだったわけで、その原点に返ることでその営みから気持ちの開放へ自ずと繋がっています。 浅見さん率いるさいたまアートセンタープロジェクトは “ライフスタイルにアート ”を標榜して継続されてきて、その中の「さいたまアートアクションエキシビション2020」に私も出展させて頂きました。“ライフスタイルにアート ”って自宅にアートを取り入れることだけを推奨しているわけではありません。っというか、気がつかないうちに本当はみんな取り入れていて楽しんでいる。そんな気がしています。 この世情が落ち着いて日常生活に戻った時、人々はおうちから外界へ飛び出していくでしょう。単調な生活の中のさりげないアートが、外界の刺激に消されてしまわぬよう、ギャラリストとして刺激ある!?企画を企てていかねばという所存です。

山本敦子アートプロデューサーさいたま国際芸術祭2020アシスタントディレクター

漂泊の時間 緊急事態宣言が発出されてから毎日歩いている。平日は仕事場までの往復、休日は自宅周辺の公園。公共交通機関を利用できないということもあるが、一年でいちばん気持ちのよい季節、そして時間はたっぷりある。 歩行には思考を活性化させる効果もあるようだ。歩きながら哲学したアリストテレス、旅をしながら俳句を詠んだ松尾芭蕉。洋の東西を問わず古来より歩行は多くの創造を育んできた。日本語には目的地を定めずそぞろ歩く行為を表現する逍遥という美しい言葉もある。 期間が決まらないまま芸術祭が延期になったこの不思議な時間は、まるで見知らぬ土地を漂泊しているかのようである。しかし思いがけず与えられた漂泊の時間は、芸術祭についてより深く考えるための逍遥の機会でもある。芸術祭に限らず、芸術や表現はこれまでとは違うかたちを模索せざるを得ないだろう。目的地が見えない今、この時間を漂泊し、逍遥しながら未来に向けて思考する時間としたい。

石上城行彫刻家埼玉大学准教授

コロナ騒動がもたらすこと コロナ騒動の渦中にあって思い起こされるのは「バベルの塔」の物語だ。 『人々が神に挑戦しようと塔を作り始めたので神は、人々の言語をかき乱して互いの話を通じないようにした。』 原因はさておき、インフラの大部分を停止しなければならない現在の状況は、もともと一つだった言語をかき乱して分断を生じさせた様子と重なる。 その後物語はどうなったか? 『人々は塔の建設を止めて世界へ分散していった。』

Page 9: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

 言語がかき乱されたことによって人々が世界へ分散し、それぞれの地域で独自の発展が進ことで多様な文化が育まれた。 つまりこれは、今 私たちが暮らす世界である。 使い古された言葉だが、ピンチの中に新たな文化の萌芽が潜在しているのは自明の理である。 非現実的な後戻りを希求するより、積極的に新たなカタチを模索する方が前向きな気持ちになれるだろう。アートとは本来このような姿勢を示しているはずなのだ。

高草木裕子「どこかでお会いしましたね2020」「うらわ街中2020」出品作家

コロナ禍渦中にて考えたこと さいたま国際芸術祭2020の開幕日は3月28日との変更発表後の再延期によって開幕日未定となる以前に私の出品する2会場の搬入・展示は行われた。感染防止対策に細心の注意を払いつつ会期を無事終了したものの、「うらわ街中2020」では会期延期中の会場もあるため、「さいたま市の美術家をつなげる会」としてはまだ事業終了に至っていない。 今回感じたのは、未知なるものに対する社会の脆さと伝播する恐怖の甚大さ、適切な情報の大切さである。増幅されうねりとなった恐怖をもって人々は政治的判断に従うこととなり、一部を除く社会の全機能が凍結した。医療パニックの起きた海外の病院医師が涙をもって訴える映像がSNSで流れ、テレビでは毎日感染者数や罹患者の事細かな情報が報じられた。インターネットを検索す

 美術展、芸術祭は “平常時 ”でないと成立しない、とはいえ活動は続けよう。人が人としてあるために。

小野養豚豚造形家

 世界がこのような事態になるとは誰しもが想像していなかったことと思います。目に見える敵なら何らかの対処方法を目で確かめながらできたことでしょう。しかしながら、今回の緊急事態は目に見えないウィルスだけに不安と恐怖が募り、さまざまなマイナス思考が駆け巡っています。目に見えない相手に対して人々は想像するしかありません。でも、私にとってこのような状況下になったからこそ気づきも生まれました。それは、人々が集い、話し、笑い、食べ、遊ぶことを自粛され、当たり前であった人と人との触れ合いがどれだけ大切で貴重な時間であったかということです。当たり前って何でしょう?世界的に大きな事態になった今、思うこととして当たり前は存在しないと思います。また、いつどんなことが私たちを襲うかわかりません。目に見えない何かと相対するためにこの緊急事態が終息したらひとつひとつ丁寧に大事に過ごしたいと心から思います。被害に遭われた方々、医療従事者の方々には、一刻も早く落ち着いた時がきますようにお祈り申し上げます。

新村隆慶ヴァイオリニスト

やさしい世界へ向けて 日本でコロナウイルスの影響が広まり始めた3月以降、私にとって苦しい時間が続いた。苦しさとは、精神面でのことである。昨年から抱えるプライベートでの問題が日毎深刻さを増す上に、コロナウイルスによる閉塞感が覆い被さった形だ。何をしたら良いのか分からず、心が折れることも何度もあった。 救いとなったのは、友人たちだった。しばらくぶりの連絡にも関わらず、彼 /彼女らは快く食事を共にしてくれた。外出自粛となってからは、遠隔でたくさんの言葉を交わした。元気にしているよという声を聞くだけで、

Page 10: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

こちらが励まされた。 苦しみの中身は、人それぞれだと思う。お互いにその程度を競ったり責めたりしても、何も生まれはしない。声をあげよう。助けてほしいという声を。少しでも余裕があるなら、その声に耳を傾けたい。手を差し伸べることで、大抵自分も救われている。苦しい時を越えて、人は、社会は、もっとやさしくなれるはずだと信じる。

遠山昇司さいたま国際芸術祭2020ディレクター

「わかっている わたしがいくら悲しくても」 今年は桜の写真を一枚も撮っていないことに気付いた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、自分の中で生まれた不安が咲き誇る満開の桜への視線を変えてしまった。こんな状況でも花は変わらず美しい。しかし、今年はその美しさに戸惑ってしまった。見えないウイルスと不安、まるで白い霧が私たちの周りを覆っているかの様だ。そんな状態の中で思い返した詩がある。ポーランドの女性詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの言葉。

またやって来たからといって 春を恨んだりはしない

 僕にとってシンボルスカの言葉は、いつも大事な時に蘇ってくる。映画を作る時、芸術祭の準備を始めた時、そして開幕が延期になった時も。何かを始める時の決意の瞬間、何かが失われてしまい喪失感にかられた時、彼女の言葉から感じられるその意思に僕は支えられてきたと思う。私たちは霧の中を知っている。春の桜の美しさを知っている。その暗さも、その明るさも。

三浦匡史さいたま国際芸術祭2020キュレーター

ポストコロナ時代のさいたま ポストコロナ時代において、都市はどのような姿が望ましいか、都市生活者はどのような生活像を描いていけばよいかを考えている。 東京一極集中や短期的な経済性至上主義に抗って、地域性や多様性を大切にするまちづくりに取り組むことの困難さを感じていた。そんな中で世界全体を襲ったパンデミックは「不気味な姿の変革をもたらすもの」=「黒船」とも感じた。 今後も続くであろう感染症の恐怖に備える新しい暮らしや都市のあり方の模索は、防災や公共空間の余剰活用(稠密から開疎への転換)につながり、市民一人一人のWORKと LIFEの近接化(移動の見直し)や身近な地域でのつながりの獲得という価値観に落とし込まれると期待する。 このようなタイミングで、しかもさいたま市の中心市街地である大宮をメイン会場に開催されるさいたま国際芸術祭2020。外出やイベントの自粛による当初日程の延期という困難を経て開催できた暁には、アーティストの想像力を借りながら様々な可能性を妄想してみたい。

伊藤奈津子さいたま国際芸術祭2020サポーター

芸術祭と私 芸術祭は私にとって驚き、学び、出会いの場です。作品やアーティストの考えに触れ、時には肯定されたような気持ちになり、また時には鋭く批判されたような胸の痛みを感じます。 それが立派な美術館や講堂の中にあるのではなく、またテレビや書籍の中から語られるのでもなく、目の前の作品、あるいは一緒に制作している過程で訴えかけられてくるのですから、その臨場感は普通ではありません。そして出会いですが、そもそも祭りはみんなで作るもの。

Page 11: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

立場の違いはあったとしても、準備の合間に交わす言葉や、一緒に食べたおやつ、感動の瞬間を共にして、人々の間に自然と壁もなくなるように思います。 また会期がはじまれば、「凄いね。不思議だね。わからなかったよ。また観てみようかな。」とありのままの気持ちを交換しあう、ただの人と人です。 コロナ禍の中で、生きるか死ぬかと各々が努力しているときに、「芸術祭」なんて言っていると呑気に思えるかもしれません。 でも人と人がフラットに向き合えるもののひとつが、芸術だったりするから、静かに芸術祭の灯を私はあたため続けたいと思います。 最後にさいたまトリエンナーレ2016年から今日まで芸術祭で出会ったすべての方々に感謝します。また、まださいたま国際芸術祭を未経験の方々、気楽に、一緒に参加しましょう。 思わぬ生きるヒントが、ここにはあるように思います。

廣瀬牧子さいたま国際芸術祭2020サポーター

私にとっての芸術祭 これを書いているのは緊急事態宣言が解除されてから数日後。解除されても芸術祭がどうなるのか先は見えない。こんなことが起こるとはまったく考えずに「Sightama Art Center Project」のプログラムを楽しんでいた。さいたまトリエンナーレで生まれた人とのつながり、現代アートへの興味。2020はさらにそれを深められるという期待でいっぱいだった。会場は市民会館おおみやから旧大宮図書館へ。楽しくカラフルに生まれ変わった部屋で、皆で語らいながらアートを鑑賞するという贅沢、新しく生まれたつながり。「さあ、これからが本番」という時にコロナ騒ぎが持ち上がり、すべての企画が延期になり、会場が閉鎖された。でもアートを通して繋がった人とのつながりは閉ざされなかった。かえってそのつながりは強くなったとさえ感じる。もちろんアートを生で鑑賞し、新しい刺激、視点を得るのも大事だが、それ以上に芸術祭を通して生まれる仲間、人とのつながりが私にとっては一番大事なものだとあらためて思う。

根本賢武蔵野美術大学建築学科学生さいたま市若者会議メンバー

「Stay Local とその後」 4年前のさいたまトリエンナーレ2016、それは当時美術系の高校でくすぶっていた私が芸術の楽しさを再認識するきっかけとなる、まさに「参加できる芸術祭」だった。同時にさいたまの地理や歴史、原風景など、いわゆる「地域文化的遺伝子」を自分自身が再考するトリガーにもなった。それ以来私が見沼地区でのアースワークに参加するようになった延長で、今芸術祭では美術と街巡り企画の “ボーダーズ ”(主催 :社会芸術 /ユニット・ウルス)において市民サポーターとして1年前から準備を共にさせていただいた。一方で今芸術祭の開幕前に開催された先行プロジェクトの中にもまた地域らしさを再考するものがあった。コロナ以後、東京一極集中が見直されるとして、その地ならではの根源的な営みの中で育まれた創造性や美意識に光が当たるだろう。そこから抽出したエッセンスにこそ、その地ならではの芸術祭をつくっていくヒントがあるのだと考える。

堤直人さいたま国際芸術祭2020サポーター

コロナにはアートという免疫力で この状況をどう楽しむかを楽しむ時間となった。延期で作家とキュレーターが徐々に不在となるなか、遠藤さんは動いていた。御百度達成時の言葉「みなさん・・・」は生涯忘れない。こちらこそ勇気と希望をありがとう!ミヤケマイさんの遺伝子も継承中です。エアーで気運を絶やさない革新的なグループ以外にも様々に関る個人やグループがあってもいいじゃないか、との思いで自分はアートとしてのSNSを発信し続ける事とした。延期を利用し少しでも興味や認知の向上と、公式も頼むぜ!という気持ちを込めて。まだ関わったことがない芸術祭。2016からのサポーターは芸術祭への愛が凄い。驚愕というやつですね。昨年か

Page 12: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

ら参加しいくつかの芸術祭に出掛けた。まだ当地の人と交流は出来なかった。しかし今なら経験や自粛中の活動により違う自分で迎えられると思う。この期間で少しは差が縮んだかな。さあ、次は開催したいという思いを集結しましょう!

丸藤晃代さいたま国際芸術祭2020サポーター

コロナ禍に思うこと 2020年 3月、さいたま国際芸術祭への熱量が増していた。そんな矢先、新型コロナウィルスの流行により日常が奪われてしまった。芸術祭は凍結。気軽に外出も出来なくなってしまった。家にいるため、家族との会話が増えた。良い変化だ。散歩を始めた。内面と向き合う機会が生まれ、見沼代用水の緑を見ること、代用水にいる鴨を見るのが楽しみになった。オンライン宿泊やオンライン醸造所にも参加してみた。自分の捉え方次第で自粛生活も充実させることが出来ると感じた。散歩は新しい日常が始まっても続けていく。身近に芸術祭があることはとても恵まれている環境だと気づいた。本会期の芸術祭をどう感じ、新たな学びがあるのか、とてもわくわくしている。

大原由東京芸術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻

延期下での展開をみて 芸術祭の開催時期が延期された。何となく自分の制作スパンに違和感を持っていたことから、この延期はひとつの作品に時間をかけれる良い機会となった。一方、今回公募プログラムで発表する作品のために撮影をお願いしていた芸術祭参加作家・キュレーターさんで、止むを得ず展示を中止・延期された方々がたくさんいらっしゃった。非常に残念だが、その中で、たまたま芸術祭と期間

が一致したため冠が付いているが、隔年独自に開催している展示の存在や、かたちを変えてアーカイブの為に無観客で開催したもの、徹底した感染予防対策のもとやり抜いた作品など、さいたまの地盤の強さや、アーティストたちのサバイバル力に感動して、なんだかホッとした。じっくり時間をかけて自分も頑張りたい。撮影に協力していただいた方々本当にありがとうございます。引き継ぎよろしくお願い致します!!

小林未季作曲家さいたまアートセンタープロジェクトチーム

『自分を大切にしてほしい』 ここ1年間で本芸術祭に加え、共作も含め10本の舞台や映画の音楽の制作に必死で取り組んでいた中での凍結だったので、なんだか気づいたら世の中がとんでもないことになっていて、どうやら芸術祭も無期限延期になってしまったらしい…そんな感じでした。考え抜いた結果、私にできることは、コロナ以前と変わらず、音楽で心の居場所を丁寧に作り続けることだという答えを出しました。そして、今こそアートの出番だと思っています。 3月15日、コロナ疲れを感じている人たちの心が穏やかになるお手伝いをしたいと思い、プロジェクトを立ち上げました。タイトルは『A New Normal』。意味は、新しい日常。私の人生に素敵な影響を与えてくれたアーティスト14名に声をかけ、賛同してもらい、一緒に作り上げてもらいました。 不安なときや、うまく心のスイッチが切れないとき。音楽やアート作品は、どんなときも居場所になってくれます。この曲が少しでもその心が穏やかになるお手伝いができたらいいなと思います。

Page 13: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

太田一穂さいたま路上観察学会さいたま国際芸術祭2020サポーター

「凍結期におけるさいたま路上観察学会」 さいたまトリエンナーレ2016、そしてさいたま国際芸術祭2020のコンセプトは「共につくる、参加する」芸術祭である。「共につくる」、はわかる。「参加する」ということをなんで強調するのか、もしかして「参加しない芸術祭」はありうるのかとつねづね思っていた。COVID-19の影響で前提として集まれない世界がありえたのだ、ということにあらためて気付かされた。もともと街歩きや写真が好きだったので、さいたまトリエンナーレ2016を機に「さいたま路上観察学会」を結成した。さいたま市を中心に歩いてまわり、写真を撮り、考察する団体である。関東大震災からの「考現学」、80年代の「路上観察学会」をもとにしている。埼玉では1993年に路上観察学会が行われていて書籍も出ており、そこから四半世紀あまり、21世紀の、令和の時代の路上はどうなっているか、さいたま市民の多様なる考察を残すべく発足。まずは次回のさいたま国際芸術祭に向けて、さいたま市10区をまわるべく活動していた。2019年 8月からSACPが始まった。参加しているうちに「アートアクション展」へのお誘いを受けた。アートアクション展はさいたま市をメインに活躍しているアート系の市民団体の展示プログラムで、さいたま路上観察学会としては今までの活動をまとめる良いチャンスと捉え、今までためていた路上観察の写真にタイトルと考察を付け加えるカード形式の展示にした。1月 25日から変則的に開催、3月14日からは芸術祭本体の会期にあわせてほぼ毎日開催のだったので、会期中もカードを新規作成して入れ替える予定だった。実際は3月頭で会期延期により中止となってしまった。3月末、会場にメンテナンスのため入っていたときに、浅見さんから「路上観察やりましょうよ」と声をかけられた。これからしばらくの間は人が集まる行動が取りにくくなると感じていたが、本来、路上観察は個人活動であり、オンラインで集まれる場さえあれば続けられると思った。そのためにはハッシュタグを決めよう、と。4月 11日に zoomで開催されたオンライン全国サポーター会議で「さいたま路上観察学会」について話した際に、ハッシュタグを募った。一番の案は「さ

いた、まだ?」というものだった。ハッシュタグの規約上難しかったので、アルファベットで「#sightamada」とした。日本語も欲しかったので、候補に上がっていた「#咲きますさいたま」も加えた。当初の緊急事態宣言期間であったGW明けに向けて、以下のように呼びかけた。ーーーー 現在、COVID-19の影響でさいたま国際芸術祭2020は開幕が延期されたままですが、主に大宮のいくつかの通りには街灯の上に国際芸術祭のタペストリーがあります。また、市内全域で、お店や掲示板などでポスターが展開されています。 芸術祭のテーマが「花」ならばこれらは開花を待つ蕾ととらえることができます。これら蕾の「今」の状態を記録しておこうと思いました。ぜひこのGW中に、今まで撮りためた写真を整理がてら、・ポスター・タペストリーの写真・撮影場所・撮影時期(以前ものなら入れたほうがいいかな)・さいたま国際芸術祭2020への想いなどを盛り込んで facebook や Instagram,twitter などに投稿してみませんか?お題に沿っていれば、形式は自由です。ハッシュタグも各SNSで使用できるように調整しました。もちろんいろいろ付け加えること推奨です。#artsightama#sightamada#咲きますさいたま#さいたま国際芸術祭2020#さいたま路上観察学会ーーーー 現時点ではあまり集まってはいませんが、さいたま国際芸術祭2020も現時点では再開してないので、まだまだ募集中です。途中経過として、一部分を以下にあげておきます。

Page 14: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト
Page 15: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

みきたまき(DamaDamTal)

パフォーマー

#ブックカバーチャレンジ そのウイルスはSNSを通して拡大し先ずは所有する“本 ”に感染する。本からは次々と “内容 ”が奪われ、潜伏期間の後に所有者の知力が著しく低下するだろうという予測がなされた。 感染を防ぐには全ての本にカバーをつけて不要不急の読書を控えるように、との専門家のアドバイスも発表される。 瞬く間にブックカバーの買い占めが全国に広がり、不正に高額で転売する者も現れた。国民はあらゆる紙を使って家中の本にカバーを付け始めた。「これでは紙自体も不足する」国中が半ばパニックに陥った。 事態を重く受け政府は全世帯に布ブックカバー2枚を配布したが「サイズが合わない」「本の虫が混入している」などのトラブルが多発しており未だ事態は収束する兆しがない。 そんな中、誰が始めたか定かではないが #ブックカバーチャレンジ が始まった。 一体どんな物で本をカバーする事が出来るのか?もう一度立ち止まり冷静に考えてみよう。

岩瀬菜美タウン誌『Acoreおおみや』記者

パンデミックの中、より力強い芸術祭に前進 「さいたまトリエンナーレ2016」が大好きだったので、「さいたま国際芸術祭2020」が開催決定と聞いたときはとても嬉しく思いました。現在、コロナウイルスの影響で凍結状態になってしまった、さいたま国際芸術祭ですが、ポジティブに考えれば、芸術と向き合える良い機会になったのでは。 新しい表現や場が生まれるかもしれないし、『ピンチはチャンス』じゃないけど、不安と混沌の中で、より力強い、さいたまらしい芸術祭になれるよう期待しています。信じています!

出口朱輝せせらぎコンサート市民企画委員会埼玉県職員さいたま国際芸術祭2020サポーター

今禍と自分 恐るべき感染症が身近にある環境というのは、自分と身の回りのことをよく見、考えることを、いつもよりよくするようになるので、良い時間かもしれない。新型コロナ禍で、自分が関わるイベントがいくつか延期、中止になったが、それはまたふさわしい時を得て実施できることだろう。今禍がどんな姿をしているのか、メディアで見聞きしているだけではよく分からないので、軽症者の宿泊療養施設の運営支援の場に足を踏み入れてみた。そこには療養者さん(直接接触はない)を中心にいろいろな立場で関わる人たちが居て、渦(うず)ができていた。ヒリつくような緊迫感がただよう瞬間もあれば、仲間たちとの連携に頼もしさや誇らしさを感じる瞬間、忙中の閑に和む瞬間もあった。全てが上手く運んでいるわけでは決してないが、むしろ充実感と楽しさを感じて帰ってきた。今禍の行方はまだまだ分からない。知人、友人の困窮も散見される。自分がどこに身を置き、何をし、何を感じ、何を表現していくのか。経験と本能を動員して当たっていきたい。

鈴木直哉 さいたま国際芸術祭2020サポーター

『咲く花の絆』  私は隣人のY氏に誘われるがまま、さいたま国際芸術祭2020に関わるようになりました。初めて参加したMTGはHOOさんのプロジェクトの説明で、夫婦で日記を書くことができました。また、SACPが夏頃から定期的にイベントを通じたコミュニティの場を提供してくれたことで、知人の数が徐々に増えていきました。2月から3月にかけて、芸術祭へ向けて幾つかの出品作品へのお手伝いをさせて頂き、さあいよいよ芸術祭開幕だとい

Page 16: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

う時に新型コロナの影響で延期ということになりました。 実は当初の期間は芸術祭のために自分の予定をだいぶコントロールしていました。2ヶ月はこの芸術祭のために自分の生活の主な時間を費やそうと考えていました。なので、ショックでした。 やがて、コロナによる移動をするな(さいたまで過ごせ)という自粛生活が始まります。不安や気持ちが晴れない日が続きましたが、支えて励ましてくれたのは芸術祭を通じて知り合った仲間でした。「近所っていいよね。」を合言葉に動けない今だからこそ、皆さんと繋がれる瞬間が何度もありました。 まだ延期された芸術祭は公式的にはキックオフしていませんが、各々の関わり、絆は着実に固く結ばれていると思います。だからこその特別な『さいたま国際芸術祭2020』、今から楽しみしかありません。

山本未知 ソーシャルデザイナー・本屋さいたまアートセンタープロジェクトチーム

5月17日が終わって 芸術祭の現場に携わり始めて一年間が経過しました。奇しくも初めて旧大宮図書館に足を踏み入れたのも2019年 5月 17日であったし、本来ならば芸術祭の会期が終了するのも2020年の同日でした。 自分が今回のさいたま国際芸術祭に与えられた役割は芸術祭を記録(アーカイブ)すること。発案は浅見俊哉さんで、本を媒体として活動する自分には図書館という場所は何か啓示的で、この場所が持っている機能と自分の能力を積極的に芸術祭の成功のために活用したい。そんな思いで始まって一年が経過した5月17日には、いつの間にか映像作家のようにビデオカメラで遠藤一郎さんのほふく前進を記録していました。 そして5月17日も過ぎた今、自分が当初想像していた芸術祭はある意味終わってしまったのかもしれない。しかし、この芸術祭に携わり続けてきた熱量は記録し続けている。さいたまアートセンターを作るための準備は継続している。早く伝えたい記録がたくさんある。

しんやけいこさいたま国際芸術祭2020大宮区在住

さいたま国際芸術祭2020へ思いをよせて さいたま国際芸術祭2020が私にもたらしたものは、かけがえのない出会いと挑戦だった。子どもの誕生や保育園の申請など節目で足を運ぶことの多い旧大宮区役所と幼い娘と過ごした子ども室や小学校の図書ボランティアで本を借りに伺ったこと、たくさん思い出の詰まった旧大宮図書館が再利用され芸術祭の開催が決まり、嬉しさと未来への希望で関心を寄せ、わくわくしていた。アーティストの制作活動に関わり、壁に色を塗り、カラフルになる壁や天井、そして完成に近づくにつれて、その姿は使い古した洋服がリメイクされたような晴れやかな気分になった。 先行プロジェクトのサーキュレーションさいたまのワークショップに参加し、旧図書館へ足を運び、他の階でことば基地の制作をしていたコーディネーターのアーティスト・浅見俊哉氏と出会うこととなり、芸術祭との関りは深くなっていった。

 私にとって、芸術やアートは距離のあるものだった。若くして結婚し20年、年の離れた3人の子育てをしている。美術館やギャラリー、劇場のような静寂を求められる場所に足を運ぶ機会はあまりなく、子育てを通しての体験だった。アートイベントで東京丸の内の歩道に点在する造形物を子どもたちと宝探しのように回り、触ったり座ったりと子どもたちと遊んだ。「さいたまトリエンナーレ2016」で、次女が所属している市民劇団「リーベ」のミュージカル公演が催しになっていた。さいたま市別所沼公園に遊びに行った際、たまたま開催されていた日比野克彦氏の「種は船プロジェクト inさいたま」で幼い息子といたずら書きをして色を塗り、わくわくした思い出などがある。しかし「アートに触れている」という感覚はなかった。 大きな転機となったのは「Sightama Art Center Project」で、浅見氏と足利市立美術館学芸員・篠原誠司氏の「アート鑑賞の実験室 vol.2 書いて伝えよう、アートのすがた」というワークショップに中学2年の次女と5歳の息子、夫と共に参加したことで私の芸術やアートに対する思いは一変した。高草木裕子氏の作品「風を受

Page 17: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

けそよぐ」を観察し、イメージや旅の記憶などの問いに答え、短冊に短歌を書き共有した。次に短歌を140字の原稿用紙に文章にして共有し二人からコメントを受けた。豊かな2時間はあっという間に過ぎた。自由な発想を受け止め、寄り添い、共有し合う場で、娘がのびのびと発する言葉の一つ一つが私には新鮮だった。中学2年という難しい年頃で「学校に友だちはいない」「居場所がない」とぼやく娘が二人の声掛けに化学反応を起こし「ここに居ていいんだ」と感じていた。息子は5歳なりの言葉を使って、作品に感じた直感や疑問を発し、受け止め、答えてもらい、満足げに楽しそうな笑顔で作品と戯れていた。数日後、ワークショップに何度か参加した娘が「どうして、浅見さんはいつも褒めてくれるの?」と私に話した。日ごろ劣等感を抱く娘が「なんでこんな私のことを褒めるのだろう」という疑問を抱いているのではと感じた。私は浅見氏にこの問いを伝え、浅見氏は「真桜ちゃんのすべてが素晴らしいから」と答えた。私がそれを娘に伝えると満面な笑みを浮かべ、何も言わず自分の机に向かって勉強を始めた。

 突然のコロナ休校で娘は、なにもない日々にやりたいことを見つけた。「私、ギターをやりたい」そう言われたときは、びっくりした。なぜギターなのか?不思議だった。実際は中3の受験生なので親としては勉強してほしいが、こんなにもゆっくりと自分がしたいことに取り組める時間も一生のうちに今しかないと、私はそう感じていた。 「ギターを弾けるようになりたい」その思いは日に日に強くなり、私は娘にギター教室に通わせた。娘は自分のやりたいことのために学校の課題を終わらせ、時間を自分なりに確保して取り組むようになった。そのきっかけは、やはり芸術祭で自己を表現するアーティストの若者たちからの刺激や大人たちに対等に扱われたことが大きいように思えた。「私はやりたいことをしていいんだ」「好きだと思うことに取り組むことは良いことなんだ」と自己を肯定し始めた。「自分なんて…」という思いがあった娘が楽しそうにギターに取り組む姿が見れたことも、この休校があったことでゆっくりと自己と向き合うチャンスがあったからではないかと、母親として嬉しくそして娘の成長に喜びと幸せを感じた。

 芸術祭に参加したことで、“とびらプロジェクト ”という東京都美術館と東京藝術大学の協働プロジェクト・アートコミニケータのボランティア育成を知り、受けても受からないという人気の人材育成プロジェクトに挑戦した。

学歴やキャリアもなく、子育てしかしてこなかった私に受かるのだろうかと不安で自信もなかったが、そこに勇気をくれたのは、若い藝大卒業生のアーティストやキュレーター陣だった。「新谷さんにぴったりだから~」と背中を押してくれたのである。一次試験に通過し、二次試験の面接で自分が大切にしていることを言語化できたこと、7倍の応募に合格し、オンラインで始まった講義が、また新たな学びと出会いになっている。

 まだ自粛モードも緩やかな3月の暖かな春の日、家族でシェア自転車「HELLO CYCLING」で巡った “美術と街巡りスタンプラリー ”、家族で新大宮区役所から別所沼公園までいろいろな場所を回り、「なんで洗面器なのだろう?」「なぜこれはここにあるのだろう?」「なにで出来ているのだろう?」「おどろおどろしいくて怖い」「これはキレイ」と色々な感情を一人ひとりが感じることができた。楽しみ面白がり創造性を膨らませ、家族でコロナ禍を乗り越えて行くきっかけになった体験だった。昨年の夏からの経験や体験、思い出は、この先の人生でかけがえのないものだろう。

 現代アートは、存在や意味を鑑賞者が制作者の思いを感じ理解するのはとても難しく、“意味が分からない ”を分からないと自ら感じることで、自己を否定せず自己の心と対話することができる。自己と対話することで自己を承認し他者を承認すること、寛容な心が育ち他者を容認できるようになるのではないかと考える。 ワークショップや制作活動のボランティアに関わり、他者から承認される成功体験こそ、コロナ禍や有事など突然の変化が起こったとき、私たちは一歩下がって客観的に自分の気持ちを処理することができるのではないでだろうか。 日々の生活の中で、一人ひとりが尊重され大切にしてもらう経験は昨今の社会の中ではなかなか無いと感じる。

 創造活動には私たちの心の健康を支え、心を育む力がある。新型コロナウィルスによって引き起こされた危機を乗り越えるため、ユーモアと創造性、つながりがこのコロナ禍に必要不可欠なことではないだろうか。 “市民が参加する芸術祭 ”のコンセプトをもつ、「さいたま国際芸術祭2020」で育まれる出会い、つながり、心の健康、孤独感や閉鎖感の解消、ユーモアというアートの力で、乗り越えられないかと願っている。 アーティストやそこに関わった人たちの創造力とたく

Page 18: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

さんの作品が世に出るように、その力がたくさんの市民の糧になるように、開催のお知らせが心から待ち遠しく楽しみにしている。

世古口まりかコミュニティサークルLO&PE365 代表(ロープサンロクゴ)

なぜ?文教地区さいたま市に芸術祭は根付かないのか。 ヨコハマトリエンナーレは2週間遅れでスタートとのこと。65組の国内外のアーティストは来日などできないため、遠隔で作品を仕上げていくとのこと。 なんで、横浜だとかっこよく聞こえて、さいたまだとそうでもないのか。。。 さいたま国際芸術祭も同じハズなんだけど、、、 さいたまもぜひ開催して下さい! ダサい玉の刷り込みと、 翔んで埼玉以外の名物がないことと、 でも住んでいる人々はまぁまぁ埼玉が好き。っていうMIXな感じがもう埼玉! 海外の人に日本のどこに住んでるの?と聞かれたら「TOKYO」(笑)と答えるけども。 現在は延期になっていて、まだ未定なさいたま国際芸術祭、もう使っていない大宮区役所と、同じく使われていない大宮図書館が舞台です。 内装もカラフルに、すごくステキになっている所もあるからお披露目できたらいいですよね。 私はアーティストの1組アニー&ベスのクリニックに参加する予定だったけど、どうなることやら! このメイン会場にはNHKで深夜に人気の宮藤官九郎と又吉がやっている番組、おやすみ日本「眠いいね!」のブースもあったりとおもしろそうなんだけどな。 アートや芸術って心に余裕がないと楽しめないですからね。ですがとても大切な文化です。 こんなコロナ禍だからこそ、楽しい!とかステキ!と思えることがあるといいけどな。開催したらそんな気持ちにはなれる人がいるはずです。 私はとても楽しみにしています◎

御礼 2020.2.27、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で芸術祭の開催が延期されました。SACPでは、これまでプロジェクトに関わってくれた方が、「今」どの様なことを感じ、考えているのか記録したいと動きました。 「今」は、主体的に働きかけなくてはすぐに次の「今」が訪れてしまいます。芸術祭開幕直前、未曾有の事態に直面した芸術祭に関わる一人ひとりの記録は、未来にとって大事なものになると考え、4/13、以下の呼びかけをメールで行いました。

 緊急事態宣言下で「コロナ凍結期」としていた期間(2月中旬から芸術祭再開まで)を、今(8/24)、「お家で再考期」と位置付けることにしました。芸術祭が「凍結していた事」に焦点を当てるよりも、その期間に「何をしていたのか」に焦点を当てたいと考えたからです。 集まった26名の方々の原稿は、日常が変化し、家にいることを余儀なくされたこの時期・環境で「感じたこと、考えたこと、芸術祭への思い」が記録されています。この時間がこれからこのテキストを読む方と共有されることで次の何かに繋がるととても嬉しいです。 最後に、貴重な原稿を寄稿してくださった皆様に改めて深く御礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2020/08/24 浅見俊哉

Page 19: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

9/25金曜日の芸術学校

19:30-21:00講師:遠山昇司(さいたま国際芸術祭2020ディレクター)会場:旧大宮図書館・ことば基地

コロナ禍に直面した国際芸術祭を考える

土曜アートチャレンジ

9/26

16:30-18:30

コロナ禍に直面した「さいたま国際芸術祭 2020」のディレクターとして考えていることや感じていることを共有します。「新しい生活様式」への切り替えと合わせコロナ禍で一変した生活の中でも市民が文化芸術を享受する機会とアーティストの表現の場を絶やさずに継続できる芸術祭のあり方とはどのようなものなのか。意見交換をしましょう!

9/30深呼吸する水曜日

19:30-21:00

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える①

芸術祭ナビゲーター養成講座(全3回)講師:石上城行(彫刻家・埼玉大学准教授)+さいたまアートセンタープロジェクト招聘作家

会場:旧大宮図書館・ことば基地 / 展示室他

今秋に公開される「さいたま国際芸術祭 2020」の作品のナビゲートをしてくれるスタッフの養成講座です。作品を来場者に楽しく・分かりやすく伝える為のポイントを共有します。アートを通して人と関わることが好きな人・アートを自分の言葉で伝えたい人におすすめの講座です。基本、全3回の講座(9/26・10/3・10/10)を受講してください。受講後は、来場者に向けて作品ナビゲーターとして芸術祭の現場で、来場者へ向けてナビゲートをしていただきます。

「A New Normal」 小林未季 トークイベント・映像作品公開出演:小林未季(シンガーソングライター・作曲家)会場:旧大宮図書館・地下劇場

2020 年 3月15日。コロナ疲れを感じている人たちの心が穏やかになるお手伝いをしたいと思い、「A New Normal」が生まれました。シンガーソングライター、作曲家として活動する小林未季の表現する、” 新しい日常(New Normal)”。コロナ禍での、十数名のアーティストとの共同制作の舞台裏に迫ります。

10/310/10

▶プログラムの申し込み方法は裏表紙をご覧ください。

Page 20: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

10/2金曜日の芸術学校

19:30-21:00 講師:浅見俊哉(SACPコーディネーター)会場:旧大宮図書館・ことば基地

芸術祭ってなんだ?さいたまの現場から考えよう!

10/7深呼吸する水曜日

19:30-21:00

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える②

これからのパフォーミングアーツの展開を考えるvol.1出演:DamaDamTal(パフォーマンスユニット)

会場:旧大宮図書館・地下劇場

コロナ禍により、劇場での作品の発表、鑑賞方法について再考が求められています。どのように安全・安心を確保し、作品を共有する場所をつくることができるのか。本講座では、これまで SACP に関わってくれたアーティストとともに、ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考えていきます。vol.2 は 10/14 に開催します。

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える③

10/9金曜日の芸術学校

19:30-21:00 講師:森久憲生・植森侑子(さいたま国際芸術祭2020サポーター)会場:旧大宮図書館・ことば基地

「エアーさいたま国際芸術祭」の取り組みを考える

コロナ禍に直面した「さいたま国際芸術祭 2020」。会期延長、再開の見通しがなかなか見出せない中、サポーター有志が自主的に4/1-5/17 の期間中「エアーさいたま国際芸術祭」をオンラインで展開。その取り組みを牽引した2人のサポーターの動機やアイデアを共有し、ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考えます。

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える④

●講師プロフィール:みきたまき、大塚陽により 2016 年に結成されたパフォーマンスユニット。常に様々なジャンルのアーティストとの共作により、現実と非現実を自由に行き来する時間を提供する。主な展覧会に、黄金町 AIR(2018)、中之条ビエンナーレ(2019)などがある。

さいたま国際芸術祭 2020 の先行プロジェクトとして2019 年 8 月から展開している「さいたまアートセンタープロジェクト」。これまで、さいたまならではの「芸術祭」を模索し、実践していく場として機能してきました。本講座では、1895 年から行われている世界最古、世界最大の国際芸術祭であるベネチアビエンナーレから国内、国外の芸術祭の歴史を概説し、それぞれの目的や役割などを整理します。その「眼」を共有した後、さいたまの現場を眺め意見交換をしながら「芸術祭」を考えます。©K.Tamura

▶プログラムの申し込み方法は裏表紙をご覧ください。

Page 21: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

10/16金曜日の芸術学校

19:30-21:00講師:小西悟士(埼玉大学教育学部附属中学校美術科教諭) 菖蒲澤侑(文京学院大学人間学部児童発達学科助教) 中西麻友(NPO法人 芸術家と子どもたち 事務局長)

会場:旧大宮図書館・ことば基地

「教育 × アート」編

教育現場とアートはどのような関係を築き、それぞれの領域を横断できるだろうか? 本講座では、「教育とアート」をキーワードに精力的な活動をされている講師の方々のアイデア溢れる実践事例を元に、これからのアートの場づくりについて意見交換をしながら考えていきます。

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える⑥

10/14深呼吸する水曜日

19:30-21:00 出演:takanori niimura + みきたまき(DamaDamTal)

会場:旧大宮図書館・地下劇場

コロナ禍により、劇場での作品の発表、鑑賞方法について再考が求められています。どのように安全・安心を確保し、作品を共有する場所をつくることができるのか。本講座では、これまでSACPに関わってくれたアーティストとともに、ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考えていきます。

ウィズコロナ時代のアートの場づくりを考える⑤

●出演者プロフィール:takanori niimura / 新村隆慶 (ヴァイオリニスト ) 埼玉県出身。幼少期よりクラシックヴァイオリンの教育を受け、室内楽の経験を積む。現代舞踊との共演をきっかけに、即興演奏や作曲を始める。最新作 "sanctuary" を含め、これまでに3つのオリジナル CD をリリース。

▶プログラムの申し込み方法は裏表紙をご覧ください。

●講師プロフィール:

小西悟士(埼玉大学教育学部附属中学校教諭)武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションデザインコース卒業。同研究室の教務補助、助手を経て、アパレル会社に勤務。2008年より現職。地域に開かれた美術教育をコンセプトに、生徒作品をスターバックスコーヒーの店舗で展示(2011~2019)。「図工・美術の授業展 2018」「はみ出す力展~図工・美術の授業展 2019~」「はみ出す力展 vol.2~図工・美術の授業展 2020~」を開催(うらわ美術館)。

菖蒲澤侑(文京学院大学人間学部児童発達学科助教)保育・教育における造形活動について教えながら、教育的営為における芸術の役割を実践・研究している。Saitama Muse Forum 会員として、さいたま市内の商店街におけるアートプロジェクトにおいてアーティストの選定やワークショップのコーディネートを担当。また美術館でのワークショップ開発や鑑賞教育活動も実践、研究している。

中西 麻友(NPO 法人 芸術家と子どもたち 事務局長)1980 年大阪生まれ。大学で写真を学び、2006 ~ 08 年大阪市内の小学校に教諭として勤めた後、1 年半のイギリス留学を経て 2011 年 3 月入局。ワークショップ・コーディネーターとして、学校(特別支援学級含む)や、児童養護施設、障害児入所施設等での事業を担当。

これからのパフォーミングアーツの展開を考えるvol.2

Page 22: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

A New Normal文:小林未季

” 新しい日常(New Normal)”

2020 年 3 月 15 日、コロナ疲れを感じている人たちの心が穏やかになるお手伝いをしたいと思い、このプロジェクトは始まりました。

私は、お医者さんが病気を治療してくれるのと同じように、音楽には心を癒す力があると思っています。曲の前半は、不安定な世の中や、私も含めてコロナ疲れを起こしていた人たちの心を表現しました。後半は、それでもなんとか、できることをやっていこう、励ましあっていこう、という、人間の心遣いと決意を音楽にしてみました。

特筆すべきは、今作は、私の信頼するミュージシャンやクリエイターの方々と一緒に完成させることができたことです。疲れてしまった時、少しでも穏やかな気持ちになったり、自分らしい感覚を取り戻したりしてもらえたらいいなと思っています。

viola 大辻ひろの1st violin 島内晶子Piano and Programming 小林未季<Chorus>太田裕哥Cana Sotte Bosse kaho* 川口直久かわはらだゆうま(ツバクラメ)如月愛里小林未郁辻村崇manzo 夕見子<Music Video>Photography 浅見俊哉Direction 松谷ヒロキ(パップコーン)Composed and Mixed by 小林未季Produced by 小林未季

©Shunya.Asami

©Shunya.Asami

©Shunya.Asami

「A New Normal」動画はこちらから

Page 23: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト

このチラシは3000部作成し、1 部あたりの作成費用は40円(概算)です。

アネックスサイト(旧大宮図書館)

大宮区役所

埼玉りそな銀行

高島屋

氷川参道

旧中山道

大宮駅東口

2

線部日春またいさ

郵便局市民会館おおみや

旧大宮図書館【大宮駅をご利用の場合】JR線・ニューシャトルほか 大宮駅東口より 徒歩約 10分さいたま市大宮区高鼻町2-1-1

主催:さいたま市 共催:さいたま国際芸術祭実行委員会お問合せ:さいたま市スポーツ文化局文化部国際芸術祭開催準備室

〒330-9588 さいたま市浦和区常盤 6-4-4TEL:048-829-1223(受付時間 平日 8:30~17:15)FAX:048-829-1996Mail:[email protected]:https://art-sightama.jp

なんとSACPはチーム結成から一周年となりました!!シラバスもvol.4で完結するはずでしたが、まだまだ続きます。全てのシラバスを手に入れてね!次号vol.5もお楽しみに~!!(SACPメディアデザイン担当 懸谷)

編集後記

「現在の青図-記憶の窓・Sightama 2020-」浅見俊哉+23名の公募で集った参加者2020.3/28-4/5別所沼公園・ヒアシンスハウス

「ほふく前進御百度参り」遠藤一郎2020.2/8-5/17氷川参道

さいたま、コロナ禍のアートシーン

立原道造所縁のヒアシンスハウスで「記憶の窓」をテーマに、大切な品や記憶の品を日光写真で焼き付ける作品制作を行った。その後、搬入、展示作業、ギャラリートーク、搬出等、作家の表現活動を部分的にではなく、丸ごと体験できる企画として実施。6歳から70代の23名が参加し、コロナ禍の中、お互いの考えや表現を共有した。

期間中、ほぼ毎日、日本一長いと言われる約2kmの氷川神社参道をほふく前進で御百度参りし、石を並べるプロジェクト。回を重ねるごとに、向けられる視線や声が変化し100回目の満願の日には応援や励ましの声が多くかけられた。アフタートークではコロナ禍での制作において「止めずにやり続ける」しなやかさを共有した。

プログラムの参加方法来場にあたってのお願い○次の場合はご来場をご遠慮ください。 ・37.5℃以上の発熱がある場合 ・咳や咽頭痛などの症状がある場合 ・過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合○マスクの着用をお願いします。なお、新型コロナウイルスの影響により中止や内容を変更する可能性があります。詳細は公式サイトをご確認ください。※お預かりした個人情報につきましては新型コロナウイルス感染拡大防止対策のために、保健所等の機関への提供や緊急連絡をする場合等に使用する可能性があります。

プログラムの予約はこちら!

プログラムへの参加は全て完全予約制です。申込方法や申込期間など、詳細はさいたま国際芸術祭2020の公式サイトをご覧ください。(QRコードは申し込みページにリンクしています。)会場での実施が困難な場合はオンラインによるリモート配信を行います。その際の視聴方法は、公式サイトでアナウンスいたします。

Page 24: Sightama Art Center Vol. Project...Sightama Art Center Project 『Sightama Art Center Project』(以下SACP) は「さいたま国際芸術祭2020」の先行プロジェクト