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Analog Dialogue 49-01 1
統合型RFICに適した電源回路著者Qui Luu
無線周波数に対応する I C(以下R F I C)には従来と比べてより多くの機能ブロックが集積されるようになりましたこれに伴いノイズに関する問題がより複雑になることから電源の管理は従来にも増して重要性の高い課題となっています本稿では電源ノイズがRFICの性能に及ぼす影響について解説しますR F I Cの具体例としてアナログデバイセズ(ADI)の直交復調器「ADRF6820」を取り上げますがこの ICはPLL(Phase Locked Loop)とVCO(電圧制御発振器)を集積していることを1つの特徴としています本稿で示す結果は同ICだけでなく性能の高いさまざまなRFICにも広く当てはまります
復調器においては電源ノイズによってミキシング成分が生成され線形性が低下するほかP L L V C Oの位相ノイズが劣化する可能性もあります本稿ではLDO
(低ドロップアウト)レギュレータとスイッチングレギュレータを使用した電源の設計例を紹介するとともに電源回路について詳細な評価を行った結果も示します
ADRF6820は高い集積度のRF回路に加え2つの電源回路も内蔵しており本稿で行う議論に最適な製品といえますなお同 ICは直交復調器「ADL5380」と類似するアクティブミキサーのコアと「ADRF6720」と同じPLLVCOコアを備えており本稿で示す情報はこれらの製品にも当てはまりますまた紹介する電源回路の例は33V50Vの電源を必要とし消費電力が同等の新たな設計にも適用することが可能です
A D R F 6 8 2 0のブロック図を図1に示しました直交復調器とシンセサイザを中心に多くの機能を備えており次世代の通信システムには理想的です線形性に優れた広帯域の I Q復調器フラクショナルN(分数分周)方式で集積度の高いPLL位相ノイズの小さい複数のVCOなどを集積していますまた21のRFスイッチチューニングが可能なRFバランプログラマブルなRFアッテネータ2つのLDOも備えていますパッケージは6mmtimes6mmのLFCSPです
DC位相補正
DC位相補正
CS SCLK
SDIO
シリアルポートインターフェース
15 14 13 2 3 8 9 23 25 26 28 38
VPOS_3P3 DECL1~DECL4
211119 30 36 31 27 33 40 101
VPOS_5V
LDO(VCO用)
LDO(25V出力)
RFIN0
RFIN1
29
22
多相フィルタ
LOINndash
REFIN
LOIN+
I+
Indash
Qndash
Q+
4分周器PL L
34
39
35
5
4
7
6
図 1 A D R F 6 8 2 0のブロック図
電源の感度
電源ノイズの影響を最も受けやすいのはミキサーのコアとシンセサイザですミキサーのコアに結合したノイズは線形性とダイナミックレンジの低下につながる不要な成分を生成しますこの低周波のミキシング成分はアプリケーションで扱う帯域内に現れますこのため直交復調器にとってこのミキシング成分は特に重要な意味を持ちます同様に電源ノイズはP L L V C Oの位相ノイズを劣化させる可能性もあります不要なミキシング成分の発生と位相ノイズの劣化はほとんどのミキサーとシンセサイザに対して悪影響を及ぼします正確にどれだけの劣化が発生するかはチップの構成とレイアウトに依存します電源にかかわる感度について理解しておくことにより性能と効率の最適化を図った堅牢な電源回路を設計することが可能になります
直交復調器の感度
図2に示すようにA D R F 6 8 2 0にはギルバートセルを用いたダブルバランス型アクティブミキサーのコアが使用されていますダブルバランス型とはL O(局部発振器)ポートとRFポートの両方を差動で駆動するという意味です
VDD
IF∙
Q1 Q2
RF
Q3 Q4
IF∙
図 2 ギルバートセルを用いた ダブルバランス型アクティブミキサー
フィルタによって高次の高調波成分を除去した後のミキサー出力はR F入力とL O入力の和と差になります I F (中間周波数)とも呼ばれる差の項は対象とする帯域内に存在する信号です一方和の項は帯域外に存在しフィルタによって除去されます
V(t) = 2VRF [cos(wRFt ndash wLOt) + cos(wRFt + wLOt)]
ミキサーのコアには対象とするRF信号とLO信号だけが入力されることが理想ですが現実的にはこのようなケースは稀です実際は電源ノイズがミキサーの入力に結合しミキシングスプリアスとして現れますミキシングスプリアスの相対的な振幅はノイズ源によって異なる可能性があります図3はミキサー出力のスペクトルと電源ノイズの結合が原因でミキシング成分が現れる場所の例を示したものです図中のCWは電源レールに結合した連続波または正弦波信号の周波数です例えばスイッチング周波数が600kHz12MHzといったスイッチ
π
Analog Dialogue 49-012
ングレギュレータからクロックノイズが生じるといった状態です電源ノイズは2つの異なる問題を引き起こす可能性があります1つはミキサーの出力にノイズが結合したケースですこの場合周波数に変化を起こすことなくCWが出力に現れますもう1つはミキサーの入力でノイズ結合が生じるケースですこの場合CWがRF信号とLO信号を変調し IFplusmnCWの成分が生成されます
PSRR〔
dB〕
CW IF ∙ CW IF IF ∙ CW 周波数
図 3 電源ノイズの結合が生じた場合の ミキサー出力のスペクトル
このようなミキシング成分のスペクトルは対象とするIF信号の近くに現れる可能性があるためフィルタで除去することは困難です結果としてダイナミックレンジが低下することになりますが特に直交復調器ではそれが顕著です直交復調器では複素帯域において ベースバンドがDCを中心とするためですADRF6820の場合復調帯域幅はDCから600MHzです12MHzのノイズが発生するスイッチングレギュレータによってミキサーのコアに給電した場合 IFplusmn1 2MHzの不要なミキシング成分が生じます
周波数シンセサイザの感度
稿末に示した参考文献には集積化されたPLLとVCOに電源ノイズが与える影響に関する重要な情報が記載されていますそこに示されている原則は同じ構成の他の回路にも当てはまりますただし設計の異なる回路については個々に電源の評価を行う必要があります例えばADRF6820の場合VCOの電源としてLDOを集積していますPLL専用のLDOを内蔵している場合と内蔵していない場合を比較すると前者の方が電源ノイズに対する耐性は高くなります
ADRF6820の電源ドメインと消費電流
電源管理ソリューションを設計する際にはまずRFICの電源ドメインについて調べたうえでいくつかの要件を明らかにする必要があります各RFブロックに給電する電源ドメイン各ドメインの消費電力消費電力に影響を及ぼす動作モード各ドメインのP S R R(電源電圧変動除去比)といった項目について検討しなければなりませんこれらの情報を活用することでRFICの感度に関するデータを収集することが可能になります
A D R F 6 8 2 0の主要な機能ブロックにはそれぞれ個別の電源端子が用意されています同 I Cの2つのドメインV P M XとV P R Fには 5 Vの電源を供給します V P M Xはミキサーのコアに電力を供給しV P R FはR Fフロントエンドと入力スイッチに電力を供給しますその他のドメインは 3 3 Vの電源電圧を使用します内蔵L D OにはV P O S _ D I Gによって電力を供給しますこのLDOの2 5V出力がSPIPLLのΣΔ変調器シンセサイザの F R A C I N T(分数 整数)分周器に電力を供給しますVPOS_PLLは基準周波数入力(REFIN)位相検出器(PFD)チャージポンプ(CP)を含むPLL回路に電力を供給しますVPOS_LO1とVPOS_LO2はベースバンドアンプとDCバイアスリファレンスを含むLOのパスに電力を供給しますVPOS_VCOは別の内蔵LDOに電力を供給しその28V出力によって複数のVCOに電力が供給されますこの内蔵LDOは電源ノイズに対する感度を最小化するための重要な要素です
ADRF6820はいくつかの動作モードに構成(コンフィギュレーション)することができます285GHzのLOを用いた通常動作モードでも消費電力は1 5 m W未満ですバイアス電流を減少させると消費電力と性能の両方が低下しますミキサーのバイアス電流を増やすとミキサーのコアの線形性が高まり I IP3(3次入力インターセプトポイント)が向上しますがノイズ性能は低下し消費電力は増加しますノイズ性能が非常に重要である場合にはミキサーのバイアス電流を減らすことでミキサーのコア内におけるノイズが低減するとともに消費電力を削減することも可能になります出力部のベースバンドアンプでは低インピーダンスの出力負荷に対する電流駆動能力を変更することができます出力インピーダンスが小さい負荷に対しては高い電流駆動能力
0dBmのCW信号を33V5Vでバイアス
33V5V
33V5Vのバイアスをネットワークアナライザ(8753D)に印加
RF入力
外部LO入力またはPLL基準入力
スペクトラムアナライザでIQ出力を測定
図 4 A D R F 6 8 2 0の P S R Rを測定するための環境
Analog Dialogue 49-01 3
が必要であり消費電力も多くなりますデータシートには各動作モードにおける消費電力を示した表が記載されています
測定手順と結果
電源レールにノイズが結合すると周波数がCWとIFplusmnCWの不要な成分が生成されますこのノイズ結合を模擬するために各電源端子に対して周波数がC Wの信号を印加しますそして入力したCW信号に対し生成されるミキシング成分の相対振幅を測定しますこの測定値をPSRR(単位はdB)として記録しますPSRRは周波数によって異なるのでCWの値を30kHz~1GHzの範囲で掃引して計測を行います対象とする帯域のPSRRによってフィルタが必要かどうかが決まりますPSRRは以下の式で算出できます
[CWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]- [IQ出力におけるCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IFplusmnCWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]-[IQ出力におけるIFplusmnCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IF+CW〔dBm〕]=[IF-CW〔dBm〕](搬送波付近で変
調されるCWの振幅は等しいため)
測定環境 図4に測定環境の概要を示しますネットワークアナライザ(キーサイトテクノロジー社の「8753D」)に33Vまたは5VのDC電源を印加すると33V5Vのオフセットを持つ掃引用の連続信号(正弦波)が生成されますその信号をRFICの各電源レールに印加しますまた2つの信号発生器によってRFLO入力信号を供給しスペクトラムアナライザによって出力を測定します
測定手順
不要なミキシング成分の振幅はICのPSRRと評価基板上のデカップリングコンデンサのサイズ 位置に依存します図5は0dBの正弦波信号を電源端子に印加した場合に出力される IF+CW信号の振幅を示したものですデカップリングコンデンサを使用していない場合不要な信号の振幅は-70dBc~-80dBcでしたデータシートでは基板上面のICの横に100pFのコンデンサ背面に01μFのコンデンサを使用することを推奨していますグラフを見るとこれらの外部デカップリングコンデンサによる共振の影響が現れています16MHzにおける遷移は01μFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものですまた356MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと2つのコンデンサに起因する2nHの寄生インダクタンスの共振によって発生しています同様に500MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものです
CWの周波数〔MHz〕
CW+I
Fの振幅〔
dB〕
ndash60
ndash70
ndash90
ndash80
ndash110
ndash120
ndash100
ndash130001 01 1 10 100 1k
2次高調波
100pFのコンデンサと2nHのインダクタンスによる並列共振(356MHz)
100pFのコンデンサによる共振(500MHz)
01μFのコンデンサによる共振(16MHz)
01μFと100pF
コンデンサなし
RPRSL
100pF
RSLRP
01OtildeF
図 5 デカップリングコンデンサによる 共振が I F plusmn C W信号に及ぼす影響
測定結果
電源レール上の干渉信号(C W)と変調信号( I F plusmn C W)の振幅をベースバンド出力において測定しましたその際にはテストの対象とする電源レールにノイズを発生させつつ他の電源はクリーンな状態に保ちました図 6に 0 d Bの正弦波信号を電源端子に印加し3 0 k H z~1 G H zの範囲で掃引した場合の I F plusmn C W信号の振幅を示しました一方図7はCW信号からベースバンド出力へのフィードスルーを示したものです
CWの周波数〔MHz〕
IFplusmnC
Wの
PSRR〔
dB〕
20
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 6 I F plusmn C Wの P S R R
CWの周波数〔MHz〕
CWの
PSRR〔
dB〕
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 7 C Wの P S R R
Analog Dialogue 49-014
解析
それぞれのグラフは各電源端子の電源感度に関する重要なデータですV P O S _ P L LはP S R Rが最も低く最も影響を受けやすい電源ノードだと言えますこの電源端子はREFINPFDCPを含むPLL回路に電力を供給しますこれらの機能ブロックは影響を受けやすくL O信号の精度と位相性能を左右します各ブロックに結合したノイズは出力に直接伝搬します
同じ理由からVCOの電源も重要なノードであると考えられますグラフからはVPOS_VCOはVPOS_PLLよりもPSRRがかなり高いことがわかりますこれはVCOへの給電が内蔵LDOによって行われるためですこのLDOは外部端子のノイズからVCOを隔離することを可能にするとともにノイズのスペクトル密度を一定に保ちます一方PLLに対する給電には内蔵LDOは使用していませんそのため電源レールの中でVPOS_PLLは最も影響を受けやすくなっていますこのことから潜在的なノイズ結合からVPOS_PLLを隔離することが最適な性能を得るための重要なポイントになります
P L Lのループフィルタは高い周波数のC W信号を減衰させるためVPOS_PLLの感度は低い周波数においては低く 3 0 k H zから 1 G H zへと周波数を掃引するに連れて徐々に高くなります高い周波数では干渉信号(CW)の振幅が減衰しPLLに印加される電力レベルはかなり低くなるためV P O S _ P L Lでは他の電源ドメインよりも高い周波数におけるPSRRが高くなりますなお ループフィルタは20kHzをターゲットとして図8に示すように構成しました
電源レールを最も影響を受けやすいものから受けにくいものへ並べるとV P O S _ P L LV P O S _ L O 2V P O S _VCOVPOS_LO1VPOS_DIGVPMXVPRFの順になります
22Ccedil
22nF
33kCcedil
680pF11kCcedil82pF 330pF
図 8 ループ帯域幅を 2 0 k H zとして 設計した P L Lのループフィルタ
電源の設計 ここまででADRF6820の各モードにおける最大消費電力と各電源ドメインの感度について十分に把握することができましたそこで続いてはスイッチングレギュレータとLDOの両ソリューションを使って電源管理ソリューションを構築しましたADRF6820の電源レール用に6Vの電源から5Vと33Vを生成する回路を設計しています図9の電源回路ではVPMXとVPRF向けに5Vの電圧を生成しますCMOS LDOである「ADP7104」は負荷に対して最大500mAの出力電流を供給可能です「ADP2370」は静止電流が少ないことを特徴とする降圧型のスイッチングレギュレータですスイッチング周波数は12MHzまたは6 0 0 k H zですこの ICの出力にはフィルタを追加しスイッチングノイズを低減しましたA D P 2 3 7 0は負荷に対して最大 8 0 0 m Aの出力電流を供給可能ですADP7104またはADP2370を使用しADRF6820の5Vの電源レールに電力を供給します各電源端子にはデカップリングとフィルタリングを適用しています
図 1 0は 3 3 Vの電源を生成するための回路ですこの回路も図9の回路と同じように6Vの電源電圧を基にしていますがLDO段を追加していったん中間電圧を生成しそれを3 3Vに降圧している点が異なります追加したL D O段は損失を低減するためのものです 6 Vの電圧を直接3 3Vに降圧すると最大効率が55にとどまってしまいますこれを避けるためにLDOを追加しているということですこれに対しスイッチングレギュレータのパスにはLDO段を追加する必要はありませんなぜならスイッチングレギュレータではP W M(パルス幅変調)を利用した動作によって損失が最小限に抑えられるからです
3 3 V出力の電源については他の構成も考えられます例えば33Vの電源レールに対しLDOスイッチングレギュレータによって給電するだけでなくVPOS_PLLの電源レールに別のL D Oを使用したりV P O S _ D I Gの電源レールに絶縁型のLDOを適用したりすることも可能です最も影響を受けやすいのはPLL用の電源ですそこで出力ノイズがそれぞれに異なる電源ソリューションを試してみました
1 1
2
3
∙6V∙6V
P5
U9
JP4
U7
1∙6V_TP
RED
R66
R60
10kCcedil
ADP2370
ADP7104
R58402kCcedil
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
E6
120Ccedil
10OtildeH10OtildeH
120Ccedil
VPMX_∙5V
VPRF_∙5VE7
L3
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C831OtildeF
C821OtildeF
C8901OtildeF
C7610OtildeF
C2910OtildeF
C741OtildeF
2
1
2
1
2
3
4
1
2
3
4
6
5
7
8
6
5
7
8
PAD
PAD
VIN
PG
GND
EN
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FB
VOUT
SENSE
GND
NC
図 9 5 Vを生成する電源回路
Analog Dialogue 49-01 5
以下に示す3つのソリューションです
33V出力のCMOS LDO「ADP151」出力ノイズは 極小の9μVrms
33V出力のCMOS LDOであるADP7104出力ノイ ズはわずか15μVrms 33V出力の降圧レギュレータであるADP2370 ここで知りたいのは必要な位相ノイズ性能を得るためには電源ノイズの最大レベルはどこまで抑えなければならないのかということです果たして最小ノイズかつ最高性能のLDOは不可欠なものなのでしょうか
デジタルノイズが性能に影響を及ぼすかどうかを確かめるためにVPOS_DIGの電源レールに対して3 3Vの低ノイズCMOS LDO「ADP121」を適用してみましたデジタル電源レールはSPIにおけるスイッチングが原因でアナログ電源よりもノイズが大きくなる傾向がありますここで確認すべきことは3 3Vのデジタル電源レールに専用のLDOが必要なのかそれともアナログ電源に直接接続することが可能なのかということですなおADP121を選択したのはコストを抑えられるからです
1∙6V_TP
RED
ADP71045V500mAの低ノイズ
CMOS LDO
ADP710433V500mAの低ノイズCMOS LDO
出力ノイズは15μVrms
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
C661OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
P5
U7
U10
U6
U4
U8
JP5
JP3
JP6
2
1
2
3
1
2
C791OtildeF
120Ccedil
120Ccedil
C8501OtildeF
R73
R61
10kCcedil
ADP237033V12MHz600kHz
800mA低静止電流の降圧レギュレータ
R53402kCcedil
L2
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
68OtildeH68OtildeH
L4
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC9722OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E3
120Ccedil
C10410OtildeF
R590Ccedil
C105100OtildeF
E1
120Ccedil
ADP15133Vの低ノイズCMOS LDO出力ノイズは9μVrms
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCC301OtildeF
C651OtildeF
ADP12133Vの低ノイズ
CMOS LDO
1 13
4 2
INEN
OUT
GNDNC4
C781OtildeF
C981OtildeF
1
2
3 C1061OtildeF
E2DIG_3P3V
E4
E5
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_∙3P3V
PLL_3P3V
120Ccedil
1
2
3
図 1 0 3 3 Vを生成する電源回路
結論および電源設計における推奨事項
最も影響を受けやすい電源レールであるVPOS_PLLに対しては低コストのLDOであるADP151を使うことで高性能で低ノイズのLDOであるADP7104と同じレベルの位相ノイズ性能を達成することができました(図11)これに対しスイッチングレギュレータであるADP2370を使用すると性能は低下しました(図12)図13に示すようにスイッチングレギュレータを使用すると周波数軸で見た出力にノイズの隆起が現れますVPOS_PLLは総合的な位相ノイズ性能を低下させることなく最大15μVrmsまでのノイズに耐えられますしかしスイッチングレギュレータによってこの端子に給電するのは不適切ですなおより性能が高くノイズの少ないLDOを使用してもより高い効果を得ることはできませんでした
他の電源レールについてはスイッチングレギュ レータまたはL D Oを使用することで図 1 4に示すように良好な位相ノイズ性能を得ることができました5 Vの電源端子であるV M P XとV P R Fは一まとめにして(つまりは外部配線でショートさせて)単一電源で給電することも可能です同様に 3 3 Vの電源端子であるVPOS_LO1VPOS_LO2VPOS_VCOも一まとめにし単一電源で給電することができますVPOS_DIGには専用のLDOは不要であり3 3Vのアナログ電源に接続しても問題ありません
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
REF ∙56dBm
開始 停止
ATT 0dB
RBW 100HzVBW 300HzSWT 12s
10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
C831OtildeF
120Ccedil
C8901OtildeF
C811OtildeF
E7
120Ccedil
E6VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
1∙6V_TP
RED
RED
REDADP7104 ADP7104
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PADU7 U6
P5
VCC_∙5V
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
2
1
2
R590Ccedil
PLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
C8501OtildeF
C10510OtildeF
VCC_ ∙3P3V
C10410OtildeF
C661OtildeF
C1061OtildeF
E1
120Ccedil
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
R590Ccedil
C105100OtildeF
1
∙12V
P5
U9
U10
U4
R66
R60
10kCcedil
ADP2370 R58402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
10OtildeH10OtildeH
31
G
D
S2
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C761OtildeF2
1
2
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC821OtildeF
E6
120Ccedil
C831OtildeF
E7
120CcedilC8901OtildeF
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
E1
120Ccedil
C8501OtildeF
R66
R61
10kCcedil
ADP2370
ADP151
R53402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
VCC_∙3P3V
REDPLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_ ∙5VRED RED
VCC_VPMX
VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
68OtildeH68OtildeH
L4
L3
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCFBC9722OtildeF
C301OtildeF
C651OtildeF
C10410OtildeF
C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
![Page 2: RFICに適した電源回路 - Analog Devices...に電力を供給します。 VPOS_LO1 とVPOS_LO2 は、ベー スバンド・アンプと DC バイアス・リファレンスを含む](https://reader035.vdocuments.us/reader035/viewer/2022071002/5fbe9170843bc97b87510175/html5/thumbnails/2.jpg)
Analog Dialogue 49-012
ングレギュレータからクロックノイズが生じるといった状態です電源ノイズは2つの異なる問題を引き起こす可能性があります1つはミキサーの出力にノイズが結合したケースですこの場合周波数に変化を起こすことなくCWが出力に現れますもう1つはミキサーの入力でノイズ結合が生じるケースですこの場合CWがRF信号とLO信号を変調し IFplusmnCWの成分が生成されます
PSRR〔
dB〕
CW IF ∙ CW IF IF ∙ CW 周波数
図 3 電源ノイズの結合が生じた場合の ミキサー出力のスペクトル
このようなミキシング成分のスペクトルは対象とするIF信号の近くに現れる可能性があるためフィルタで除去することは困難です結果としてダイナミックレンジが低下することになりますが特に直交復調器ではそれが顕著です直交復調器では複素帯域において ベースバンドがDCを中心とするためですADRF6820の場合復調帯域幅はDCから600MHzです12MHzのノイズが発生するスイッチングレギュレータによってミキサーのコアに給電した場合 IFplusmn1 2MHzの不要なミキシング成分が生じます
周波数シンセサイザの感度
稿末に示した参考文献には集積化されたPLLとVCOに電源ノイズが与える影響に関する重要な情報が記載されていますそこに示されている原則は同じ構成の他の回路にも当てはまりますただし設計の異なる回路については個々に電源の評価を行う必要があります例えばADRF6820の場合VCOの電源としてLDOを集積していますPLL専用のLDOを内蔵している場合と内蔵していない場合を比較すると前者の方が電源ノイズに対する耐性は高くなります
ADRF6820の電源ドメインと消費電流
電源管理ソリューションを設計する際にはまずRFICの電源ドメインについて調べたうえでいくつかの要件を明らかにする必要があります各RFブロックに給電する電源ドメイン各ドメインの消費電力消費電力に影響を及ぼす動作モード各ドメインのP S R R(電源電圧変動除去比)といった項目について検討しなければなりませんこれらの情報を活用することでRFICの感度に関するデータを収集することが可能になります
A D R F 6 8 2 0の主要な機能ブロックにはそれぞれ個別の電源端子が用意されています同 I Cの2つのドメインV P M XとV P R Fには 5 Vの電源を供給します V P M Xはミキサーのコアに電力を供給しV P R FはR Fフロントエンドと入力スイッチに電力を供給しますその他のドメインは 3 3 Vの電源電圧を使用します内蔵L D OにはV P O S _ D I Gによって電力を供給しますこのLDOの2 5V出力がSPIPLLのΣΔ変調器シンセサイザの F R A C I N T(分数 整数)分周器に電力を供給しますVPOS_PLLは基準周波数入力(REFIN)位相検出器(PFD)チャージポンプ(CP)を含むPLL回路に電力を供給しますVPOS_LO1とVPOS_LO2はベースバンドアンプとDCバイアスリファレンスを含むLOのパスに電力を供給しますVPOS_VCOは別の内蔵LDOに電力を供給しその28V出力によって複数のVCOに電力が供給されますこの内蔵LDOは電源ノイズに対する感度を最小化するための重要な要素です
ADRF6820はいくつかの動作モードに構成(コンフィギュレーション)することができます285GHzのLOを用いた通常動作モードでも消費電力は1 5 m W未満ですバイアス電流を減少させると消費電力と性能の両方が低下しますミキサーのバイアス電流を増やすとミキサーのコアの線形性が高まり I IP3(3次入力インターセプトポイント)が向上しますがノイズ性能は低下し消費電力は増加しますノイズ性能が非常に重要である場合にはミキサーのバイアス電流を減らすことでミキサーのコア内におけるノイズが低減するとともに消費電力を削減することも可能になります出力部のベースバンドアンプでは低インピーダンスの出力負荷に対する電流駆動能力を変更することができます出力インピーダンスが小さい負荷に対しては高い電流駆動能力
0dBmのCW信号を33V5Vでバイアス
33V5V
33V5Vのバイアスをネットワークアナライザ(8753D)に印加
RF入力
外部LO入力またはPLL基準入力
スペクトラムアナライザでIQ出力を測定
図 4 A D R F 6 8 2 0の P S R Rを測定するための環境
Analog Dialogue 49-01 3
が必要であり消費電力も多くなりますデータシートには各動作モードにおける消費電力を示した表が記載されています
測定手順と結果
電源レールにノイズが結合すると周波数がCWとIFplusmnCWの不要な成分が生成されますこのノイズ結合を模擬するために各電源端子に対して周波数がC Wの信号を印加しますそして入力したCW信号に対し生成されるミキシング成分の相対振幅を測定しますこの測定値をPSRR(単位はdB)として記録しますPSRRは周波数によって異なるのでCWの値を30kHz~1GHzの範囲で掃引して計測を行います対象とする帯域のPSRRによってフィルタが必要かどうかが決まりますPSRRは以下の式で算出できます
[CWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]- [IQ出力におけるCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IFplusmnCWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]-[IQ出力におけるIFplusmnCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IF+CW〔dBm〕]=[IF-CW〔dBm〕](搬送波付近で変
調されるCWの振幅は等しいため)
測定環境 図4に測定環境の概要を示しますネットワークアナライザ(キーサイトテクノロジー社の「8753D」)に33Vまたは5VのDC電源を印加すると33V5Vのオフセットを持つ掃引用の連続信号(正弦波)が生成されますその信号をRFICの各電源レールに印加しますまた2つの信号発生器によってRFLO入力信号を供給しスペクトラムアナライザによって出力を測定します
測定手順
不要なミキシング成分の振幅はICのPSRRと評価基板上のデカップリングコンデンサのサイズ 位置に依存します図5は0dBの正弦波信号を電源端子に印加した場合に出力される IF+CW信号の振幅を示したものですデカップリングコンデンサを使用していない場合不要な信号の振幅は-70dBc~-80dBcでしたデータシートでは基板上面のICの横に100pFのコンデンサ背面に01μFのコンデンサを使用することを推奨していますグラフを見るとこれらの外部デカップリングコンデンサによる共振の影響が現れています16MHzにおける遷移は01μFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものですまた356MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと2つのコンデンサに起因する2nHの寄生インダクタンスの共振によって発生しています同様に500MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものです
CWの周波数〔MHz〕
CW+I
Fの振幅〔
dB〕
ndash60
ndash70
ndash90
ndash80
ndash110
ndash120
ndash100
ndash130001 01 1 10 100 1k
2次高調波
100pFのコンデンサと2nHのインダクタンスによる並列共振(356MHz)
100pFのコンデンサによる共振(500MHz)
01μFのコンデンサによる共振(16MHz)
01μFと100pF
コンデンサなし
RPRSL
100pF
RSLRP
01OtildeF
図 5 デカップリングコンデンサによる 共振が I F plusmn C W信号に及ぼす影響
測定結果
電源レール上の干渉信号(C W)と変調信号( I F plusmn C W)の振幅をベースバンド出力において測定しましたその際にはテストの対象とする電源レールにノイズを発生させつつ他の電源はクリーンな状態に保ちました図 6に 0 d Bの正弦波信号を電源端子に印加し3 0 k H z~1 G H zの範囲で掃引した場合の I F plusmn C W信号の振幅を示しました一方図7はCW信号からベースバンド出力へのフィードスルーを示したものです
CWの周波数〔MHz〕
IFplusmnC
Wの
PSRR〔
dB〕
20
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 6 I F plusmn C Wの P S R R
CWの周波数〔MHz〕
CWの
PSRR〔
dB〕
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 7 C Wの P S R R
Analog Dialogue 49-014
解析
それぞれのグラフは各電源端子の電源感度に関する重要なデータですV P O S _ P L LはP S R Rが最も低く最も影響を受けやすい電源ノードだと言えますこの電源端子はREFINPFDCPを含むPLL回路に電力を供給しますこれらの機能ブロックは影響を受けやすくL O信号の精度と位相性能を左右します各ブロックに結合したノイズは出力に直接伝搬します
同じ理由からVCOの電源も重要なノードであると考えられますグラフからはVPOS_VCOはVPOS_PLLよりもPSRRがかなり高いことがわかりますこれはVCOへの給電が内蔵LDOによって行われるためですこのLDOは外部端子のノイズからVCOを隔離することを可能にするとともにノイズのスペクトル密度を一定に保ちます一方PLLに対する給電には内蔵LDOは使用していませんそのため電源レールの中でVPOS_PLLは最も影響を受けやすくなっていますこのことから潜在的なノイズ結合からVPOS_PLLを隔離することが最適な性能を得るための重要なポイントになります
P L Lのループフィルタは高い周波数のC W信号を減衰させるためVPOS_PLLの感度は低い周波数においては低く 3 0 k H zから 1 G H zへと周波数を掃引するに連れて徐々に高くなります高い周波数では干渉信号(CW)の振幅が減衰しPLLに印加される電力レベルはかなり低くなるためV P O S _ P L Lでは他の電源ドメインよりも高い周波数におけるPSRRが高くなりますなお ループフィルタは20kHzをターゲットとして図8に示すように構成しました
電源レールを最も影響を受けやすいものから受けにくいものへ並べるとV P O S _ P L LV P O S _ L O 2V P O S _VCOVPOS_LO1VPOS_DIGVPMXVPRFの順になります
22Ccedil
22nF
33kCcedil
680pF11kCcedil82pF 330pF
図 8 ループ帯域幅を 2 0 k H zとして 設計した P L Lのループフィルタ
電源の設計 ここまででADRF6820の各モードにおける最大消費電力と各電源ドメインの感度について十分に把握することができましたそこで続いてはスイッチングレギュレータとLDOの両ソリューションを使って電源管理ソリューションを構築しましたADRF6820の電源レール用に6Vの電源から5Vと33Vを生成する回路を設計しています図9の電源回路ではVPMXとVPRF向けに5Vの電圧を生成しますCMOS LDOである「ADP7104」は負荷に対して最大500mAの出力電流を供給可能です「ADP2370」は静止電流が少ないことを特徴とする降圧型のスイッチングレギュレータですスイッチング周波数は12MHzまたは6 0 0 k H zですこの ICの出力にはフィルタを追加しスイッチングノイズを低減しましたA D P 2 3 7 0は負荷に対して最大 8 0 0 m Aの出力電流を供給可能ですADP7104またはADP2370を使用しADRF6820の5Vの電源レールに電力を供給します各電源端子にはデカップリングとフィルタリングを適用しています
図 1 0は 3 3 Vの電源を生成するための回路ですこの回路も図9の回路と同じように6Vの電源電圧を基にしていますがLDO段を追加していったん中間電圧を生成しそれを3 3Vに降圧している点が異なります追加したL D O段は損失を低減するためのものです 6 Vの電圧を直接3 3Vに降圧すると最大効率が55にとどまってしまいますこれを避けるためにLDOを追加しているということですこれに対しスイッチングレギュレータのパスにはLDO段を追加する必要はありませんなぜならスイッチングレギュレータではP W M(パルス幅変調)を利用した動作によって損失が最小限に抑えられるからです
3 3 V出力の電源については他の構成も考えられます例えば33Vの電源レールに対しLDOスイッチングレギュレータによって給電するだけでなくVPOS_PLLの電源レールに別のL D Oを使用したりV P O S _ D I Gの電源レールに絶縁型のLDOを適用したりすることも可能です最も影響を受けやすいのはPLL用の電源ですそこで出力ノイズがそれぞれに異なる電源ソリューションを試してみました
1 1
2
3
∙6V∙6V
P5
U9
JP4
U7
1∙6V_TP
RED
R66
R60
10kCcedil
ADP2370
ADP7104
R58402kCcedil
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
E6
120Ccedil
10OtildeH10OtildeH
120Ccedil
VPMX_∙5V
VPRF_∙5VE7
L3
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C831OtildeF
C821OtildeF
C8901OtildeF
C7610OtildeF
C2910OtildeF
C741OtildeF
2
1
2
1
2
3
4
1
2
3
4
6
5
7
8
6
5
7
8
PAD
PAD
VIN
PG
GND
EN
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FB
VOUT
SENSE
GND
NC
図 9 5 Vを生成する電源回路
Analog Dialogue 49-01 5
以下に示す3つのソリューションです
33V出力のCMOS LDO「ADP151」出力ノイズは 極小の9μVrms
33V出力のCMOS LDOであるADP7104出力ノイ ズはわずか15μVrms 33V出力の降圧レギュレータであるADP2370 ここで知りたいのは必要な位相ノイズ性能を得るためには電源ノイズの最大レベルはどこまで抑えなければならないのかということです果たして最小ノイズかつ最高性能のLDOは不可欠なものなのでしょうか
デジタルノイズが性能に影響を及ぼすかどうかを確かめるためにVPOS_DIGの電源レールに対して3 3Vの低ノイズCMOS LDO「ADP121」を適用してみましたデジタル電源レールはSPIにおけるスイッチングが原因でアナログ電源よりもノイズが大きくなる傾向がありますここで確認すべきことは3 3Vのデジタル電源レールに専用のLDOが必要なのかそれともアナログ電源に直接接続することが可能なのかということですなおADP121を選択したのはコストを抑えられるからです
1∙6V_TP
RED
ADP71045V500mAの低ノイズ
CMOS LDO
ADP710433V500mAの低ノイズCMOS LDO
出力ノイズは15μVrms
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
C661OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
P5
U7
U10
U6
U4
U8
JP5
JP3
JP6
2
1
2
3
1
2
C791OtildeF
120Ccedil
120Ccedil
C8501OtildeF
R73
R61
10kCcedil
ADP237033V12MHz600kHz
800mA低静止電流の降圧レギュレータ
R53402kCcedil
L2
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
68OtildeH68OtildeH
L4
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC9722OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E3
120Ccedil
C10410OtildeF
R590Ccedil
C105100OtildeF
E1
120Ccedil
ADP15133Vの低ノイズCMOS LDO出力ノイズは9μVrms
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCC301OtildeF
C651OtildeF
ADP12133Vの低ノイズ
CMOS LDO
1 13
4 2
INEN
OUT
GNDNC4
C781OtildeF
C981OtildeF
1
2
3 C1061OtildeF
E2DIG_3P3V
E4
E5
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_∙3P3V
PLL_3P3V
120Ccedil
1
2
3
図 1 0 3 3 Vを生成する電源回路
結論および電源設計における推奨事項
最も影響を受けやすい電源レールであるVPOS_PLLに対しては低コストのLDOであるADP151を使うことで高性能で低ノイズのLDOであるADP7104と同じレベルの位相ノイズ性能を達成することができました(図11)これに対しスイッチングレギュレータであるADP2370を使用すると性能は低下しました(図12)図13に示すようにスイッチングレギュレータを使用すると周波数軸で見た出力にノイズの隆起が現れますVPOS_PLLは総合的な位相ノイズ性能を低下させることなく最大15μVrmsまでのノイズに耐えられますしかしスイッチングレギュレータによってこの端子に給電するのは不適切ですなおより性能が高くノイズの少ないLDOを使用してもより高い効果を得ることはできませんでした
他の電源レールについてはスイッチングレギュ レータまたはL D Oを使用することで図 1 4に示すように良好な位相ノイズ性能を得ることができました5 Vの電源端子であるV M P XとV P R Fは一まとめにして(つまりは外部配線でショートさせて)単一電源で給電することも可能です同様に 3 3 Vの電源端子であるVPOS_LO1VPOS_LO2VPOS_VCOも一まとめにし単一電源で給電することができますVPOS_DIGには専用のLDOは不要であり3 3Vのアナログ電源に接続しても問題ありません
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
REF ∙56dBm
開始 停止
ATT 0dB
RBW 100HzVBW 300HzSWT 12s
10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
C831OtildeF
120Ccedil
C8901OtildeF
C811OtildeF
E7
120Ccedil
E6VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
1∙6V_TP
RED
RED
REDADP7104 ADP7104
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PADU7 U6
P5
VCC_∙5V
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
2
1
2
R590Ccedil
PLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
C8501OtildeF
C10510OtildeF
VCC_ ∙3P3V
C10410OtildeF
C661OtildeF
C1061OtildeF
E1
120Ccedil
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
R590Ccedil
C105100OtildeF
1
∙12V
P5
U9
U10
U4
R66
R60
10kCcedil
ADP2370 R58402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
10OtildeH10OtildeH
31
G
D
S2
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C761OtildeF2
1
2
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC821OtildeF
E6
120Ccedil
C831OtildeF
E7
120CcedilC8901OtildeF
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
E1
120Ccedil
C8501OtildeF
R66
R61
10kCcedil
ADP2370
ADP151
R53402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
VCC_∙3P3V
REDPLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_ ∙5VRED RED
VCC_VPMX
VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
68OtildeH68OtildeH
L4
L3
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCFBC9722OtildeF
C301OtildeF
C651OtildeF
C10410OtildeF
C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
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Analog Dialogue 49-01 3
が必要であり消費電力も多くなりますデータシートには各動作モードにおける消費電力を示した表が記載されています
測定手順と結果
電源レールにノイズが結合すると周波数がCWとIFplusmnCWの不要な成分が生成されますこのノイズ結合を模擬するために各電源端子に対して周波数がC Wの信号を印加しますそして入力したCW信号に対し生成されるミキシング成分の相対振幅を測定しますこの測定値をPSRR(単位はdB)として記録しますPSRRは周波数によって異なるのでCWの値を30kHz~1GHzの範囲で掃引して計測を行います対象とする帯域のPSRRによってフィルタが必要かどうかが決まりますPSRRは以下の式で算出できます
[CWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]- [IQ出力におけるCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IFplusmnCWのPSRR〔dB〕]=[入力CW信号の振幅〔dBm〕]-[IQ出力におけるIFplusmnCWフィードスルーの測定値〔dBm〕]
[IF+CW〔dBm〕]=[IF-CW〔dBm〕](搬送波付近で変
調されるCWの振幅は等しいため)
測定環境 図4に測定環境の概要を示しますネットワークアナライザ(キーサイトテクノロジー社の「8753D」)に33Vまたは5VのDC電源を印加すると33V5Vのオフセットを持つ掃引用の連続信号(正弦波)が生成されますその信号をRFICの各電源レールに印加しますまた2つの信号発生器によってRFLO入力信号を供給しスペクトラムアナライザによって出力を測定します
測定手順
不要なミキシング成分の振幅はICのPSRRと評価基板上のデカップリングコンデンサのサイズ 位置に依存します図5は0dBの正弦波信号を電源端子に印加した場合に出力される IF+CW信号の振幅を示したものですデカップリングコンデンサを使用していない場合不要な信号の振幅は-70dBc~-80dBcでしたデータシートでは基板上面のICの横に100pFのコンデンサ背面に01μFのコンデンサを使用することを推奨していますグラフを見るとこれらの外部デカップリングコンデンサによる共振の影響が現れています16MHzにおける遷移は01μFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものですまた356MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと2つのコンデンサに起因する2nHの寄生インダクタンスの共振によって発生しています同様に500MHzにおける遷移は100pFのコンデンサと1nHの寄生インダクタンスの共振によるものです
CWの周波数〔MHz〕
CW+I
Fの振幅〔
dB〕
ndash60
ndash70
ndash90
ndash80
ndash110
ndash120
ndash100
ndash130001 01 1 10 100 1k
2次高調波
100pFのコンデンサと2nHのインダクタンスによる並列共振(356MHz)
100pFのコンデンサによる共振(500MHz)
01μFのコンデンサによる共振(16MHz)
01μFと100pF
コンデンサなし
RPRSL
100pF
RSLRP
01OtildeF
図 5 デカップリングコンデンサによる 共振が I F plusmn C W信号に及ぼす影響
測定結果
電源レール上の干渉信号(C W)と変調信号( I F plusmn C W)の振幅をベースバンド出力において測定しましたその際にはテストの対象とする電源レールにノイズを発生させつつ他の電源はクリーンな状態に保ちました図 6に 0 d Bの正弦波信号を電源端子に印加し3 0 k H z~1 G H zの範囲で掃引した場合の I F plusmn C W信号の振幅を示しました一方図7はCW信号からベースバンド出力へのフィードスルーを示したものです
CWの周波数〔MHz〕
IFplusmnC
Wの
PSRR〔
dB〕
20
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 6 I F plusmn C Wの P S R R
CWの周波数〔MHz〕
CWの
PSRR〔
dB〕
0
∙20
ndash60
ndash40
ndash100
ndash120
ndash80
ndash140001 01 1 10 100 1k
VPRF
VPMX
VPOS_LO1
VPOS_LO2
VPOS_VCO
VPOS_PLL
VPOS_DIG
図 7 C Wの P S R R
Analog Dialogue 49-014
解析
それぞれのグラフは各電源端子の電源感度に関する重要なデータですV P O S _ P L LはP S R Rが最も低く最も影響を受けやすい電源ノードだと言えますこの電源端子はREFINPFDCPを含むPLL回路に電力を供給しますこれらの機能ブロックは影響を受けやすくL O信号の精度と位相性能を左右します各ブロックに結合したノイズは出力に直接伝搬します
同じ理由からVCOの電源も重要なノードであると考えられますグラフからはVPOS_VCOはVPOS_PLLよりもPSRRがかなり高いことがわかりますこれはVCOへの給電が内蔵LDOによって行われるためですこのLDOは外部端子のノイズからVCOを隔離することを可能にするとともにノイズのスペクトル密度を一定に保ちます一方PLLに対する給電には内蔵LDOは使用していませんそのため電源レールの中でVPOS_PLLは最も影響を受けやすくなっていますこのことから潜在的なノイズ結合からVPOS_PLLを隔離することが最適な性能を得るための重要なポイントになります
P L Lのループフィルタは高い周波数のC W信号を減衰させるためVPOS_PLLの感度は低い周波数においては低く 3 0 k H zから 1 G H zへと周波数を掃引するに連れて徐々に高くなります高い周波数では干渉信号(CW)の振幅が減衰しPLLに印加される電力レベルはかなり低くなるためV P O S _ P L Lでは他の電源ドメインよりも高い周波数におけるPSRRが高くなりますなお ループフィルタは20kHzをターゲットとして図8に示すように構成しました
電源レールを最も影響を受けやすいものから受けにくいものへ並べるとV P O S _ P L LV P O S _ L O 2V P O S _VCOVPOS_LO1VPOS_DIGVPMXVPRFの順になります
22Ccedil
22nF
33kCcedil
680pF11kCcedil82pF 330pF
図 8 ループ帯域幅を 2 0 k H zとして 設計した P L Lのループフィルタ
電源の設計 ここまででADRF6820の各モードにおける最大消費電力と各電源ドメインの感度について十分に把握することができましたそこで続いてはスイッチングレギュレータとLDOの両ソリューションを使って電源管理ソリューションを構築しましたADRF6820の電源レール用に6Vの電源から5Vと33Vを生成する回路を設計しています図9の電源回路ではVPMXとVPRF向けに5Vの電圧を生成しますCMOS LDOである「ADP7104」は負荷に対して最大500mAの出力電流を供給可能です「ADP2370」は静止電流が少ないことを特徴とする降圧型のスイッチングレギュレータですスイッチング周波数は12MHzまたは6 0 0 k H zですこの ICの出力にはフィルタを追加しスイッチングノイズを低減しましたA D P 2 3 7 0は負荷に対して最大 8 0 0 m Aの出力電流を供給可能ですADP7104またはADP2370を使用しADRF6820の5Vの電源レールに電力を供給します各電源端子にはデカップリングとフィルタリングを適用しています
図 1 0は 3 3 Vの電源を生成するための回路ですこの回路も図9の回路と同じように6Vの電源電圧を基にしていますがLDO段を追加していったん中間電圧を生成しそれを3 3Vに降圧している点が異なります追加したL D O段は損失を低減するためのものです 6 Vの電圧を直接3 3Vに降圧すると最大効率が55にとどまってしまいますこれを避けるためにLDOを追加しているということですこれに対しスイッチングレギュレータのパスにはLDO段を追加する必要はありませんなぜならスイッチングレギュレータではP W M(パルス幅変調)を利用した動作によって損失が最小限に抑えられるからです
3 3 V出力の電源については他の構成も考えられます例えば33Vの電源レールに対しLDOスイッチングレギュレータによって給電するだけでなくVPOS_PLLの電源レールに別のL D Oを使用したりV P O S _ D I Gの電源レールに絶縁型のLDOを適用したりすることも可能です最も影響を受けやすいのはPLL用の電源ですそこで出力ノイズがそれぞれに異なる電源ソリューションを試してみました
1 1
2
3
∙6V∙6V
P5
U9
JP4
U7
1∙6V_TP
RED
R66
R60
10kCcedil
ADP2370
ADP7104
R58402kCcedil
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
E6
120Ccedil
10OtildeH10OtildeH
120Ccedil
VPMX_∙5V
VPRF_∙5VE7
L3
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C831OtildeF
C821OtildeF
C8901OtildeF
C7610OtildeF
C2910OtildeF
C741OtildeF
2
1
2
1
2
3
4
1
2
3
4
6
5
7
8
6
5
7
8
PAD
PAD
VIN
PG
GND
EN
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FB
VOUT
SENSE
GND
NC
図 9 5 Vを生成する電源回路
Analog Dialogue 49-01 5
以下に示す3つのソリューションです
33V出力のCMOS LDO「ADP151」出力ノイズは 極小の9μVrms
33V出力のCMOS LDOであるADP7104出力ノイ ズはわずか15μVrms 33V出力の降圧レギュレータであるADP2370 ここで知りたいのは必要な位相ノイズ性能を得るためには電源ノイズの最大レベルはどこまで抑えなければならないのかということです果たして最小ノイズかつ最高性能のLDOは不可欠なものなのでしょうか
デジタルノイズが性能に影響を及ぼすかどうかを確かめるためにVPOS_DIGの電源レールに対して3 3Vの低ノイズCMOS LDO「ADP121」を適用してみましたデジタル電源レールはSPIにおけるスイッチングが原因でアナログ電源よりもノイズが大きくなる傾向がありますここで確認すべきことは3 3Vのデジタル電源レールに専用のLDOが必要なのかそれともアナログ電源に直接接続することが可能なのかということですなおADP121を選択したのはコストを抑えられるからです
1∙6V_TP
RED
ADP71045V500mAの低ノイズ
CMOS LDO
ADP710433V500mAの低ノイズCMOS LDO
出力ノイズは15μVrms
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
C661OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
P5
U7
U10
U6
U4
U8
JP5
JP3
JP6
2
1
2
3
1
2
C791OtildeF
120Ccedil
120Ccedil
C8501OtildeF
R73
R61
10kCcedil
ADP237033V12MHz600kHz
800mA低静止電流の降圧レギュレータ
R53402kCcedil
L2
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
68OtildeH68OtildeH
L4
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC9722OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E3
120Ccedil
C10410OtildeF
R590Ccedil
C105100OtildeF
E1
120Ccedil
ADP15133Vの低ノイズCMOS LDO出力ノイズは9μVrms
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCC301OtildeF
C651OtildeF
ADP12133Vの低ノイズ
CMOS LDO
1 13
4 2
INEN
OUT
GNDNC4
C781OtildeF
C981OtildeF
1
2
3 C1061OtildeF
E2DIG_3P3V
E4
E5
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_∙3P3V
PLL_3P3V
120Ccedil
1
2
3
図 1 0 3 3 Vを生成する電源回路
結論および電源設計における推奨事項
最も影響を受けやすい電源レールであるVPOS_PLLに対しては低コストのLDOであるADP151を使うことで高性能で低ノイズのLDOであるADP7104と同じレベルの位相ノイズ性能を達成することができました(図11)これに対しスイッチングレギュレータであるADP2370を使用すると性能は低下しました(図12)図13に示すようにスイッチングレギュレータを使用すると周波数軸で見た出力にノイズの隆起が現れますVPOS_PLLは総合的な位相ノイズ性能を低下させることなく最大15μVrmsまでのノイズに耐えられますしかしスイッチングレギュレータによってこの端子に給電するのは不適切ですなおより性能が高くノイズの少ないLDOを使用してもより高い効果を得ることはできませんでした
他の電源レールについてはスイッチングレギュ レータまたはL D Oを使用することで図 1 4に示すように良好な位相ノイズ性能を得ることができました5 Vの電源端子であるV M P XとV P R Fは一まとめにして(つまりは外部配線でショートさせて)単一電源で給電することも可能です同様に 3 3 Vの電源端子であるVPOS_LO1VPOS_LO2VPOS_VCOも一まとめにし単一電源で給電することができますVPOS_DIGには専用のLDOは不要であり3 3Vのアナログ電源に接続しても問題ありません
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
REF ∙56dBm
開始 停止
ATT 0dB
RBW 100HzVBW 300HzSWT 12s
10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
C831OtildeF
120Ccedil
C8901OtildeF
C811OtildeF
E7
120Ccedil
E6VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
1∙6V_TP
RED
RED
REDADP7104 ADP7104
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PADU7 U6
P5
VCC_∙5V
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
2
1
2
R590Ccedil
PLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
C8501OtildeF
C10510OtildeF
VCC_ ∙3P3V
C10410OtildeF
C661OtildeF
C1061OtildeF
E1
120Ccedil
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
R590Ccedil
C105100OtildeF
1
∙12V
P5
U9
U10
U4
R66
R60
10kCcedil
ADP2370 R58402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
10OtildeH10OtildeH
31
G
D
S2
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C761OtildeF2
1
2
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC821OtildeF
E6
120Ccedil
C831OtildeF
E7
120CcedilC8901OtildeF
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
E1
120Ccedil
C8501OtildeF
R66
R61
10kCcedil
ADP2370
ADP151
R53402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
VCC_∙3P3V
REDPLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_ ∙5VRED RED
VCC_VPMX
VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
68OtildeH68OtildeH
L4
L3
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCFBC9722OtildeF
C301OtildeF
C651OtildeF
C10410OtildeF
C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
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Analog Dialogue 49-014
解析
それぞれのグラフは各電源端子の電源感度に関する重要なデータですV P O S _ P L LはP S R Rが最も低く最も影響を受けやすい電源ノードだと言えますこの電源端子はREFINPFDCPを含むPLL回路に電力を供給しますこれらの機能ブロックは影響を受けやすくL O信号の精度と位相性能を左右します各ブロックに結合したノイズは出力に直接伝搬します
同じ理由からVCOの電源も重要なノードであると考えられますグラフからはVPOS_VCOはVPOS_PLLよりもPSRRがかなり高いことがわかりますこれはVCOへの給電が内蔵LDOによって行われるためですこのLDOは外部端子のノイズからVCOを隔離することを可能にするとともにノイズのスペクトル密度を一定に保ちます一方PLLに対する給電には内蔵LDOは使用していませんそのため電源レールの中でVPOS_PLLは最も影響を受けやすくなっていますこのことから潜在的なノイズ結合からVPOS_PLLを隔離することが最適な性能を得るための重要なポイントになります
P L Lのループフィルタは高い周波数のC W信号を減衰させるためVPOS_PLLの感度は低い周波数においては低く 3 0 k H zから 1 G H zへと周波数を掃引するに連れて徐々に高くなります高い周波数では干渉信号(CW)の振幅が減衰しPLLに印加される電力レベルはかなり低くなるためV P O S _ P L Lでは他の電源ドメインよりも高い周波数におけるPSRRが高くなりますなお ループフィルタは20kHzをターゲットとして図8に示すように構成しました
電源レールを最も影響を受けやすいものから受けにくいものへ並べるとV P O S _ P L LV P O S _ L O 2V P O S _VCOVPOS_LO1VPOS_DIGVPMXVPRFの順になります
22Ccedil
22nF
33kCcedil
680pF11kCcedil82pF 330pF
図 8 ループ帯域幅を 2 0 k H zとして 設計した P L Lのループフィルタ
電源の設計 ここまででADRF6820の各モードにおける最大消費電力と各電源ドメインの感度について十分に把握することができましたそこで続いてはスイッチングレギュレータとLDOの両ソリューションを使って電源管理ソリューションを構築しましたADRF6820の電源レール用に6Vの電源から5Vと33Vを生成する回路を設計しています図9の電源回路ではVPMXとVPRF向けに5Vの電圧を生成しますCMOS LDOである「ADP7104」は負荷に対して最大500mAの出力電流を供給可能です「ADP2370」は静止電流が少ないことを特徴とする降圧型のスイッチングレギュレータですスイッチング周波数は12MHzまたは6 0 0 k H zですこの ICの出力にはフィルタを追加しスイッチングノイズを低減しましたA D P 2 3 7 0は負荷に対して最大 8 0 0 m Aの出力電流を供給可能ですADP7104またはADP2370を使用しADRF6820の5Vの電源レールに電力を供給します各電源端子にはデカップリングとフィルタリングを適用しています
図 1 0は 3 3 Vの電源を生成するための回路ですこの回路も図9の回路と同じように6Vの電源電圧を基にしていますがLDO段を追加していったん中間電圧を生成しそれを3 3Vに降圧している点が異なります追加したL D O段は損失を低減するためのものです 6 Vの電圧を直接3 3Vに降圧すると最大効率が55にとどまってしまいますこれを避けるためにLDOを追加しているということですこれに対しスイッチングレギュレータのパスにはLDO段を追加する必要はありませんなぜならスイッチングレギュレータではP W M(パルス幅変調)を利用した動作によって損失が最小限に抑えられるからです
3 3 V出力の電源については他の構成も考えられます例えば33Vの電源レールに対しLDOスイッチングレギュレータによって給電するだけでなくVPOS_PLLの電源レールに別のL D Oを使用したりV P O S _ D I Gの電源レールに絶縁型のLDOを適用したりすることも可能です最も影響を受けやすいのはPLL用の電源ですそこで出力ノイズがそれぞれに異なる電源ソリューションを試してみました
1 1
2
3
∙6V∙6V
P5
U9
JP4
U7
1∙6V_TP
RED
R66
R60
10kCcedil
ADP2370
ADP7104
R58402kCcedil
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
E6
120Ccedil
10OtildeH10OtildeH
120Ccedil
VPMX_∙5V
VPRF_∙5VE7
L3
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C831OtildeF
C821OtildeF
C8901OtildeF
C7610OtildeF
C2910OtildeF
C741OtildeF
2
1
2
1
2
3
4
1
2
3
4
6
5
7
8
6
5
7
8
PAD
PAD
VIN
PG
GND
EN
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FB
VOUT
SENSE
GND
NC
図 9 5 Vを生成する電源回路
Analog Dialogue 49-01 5
以下に示す3つのソリューションです
33V出力のCMOS LDO「ADP151」出力ノイズは 極小の9μVrms
33V出力のCMOS LDOであるADP7104出力ノイ ズはわずか15μVrms 33V出力の降圧レギュレータであるADP2370 ここで知りたいのは必要な位相ノイズ性能を得るためには電源ノイズの最大レベルはどこまで抑えなければならないのかということです果たして最小ノイズかつ最高性能のLDOは不可欠なものなのでしょうか
デジタルノイズが性能に影響を及ぼすかどうかを確かめるためにVPOS_DIGの電源レールに対して3 3Vの低ノイズCMOS LDO「ADP121」を適用してみましたデジタル電源レールはSPIにおけるスイッチングが原因でアナログ電源よりもノイズが大きくなる傾向がありますここで確認すべきことは3 3Vのデジタル電源レールに専用のLDOが必要なのかそれともアナログ電源に直接接続することが可能なのかということですなおADP121を選択したのはコストを抑えられるからです
1∙6V_TP
RED
ADP71045V500mAの低ノイズ
CMOS LDO
ADP710433V500mAの低ノイズCMOS LDO
出力ノイズは15μVrms
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
C661OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
P5
U7
U10
U6
U4
U8
JP5
JP3
JP6
2
1
2
3
1
2
C791OtildeF
120Ccedil
120Ccedil
C8501OtildeF
R73
R61
10kCcedil
ADP237033V12MHz600kHz
800mA低静止電流の降圧レギュレータ
R53402kCcedil
L2
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
68OtildeH68OtildeH
L4
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC9722OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E3
120Ccedil
C10410OtildeF
R590Ccedil
C105100OtildeF
E1
120Ccedil
ADP15133Vの低ノイズCMOS LDO出力ノイズは9μVrms
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCC301OtildeF
C651OtildeF
ADP12133Vの低ノイズ
CMOS LDO
1 13
4 2
INEN
OUT
GNDNC4
C781OtildeF
C981OtildeF
1
2
3 C1061OtildeF
E2DIG_3P3V
E4
E5
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_∙3P3V
PLL_3P3V
120Ccedil
1
2
3
図 1 0 3 3 Vを生成する電源回路
結論および電源設計における推奨事項
最も影響を受けやすい電源レールであるVPOS_PLLに対しては低コストのLDOであるADP151を使うことで高性能で低ノイズのLDOであるADP7104と同じレベルの位相ノイズ性能を達成することができました(図11)これに対しスイッチングレギュレータであるADP2370を使用すると性能は低下しました(図12)図13に示すようにスイッチングレギュレータを使用すると周波数軸で見た出力にノイズの隆起が現れますVPOS_PLLは総合的な位相ノイズ性能を低下させることなく最大15μVrmsまでのノイズに耐えられますしかしスイッチングレギュレータによってこの端子に給電するのは不適切ですなおより性能が高くノイズの少ないLDOを使用してもより高い効果を得ることはできませんでした
他の電源レールについてはスイッチングレギュ レータまたはL D Oを使用することで図 1 4に示すように良好な位相ノイズ性能を得ることができました5 Vの電源端子であるV M P XとV P R Fは一まとめにして(つまりは外部配線でショートさせて)単一電源で給電することも可能です同様に 3 3 Vの電源端子であるVPOS_LO1VPOS_LO2VPOS_VCOも一まとめにし単一電源で給電することができますVPOS_DIGには専用のLDOは不要であり3 3Vのアナログ電源に接続しても問題ありません
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
REF ∙56dBm
開始 停止
ATT 0dB
RBW 100HzVBW 300HzSWT 12s
10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
C831OtildeF
120Ccedil
C8901OtildeF
C811OtildeF
E7
120Ccedil
E6VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
1∙6V_TP
RED
RED
REDADP7104 ADP7104
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PADU7 U6
P5
VCC_∙5V
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
2
1
2
R590Ccedil
PLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
C8501OtildeF
C10510OtildeF
VCC_ ∙3P3V
C10410OtildeF
C661OtildeF
C1061OtildeF
E1
120Ccedil
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
R590Ccedil
C105100OtildeF
1
∙12V
P5
U9
U10
U4
R66
R60
10kCcedil
ADP2370 R58402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
L11
10OtildeH10OtildeH
31
G
D
S2
C7510OtildeF
C9010OtildeF
C9222OtildeF
C9422OtildeF
C9622OtildeF C100
01OtildeF
C10322OtildeF
C761OtildeF2
1
2
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC821OtildeF
E6
120Ccedil
C831OtildeF
E7
120CcedilC8901OtildeF
C791OtildeF
E5
120Ccedil
E4
120Ccedil
E2
120Ccedil
E1
120Ccedil
C8501OtildeF
R66
R61
10kCcedil
ADP2370
ADP151
R53402k
L1
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
VCC_∙3P3V
REDPLL_3P3V
DIG_3P3V
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_ ∙5VRED RED
VCC_VPMX
VPMX_∙5V
VPRF_∙5V
68OtildeH68OtildeH
L4
L3
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCFBC9722OtildeF
C301OtildeF
C651OtildeF
C10410OtildeF
C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
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Analog Dialogue 49-01 5
以下に示す3つのソリューションです
33V出力のCMOS LDO「ADP151」出力ノイズは 極小の9μVrms
33V出力のCMOS LDOであるADP7104出力ノイ ズはわずか15μVrms 33V出力の降圧レギュレータであるADP2370 ここで知りたいのは必要な位相ノイズ性能を得るためには電源ノイズの最大レベルはどこまで抑えなければならないのかということです果たして最小ノイズかつ最高性能のLDOは不可欠なものなのでしょうか
デジタルノイズが性能に影響を及ぼすかどうかを確かめるためにVPOS_DIGの電源レールに対して3 3Vの低ノイズCMOS LDO「ADP121」を適用してみましたデジタル電源レールはSPIにおけるスイッチングが原因でアナログ電源よりもノイズが大きくなる傾向がありますここで確認すべきことは3 3Vのデジタル電源レールに専用のLDOが必要なのかそれともアナログ電源に直接接続することが可能なのかということですなおADP121を選択したのはコストを抑えられるからです
1∙6V_TP
RED
ADP71045V500mAの低ノイズ
CMOS LDO
ADP710433V500mAの低ノイズCMOS LDO
出力ノイズは15μVrms
C2910OtildeF
C741OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
C331OtildeF
C661OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
PG
GND
EN
VOUT
SENSE
GND
NC
1
∙6V
P5
U7
U10
U6
U4
U8
JP5
JP3
JP6
2
1
2
3
1
2
C791OtildeF
120Ccedil
120Ccedil
C8501OtildeF
R73
R61
10kCcedil
ADP237033V12MHz600kHz
800mA低静止電流の降圧レギュレータ
R53402kCcedil
L2
1OtildeH
12Ccedil
R22
10kCcedil
L12
68OtildeH68OtildeH
L4
C3210OtildeF
C9110OtildeF
C9322OtildeF
C8422OtildeF
C9522OtildeF C99
01OtildeF
C10222OtildeF
C771OtildeF
1
2
3
4
6
5
7
8
PAD
VIN
FSEL
EN
SYNC
PGND
EPAD
SW
PG
FBC9722OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E3
120Ccedil
C10410OtildeF
R590Ccedil
C105100OtildeF
E1
120Ccedil
ADP15133Vの低ノイズCMOS LDO出力ノイズは9μVrms
64
2 5 3
1
PAD
VINEN
VOUT
GNDNCC301OtildeF
C651OtildeF
ADP12133Vの低ノイズ
CMOS LDO
1 13
4 2
INEN
OUT
GNDNC4
C781OtildeF
C981OtildeF
1
2
3 C1061OtildeF
E2DIG_3P3V
E4
E5
LO_3P3V
LO2_3P3V
VCO_3P3V
VCC_∙3P3V
PLL_3P3V
120Ccedil
1
2
3
図 1 0 3 3 Vを生成する電源回路
結論および電源設計における推奨事項
最も影響を受けやすい電源レールであるVPOS_PLLに対しては低コストのLDOであるADP151を使うことで高性能で低ノイズのLDOであるADP7104と同じレベルの位相ノイズ性能を達成することができました(図11)これに対しスイッチングレギュレータであるADP2370を使用すると性能は低下しました(図12)図13に示すようにスイッチングレギュレータを使用すると周波数軸で見た出力にノイズの隆起が現れますVPOS_PLLは総合的な位相ノイズ性能を低下させることなく最大15μVrmsまでのノイズに耐えられますしかしスイッチングレギュレータによってこの端子に給電するのは不適切ですなおより性能が高くノイズの少ないLDOを使用してもより高い効果を得ることはできませんでした
他の電源レールについてはスイッチングレギュ レータまたはL D Oを使用することで図 1 4に示すように良好な位相ノイズ性能を得ることができました5 Vの電源端子であるV M P XとV P R Fは一まとめにして(つまりは外部配線でショートさせて)単一電源で給電することも可能です同様に 3 3 Vの電源端子であるVPOS_LO1VPOS_LO2VPOS_VCOも一まとめにし単一電源で給電することができますVPOS_DIGには専用のLDOは不要であり3 3Vのアナログ電源に接続しても問題ありません
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
ndash100
ndash80
ndash140
ndash160
ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
REF ∙56dBm
開始 停止
ATT 0dB
RBW 100HzVBW 300HzSWT 12s
10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
C831OtildeF
120Ccedil
C8901OtildeF
C811OtildeF
E7
120Ccedil
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1∙6V_TP
RED
RED
REDADP7104 ADP7104
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3
4
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C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
![Page 6: RFICに適した電源回路 - Analog Devices...に電力を供給します。 VPOS_LO1 とVPOS_LO2 は、ベー スバンド・アンプと DC バイアス・リファレンスを含む](https://reader035.vdocuments.us/reader035/viewer/2022071002/5fbe9170843bc97b87510175/html5/thumbnails/6.jpg)
Analog Dialogue 49-016
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBc
Hz〕
∙40
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ndash120
ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
ADP151
ADP7104
ADP7104
ADP151
図 1 1 A D P 1 5 1とA D P 7 1 0 4を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
周波数〔Hz〕
位相ノイズ〔
dBH
z〕
∙40
∙60
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ndash80
ndash140
ndash160
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ndash180100 1k 10k 100k 1M 10M
PLL_3P3にスイッチングレギュレータを適用
PLL_3P3にADP151を適用
スイッチングレギュレータからの1fノイズとリファレンスノイズ
図 1 2 A D P 1 5 1とA D P 2 3 7 0を 使用した場合の総合的な位相ノイズ
ndash60
ndash80
ndash70
ndash100
ndash90
ndash120
ndash110
ndash140
ndash150
ndash130
0
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開始 停止
ATT 0dB
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10k
振幅〔
dBm〕
100k
周波数〔Hz〕
図 1 3 A D P 2 3 7 0の出力スペクトル
LOの周波数〔MHz〕
ノイズ指数〔
dB〕
27
23
19
21
25
17
15800 1000 1200 2000 24001400 1600 1800 2200 2600 2800
ケース0
ケース1ケース2ケース3
ケース4
ケース5
ケース6
ケース72つの内蔵LO
外部LO多相
図 1 4 スイッチングレギュレータ L D Oを使用した場合のノイズ性能
図 1 5に示したのは電源電圧が 6 Vの場合に推奨される電源回路ですA D P 7 1 0 4を5 0 V出力3 3 V出力で使用しています電源電圧と必要な供給電圧の値が近いのでこの回路ではLDOのみを使用しています効率は許容範囲内なのでフィルタ用の部品やスイッチングレギュ レータを追加するためのコストは生じません
一方図16に示したのは電源電圧が12Vの場合に推奨される電源回路です2個のスイッチングレギュレータと1個のLDOを使用しています電源電圧は必要な供給電圧よりもかなり高いので効率を高めるためにスイッチングレギュレータを使用しました影響を受けやすいVPOS_PLL以外のすべての電源端子にはスイッチングレギュレータで給電することができますVPOS_PLLに対してはADP7104またはADP151を使用します
関連資料 CN0147参考回路「位相ノイズ低減のためのフラクショナルN PLLと電圧制御発振器(VCO)にローノイズLDOレギュレータを使った電源供給の検討」Analog Devices 2010
Col l ins Ian「In tegra ted PLLs and VCOs [Par t 2]」 Radio-Elec t ronics com Nov 2010
変調器 復調器
リニアレギュレータ
スイッチングレギュレータ
Analog Dialogue 49-017
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C8901OtildeF
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RED
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図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10
![Page 7: RFICに適した電源回路 - Analog Devices...に電力を供給します。 VPOS_LO1 とVPOS_LO2 は、ベー スバンド・アンプと DC バイアス・リファレンスを含む](https://reader035.vdocuments.us/reader035/viewer/2022071002/5fbe9170843bc97b87510175/html5/thumbnails/7.jpg)
Analog Dialogue 49-017
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C10410OtildeF
C1061OtildeF
C801OtildeF
C811OtildeF
E1
120Ccedil
図 1 5 6 Vの生成に適した電源回路
図 1 6 1 2 Vの生成に適した電源回路
著者
Qui Luu(qui luuanalog com)は2000年6月からADIでRFアプリケーションエンジニアを務めています2000年に米マサチューセッツ州ウースターのウースター工科大学で電気工学理学士2005年にマサチューセッツ州ボストンのノースイースタン大学で電気工学修士の学位を取得しています
Qui Luu
この著者が執筆した 他の技術文書
組成分析のためにRF信号をビットデータに変換位相振幅のデータを高精度で取得する
Analog Dialogue 48-10