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4 テレコミュニケーション_April 2018 5 テレコミュニケーション_April 2018 PR この内容は「通信」の力でビジネスを進化させるための情報サイト「business network.jp」でもご覧いただけます。 http://businessnetwork.jp/ 電子メールに代わるコミュニケーショ ン手段として、企業でもチャットが普及 している。このチャットをベースとした新 たなコラボレーションツールとしてOffice 365 に加わったのが「Teams」だ。 正式版の提供開始から約1年、ユー ザー数は急速に伸びている。「伸び率 は毎月15〜30%で、指数関数的に増え ている。関心は非常に高く、お客様向 けに開催するセミナーも毎回すぐに満 員になる」と話すのは日本マイクロソフ トの吉田馨一氏だ。 Office 365 ユーザーなら追加ライセン スなしに使えることもあり(一部を除く)、 すでに世界で 20万社が採用。国内で も本格運用を始めるユーザーが数十社 に及んでいるという。 Teams はチームワークの「ハブ」 業務に必要なアプリをつなげる Office 365のユーザーにとって、 Te a m s は“単なるチャットツール”以上 の意味を持つ。一般的には、チャット は電話/メールやビデオ会議等に加わ るコミュニケーション手段の1つと捉え られるが、Tea ms はそうではない。マ イクロソフトは Teamsを、チームワーク の“メインツール”として位置づけてい るのだ。 Teams の最大の特徴は、チームで行 う共同作業に必要なアプリケーション/ サービスを統合・連携させて使えるこ とにある。WordやExcel、PowerPoint をはじめとするOfficeアプリをTeams に追加してカスタマイズできる。また、 チャットだけでなく音声通話やビデオ会 議も可能だ。 つまり、Teams は「あらゆるアプリを 使うためのハブ」の役割を担う。 「Teams だけで業務が完結する世界を目指して いる」 (吉田氏)のだ。 実際の画面を例に説明しよう。 Te a m sではまず【チーム】を作成し、 そのチーム内でテーマ別の【チャネル】 を設定する。これが、共同作業を行う ワークスペースになるわけだ。 画面上には複数のタブが表示され、 ここから様々な機能が使える。  デフォルトで表 示されるタブは 3 つ。 「会話」タブはチャットを行い、「ファイ ル」ではチャネルごとに共有ファイルを まとめて確認できる。「W i k i」はテキス ト情報の編集・共有を行う。 ユーザーはこれら以外に、O f f iceア プリを新たなタブとして追加できる。例 えば PowerPointで資料を共同編集す る、Power BIでデータ分析を行うといっ た具合だ。チームが 使うアプリをここ に揃えれば、すべての作業が Teams 上で完結する。 もちろん、作業しながら会話も行え るので、資料のバージョンが変わる度 にメールやファイル転送で共有してから 日本マイクロソフト Office365ユーザーは使わなきゃ損! Teamsでチームワークは劇的に変わる 2017 年 3 月の正式リリースから約 1年、Office 365 の新ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)を使い始める企業 が続出している。日本マイクロソフトが開催するセミナーも毎回“満員御礼”状態だ。チームワークの質とスピードを大幅 に改善できると評判の Teams の魅力と使い方、そしてSkype for Businessとの違いについて解説する。 打ち合わせをするのに比べて圧倒的に 速く作業が進む。プロジェクト単位で 共有するファイルがすべてまとめられ、 かつ会話の履歴も保存されるので、後 から確認するのも容易だ。 そして、Teams の拡張性はこれだけ ではない。様々な作業を効率化・自動 化してくれるボットを組み込んだり、他 社サービスを連携させたりできる。 ボットは、参加者のスケジュールを確 認して会議調整を行う「秘書ボット」や、 定型的な質問に自動応答する「QAボッ ト」等が複数用意されており、ユーザー 自身で開発することも可能だ。 他 社 サ ービスとの 連 携 は「 コネク ター」機能で行う。例えば Tw it t e r や GitHub、JIRA等とフィード連携して必 要な情報を自動通知させるといった使 い方が可能だ。現時点で連携できる サービスは 200 以上に及ぶ。 音声通話・会議機能も充実 ! Skype for Businessと併用も マイクロソフトはこの Te a m s に、従 来Skype for Businessで実現していた ユニファイドコミュニケーション(UC)機 能も統合していく計画だ。 先にも述べたようにTeamsは音声 通話・ビデオ会議機能を備えており、 TeamsとSkype for Business間での チャット/音声通話連携も可能になっ ている。両方を併用する企業も少なく ないという。 そこで気をつけなければならないの が音声・ビデオの品質だ。音声や映像 が途切れることなく快適に使えるよう、 ネットワークの見直しが不可欠になる。 では、Teamsを導入する場合、どこ に気をつければよいのか。結論から言 えば、注意点はSkype for Business とまったく変わらない。日本マイクロソ フトの宮崎悦子氏によれば、どちらも 「ネットワークの観点ではほぼ同じ動き をする」。Skype for Businessの導入 時にネットワークの見直しを行っている 企業であれば「Teamsを使う準備はで きている」と同氏は話す。 異なるのは、ファイル共有/転送時 の動作だ。Skype for Businessでは P2P 通信で相手に直接ファイルを送る が、Teamsでは自動的にOneDrive にファイルを保存してから相手にアクセ ス権を付与するという 動作を行う。ただし、 これもネットワークのト ポロジーにはほとんど 影響はないという。 な お、Te a m s で は 新コーデックの 採 用等により、「Sky pe for Businessよりも音 声品質が改善されており、帯域も抑え られる」と宮崎氏は話す。 一方、これまで U C を使っていない ユーザーは、Teamsの導入前に準備 が必要だ。最も重要なのはWA N/イ ンターネット回線の見直しである。 マイクロソフトでは、このネットワーク 設計をアシストするための便利なツール も用意している。ネットワーク帯域見積 もりツール「MyAdvisor」だ。オフィス の場所と数、ユーザー数、使い方(電 話は少なく、会議は多いなどの属性)等 の情報を入力するだけで、WANとイン ターネット回線に必要な帯域を計算して くれるものだ。 左下画像のように音声、ビデオ、ファ イル共有等の機能ごとに各拠点で必要 な帯域がわかるので、導入前のネット ワーク設計、コスト試算に役立つ。ま た、MyAdvisorは Teams、Skype for Business の両方に対応しており、混在 環境の見積もりも可能だ。S k y p e f o r BusinessからTeamsへ段階的に移行 した場合にネットワークへの影響がど のように変化するか、どちらのツールを 使ったほうが効率的かも確認できる。 Teamsの音声・会議機能は、現時 点ではSkype for Businessと差がある が、今後の機能拡充により、「S k y p e for Businessでできることは、もれなく Teams にも実装される」(吉田氏)。外 線電話連携や大規模会議、他社製ビ デオ会議との連携なども順次サポート する予定で、Te a m s はU Cも包含する かたちで進化を続けていく。 Web Review 日本マイクロソフト、Officeビジネス本部シニアプロ ダクトマーケティングマネージャーの吉田馨一氏(右) と、クラウド &ソリューション事業本部 モダンワー クプレイス統括本部 第 2 技術営業部 テクノロジー ソリューションプロフェッショナルの宮崎悦子氏 WordやExcel、Power Pointによる資料の作 成、Power BI による分 析など、必要なアプリ を「タブ」に追加してい くことで、Teams 上の ワークスペースをカス タマイズできる Microsoft Teams の画面。「チャネル」と呼ぶプロジェクト単位でタイムライ ンを作成するため、進捗状況や共有ファイルを簡単に確認できる。「タブ」に はアプリが追加可能だ(上)。Officeアプリのほか、サードパーティ製の様々 なアプリ/サービスも連携できる 帯域見積もりツール「MyAdvisor」。拠点ごとに、Teams や Skype for Businessを使用した場合の影響を算定する

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4 テレコミュニケーション_April 2018 5テレコミュニケーション_April 2018

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この内容は「通信」の力でビジネスを進化させるための情報サイト「business network.jp」でもご覧いただけます。http://businessnetwork.jp/

 電子メールに代わるコミュニケーション手段として、企業でもチャットが普及している。このチャットをベースとした新たなコラボレーションツールとしてOffice 365に加わったのが「Teams」だ。 正式版の提供開始から約1年、ユーザー数は急速に伸びている。「伸び率は毎月15〜30%で、指数関数的に増えている。関心は非常に高く、お客様向けに開催するセミナーも毎回すぐに満員になる」と話すのは日本マイクロソフトの吉田馨一氏だ。 Office 365ユーザーなら追加ライセンスなしに使えることもあり(一部を除く)、すでに世界で20万社が採用。国内でも本格運用を始めるユーザーが数十社に及んでいるという。

Teamsはチームワークの「ハブ」業務に必要なアプリをつなげる Off ice 365 のユーザーにとって、

Teamsは“単なるチャットツール”以上の意味を持つ。一般的には、チャットは電話/メールやビデオ会議等に加わるコミュニケーション手段の1つと捉えられるが、Teamsはそうではない。マイクロソフトはTeamsを、チームワークの“メインツール”として位置づけているのだ。 Teamsの最大の特徴は、チームで行う共同作業に必要なアプリケーション/サービスを統合・連携させて使えることにある。WordやExcel、PowerPointをはじめとするOfficeアプリをTeamsに追加してカスタマイズできる。また、チャットだけでなく音声通話やビデオ会議も可能だ。 つまり、Teamsは「あらゆるアプリを使うためのハブ」の役割を担う。「Teamsだけで業務が完結する世界を目指している」(吉田氏)のだ。 実際の画面を例に説明しよう。

 Teamsではまず【チーム】を作成し、そのチーム内でテーマ別の【チャネル】を設定する。これが、共同作業を行うワークスペースになるわけだ。 画面上には複数のタブが表示され、ここから様 な々機能が使える。  デフォルトで表示されるタブは3つ。

「会話」タブはチャットを行い、「ファイル」ではチャネルごとに共有ファイルをまとめて確認できる。「Wiki」はテキスト情報の編集・共有を行う。 ユーザーはこれら以外に、Officeアプリを新たなタブとして追加できる。例えば PowerPointで資料を共同編集する、Power BIでデータ分析を行うといった具合だ。チームが使うアプリをここに揃えれば、すべての作業がTeams上で完結する。 もちろん、作業しながら会話も行えるので、資料のバージョンが変わる度にメールやファイル転送で共有してから

日本マイクロソフト

Office365ユーザーは使わなきゃ損!Teamsでチームワークは劇的に変わる2017年3月の正式リリースから約1年、Office 365の新ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)を使い始める企業が続出している。日本マイクロソフトが開催するセミナーも毎回“満員御礼”状態だ。チームワークの質とスピードを大幅に改善できると評判のTeamsの魅力と使い方、そしてSkype for Businessとの違いについて解説する。

打ち合わせをするのに比べて圧倒的に速く作業が進む。プロジェクト単位で共有するファイルがすべてまとめられ、かつ会話の履歴も保存されるので、後から確認するのも容易だ。 そして、Teamsの拡張性はこれだけではない。様々な作業を効率化・自動化してくれるボットを組み込んだり、他社サービスを連携させたりできる。 ボットは、参加者のスケジュールを確認して会議調整を行う「秘書ボット」や、定型的な質問に自動応答する「QAボット」等が複数用意されており、ユーザー自身で開発することも可能だ。 他社サービスとの連携は「コネクター」機能で行う。例えばTwitterやGitHub、JIRA等とフィード連携して必要な情報を自動通知させるといった使い方が可能だ。現時点で連携できるサービスは200以上に及ぶ。

音声通話・会議機能も充実!Skype for Businessと併用も マイクロソフトはこのTeamsに、従来Skype for Businessで実現していたユニファイドコミュニケーション(UC)機

能も統合していく計画だ。 先にも述べたようにTeamsは音声通話・ビデオ会議機能を備えており、TeamsとSkype for Business間でのチャット/音声通話連携も可能になっている。両方を併用する企業も少なくないという。 そこで気をつけなければならないのが音声・ビデオの品質だ。音声や映像が途切れることなく快適に使えるよう、ネットワークの見直しが不可欠になる。 では、Teamsを導入する場合、どこに気をつければよいのか。結論から言えば、注意点はSkype for Businessとまったく変わらない。日本マイクロソフトの宮崎悦子氏によれば、どちらも

「ネットワークの観点ではほぼ同じ動きをする」。Skype for Businessの導入時にネットワークの見直しを行っている企業であれば「Teamsを使う準備はできている」と同氏は話す。 異なるのは、ファイル共有/転送時の動作だ。Skype for BusinessではP2P通信で相手に直接ファイルを送るが、Teamsでは自動的にOneDrive にファイルを保存してから相手にアクセ

ス権を付与するという動作を行う。ただし、これもネットワークのトポロジーにはほとんど影響はないという。  な お、Teamsでは新コーデックの採用等により、「Skype for Businessよりも音

声品質が改善されており、帯域も抑えられる」と宮崎氏は話す。 一方、これまでUCを使っていないユーザーは、Teamsの導入前に準備が必要だ。最も重要なのはWAN/インターネット回線の見直しである。 マイクロソフトでは、このネットワーク設計をアシストするための便利なツールも用意している。ネットワーク帯域見積もりツール「MyAdvisor」だ。オフィスの場所と数、ユーザー数、使い方(電話は少なく、会議は多いなどの属性)等の情報を入力するだけで、WANとインターネット回線に必要な帯域を計算してくれるものだ。 左下画像のように音声、ビデオ、ファイル共有等の機能ごとに各拠点で必要な帯域がわかるので、導入前のネットワーク設計、コスト試算に役立つ。また、MyAdvisorはTeams、Skype for Businessの両方に対応しており、混在環境の見積もりも可能だ。Skype for BusinessからTeamsへ段階的に移行した場合にネットワークへの影響がどのように変化するか、どちらのツールを使ったほうが効率的かも確認できる。 Teamsの音声・会議機能は、現時点ではSkype for Businessと差があるが、今後の機能拡充により、「Skype for Businessでできることは、もれなくTeamsにも実装される」(吉田氏)。外線電話連携や大規模会議、他社製ビデオ会議との連携なども順次サポートする予定で、TeamsはUCも包含するかたちで進化を続けていく。

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日本マイクロソフト、Officeビジネス本部シニアプロダクトマーケティングマネージャーの吉田馨一氏(右)と、クラウド&ソリューション事業本部 モダンワークプレイス統括本部 第2技術営業部 テクノロジーソリューションプロフェッショナルの宮崎悦子氏

WordやExcel、Power Pointによる資料の作成、Power BIによる分析など、必要なアプリを「タブ」に追加していくことで、Teams上のワークスペースをカスタマイズできる

Microsoft Teamsの画面。「チャネル」と呼ぶプロジェクト単位でタイムラインを作成するため、進捗状況や共有ファイルを簡単に確認できる。「タブ」にはアプリが追加可能だ(上)。Officeアプリのほか、サードパーティ製の様々なアプリ/サービスも連携できる

帯域見積もりツール「MyAdvisor」。拠点ごとに、TeamsやSkype for Businessを使用した場合の影響を算定する