plethysmography kentaro takagi, m. d

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(3) 解説 郎* Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D. * Plethysmography is a volumetry method for the study of the peripheral blood circulation, which can be used to measure the blood flow by combination of the venous oc- clusion method. For this purpose the classic mechanical plethysmography and recently advanced mercury-in-gauge plethysmograph are the most available, but the former is not conveniently to be handled and both can only be used on finger or hand. The photoelectric or impedance plethysmograph is easy to handle and can be used on any portion of the skin, but has a deficit of being incapable of recording the absolute volume changes. They are adapted, however, to observe the comparative vascular responses characteristic to various physiological and pathological conditions. 1. は 1・1プレチスモグラフとは Plethysmograph(p1)と い うのは,ギ リシャ 語 の 「充満す る,満 たす」 とい うことか ら,あ るか らだ の 部 分への血液流入による体積変化を知る装置とい うこ とに な り,現 在 で は 訳 語 と して,そ の ま ま 「プ レチ ス ーモグラフ」とか 「容積脈波計」が用いられる。脈波計 と い う訳 語 は,p1の 内の す み や か な変 化 分,す なわ ち脈波だけをとって名づけられたものであ り,あまり 適 当な訳語ではない。慣用語となってしまった現在, ここで新しい訳語を提案することは,か えって混乱を 招 く こ とに な る こ とを 思 え ば,や は りそ の ま ま プ レチ スモ グ ラ フ と して お い た ほ うが よい と考 え る。 p1と同 様 な も のにonkometerと いうのがある。 onkoとい うのは,腫 瘍,腫 脹とい うことで,転 じて 「器官の容積変化計」と訳して用いられている。器官 の 容 積 変 化 も,短 時 間 の間 な ら,主 と して そ の器 官 内 の 血 液 量 に 左 右 され るか ら,け っ き ょ く器 官 の血 流 変 化 を 測 定 とい う ことに な り,p1と 同 じ こ とに な る。 だ か らp1として 使 用 され る方 法 は,原理 的 に はonko- meterと しても使用可能のものが多い。 1・2プ レ チ ス モ グ ラ フ ィの生 理 的意 義 生 理 学 的 に も っ と も重 要 な こ とは,あ る器 官 な り組 織に,単 位時 間に どの くらいの血液 が流 入 ・流 出す る か,す なわ ち単 位 組 織 量 に対 し て の血 流 量 を 知 る こ と, つ いで組織 と血液 との問の有機,無 機 の物質の交換, ガス,主 としてO2,CO2の交換状況,そ れ が どの よ うに し て,ど こで行 なわ れ て い るか とい う機 序 を 知 る こ とで あ る。 と ころ で組 織 とい っ て も,そ の血 管 構 築 は組 織 に よ っ て も い ち じる し くち が って い る 。皮 膚 ・筋 の よ うな 比較的研究 の対象に な りやす いものか ら,腎 ・脳 ・肝 ・腸管のように外部から到達の困難のものまであ り , そ の血 管 走 行,血 管 網 は,ま った く とい っ て よい ほ ど ち が って い る。 した が って,同 じ く組 織 の血 流 量 とい っ て も,こ れ ら複 雑 な血 管 網 の ど こを どの く らい の血 液が流れているかを知ることは,非 常に困難なことで ある。大 きい動脈や静脈では,流 れの方向は一定であ る が,小 さ い血 管 網 で は方 向 は必 ず し も一 定 で な い 。 ゆ え に,出 入 口の大 きい血 管 で か な り正 確 に血 流 量 を 把握し得たにしても,それでもってその部の血流量の 全 体 を知 りつ く した こ とに は な らな い 。 血 管 は 単 な る弾 性 の あ る管 で は な くて,そ の壁 に 存 在する平滑筋,ま たは内被細胞の膨縮によって管腔を 狭 く した り,広 く した りし うる。 これ は,局 所 の媒 質, 化 学 物 質,た と えばpH,代 謝 産 物,あ るいは特殊の 物 質(ヒ ス タ ミン,bradykininな ど)に よって作動 され るば か りで な く,中 枢 か ら の神 経 衝 撃 に よ っ て調 節されている。この方向に興味を有する研究者にとっ *名 古屋大学 医学 部第1生理 学教室 (Department of Physiology, Nagoya University School of Medicine) 第3巻 第1号(Jan.1965) 3

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Page 1: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(3)

解説プ レ チ ス モ グ ラ フ ィ

高 木 健 太 郎*

Plethysmography

Kentaro TAKAGI, M. D. *

Plethysmography is a volumetry method for the study of the peripheral blood

circulation, which can be used to measure the blood flow by combination of the venous oc-

clusion method. For this purpose the classic mechanical plethysmography and recently

advanced mercury-in-gauge plethysmograph are the most available, but the former is not

conveniently to be handled and both can only be used on finger or hand.

The photoelectric or impedance plethysmograph is easy to handle and can be used on

any portion of the skin, but has a deficit of being incapable of recording the absolute

volume changes. They are adapted, however, to observe the comparative vascular responses

characteristic to various physiological and pathological conditions.

1.  は じ め に

1・1 プレチ スモグラフとは

Plethysmograph(p1)と い うのは,ギ リシャ 語 の

「充満す る,満 たす」 とい うことか ら,あ るか らだ の

部 分への血液流入に よる体積変化を知 る装置 とい うこ

とにな り,現 在では訳語 として,そ の まま 「プ レチス

ーモ グラフ」 とか 「容積脈波計」が用い られ る。脈波計

とい う訳語は,p1の 内のすみやか な変化分,す な わ

ち脈波だけを とって名づけ られた ものであ り,あ ま り

適 当な訳語ではない。慣 用語 とな って しまった現在,

ここで新 しい訳語を提案す ることは,か えって混乱を

招 くことにな ることを思えば,や は りその ままプ レチ

スモ グラフとしておいたほ うが よい と考 える。

p1と 同様 なものにonkometerと い うの が あ る。

onkoと い うのは,腫 瘍,腫 脹 とい うことで,転 じて

「器官の容積変化計」 と訳 して用い られて いる。器官

の 容積変化 も,短 時間 の間 なら,主 としてそ の器官 内

の 血液量に左右 され るか ら,け っき ょく器官 の血流変

化を測定 とい うことに な り,p1と 同 じことに なる。

だか らp1と して使用 され る方法 は,原 理 的にはonko-

meterと して も使用可能の ものが多い。

1・2 プレチスモグラフ ィの生理 的意義

生理学的に もっとも重要 な ことは,あ る器官 な り組

織に,単 位時 間に どの くらいの血液 が流 入 ・流 出す る

か,す なわ ち単位組織量 に対 しての血流量 を知 ること,

つ いで組織 と血液 との問の有機,無 機 の物質の交換,

ガス,主 としてO2,CO2の 交換状況,そ れが どの よ

うにして,ど こで行 なわれ てい るか とい う機序を知 る

ことである。

と ころで組織 といっても,そ の血管構築 は組 織に よ

ってもいち じるし くちが っている。皮膚 ・筋 の ような

比較的研究 の対象に な りやす いものか ら,腎 ・脳 ・肝

・腸管 のよ うに外部 か ら到達 の困難 のものまであ り,

そ の血管走行,血 管網 は,ま った くといって よいほ ど

ちが ってい る。 したが って,同 じく組織 の血流量 とい

っても,こ れ ら複雑 な血管網 の どこを どの くらいの血

液が流れ ているかを知 る ことは,非 常に困難な ことで

ある。大 きい動脈や静脈 では,流 れの方 向は一定であ

るが,小 さい血管網 では方 向は必 ず しも一定でない。

ゆえに,出 入 口の大 きい血管 でかな り正確に血 流量を

把握 し得 たにして も,そ れで もってその部の血流量の

全体 を知 りつ くした ことにはな らない。

血管 は単な る弾性のあ る管ではな くて,そ の壁に存

在 す る平滑筋,ま たは内被細胞の膨縮に よって管腔を

狭 くした り,広 くした りし うる。 これは,局 所 の媒質,

化学物質,た とえばpH,代 謝産物,あ るいは特殊 の

物質(ヒ スタ ミン,bradykininな ど)に よって作動

され るばか りでな く,中 枢か らの神経衝撃に よって調

節 されてい る。 この方向に興味を有す る研究者 に とっ

*名 古屋大学医学部第1生 理学教室

(Department of Physiology, Nagoya University School of Medicine)

第3巻 第1号(Jan.1965) 3

Page 2: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(4) 医用電子 と生体工学

ては,血 流その もの よ りも,観 察対象 としている血管

が 自動的に収縮 ・拡張 したのか,ま たは血管 内圧力 の

上 昇 ・下降に よって,受 動的に拡張 ・収縮 した ものか

を知 る手がか りとして,血 流を見たいわけであ る。

また,あ る研究者に とっては,い ろい ろな身体状況

または環境条件,た とえば,睡 眠中 と覚せ い中,疾 病時

とか,寒 冷 ・暑熱におかれた場合の ある組織,器 官 の

エ ネル ギ代謝量が研究対象 となる。 このよ うな人に と

っては血流量 と同時に,そ こで消費 された酸素量,組

織 内の酸素量を知 りた いであ ろ う。

さらに,正 常時 ・疾病時 に,血 管 と組織 との問に水

分 の出入が どのよ うに ちがっているかを問題 にす る人

もある。浮腫 の研究に は,こ の ことを知 る ことはも っ

とも重要 であろ う。 これ に伴 って,と うぜ ん種 々の電

解質 の出納 も知 りた くな ることは当然 であ る。

1・3 プ レチスモグラフ ィの意味す るもの

以上,P1と は一見無関係 の ような ことが ら を 書 き

な らべたのは,p1が 生体研 究の場 において占め る範

囲をは っき りつ かんで もらいたいか らであ る。p1は

元来,そ れが どの よ うな方法 のもので あろ うと,所 詮

はその部の容積変化を と らえるものにす ぎない。 しか

し,以 上述べた ことか らわか るよ うに,わ れわれが本

当に知 りた いことは容積 そのものでな く,血 流量 であ

る。組織 の容積変化 は,(1)流 入血液量,(2)流 出血液量

に よりて きまる。 もし流 出量か流入量 のいずれかを一

定にす る ことがで きれば,そ のときの体積変化 をはか

って,組 織を流れ る液体量 を知 る ことが で きる。通常

は流出量を一時的に零に して,そ のときの容積増加速

度か ら流量 を推測 してい る。普通 は指尖 とか前膊 とか,

か らだか ら突 出してい る部分で ち ょうど静脈流 をとめ

て,動 脈流 を妨 げない くらいの強 さで圧迫す る方法 を

とってい る。 これ を静脈 閉そ く法(venous occlusion

method)と いっている。 圧 迫す る部分はで きるだけ

容積を記録 してい る部分に近い所が よい。で ないと,

測 定部以外 の容積血管(capacitance vessel)に 血液

が流れ こむために,容 積増大速度 は鈍 くなる ことに な

る。血管網を もっとも簡単 に第1図 のよ うに示す と,

静脈を閉そ くす ることはaま た はbで 回路 を切 る こと

に相当 し,そ のときの容積増加 はC1ま た はC2に お

け る電位の増大にお きか えることがで きる。実際容積

をはか ってい るのはC1の 部分 であ るのに,も しbで

切 った とすれば,C1の 電位 上昇は,C2の 存在 のため

にお くれ るとい うことに等 しい。 とす ると,目 的 とし

てい るR1を 流れ る電流 を正確 にはあ らわ さない こと

にな る。

第2図 か らも推測で きるよ うに,静 脈を閉そ くした

とぎに も,曲 線は全体 として指数関数的に上昇 して行

く。 この曲線の最初の上昇速度だけがか な り正確 に血

流 を示す ことになる。 しか し,こ こに もまだ問題はあ

る。

指 のp1を 記録 してみる と,心 臓の拍 動 ごとに,そ

れ よ りもややお くれ て,体 積 の変動 が見 られる。 これ

を容積脈波 とい っている。 これは,血 液 が心臓か ら抽

出 された エネルギの一部 は,血 液 を抵抗 に さか らって

押 し流す力 となるが,他 のエネルギは血管 を押 しひろ

げ,血 管 に弾性のエ ネル ギとして貯 えられ る。 このエ

ネル ギは,つ ぎの血管部分へ も同様 に伝 え られ,け っ

き ょく,心 臓か ら離 れた指 さきまで も到達す るか らで

あ る。 しか し,毛 細血管,静 脈は,動 脈系に くらべて

非常に伸展 されやすい うえに,そ の切 口の総計面積が

広 く,抵 抗が少ない。いわば大 きい電気容量を有す る

回路 と考 える ことがで きる。そ こで,生 理学者は動脈

系 のほ うを抵抗脈管(resistance vessel),毛 細管,静

脈血管 のほ うを前 述の よ うに容量 脈 管(capacitance

vessel)と い っている。 この よ うな大 きい容量 のため

に,脈 動 は平滑化 されて,ほ とん ど定常流に なってい

る と考 えて よい。 とす る と,容 積脈波 として得 られ る

脈波 の1つ1つ は,実 はある程度血流 変動をあ らわ し

ている と考 えて よい。す なわ ち,容積脈波 の微 分は,1

脈動 ごとの血流 の変動分を あ らわ している ことになる。

しかし,静 脈部分 におけ る定 常流 の大 きさを知 らない

第1図  指血管の電気的等価回路

Fig. 1 Equivalent electrical circuit of finger vessels.

第2図  静脈閉そく法による血流速度の算出法

Fig. 2 Plethysmographic calculation method of

blood flow rate by venous occlusion method.

4 昭 和40年1月

Page 3: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

プ レ チ ス モ グ ラ フ ィ (5)

か ら,そ の ときの血流 量の絶対 値を知 ることはで きな

い 。第3図 は この関係を示 した ものであ る。

この図でわか るように,血 流速度は脈動 ごとに変動

してい るものであ るか ら,静 脈閉そ く法で も閉そ くの

時 期 が問題 にな る。 もし静脈をa点 で閉そ くした とき

に は,脈 動に よる速度減退に よって,静 脈閉そ くに よ

る容積増加はあ る程度相殺 され,閉 鎖直後 の曲線上昇

度 か らはか った血流速度は小 さ く出て来 る。 またb点

で 閉そ くす ると,血 流増加時 と重 なって平均血流 よ り

も大 きく出て来 ることに なる。 したが って平均血流速

度 としては,変 動分に よるものの総和が零 になる よう

に 引 いた正切 か ら求 めるべ きであろ う。 こうす るため

には,脈 拍 の数個分 を とらね ばな らな くな って来 る。

そ うす ると,血 管 お よび周 囲組織 の伸展性(distensi-

bility)に よる血 圧上昇がひびいて きて,流 入速度は

落 ちるために,不 正確 にな るおそれがあ る。

いま1つ の問題は,動 ・静脈,毛 細管 と組織 との問

に は,た えず液の交換が行 なわれてい ると考 えねば な

らない。た とえ短時間にせ よ,静 脈 を閉そ くす ると,

その部 の血圧は しだいに上昇 し,そ れ だけ血管 か ら組

織 へ の液 の流 出が あ り,組 織圧 が上 昇 して,血 管 容量

は減少す る。そ の結果流 入量 は減 少す るであろ う。

この ように考 えて来 る と,現 在 もっとも多 く使用 さ

れてい るp1と 静脈閉そ く法 との併用に よる局所血流

測定 法に も,ま だ多 くの欠点があ るとい うことにな る。

に もかかわ らず使用 されてい るとい うのは,現 在 のと

ころ,こ れに まさる非観血的 な血流測定法 が案 出され

ていない ことと,装 置が簡便 であ って,臨 床的 に取 り

扱 いやすい とい うことであろ う。 またた とえ,血 流 そ

の ものは知 り得 ない としても,血 流変 化,あ るいは容

積変化 のpatternが,身 体状況お よび環境条件,疾

病時に おい て,き わ めて特徽的 であ って,こ れ に よっ

て疾病 の分類,部 位 の察知が ある程度可能 であるか ら

で あろ う。ち ょうど,脳 波 そのものの発 生機序 はいま

の ところ不 明であ って も,脳 波の示すpatternは 特

徴的であ り,こ れに よってあ る程度生理機能 を解釈す

ることがで きるのと似 ている。 この点 においてp1は,

きわめて有用 な医学生物学的武器 である ことは確 かで

あ る。

2.  記 録 時 の 注 意

どの装置を用い るときに も,つ ぎにあげるよ うな注

意が必要であ る。従来わが 国に おいても多 くの研 究報

告があ るが,研 究者 によ りその実験条件 がまちまちで

あるため,お たがい の研究成績 を比較 で きず,そ のた

めに得 られた 曲線 の意味 がわ か らない ことがはなはだ

多 い。

2・1 測 定 部 位

p1は,一 般には指尖に適用 され ることが多 い。 指

尖 は厚 い皮膚 と皮 下脂肪 と骨お よび腱か らで きてお り,

筋 はない。 したが って,こ こをはか ることは皮膚 の血

流状 態を知 ることにな るとしてい る。 しか し,こ こに

おけ る成績は皮膚のすべての部分を代表 してい るので

はない ことに注意すべ きであ る。 どちらか とい えば,

ここは皮膚の うちで も特殊の部分であ るといった ほ う

が よい。ただ,こ こは人間 の生活に とって重要 な部分

であ るし,測 定が容易であ るとい う点でい ままで よ く

用い られて きた とい って よい。 しか も,他 の一般体表

面 の皮膚に くらべて,血 管が非常に よ く発達 してお り,

脈波振幅 も大 き く記録 でき,脈 波 の分析 に便 であ り,

い ろい ろの内外条件に よって変化 が もっとも激 しいだ

け に,逆 に身体状況 を うかが うのに適 してい るか らで

ある。また,指 尖であれば,I指 か らV指 までほ とん

ど同一の性質を有 し,同 時に何本か の指を用いれば,

その うちの1本 は対照 として用い うることも便利 であ

り,ま た骨 が1本 であるために,静 脈 閉そ く用のcu丘

(マンシ ェッテ)を あてて静脈流 を完 全に とめ られ る。

他 の皮膚部分 の うち,足 の指 は手指 とよ く似てい る

が,手 よ りも脈波振 幅は小 さく,ま た,指 が短いため

にあま り血流測定 のためには用い られない。機械的の

ものでは他の皮 膚部分は記録 し得ないが,光 電的 のも

のではほ とん どあ らゆ る皮膚部分か ら記録 し うる。第

4図 は こ うしてとった各皮 膚部分のPlethysmogram

(plgm)で あるが,皮 膚 に よってそのpatternに 大 き

い差 のある ことがわ かるであろ う。正常 では左 右対称

部位 のpatternは ほ とん ど相 同であ り,左 右を同時に

第3図  容積脈波(V)と 速度脈波(1次 微分)と の関係

Fig. 3 Relationship between volume plethysmograph

and its first derivative.

第3巻 第1号(Jan.1965) 5

Page 4: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(6) 医用電子 と生体工学

記録 して,疾 病 の有無,予 後 の判断に役立つ。

2・2 手 の 位 置

手が心臓 よ り高い位置に あるか,低 い位置に あるか

に よって,得 られ る成績 はかわ って来 る。高 いと血流

は減少 し,低 い と欝血を起 こす。 したが って通常,心

臓の高 さにおいて行 な う。

2・3 環境温 度と情緒

非常に大 き く影響を与 える。特別 の目的以外に は20

~25℃ で行 な うが よい。25℃ 以上に なると,血 管 の

収 縮性は減少 し,低 い と収縮性に なる。音響 ・語声 な

どで情緒的興奮を起 こし,血 管 は一時的に収縮す る。

また,た めい き(sighing),深 呼吸,笑 うなどに よっ

て血管 は一時的に強 く収縮す る。

精 神的状態 もまた大 き く関係す る。考 えることは脈

管 の収縮 を起 こし,脈 波は小 さ くなる。睡眠 ・睡気 ・

弛緩な どに よってpatternは いち じるし く異 なる。

故に成 績比較 の場合には,静 かな部屋で,外 来刺激が

な く,ち ょうど脳波を記録す るよ うな精神安静 の状態

に あ ることが望 ましい。逆にい うと,Plgmは 脳波 の

よ うに 内外状況 に よって大 きく影 響を受け るといえ る。

2・4 年 令

若年者 と老人で は非常 に大 きいちが いがある。若 年

者 は弛緩 した状態 ではかな り全体 として容積変動が大

き く,老 人 になるほ ど変動 が少ない。 よって実験の場

合に は年令 がた いせ つな役割 を占める。

3.  装 置 に つ い て

機械的 なもの,電 気抵抗変 化を用 い る もの,imped-

ance変 化 を利用す るもの,光 電的 なものなどがあ る。

いずれを用 いるとしても,通 常 の記録系 におけ るよ う

に,こ の記録計全体 の1)感 度,2)周 波数特性 を知 って

お くことがた いせつ である。単位 の体積 に対 して,記.

録紙上に どの程度 の大 きさが得 られ るかを測 定す る こ

とはむずか しい ことではないが,周 波数特性 のほ うは、

なか なか 困難 であるが,各 人 それ ぞれ の くふ うを して

い るよ うで ある。

4.  機 械 的 な もの(mechanical

plethysmograph)

原理的 には もっとも簡 単であるが,ま たそれだけ も

っ とも確実 である。しかし,記 録計 に至 る間がめん ど

うであ って,臨 床的 に手軽 には扱えない とい う不 便 さ

が ある。

古 くは鋭敏 な記 録計 がないために,肘 関節か ら先端

を全部 円筒 の中に突 っこみ,そ の容積変化をはか って

いた。v.Kriesな どが用いた のは この微分 曲線 を う

る1方 法 である。第5図 にその概 略を示 しておいた。

図か らす ぐにわ かる ように,円 筒 の一 方か ら燃料用 ガ

スを一定圧 力で流 し他方 の 口へ導いて,こ の ガスに火

をつけ,そ の炎の大 小を直接 フィル ム上に撮 影 してい

た。なかなかお もしろいideaと 思 ったので掲げてお

いた。

この種 の ものはその後 種 々改良 された1~7)が,わ が

国においてはあま り実用 化 されてい な い。 第6図 は

cupと これ に隣接す るcu丘 の部分 を示 した ものであ

る。Burchは 接着剤 で ここを固定 してい る。 日本で

も備前 の8) seal materialの 研究が あ る。Burchの

ものは,cupと 指 との間は空気 であ るが,イ ギ リスで

は体 温に等 しい水を 満 た している。 ま たイギ リス派

ではcupの 内側に ゴム嚢 を入れ て これを指 と密 着 さ

第4図  種々の皮膚部分の刺激に対する血管反応の差異

Fig. 4 Different patterns of vasomotor response in

various skin areas.

第5図 v.Kriesの 速度脈波 記録 法

Fig. 5 Tachogragh of v. Kries.

6 昭 和40年1月

Page 5: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

プ レ チ ス モ グ ラ フ ィ (7)

せ,こ の ゴム嚢 とcupの 間に温水を満た している。

Burchは,容 積 変化を 空気伝導式 にtambourに

導いて光学的に記録 している。tambourはluciteで

で きた平た いcup状 の もので,こ れ に 厚 さ0.002

inchの ゴムを張 ってcup縁 には りつけ る。 この ゴム

の約半分 を半 円状 の円盤 でおおい,そ のす ぐそばに小

鏡(0.5×1.0mm)を は る。 この周波数特性(測 定法9))

は25c/sま で平坦であ り,感 度は0.1mm3ま ではか

れ るほ ど鋭敏 であ る。cupの 内圧 は0.1~1.0mmH2O

に保 ってあ る。

静脈閉そ く用 のcuffはcup縁 に近接 して 巻 い て

あ る。 この理 由につい てはは じめに述べ た。cuff内 の

圧をあげ る速度は血流を推測す るのに非常 に重要 であ

り,常 に一定速度,一 定圧力 までにす る必要が あ り,

このために一定圧の大容量 の空気 タ ンクか ら,電 気弁

で一定間隔を おいてcuff内 に空気を入れ るよ うに く

ふ うしてあ る。

cuffに 空気を入れて,容 積曲線 の上昇速度か ら血

流速度を推測す るときに,artifactと してはい りうる

誤 差につ ぎの ことが あるので注意 を要す る。

1.  閉そ くcuffを ふ くらます ときに,cupが 動 く

2.  閉そ くcuffの 下にあ る血液を指先 のほ うに押

しや る

3.  小動脈そ の他 の血液を閉そ くcuffの 下か ら指

先にお しや る

4.  リンパ液,組 織液 を閉そ くcuffの 下 か ら指先

に おしや る

5.  組織そ のものを指先 のほ うに移動 また はおしや

6.  動脈か ら血液 中の液体が指先 の組織 にろ過 され

以上を注意す べ きである。

イギ リス式 のよ うに温水 を入れ た場 合は,こ れを水

平毛細管manometerに 連結 し,水 平管 中の水 の動 き

を電気的 に変換す る ことも可 能であ る7)。また,Burch

のよ うに薄 いゴム膜 を張 り,こ の ゴム膜 を銀 メッキし

て,こ れ と接 して対面す る金属面 との間の距離 を電気

容量 の変化 として と り出す ことも可能 であるが,直 線

性(linearity)を うる ことが 困難 である。 ゴムの薄膜

の代わ りに,血 圧計 の ように金属板 をは った圧力計 に

導 いた10)のでは,cup内 の圧力が変動 し,真 の意味 の

容積変化を記録 した ことに な らないか ら不可 であ る。

以上 のいずれ の方法 も,1)空 気 や水漏 を防 ぐことが

困難 である こと,2)発 汗 に よる誤 差,3)指 をま った く

動 かさない こと,4)周 囲の温 度変化に伴 う測定系内温

度 の変化 を防止す ることが非常匠めん どうな こと,5)

二 重壁cupに す ると,水 や空気 の漏れ の心配 はない

が,指 に対 す るい くらかの加圧はやむを得ない こと,

な どの難点があ る。

石川 ら11)はCranley12)ら に準 じて,指 節容積変化

を空気圧変化にみちび き,こ れ をcrystal receiver

に よってpiezo電 気に変 える法を用いてい る。 この方

法はJohnson13)ら に よって行 な わ れ,electrotonic

recording oscillometer(vasculograph)と いわれ て

い る。石川 らは これに積分 回路 を付加 してp1と して

用いてい る。

四肢幹部 の容積変化 の記録 は,こ の部が皮膚血流 に

比べて筋血流が非常に多 いた めに,筋 の血流 の測定 に

用い られてい る。Barcroft4)ら は,第7図 のよ うな装

置を用いてい る。原理は彼 らが指先に用 いたものと同

第6図  プ レチ スモグラフ用 のcupとcuffと の関

係を示す(Burchに よる)

Fig. 6 Plethysmographic cup and occluding cuff

(from Burch).

第7図  前腕 の機械 的プ レチスモ グラフ ィ(Barcroft

に よる)

Fig. 7 Mechanical plethysmography of fore-arm_

(from Barcroft).

第3巻 第1号(Jan.1965) 7

Page 6: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(8) 医用電子 と生体工 学

様 であ る。城 ら14)は,1つ の小孔 と1つ の側枝 をもっ

た容器 に,肢 部 を封入 し,そ の側枝の途中に熱線風速

計 をお く。 ここか ら一定圧力で空気を吸引す ると,空

気は小孔か らはい り側枝に出てい く。側枝内 の空気 の

流 速 を熱線 風速計ではか ってい る。 これを彼 らは熱線

脈拍流速計 と呼んでい る。 これを積分すれば容積脈波

を うる ことがで きる。

以 上種 々の方法を述べたが,Barcroftら の ものを

絵 いては,容 積の絶対値 を知 り得 ない うらみがあ る。

5.  光 電 的 な もの(photoelectric

plethysmograph)

大 動脈弁閉鎖不全の よ うな脈圧の大 きい ときには,

爪床 の蒼 白部に毛細管 脈拍 とい うものを 目で見 ること

が で きる。また正常人で も,暗 室で指先の掌側に強い

光 源をおいて,こ れを背側か らながめ ると脈動 を見 る

ことがで ぎる。 この脈拍に よる光 の変動を,光 電管,

光 電池を介 して電気的 の変化 として記録 しよ うとす る

ものであ る。

これに2種 類の ものがあ る。1つ は透過式7,11,17~25)

であ り,他 は反射式26,27)で あ る。 い ず れ も組 織に よ

って散乱 され る光が,血 液 に よって吸収 され る ことを

利 用 した ものであ る。

5・1 透 過 式

透過光用 のものとしての受光部 分には,清 水 ら22)は

PG-50G,PT-25-GT,PT-27-GTを,石 川 ら11)は

RCA-921形,927形 を用いてい る。 これ らは7000~

8000Aに1つ の ピーク感度を有 し,こ の辺の近赤外

線 を生体組織 は比較 的 よく通過 させ る性 質があ り,し

か も酸化 ・還元 ヘモ グロビンは これを同程度 に吸収す

る。

光源 には3~6Vの 豆 ランプを使用 している。光 源

と受光 部分 を別個 に して,測 定部位 と受光部 を固定 し,

光源 の位置 を調節 で きる ように した ものもあれば,光

源,受 光部 とも小形 の黄銅 ケー スに入れ,こ れを測定

部位 をはさんで固定す るように した もの もあ る。

増幅器 としてCR結 合を用いれば,脈 波の形だけを

見 るに適 してい る。 この際,忠 実に脈波波形を見 るた

め には,少 な くとも時定数 は20秒 以上でな くてはな

らない。増幅器にDC結 合 を用 いれ ば,そ の部 の血液

量 を見 る ことがで きる。 この場 合には曲線の水 準はた

えず動 き,そ の上 に脈波 が重 畳す る形 を とる。

しかしいず れにせ よ,透 過式 の ものは組織が光を通

過 す るに十 分なほ どうす い所 でな くてはな らない。指

先,耳 たぶ,手 のひ らな どには用い られ るが,顔 面,

前腕,脚 な ど,組 織の厚い所では使用 はで きない。 こ

の点,つ ぎに述 べる反 射式 の もののほ うがは るかに応

用範 囲も広 く使用 しやす い。

5・2 反射式 のもの

Hertzman24)が 最初 考案 した ものは,か な り大形で

あ り,固 定 しがたい欠 点があ った。長谷川25)のは これ

に比 して,光 源部 が受光部 を と り囲む ように対 称的に

設計 され ていて,固定 も楽にな った。その後,わ た くし

た ちは第11図 のよ うな2種 類 を使用 してい る。1つ

は第8図(a)に み る ように,受 光部 としては ガス入 り

光電管PT-17-GT(最 高感度8000A),光 源部 とし

ては2V,0.02Wの 気管 支鏡用の ランプを用い,こ れ

を同一 の黄銅 ケースにお さめた。 これには直径7mm

の窓 カミあ り,そ の中心に光源があ り,背 後にあ る受光

部 へ この光線がはい らぬ よ うに前開 きの小筒で囲 って

あ る。光源の後に光電管がはい っている。他 の1つ は,

第8図(b)に 見 る ような円盤状p1(disc plethysmo-

graph)で ある。 これは受光部 としてはCdSを 用 い

た もので,そ の中心に特別に作 った きわめて小 さい ラ

ンプが ある。 円盤 の大 きさは9~13mmで,重 さは約

59で あ る。CdSの 最高感度は7350Aに あるか ら,

さきの光電管 と同様 に容積脈波 を記 録す るに適 してい

る。しかし,温 度に よってその感度が異な ることは注

意を要す る。第9図 にわた くした ちの用 いているCdS

用 の配線 図を示 してお く。以上の反射式の ものは,つ

ぎのよ うな特長 と欠点 を有 している。

第8図  光電的 プレチスモ グラフ.(a)は 光電管 式

(b)はCdS式

Fig. 8 Photograph of reflection photoelectric ple-

thysmographs. A : phototube, C : CdS cell,

L : bronchoscopic light bulb.

8 昭 和40年1月

Page 7: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

プ レチ ス モ グ ラ フ ィ (9)

1.  軽量,小 形であ って,か らだの表面の どの皮膚

部分に も適用 し うる。発汗その他に妨げ られず,

動揺 に強い。

2.  前置増幅器を くふ うすれば,温 度補正をす るこ

とがで きる。CRとDCと を切 り替え るよ うに し

ておけば,脈 波波形お よび血液量の変動を知 りう

る0

3.  さらにCdSの 形 を くふ うすれ ば,鼻 腔,胃 粘

膜 な どの容積脈波を と りうる。問題は まった く別

であ るが,こ れを眼前に固定すれば,瞳 孔 の運動

もぎわめて容易にかかせ ることがで きる。

4.  光 源の強 さを加減す ることに よっては,感 度 を

かえ うるだけであ る。 しか し,皮 膚にお しつけ る

強 さをか えると,毛 細血管,小 静脈 の態度,小 動

脈,動 脈の態度を別個に記録 し うる。 この ことに

ついては後に述べ る。

欠点 としては,

1.  血液量の絶対値,変 動 の絶対値,し たが って静

脈閉そ く法か ら,血 流量 の絶対値を知 り得 ない と

い う大 きい欠陥 を有す る。Hertzmanは 一 定 の

filterを 光源 と受光部 の間に挿入 し,こ れを もっ

て,こ の振れを1単 位 としてい る。 石 川 ら は,

200倍 に薄めた正常人血液約1mmの 厚 さに相当

す る半透明赤色 セ ロフ ァン紙を用い てい る。一見

合理的に見 えるが,光 源 と受光部 の間 のど こに ご

のfilterが 存在す るかに よって,較 正 値が異 な

る。換言す ると,血 管層 と受光部,光 源部 の位置

的関係に よって同 じ血液量変化に よって も振れ の

大 きさが異 なって来 る。それは光線が組織 内で平

行な1つ の光束 として通過す るので な くて,光 が

組織内で分散す るか らで ある。

2.  測定部 の容積変化 とい うよ り,血 液量変化 をあ

らわ してい る。 これは欠点 とい うよ りもむ しろ利

点であ るか もしれぬ。ただ し,ヘ モ グロビン量 に

左右 され る。

5・3 光電p1に よって得 られた成績について

以上 の欠点 の項 で述 べたよ うに,こ の方法 に よって

は容積 の絶対値 を知 る ことはで きない。 したが って血

流量 の絶対値 を知 る ことはで きない。 しか し,比 較的

なものな らば ある程度察知す る ことがで きる。それは,

比較的 で よけれ ば静脈 閉そ く法 を用 いて,そ の上昇角

度 をはかる ことであ る。また血流その ものでな くて,

血流速度 の変化 な らば,容 積脈波曲線の微分か ら知 り

うる。あるいは直接微分 回路に入れて曲線 としてあ ら

わす こともで きる。だが,定 常流 の大 きさが知れない

か ら,実 際的 にはあま りこの方 面では役にたたない。

また,ま った く駆血 した状 態 と満血に した状 態 とを0

~100%と して,血 液量 を100分 率であ らわす ことも

で きる。

そ こで光 電式 の ときには,脈 波 の1つ1つ の(CR

変動),あ るいは血流 の絶対 値を知 ることか ら離れて,

血液 量の変動(DC変 動)のpatternを 観 察 し,こ れ

か ら血管 の態 度,ひ いてはその神経支配を知 るよ うな

方面 に使用 す るが よい。つ ぎに得 られた曲線 の特性を

簡単 に述べてお こう。

5・3・1 左右対称性 正常で のDC変 動は,左 右

ま った く対 称性であ る。非対称性の出現は,末 梢血管,

脊 髄 レベ ルの異常に よることが多い。ただ し,耳 たぶ

は特別であ り,左 右 とも6~8秒 周期 の正弦波状 の規

則正 しい動揺 を示 すが,左 右は まった く同期 してい な

い。左右 の脊髄 血管中枢に独立性があ るためであ ろ う。

5・3・2 皮膚部位に よる特異性 手 のひ らと足 の

裏はほぼ同 じpatternを 有 し,自然動揺をは じめ,深 呼

吸,た め息,精 神活動な どの内的刺激,音 響,い たみ

な どの 外的情動刺激に 対 して の反応(vasomotor re-

sponse)の 形は,ほぼ等 しい。上肢 と下肢,胴 体,顔 面

はそれぞれ特有であ るが,根 本的 な差異 では な く,環

境条件(た とえば環 境温)に 対 す る自律緊張 のずれ と

考 える ことがで きる29)。

5・3・3 血管層に よるpatternの ちがい 反射式

P1を 指 先に装着す る圧力が異 なると,ち が った血 管

反応 のpatternが 得 られ る(第10図)。 指 の表面か

らごくわずか離 すか,あ るいは きわめて軽 く接触 させ

た ときは,表 層の血管 の態度を記録で きる。得 られた

曲線は,脈 波はないか,ま た は きわめて小 さ く,そ

のDC動 揺 は皮 膚温 と平行す る。 さらに強 く押 しつけ

て,脈 波の振幅が最大 とな るところでは大 きい動脈血

管 の態度が見 られ る。大 きい動脈血管には 自発的収縮

力はな く,単 に内部圧力に よってそ の径が変化 し,か

つ圧の変化が極端でないか ぎ り,内 圧 と内径 はほぼ比

第9図  CdS式 プレチスモ グラフの前置 増幅回路 図

Fig. 9 Preamplifier of disc plethysmograph.

第3巻 第1号(Jan.1965) 9

Page 8: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(10) 医用電子 と生体工学

例 す る か ら,得 られたDC変 化は血圧の変動に平行}

す る。中間の圧力では主 として小動脈 の変化が見 られ

る。通常透過式 または反射式 のもので得 られ ている曲

線は これに相 当してい る。

この ように装着 圧に よってpatternに いち じるしい

差 があるので,わ た くしたちはp1と 同時 にその圧力を

も同時記録す る ような装置 を作 ってい る(第11図).

この ように装 着圧 力に よって血管 層を よ りわけてそ の

第10図 選択性プ レチスモ グラム.横 線はい きこらえを

してい るときを示す

Eig. 10 Selective plethysmogram during breath-hold-

ing. See differences of responses between dif-

ferent vessels to the same stimulus.

第11図  圧お よび容積 プ レチスモグラムの同時 記録

用の装置

Fig. 11 A newly designed disc plethysmograph equip-

ned with strain gauge to record finger pressure.

第12図  種 々の精 神状態における容積プ レチスモグ ラム.右 はその動揺周期の ヒス トグラム

Fig.12 Plethysmograms of finger at various mental states.

10 昭 和40年1月

Page 9: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

プ レ チ ス モ グ ラ フ ィ (11)

plgr.を とる方法を,選 択的容 積 脈 波 計(selective

Plethysmography)と 呼ぶ。

5・3・4 精神活動 による差異 通常 の指 先plgm

は,覚 せ い,睡眠 など高位中駆 の活動 レベルに よって大

きい変化を受け る(第12図).一 般に活動 レベルが高

いほ どDC変 化の周期は短 く,脈 波振幅は小 さい。 う

たたねの状態(drowsy)で は,一 過性 の血管縮小状態

が く りか えしてあ らわれ るよ うにな り,睡 眠が深 くな

るにつれて,発 現ひ ん度は少な くな り,深 睡眠時には

曲線は平坦にな る。脈波 の振幅は しだいに大 き くなる。

6.  電 気 抵 抗 変 化 に よる 方 法

(mercury-in-gauge plethysmograph)

容量変化に伴 う周囲径変化を電気的抵抗 の変化にか

えて測 定 しよ うとす るものであ る。容量変化 と抵抗変

化 との関係について は,Whiteney28),Eagan29)の 理

論的考察が あ り,実 際的に,機 械 的p1と 比較 して容

量変化が数%以 内では(実 際,人,ウ サ ギの耳 では数

%以 内 である),容 量変化 と 抵抗変化 はだいた い直接

関係に あることが確かめ られ てい る33)。

この方法は指 の周 囲変化 の測定に のみ役立つ のでは

ない。あ らゆる長 さの変化 の測定に用 いる ことができ

る。た とえば呼吸運動時 の胸廓,腹 囲 の 変 化,血 管

(比較的大 きい)周 囲の変化,心 臓周 囲の変化 な ど,

その用途は広 い。従来,呼 吸運動 の記録 に よく用い ら

れ たゴム管 内に飽和硫酸亜鉛 を封 入し,亜 鉛 を極 とし

た ものも用い られ ている11)。しか し,ZnSO4溶 液 の抵

抗が,内 部に 電気分解 などに よって 気泡 が 生 じて,

不安定に動揺す るために,長 時間 にわた っては使用 で

きない欠陥が ある。 これに代わ ってWhiteney28,30),

Eagan29)に よって 報告 さ れ ,たmercury-in-rubber

gaugeが よ く用 い られ る ようにな った32)。 こ れ は内

径0.35mmのLatex rubber tubeを 用途に応 じ て

適当 な長 さ,た とえば人 の指 では50mm,ウ サ ギの耳

では80mmに 切 り,内 腔を水銀でみた し,管 の両端

で銀線 を電極 として水銀 をつ ない だものである。その

全抵抗 は,人 の もので約0.5Ω,ウ サ ギのもので0.8

Ω くらいであ る。Parrish31)は,Silastic(silicone

rubber)管 を用い,こ の内径 は0.17mm,外 径0.38

rnmで,30番 のエナ メル被覆銅線 を電極 としてい る。

そ のつ な ぎ方 を第13図 に示 した。 この抵抗 は約0.4

Ω/cmで ある。

このmercurygau ge p1は,1)ゲ ージ部分が小 さ

く測定部位が周 囲環境 か ら隔絶 され ることが少ない,

2)作 製が容易 である,3)装 着が簡 単であ るな ど,機械的

p1よ りまさ っているほかに,容 積 の絶対 量を知 り う

る。 しか しそ の 反 面 水 銀 の抵 抗 の温 度 係 数 は大 き ぐ

(8.9×10-4Ω ・cm・℃-1),温 度 変 化 の影 響 を受 け や す

い 。 た だ し,こ の欠 点 は簡 単 に 補 償 で きる。 本 田32)は

ゲ ー ジ抵 抗 の0.28倍 の 抵 抗 の細 い銅 線 を ゲ ー ジ と同質

の ゴ ム管 で 被 覆 して,こ れ をimpedance matching

circuit34)の1辺 に い れ る(第14図)。 実 際 に は測 定

ゲ ー ジ の そ ば に ゆ る く巻 きつ け て お け ば よ い 。match-

ing circuitは,preamplifierで あ るcarrier ampli-

fierのinput impedanceに 対 してmercury gauge

のimpedanceが 小 さす ぎ るた め で あ る。

こ のgaugeの 周 波 数 特 性 を し らべ るに は,Parrish

の 方 法 が お も し ろい 。 低 周 波 発 振 装 置 を通 常 の ペ ソ書

き オ シ ロに つ な ぎ,vibratorを 動 か して,オ シ ロに

そ の振 動 をか か せ る と 同時 に,そ の ペ ンの基 部 に 近 く

gaugeを つ な い で,carrier amplifierを 通 じて別 に か

か せ る。 これ に よ ってsilicon rubberの も の で は1

100c/sま で 平 坦 で あ る こ とが わ か る。 また,同 時 に

位 相 差 を も知 る こ とが で きる(第15図)。

か な りよ い特 性 を有 し,と り扱 い や す い こ とは 機 械

的 の も の よ りす ぐれ て い る 。絶 対 値 を 知 り うる点 は 光

第13図  水 銀 入 りゴ ム管straingaugeの 組 立 図

Fig. 13 Construction details of mercury-in-Silastic

strain gauge.

第14図  水銀gauge用impedance適 合 回路

Fig. 1 4 Impedance-matching circuit.

第3巻 第1号(Jan.1965) 11

Page 10: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(12) 医用電子 と生体工学

(a)

(b)

電的 のものにもまさ ってい るが,巻 きつけ られ ない部

分,た とえば胴体,顔 面には使用で きぬ こと,押 しつ

ける力の加減 が制限 されてい るために,光 電的 のもの

の ようにselective plethysmographyの で きないな

どの欠点があ る。

7.  impedance法(impedance

plethysmograph)

7・1 原 理

容積 をはかろ うとす る部分の両端にそ

れ それ 電 極をおいて,そ の間のirnped-

ance変 化 か ら 容積 をはか ろ うとす るも

のである。Nyboer35,37)を 中心 として開

発 されて きた もので 組織 のcapacitance

部 分の影 響を最小に し,抵 抗部分 のみが

ひび くように175kcの 交流を通 じる こと,

皮 膚 との接 触面の抵抗変化が ひびかぬよ

うに電極 と皮膚面 との間に食塩 の りを用

い る と と も に,4極 電極法(Kelvin

bridgeを 採用 して同時にZero-adlust

をなし うるように した ものであ る。

切 口面積acm2,長 さがlcm,そ の比

抵抗がsΩ/cm2で ある溶液 の電気抵 抗をRと す る と,

R=Sl/aで あ る。 この体積 はV=laで あ らわ され る

か ら,a=V/l,よ ってR=Sl2/Vと な り,lを 一定 と

す ると,RはVに 反比例す る。 この溶液 の代 わ りに指

の一定節 を とって考 えてみ よ う。指 の ような組織は電

気的 には1つ の電解質 と考 え ることがで きるので,そ

の電気伝導度G(1/R)は,a)電 解 質の性質 とb)そ

の濃度 に よって変化す る。 もしa),b)が 一定 で,長

さの変化がほ とん どない とす ると,Gは 容積 に比例す

ることにな る。

通常電解 質のGは,直 流 ではか らな くてKohlrausch

bridgeを 用 いるが,Nyboerは さ らに高 い周波数 のも

のを用いてい る。そ の理 由はっ ぎのよ うである。

ColeとCurtisに よると,球 状 の細 胞に交流 を流 す

と きに,周 波数 が低 い ときには電流 はその周 囲を流れ

るが,周 波 数が高 くな ると細胞の内部を素通 りし,そ

れ以上は細胞の抵抗は変化 しない。nitella細 胞 およ

び イカの巨大神経線維では,こ の限界周波数 は20kc

であ り,筋 で は0.2~500kc,赤 血球 では5Mcで ある。

いいか えると,こ の周波数以上 では容量抵抗 は零 であ

る。指 に種 々の周波数 の電流 を通 じて,そ の抵抗,位 相

角,容 量抵抗 を測定す る(第16図)。 この3性 質 とも

10kc以 下では非常に高い。100~1000kcで は容量抵

抗 と位相角 は最小 になる。 この性質 か ら指は電気的に

第16図 の肩 にかいた ような等価 回路 としてあ らわ し う

る。100kc以 下ではC0とR1が 直列につなが った もの

として考 え うる。 とい うのはR1に 比 してC1は 全体

のimpdanceに ひび くほ ど 大 きくないか らである。

100kcか ら1Mcで もC1は まだ小 さ く,C0に よる

reactanceは しだいに減少 して,回路 は直列 に低 い抵抗

のはい ったもの と同様 になる。す なわち,こ の範 囲の

周波数 では指は純粋に抵抗部分だけで,reactance部

第15図  水銀gaugeの 周波数 特性曲線(a)と 周

波数位相 曲線(b)

Fig. 15 Frequency characteristic of a mercury strain

gauge (a), and relationship between phase of

gauge output and displacement as a function of frequency. The sense of the phase angle is

such that gauge out put lags displacement (b)

第16図  指の電気的性質.右 肩の図はその電気的等価回路Fig. 16 Electrophysical properties of the finger. Upper right

figure shows equivalent circuit.

12 昭 和40年1月

Page 11: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

プ レ チ ス モ グ ラ フ ィ (13)

分 はほぼ零 に等 しい と考えて よく,け っき ょくこの周

波数 でimpedanceを はかれば容積を知 ることがで き

る。 こうして細胞 の活動 に よる膜 容量 の変化を除外す

る ことがで きる。ただし,赤 血 球の膜 容量 を無視 す る

には数Mcを 要す るので,こ の周波数 では,赤 血球の

速度 ・分布 ・数 はい くらか測定 にはい りこむのはやむ

を得 ない。

Nyboerは さらに動物 の腸,血 管,ゴ ム管 に電解液

を 入れて,そ の伝導度 と容積 との関係 を実験 的に観 察

して,そ れが直線関係 にあ ることを確 かめている。

7・2 増 幅 回 路

最近 ではbridge回 路 に入れず に,直 接振 幅変調 法

が用 い られ ている(第17図)。 説 明を要 しない と思 う。

この方法 では一定のDC utputが たえず 出ている こ

とに なる。

そ こで,4電 極法(tetrapolar method)ま た は

Bango36)法 では,こ の変位 を消去 して,あ る任意 の位

置 か らの変動 分だけを とり出す ように くふ うしてある。

この方法 では,増 幅器(radio frequency amplifier,

R F Amp)の 平均入力信号は非常に小 さ く,そ れ だ

け記録 し うる容量変化 の範 囲は広 が り,か つ直線性 も

よい。第18図 は この方法 の ブロック回路 を示 した も

の である。電極adはRF変 圧器を介 して発振器 と連

結 してい る。 電極bc(こ の間 のimpedanceを 測定

す る)はB変 圧器 の2次 側 と直列 につなが り,RF Amp

の入力 と接地 の間 にはい っている。いまad問 に電流

が流れ ると,bc間 にVbcな る電位が発生す る。 この

大 きさはVadが 一定 な らばbc間 のimpedanceの

大 きさに左右 され る。 変圧器Bか らVbcと 位相が反二

対 で等 しい電位Vxyを かけ ると,Vbcを 零にす るこ

とが で きる。P1はB変 圧 器の電位を調 節す るた め の

ものであ る。あ らか じめP1を 加減 して一定任意の偏

位 においておけば,bcのimpedanceの 変化,い い

かえ ると容量変化を記録す ることがで きる。

この方 法は時間的のお くれのない こと,ま たか らだ

の どの部分にで も使用で きること,非 常に高感度 であ

ることな ど,多 くの利点が ある。ただ し,光 電的 のも

のの ように選 択的P1が で きず,常 にそ こに ある全血

液量 の比較的の変化 しか観察 し得 ない こと,抵 抗変化.

を容量変化に採算す るためには,機 械的p1と 比較 し

なければな らない ことは欠点であ る。

8.  誘 電率 の変 化 に よ る もの

(dielectroplethysmograph)

2枚 の極板に て構成 され る電気容量 の大 きさ,

であ らわ され る。 ここでCは 容量,Eは 極板 問の物質

の誘電率,π72は 極板の有効面積,4は 極板 間の距離

とす る。 極板に よって囲まれた体積 はV=πr2・6で

あ るか ら,C=EV/4d2と す るこ とが で きる。

い ま1つ の極板を指に固定 し,他 極 を指 に近 く空 間

をおいて固定 してお くと,血 液 の流入に よって極板 間

に存在 していた空気 は血液 とお きかえ られ る。空気 の

誘電率は1.0,血 液 は75.0で あ り,そ れ だけ電気容

量は増加す る。dを 一定 とすれば,こ れ か ら容量Vを

測定す ることがで きる。簑 島,永 井38)の方法 は これ に

よってい る。

両極板を共に指に固定 した場合た は,血 液 と組織 と

の誘電率はほ とんど等 しいか ら,Eの 変化 に よるCの

変化はあ らわれ ない。 この場合に は電気容量 が直列 に

加わ った形 として電気容量 の変化 が起 こる。

ただ し,Coは 弛緩時に指が最 も小 さ くな った とき,

CNは 血液がは いった とき

これ か ら,

ただし ΔCは 電気容量の変化

この値をC=EV/4d2に 入れれば脈動に よる容積変化

を知 ることがで きる。

第17図  2極 性のimpedanceプ レチスモ グラフのブロ

ック線図

Fig. 17 Electrical impedance plethysmograph, using

direct modulation of R. F. current.

第18図  4極 性 のimpedanceプ レチスモグ ラフのブ ロ

ック線図

Fig. 18 Electrical impedance plethysmograph. Im-

proved four-electrode model.

第3巻 第1号(Jan.1965) 13

Page 12: Plethysmography Kentaro TAKAGI, M. D

(14) 医用電子 と生体工学

以上の方法で心臓 の容積変化 をみ る装置 もあ り,こ

れを誘電心電計(dielectrocardiograph)と い う。

以前は電源 として直流 が用 い られ た こともあるが,

最 近は交流 が多い。容量 抵抗は20kc以 下 ではそ うと

う大 きい が,200kc以 上で は非常に小 さ くな る。20

kc以 下の ところで適当 な周波数を探せば よい方 法 が

見 つ かるかもしれない。

文 献

1) Burch, G. E.: Sensitive portable plethysmograph.

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(1952) 5) Burch, G. E.: Modern Medical Monograghs 11,

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6) 山本理平:手 指用 プ レチスモグラフにつ いて.公 衆衛

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7) 池上芳男:プ レチスモグラ フ法の比較的研究.呼 吸 と

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8) 備前亮一 ほか:指 先容積脈波におけるsealing mate-

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9) Turner, R. H.: Studies in physiology of blood vessels in man. Apparatus and methods ; sensitive

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10) Mackay, I. F. S.: Technique for determination of an index of resistanse to blood flow in larger vessels

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12) Cranley, J. J. et al. : A critique of laboratory methods in peripheral vascular disease. Surgery,

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15) 古林兆一ほ か:光 電管を使 用し近 赤外線 透過 に よ る-

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16) 宮 田尚之:大 学生 における高血圧症について,第3編,

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17) 栗本定:指 頭 部容 積脈波の定量的研究.日 循 誌, 6,

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18) 田坂定孝ほ か:四 肢末 梢皮膚温 と容 積脈波.呼 吸 と循

環,5,454-462(1957)

19) 鈴木秋津:指 尖光電脈波に 関す る生理学 的研究.医 療,

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20) 長島長節:人 体血管 の神経性調節.東 京 大 学 出 版 会

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21) 長島親男:正 常及び病態におけ る血 管運動 性に関す る

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22) 清水健太郎ほ か:光 電容積脈波.医 学 エ レク トロニク

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23) Matthes, K. and Hauss, W.: Lichtelektrische ple-thysmogramme. Klin. Wschr., 17, 1211-1213(1938)

24) Hertzman, A. B.: Photoelectric plethysmography of the skin. Medical Research, 1, 177-182

25) 長谷川換:光 電 的容積 脈波 描写装置.生 体の科学, 4,

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26) Takagi, K. and Nagasaka, T.: Blood volume changes of various kinds of vessels in the human skin recorded

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27) Kumazawa, Y., Kobayashi, M. and Takagi, K.: A plethysmographic study of the human skin under

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28) Whiteney, R. J.: The measurement of the volume changes in human limbs. J. Physiol., 121, 1-27

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30) Whiteney, R. J.: The measurement of the changes in human limbs volume by means of a mercury-in-

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33) Burger, H. C., Horeman, H. W. and Brakkee,

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34) Elsner, R. W., Eagan, C. J. and Anderson, S.

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Charles C Thomas Publisher 36) Bango, S. and Liebman, F.: Transistorized Elec-

trical Impedance Plethysmograph, In preparation. 37) Nyboer, J.: Medical Physics vol. 3 : Otto Glaser,

the Year Book Publisher, 459-47138) 簑島,永 井:医 学,生 物 とエ レク トロニクス

14 昭 和40年1月