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ふくしまフレンズUK (FF)の5年の歩み
2012年5月:赤塚久美子が、福島の吉田光子さん、ロンドンのガリーナ・ペクリッチさんの協力で個人一組の文通を開始。
2012年10月:赤塚が、ドーセット県のアビィ小学校4年生24人からの手紙を、故クリス・ライン(補助教員)さんをとお
して受け取り、磐瀬加寿子さんの紹介で、須賀川市教員の菅野文江先生に渡した。この組み合わせの文通は3年間続いた。
2013年5月:赤塚は、イギリスの渡邊真知子、ラン由香そして福島の大竹仁子ととももに、ふくしまフレンズUK(FF)を
設立し、ウェブサイトを立ち上げた。
2014年9月:FFは福島で、‘ふくしまインクルーシブダンス・プロジェクト’(5つのワークショップ)を、スライド(イン
クルーシブダンス団体)のジェマ・コルディコットの協力で実施した。
2015年3月:FFは民間非営利法人として認可された。登録番号は1160996.設立時の理事は赤塚、フォラム・ミタニ、渡
邊真知子、ラン由香、メアリー・リーブ。
2016年7月/8月:FFはパイン財団の助成を受け、福島で英語のサマースクールを実施した。
2017年3月:FFは初めてのファンドレイジング・イベント、日本祭りをエプソムで開催した。
2017年7月:FFは前年のサマースクール参加者の同級会をパイン財団の助成で実施した。
2017年12月:FFは2018年のホームステイ事業を計画し、再びパイン財団の助成を受けることができた。その準備は現在進
行中。項目2を参照ください。
ふくしまフレンズUK
Fukushima Friends UK
No. 6
Newsletter
January 2018
2017年はFFにとって、いろいろと困難の多い一年でした。それでも新しいことにチャレンジし、ボランティア
やサポーター、そして参加者の皆さんの暖かいご支援をうけて前進しています。2018年も、私たちは懸命に新たな
ステップを踏みます。理事一同、心より皆さんのあたたかいお力添えに感謝いたしま
す。ありがとうございます。
赤塚久美子
代表理事 ふくしまフレンズUK
新年おめでとうございます。
昨年10月は、私がドーセット県のアビィ小学校4年生から24通の手紙を受け取って、ちょうど5年目で、
たいへん感慨深い秋となりました。5年前は、どうやってアビィ小のペンフレンドをさがしたらいいか、なんの
めあてもないまま福島へ帰郷しましたが、それから、ほんとうにいろいろなことが、たくさんの出会いがありま
した。
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目次:
1. 優子さん、福島の文通参加学校訪問
2. 同級会と2018年ホームステイ事業
3. 新しい学校が文通参加
4. 新理事、エマ・ストーンハウスさん
5. 新しい福島在住ボランティア、フィオナ・スタ
ンプさん
6. 翻訳ボランティア、マーカス・ウイルソンさん
7. クリス・ライン賞 詩の募集
1. 優子さん、福島の文通参加学校訪問
リース・優子さんは、FFのドセット県コーディネーターです。2017年4月に全校生8人の鮫川村立青生野小学校
を訪問し、先生や皆さんにお会いし、一緒に給食もごちそうになりました。
同小は残念ながらこの春に閉校します。それだけにFFのメンバーの優子さんが、その前に訪問してご挨拶できた
ことは、意味のあることでした。
優子さんは、郡山市立安子島小学校も訪問し、3年生のみなさんや文通をお世話してくださっている宍戸明子先
生とお会いしました。おみやげは、イギリスの硬貨やお菓子、スティッカー。子供たちはペンフレンドの国から
の品物を好奇心をもって、楽しんでくれたようです。
優子さんは「どちらの学校の子どもたちも、素直で、目が輝いていて、みんなに会う機会を持てて、とてもう
れしかったです」とコメントしています。
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2. 同級会と2018年ホームステイ事業
郡山市立行徳小学校で行った2016年の英語サマース
クールの参加者が集まった同級会は、一日でしたが、楽し
く学習成果も上がった良い事業となりました。
同校の矢吹善雄校長先生、宍戸正弘先生のご協力、また
チームリーダーとして熱心にとりくんでくださったFFの
コーディネーターの黒澤俊廣先生そして、斎藤秀峰先生、
菅野文江先生、大竹仁子さん先生、みなさんのご尽力の賜
物です。また、2人の英語教育ベテランの福島在住のイギ
リス人の先生を野崎ちえ子先生が紹介してくれたこと、そ
してやはり福島在住のイギリス人で英語の先生フィオナ・
スタンプさん(項目5参照)がボランティアで参加してくれたことが、成功のカギとなりました。詳しくはウェ
ブサイトのリポートをご覧ください。
この同級会をとおして、2018年のイギリスでのホームスティ事業について、子供たちの参加希望を募ってみま
した。結果、4人の参加者(女子)が希望しました。同事業の実施については、すでに黒澤俊廣先生が子供たちの
引率に同意し、そして、イギリス北部の町のハウデン中学校の先生、シェリル・ロバーツ先生が自身の運営する
日本語クラブの生徒の家族をホームステイ先としてアレンジすることを申し出てくれていました。4人の参加者を
前提として、詳細な計画を練るのに4か月ほどかかりま
したが、12月1日、理解あるパイン財団から計画を認め
られ、助成金をいただくことができました。4人から正
式な申込を受け、すでに航空券を購入しています。ロ
バーツ先生は12月末現在、3家族からホームスティ先の
申し込みを受けています。2018年7月、福島から4人の
子どもたち(13-14才)が渡英し、1週間、日本語ク
ラブの同年代の子どもたちの家族と過ごし、一緒に博物
館や名所を訪ね、イギリスの自然に親しみ、言語や文化
を学びあうことになります。この出会いが長くつづく豊
かな交流の始まりとなればと願います。
3. 新しい学校が文通参加
良いニュースです。新たに2組の文通が始まりました。FFの新しい福島在住のボランティア、文通コーディネー
ター、フィオナ・スタンプさん(項目5参照)が、FFの文通事業を福島市立北信中学校に紹介してくれました。同
校の相手はイギリス北部のハウデン中学校です。参加者は両方合わせて24名ほど。日英どちらの国でも、参加者
を募るのはなかなか困難ですが、フィオナさんは独自のネットワークで、もう一組、文通を始める手続きをして
いる最中です。また新しい理事のエマ・ストーンハウスさん(項目4参照)も、FFの文通事業に関心を持っている
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ウエールズの先生とコンタクトをとりました。次のニュースレターで進展
を報告します。
さらに4年ほど文通に参加しているミンスタージュニア7小学校と行徳
小学校も交流をこの12月再開しました。まずは、ミンスタージュニア小
学校4年生の子どもたちの26通の自己紹介つきクリスマスカードを福島へ
送りました。担任のムーン先生は「子供たちはとても興奮してお返事を楽
しみにしています」とにこやかに話しています。
4. 新理事、エマ・ストーンハウスさん
私はふくしまフレンズUK(FF)に関って、4年になります。はじめは、ペンフレンドの手紙やFFのニュースレ
ターの翻訳を手伝うボランティアをしていました。そして2017年の7月には理事になり、書記の役割を引き受け
ました。
ここ20年ほど、私は日本のことがなんでも大好きです。大
学で、日本語を勉強し、日本に2回住んだことがあります。
一度は横浜市に交換留学生として、もう一度は広島県の国際
関係課にコーディネーターとしてして雇用されて滞在しまし
た。日本語を勉強するという決断は、私が人生の中でした最
高の選択の一つでした。そのおかげでキャリアを築き、すて
きな友人たちを得ました。
過去4年、FFがチャリティ団体として成長していくのを見
守るのは、すばらしいことでした。とくに、FFのホームス
ティ事業計画が2018年に実現しつつあることを、とてもう
れしく思っています。というのも、私自身が、まさに文通と
ホームスティに影響を受けているからです。私の日本への関
心は、25年前、我が家が日本からの留学生を受け入れたこと
に始まっているのです。この事業をとおして子どもたちが、長く続く友情を築き、言語学習を継続していくこと
を望んでいます。
私は、今、イスタンブールに住んでいます。フルタイムの仕事を一時退いて、フリーランスの翻訳の仕事を
時々しながら、2人の幼い子の育児に励んでいます。 トルコ語はまだ習得できていませんが、文法上は日本語と
似ているとそうですので、2018年には勉強してみるかもしれません。おいしい寿司を探しながら!
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新しい福島在住ボランティア、フィオナ・スタンプさん
私がふくしまフレンズUK(FF)に関ることになったきっかけは、両
親がジャパンフェスティバルを訪ねたことでした。両親が福島在住の私
の連絡先をFFに渡したのです。連絡を受けて、私は喜んで活動に参加
しました。私は福島の複数の学校で働いています。ですから、いくつか
ある大きな中学校のうちの一校と文通のアレンジをして、お世話をする
のは、うれしいことでした。生徒たちは、イギリスの同世代の子どもた
ちと友達になれることを、とても喜んでいます。
2017年夏には、FFのサマースクールの同級会も手伝いました。勉強
熱心な子供たちに英語を教えるのは、とても楽しかったです。みんなた
いへん興味をもって、イギリスの文化を学んでいました。とくにクリ
ケットは楽しかったようです!
2017年10月には、私がFFのインスタグラムのアカウントを開設しました。同アカウントはFFのイベントなどの
写真と福島県でとった写真のミックスです。つまり、チャリティの活動と、美しく素敵な福島の紹介になっていま
す。現在100人以上のフォロワーがいます。もっと増え続けるといいなと願ってます。
https://www.instagram.com/fukushima_friends_uk/
6. 翻訳ボランティア、マーカス・ウイルソンさん
私はふくしまフレンズUK(FF)の翻訳ボランティアになって一
年になるところです。2016年の秋にロンドンで参加した言語学
習のイベントで、ある人からFFに紹介されました。今はマンチェス
ターに住んでいますが、リーズ大学、それに福岡大学で、日本語を
勉強しました。
子どもたちの手紙を訳すことは楽しくかつチャレンジングです。
彼らが手紙に書く内容はとてもおもしろい。それに両国の子どもに
ある共通点をみつけるのも非常に興味深いことです。こうして日英
の文化的交流を助ける機会を持てることはありがたいことだと感じ
ています。
私が小学生だった頃、イギリスの別な地方、それから外国にペンフレンドがいましたが、とても嬉しかったのを
覚えています。文通は自分の暮らすところから遠いところで人々がどんなふうに過ごしているのかを知るための素
敵な方法です。それは、疑いなく、お互いの国とその文化への関心を高めることになるでしょう。
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7. クリス・ライン賞 詩の募集
2017年7月、まったく予期せぬ悲しいことでしたが、クリス・ラインさん(68才)急逝の知らせを受けました。
冒頭の「FFの5年の歩み」の中にあるように、ラインさんのお力なしでは、FFは今のような団体になることはな
かったと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。
ラインさんの貢献を忘れないように、FFに参加しているペンフレンドを主として対象に、詩作品コンテストを実
施し、この行事を「クリス・ライン・ポエトリー・コンペティション」とよぶことにしました。募集するテーマは
「友だち」または「手紙」です。ラインさんの奥様のアリソン・ストラングさんは、このことについて「家族はみ
な名誉に思い喜んでいます。賞品を寄付したいと思います」と話されました。ご家族の寛大なお気持ちに感謝しま
す。私たちはいつまでもラインさんを忘れません。ラインさん、あなたのおかげで、福島とイギリスの何百人もの
子どもたちが、海を越えた遠くからの手紙をとっても楽しんで読みました!ありがとう!
終わりに
今回ご紹介した、私たちの活動の進展の様子、そして活動メンバーの自己紹介の
内容、楽しんでいただけたでしょうか。FFはありがたいことに、才能のある心の優
しい協力者に恵まれています。今は、さらにファンドレイジング・ボランティアに
興味のある方を求めています。なにか良いアイディアのある方もどうぞご連絡くだ
さい。私たちの活動に関心をもってくださり、ニュースレターの最後まで読んでく
ださりありがとうございました。
www.fukushimfriends.org.uk
Registered Charity Number:1160996
Illustrations by Makiko Yaginuma
Calligraphy by Chisato Hashizume
Translation by Kumiko Akatuska
東日本大震災後の福島の置かれた状況の中で、FFの活動は福島の子どもたちが、自分独自の考えを持ち、そして
世界中の他の子どもたちと同じように、楽しく遊びたいのだということを、世界に忘れられないようにするうえで
も重要です。
私はこの活動をとおして日英交流を築くことの一環に参加させていただけることについて、赤塚久美子さんと同
団体のみなさんに心から感謝します。そして私のささやかな努力が、子どもたちが生涯続くような友人をつくるこ
とにつながればと願っています。