ndustry trend · 2020. 7. 30. ·...
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ローパワーIoTアプリケーションに適したプロセッサ構成What's New in DesignWare IP?
前ページより続く
密結合メモリーの使用
まとめ
DMA
ソフトウェア・アルゴリズムのアクセラレーション
詳細情報● ウェブページ:DesignWare ARC EMプロセッサ・ファミリー http://www.synopsys.com/JP2/IP/ProcessorIP/ARCProcessors/ARCEM/Pages/arc-em-processor-family.aspx
スループットとなります(図2)。
さらに高スループットが必要なDSPアプリケーションをサポートするには、XYメモリー・システムを追加します。一般に、XYメモリー・ベースのシステムは複数のメモリー・バンクとポインタ / 更新レジスタを備えた自動アドレス生成ユニット(AGU)で構成されます。AGUは命令パイプラインに組み込まれており、1命令で3回のデータ移動、1回のMAC演算、3回のアドレス・ポインタ更新を実行できます。アドレス・ポインタの更新モードは複数サポートできます。このようなXYメモリー・ベースのシステム・アーキテクチャを使用すると、1サイクル当たり1 MAC命令の実効スループットが得られ、性能が大幅に向上します(図3)。XYメモリー・システムではロード命令とインクリメント命令を別々に実行する必要がないため、コード・サイズも縮小されます。
スループットの向上とコード・サイズの縮小以外にも、見落としがちな利点として消費エネルギーの削減があります。図4に示すように、XYメモリーを使用したEM9DではDSP関数のエネルギー効率が大幅に向上しています。これは、同じ関数を少ないクロック・サイクルで実行できるためで、特にRISC + DSPアーキテクチャに最適化してRISCとDSPに同時にアクセスできるようにすると非常に大きな効果が得られます。
IoTアプリケーションの高性能化と高機能化に伴い、近年では8ビット・マイクロコントローラを用いた密結合型組込みシステムから32ビット・プロセッサを用いたバス・ベースの組込みシステムへの移行が進む傾向にあります。しかしこれはシステムレベルでの消費電力と面積を増大させる両刃の剣でもあり、IoT製品が広く普及していく上で欠かせない小型化と低価格化の条件には反しています。32ビット組込みプロセッサ・システムで密結合メモリーを利用するとバス・インフラストラクチャの非効率性が解消され、こ
れらのシステム目標をすべて同時に達成できます。プロセッサからメモリーとペリフェラル・レジスタに直接アクセスできるようになることでレイテンシと必要なクロック周波数が低減されるため、同じ機能をより少ないエネルギーで実行できます。
図5は、バス・ベースのプロセッサ・サブシステムと密結合システムでそれぞれセンサー・データを処理した場合を比較し、後者でどれだけの消費エネルギーを削減できるかを例として示したものです。バス・ベースのシステムではプロセッサ・コアからペリフェラル・レジスタへのアクセスに4サイクル以上かかるのに対し、密結合システムは補助レジスタに1サイクルでアクセスできます。
プロセッサ・システムの消費電力を削減するもう1つの手段として、DMA(Direct Memory Access)の使用があります。DMAは、CPUを介さずにペリフェラル間でデータを転送する機能です。システムの面積を抑えるには、プロセッサとアプリケーションに合わせてDMAを高度に最適化する必要があります。DMAとマルチバンク・メモリーを組み合わせると、プロセッサのパイプラインに影響を与えることなく内部DMAがXYメモリーに対してデータを入出力できるため、さらにエネルギー削減効果が高まります。
シノプシスのARC EMプロセッサ・ファミリーにオプションとして提供されるµDMAは、IoTアプリケーションでの利用を想定して設計されており、この種の組込みシステムで必要とされる機能のみを採用しています。µDMAコントローラを使用すると、EMコアをスリープにしたままµDMAがペリフェラルからメモリー、またはメモリーからメモリーへデータを移動できます。このため、コアをスリープから復帰させる必要が少なくなり、動作時の消費電力が削減されます。スリープ・モードは複数あり、消費電力が最小となるようにカスタマイズが可能です。
前述のとおり、IoTアプリケーションに対する要求は拡大の一途をたどっています。中でも特に重要なのがセキュリティです。しかしシステムの消費電力と面積はすでに余裕がなく、複雑なセキュリティ・アルゴリズムを追加するのは容易ではありません。同じ機能を少ないクロック・サイクルで実行できるプロセッサなら、セキュリティ・アルゴリズムの実行を高速化すると同時に消費電力も削減できます。これはセキュリティ・アルゴリズムに限らず、システムで頻繁に実行する一般的な機能すべてに当てはまります。利用頻度の多い機能ほど、実行効率の向上によってより多くの消費電力が削減されます。
ARC EMプロセッサ・ファミリーのARCプロセッサ・エクステンション(APEX)テクノロジを利用すると、暗号ソフトウェア・アルゴリズムなどの一般的な機能や特定用途向けコードで使用する拡張命令を簡単かつ自動的に設計、検証できます。これにより、頻繁に利用するアルゴリズムを少ないサイクル数とメモリーで実行でき、消費エネルギーを抑えることができます。
IoTアプリケーション向けSoCの設計では、高機能化に対する要求に応えるために消費エネルギーとパフォーマンスのトレードオフに悩まされることがしばしばです。しかしアーキテクチャを正しく選択すれば、エネルギー効率を犠牲にせず必要なパフォーマンスを実現できます。柔軟な構成が可能かどうかは、プロセッサ・アーキテクチャを選ぶ上で特に重要な指標となります。また、アプリケーションの進化に対応できるスケーラビリティも重視されます。
ARC EMプロセッサ・ファミリーは柔軟な構成によって性能と消費電力の最適なバランスを見つけることができる上、将来の製品開発計画にも余裕で対応できるスケーラビリティとオプションを備えています。APEXテクノロジでプロセッサをカスタマイズすることもできるため、競争の激しいIoT市場で製品の差別化を図る上でも有利です。
図2. RISC + DSPアーキテクチャにおけるDSP MAC演算
図3. XYメモリーを使用したRISC + DSPアーキテクチャにおけるDSP MAC演算
メモリー LD /ST RF データパス
(制御 & DSP)1/3 MAC/サイクル
LD, LD, MAC, LD, LD, MAC
XYメモリー
LD /ST RF データパス
(制御 & DSP)1 MAC/サイクル
XYMAC, XYMACAGU 図5. 密結合システムでセンサー・データを処理した場合のエネルギー削減効果
1009080706050403020100
バス・ベースを
100%とした場合の相対値
(%) サイクル数
1/4.2に減少
エネルギー
1/2.1に減少 バス・ベース
密結合
図6. APEXアクセラレータにより、センサー・アプリケーション・ソフトウェアの実行に必要なエネルギーとサイクル数が減少
総消費エネルギー
(nJ)
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0APEXなし APEXあり
サイクル数
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
エネルギーが
1/9.6に減少
サイクル数が
1/10に減少
エネルギー サイクル数
ソフトウェア・アプリケーションのセキュリティ・テストに関する最新動向
詳細情報● ウェブページ:Forrester TechRadar™: Application Security Q2 2015 http://go.coverity.com/register-for-forrester-techradar-report.html● ウェブページ:Garter Magic Quadrant for Application Security Testing http://go.coverity.com/register-for-gartner-mq-report.html* Gartner ‶Magic Quadrant for Application Security Testing" by Neil MacDonald, Joseph Feiman. August 6, 2015.
免責条項:Gartner社は、同社のリサーチ発行物に掲載された特定のベンダ、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティングまたはその他の評価を得たベンダのみを選択するようテクノロジ・ユーザーに助言するものでもありません。Gartner社のリサーチ発行物は同社の見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartner社は、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の保証を行うものではありません。
現在のソフトウェア開発はスケジュールが厳しさを増しており、その一方でこれまで以上に複雑かつ高機能なコードを作成することが求められています。しかも、これらのソフトウェア・プロジェクトでは例外なくセキュリティが重要な要素となりつつあります。ところが現在のソフトウェア開発に目を向けると、その多くは品質保証(QA)とセキュリティ・テストという重要な工程をコード完成後に実施しており、まったくテストされていないコードがQAチームにハンドオフされています。こうしたアプローチでは、ただでさえ厳しいプロジェクトのスケジュールに多くの不確定要素を抱え込むことになります。
Forrester Research社は先ごろ、アプリケーション・セキュリティ・テスト(AST)分野の最も重要な10のテクノロジを評価し、その結果を最新のTechRadarレポートとして発表しました。これらのテクノロジを利用すると、ソフトウェア・チームはアプリケーションに潜むセキュリティ問題を検出してそのリスクを緩和できます。シノプシスはソフトウェア品質 / セキュリティ・ソリューションを提供しているCoverity社とCodenomicon社、そしてQuotium Technologies社のセキュリティ製品Seekerの買収を通じて静的ソースコード解析、ソフトウェア組成解析、ファズ・テスト、インタラクティブ・アプリケーション・セキュリティ・テスト(IAST)など先進のツール群の拡充を続けており、セキュアなソフトウェア開発を支援しています。
アプリケーション・セキュリティ・テストの 「マジック・クアドラント」Gartner社は大手ASTベンダをビジョンの完全性と実行能力に基づいて評価し、2015年8月にそのAST市場調査結果を「マジック・クアドラント」として発表しました。この中でVisionaryに位置付けられたのは、シノプシスを含む2社のみでした。
シノプシスのソフトウェア・インテグリティ・グループ、ジェネラル・マネージャ兼上級副社長のAndreas Kuehlmannは次のように述べています。
「Gartner社のマジック・クアドラントでVisionaryと認定されたことを光栄に思います。当社がソフトウェア・セキュリティの分野に参入したのは比較的最近ですが、戦略的買収によって革新的なテクノロジと有能な人材を獲得し、短期間で体系的な製品ラインナップを整えてきました。Gartner社がSeekerを高く評価したことは、ソフトウェア開発サイクルにシームレスに統合する強力かつ効率的な「サインオフ」プロセスによってソフトウェアの品質とセキュリティを改善しようというシノプシスのビジョンの正しさを裏付けたものと意を強くしています。SeekerのIAST機能はシノプシスが提供する他のアプリケーション・セキュリティ・テスト技術を補完し、ラインナップ全体に大きな価値を付加しています」
Challengers Leaders
Ability to Execute
Completeness of Vision出典:Gartner社(2015年8月)
2015年8月現在
Niche Players Visionaries
QualysCheckmarx
PortSwiggerCigital Trustwave
AcunetixRapid7 (NTO)N-StalkerAppthority
SiteLock
Virtual ForgeNSFOCUS Pradeo
Veracode HPIBM
WhiteHat Security
Synopsys
Contrast Security
Support Q
&A
検証
編S
upport Q&
Aフ
ィジ
カル
編S
upport Q&
A論
理合
成編
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ニュ
ース
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図4. DSP処理量の割合による消費エネルギーをXYメモリーありとなしで比較
EM5DEM9DARC610DARC610D + XY
*サンプル・アプリケーション
MP3デコード*音声検出*
XYメモリーありとなしの場合の消費エネルギー160
140
120
100
80
60
40
20
0100% RISC 75% / 25% 50% / 50% 25% / 15% 100% DSP
新年
のご
挨拶