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Instructions for use Title 農協連合組織の機能と構造 Author(s) 山田, 定市 Citation 北海道大学農經論叢, 30, 73-97 Issue Date 1974-02 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10897 Type bulletin (article) File Information 30_p73-97.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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Title 農協連合組織の機能と構造

Author(s) 山田, 定市

Citation 北海道大学農經論叢, 30, 73-97

Issue Date 1974-02

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10897

Type bulletin (article)

File Information 30_p73-97.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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農協連合組織の機能と構造

山 田 定 市

目次

I 議題の設定……・……・……・...…・………・‘・ -…・…...…-…73

E 農村市場の段階的分化と農協連合組織...……・……・・…………列

車 連合組織の機能・構造 kの特質……………...………・……・79

1. 連合組織の機能の特質

2. 連合組織の組織との特質

W 連合組織の現段階的性格……・……・……・".…-…・.......…...…82

1. 連合組織の機能動向

2. 連合組織をめぐる組織動向

3. 組織・機能上の連関

I 課題の設定

農協が戦時(および戦後の一時期〉の経済統制機関であった農業会に代って

全国一斉に発足してから25年を経過した。この間,農協に関する理論や実態分

析は数多く発表されてきたが,それらのなかで,農協の連合組織(都道府県段

階および全国段階〉ならびにこれを含む農協系統組織について関説したものは

きわめて少なし、。もちろん,農協の本質が系統組織のなかでその段階を異にす

ることによって基本的に変わるわけで、はないが,現実の農協の機能や構造の具

{f.:的な分析にあたって,連合組織の分析が不可欠となっていることは否定でき

ない。また,実際にもいわゆる「系統三段階」が何かと議論の対象になってい

ることからみても,連合組織についての恩論的解明が強く求められている O

このような観点から,小論では,まず,農協連合組織が農協の組織的・機能

IY'I展開のなかで必然化する論.ITI!(I<J筋道を明かにするニとを第 1の課題とした

L 、。次に,第 2の課題として,そのようにして明らかにされた農協連合組織の

機能と構造の特質を,農協の来4:的性格との関連において解明するとともに,

- 73 一一

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北海道大学農経論叢第 30tた

とくに単位農協との対比・関連に:おいて,その特質についてより具体的に掘り

下げてみたい。そして,第 3の課題として,以上のようにして明らかにされた

農協連合組織の性絡をぷ礎にして,その現実的な展開過程を,現段附のわが同

の農協連合会を対象にして実証的に検討してみたいと思う。

以上, 3点にわたる課題は,いす'h,もこれまでの農協論のなかで十分に解明

し尽されてはし、なかったと思うのであるが,しかし,小論が,みずから設定し

た課題について十分な掘り下げを行なったとはし、し、切れない。その意味で‘あく

までも試論の域を出ないものである。

E 農村市場の段階的分化と農協連合組織

農協がその歴史的発展過程で,連合組織というきわめて具体性のある組織形

態をとるのが何故であり,また,歴史のどの段階においてであるか,というこ

とについては,これまで十分な解明がなかったといってよL、。しかも,その組

織化の契機がもっばら内在的に求められていたのが特徴的で、あった。しかし,

これだけで、はいうまでもなく不十分である。その不十分さを補うためにつけ加

えられなければならないのは,商業資本の機能と形態の歴史的変化のなかに農

協を位置づけ,そのなかにおける農協の機能・組織上の変化との関連で,連合

組織の成立・展開の必然性とその本質を明らかにする,という分析視角であ

る。

小商,',Mt産を本質とする小農民~{(J生産ーが,商品生産として低次の段階にある

ときは,そのようなおくれた農業金二産に立脚して,前近代的商人が農産物市場

および農村市場(農家購買市場)の主な担い手となり,高利貸付資本的機能と

結合して,不等価交換による農民収奪が行われる。つまり,小商品生ilfのもと

においては,商業資本を生産者から分離するほどに市場の展開がみられず,ま

た,商業資本の 1'1なを可能にする前提としての利潤範障が未確立であるため

に,そこにおける流通は,生産と未分化で叶三陸者の生産する価値に食い込んで

成立ちうる商業資本によってのみ可能となる。前期的商人はまさにそのような

条件を備えた商業資本の歴史的・具体的一形態である。

しかし,やがて小農民的生産が商品生産として発展をとげ,主産地を形成す

るほどに進展すると,農産物市場で、は販売組合が,また,農村〈購買1日〉市場

では購買机令が,そして,令融問iでは信用組1yがそれぞれ成 Ilして,前近代的

-74 -

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農協連合組織の機能と構造

商業資本と対抗してしだいにその機能領域を拡大し,その発展の程度に照応し

て前近代的価値収奪を排除する。この場合,前近代的商人にかわって農村協同

組合が成立・展開しうる基礎は利か,それは利潤範酵の確立を前提とする近代

的産業資本の存立基盤とどのように異るかが問われよう。その筋道はこうであ

る。実は前近代的商人に対抗して成立する農村協同組合もそれが生産と流通の

未分化な段階で存立し生産構造と密着しているという点では前期的商業資本共

通しているのであって,異るのは前近代的商人が農民収奪を行なうのに対し,

農村協同組合はこれに対抗してその収奪を排除することにあり,生産と流通が

未分化とはし、ぇ,主産地形成を可能とする商品化の段階に照応しているという

点である。このように生産と流通とが未分化であり,したがって生産構造との

組織的密着を基礎とする農村協同組合は,そのような特質によって組織的矛

盾,さらに組織と機能の相互矛盾を内包することになる。

農村協同組合が存立し機能するところの農業にかかわる流通過程は,市場領

域の拡大・深化にともなって,しだし、に機能上の分化をとげ,それに照応して

段階的にも分化する。商業資本一般にみられる機能・機構上の分化は,卸売商

業資本と小売商業資本との分化,さらに詳しくいえば,卸売商業資本の収集,

仲縦,分散への分化をその内容として含んでいる。この場合,商品流通一般〔そ

の支配的部分はいうまでもなく資本制的工業製品によって占められている)に

は,いず

はじめとして小良農.的商品生産にt務深1架?れL、カか込治かミわりをもつ市場領域におお、いては,異っ

た様相を呈する。すなわち,一般に農業にかかわりをもっ市場領域において,

1'1ーケーした近代的商業資本が成り立ちにくいということは,とくに農産物市場に

ついては収集卸売商業資本が,また,購買品市場については小農とじかに接触

する小売商業資本について当てはまることである。また,条件は異るけれど

も,貸付資本(利子公ニみ資本〉も近代的貸付資本として存立することじたい,

段業における利潤範時の未確方ーのもとではきわめて困難である。これらの市場

条件のもとでは,農産物の収集〈集荷)機能や購賞品の小売機能が依然として

近代的商業人によって担われることになる。また,小農に対する貸付も前近代

的搾取・収奪を基礎とする高利貸付資本の形態をとることになる。

1 )詳しくは拙著『現代の農協用論jJ1973年,C}.協労連,を参照されたい。2)森下不三也『商業経済論』参照。

- 75←

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北海道大学農経論叢第 30集

しかし,このような前近代的商人や高利貸付資本も小農とじかに接触しない

流通段階では,その存立条件を異にする。すなわち,農定物市場におけるイ中継

・分散過程の卸売商業資本や小売商業資木,さらに農村購買品市場における仲

継・分散の各過程の卸売業資本,などに関しては,近代的商業資本の存立は,

小農とじかに接触している段階におけるほど困難ではない。同じことは,条件

が異るとはし、え農村金融についてもいえることである O つまり,前近代的商業

資本や高利貸付資本が,それぞれ,近代的商業資本や近代的貸付資本と取引を

結び,商品流通を貫徹することが可能である。以上は,まだ,農村協同組合ーが

存立する以前を想定してのべたのであるが,前近代的商人や高利貸資本に対抗

して登場する農村協同組合-について,上記の論述に当てはめるならば,前近代

的商人や高利貸付資本に農村協同組合(具体的には主として販売組合,購買組

合,信用組合)をほぼ代位して考えることができる。したがって,農村協同組

合がそれぞれの市場領域において近代的商業資本や近代的貸付資本と取引を結

ぶことが可能である。というよりは,これらの資本と取引を結ぶことなしに

は,協同組合は,みずからの流通機能を完うすることはできない。とくに,農

産物に関しては,農村協同組令が分散卸売商業資本ならびに小売商業資本の機

能を全面的に担うことはほとんど不可能に近いことであり,その意味において

は農村協同組合のみでは農産物の商品流通を完結することができないのであ

る。しかし,農村協同組合・によって商業資本との売りつなぎないし買いつなぎ

が矛聞なく進行するわけ、で‘はない。生産から完全に自立した商業資本は,それ

がH立した資本であるがゆえに農村協同組合にとってはきわめて不安定な取引

対象であって,恒常的な取引が可能であるとはかぎらなL、。逆に,農村協同組

合ーが商業資本に恒常的な取引を求めたとしても,それは商業資本の自立性をそ

こねることになるから基本的には受け入れられない。

そこで,このような矛盾を緩和するために,基本的には同じ組織形態によっ

ている商業機関に取引をつなぐことになる。農協連合組織(連合4会〉がこのよう

な要請を担って登場することになる。このことからも明らかなように,連令組

織は単位農協の補完組織であってその逆の関係では決してない。信用事業の場

合もほぼ同じ論坪ーにもとづいているとみることができるが,農業金融ないし農

村金融の独rl性を加味するならば次のようにいうことができょう。農業生産の

支配的形態が小農民的経何である場合町には,いうまでもなく農業金融は,これ

一76-

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農協連合組織の機能と構造

ら小農民的経営ががんらい利子負担能力に欠けるにもかかわらず,何らかの金

融措置が講じられなし、かぎり,その再生産が継続できない,ということに由来

している O しかも,農産物商品化における場合と異り,商品生産としての成熟

をとげる前に,というよりは,むしろ商品生産をはじめるに先だって営農(お

よび生活)資金を必要とするので,このことを小農民的経営の自力によって独

自に解決することはきわめてむずかしし、。高利貸付資本もこのような農民の弱

みにたちいって吸着し,価値収奪をはかるわけであるが,これに代位する信用

組合の存立条件はし、かにして確保されるのであろうか。つまり,利子負担能力

を基本的にもたなL、小農民が信用組合を通して,いかにして信用授受が可能と

なるか,という問題である。信用組合の運営上のたてまえは,その出発点にお

いて相互金融である。したがって,それが成り立つ前提は,信用組合-の構成員

相互間における資金需要ならびに資金保有をめぐる時間的差異である。このよ

うな条件は,一般には,経済的諸条件が類似した同一業種・職業のなかで確保

することは困難であるといわなければならなし、。つまり,当面のわれわれの課

題にそくして考えるならば,経営条件の類似した小農民が同一地域で、信用組合

を成立させ,これを継続・発展させることには多くの困難と障害がともなう。

小農民の組織する信用組合・がその相互金融のたてまえを貫こうとするかぎり,

その構成員の範聞を農民以外の諸階層に依存することはある程度避けられない

傾向である。逆に,信用組合の構成範囲を小農民にかぎる場合には,資金の外

部からの補填とそれを可能とするような何らかの機構上の補完が必要となる。

しかし,これを近代的貸付資本,したがってその発展形態である市中銀行に求

めることはきわめて困難なことといわなければならない O こうした観点からみ

た場合,制度金融はそのひとつの手段であるとみることができる。つまり,制

度金融は,それじたい金融の一般的原理を無視しではなり立ちえないけれど

も,逆に,厳密に貸付資本として機能するわけではなく,組合金融を補完しつ

つ,その存立条件を補う役割を果しうるわけである。もちろん,制度金融が組

合金融とかかわりなし独立の金融機構をもって機能することも想定しうるわ

けであるが,それは金融の効率的運用からみてもかならずしも効果的とはし、え

ず,むしろ,制度金融じたい,組合金融(したがって信用組合つに依拠して,全

体として農業・農村金融を成り立たせた方が政策上もより効果的である。この

ように,組合金融と制度金融は相互補完(1"1な関係に立ち,このことが信用組合

77 -

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北海道大学農経論叢第 30~長

の重姿な存立条件のひとつとなるわけであるが,この場合, 1¥iI1皮金融は一定の

政策目標をもった融資であるから,単なる相互補完関係ではなく,組合・金融に

対して制度余融による方向づけないし規制が強く作用することになる。このよ

うに,農村信用組合ーが制度金融とのかかわりのなかでその存立条件を見出すと

いうことは, ,農村信用組合のひとつの存立形態て‘あってそのすべてではないけ

れども,小農民が支配的であるかぎり主要な側附であることはたしかである。

このような農村信則組合の存立条件のもとで,単位信用組合-がL、きなり制度

金融機構と結びつくのではなく,可能なかぎり独!と!の相互金融を追求するなか

で,さらには,制度金融機構に結びつきやすくするうえで,信用組合の連合組

織が単位信用組合の補完組織として重要な役割を果すことになる。この結果,

信用組合の連令組織は,ちょうど組合金融と制度金融の結節点に位置し, ま

た,それにふさわしい役割を求められることになる。しかも,このようにして

いったん連合組織が成立すると,それじたい近代的貸付資本との結合,さらに

はそれに類似した機能への接近が起りうる O とくに,資金吸収の側面iでは,連

合組織ばかりでなく単位信用組合・もふくめてそれらが一体となって金融機関と

しての自立化を強く求めるばかりでなく,農村において主として小農民から吸

収した資金を市中銀行に結ひ、つけることによって,一般金融市場と探く結びつ

こうとする。農業・;農村におけるいわゆる「すれちがし、金融」は,このように

一般金融市場との結びつきが強まるなかで,いっそう顕著-となる。さらに,他

方では組合金融が制度金融との結びつきをいっそう強めるなかで,逆に,組合

金融が制度金融の補完物となり,その方向に沿って再編成されるという :'}l:態も

生ずるのである。

以上,農村において小農民を主な構成員とする販買組合,購買組合,信用組

合のそれぞれについて,連合組織の成立の基礎条件をさぐってきたのである

が,これらをそれぞれの市場領域に位置づけーて図示すると図 1~3 のようなる

であろう。

このように,農協の組織的発展の形態として特徴づけられる連合・組織は,歴

史的にはおおむね独占資本主義段階で広範な進展をとげる条件が与えられるの

であるが,農民的商品生産の進展は,それぞれの同の資本主義の歴史的発展過

程によって条件づけられるので,農協迎行組織の機能や榊造についても,これ

を一様に規定することはできないのである。

- 78--

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〈凶1>急建物の流通

農協連合組織の機能と構造

4図2)i高実品の流通

卸脅商業

く図 3)農業金融の横構

近代的貸付資本(銀行資本

nr 連合組織の機能・構造上の特質

1. 連合組織の機能の特質

農協連合組織が,基本i'fJにほ農協の補完組織であり,さらにその成立・展開

が商業資本の機能・機構上の分化にほぼ照応しているということから,おおむ

ね次のような特徴をひき出すことができる。

第 1に,単位農協と連合・組織との結びつきは,小差是的商品生産と単位農協と

の結びつきほど強いものではなく,このことは,逆に資本主義体制J(総資本〉

の側からみた場合・にもほぼあてはまることである。商業的農業の一定の発展段

附で,農民が農協の成立を求めるのは,農村にあっては農民に吸着して搾取・

収奪をつづける前近代的商業資本や高利貸付資本を排除しうるところの商業機

関の具体的形態として,設協がもっとも適合しているからであるが,連合組織

についてはかならずしも同じようにみることができなL、。 たしかに農協は,ドi

らの収集(ないし購買組合の場合には小売)機能を仲科まないし分散)卸売商業

79 ---

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北海道大学農総論議第 30集

資本に売りつなぐことなしには,商品流通機能を完うすることができず,そこ

に連合組織が代位しうるけれども,それは連合組織以外にありえないというこ

とではなく,一般の卸売商業資本につなぐよりは,連合組織につないだ方がL、く

らかでも矛盾が緩和されるという意味で,連合組織がえらばれるにすぎない。

したがって,第2vこ,農民と農協との機能上の結びつきが連合組織の成立,

展開によっていっそう強化され,機能的に補完される,とし、う保証が連合組織

の積極的な存立理由になるのである。このような保証は,農民の農協に対する

要求が,単位農協から連合組織にまで貫徹してはじめて実現することであり,

また,このような保証の実現が連合組織とほぼ同レベルの機能を果す他の卸売

商業資本に対する農協連合組織の独自性でなければならない。この点が十分に

発揮されないのであれば,単位農協にとって,連合組織が補完組織としてもつ

積極的意義も著じるしくうすれ,他の卸売商業資本と結びつきを利用する場合

とそれほど差異がなくなってしまう。

第 3に他方では,連合組織に求められる機能が近代的卸売商業資本のそれと

ほぼ同レベルで、あるということから,その存立のための競争条件が単位農協に

比較していっそう厳しいものがあり,それだけに連合組織は,商業機関として

の自立化を強く志向しがちになる。いうまでもなく,このような方向は,農協

が連合組織に求めている方向とは逆行する。このことは,連合組織がもともと

機能的に矛盾を内包しており,その展開の過程でこれらの矛盾がし、っそう激化

することを意味するのであるが,このことは,次にのベる連合組織の組織的特

質と関連づけて考察することによりいっそう浮きぼりにされる。

2. 連合組織の組織上の特質

連合組織の組織的特質は,それが文字通り単位農協を構成主体としていて,

農民が直接加入する組織ではなく,その意味ではいわば二次的組融て、あるとい

うことに根ざしている O この点を図 4をもとにしていますこし掘り下げてみよ

う。まず,第 Hこ連合組織が第 2次的組織であるということは,それが単に農

民の直接加入する組織でないというだけで結論づけているわけではなし、。この

点だけでいえば,たとえば労働組合や農民組合やその他の民主的組織に一般的

にみられるように,代議制による間接的加入の連合組織形態をとっていること

とかわりがない。そして,後者の場合,組織内における民主主義が代議制によ

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農協連合組織の機能と構造

っていささかもそこなわれないという意味では二次的組織としてとりたてて諭

ずる必要はないであろう。農協連合組織の場合にとくにこの点が問題になるの

は,連合組織の構成主体である単位農協じたいが,民主的共同組織と経営体と

いう二面的性格を合わせもっており,このことが連合組織の組織的特質に大き

な影響を与えるからにほかならない。図 4にそくしてみるならば,連合組織も

また単位農協と同じように民主的共同組織であり,そのかぎりにおいて民主主

義的運営原則にもとづいて運営されることになるわけである。しかし,この場

合,連合組織の民主的共同組織としての性格には,単位農協の民主的協同組織

としての性格が反映されているだけにとどまらず,単位農協の経営体としての

側而によっても少なからぬ影響を受けているのである。したがって,農民の意

志がゆがみなく連合組織に反映するとし寸保証は,ここでは著るしく制約され

ているのである(ちなみに,このような組織上の笠曲は,労働組合や農民組合

図 4.農協系統組織の構造

民主的共同組織

A

V

営 f本

などのように,それじたい経営体としての性格を合わせ持っていない民主的組

織の場合にはないことである〉。このような組織上の歪曲を受けるという意味

において二次的組織であるということができる。

以上のべたことは,連合組織の組織的特質として,単協に対比して,さらに

他の民主的組織に対比して指摘することができるが,このことをさらにふえん

しつつ次のことにも着目する必要があろう。すなわち,単位農協における民主

的共同組織としての性格を支える現実的基礎は,ほかならぬ農民じしんの自主

的共同化に対する要求そのものに根ざしているけれども,それが維持され存続

されることの背後には,農民の人格的平等性とともに経済的にも比較的似かよ

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北海道大学農経論叢 tp; 30 :tH

ったもの同志の共同であることが貫いていなければならなし、。もちろん,農民

は,たえずF持層分解をとげており,その意味で、たえず異質化しているわけ‘で、あ

るが,基本的には小農範見事であって,その意味では,資本家的経併とははっき

り区別される。(もちろん,それにもかかわらず階層間矛盾が存するわけで、あ

って,このことが単位農協の組織的矛問に結びつく〕。 ところが,連合組織の

構成主体である単位農協の場合には,そのような等質・等量性を裏づける現実

的基礎がきわめて乏しし、。つまり,農民の場合には,その保有する家族労働力

が生産の大きさを律することになるわけであるが,単位農協の大きさを律する

条件は,このようなものとしては存在しなし、。したがって経営体としては著る

しい絡差が生じうるわけである(このことは,後述するように,生産力の農工

11¥1,農業内不均等発ーによってさらに拡大される〉。 このように単位農協の経斜

体としてのlJ!lJilliからはその大きさの I~限や下限,ないしは「適正規模」を律す

る条件は見出しがたし、のであるが,単位農協として,他の側¥i'li,つまり民主(千j

共同検織としての側]i'uを合わせて考えるならば,民主的運営原則jを貫徹するた

めには,組織規模としてどの程度の大きさがよいかと L、う農民じしんによる一

定の判断は可能で、ある。しかし,この場合も,たとえば,単位農協の内部にさ

らに小規模な集団を設けるかし、なかによっても異るのであって劃一的な木津iは

ない。したがって,連合組織の構成主体である単位農協には著るしい不等性が

生じうるわけで、あり,このことが連合組織の民主的共同組織としての性絡をゆ

がめることになる。(しかし,このことの実践的意義について付言するなら

ばp 以!二のべたことは,連合組織における民主的運'月'原則の意義を決して低め

ることに結びつくのではなく,むしろ, J日記の条件を加味して,これを補強す

るための配慮が求められているということを意味している〉。

町 連合組織の現段階的性格

1. 連合組織の機能動向

前釘lで‘明らかにしたように,農協の連合組織が単{すー農協の補完組織であると

いうことは,系統組織内における連令組織の機能と構造を明らかにするうえで

もっとも基本附な特徴を示しているが, IfiJ時にこのことは連合組織の独刊の役

割を浮きぼりにするためにも貫iJl::な視点をなしている。それは,ひとつには,

82 -

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農協連合組織の機能と構造

連合組織が単位農協の補完組織であるということによって,その果すべき役割

が単位農協では十分に発揮できない内谷のものであることを意味しており,ふ

たつには,連合組織とほぼI"jじ流通レベルで機能している商業資本〈主に卸売

商業資本)と対比しても独内な性格をもっていることを意味している。

このような見地に:.(.って,わが同における農協連合組織の現段階的性格を解

明するに当り,それに先だって,まず確認しておかなければならないのはその

歴史的特質である。この点について要約的に指摘しておくならば,わが同にお

ける連令組織の成立・展開は,農協(産業組合)の機能を補完するために農民

の要請にもとづいて進行した,というよりは,むしろ,国家独占資本主義の体

制整備の一環として上から推進されたのであり,設立当時の当而の課題も,資

本主義が農村市場ーを拡大し農村支配を強化することに焦点がしぼられたのであ

る。わが国農協系統組織内における上意下達の体質は,連合組織(都道府県

連,合同連ともに)の出発の当初からかかえこんでいたものであり,とくに昭

和恐慌以降,農業政策が同家独占資本主義体制!のもとで、急速に強化されるなか

で,この傾向はし、っそう顕著となった。しかし,反百U,このような支配体制の

安講と働きかけにもかかわらず,農村市場は,戦前段階では依然として地主的

土地所有を主主盤とする前近代的商業資本の支配Tにあり,産業組合の活動領域

は著るしく制限されていた。こうした制約条件が基本的に取りのぞかれ,農協

が農村市場において支配的な地位を占めるようになるのは農地改革後のことで

ある。

さて,考察の対象を現段階(ここでは「高度成長」期に入ってから現在にい

たる時期〕にしぼった場合,経済の「高度成長」じたし、が農協の連合組織の機

能と構造にどのような変化をもたらしたかが当面の中心課題となろう。このよ

うな観点、からみた場合 r高度成長」を資本の強蓄積過程として把握すること

がまず必要であり,そのような資本の強蓄積過程て、資本主義の再生産構造がど、

のような変容をとげてきたかが確かめられなければならなL、。この点につい

て,当而,連合組織の機能と構造の分析にかかわる索安な視点は,生産力の不

均等発展をどう把握するか,ということである。「高度成長J=資本の強蓄積

過程が生産力の不均等発展の拡大の過程で、あり,この間にとられてきた経済政

策がこの不均等発展をいっそう助長し促進してきた,というのがこの問題にl却

するわれわれの某~三的開解である。その具体的なあらわれ方は,重化学工業を

- 83 --

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北海道大学農経論叢第 30集

中心とする生産財生産部門と消費財生産部門との1m,あるいは企業別には,独

占的大企業と中小企業あるいは農漁業などの非独占的小生産者との間,製造部

門と運輸・流通部門との問,など多様である。こうしたなかでとくにわれわれ

がここで重視しなければならないのは生産力の農工間の不均等発展である。レ

うまでもなく, ~主席:力の農工問の不均等発展は,資本主義に固有の傾向として

貫くものであるが,この内容は,たんなる生産性の発展度合の差に帰せられる

ものではなく,生産力の総体について, ~ 、わば資本主義の再生産構造におL、て

農業の地位が相対的にますます低下することをその内容としてふくむものであ

り,したがって,たんに生産力格差ばかりでなく,農工聞の不等価交換に由来

する経済の不均等発展,さらにそれらによってひき起される矛盾の総体を問題

領域として把握しておかなければならない。

さらに,いまひとつ付加しておかなければならないことは, ~jl主力の不均等

発展は,農業・農村内でも進行している,とし、う事実である。もともと,農業ー

生産が商品生産として展開する過程は,それじたい,農業内における社会的分

業の発展の過程であって,農業内における生産諸部門間,地域!日),階層間の生

産力の不均等発展が避けがたい傾向となっている。

以上の諸傾向を現実の経済の動向のなかで検証することは決して容易なこと

ではないが,さしあたり,表 1は農工間の不均等発展を示すひとつの指標には

なるであろう。

表 1.農工間の生産性格差

|生産指数(1965=100) I叫差

工業|農業 Iht@3~ ) 1963

64

65 〆白マtau。

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30.0

- 84 -

また,農業・農村内におけ

る~.産カの不均等発展につ

いては,その前提として主

要農産物の生産動向につい

てみておく必要がある。そ

の一端は表 2に示したとお

りである。この表からも明

らかなように,その部門別

増減率には著るしい不均等

がある。いうまでもなく,

このような動向は,たんに

岡内の農産物需給動向によ

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農協連合組織の機能と構造

って条件づけられたものではなく,農産物貿易政策,とりわけ資本・貿易自由

化が支配的な影響を与えてきたことは疑う余地のない事実である。麦類,雑穀

一ηLqJη4マtマtdwゐ

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農耕うム豆い野果工マ玄四一注

類,いも類の著るしい低下,そして「成長農産物」といわれてきた青果物,果

実や畜産物さえ最近ではその仲長率が鈍化している。また,米の生産調整政策

による米生産の動向についてはあらためて指摘するまでもないほどである。さ

て,このような農業内の不均等発展は,地域間,階層間の生産力格差をもたら

すのであって,さきに指摘した農工間不均等発展なども含めて,全体として,

地域経済の不均等発展が「高度成長」のもとで一段と顕著になってきているの

である。表3はその一端を県別統計として示したものである。この表からも明

らかなように,工業生産の伸び,分配所得などをめぐって地域間(県別)格差

が拡大していることはたしかであり,また農業にかかる指標をみても,生産指

数,農業所得などにみられる地域格差は依然として大きし、。こうした動向を通

して,総体として経済発展の地域間格差がむしろ拡大傾向にあることは否定で

きない。

さて,このような経済発展の地域動向が,農協の事業・組織にどのように作

用しているかが次に確かめられなければならない課題である。表 4によって,

農協の農村市場に占める地位を農協利用率を指標としてみると,農産物につい

ては,全体として利用率(農協集荷率〉が停滞ないし低下の傾向にあるが,主

。。

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北海道大学幾経論叢第 30集

表 3.経済の地域格差指標

所分 配得 主生主産指-采数学第l留次車人産従農当芸作E業人口「吊げ日業新製額品 段家人 1.1

ー一一一 一 ← l り

1970 ,1従人業当員り 生所 農業得全I'il平均 1965 . 1970 1965 1971 / l全国平均 = 100 / / 1971

1969 60 65 =100 (?,の〔エf-円〉1969

北海道 4.9 i 95.1 83.8 78.3 75.1 126.1 19.5 402

11 森 8.7 I 67.3 65.1 89.0 88.6 113.0 38.6 422

ンh" 下 5.3 ' 63.4 65.4 90.1 88.8 116.8 41.0 262

c,γ", 城 11.1 63.9 79.5 88.2 89.0 102.8 27.0 448

秋 IH 5.3 65.8 74.3 88.5 90.0 120.8 407

1[1 J[) 2.7 48.7 74.7 89.0 89.8 116.9 35.7 358

指{ l:,lj 5.5 58.5 73.2 89.4 88.7 105.5 34.1 304

玖: hえ 8.1 ' 99.9 79.9 89.5 89.8 109.7 35.1 360

栃 イミ; 12.3 ¥ 89.0 85.3 89.2 89.5 119.6 26.1 374

1ii' !J~ 9.7 i 79.3 91.1 87.9 89.6 125.8 24.9 303

Ji奇 :-F 32.6 98.8 104.7 89.1 88.0 112.3 11.8 280

丁ー ~会 25.1 i 145.2 98.4 88.7 88.1 118.0 20.2 590

東 月ミ 4.2 99.5 156.7 82.5 79.9 80.1 O目9 325

神奈川 23.2 152.8 130.1 85.9 83.6 107.3 3.2 417

111 梨 7.9 52.4 77.8 87.9 87.8 111.9 27.1 368

長 世f 82.4 89.4 90.5 107.9 28.2 257

i¥11 liliJ 13.8 I 102.1 100.9 87.6 86.2 126.5 15.9 39ヲ

:祈 ?烏 3.8 i 69.3 80.8 88.8 87.8 102.7 254

'tl{ [[[ 5.9 83.7 90.4 91.5 91.3 103.7 19.1 321

平J )11 3.9 61.6 90.6 88.1 88.1 106.6 18.4 326

合i ヲj: 6.0 55.5 81.5 90.1 89.4 98.8 20.0 320

i実 Jι 7.7 67.4 90.1 89.0 91.1 113.3 15.3 267

愛 知l 11.9 109.7 116.6 89.6 88.3 115.6 8.8 331

iii: 5.7 101. 7 90.5 88.3 88.9 122.3 22.6 307

滋 明シ日1 6.7 85.6 92.2 76.6 92.5 112.3 22.5 278

京 M!) 7.4 82.0 111.4 87.5 87.6 114.0 8.6 300

ブく 阪 12.2 117.8 146.5 85.6 84.5 94.2 1.7 457

ノπ、二 l市 12.5 117.5 106.0 89.4 90.1 119‘6 8.0 318

ズ},又ミ R 13.6 94.2 82.0 88.6 88.8 110.5 15.9 385

和歌川 89.8 86.0 87.0 148.2 20.4 501

取 6.2 I 56.2 70.7 87.7 89.6 118.6 29.1 322

担4 7.3 i 50.1 66.9 84.7 84.5 103.9 34.2 192

問 II[ 94.9 86目8 88.1 103.0 23.6 243

- 86-

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農協述合組織の機能と構造

広 &ii 103 lω1 I 100.1 86.2 96.4 14.7 ! 238

111 11 6.1 148.0 i 87.6 8401 85.9 167.6 19.7 : 264

f怒 主主 7.6 64.1 82.4 86.4 86.4 121. 7 30.4 308

呑 )11 8.8 81 2 87.7 86.4 88.6 109.4 22.7 315

愛 媛 7.7 112.5 1 86.1 83.4 84.4 118.0 28.8 383

高 知 2.5 63.1 82.3 87.3 82.0 114.2 322

品百 岡 7.2 92.8 i 90.4 86.6 .88.8 99.9 13.2 331

w プ宅 1.8 55.8 70.8 88.5 90.7 100.4 31.3 478

長 崎 1.8 68.9 68.7 83.6 84.0 103.6 26.2 236

R~ 木 3.6 56.5 67.7 86.3 87.8 111.9 38.0 275

大 分 1.1 104.1 69.3 84.3 85.5 104.3 39.8 269 'i'ιi , 崎 7.1 61 1 66.4 ' 84.1 85.6 120.8 252

!鬼児島 54.2 53.4 " 83.6 81.5 I 110.6 40.7 190

YJIJ

令:

縄 2 3 57.7 i

ドiI / 9.3/ 100.0 I 100.0! 87.4 1 87.4 I 112.4 I 17.4 I 320

?主 経済企画庁「地域経済要覧J,家の光協会 If:!本農業年錐J,による

表 4.農家の農協利用率(9'';)

119日¥1960 ¥附 1966 加!附 !19691mω71

:農ilE物総言1 I 39.0 38.9 49.2 52刻 57.1 58.8 45.0 52.81 53.4

1仮』米 I59.9, 61.11 80.2 83司86.0, 88.9; 83.4 81.51 79.7

変 1 58.4. 49.2 52.6 57 到 55.01

59.01

54.2 64・刊 68.1

山、も類 25.0,25.7¥ 25.5 31.41 35.8; 42.71 42.6 48.9! 47.9

売(野菜(ー 12.7: 20.4 21.81 20. 7i 22.6: 23.3 26.8: 32.6

果実 i-26214284451545J520i505!49.460.5

1ま ゆ I38.2 44.6; 引 .3 53.11 53.3: 54.11 54.41 62.41 55.2

JI口;卵-24.81

25.9, 27.2/24.1/ 22.4/ 20.9, 23.8: 23.9

1牛乳-32.6': 33.3 35.21 36.8] 32.5) 35.3, 43.21 36.4

3!G12:;;;;;;:;272;3121ご:::::貨 l 食1-i 60.073.969.272.4 67.972.4170.9169.272.1

金, it二活物資 59 52 62 66 62 63; 64 58 45

il: 原資料:農林省「農業および農家の社会勘定/,総合農協統計表 1

~品目別にみると果実,野菜,一部の畜産物などについては遂次利用率が上

昇している。また,農家購買品については,肥料農薬などが高率を保っている

ほか,飼料も 4割以上のシェアを維持している。これらのことから,農村市場

-87-

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北海道大学農経論叢第 30集

(広義〉における農協の地位はしだし、に高まりつつあるとみることができる。こ

うした状況のもとで,すでにのべたように,農工間,さらには農業内の不均等

発展が顕著にあらわれることは,農協の機能と構造に与える影響がそれだけ大

きいことを意味している。まず,系統利用の概況を表 5によってみると,購買

表 5.単協の系統利用率の推移

l購買♂ぷ府i版 5E1IR1l生産資材生活物資|売渡比率I!野菜 l果実 l合計|

預金

1966 I 77 . 2 I 56 . 1 I - I 73.4 I 78.6 I 89.1 I 94 .6

67 I 78.3 I 57.7 I - I 76.2 I 79.引 91.1I 95.2

68 I 79.5 I 58 . 1 I - I 78.3 I 78.ヲI 90.9 I 95.6

69 I 79.4 I 58.2 I 91.9 I 82.5 I 83.9 i 91.1 I 95.7

70 I 80.0 I 58.7 I 81.7 I 83.3 I 86.9 I 92.1 I 95.7

71 I 80.5 i 58.9 I 70.4 I 85 6 I 86・引 89.0 I 96.0 注原資料:農林省「総合農協統計表」

品,販売品ともにきわめて高L、比率を示しており,さらに預金についてはほと

んど全量が系統預金といってよい状況であるが,こうしたなかで,野菜,果実の

系統利用率が遂次上昇しているのが注目される。また,系統利用とは直接かか

わりがないけれども,米の政府売渡比率が1969~三し、らい急速に低下しているこ

とが注目される。これは, ~ 、うまでもなく内主流通米の増加によるものである。

そこで,次に,同じ指標について,これを都道府県別にみると表 6のとおり

表 6 単協の系統利用率(地域別) (1971)

l購賞品門販売品 l生産資材1生活物資売渡比率野菜|果実|合計 預金

北 海 道 71.7 42.2 94.3 . 64.2 32.4 • 84.3 . 95.0 」}3三 森 77.2 60.3 97.9 90.9 82.6 1 95.1 96.9

J;f-アL1 手 78.7 58.1 74.1 I 89.ヲ 85.9 94.8 : 96.3

T?; 城 82.8 68.2 27.7 : 93.7 99.0 • 94.5 I 97.6

手大 m 84.0 70.8 78.5 ~ 82.3 87.1 ヲ8.21 ヲ7.5

111 7診 81.4 74.8 63.5 . 77.7 98.2 I 95.7 i 98.4 佃 80.0 64.5 80.7 : 94.8 92.3 92.8 I 97.6

茨 城 87.9 68.3 78.5 • 90.4 86‘l 89.0 I 96.6

栃 木 81.3 74.1 79.3 I 90.4 82.2 I 93.4 96.6

耳千 馬 90.5 77.6 91.91 96.8 92.6 99.0

埼 80.0 80.7 93.1 90.8 91. 7 92.2 96.9

-88-

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96.5

87.1

98.3

89.7

98.5

96.7

98.4

99.1

96.9

98.9

96.6

95.0

96.9

96.6

92.5

92.7

98.0

91.7

93.2

97.0

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99.1

96.2

98.8

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72.9

29.4

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93.5

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74.6

78.6

70.6

97.7

85.5

91.7

82.7

93.5

81.0

農協連合組織の機能と構造

80.1 1

73.6 1

72.2 :

78.9 :

96.4 I

93.2

78.8

43.1

92.7

64.8

95.3

93.5

84.9

72.5

68.9

56.2

73.9

84.2

85.7

88.7

56.8

87.7 :

537;

18.4 I 92.4

90.1

49.4

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80.7

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7ヲ.2

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35.6

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77.8

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82.4

L6.9

82.9

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77.9

77.1

53.7

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78.1

74.9

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83.0

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85.3

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84.0

82.9

86.8

92.5

79.9

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北海道大学農経論叢第 30集

である。これによってまず気のつくことは,たとえば,預金のように全体とし

てきわめて高率の系統利用率を示してし、るものについては,この比率をめぐる

地域格差がほとんどみられない,ということである。このような傾向は従来

は,販売!拍のうち米についてもみられた。現在も,米については「政府売渡

米J,r自主流通米J,rその他J,についてし、ずれもj単協の系統利用率は高いの

であるが,政府売渡比率をみると,地域によって大きな差のあることがはっき

りしている。とくに関西地方の各府県の米の政府売渡比率は極度に低くなって

いる。購売品に関しては, ~t:.J:if資材の系統利用率はそれほど地域差が大きくな

いのであるが,生活物資の;場合にはその差がかなり大きくなっている。

以上,概括的にみてきたことから明らかなように,系統利用率を指標として

みた単協と都道府県連合会の卒業上の結びつきは,信用(預金)についてはほ

とんど、全地域にわたって完全掌握に近い状況であり,購買品,販売品などにつ

し、ても依然として高率を維持しているが,反面,これまで高い市場掌握を示し

ていた米について自主流通米の出現によって実質的にくずれており,最近急速

に市場を拡張しつつある野菜や果実についても,地域差がきわめて大きい o liiJ

様のことは購買品の生活物資についてもほぼあてはまる。

また,表 7によって,貯金,貸付金に関して地域別にみると,それぞれの伸

び率には大きな地域差があり,さらに貯貸率の地域格差はむしろ拡大する傾向

にある。これらは,地域経済の丹=序:力格差を端的に反映しているとみることが

できる。

さて,以上の動向を加味しつつ,系統利用をめぐる農協連合組織の状態を版

売事業と購買事業について概括的にまとめておこう。まず,表は 8販売事業に

ついてみたものである。これによると農業生産の生産部門別構成,とりわけそ

の不均等発展は農協の販売品目別構成にも反映するのであるが,その反映の度

合は,総合単協段附においてもっとも直接的であり,県経済連,さらに全販連

(合併前)と移行するにつれて,その反応の度合がにぶL、。このことは,イI二次

}JIJ・品目別増減率にも端的に反映している。このように段附別にみられるちが

いは,いわば農産物市場に対する農協の対応における系統段階別格差のあるこ

とを意味するものであり,このようなズレをめぐって事業運尚:J二の矛盾が発/トーすることが十分に考えられるわけで、ある。

他方,購買事業について表 9の内海を検討すると,逆に,購買品市場の再編i

-90 -

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表 7. 農協金融をめぐる地域格差

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原資料:農林省「総合農協統計表JI連合会統計表」

全販連資料

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Page 24: Instructions for use - HUSCAP1'1 ーケーした近代的商業資本が成り立ちにくいということは,とくに農産物市場に ついては収集卸売商業資本が,また,購買品市場については小農とじかに接触

農協連合組織の機能と構造

成がL、わば上から協力に推進され,それが末端まで浸透していることがわかる

のであり,そのその意味で市場掌握の度合は販売売市場における場合よりはし、

っそう徹底している,とみることができる。さらに,q~,償的なことは,販売卒

業の場合には,段階別にみた販売事業の伸び率がほぼ同率で、推移したのに対し,

購買事業の場合には, 1960年ーから '65年にかけての時期と最近2年ほど、にわた

って,全購連(合併前), i果経済連,総合農協の順で伸び率が高くなっており,

相互に不均等がみられる,ということである。これは,この間,連合組織が単

位農協に対して強力な事業推進をはかつてきたにもかかわらず,なお不均等性

を生じたことを示しており,そのことをめぐって事業運営上の系統段階相互間

の矛盾の生ずる基盤となっていることを意味している。これらの事業運営上の

矛盾は,組織をめぐと動向と闘連づけることによりいっそう浮きぼりにされるO

2. 連合組織をめぐる組織動向

現段階において連合組織をふくむ系統組織全ー体の組織問題なかでもっとも重

視しなければならないことは,民主的運営の原則が系統組織のなかでどのよう

に貫徹しているか,ということである。このような観点から,ここ十数年らい

単位農協の合併が急速に進行していることはとくに注目されなければならなな

L 、。いうまでもなく,農協合併が本格的に進行しはじめたのは1961年の「農協

合併助成法jが施行されてから以降のことであり,その後の合併の推移は表10

に示したとおりである。この結果,単位農協総数はほぼ半減すると同時に,こ

れまで存在しなかった大型農協が出現した。しかし,他方,小規模農協はその

絶対数がほぼ半減したとはし、え,農協総数も半減したため,全体としてみれ

ば,単位農協の規模の格差はいっそう拡大したとみることができる。さらに,

この表に示されている数値が総合農協のみについてであることを加味するなら

ば,これに総合農協以外の出資農協,さらに非出資農協を加えるならば,全体

としてわが同の農協は過半を占める小規模農協と少数の大規模農協によって構

成され,その格差がますます拡大しつつあるとみることができる。しかも,こ

の動向を地帯別にみるならば,表11にその一端を示したように,都市的農村地

帯は,きわめて特徴的な動向を示している。すなわち,他の地;骨子においていず

れも農協数が減少しているのにたIし,都市的農村地帯では,来日令総数がここ数

3) 農協合併の具体的経過については拙著,前J昌吉,参~n('

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北海道大学農経論叢第 30集

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農協連合組織の機能と構造

行するなかで、新たな矛盾を発生していることをとくに重視する必要がある。と

くに,組織上の矛盾にかぎってみるならばp 合併の進行のなかで,第 1に,単

位農協内の異質化〔農家階層,農業地帯)が促進され,第2に,単位農協の組

織規模(さしあたり組合員数)の格差が拡大し,第 3に,とくに大型農協にお

いて総代会制の採用などによって直接民主主義がそこなわれ,第 4に,連合組

織と単位農協との矛盾が,とくに単位農協の組織規模の格差拡大にともなって

深まっていること,などが指摘できるのである。

3. 組織・機能上の連関

かくして,前項で指摘したように,組織上の諸問題は,あらためて機能上の

諸問題,とりわけ;事業運営をめぐる諸問題として具体化している。組織規模の

格差拡大は,当然のことながら,地域経済の不均等発展とかかわりつつ事業量

の格差拡大に結びつく。とくに,この過程で大型農協と連合組織との間にこれ

までになかった新たな矛盾が発生している。いわゆる連合組織軽視の傾向など

がそれであり,事業,組織それぞれについて二段階か三段階かといった議論が

いりみだれている。しかもこうした傾向は,単に農協系統組織の内的要因にだ

けよるのではなし、。いわゆる農業インテグレーションといわれる最近の一連の

動向は,農協系統組織をめぐる市場条件に大きな変化を示しているのであっ

て,流通諸段階のあり方が急速に変ってきている。とくに,現物をめぐる流通

ルートが著じるしく簡略化され,生産と消費の直結,とL、う事態も生じている

のに対し,農協を中心とする取引ルート,ないし資金の流れは,依然としてき

わめて多くの流通段階を経過している。このため,複雑な取引ルートに対し単

位農協からの強い批判が出されているのである O

このような実態をいますこし整理して考えるならば,農協系統組織において

現実に生じている諸矛盾は,基本的には,現代資本主義の再生産構造における

農業の位置と,資本と農業の対抗関係に根ざすものであり,農工問,さらには

農業内の生産力の不均等発展を基礎とする資本と農業・農民の対抗関係の結節

点に位置する農協系統組織が,資本と農業の対抗関係から生ずる現実的諸矛盾

を農協内部における組織・機能上の矛盾として包摂していることを意味してい

る。その意味では,単なる機構の改変だけでは解決しえない棋深い条件のもと

で発生しているのである。

4)述合組織の民主化の;意義と条件については拙答,前倒告,参照。

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