how do they give meaning for being a university student

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倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み 保坂裕子 人間環境郚門 How do they give meaning for “being a university student” ? Narrative identity inquiry via peer group interview yuko HOSAKA School of Human Science and Environment, University of Hyogo 1-1-12 Shinzaike-honcho, Himeji, 670-0092 Japan A b s t r a c t : The purpose of this study is to investigate how university students give meaning to their life as a university student. A general meaning of being a university student has been changed by the socio cultural situation. I organized peer group interviews with third year students with one moderator, whom I trained to conduct the interview session as moderator. The moderator probed with the following questions: a) What has changed after getting into the university, b) What do you consider as good/ bad in being a university student, and c) What do you consider as the major differences between public school and private school. One interesting finding that stood out was that in contrast to their high school identity, they see their new identity as university students as being more independent and autonomous – particularly in terms of defining the choices they make. However, they also express a strong need for concrete guidelines to follow. In addition, they start reflecting on how this desire for more institutional scaffold actually contrasts with their newly gained sense of freedom and autonomy. It seems they are facing with the dilemma here, but they think wondering between these dilemma means being a university student after all. How we can support them and research awaiting are discussed. K e y w o r d s : narrative inquiry, peer group interview, identity dilemma 問題ず目的 か぀お倧孊ぞの入孊が䞀郚の限られたものにだけ蚱さ れたこずであった時代は終わり、 1990 幎代以降は少子化 もあいたっお望めばいずれかの倧孊ぞの入孊はかなうず いう党入時代ずなった。経枈的理由などの諞事情により 倧孊ぞ進孊しない者もあるが、数字の䞊では、党入の時 代ずいえる。もちろん、垌望する倧孊ぞの入孊がかなわ ない堎合も少なくなく、受隓は䟝然ずしお倧きなハヌド ルであり、第䞀志望校ぞの入孊がかなわなかった孊生、 兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎  29 

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Page 1: How do they give meaning for being a university student

倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み

保坂裕子 人間環境郚門

How do they give meaning for “being a university student” ? Narrative identity inquiry via peer group interview

yuko HOSAKA

School of Human Science and Environment, University of Hyogo

1-1-12 Shinzaike-honcho, Himeji, 670-0092 Japan

Abstract: The purpose of this study is to investigate how university students give meaning to their life as a university student. A general meaning of being a university student has been changed by the socio cultural situation. I organized peer group interviews with third year students with one moderator, whom I trained to conduct the interview session as moderator. The moderator probed with the following questions: a) What has changed after getting into the university, b) What do you consider as good/ bad in being a university student, and c) What do you consider as the major differences between public school and private school. One interesting finding that stood out was that in contrast to their high school identity, they see their new identity as university students as being more independent and autonomous – particularly in terms of defining the choices they make. However, they also express a strong need for concrete guidelines to follow. In addition, they start reflecting on how this desire for more institutional scaffold actually contrasts with their newly gained sense of freedom and autonomy. It seems they are facing with the dilemma here, but they think wondering between these dilemma means being a university student after all. How we can support them and research awaiting are discussed. Keywords: narrative inquiry, peer group interview, identity dilemma 問題ず目的

か぀お倧孊ぞの入孊が䞀郚の限られたものにだけ蚱さ

れたこずであった時代は終わり、1990幎代以降は少子化

もあいたっお望めばいずれかの倧孊ぞの入孊はかなうず

いう党入時代ずなった。経枈的理由などの諞事情により

倧孊ぞ進孊しない者もあるが、数字の䞊では、党入の時

代ずいえる。もちろん、垌望する倧孊ぞの入孊がかなわ

ない堎合も少なくなく、受隓は䟝然ずしお倧きなハヌド

ルであり、第䞀志望校ぞの入孊がかなわなかった孊生、

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎

 29 

Page 2: How do they give meaning for being a university student

(p.21)ず蚘しおいる。たた、こういった察話は、瀟䌚的産

物であり、語り手個人や圓該の察話グルヌプのみならず、

語り手たちが属する瀟䌚や文化、䟡倀芳に぀いお倚くを

瀺しおくれる(Riessman, 2008)。したがっお、察話が誰

に向けられおい぀、なぜ語られたのか、たた、それがい

かに語り手たちの間で亀枉されおいくのかを分析するこ

ずで、圌らの䟝拠する瀟䌚的、文化的䟡倀芳を知るこず

ができるだろう。ここでは、倧孊生の友人同士が倧孊生

掻、たたこれたでの自らのありようずの差異や共通点な

どを語り合うなかで創出される物語りを分析するこずで、

近幎の倧孊生が持぀「倧孊生であるこず」の意味を探っ

おみたい。 本研究では、珟圚の倧孊生が自らが「倧孊生であるこ

ず」をどのように意味づけおいるのかを、倧孊生になっ

おから倉化したこずを䞭心に語り合っおもらうこずによ

っお、怜蚎するこずを目的ずした。倚くの倧孊生にずっ

お、倧孊での4幎間の孊生生掻が、「孊校」生掻の最埌ず

なる。瀟䌚ずの接続点ずなる倧孊での生掻ず、それたで

の孊校生掻は圌らにずっおどのような意味をも぀のであ

ろうか。孊生が自らの孊校経隓をどのように意味づけお

いるかを知るこずによっお、今埌の孊校教育の圚り方に

぀いお考察するこずが可胜になるず考えられる。 研究方法

本研究では倧孊生が、倧孊進孊ぞ至るたでにどのよう

に進路を遞択しおきたか、たた倧孊生であるずいう

珟状に぀いおどのように認識し、意味づけおいるのかを、

友人ずの語り合いのなかから怜蚎しおみたい。そこで本

研究では、珟圚友人である倧孊生同士が倧孊生になっお

からの生掻やそれ以前の生掻の差異などを自由に語り合

える堎を蚭定するこずで、いたを共有する者同士が

互いにその違いや同じずころを確認しあえるようグルヌ

プむンタノュヌを蚭定した。 グルヌプむンタノュヌにおいおは、研究者が自らの研

究テヌマに基づいお構成した質問項目に基づき、デヌタ

を収集し、最終的には仮説やモデル構成を目指す方法で

ある(田垣, 2007)。質的研究においお甚いられるグルヌ

プ・むンタノュヌには、フォヌカスグルヌプやフォヌカ

スグルヌプ・むンタノュヌずいった類䌌した甚語があり、

たた倚様な定矩がある(川島, 2013)。フォヌカス・グルヌ

プ・むンタノュヌに぀いおの論文は䞻に、ビゞネスやマ

ヌケティングの領域においお倚く芋られたが、近幎では

その他の瀟䌚科孊研究領域おいお質的研究が泚目される

ずずもに倚くの専門領域においお採甚されるようになっ

おきおいる (Morgan, 2001; Vaughn, Schumm, & Sinagub, 1996/ 1999)。ノォヌンら(1996/ 1999)によるず

䞀般的にフォヌカス・グルヌプむンタノュヌにおいおは、

綿密な準備が前提ずされる。ずくに、研究目的を明確化

し、充分に蚓緎されたモデレヌタヌ叞䌚者が手匕き

を甚いお進めるこずが重芖され、グルヌプのサむズ、察

象の遞定、実斜堎所も重芁である。むンタノュヌは導入、

りォヌミングアップからはじたり、甚語の明確化を経お、

やさしい質問、答えにくい質問、そしお芁玄ののち、終

わりの蚀葉で終了する。ずくに青少幎に察するフォヌカ

ス・グルヌプの適甚に際しおは、ネット効果に配慮し、

芋ず知らずの人であるべきだずも指摘されおいる。しか

し、察象ずするグルヌプのメンバヌ遞定は、研究テヌマ

に応じお行われるべきであり、本研究においおは、友人

同士で語り合うこずによっお生み出される察話にみられ

る盞互䜜甚を重芖したため、既知の倧孊の友達グルヌプ

を察象にむンタノュヌ調査を行った。グルヌプむンタノ

ュヌのメリットずしお、ずもすれば非日垞ずなっおした

う個別のむンタノュヌずは異なり、グルヌプの特性を生

かすこずで、より日垞生掻に近づくこずができる(Flick, 1995/ 2002)ずいう点からも、日垞の倧孊生掻を共にしお

いる友人グルヌプを察象ずするこずが本研究のテヌマに

即しおいるず考えられた。 グルヌプむンタノュヌにおいおはずりわけ、メンバヌ

の構成がむンタノュヌに倧きく圱響を及がす。障がいを

も぀子どもの母芪ずその支揎を行う斜蚭職員ずのグルヌ

プむンタビュヌを行った東村(2012)は、メンバヌに斜蚭

の職員が入っおいたこずのメリットずしお、母芪たちが

リラックスしお話すこずができたこず、たた立堎の違い

による語り方の違いが明確になった点を挙げおいる。し

かし、メンバヌに支揎斜蚭の職員がいたこずによっおあ

えお語られなかったこずがあったこずを、その埌の個別

むンタビュヌで芋出し、メンバヌ構成による限界ずしお

指摘した。グルヌプむンタノュヌにおいおは、メンバヌ

間の察話が重芖されるため、メンバヌの遞出が重芁ずな

る。本研究においおは、日垞の友人関係を尊重するため、

モデレヌタヌも友人である孊生が務めた。このこずから、

本研究の調査方法は、ピア・グルヌプむンタノュヌずし

た。なお、モデレヌタヌずなる倧孊生に察しおは、本む

ンタノュヌぞむけお、研究方法や進め方に぀いお十党な

準備トレヌニングが行われた。 むンタノュヌは、公立倧孊 3 幎生の友人グルヌプを察

象ずしお、モデレヌタヌ1 名の他、45 名の参加者によ

っお実斜された。ここで分析察象ずしたむンタノュヌ事

䟋は、すべお女子孊生を察象ずしたものであった。本論

぀たり䞍本意入孊の孊生の抱える課題、それにずもなう

途䞭退孊の問題も増えおいる鶎田, 2002。ただし、第

䞀志望の倧孊ぞ入孊するこずが倧孊ぞの適応ぞず぀なが

るずも蚀えず倧隅ら, 2013、倧孊における適応に぀い

おは、孊習面での困難ずずもに友人関係のあり方倧久

保, 2005などの人間関係や瀟䌚関係に関わる問題の増加

が指摘される(谷島, 2005)など、倧孊生の䞍適応ぞの察応

が求められおいる(及川・坂本, 2008)のが珟状である。孊

力䜎䞋、倧孊の高等孊校化や倧孊ぞの適応困難など、倧

孊教育のあり方が問い盎されるなか、倧孊生自身の「倧

孊生であるこず」に぀いおの意識も、倉わっおきおいる

のではないか。瀟䌚的に守られた環境ずしおある「孊校」

から「瀟䌚」ぞ出おいく最終通過点ずしおの倧孊におい

お、倧孊生たちは自らの圚り方に぀いおなにを考え、䜕

を感じおいるのであろうか。 溝䞊(2010)は、このような時代ずずもにおこっおいる

瀟䌚経枈的状況の倉化などに䌎っお、若者の適応の圢態

も倉化しおきおいるず指摘する。個人のありようず、適

応すべき倖的環境の関係を捉える際に、既存の䟡倀芳を

取り蟌むかたちで自己を適応させおいくアりトサむドむ

ンず自らの䟡倀基準を優先するむンサむドアりトずいう

適応のタむプ分けにもずづき、幎代ごずの若者の適応圢

態の倉化を分析しおいる。1970幎代ごろから、倧孊生を

含む若者は自己の内偎にポゞショニングし、そこから倖

偎就職・倧人・瀟䌚・その他に向かうむンサむドア

りトの力孊のなかで孊生時代を過ごし、瀟䌚ぞず出お行

くこずずなった。孊生時代をむンサむドアりト型の適応

によっお過ごした者も、就職ずずもに再びアりトサむド

むン型の適応ぞず移行し、瀟䌚ずうたく適応しおいたが、

぀づくバブル厩壊ず就職氷河期を経お、進路指導からキ

ャリア教育ぞずいうこずばの転換に衚されるように、よ

り自身の䟡倀や生き方を重芖するむンサむドアりトによ

る適応のスタむルが優勢ずなった。このこずが、倧孊生

が瀟䌚に出おから経隓するこずが倚いずいわれる適応困

難ず䜕らかのかかわりがあるのかもしれない。「私らしい

生き方」を芋出し、瀟䌚ぞず適応しおいくずいうのは、

青幎期の課題ずしお䜍眮づけられおきたものであり、倧

孊党入時代の珟代においおは、倧孊生にずっおの重芁な

発達課題ずしお䜍眮づけるこずができよう。 瀟䌚の倉化に䌎う倧孊生䞀般の倉化は䞊蚘のようにた

ずめられるかもしれない。しかし、実際にいた倧孊生掻

を送っおいる孊生たち各々は、このような瀟䌚状況の倉

化や倧孊の䜍眮づけの倉化のなかで、そのこずをどのよ

うに感じ、みずからを倧孊生ずしおどのように理解しお

いるのだろうか。本論では、いた珟圚倧孊生掻を送る倧

孊生たちが、自らの倧孊生ずしおの経隓をどのように意

味づけおいるのか、぀たり倧孊生ずしおのアむデンティ

ティを問うおみたい。 アむデンティティぱリク゜ン(1980, 1982)の提唱し

た抂念ずしお知られおいるが、珟圚もなお、その定矩や

研究方法に぀いおは議論が重ねられおいるずころである

鑪, 2014。本論考においおは、自らが䜕者であるのか

を他者に語る物語りずしお理解するこずを詊みる(保坂, 2014)。アむデンティティの語りは、自らの過去の出来事

をそのずき、その堎においお想起し、なんらかの意味的

぀ながりを持たせる行為であり、私たちは自らの人生に

぀いお物語の圢匏で意味づけるこずによっお、理解する

(Bruner, 1986; 1990)。なかでもバンバヌグ(Bamberg, 2012a; 2012b)は物語りのなかで盞互に亀枉され、協働生

成されるアむデンティティを䞉぀のゞレンマのなかでず

らえるこずを提唱した。その䞉぀ずは、①他者ず「おな

じずころ」ず「ちがうずころ」の間にみられるゞレンマ、

②行為䞻䜓性をどこにおくか、に぀いおのゞレンマ、そ

しお③珟圚ず過去に及ぶ䞀貫性を保たなければならない

こずぞのゞレンマである。わたしたちは、自らが他者ず

同じであるずころ、䌌おいるずころを芋出すこずで仲間

であるこずを䞻匵する䞀方、異なるずころをみいだすこ

ずによっお、自分らしさ、独自性を䞻匵したり、あるい

は、盞手ず自分ずは同䞀カテゎリヌに収たらないこずを

瀺す。぀たり、他者ずの共通点や差異を芋出し぀぀、そ

れらをどのように䞻匵し、たた察話のなかで亀枉しおい

くかが、アむデンティティ・クレむムずなる。たた䞀連

の語りのなかで、自らを䞻䜓的意図を持った胜動的行為

者ずしお䜍眮づけるのか、あるいは自らの意思ず反しお、

あるいは関係を持たず受動的にある出来事に関わっおい

るず䜍眮づけるのかによっおも、その語りのなかで自ら

をどのように䜍眮付けたいのかを知るこずができよう。

さらに、わたしたちは瀟䌚生掻を営む䞊でも、䞀貫した

人間であるこずが重芖される。぀たり、過去の出来事に

登堎する自身のありようず珟圚の自分自身のなかに䞀貫

した意味づけが必芁ずされる。過去ず珟圚に倧きな違い

があるのであれば、なぜ、どこがどのように異なるのか

に぀いおの物語りが求められるずいうわけである。これ

らの意味づけは、珟圚進行圢の察話のなかで、たた聞き

手ず語り手ずの関係においお実践されるものである。倧

倉(2011)はアむデンティティを、個人が「このようになり

たいこのような者であるはずだ〕」ず思っお胜動的・䞻

芳的に圢䜜っおいく偎面ず、「い぀の間にかそうなっおい

た他者からそういうものずしおみなされおいた」ずい

う受動的・客芳的偎面ずが折り合うずころに成り立぀

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎

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Page 3: How do they give meaning for being a university student

(p.21)ず蚘しおいる。たた、こういった察話は、瀟䌚的産

物であり、語り手個人や圓該の察話グルヌプのみならず、

語り手たちが属する瀟䌚や文化、䟡倀芳に぀いお倚くを

瀺しおくれる(Riessman, 2008)。したがっお、察話が誰

に向けられおい぀、なぜ語られたのか、たた、それがい

かに語り手たちの間で亀枉されおいくのかを分析するこ

ずで、圌らの䟝拠する瀟䌚的、文化的䟡倀芳を知るこず

ができるだろう。ここでは、倧孊生の友人同士が倧孊生

掻、たたこれたでの自らのありようずの差異や共通点な

どを語り合うなかで創出される物語りを分析するこずで、

近幎の倧孊生が持぀「倧孊生であるこず」の意味を探っ

おみたい。 本研究では、珟圚の倧孊生が自らが「倧孊生であるこ

ず」をどのように意味づけおいるのかを、倧孊生になっ

おから倉化したこずを䞭心に語り合っおもらうこずによ

っお、怜蚎するこずを目的ずした。倚くの倧孊生にずっ

お、倧孊での4幎間の孊生生掻が、「孊校」生掻の最埌ず

なる。瀟䌚ずの接続点ずなる倧孊での生掻ず、それたで

の孊校生掻は圌らにずっおどのような意味をも぀のであ

ろうか。孊生が自らの孊校経隓をどのように意味づけお

いるかを知るこずによっお、今埌の孊校教育の圚り方に

぀いお考察するこずが可胜になるず考えられる。 研究方法

本研究では倧孊生が、倧孊進孊ぞ至るたでにどのよう

に進路を遞択しおきたか、たた倧孊生であるずいう

珟状に぀いおどのように認識し、意味づけおいるのかを、

友人ずの語り合いのなかから怜蚎しおみたい。そこで本

研究では、珟圚友人である倧孊生同士が倧孊生になっお

からの生掻やそれ以前の生掻の差異などを自由に語り合

える堎を蚭定するこずで、いたを共有する者同士が

互いにその違いや同じずころを確認しあえるようグルヌ

プむンタノュヌを蚭定した。 グルヌプむンタノュヌにおいおは、研究者が自らの研

究テヌマに基づいお構成した質問項目に基づき、デヌタ

を収集し、最終的には仮説やモデル構成を目指す方法で

ある(田垣, 2007)。質的研究においお甚いられるグルヌ

プ・むンタノュヌには、フォヌカスグルヌプやフォヌカ

スグルヌプ・むンタノュヌずいった類䌌した甚語があり、

たた倚様な定矩がある(川島, 2013)。フォヌカス・グルヌ

プ・むンタノュヌに぀いおの論文は䞻に、ビゞネスやマ

ヌケティングの領域においお倚く芋られたが、近幎では

その他の瀟䌚科孊研究領域おいお質的研究が泚目される

ずずもに倚くの専門領域においお採甚されるようになっ

おきおいる (Morgan, 2001; Vaughn, Schumm, & Sinagub, 1996/ 1999)。ノォヌンら(1996/ 1999)によるず

䞀般的にフォヌカス・グルヌプむンタノュヌにおいおは、

綿密な準備が前提ずされる。ずくに、研究目的を明確化

し、充分に蚓緎されたモデレヌタヌ叞䌚者が手匕き

を甚いお進めるこずが重芖され、グルヌプのサむズ、察

象の遞定、実斜堎所も重芁である。むンタノュヌは導入、

りォヌミングアップからはじたり、甚語の明確化を経お、

やさしい質問、答えにくい質問、そしお芁玄ののち、終

わりの蚀葉で終了する。ずくに青少幎に察するフォヌカ

ス・グルヌプの適甚に際しおは、ネット効果に配慮し、

芋ず知らずの人であるべきだずも指摘されおいる。しか

し、察象ずするグルヌプのメンバヌ遞定は、研究テヌマ

に応じお行われるべきであり、本研究においおは、友人

同士で語り合うこずによっお生み出される察話にみられ

る盞互䜜甚を重芖したため、既知の倧孊の友達グルヌプ

を察象にむンタノュヌ調査を行った。グルヌプむンタノ

ュヌのメリットずしお、ずもすれば非日垞ずなっおした

う個別のむンタノュヌずは異なり、グルヌプの特性を生

かすこずで、より日垞生掻に近づくこずができる(Flick, 1995/ 2002)ずいう点からも、日垞の倧孊生掻を共にしお

いる友人グルヌプを察象ずするこずが本研究のテヌマに

即しおいるず考えられた。 グルヌプむンタノュヌにおいおはずりわけ、メンバヌ

の構成がむンタノュヌに倧きく圱響を及がす。障がいを

も぀子どもの母芪ずその支揎を行う斜蚭職員ずのグルヌ

プむンタビュヌを行った東村(2012)は、メンバヌに斜蚭

の職員が入っおいたこずのメリットずしお、母芪たちが

リラックスしお話すこずができたこず、たた立堎の違い

による語り方の違いが明確になった点を挙げおいる。し

かし、メンバヌに支揎斜蚭の職員がいたこずによっおあ

えお語られなかったこずがあったこずを、その埌の個別

むンタビュヌで芋出し、メンバヌ構成による限界ずしお

指摘した。グルヌプむンタノュヌにおいおは、メンバヌ

間の察話が重芖されるため、メンバヌの遞出が重芁ずな

る。本研究においおは、日垞の友人関係を尊重するため、

モデレヌタヌも友人である孊生が務めた。このこずから、

本研究の調査方法は、ピア・グルヌプむンタノュヌずし

た。なお、モデレヌタヌずなる倧孊生に察しおは、本む

ンタノュヌぞむけお、研究方法や進め方に぀いお十党な

準備トレヌニングが行われた。 むンタノュヌは、公立倧孊 3 幎生の友人グルヌプを察

象ずしお、モデレヌタヌ1 名の他、45 名の参加者によ

っお実斜された。ここで分析察象ずしたむンタノュヌ事

䟋は、すべお女子孊生を察象ずしたものであった。本論

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎 倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み

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Page 4: How do they give meaning for being a university student

高校が進孊校やず。

あヌヌヌ

働くっおなかったよな。

みんなうん、なかった。

そもそも倧孊行くのが圓たり前ず思っおたからな。

Mo.進孊が圓たり前みたいな。

そうそう、倧孊の先に仕事があるみたいな。

そうそう、流れ的にな。

高校行くのず同じで倧孊来たっお感じ。

みんなそうそうそうそう。

それが矩務教育よな、党郚入れお。

たたこの傟向は、志望校の遞択においおも芋られた。

自らの孊びたい内容や将来の展望に応じお倧孊、孊郚や

孊科を遞択するずいうよりも、囜公立か私孊かで分類さ

れおおり、「私立に行くのは栌奜悪い」ずいう孊校文化の

なかでは、囜公立ぞの進孊しか遞択肢ずしお準備されお

いなかったず認識しおいたようである。 デヌタ倧孊の遞択に぀いおの語り①

Mo.も掚薊かな

そう。私も。たあ孊校が、私英数クラスっおいうクラスで、そんでそのク

ラスの底蟺やけど䞀応入っずっお。なんかずりあえず、私立に行くのは栌

奜悪いっお感じで。やからなんずしおでも囜公立入ろうっおなったずきに、

埳島倧行こうず思っずったんやけどそれはセンタヌに点取れそうにないっ

お先生に蚀われお、やったら掚薊でどこ行けるやろうっおなったずきに、

県倧ず、えっずどこやったかな・・・郜留文郜留文科倧孊ずどっちがい

いっお蚀われお。でも郜留文お山梚やが。で、兵庫県やしっおこずでこっ

ちになっお。

Mo.そうなんや。じゃあもも先生が道を瀺しおくれお、それで遞択しおい

った感じ

うん、そう、やなあ。

うん。芪には特に䜕も蚀われるこずなく。

でも私めっちゃ止められたけどね。お母さんはただ別に行きたいなら

良いんやないっお蚀っおくれおたんやけど、もう、おばあちゃんが絶察あ

かんっお蚀われお。もう埳島で、四囜倧孊でもええから埳島でおれっお

蚀われお。そこはほんたにずっず蚱しおくれんかっお。ほんたに泣きながら

先生に盞談んしたこずもある。

党員あヌそうなんやヌ。

でも、私もおばあちゃんの蚀うずおりにもしたかったし、でも囜公立行か

ないかんし、で、もヌ。苊しかった時期やな。

Mo.そうかヌ苊しかったなあ。

そうやそんな感じや。

デヌタ倧孊の遞択に぀いおの語り②

たず、関西圏の倧孊に行きたかったのず、あず、んヌ、絶察囜公立に

行きたいのがあっお、それは資金面もやし、なんか高校の雰囲気的にも

囜公立が掚されおたから、行きたいっお思った。そんで、本圓にセンタヌ

で点が取れんかったのもあるし、正盎ここしか無かったっおいう、遞択肢

が狭かった、っおいうんがある。地元は絶察離れたかったしなヌ。

Moそうかヌ。

あ、でも地元を離れたから分かる地元の良さずか分かるし。

Mo.そうやんな。じゃあ公立にしたのは資金面・・・

うん、そうやなヌ。もやし、䞖の䞭は私立の方が倚いし、それに埋もれ

たくなかった、っおいうのじゃないけどヌ、なんか名の知れた私立やった

らええけど、たあ行くにしおもそんなええ私立行けんし、しかも囜公立っおな

ったら「お」っおなるしヌ。

Mo.ああ、そうやな、ブランド感ずいうか。

そう。なんか高校のそういう雰囲気の䞭できたから。

Mo.なるほどなヌ。囜公立が䞀番良い・・・みたいな

䞀番良いずいうかヌ、他に遞択肢が無かった。考えんかった。滑り止

め、っお感じ。

もちろん、結果ずしお公立校ぞの進孊を果たした孊生

たちによる意味づけであり、同じ高校からであっおも私

立校ぞ進孊しおいる孊生の意味づけずは異なるであろう。

しかし、圌らにずっお公立倧孊ぞ進孊した、ずいうこず

が自らの倧孊生ずしおのアむデンティティを支える倧き

な郚分であるず理解するこずができる。そしおそれは、

そのこずに䟡倀をおく環境である高校たでの文化のなか

で過ごしたこずが倧きく圱響しおいるこずは間違いない。 倧孊ぞの進孊、たた受隓倧孊の遞択においおも倧きく

圱響を受けおきたず考えられる孊校高校文化により、

みんなず同じ流れに乗りたいずいう欲求が匷く、掚薊入

詊で進孊を決めおしたったこずに察しおも、みんなが通

った道を共有したいず感じ、センタヌ詊隓を受けおいな

いこずで流れから倖れおしたったずさえ感じおいたよう

だ。 デヌタみんなず同じ流れに乗りたい

Bなんか、センタヌ詊隓受けたかっおん

A受けたかった

E受けたかったん

Dなんだず

A受けなくおいいよ

Bなんか、これたでずっず勉匷しおきたのに、掚薊枠で受かったから、な

んかみんなセンタヌ忙しかったずか蚀うお、みんなが乗り越えおきた道や

のに、自分通っおぞんから、「あ、通っおぞん」「あ、通っおぞんねや」み

執筆者は、教員であるずいう立堎䞊、むンタノュヌの堎

に同垭したが発蚀は控え、孊生同士の語り合いの堎の芳

察を行った。 むンタノュヌの実斜

• 方法ピア・グルヌプむンタノュヌ • 時間各グルヌプ玄1時間皋床 • 実斜時期2013幎1月から2月 • 堎所倧孊挔習宀 • 察象公立倧孊3幎生の友人グルヌプ

・グルヌプⅠ女5名女1 ・グルヌプⅡ女4名女1 ・グルヌプⅢ女4名女1 本むンタノュヌは、倧孊生がモデレヌタヌの圹割を担

っおおり、公立倧孊の倧孊生ずしおのアむデンティティ

を考える際に重芁ずなる話題を適時導入するこずによっ

お進められた。むンタノュヌにおいお、モデレヌタヌら

が導入した共通する話題は、䞻に次の䞉぀であった。

・倧孊生になっお倉わったこず これたでの孊校生掻ずの違い

・倧孊生であるこずのメリットずデメリット ・公立倧孊ず私立倧孊ずの違い 倧孊ぞ入孊埌、友人関係ずなったメンバヌであったた

めに、はじめに、参加者の出身地や高校たでの経隓に぀

いお簡単に語っおもらい、その埌は䌚話の流れに任せ、

モデレヌタヌが適時質問を差し挟んだり、発蚀を求めた

りするこずによっお進められた。 ピア・グルヌプむンタノュヌで埗られた発話は、参加

者の了承を埗お ICレコヌダヌで録音し、そこからトラン

スクリプト逐語蚘録を䜜成した。そのデヌタを読み

蟌み、過去の出来事に぀いおの蚀及ずその意味づけをひ

ずたずたりのナラティノずしお抜出し、ナラティノ・デ

ヌタずし、分析察象ずした。 次に、これらのピア・グルヌプむンタノュヌにおいお

語られたナラティノを分析し、3぀のグルヌプに共通しお

みられた点に぀いおの分析を詊みた。ずくに、それぞれ

のグルヌプでみられた参加メンバヌ盞互の察話における

掛け合いの堎面に着目した。そしおその語りの分析を通

しお、倧孊生自らが「倧孊生であるこず」をどのように

意味づけおいるのかを怜蚎しおみたい。

結果ず考察

各グルヌプにおいお芋られた語りを、テヌマのたず

たりごずに分類し、䜕が語られたのか、ずいう語りの

テヌマに着目するテヌマ分析を行った(Riessman, 2008)。グルヌプⅠでは23、グルヌプⅡでは13、グル

ヌプⅢでは11の語りテヌマのたずたりに分けられた。

これらの語りを倧きく倧孊に入る前ず入孊埌にわけ、

倧孊生になる/なったずきの語りに着目しお分析を詊みた。

たず、高校生掻や倧孊進孊決定においお、䜕がどのよう

に語られたのかに぀いお考察を詊みる。以䞋、発話の具

䜓䟋に぀いおは、その特城をよく瀺しおいるず思われる

ものを、各グルヌプより遞択した。 ●高校たでは、流れに乗っおきた 高校生のころの特城ずしお語られたこずは、高校たで

は「流れ」にのっおいただけで、䜕事も぀ねに「だれか」

に決められおきた、ずいうこずであった。高校生たでの

生掻においおは、自らが行為䞻䜓ずしおの意思決定をし

たずいう経隓が欠劂しおいたこずがすべおのグルヌプに

おける語りにおいお匷調されおいた。高校に共通する文

化的颚土ずしお、進孊が「圓たり前」であり、倧孊進孊

は「矩務教育」のようなものずしお䜍眮づけられおいた

ようである。調査を行った公立倧孊の孊生の特城ずしお、

倚くは進孊校ずいわれる高校を卒業した孊生が倚く進孊

しおくる。そのため、高校による倧孊進孊ぞの方向付け

が圌らの意思決定に倧きく圱響しおいたずいえよう。自

らが遞択しおきたずいうよりもむしろ、圓たり前の流れ

にのっおきた、ずいうのである。 デヌタ倧孊進孊はあたりたえ

そもそもずっずお母さんに、倧孊は楜やで緩いでっお蚀われずっ

お、だから倧孊生なりみたいな。䞭孊の時から高校のこずより倧

孊のこず蚀われずっお、いい倧孊行ったらめちゃ遊べるから良い

倧孊行きみたいな。そのために良い高校行けっお蚀われおた。

良い倧孊の基準は分からんけど、倧きい倧孊に行けば就職も

いいずこ行けるし、いろんな人ず関われるし、遊んでばっかりやで

っお蚀われずっお、早く倧孊生なりたいなっお思っずった。

Mo.みんな芪は倧卒なん

いや、おずんは専門。

うん䞀緒。

Mo.倧孊に行ったのは、自分の意思で来たやろうけど、芪から蚀われお

っおいうのもあるん

䜕も蚀われんかった。行きたくないんやったら、行かんでもいいし。

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎

 32 

Page 5: How do they give meaning for being a university student

高校が進孊校やず。

あヌヌヌ

働くっおなかったよな。

みんなうん、なかった。

そもそも倧孊行くのが圓たり前ず思っおたからな。

Mo.進孊が圓たり前みたいな。

そうそう、倧孊の先に仕事があるみたいな。

そうそう、流れ的にな。

高校行くのず同じで倧孊来たっお感じ。

みんなそうそうそうそう。

それが矩務教育よな、党郚入れお。

たたこの傟向は、志望校の遞択においおも芋られた。

自らの孊びたい内容や将来の展望に応じお倧孊、孊郚や

孊科を遞択するずいうよりも、囜公立か私孊かで分類さ

れおおり、「私立に行くのは栌奜悪い」ずいう孊校文化の

なかでは、囜公立ぞの進孊しか遞択肢ずしお準備されお

いなかったず認識しおいたようである。 デヌタ倧孊の遞択に぀いおの語り①

Mo.も掚薊かな

そう。私も。たあ孊校が、私英数クラスっおいうクラスで、そんでそのク

ラスの底蟺やけど䞀応入っずっお。なんかずりあえず、私立に行くのは栌

奜悪いっお感じで。やからなんずしおでも囜公立入ろうっおなったずきに、

埳島倧行こうず思っずったんやけどそれはセンタヌに点取れそうにないっ

お先生に蚀われお、やったら掚薊でどこ行けるやろうっおなったずきに、

県倧ず、えっずどこやったかな・・・郜留文郜留文科倧孊ずどっちがい

いっお蚀われお。でも郜留文お山梚やが。で、兵庫県やしっおこずでこっ

ちになっお。

Mo.そうなんや。じゃあもも先生が道を瀺しおくれお、それで遞択しおい

った感じ

うん、そう、やなあ。

うん。芪には特に䜕も蚀われるこずなく。

でも私めっちゃ止められたけどね。お母さんはただ別に行きたいなら

良いんやないっお蚀っおくれおたんやけど、もう、おばあちゃんが絶察あ

かんっお蚀われお。もう埳島で、四囜倧孊でもええから埳島でおれっお

蚀われお。そこはほんたにずっず蚱しおくれんかっお。ほんたに泣きながら

先生に盞談んしたこずもある。

党員あヌそうなんやヌ。

でも、私もおばあちゃんの蚀うずおりにもしたかったし、でも囜公立行か

ないかんし、で、もヌ。苊しかった時期やな。

Mo.そうかヌ苊しかったなあ。

そうやそんな感じや。

デヌタ倧孊の遞択に぀いおの語り②

たず、関西圏の倧孊に行きたかったのず、あず、んヌ、絶察囜公立に

行きたいのがあっお、それは資金面もやし、なんか高校の雰囲気的にも

囜公立が掚されおたから、行きたいっお思った。そんで、本圓にセンタヌ

で点が取れんかったのもあるし、正盎ここしか無かったっおいう、遞択肢

が狭かった、っおいうんがある。地元は絶察離れたかったしなヌ。

Moそうかヌ。

あ、でも地元を離れたから分かる地元の良さずか分かるし。

Mo.そうやんな。じゃあ公立にしたのは資金面・・・

うん、そうやなヌ。もやし、䞖の䞭は私立の方が倚いし、それに埋もれ

たくなかった、っおいうのじゃないけどヌ、なんか名の知れた私立やった

らええけど、たあ行くにしおもそんなええ私立行けんし、しかも囜公立っおな

ったら「お」っおなるしヌ。

Mo.ああ、そうやな、ブランド感ずいうか。

そう。なんか高校のそういう雰囲気の䞭できたから。

Mo.なるほどなヌ。囜公立が䞀番良い・・・みたいな

䞀番良いずいうかヌ、他に遞択肢が無かった。考えんかった。滑り止

め、っお感じ。

もちろん、結果ずしお公立校ぞの進孊を果たした孊生

たちによる意味づけであり、同じ高校からであっおも私

立校ぞ進孊しおいる孊生の意味づけずは異なるであろう。

しかし、圌らにずっお公立倧孊ぞ進孊した、ずいうこず

が自らの倧孊生ずしおのアむデンティティを支える倧き

な郚分であるず理解するこずができる。そしおそれは、

そのこずに䟡倀をおく環境である高校たでの文化のなか

で過ごしたこずが倧きく圱響しおいるこずは間違いない。 倧孊ぞの進孊、たた受隓倧孊の遞択においおも倧きく

圱響を受けおきたず考えられる孊校高校文化により、

みんなず同じ流れに乗りたいずいう欲求が匷く、掚薊入

詊で進孊を決めおしたったこずに察しおも、みんなが通

った道を共有したいず感じ、センタヌ詊隓を受けおいな

いこずで流れから倖れおしたったずさえ感じおいたよう

だ。 デヌタみんなず同じ流れに乗りたい

Bなんか、センタヌ詊隓受けたかっおん

A受けたかった

E受けたかったん

Dなんだず

A受けなくおいいよ

Bなんか、これたでずっず勉匷しおきたのに、掚薊枠で受かったから、な

んかみんなセンタヌ忙しかったずか蚀うお、みんなが乗り越えおきた道や

のに、自分通っおぞんから、「あ、通っおぞん」「あ、通っおぞんねや」み

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎 倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み

 32   33 

Page 6: How do they give meaning for being a university student

誰かに蚀われお必死にやっずたのがなくなるずなんか 

たあそれがある意味自分の責任よな、やるのも自分、やらんのも自分




そこで頑匵れる人っおどんだけおるんやろっお思うけどな。今の段階で。

分からんけど、基本こんなんちゃん(笑)

うん、基本倧孊生こんなんやで。そん䞭ですごい人がちょくちょくおる。

Mo.やりたいこずを芋぀けおるっおこず

やりたいこず芋぀けお、あえお自分で茚の道を進むみたいな。

䞻導者がおらんよな。

そう。匕率しおくれる人がおらん。

:たあやりなさいっお蚀われんもんな。

もう自由っお感じ。

だから倧孊生っお感じ。

もちろん圌らは、これたで自ら遞択したこずがなく、

すべお蚀われたずおりにしおいたずいうわけではない。

その時々で、悩み、遞択しおきたはずだ。しかし、高校

たでの生掻を振り返り、今過ごしおいる倧孊での生掻ず

を比范するずき、ずりわけ責任ある行為䞻䜓ずなるこず

が倧孊生であるこずを自芚する倧きな芁玠ずなったよう

だ。それは、自由であるずはいえ責任を䌎う苊しいこず

でもあるが、そのただなかにいるこずこそが、圌らにず

っお倧孊生である、ずいうこずなのだずいうこずを意味

する。どこに目暙をおいお生掻するかずいうこずはした

がっお倧孊生ずしおの自分を意味づけるうえで、倧切な

トピックである。 倧孊生になり、自らの䞻䜓性をいかに䜍眮づけるかず

いう問題に盎面するこずになったが、このこずは、高校

たでの圌らの圚り方がたったく倉わっおしたったこずを

意味するものではない。䟝然、「䞻導者」を求める䞀面も

ある。たた、圌らの倧孊生ずしおのアむデンティティ・

クレむムずしお、次のような語りがみられた。 デヌタ䞍真面目では公立には来られない

Cあず倚分、公立よりはぶっずんでる子の割合が倚いみたいなそんな感

じがある

Aああヌ

C芋た目的にも䞭身的にも。

Mo.慣れでそうなる

Cわからぞん。ぶっずんでる子しか私立に入れぞんみたいなんがある

のかもしれぞんけど

Dそうなんかな

Cいや、わからぞんけど

Bえ、でも結構ちゃんずしずる子倚いから

Cうん、ちゃんずしずる子は倚いんやけど、え、だからなんおいうんあん

たり成瞟良くなくおさ、倧孊には行こうみたいな人も私立には入るわけや

んか。たあ有名私立には入れぞんけど

Mo.公立ダメで、行く子もおるからね

C高校の私立は賢いず思う、たあ、あんたり賢くないずころもあるけど

Aそうやな

C倧孊も、そう、ぎんきりやな。囜立に来ようっおいう時点ですごいからな。

あんたり䞍真面目なこは来られぞん、ずは思う。

Aうん、確かに

Mo.なんか、倧孊どこっお聞かれお公立やっお蚀ったら賢っお蚀わ

れる

Eそれは、ある

Cちょっず、ちょっず埅ったほうがいいな。そんなこず、無いず思うみたいな

Mo.それ蚀われるたび「ん」おなる

Bでも䞀番バカなずこやでっお蚀っずる

Cそうや。

Mo.なんで䞋げおんねん

Bでもそれで関西の子は笑っおくれるけど、関東の子は笑わぞん

C地域の差は倧きいな

Aナヌモアがね

察象者が圚籍する倧孊は公立校であるこずから、それ

ずは異なる倧孊の圢態ずしお私立校に぀いおの語りがあ

り、その違いのむメヌゞにおいお、自らの公立倧孊

の倧孊生ずしおのクレむムがみられたずいえる。それは、

倧孊によっおもちろん違いはあるものの、公立倧孊ぞ通

っおいる自分たちは「たじめ」であるずの䜍眮づけであ

り、そのこずが偏差倀の高さずは盎接関係がないずしお

も、公立校ぞ通っおいる自らのアむデンティティを支え

るものずしお機胜しおいるず考えられる。 囜公立を目指し、いた、公立倧孊の倧孊生であるこず

は、圌らにずっおは倧きな意味を持぀䞀方で、いわゆる

有名囜立倧孊ずは異なるこずを考えれば、䞖間䞀般でど

のように認識されるかは気になるずころであろう。その

こずが、誇りであり、たた同時にそれほど誇れるもので

もないずいう、盞反する意味づけのゞレンマのなかで、

同じ倧孊に属する友人たちがその䜍眮づけの探り合いを

しおいる様子がわかる。たたこのようなゞレンマは、高

校たでで支配的であった囜公立倧孊ぞの進孊が圌らの䟡

倀芳ずしお倧きな圱響力を持ち続けおいるこず、しかし

それが揺らぎ、転換しようずしおいるこずの衚れずみる

こずができるのかもしれない。公立倧孊の孊生であるこ

ずが、卒業埌過去の出来事ずなり、改めお意味づけられ

るずきに、その意味づけも倉化しおいくのであろう。

たいな感じで

A若干疎倖感がある

Bそう

Mo.寂しいな

B解いたけどな、家で、新聞で

Aああヌ、偉いな

たずえそれが、狭い䟡倀芳の枠組みであったずしおも、

圌らにずっおはずおも倧きな意味を持ち、そこで共有さ

れおいる「圓たり前」の文化は、わたしの成り立ち

に倧きく圱響しおいるこずがうかがえる。これらの語り

は、倧孊進孊における遞択、たた決定の責任䞻䜓は本人

にはなく、他者孊校の文化や教垫にゆだねられおい

たず圓人たちが認識しおいるこずを瀺すものであった。

そしおそのこずは、高校たでの自分のありようず珟圚倧

孊生ずしおの自分を芋぀める時の倧きな違いずしお語ら

れた。 次に、倧孊生ずなっおみお、みえおきたこず、わかっ

おきたこずに関する語りを分析する。 ●倧孊は自由だけど、責任もある 高校たでは、誰かに䞎えられたこずをこなすこずに忙

しく、そのこずが充実感を䞎えおくれおいたが、倧孊は

それたでずは倧きく異なっおいたようだ。䞎えられる宿

題や定期テストは、いやなものではあったが、目暙蚭定

を容易にしおくれるものでもあった。しかし倧孊でのテ

ストや授業は、そういった匷制がないのず匕き換えに、

充実感を䞎えおくれるものでもなくなっおしたった。真

剣に取り組むべきものは、もはや䞎えられるものではな

く、自らが遞択し、蚭定しなければならなくなった。そ

うしなければ、充実感を埗るこずができないのだ。 デヌタ倧孊では、自分で目暙を芋぀けなければなら

ない

Mo.・・高校のずきっお䜕で充実しずった

宿題

うん、宿題。䞎えられたもので、それをこなすので粟いっぱいやった。

やけん、充実ずいうか、そういうこずを考えるこずも、、

Mo.忙しかったよなあ。




もうそんずきは宿題なんかいやじゃヌみたいなやったけど、、

高校のずきは定期テストずかがあったから目暙蚭定がすごくしやすか

ったんやけど、倧孊生になるず、テストっおいっおも埮劙なテストやし、点

数ずか順䜍ずか匵り出されるわけでもなく、結果に察するフィヌドバックも

無い状態で、、なんかなあ。そのヌ・・高校時代のようにこれに向かっお

頑匵ろうっおいうのは、自䞻的に蚭定しないず真剣になれるものっおいう

のが、充実感を埗られるもんが無いんやず思う。

Mo.自分でやっおいかないかんな。逆に、なんもせんかったらなんもせ

んでええもんな。

そう。誰もなんも蚀わんし。

うん。

Mo.でもやっぱ皆䜕かを芋぀けおやろうっお気持ちがあったんや。みんな、

真面目なんや

うんそうやな(笑)

党員(笑)

Mo.やっぱあれやんな。このたたではいかんずいう焊りずか、

そうそうそうそう。

Mo.心配ずか、将来のこずずか、皆、真面目なんやわたぶん・いい子が

倚いず思うな、この倧孊。

これたでのように、誰かが目暙を蚭定しおくれるわけ

ではない倧孊では、自らがそれを芋぀け、蚭定しなけれ

ばならない。これたで先生や芪が担っおくれおいた䞻導

者、匕率者の䞍圚は、圌らを自らの人生における行為䞻

䜓にしおいくのだろうか。これたでのようにはだれも目

暙や課題を䞎えおくれなくなり、自らがはじめお自分の

道を探り始めたこず、それが倧孊生である、ず圌らには

感じられおいるようだ。䞎えられた課題をこなしおきた

高校たでずは異なり、自らの責任においお、䜕を遞択す

るのかが迫られおいる、それが倧孊生を倧孊生である、

ず認識させおいる。 デヌタ倧孊は目暙がはっきりせず、ひっぱっおくれ

るひずがいない

Mo.高校よりは勉匷ができお、芖野が広がっお、自分の意思を自由や

からこそ持おるようになったず。

経隓も色んな経隓できるようになったしな、瞛りがない分。

就掻がさ、やっぱり感じるやん倧孊に入ったら。やからしっかりせなあ

かんなずは思うけどな。

倧孊入っおデメリットが、なんかだらけおたうずいうか、もうちょっず危機

感を持ちながら生掻したい、目暙ずか、なんやろ なんか物足

りんひんなっおなったり。もっず打ち蟌めるこずが、たあ探さんのが

悪いんやけど 

今たでがだっおがヌっおやっおきずうもんな。私だっおそんなに、高校

受隓でがヌっずやったのはあるけど、そんな 

私今の方が忙しいから。

Mo.人によっお違うな。

これやらなあかんおいうのがない。別にやらんくおも自分の責任やし。

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎

 34 

Page 7: How do they give meaning for being a university student

誰かに蚀われお必死にやっずたのがなくなるずなんか 

たあそれがある意味自分の責任よな、やるのも自分、やらんのも自分




そこで頑匵れる人っおどんだけおるんやろっお思うけどな。今の段階で。

分からんけど、基本こんなんちゃん(笑)

うん、基本倧孊生こんなんやで。そん䞭ですごい人がちょくちょくおる。

Mo.やりたいこずを芋぀けおるっおこず

やりたいこず芋぀けお、あえお自分で茚の道を進むみたいな。

䞻導者がおらんよな。

そう。匕率しおくれる人がおらん。

:たあやりなさいっお蚀われんもんな。

もう自由っお感じ。

だから倧孊生っお感じ。

もちろん圌らは、これたで自ら遞択したこずがなく、

すべお蚀われたずおりにしおいたずいうわけではない。

その時々で、悩み、遞択しおきたはずだ。しかし、高校

たでの生掻を振り返り、今過ごしおいる倧孊での生掻ず

を比范するずき、ずりわけ責任ある行為䞻䜓ずなるこず

が倧孊生であるこずを自芚する倧きな芁玠ずなったよう

だ。それは、自由であるずはいえ責任を䌎う苊しいこず

でもあるが、そのただなかにいるこずこそが、圌らにず

っお倧孊生である、ずいうこずなのだずいうこずを意味

する。どこに目暙をおいお生掻するかずいうこずはした

がっお倧孊生ずしおの自分を意味づけるうえで、倧切な

トピックである。 倧孊生になり、自らの䞻䜓性をいかに䜍眮づけるかず

いう問題に盎面するこずになったが、このこずは、高校

たでの圌らの圚り方がたったく倉わっおしたったこずを

意味するものではない。䟝然、「䞻導者」を求める䞀面も

ある。たた、圌らの倧孊生ずしおのアむデンティティ・

クレむムずしお、次のような語りがみられた。 デヌタ䞍真面目では公立には来られない

Cあず倚分、公立よりはぶっずんでる子の割合が倚いみたいなそんな感

じがある

Aああヌ

C芋た目的にも䞭身的にも。

Mo.慣れでそうなる

Cわからぞん。ぶっずんでる子しか私立に入れぞんみたいなんがある

のかもしれぞんけど

Dそうなんかな

Cいや、わからぞんけど

Bえ、でも結構ちゃんずしずる子倚いから

Cうん、ちゃんずしずる子は倚いんやけど、え、だからなんおいうんあん

たり成瞟良くなくおさ、倧孊には行こうみたいな人も私立には入るわけや

んか。たあ有名私立には入れぞんけど

Mo.公立ダメで、行く子もおるからね

C高校の私立は賢いず思う、たあ、あんたり賢くないずころもあるけど

Aそうやな

C倧孊も、そう、ぎんきりやな。囜立に来ようっおいう時点ですごいからな。

あんたり䞍真面目なこは来られぞん、ずは思う。

Aうん、確かに

Mo.なんか、倧孊どこっお聞かれお公立やっお蚀ったら賢っお蚀わ

れる

Eそれは、ある

Cちょっず、ちょっず埅ったほうがいいな。そんなこず、無いず思うみたいな

Mo.それ蚀われるたび「ん」おなる

Bでも䞀番バカなずこやでっお蚀っずる

Cそうや。

Mo.なんで䞋げおんねん

Bでもそれで関西の子は笑っおくれるけど、関東の子は笑わぞん

C地域の差は倧きいな

Aナヌモアがね

察象者が圚籍する倧孊は公立校であるこずから、それ

ずは異なる倧孊の圢態ずしお私立校に぀いおの語りがあ

り、その違いのむメヌゞにおいお、自らの公立倧孊

の倧孊生ずしおのクレむムがみられたずいえる。それは、

倧孊によっおもちろん違いはあるものの、公立倧孊ぞ通

っおいる自分たちは「たじめ」であるずの䜍眮づけであ

り、そのこずが偏差倀の高さずは盎接関係がないずしお

も、公立校ぞ通っおいる自らのアむデンティティを支え

るものずしお機胜しおいるず考えられる。 囜公立を目指し、いた、公立倧孊の倧孊生であるこず

は、圌らにずっおは倧きな意味を持぀䞀方で、いわゆる

有名囜立倧孊ずは異なるこずを考えれば、䞖間䞀般でど

のように認識されるかは気になるずころであろう。その

こずが、誇りであり、たた同時にそれほど誇れるもので

もないずいう、盞反する意味づけのゞレンマのなかで、

同じ倧孊に属する友人たちがその䜍眮づけの探り合いを

しおいる様子がわかる。たたこのようなゞレンマは、高

校たでで支配的であった囜公立倧孊ぞの進孊が圌らの䟡

倀芳ずしお倧きな圱響力を持ち続けおいるこず、しかし

それが揺らぎ、転換しようずしおいるこずの衚れずみる

こずができるのかもしれない。公立倧孊の孊生であるこ

ずが、卒業埌過去の出来事ずなり、改めお意味づけられ

るずきに、その意味づけも倉化しおいくのであろう。

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎 倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み

 34   35 

Page 8: How do they give meaning for being a university student

ながらも、孊倖でのサヌクルやアルバむトなどの掻動に

も幅広く取り組んでいる孊生の適応感がもっずも高いず

いう新たな倧孊生像が芋出され぀぀ある。したがっお、

倧孊生掻の過ごし方ずその成長をみる際には、倧孊での

過ごし方のみならず、倧孊倖での掻動や孊びも充実させ

るこずができるような倧孊のありようが今埌求められる

のではないかずいう指摘もなされおいる溝䞊, 2009。䞎えられるこずで充実しおいた高校生掻から、倧孊での

新たなアむデンティティを暡玢するずき、自らの茚の道

を芋぀けられなければ、せめお倚様な掻動ぞ参画するこ

ずによっお、忙しさによる疑䌌充実感を埗るこずが、

珟代の倧孊生の「倧孊生」ずしおの過ごし方なのかもし

れない。 ただし、自らの䟡倀芳、関心に基づき、孊びや諞掻動

に䞻䜓的に取り組たなければならないずする倧孊生の認

識は、圌ら自らの䞻䜓性が求められおいるずいう認識、

䞻䜓的であらなければならないずいう瀟䌚からの芁請を

受けたものずしお䟡倀づけられおいるのであり、環境ぞ

の適応に察しお珟圚の倧孊生が感じおいるのは、䞻䜓的

であれずいうメッセヌゞに他ならない。そのメッセヌゞ

に応えようず努力するこずも、ある意味適応的態床ずい

える。明確な倖からのメッセヌゞは瀺されなくなったの

かもしれないが、圌らは暗黙のうちに発せられるメッセ

ヌゞを敏感に感じ取り、倧孊や孊倖の倚様な掻動ぞ参加

し、充実した生掻を求めお適応しようずおいる。それは、

䞎えられた䟡倀芳ぞの無条件の適応から、自らの芋出し

た䟡倀ある茚の道ぞず続いおいるようだ。 就職掻動においお求められる履歎曞にも、倧孊生掻に

おいお取り組んだこずを蚘入する欄が耇数蚭けられおい

たり、努力したこずを 5 ぀あげおください、ず面接で尋

ねられるずいう。぀たり、卒業埌に進んでいく瀟䌚は倧

孊時代に孊業以倖の倚様な掻動に取り組んでいるこずを

良し、あるいは圓然ずしおおり、たたそれを孊生に求め

おいる。これは、溝䞊(2009)にあるように、倚様で幅広

い経隓を積んだ孊生のほうが成長がみられるずいう、新

たな倧孊生像に根差すものであるのか、あるいは、䌁業

が倚様な掻動を求めるため、それに応じられるこずが倧

孊生の充実感や成長できた、ずいう感芚に぀ながっおい

るのか。この点も、怜蚎しおいくこずが必芁であろう。 90 幎代の瀟䌚の心理孊化を指摘した斎藀(2003)は、そ

れに続くコミュニケヌション偏重䞻矩によっおアむデン

ティティの課題は、キャラ獲埗ず維持の問題ぞず倉遷し

おいるず分析する(æ–Žè—€, 2013)。コミュニケヌション偏重

䞻矩ずは、「か぀おは高く評䟡された「勉匷ができる」「絵

がうたい」「文才がある」ずいった才胜は、いたや察人評

䟡においおはほずんど意味をなさなくなり぀぀ある」の

であり、代わっお「察人評䟡は、ほがコミュニケヌショ

ン・スキルの巧拙によっおのみ決定づけられる」こずを

指す。コミュニケヌション胜力が高く、どのような堎に

おいおも自らの「キャラ」を獲埗し、維持するこずがで

きるこずが求められる胜力であるずするならば、䞀぀の

こずに打ち蟌むこずよりも、さたざたな掻動に関わり、

それぞれの堎においおそれなりにうたくやっおいくこず

ができる胜力こそが、人間関係、瀟䌚関係においお求め

られおいるのだず、倧孊生は気が぀いおいるのかもしれ

ない。それ故に、孊倖にも掻動の幅を広げ、バランスよ

く察人関係を維持するこずが圌らの掻動動機を支えおい

るのかもしれない。したがっお孊倖での掻動に぀いおも

考慮に入れながら、むンタノュヌを組む必芁があるだろ

う。 最埌に、倧倉(2014)は、ナラティノによるアむデンテ

ィティ研究の圚り方に察し、語られないものの䜍眮づけ

方に察する疑問を呈しおおり、ナラティノ・アプロヌチ

の研究者のなかにも、物語が事実に基づいおいるかどう

かを問わない立堎から、圓然それに即しおいるずする立

堎たでの違いがあり、その定矩があいたいなたたである

ず指摘する。そしお、語られないものも含め、語りから

こがれ萜ちるものを調査者自身が内省・蚀語化しおいく

方法ずしお「語り合い法」を提唱しおいる。確かに、ナ

ラティノ研究は、ずもするず語られたもののみを分析の

察象ずし、語られないもの、語りえないものをどのよう

に䜍眮づけるかを論じないできたかもしれない。しかし

ナラティノを、そのずき、その堎における実践ずしおず

らえ、分析を詊みるずき、発話者ず聞き手、双方の語り

合いが分析の察象ずなるのであり、今回のようなグルヌ

プにおける語りを分析の察象ずするこずにより、それぞ

れの立堎からの発蚀がぶ぀かり合い重なり合うなかで、

語りが次第に構成されおいく様子を分析するこずも可胜

になるのではないだろうか。そこにさらに調査者の分析

が加わるこずで、語られないものを分析察象ずしおいく

こずも考えられる。友人関係のなかでのアむデンティテ

ィ・クレむムを分析可胜ずするピア・グルヌプむンタノ

ュヌは、他者ずの関係のなかで盞互構築されおいくアむ

デンティティ・クレむムを怜蚎する際には有甚である。

もちろん、いたを生きる倧孊生の語りのなかに圌らが远

求しようずしおいるものを芋出すようなさらなる研究の

工倫を重ねおいくこずも必芁であろう。

総合考察

今回のピア・グルヌプむンタノュヌにおいおは、高校

たでの経隓は䞻に受動的であった自分を語るものであり、

そこから倧孊生になった今、行為䞻䜓であらなければな

らないずいう芁請に応じようず努力・葛藀しおいる倧孊

生の様子がみられた。 倧孊生ずしおの語りは、倧孊生になる前の自分、ずり

わけ高校たでの自分自身の圚り方ずの差異においお語ら

れた。高校生掻においおは、䞻䜓的遞択をおこなうので

はなく、勉匷や郚掻動など䞀生懞呜に取り組んでいたの

は自分自身であったずしおも、それに向かう動機を支え

おいたのは、぀ねにそれを䞎える「誰か」の存圚であっ

たず語られた。぀たり、ひず぀ひず぀の行動を行っおい

たのは自らであるこずに違いはないが、それは行為䞻䜓

ずしお遞び取ったずいうよりは、そうするこずになっお

いる、ずいう「流れ」にのっおいたずいうこずになる。

もちろん、その流れに乗るかどうかを決定する䞻䜓であ

ったずもいえるが、むンタノュヌのなかでは、語り手た

ちの受動的な自らの䜍眮づけがなされおいた。 高校たでずは異なり、䞻䜓的に自らの道を遞び取らな

ければならないず感じおいる圌らは、どのようにその道

を芋出せばよいのか、戞惑っおいた。これたでの頑匵っ

おきた自分を肯定し぀぀、しかしその頑匵る察象は䞎え

られおきたものであった。䞎えられた課題を忙しくこな

すこずによっお埗られおいた充実感は、課題を䞎えられ

なければ、向かうべき方向を倱っおしたう。その目暙を

䞎えおくれる人がいなくなったこずによっお、自ら目暙

を蚭定し、頑匵らなければ望んでいる充実感は埗るこず

ができない。高校生の頃ずは異なる立堎におかれたこず

により、倉わらなければならない自分、倉化を求められ、

たた自らも求めおいるこずを共有し぀぀も、それがなに

であるのかがただ芋いだせおいない。このような語りの

なかに、「倧孊では自ら䞻䜓的に孊び、掻動しなければな

らない」ず倧孊生掻にた぀わっお流垃しおいる蚀説ぞの

応答を感じるこずもできる。「䞻䜓的であれ」ずいう芁請

に、なんずか応えようずしおいるのである。 ただしこのような状況は、みんなおなじであり、たい

おいはこのような状況ではがんばれない、぀たり目暙が

芋出せず立ち止たった状況にある自分の倧孊生ずしおの

過ごし方は䞀般的なものであり、普通である、ずし぀぀

も、䞀方でそんななかでも「すごいひずがちょくちょく

おる」のであり、みんなが同じように目暙が芋぀けられ

ないたた充実感を埗られない状況であるわけではないこ

ずが指摘されるデヌタ5。自分で自分の道を芋぀ける

こず、たたそこぞ進んでいくこずは、「茚の道」であり、

なかなか螏み蟌めるものではない。しかし、自らの進む

べき道を探し出し、歩んでいくこずが倧孊生ずしお求め

られおいるこずである。そのこずを認識し぀぀もやはり

困難であるため、ただ今もどこかで「䞻導者」、「匕率者」

を求めおいる珟状にあるずいう葛藀ゞレンマがむン

タノュヌでは瀺された。そしおそのような状況であるこ

ずが、たさに圌女たちにずっお「倧孊生っお感じ」を意

味するのであった。 充実した倧孊生掻を送るためには、これたでのように

誰かに目暙や課題を決めおもらわなければみいだせない、

決めおほしい、ず考える半面、決められるのではなく自

分で探し芋出すのが倧孊生であるずするゞレンマ、たた

自らの道を芋出すこずは茚の道をゆくこずであり、自ら

の進む道が芋぀かるずよいが、茚の道を行きたいずいう

わけではないずいうゞレンマ、そういったゞレンマのな

かで倧孊生はいた「倧孊生である」珟実を生きおいるの

であろう。高校生のころたでの充実は、課題に远われ、

忙しくしおいたこずによっお埗られた充実しおいるず感

じられおいたのかもしれないず考え぀぀も、珟圚もさた

ざたな予定を詰め蟌み、忙しくするこずで充実感を埗よ

うずしおいる自分がいる。これが倧孊生ずしおのゞレン

マにみるアむデンティティのありようずいえるのであろ

う。高校たでの受け身の孊び手ずしおの䜍眮づけから、

倧孊に入った途端、孊びの積極的䞻䜓であるこずが求め

られる。ここも高校から倧孊ぞの接続においお、スムヌ

ズなサポヌトが求められる点でもあろう。珟状においお

倧孊生ずなった者たちが、どのようなかたちでこのゞレ

ンマず盎面しおいるのか、たたそのタむプ分類や接続に

おいお求められる支揎のニヌズに぀いおも今埌調査しお

いく必芁があるだろう。 溝䞊(2010)は、『孊生の消費生掻に関する実態調査』の

結果を参照し、その内実ず解釈には泚意しなければなら

ないずし぀぀も、1990幎代埌半以降、か぀おの勉匷しな

い倧孊生像は払しょくされ、倧孊生は「たじめに」倧孊

ぞ通い、勉匷する勉孊志向ぞず倉化しおきおいるず分析

する。その䞀方で、倧孊の高校化ず揶揄されるように、

倧孊においおも指瀺を埅ち、蚀われたこずのみをそ぀な

くこなす孊生が増えおいるこずを嘆く教員も少なくない。

圓の倧孊生たちは、自分自身のやりたいこずをみ぀け、

その道を進たなければならないず頑匵っおいる。倧孊生

にずっお倧孊生掻ぞの適応は、倧孊での孊びをおろそか

にし、孊倖での掻動に熱䞭するこずによっお埗られるも

のではもちろんなく、かずいっお倧孊での勉匷だけに熱

䞭しおえられるわけでもない。倧孊での孊習を充実させ

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎

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Page 9: How do they give meaning for being a university student

ながらも、孊倖でのサヌクルやアルバむトなどの掻動に

も幅広く取り組んでいる孊生の適応感がもっずも高いず

いう新たな倧孊生像が芋出され぀぀ある。したがっお、

倧孊生掻の過ごし方ずその成長をみる際には、倧孊での

過ごし方のみならず、倧孊倖での掻動や孊びも充実させ

るこずができるような倧孊のありようが今埌求められる

のではないかずいう指摘もなされおいる溝䞊, 2009。䞎えられるこずで充実しおいた高校生掻から、倧孊での

新たなアむデンティティを暡玢するずき、自らの茚の道

を芋぀けられなければ、せめお倚様な掻動ぞ参画するこ

ずによっお、忙しさによる疑䌌充実感を埗るこずが、

珟代の倧孊生の「倧孊生」ずしおの過ごし方なのかもし

れない。 ただし、自らの䟡倀芳、関心に基づき、孊びや諞掻動

に䞻䜓的に取り組たなければならないずする倧孊生の認

識は、圌ら自らの䞻䜓性が求められおいるずいう認識、

䞻䜓的であらなければならないずいう瀟䌚からの芁請を

受けたものずしお䟡倀づけられおいるのであり、環境ぞ

の適応に察しお珟圚の倧孊生が感じおいるのは、䞻䜓的

であれずいうメッセヌゞに他ならない。そのメッセヌゞ

に応えようず努力するこずも、ある意味適応的態床ずい

える。明確な倖からのメッセヌゞは瀺されなくなったの

かもしれないが、圌らは暗黙のうちに発せられるメッセ

ヌゞを敏感に感じ取り、倧孊や孊倖の倚様な掻動ぞ参加

し、充実した生掻を求めお適応しようずおいる。それは、

䞎えられた䟡倀芳ぞの無条件の適応から、自らの芋出し

た䟡倀ある茚の道ぞず続いおいるようだ。 就職掻動においお求められる履歎曞にも、倧孊生掻に

おいお取り組んだこずを蚘入する欄が耇数蚭けられおい

たり、努力したこずを 5 ぀あげおください、ず面接で尋

ねられるずいう。぀たり、卒業埌に進んでいく瀟䌚は倧

孊時代に孊業以倖の倚様な掻動に取り組んでいるこずを

良し、あるいは圓然ずしおおり、たたそれを孊生に求め

おいる。これは、溝䞊(2009)にあるように、倚様で幅広

い経隓を積んだ孊生のほうが成長がみられるずいう、新

たな倧孊生像に根差すものであるのか、あるいは、䌁業

が倚様な掻動を求めるため、それに応じられるこずが倧

孊生の充実感や成長できた、ずいう感芚に぀ながっおい

るのか。この点も、怜蚎しおいくこずが必芁であろう。 90 幎代の瀟䌚の心理孊化を指摘した斎藀(2003)は、そ

れに続くコミュニケヌション偏重䞻矩によっおアむデン

ティティの課題は、キャラ獲埗ず維持の問題ぞず倉遷し

おいるず分析する(æ–Žè—€, 2013)。コミュニケヌション偏重

䞻矩ずは、「か぀おは高く評䟡された「勉匷ができる」「絵

がうたい」「文才がある」ずいった才胜は、いたや察人評

䟡においおはほずんど意味をなさなくなり぀぀ある」の

であり、代わっお「察人評䟡は、ほがコミュニケヌショ

ン・スキルの巧拙によっおのみ決定づけられる」こずを

指す。コミュニケヌション胜力が高く、どのような堎に

おいおも自らの「キャラ」を獲埗し、維持するこずがで

きるこずが求められる胜力であるずするならば、䞀぀の

こずに打ち蟌むこずよりも、さたざたな掻動に関わり、

それぞれの堎においおそれなりにうたくやっおいくこず

ができる胜力こそが、人間関係、瀟䌚関係においお求め

られおいるのだず、倧孊生は気が぀いおいるのかもしれ

ない。それ故に、孊倖にも掻動の幅を広げ、バランスよ

く察人関係を維持するこずが圌らの掻動動機を支えおい

るのかもしれない。したがっお孊倖での掻動に぀いおも

考慮に入れながら、むンタノュヌを組む必芁があるだろ

う。 最埌に、倧倉(2014)は、ナラティノによるアむデンテ

ィティ研究の圚り方に察し、語られないものの䜍眮づけ

方に察する疑問を呈しおおり、ナラティノ・アプロヌチ

の研究者のなかにも、物語が事実に基づいおいるかどう

かを問わない立堎から、圓然それに即しおいるずする立

堎たでの違いがあり、その定矩があいたいなたたである

ず指摘する。そしお、語られないものも含め、語りから

こがれ萜ちるものを調査者自身が内省・蚀語化しおいく

方法ずしお「語り合い法」を提唱しおいる。確かに、ナ

ラティノ研究は、ずもするず語られたもののみを分析の

察象ずし、語られないもの、語りえないものをどのよう

に䜍眮づけるかを論じないできたかもしれない。しかし

ナラティノを、そのずき、その堎における実践ずしおず

らえ、分析を詊みるずき、発話者ず聞き手、双方の語り

合いが分析の察象ずなるのであり、今回のようなグルヌ

プにおける語りを分析の察象ずするこずにより、それぞ

れの立堎からの発蚀がぶ぀かり合い重なり合うなかで、

語りが次第に構成されおいく様子を分析するこずも可胜

になるのではないだろうか。そこにさらに調査者の分析

が加わるこずで、語られないものを分析察象ずしおいく

こずも考えられる。友人関係のなかでのアむデンティテ

ィ・クレむムを分析可胜ずするピア・グルヌプむンタノ

ュヌは、他者ずの関係のなかで盞互構築されおいくアむ

デンティティ・クレむムを怜蚎する際には有甚である。

もちろん、いたを生きる倧孊生の語りのなかに圌らが远

求しようずしおいるものを芋出すようなさらなる研究の

工倫を重ねおいくこずも必芁であろう。

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17 号 2015 幎 倧孊生は自らが「倧孊生である」こずをどのように意味づけおいるのか ピア・グルヌプむンタノュヌによるナラティノ・アむデンティティ分析の詊み

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Page 10: How do they give meaning for being a university student

兵庫県立倧孊環境人間孊郚 研究報告第 17号

絊食斜蚭における HACCPに基づいた衛生管理 ―重芁管理点蚭定のための基瀎研究―

森井 沙衣子坂本 薫

人間環境郚門

Hygiene management based on HACCP at the food service facilities

Basic research for deciding on Critical Control Point

Saeko MORII, Kaoru SAKAMOTO

School of Human Science and Environment, University of Hyogo

1-1-12 Shinzaike-honcho, Himeji, 670-0092 Japan Abstract: The aim of this study was to identify Critical Control Point in food service facilities through various cooking process based on HACCP to assess results of sanitary survey checked by students majoring in registered dietitian. (1) Raw fish and meat were heavily polluted in both polluted and non- polluted area. Total viable bacteria count measured on eggplant, lettuce and other vegetables, except for Japanese spinach, decreased after washing in running water three times, but viable counts of E.Coli and/or Coli group decreased after washing three times. (2) Several kinds of food poisoning bacteria were detected on kitchen knives and cutting boards in non-polluted area. It was revealed that sterilization was insufficient. In non-polluted area, bacteria was not detected in steam convection ovens, but staphylococcus aureus was detected in blast chiller after washing. (3) It became clear that the cooking person who served the dish did not wash hands enough, and staphylococcus aureus was detected on hands of the cooking person in charge. Therefore, it is necessary to impress the cooking person with the importance of hand-wash. A cooking person should do sanitary hand-wash habitually.

As a result, it is recognized that not only heating of the food but also washing of food, cookware and hand is of great importance in performing hygiene management at food service facilities. Keywords: hygiene management, food service facilities, HACCP, sanitary survey はじめに 食䞭毒は倏期のみだけでなく䞀幎䞭発生しおおり

平成25幎床だけでも党囜で931件患者数は2䞇人を超えおおり 1)すでに今幎の食䞭毒件数は1月から8月11日たでの間に䞻に飲食店や仕出し屋などで427件報告されおいる 2)。特に倧量調理斜蚭における食䞭毒の発

生は倚人数ぞの健康危害を及がす重倧な問題である。「管

理栄逊士逊成課皋におけるモデルコアカリキュラム」3)

で提案されおいる絊食経営管理孊教育には「特定絊食斜

蚭における衛生管理」が必須項目ずしお挙げられおおり

管理栄逊士逊成においおも衛生管理に関する実習内容が

重芁であるこずが掚察される。 平成24幎に本孊管理栄逊士逊成課皋の孊生38名に倧量調理斜蚭における衛生管理の重芁性の認識を調査する

目的で倧量調理衛生管理マニュアルに基づいたアンケ

ヌト調査を絊食経営管理関連講矩および実習を受講する

前埌で行った。その結果次亜塩玠酞ナトリりム溶液を

甚いた生食食品の殺菌汚染䜜業区域から他区域ぞの移

動時の手指の掗浄・消毒汚染䜜業区域での䞋凊理䜜

業区域の明確な区別化斜蚭のドラむシステム化の有甚

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倧孊出版䌚. 謝蟞

本研究におけるむンタノュヌ調査にご協力いただいた

方々に感謝する。たた本研究のモデレヌタヌの圹割を担

っおいただいたれミ生のみなさんに感謝したす。 平成 26 幎 9 月 30 日受付

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