hello! (let’stry!1 unit 1) go!

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- 28 - 外国語活動 活動事例 No. 1 【活動事例】 友達と関わる楽しさの中で,自分のことを話す活動 【ね い】 世界には様々な言語があることに気付くとともに挨拶の言い方に慣れ 親しむ。 【指導した単元】 第3学年 Hello! (Let’s Try! 1 Unit 1) 【活動の実際】 *自信のもてない児童には,一緒に発音するなど支援 する。 *活動の前に教師と児童の役割を入れ替えながらデモ ンストレーションを十分に行う。 *世界旅行の雰囲気を味わえるよう民族音楽を流す。 【指導について】 ・本単元で児童は「外国語活動」と初めて出会う。小学校外国語教育のスタートとな る本時を児童にとって楽しく,これから始まる活動への期待がもてるようにする。 ・映像資料で世界にたくさんの国があることを感じさせた後,行ってみたい国や印象 に残った国の挨拶を児童に選ばせ,複数回練習をさせる。児童には,自由に動き回 りながら,出会った友達とジェスチャーを付けたり,笑顔で挨拶を交わしたりする 楽しさを味わわせたい。 ・映像資料には多くの国の紹介が収録されているが,初めての学習で,全員に自信を もって活動に取り組ませるために,挨拶の種類を絞るとよい。「楽しくできたから もっと知りたい,話してみたい」という気持ちをもたせたい。 ここがポイント! 外国語学習のスタートとなる単元です。世界の様々な国やその言語について,児童 はそれほどたくさんのことを知っているわけではありません。映像資料でイメージを 膨らませている点や,行ってみたい国を児童に選ばせたり,挨拶の種類を絞ったりし て児童に自信をもたせている点がポイントです。 映像資料を視聴し,世界には様々な国があることや,国によって言語や挨拶 の仕方が違うことに気付く。 世界旅行へ Go! 4か国の挨拶を児童と選び,教師と挨拶を繰り 返し言う。その後,教室内を歩き回り数名の友達 と挨拶を交わす。音楽が流れている間,その国の 言葉で挨拶を交わす。 你好 你好 自分の名前を言ってあいさつをしよう。

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Page 1: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 1

【活動事例】 友達と関わる楽しさの中で,自分のことを話す活動

【ね ら い】 世界には様々な言語があることに気付くとともに挨拶の言い方に慣れ

親しむ。

【指導した単元】 第3学年 Hello! (Let’s Try! 1 Unit 1)

【活動の実際】

*自信のもてない児童には,一緒に発音するなど支援

する。

*活動の前に教師と児童の役割を入れ替えながらデモ

ンストレーションを十分に行う。

*世界旅行の雰囲気を味わえるよう民族音楽を流す。

【指導について】

・本単元で児童は「外国語活動」と初めて出会う。小学校外国語教育のスタートとな

る本時を児童にとって楽しく,これから始まる活動への期待がもてるようにする。

・映像資料で世界にたくさんの国があることを感じさせた後,行ってみたい国や印象

に残った国の挨拶を児童に選ばせ,複数回練習をさせる。児童には,自由に動き回

りながら,出会った友達とジェスチャーを付けたり,笑顔で挨拶を交わしたりする

楽しさを味わわせたい。

・映像資料には多くの国の紹介が収録されているが,初めての学習で,全員に自信を

もって活動に取り組ませるために,挨拶の種類を絞るとよい。「楽しくできたから

もっと知りたい,話してみたい」という気持ちをもたせたい。

ここがポイント!

外国語学習のスタートとなる単元です。世界の様々な国やその言語について,児童

はそれほどたくさんのことを知っているわけではありません。映像資料でイメージを

膨らませている点や,行ってみたい国を児童に選ばせたり,挨拶の種類を絞ったりし

て児童に自信をもたせている点がポイントです。

1 映像資料を視聴し,世界には様々な国があることや,国によって言語や挨拶

の仕方が違うことに気付く。

2 世界旅行へ Go!4か国の挨拶を児童と選び,教師と挨拶を繰り

返し言う。その後,教室内を歩き回り数名の友達

と挨拶を交わす。音楽が流れている間,その国の

言葉で挨拶を交わす。

你好

你好

自分の名前を言ってあいさつをしよう。

Page 2: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 2

【活動のテーマ】 友達と関わる楽しさを通して世界の言葉に親しむ活動

【活動のねらい】 世界にはさまざまな言語があることに気付くとともに挨拶の言い

方に慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 Hello! (Let’s Try! 1 Unit 1)

【活動の実際】

【指導について】

・Let’s Try! 1 の学習指導案例 (文部科学省 )では,「パスゲーム」の方法として「音楽に合わせて児童が順にボールをパスする」となっているが,全員がパスをするとき

に挨拶と名前を言うようにして,安心して繰り返し聞いて慣れ親しむことができる

よう活動を工夫する。

・「サインを GET! 」では,たくさんの友達と挨拶を交わし,自分の名前を紹介したことの成果を可視化できるように,ワークシートにサインをもらうようにする。活

動の目的は,相手と英語で気持ちのよい挨拶を交わす楽しさを味わうことであり,

サインの数を競うことではないことを踏まえ,ワークシートには表ではなくフリー

スペースの枠を使い,「幾つもらったか」ではなく,「たくさんサインをもらえ

た,英語でたくさん話した」と児童が実感できるようにする。

ここがポイント!

児童が経験したことがあるようなゲームを外国語活動で活用することは,ルール等

の説明があまり必要でないことから,外国語学習の開始時期には,とても効果的なア

イディアです。また,「サインの数を競うのではない」というような活動の基本的な

ルールについては,初期段階からしっかり指導していくことが大切です。

【Let’s Listen】【Let’s Chant】で挨拶や自分の名前の言い方を知り,慣れ親しみの活動をした後に【Activity】を行う。

Hello.I'm □□.

○パスゲーム

時間内に友達に挨拶し,名前を伝えて

パスを回す。タイマーが鳴ったときに当

たった児童は,教師と挨拶を交わす。

○サインを GET!自由に歩き回り,出会った友達と挨拶

し,名前を言い合って,伝えることがで

きたら相手のサインをもらう。

Sign,please.

OK!

さまざまな言葉で世界旅行を楽しもう。

Hello.I'm 〇〇.

Thank you.

Page 3: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 3

【活動事例】 興味をもたせ,英語で話す意欲を高める活動

【ね ら い】 多様な考え方があることに気付くとともに,色の言い方に慣れ親し

み,好きなものを表す表現を知る。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

【指導について】

・単元の始めに世界の子どもたちが描いた虹を映像資料で視聴し,様々な見方や考え

方があることにふれた後,虹を描く活動が単元指導計画例に設定されている。「虹

を描こう」と呼び掛けるだけでは,正しい色や順番で描こうとしたり,Let’s Try! 1の表紙の虹を模写しようとしたりするかもしれない。「自分だけの」「自分の好き

な色で」など,思い思いの虹を楽しんで描くことができるような声掛けが必要である。

・完成した虹の絵を掲示したり,友達に紹介したりする活動を取り入れ,「自分のこ

とを伝えたい」という思いをもたせながら,単元終末の「自分の好きなものを紹

介」する【Activity】へとつなげる。児童が「見たことがある」「知っている」と安心感をもって取り組むことができる身近な事柄や,興味をもっている事柄を熟知

し,教科の枠を越えて児童の個性や自由な発想を引き出すことができるところが,

小学校外国語活動の指導における学級担任の強みである。この強みを生かして「こ

の学級のための」題材や場面を設定するようにしたい。

ここがポイント!

外国語活動の指導には豊かな児童理解と高まり合う学習集団づくりが求められるこ

とから,「学級担任の教師の存在は欠かせない」とされています。児童の興味・関心

や,学級の実態を踏まえた指導が,本当のコミュニケーションにつながります。

1 「自分のにじ」をかこう。・風景写真から虹が見えることに気付き,好きな色で自分だけの虹を描く。・好きな色の色鉛筆を準備し,思い思いの色を選んで虹を塗る。*活動時間確保のため,塗る面積に配慮したシートを作成する。

2 友達に「自分のにじ」を紹介しよう。

・ペアになり,自分の好きな色を紹介し合う。

・「自分のにじ」を見せながら話すことで,話す際の手

掛かりとする。

・互いの虹を紹介し合うことで,友達の好みとの共通点

や違いに気付く。

Hello. I like red. I like yellow. I like green. I like blue.

「自分のにじ」をかき,友達に伝えよう。

Page 4: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 4

【活動事例】 英語で歌う楽しさを味わう活動 - 【Let’s Sing】を通して -

【ね ら い】 歌うことを通して英語の音声やリズムに慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

*文字への慣れ親しみを経験していない児童にとって,具体物を用いての学習活動は

安心して楽しみながら取り組むことができる活動である。活動時間の配分によって

ワークシートに塗る面積を調節し,歌を口ずさみながら慣れ親しみを深めることが

できるようにする。

【指導について】

・Let’s Try! 1 の学習指導案例では「The Rainbow Song の音声をはじめに聞かせ,聞き取った色を児童に尋ねる」となっている。本単元では絵本 “A Beautiful Butterfly”の読み聞かせを帯単元として扱い,色の言い方に出会わせている。本時では読み聞

かせにより,色の言い方を確かめ,歌の導入につなげるなどの工夫が考えられる。

・歌詞に合わせて聞こえた色を指したり,ワークシートに色を塗ったりしながら言い

方を練習する。徐々にメロディーを付けていき,児童は歌に慣れて口ずさみ,歌を

通して英語の発音やリズムに気付きながら語句や表現に繰り返し慣れ親しむことが

できる。単元の終末には何も見なくても自然に歌うことができるほどに慣れ親しむ

ことを目指したい。歌詞を覚えることをねらいとせず,あくまでも児童が楽しみな

がら歌うことができる活動とすることが大切である。

ここがポイント!

色や数などの語彙の学習には歌の活用が効果的です。あまり時間をかけず,単元の

中で繰り返して親しませるようにします。教材は必ずしもカード等を準備する必要は

ありません。事例のように色鉛筆など具体物を適宜活用するとよいでしょう。

The Rainbow Song

・色の言い方を復唱しながら,その色の色鉛筆を持ち上

げ,色と単語を結び付ける。

・歌詞に出てくる順番にワークシートに色を塗る。

・出来上がったワークシートを見ながら,教師の範唱を

聞き,一緒に歌ってみる。

順番に並べてみようかな。

Red and yellow and pink and green,♪

purple and ... blue? Orangeだったかな?

Page 5: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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・ “Do you like red?”などの問い掛けに,児童が本当に好きな色に置き換えて,チャンツを言う。

外国語活動 活動事例 No. 5

【活動事例】 音をまねて語や表現を言い慣れる活動 - 【Let’s Chant】を通して -

【ね ら い】 自分の好みを伝えたり,友達に好きかどうかを尋ねたりする表現に慣

れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

*語句が出てくる順番を意識させる。

ここでは The Rainbow Song とリンクさせている。

*児童の実態に応じて単語から文へと内容を広げていく。

*語句が多すぎると単調になるので,ジェスチャーを

取り入れたり順番を入れ替えたりして楽しく活動で

きるようにする。

*ゲームやデモンストレーションにも同じリズムを取

り入れる。

【指導について】

・「話すこと」への最初のステップとして,音声をまねて,語や表現を言い慣れる活

動を取り入れる。Let’s Try! 1 の【Let’s Chant】などがそれに当たる活動である。・チャンツは自然な発音やリズム,イントネーションに慣れることを目的として行

う。また,複数の児童が同時に声を出すことで,児童の心理的ハードルを下げ,安

心して取り組むことができる。デジタル教材などの音声を聞かせ,聞こえたように

発話させたいが,Let’s Try! 1 のチャンツは,一定のリズムの中に含まれる1文が

長く,一度聞いただけでまねるのは難しい。何度も繰り返し聞かせたり,教師がゆ

っくり言ったことを復唱させたりして,児童が自然に口ずさめることを目指し,急

がずに指導することが大切である。

・文字が画面に出ると,児童の意識が音声を聞くことよりも文字を読もうとする方に

向いてしまいがちになるため,文字の見せ方やタイミングに工夫が必要である。

ここがポイント!

チャンツにおけるデジタル教材の活用については,最初にモデルを示すのは効果的

ですが,練習は教師の肉声から始めた方がよい場合が多くあります。児童の実態に合

わせて速さや回数を調節し,十分に慣れさせてから必要に応じてデジタル教材を活用

するとよいでしょう。

・教師が示したモデルを復唱しながらリズムに合わ

せて言う。

・チャンツに出てくる語句の言い方を確認し,絵カ

ードなどに示されたものを言う。

Red, yellow, pink and green,

purple, orange and blue.

“ I l ike red. I l ike yellow.

I l ike pink and green.”

Page 6: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 6

【活動事例】 自分の考えや気持ちを話す活動

- 表現に慣れ親しむためのゲームを通して -

【ね ら い】 ・スポーツの言い方や自分の好みを表す表現に慣れ親しむ。

・相手の好みを尋ねたり,自分の好みを言ったりする。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

*自分で言いたいことを決めて話すことに難しさを感じる児童もいる。無理をせず,段階的に使用表現を増やし,経験を積み重ねながら自分のことを話す活動を取り入れる。

*YES NO の代わりに〇×のカードを準備する。児童にとっては複数の友達の考えを知ることができ,友達が出しているカードを気にする様子が見られる。教師にとっては全体の考えや理解の度合いを把握する非言語の手立てとなり,クイズや

インタビューなどの活動にも活用できる。

【指導について】

・音声をまねて語や表現に慣れ親しんだ児童は,徐々に自分の話したいことを表現し

ようとする。この段階に思考を取り入れたゲームを設定することで,「話すこと」

の必然性がある活動となり,意欲を高めることができる。

・この段階では,決まった表現の中で自分で言いたいことを選択して話したり,欲し

いカードを決定したりする活動を取り入れる。始めは,決まった表現で行い,ゲー

ムの仕方に慣れてきたところで自分の考えや気持ちを表現する要素を加えるとよ

い。相手のカードに合わせて自分の選択を変えたり,相手の発言に応じた反応を返

したりする活動を,ゲームのもつ偶然性により自然に行うことが期待できる。

ここがポイント!

自分の考えや気持ちを表すために,○×カードを活用しています。3年生の児童に

とって,英語を発することは簡単なことではありません。カード等の言葉以外の手段

を活用しながら,段階を踏んで英語の発話につなげていくとよいでしょう。

デステイニー・ゲーム

〇×カードゲーム

・スポーツの絵カードをペアで半分ずつ持つ。教師が示したカードを持っている児童は,自分の好みを話してからカードを出す。手持ちのカードがなくなったら「上がり」というルールである。

・先生の好き嫌いを予想し答えを確かめるために,〇×クイズをする。児童は自分の気持ちや考えを,〇×のカードを上げて表明する。

I like swimming.

I don't likeswimming.

先生はきっと牛乳は好きだよ。

毎日給食で飲んでいるから。

Do you like milk?

Page 7: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 7

【活動事例】 自分の考えや気持ちを伝え合う「話すこと[やり取り]」の活動1

【ね ら い】 好きかどうかを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

※上の表を見ながら

色から順にやり取

りをしている場面

【指導について】

・好きかどうかを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しんだ児童には,その表現を実

際に使ってみる Small Task として,友達へのインタビューが設定できる。この

場合,児童が安心して活動できるように,個々にインタビューを行う前に〇×クイ

ズなどを通して全体で同じ表現を繰り返す活動を取り入れるとよい。

・児童にとって身近な友達だからこそ,予想することで答えを確かめたくなるもので

ある。また,答える児童も,友達が自分について知りたいと思っていることを感

じ,本当のことを伝えようという気持ちになるであろう。友達の意外な答えに理由

を知りたくなったり,新たな一面を知って驚いたりする児童の素直な反応を,教師

も一緒に楽しみたい。

・尋ねる表現と答える表現の両方を扱うため,児童への負担が大きく,うまく話せな

い場面も予想される。答えの “Yes, I do.” “No, I don't.” で言いよどむ児童が見られる場合は, “Yes.” “No.” の1語での答えを許容する。複数の表現を使う難しさ

に,やり取りの楽しさが阻害されることのないよう,段階的に慣れ親しませていく

ことが大切である。

ここがポイント!

「話すこと[やり取り]」では,聞いたり答えたりする必然性のある活動であるこ

とが大切です。答えを「予想」してから尋ねることは,児童の「知りたい」という意

欲を高める上で効果的であると同時に,友達のことをより深く理解することにもつな

がります。

えっ,絶対に好きだと思ったのに,ちがったあ。

次の milk はどうだろう?

Do you like orange?

No, I don't.

I don't like orange.

・友達の好みを予想し, “Do you like~?”

と尋ね,答えを確かめる。

Page 8: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 8

【活動事例】 自分のことを伝え合う活動 - 【Activity】を通して -

【ね ら い】 相手に伝わるように工夫しながら,自分の好みを紹介しようとする。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】

*Let’s Try! 1 の誌面は書き込んで使用することもできるが,

やや情報量が多く,取り組む部分が分かりにくい箇所もあ

る。本時で扱う部分のみのワークシートを作成することで,

児童はスムーズに学習を進めることができる。

*ワークシートには,イラストを描く枠や友達からサインをも

らう枠を付けるなど,活動内容に合わせて児童が達成感を味

わえるようにする。1時間の授業のシートで終わらせずに,

後の授業でも書き加えながら活用したり,外国語活動で得られ

た成果を互いに見合ったりするなどの工夫も考えられる。

【指導について】

・【Activity】は Let’s Try! 1 で単元の終末に設定されている言語活動で,自分の

考えや気持ちなどを伝え合うための具体的な課題を解決するために展開される。

・単元で出会った語句や表現を実際に使うだけでなく,これまでに児童が出会い,慣

れ親しんできた語句や表現も駆使しながら,相手に自分のことを主体的に伝えよう

とする態度を養う機会としたい。また,相手を見て言おうとしていることが伝わっ

ているかを確かめながら話したり,相手の話に反応を返しながら聞いたりするなど

「相手に配慮しながら」コミュニケーションを図る活動となるようにしたい。

・【Activity】での成功体験の積み重ねにより,児童が英語で伝え合うことの楽しさを味わい,主体的に英語を使おうとする態度を養うことにつなげたい。

ここがポイント!「話すこと[発表]」では,初めて英語にふれる児童の発達段階に配慮し,児童が

安心して発表できる環境を整えることが大切です。実物やイラストを見せながら話すことや,近い距離で発表できる形態を工夫することは,児童が自信をもって発表するための大切な配慮です。

自分の好きなものをしょうかいし合おう。

・挨拶と名前を言う(Unit 1 の既習事項)。・児童がワークシートに描いたイラスト等を手掛かりに,自分

の好きなものを紹介する。

・ペアで練習をした後で,グループに分かれて発表を行う。イ

ラスト等を指しながら話すことで,話型を確認しなくても流

れに沿って話すことができ,聞く側も内容の理解がしやすい。

*友達に質問したり反応したりすることを通して,話し手も聞き手も「伝わった」

実感が得られるようにする。話すことに緊張を感じる児童がいる場合は,より近

くで伝え合える形態にする。

ワークシートの工夫

Page 9: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 9

【活動事例】 絵本を効果的に活用した活動 - 読み聞かせを通して1 -

【ね ら い】 絵本などの短い話を聞いておおよその内容をつかみ,基本的な表現の

意味が分かるようにする。

【指導した単元】 第3学年 I like blue. (Let’s Try! 1 Unit 4)

【活動の実際】 ペープサートでの登場

【指導について】

・絵本は,児童が絵と音声を同時に捉えることができ,「英語の意味を推測する」こ

との助けとなる。また,同じ表現が繰り返されるものが多く,自然に語彙や表現に

慣れ親しむことができる。

・教師が一方的に読み進めるのではなく,児童がポイントをどこに絞って聞けばよい

のかを明確にし,読む前に「何色が出てくるかな?」「どの果物がおいしそうか

な?」などと問い掛けることで,より効果的な読み聞かせをすることができる。

・帯単元として扱うことで,教師と児童とのやり取りを通して段階的に内容の理解を

深めさせながら,語句や表現に慣れ親しませることができた。3年生の児童にとっ

て絵本の主人公は身近な存在であり,ペープサートを用いて登場するような工夫

が,興味をもって聞こうとする態度につながる。

ここがポイント!

絵本のポイントは,教師が一方的に読み聞かせるのではなく,児童とのやり取りを

基本としながら読み進めることです。事例のように,ペープサート等を用いることは

児童をより深く絵本の世界に引き込む上で効果的な手立てです。

絵本 A Beautiful Butterfly

*本単元で学習する言語材料(色,食べ物,I am~.)を含む絵本を活用し,帯単元として読み聞かせを設定する。

*読み聞かせの中で,教師と児童のやり取りを通して“I like ~ .” “Do you like ~ ?” などの表現にも少しずつ慣れ親しませる。

“Hello. I’m a caterpillar.I like blue.I like blueberries.I like yellow. I like pink.I like soccer. I don’t likerunning. I have shortlegs. Thank you.”

【Activity】のデモンストレーションでも,絵本の主人公をペープサートで登場させる。話の内容を想起させるやり取りをしながら,自己紹介を聞かせた。授業の終末にも再度主人公を登場させ,教師からの称揚の代わりに児童へのメッセージを送る場面を設定する。

Page 10: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 10

【活動事例】 身の回りにある ALPHABET に気付き,興味をもつ活動

【ね ら い】 身の回りには活字体の文字で表されているものがあることに気付き,

活字体の大文字とその読み方に慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 ALPHABET (Let’s Try! 1 Unit 6)

【活動の実際】

【指導について】

・校内で,あるいは登下校中に出会ったアルファベットの文字と関連付けた導入で,

児童の関心を高めることができる。

・高学年における文字の学習のスタートとも言える単元である。身近にあるアルファ

ベットを探す活動に単元を通して取り組ませ,自分たちの生活の中には多くのアル

ファベットの文字があることに気付かせるとともに,今後の文字の学習への関心・

意欲を高めることを目指す。

・探す,見付ける活動は,児童が好んで行う活動であり,時間の許す限りアルファベ

ットの文字を探そうとする。学習が進むと見付けたアルファベットを声に出して読

んでみたり,友達との話題にしたりする様子も見られるようになる。

ここがポイント!

探したり見付けたりすることで,児童は身の回りのアルファベットに気付くことが

できます。あまりにたくさんのアルファベットがあるので,児童がよく耳にするよう

な身近なアルファベットを引き出したり取り上げたりしながら,自然に読み方やそれ

が表しているものに結び付けていくとよいでしょう。

*校内や町の中にあるアルファベットの表示を写真で提示し,身の回りにあるア

ルファベットとその名称に出会わせる。

・教室や自分の持ち物などの中からアルファベッ

トを探す。見付けたアルファベットを発表し,

全体で確認する。

*事前に児童が見付けそうなものを予想し撮影し

ておき,教材として活用する。

*下校中の町の中や,家庭でアルファベットを探

してごらんと呼び掛け,次時に話題として取り

上げる。

アルファベットを探そう。

・誌面のアルファベットの大文字を探す。

Page 11: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 11

【活動事例】 ALPHABET に興味をもち,文字の形を捉える活動1

【ね ら い】 身の回りには活字体の文字で表されているものがあることに気付き,

活字体の大文字とその読み方に慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 ALPHABET (Let’s Try! 1 Unit 6)

【活動の実際】

*文字の形のみに着目させるため

に,色分けされていないカード

を準備する(Let’s Try! 1 の絵カードは色分けされているため)。

【指導について】

・アルファベットの文字の形への気付きや認識を深めさせることがねらいである。

・アルファベットのカードを机に広げて,仲間づくりに取り組ませると,自由な発想

で仲間に分けることができる。グルーピングする着眼点の違いを友達と伝え合った

り,ネーミングの面白さを楽しんだりさせたい。

・友達に発表する際に,「どのような仲間かな?」とクイズ形式にして問い掛けた

り,カード集めゲームの際に集める文字の手掛かりにしたりするなど,他の活動に

発展させることで,文字への認識を一層深めることができる。

ここがポイント!「仲間分け」では,児童の自由な発想を大切にし,楽しみながら文字の形に親しま

せましょう。ここでの慣れ親しみが高学年での文字の読み書きの学習の土台となりま

す。「仲間分け」など文字の形への認識を深めさせる活動と,ポインティング・ゲー

ムなど,文字と音を結び付ける活動を効果的に関連付けて行うようにしましょう。

・アルファベットのカードとワークシートを用意し,児童の自由な発想で仲間分けをさせる。

・仲間分けをしたワークシートを見せながら,どのような仲間なのか友達にクイズを出しながら自分の作ったアルファベット仲間を紹介する。

アルファベットの仲間をつくろう。

〈振り返りより〉

・アルファベットのひみつが分かって

よかった。

・WとMのちがいが分からなかったけれど,よく見たらW は全部ななめ

で M は両側がまっすぐだと分かった。

児童が作ったアルファベットの仲間

たて線がないグループ ななめグループ

V なかま D なかま

Page 12: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

- 39 -

外国語活動 活動事例 No. 12

【活動事例】 ALPHABET に興味をもち,文字の形を捉える活動2

【ね ら い】 身の回りには活字体の文字で表されているものがあることに気付き,

活字体の大文字とその読み方に慣れ親しむ。

【指導した単元】 第3学年 ALPHABET (Let’s Try! 1 Unit 6)

【活動の実際】

*児童が名称を言いやすいアルファベッ

トの文字5~6種類を人数分用意し,

シャッフルしながら5~6枚ずつ配る。

【指導について】

・上の活動で,体で表すアルファベットを文字カードから選ばせるとき,「MとWは逆さまになると似ているけれど違いはあるの?」「 ZとN,これはどっちだろう?」などと文字の向きや長さ,角度の違いに気付き,文字の見分け方に疑問をも

つ児童が見られる。児童の「問い」を生かして,実際に体を使って表現させることで,

曲線や直線,文字の中にできる角度,縦横のバランスなどに着目させたい。

・活字体の文字の読み方と書かれた文字とを結び付ける活動は「聞くこと(ウ)文字の読

み方が発音されるのを聞いた際に,どの文字であるかが分かるようにする」活動であ

る。この活動においては,アルファベットを聞いて,相手の欲しいカードがあるか

どうかを判断したり,正しいカードを渡すことができるかがポイントとなる。

ここがポイント!

アルファベットを体を使って表現することは,楽しいだけでなく,形に対する認識

を深める上で効果的です。「MとW」「 ZとN」のように紛らわしい文字があことから,欲しいアルファベットカードを集める活動などでは,必要に応じて上下左右が分

かるような工夫をした方がよい場合もあります。

・2~3人のグループになり,自分たちの選んだアルファベットの文字を友達の前で表して見せ,何のアルファベットかクイズを出す。

アルファベットを体で表そう。

〈振り返りより〉・M は横のところがまっすぐだけれど,W はななめになっていた。・ I をつくろうとしたけれど,H の形に近くなった。・左右で同じ形が向き合っている文字はどちら側から見てもいいけれど,そうでない文字は左右の向きに気を付けないと違う文字に見えてしまう。

アルファベットの文字を集めよう。 ・児童は欲しいカードをそろえられるよう

に,自由に歩いて相手を見付け,カード

を交換する。

Hello.D card, please.

Oh!Thank you. OK.

Here you are.

Page 13: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

- 40 -

外国語活動 活動事例 No. 13

【活動事例】 既習表現に繰り返し慣れ親しむ活動 - 【Let’s Chant】を通して -

【ね ら い】 あるものについて尋ねたり答えたりして伝え合ったり,相手に伝わる

ように工夫しながらクイズを出したり答えたりしようとする。

【指導した単元】 第3学年 What’s this? (Let’s Try! 1 Unit 8)

【活動の実際】

【指導について】

・児童は単元終末の【Activity】で友達とクイズを出し合い,英語でのやり取りを行う。移行措置では,本単元が当該学年最後の学習となるため,クイズのヒントを自

分で考え,これまでに学習した言語材料を駆使して友達とのやり取りを続けようと

する態度を養うことを目指す。

・児童が知らず知らずのうちにヒントや答えに使われる英語に慣れ親しみ,クイズ大

会で英語でのやり取りを楽しむことができるようにするための仕掛けとして,

Let’s Try! 1 のデジタル教材に収録されている【Let’s Chant】を参考に,児童の考えたクイズに合わせて語句を入れ替えるなどして必要なチャンツを作ることが考えられる。

・尋ねる表現 “What’s this?” と答える表現 “It’s ~ .” を言う役割に変化を付けるなどして,既習事項への慣れ親しみを深めさせることも大切である。

ここがポイント!

【Activity】で使用する語彙や表現を意図的に盛り込み,児童がスムーズにコミュニケーション活動を行うことができるよう,オリジナルのチャンツを作成していま

す。スライド等が作成できない場合,語句を入れ替えるだけでも十分効果が期待でき

ます。単元終末の【Activity】を見据えた指導は是非参考にしたいポイントです。

【Let’s Chant】クイズ大会をしよう。

*チャンツを通してより多くの既習事項に慣れ親しませるために,Power Point等に絵カードを貼り付けたスライドショーと,リズム音源を使用して,チャン

ツを自作し,取り組ませる。

What's this? What's this?What's this?It's a dog. It's a monkey.It's a tiger.

*児童の考えているクイズの内容を事前に把握しておく。

*クイズに英語で答えられるように,作成したチャン

ツでクイズの答えとなる動物や果物,野菜の言い方

への慣れ親しみを図る。

Page 14: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 14

【活動事例】 自分の考えや気持ちを伝え合う「話すこと[やり取り]」の活動2

【ね ら い】 相手に伝わるように工夫しながら,やり取りを継続しようとする。

【指導した単元】 第3学年 What’s this? (Let’s Try! 1 Unit 8)

【活動の実際】

【指導について】

・教師に与えられた定型表現をただ繰り返すだけでは,児童の主体性は育まれない。

「本当のこと」を「伝えたい内容として自分で決定して」「相手に応じながら」や

り取りをして初めて児童は英語で会話する楽しさを実感し,主体性が育まれるもの

と考える。本単元ではクイズの形式や問題を自分で決定し,ヒントや相手への伝え

方を工夫するところがポイントとなる。

・単元を見通した Small Task に段階的に取り組むことで,児童は英語でやり取りを

する経験を重ね,安心感や自信をもって単元の【Activity】に臨むことができる。・クイズを出す,答えるといったやり取りだけではなく,自然な挨拶やリアクション

をする姿を目指して指導したい。その場で考えた自然なやり取りを通して,児童は

友達との生きたコミュニケーションを体験することができる。

ここがポイント!

「話すこと[やり取り]」はその場で考えて会話をする活動です。その場で考えるた

めには,それまでの経験が大きな意味をもちます。事例では,前時までに積み重ねた

Small Task を基に,単元終末の【Activity】で,クイズの形式や問題を自分で決定し,自分の言葉で[やり取り]をするように配慮しています。

*Small Task を毎時間設定し,本単元の【Activity】であるクイズ大会を楽しむことができるように,簡単なデモンストレーションで全員がクイズの出し方や答え方を段階的に理解できるようにする。①Small Task 1: クイズ “What’s this?” に答える。②Small Task 2: 3ヒントクイズに答える。③Small Task 3: ヒントを考え,クイズを出す。④Small Task 4: これまでに扱った6種類のクイズ

からクイズの形式と問題を選び,ヒントを考える。自分が考えたクイズを友達に出題する。

⑤ 【 Activity】 「クイズ大会をしよう」

*クイズに使用する表現を “What’s this?” “It’s ~ .”に絞り,それ以外は児童の自然なやり取りから取り上げるようにする。

・教師がPower Point 等とリズム音源で作ったリアクション・チャンツにジェスチャーを付けて復唱

し,楽しみながらリアクションに慣れ親しむ。

Yes. No. Good. OK! Wow. That’sright. Close. Let’s try! What? Please.One more. I see. Here you are.

It's big!

That's right!

Hint, please.

What's this? It's a sheep.

Page 15: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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OK!Open, green.

外国語活動 活動事例 No. 15

【活動事例】 既習事項を活用しながら英語でやり取りをする活動

- 【Activity】を通して -

【ね ら い】 相手に伝わるように工夫しながら,既習事項を活用してやり取りをし

ようとする。

【指導した単元】 第3学年 What’s this? (Let’s Try! 1 Unit 8)

【活動の実際】

【指導について】

・これまでに学習した言語材料を自在に活用して自然に生き生きとコミュニケーショ

ンを図ろうとする児童の姿を目指したい。しかし,既習表現を教室に掲示したり,

台本のようなシートを児童に持たせたりしても,文字と「読むこと」に慣れ親しん

でいない児童にとっては効果的とは言えない。目の前の相手にしっかりと向き合い

「自分のことを伝えよう」「相手のことを知ろう」とする態度を育むためには,既

習の語句や表現を必然的に使う場面を設定し,その内在化を図ることが鍵となる。

・教師は授業全般にわたり意識して既習表現を使い続ける必要がある。さらに,児童

が答えの手掛かりを得ようと必然的に既習表現を使う仕掛けを工夫することによ

り,体験を通して実際の場面で英語を使おうとする態度が養われることが期待できる。

ここがポイント!

3年生の児童が使える語句や表現は限られていますが,だからこそ使える既習表現

をできるだけ使って,豊かなコミュニケーション活動をさせたいものです。児童に既

習事項を活用させるためには,教師が授業で既習事項を積極的に用いていくことが何

よりも効果的です。

*既習の色や数字を相手に伝える必然性をもたせる仕掛けとして,クイズの答えを

表している絵の一部が見える窓を作り,その窓を開けるためにやり取りをする活

動を設定する。 “What color do you like?” の表現は Unit 5 で既出であるが,移行期間で未習の場合は,上のように簡単な表現でのやり取りにとどめるとよい。

Whatcolor? Green,

please.

クイズ大会をしよう。

Page 16: Hello! (Let’sTry!1 Unit 1) Go!

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外国語活動 活動事例 No. 16

【活動事例】 絵本を効果的に活用した活動 - 読み聞かせを通して2 -

【ね ら い】 絵本などの短い話を聞いておおよその内容をつかみ,基本的な表現の

意味が分かるようにする。

【指導した単元】 第3学年 What’s this? (Let’s Try! 1 Unit 8)

【活動の実際】

犬のぬいぐるみを動かし

ながらの読み聞かせ

【指導について】

・本単元ではクイズ大会のために,児童はこれまでに学習した多くの語句や表現を活

用することとなる。しかし,移行期間のため,言語材料が限られており,クイズ大

会で既習の英語を使いこなすには慣れ親しみも十分とは言えない。そこで,帯単元

として扱うこととなっている Who are you? (Unit 9)を読み聞かせ題材として,動物や色,果物などの既習事項の確認をしながら,簡単な形容詞など (small, big,circle, long, square, furry, etc.)の導入と慣れ親しみを図るとよい。

・児童がどのような場面で語句を使うことになるのかを予測し,絵本のストーリーを

生かしながら,注目させる場面や問い掛け方を再構成することで,単元のねらいに

沿った読み聞かせ題材とすることできる。毎時間,読み聞かせの内容を少しずつ変

化させて,児童が聞く必然性を感じるようにしたい。

・ぬいぐるみなどを使うことで,主人公が自分たちに直接問いかけてくるような演出

効果が生まれ,児童は自然な反応を返しながら読み聞かせを楽しむようになる。

ここがポイント!

児童にとって絵本はとても魅力的な教材です。児童とやり取りをしたり,繰り返し

出てくる表現を一緒に口ずさんだりして児童を絵本の世界に引き込みましょう。事例

のように,ぬいぐるみなどの小道具を活用することは,臨場感を高める上でとても効

果的な演出です。

Who are you? (Let’s Try! 1 Unit 9)

*絵本を用いた自然な会話を通して,見えている

ものが何かと尋ねる表現に慣れ親しませる。

*本時の活動の導入となるように,クイズのよう

に問いかけたり,反応を返したりする。

*主人公の犬がかくれんぼのオニになり,友達の

動物を探し当てていくストーリーで,犬のぬい

ぐるみなどを用いて読み聞かせをするとよい。

スクリーン上で犬のぬいぐるみを動かし,見付

けたものについて “What’s this?” と児童に問

い掛け,色や動物の言い方を用いて簡単なやり

取りをする。これらに加えて, “I’m~ .” や “Ilike ~ .” などの既習表現,本単元で扱う

“What’s this?” “It’s ~ .” の表現にも慣れ親しませることができる。

絵本 Who are you? の読み聞かせを聞き,内容についての質問に答えたり,やり取りをしたりする。