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FIX-210SecoMFX-21Secoの除去特性 医療法人大田姫野クリニック ○富永明博,坂本純平,小林幸造, 福村宏,角昌晃,滋野和志

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  • FIX-210Secoと MFX-21Secoの除去特性

    医療法人大田姫野クリニック

    ○富永明博,坂本純平,小林幸造,福村宏,角昌晃,滋野和志

  • はじめに

    セルロースアセテート膜であるが非対称構造となるAT

    A膜を採用したヘモダイアフィルタFIX-210Seco(以下

    FIX)と膜形態の異なるPES膜を中空糸とするMFX-

    21Seco(以下MFX)の溶質除去性能評価を5時間,前

    希釈オンラインHDFの条件下で行った.

  • 対象と方法

    対象患者 治療中の状態が安定している維持透析患者6名

    年齢 65.5±9.0歳 透析歴 110±51.1カ月

    QB 250ml/min T-QD 700ml/min

    QS 9・12・15L/時 時間 5時間

    測定項目 TMP,除去率,除去量

    除去率 β2MG,PRL,α1MG

    除去量 β2MG,α1MG,ALB

    差圧 TMP

    日機装DCG-03を用いて,開始時,60,120,180,240,300分を3点で測定した.

    低分子量蛋白についてはHt補正を行った.統計学的検定はpaired-t検定を用いた.

  • ヘモダイアフィルタの仕様

    フィルタ MFX-21Seco FIX-21Seco

    膜素材 PES TA

    構造 リップル リップル

    内径(μm) 200 200

    ポアサイズ(Å) 78 78

    有効長(mm) 290 254

    充填率(%) 60 50

    中空糸本数 11500 14000

    膜厚(μm) 40 25

    UFR(ml/hr/mmHg) 82 81

  • ■MFX ■FIX

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    9L 12L 15L

    β2MG除去率

    * ** N.S

    *P

  • 0

    10

    20

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    9L 12L 15L

    *P

  • 0

    10

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    100

    9L 12L 15L

    ■MFX ■FIX

    *P

  • 0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    9L 12L 15L

    *P

  • 0

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    150

    200

    250

    9L 12L 15L

    *

    *P

  • 0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    9L 12L 15L

    **

    *P

  • 15L/h時のTMP推移

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    0 60 120 180 240 300

    MFX15L FIX15L

    (分)

  • 結果及び考察①

    • MFX, FIXは9,12,15L/hの置換液量の変化ではβ 2MG,PRL,α 1MGの除去率,除去量,ALB漏出量に大きな差は認められなかった.

    • 除去率はβ 2MGでMFXが有意に高く,PRL,α 1MGにおいてはFIXが優れていた.除去量に関してはα 1MGにおいてFIXが優れ,ALB漏出量も1治療あたり1~1.5gの差を認めた.分子量が大きくなるにつれMFXに比べFIXの除去性能が優れていた.

  • 結果及び考察②

    • MFXは置換液量の増加によりTMPが上昇し,特に置換液量15Lは上昇が高く,置換液量を増加させるとファウリングが起こりやすくなるのではないかと推察される.

    • FIXは置換液量の増加によって,TMPの上昇はどの置換液量でも緩やかであった.ファウリングを起こしにくく,それによるものではないかと推察される.

  • 結果及び考察③

    FIXシリーズが発売され1年が経過し,学会,研究会

    では,MFX-Sシリーズと同等の性能を有してると報

    告されているが,今回の評価では22000以上の分

    子量では有意にFIXが除去能が優れていた.

    その理由としては,膜材質の特徴でATA膜はファウ

    リングが防止でき治療時間が長くなっても除去性能

    がMFXより維持されているためと推測できる.

  • 結語

    ・MFX・FIXを使用して治療時間5h,前希釈オンラインHDFを行い,β 2MGの除去はMFXが優れ,PRL・α 1MGではFIXが優れていた.

    ・置換液量15L/hでのALB漏出量はMFXで3.2±0.38g,FIXでは4.3±0.24gであった.

  • 中国腎不全研究会 COI開示

    筆頭発表者名

    富永 明博

    演題発表に関連し、 開示すべきCOI関係にある企業などはありません。