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ニールセンでは、データが私たちの行動すべての基盤となっています。アートであっても、それは同じです。そのため、この画像も実際のデー タを使って作成しています。 Copyright © 2018 The Nielsen Company (US), LLC. All Rights Reserved. ニールセン CMO レポート 2018

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ニールセンでは、データが私たちの行動すべての基盤となっています。アートであっても、それは同じです。そのため、この画像も実際のデー

タを使って作成しています。

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ニールセン CMO レポート 2018

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ニールセン CMO レポート 2018

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エリック・ソロモン

Nielsen Watch

シニアバイスプレジデント

マーケティング&戦略担当

執筆者より

「ニールセン CMO レポート 2018」をご覧いただき、ありがとうございます。

マーケターにとって、かつてないほどダイナミックでチャレンジングな時がやって

きました。インターネットの登場以来、高速ブロードバンドとスマートフォンの普

及に後押しされて、マーケターがこれまで以上に消費者へアプローチできるよう

になりました。私たちは溢れ返るデータの中にいて、実用的なインサイトの境地

のごとき世界で生きているかのようです。

しかし実際には、こうした約束された未来とは別の世界にいるように思えます。

過去 18 カ月で、世界最大で最も影響力のある広告主が、デジタル広告への

懸念を率直に示したほか、広告のサプライチェーンが「機能していない」とみなし、

不正行為の高い発生率とブランドセーフティの欠如を指摘しています。定額制

ビデオオンデマンド(SVOD)サービスによって、テレビやラジオなどの従来の

マーケティング媒体へのリーチが減少しています。EU での GDPR(EU 一般デー

タ保護規則)の開始に加え、関連するプライバシー課題の発生により、消費者

データの収集と管理が複雑化しています。こうした状況と、消費者の嗜好の

変化、さらには、ゼロベースの予算によって、CMO(最高マーケティング責任者)

の仕事はこれまでよりも繊細で危険を伴うものになっていることは明らかです。

ニールセンの仕事は、~The Science behind WHAT’S NEXT~これから先に起き

ることの背景を科学的に解き明かすことです。そこで、私たちは、グローバルな

ブランド広告とシンプルな目標(つまり、ブランド広告主が現在のマーケティング

環境においてどのような舵取りを行っているのかを理解し、それを示すこと)に

重点を置いた、CMO レポートシリーズの創刊号を発行しました。さらに、本レポ

ートの発行にあたり、現在起きていること、そして「WHAT’S NEXT」を理解するた

め、CMO の声を定量的アプローチで収集(詳細な調査と 1 対 1 のインタビュー)

しました。調査結果の詳細はレポートに譲りますが、まとめると、私たちは徐々

にではあるものの、避けられない変化の中にいます。ただしそれは、変革では

なく進化です。マーケターは、現在利用できるデータ、ツール、ケイパビリティを

頼りにしています。常に望むものを提供できるとは限りませんが、実証済みのも

のを取り入れながら、投資と実験への意欲は持ち続けています。

このレポートが皆様のお役に立てることを願っています。

エリック・ソロモン

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目次

はじめに ....................................................................................................................................... 4

メディアチャネル 評価、計測、予算配分 .......................................................................... 6

デジタルメディアと従来型メディアの評価 .......................................................................................................... 7

ウォールド・ガーデンの使用 ................................................................................................................................... 28 キャンペーン ROI に対するメディア所有者の責任 ...................................................................................... 32 オムニチャネルのジレンマへの取り組み ......................................................................................................... 34

キャンペーン目標の把握 ......................................................................................................................................... 37

メディアエージェンシー 進化、効果、予算 ..................................................................... 40

変化への適応 ............................................................................................................................................................... 41 変化への投資 ............................................................................................................................................................... 43 ROI の達成 ..................................................................................................................................................................... 44

進化するクリエイティブ ............................................................................................................................................. 45

ケイパビリティ データ、テクノロジー、分析 .................................................................... 47

高品質のデータへのアクセス ................................................................................................................................ 48 現在のマーケティングテクノロジーの評価 ...................................................................................................... 49

テクノロジーと計測の評価 ...................................................................................................................................... 51 分析とアトリビューションへの投資 ...................................................................................................................... 53

トレード支出 店舗でのディスカウント、クーポン、特価提供 .................................... 55

ROI 計測の評価 ........................................................................................................................................................... 56 将来のトレード予算の予測 ..................................................................................................................................... 58

まとめ .......................................................................................................................................... 61

ニールセン CMO レポートについて .................................................................................. 63

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ニールセン CMO レポート 2018

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はじめに 消費財、自動車、小売、テクノロジー、金融サービスなどのほぼすべての業界で、マーケター

はメディアチャネル全体に対する評価、計測、予算配分の方法を変化させています。ブランド

の成長の原動力としてのマーケティングが、これまでになく重要なものとなっており、CMO は

この責任を全面的に負っています。CMO は現在、メディア支出のみならず、実績を達成し、

定量化するのに必要なテクノロジーと計測機能への投資を監視し、それらに大きな影響を

与えています。

ニールセンの調査は、詳細なインタビューと幅広い調査データ 1に基づいており、前例のない

マーケティング環境の変化に適応するCMOが直面している戦略的な課題と組織的な課題を

明確にしています。回答者は、自社組織、自社のマーケティング/計測戦略、そして自社の

エージェンシーのマーケティング/計測戦略に、デジタルメディアが革新的な効果を及ぼして

いると述べています。

デジタルメディアチャネルの重要性と効果のランク付けについては、マーケターは検索とソー

シャルチャネルをリストの上位に挙げました。重要性と効果の計測では、依然としてテレビが

従来型メディアチャネルのトップの座を占めています。ラジオは米国の週当たりのリーチ 2では

あらゆるチャネルをリードし続けており、回答者の 45%がラジオを効果的なチャネルであると

考えています。

デジタル広告支出は従来型チャネルを上回っており、ニールセンではこの傾向は続くと考え

ています。今後 12 カ月の予測では、回答者の 82%が総広告予算の割合(%)としてデジタル

メディア支出が増加すると予測しています。比較では、将来的に従来型メディアチャネルへの

投資の増加を予定しているのは、回答者のわずか 30%となっています。

CMO もまた、マーケティングミックスのトレード支出(店舗でのディスカウント、クーポン、特価

販売など)の極めて重要な要素を熟考しています。支出の比率を正しく割り当てるため、トレ

ードとメディア戦略に対し、統一したアプローチを取りたいと望んでいます。回答者の 66%が

トレード投資に変更がない(44%)か、減少する(22%)と予測しています。

計測に関しては、マーケターのわずか4分の1が、媒体種別やトレード支出に関係なく、メディ

ア支出の ROI を計測するケイパビリティに大いに自信があると述べています。予想どおり、

79%が今後 12 カ月でマーケティング分析とアトリビューションへの投資が増えると予測して

います。

1 CMOインタビューと調査回答は、主に米国を拠点とする個人と企業に対して実施したもの。ただし、これらの個人、企業の多くは、多国籍企業であるか、または多国籍マーケティング組織を運営している。 2 出典: : 「Nielsen Comparable Metrics Report Q2 2017」

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マーケターは、デジタルエコシステムでの広告の無駄を減らすことで、メディア効率を向上させ

ることに最も関心が高いと回答しています。これを実現するためにマーケターが選択したケイ

パビリティのトップ 3 は、1)リーチとフリークエンシーの計測(82%)が最も重要なケイパビリティ

であると回答)、2)ビューアビリティ(73%)、3)データマネジメントプラットフォーム(62%)でし

た。

メディアエージェンシーにとっての朗報は、回答者の43%が今後12カ月でメディアエージェンシ

ーへの支出の増額を予定していることです。これは回答者の 84%が答えたように、高い ROIを

実現できるメディアエージェンシーのケイパビリティを信頼しているためだと思われます。

回答者の 43%が今後 12 カ月で

メディアエージェンシーへの

支出を増やす予定

最後に、レポートには、マーケターがオムニチャネルマーケティング(私たちはこれを、メディア

にとらわれない顧客ニーズ志向のものとして定義しています。)を採用していることのいくつか

の進歩が示されています。この裏付けとして、回答者はメディアチャネル戦略と主なキャンペー

ン目標の連携を高めていると回答しています。第 1 位のキャンペーン目標は顧客獲得であり、

これは検索などのデジタルメディアチャネルを好むミッドファネル(興味関心・購買検討層)およ

びロウアーファネル(購買検討・購買層)戦略と関連づけられています。第 2 位はブランド構築

であり、これはテレビやラジオなどの従来型メディアチャネルを好むトップファネル(認知・興味

関心層)戦略と関連づけられています。

マーケターとメディアエージェンシーは、マーケティングミックスへのより戦略的なアプローチを

取ることで、消費者のメディア習慣の変化に適応していますが、組織的な課題や技術的な課題、

さらには一貫した ROI を計測するという課題は依然として残されています。チャールズ・ダーウ

ィンが述べたように、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもあり

ません。唯一生き残ることができるのは、変化する者なのです」。

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メディアチャネル 評価、計測、予算配分

マーケターに対し、「ウォールド・ガーデン」(Facebook、Google、Amazon

などの事業者により運営される「クローズド」なメディアエコシステム)と

同様に、従来型メディアチャネルとデジタルメディアチャネルの評価を

求めました。その目的は、最も価値の高いメディアチャネルを特定し、

ROI の計測にどの程度自信があるかを把握するとともに、現在と将来

において予算がどれほどの影響を受けているかを追跡することでした。

回答者は、さまざまなチャネルでのマーケティングに関連する課題と機

会を明らかにし、メディアプランとパフォーマンスに最大の影響を及ぼ

すキャンペーン戦略の見通しを提供してくれました。

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デジタルメディアと

従来型メディアの評価

デジタルメディア

回答者は、マーケティングの取り組み全体に対してデジタルメディアがいかに重要になってき

ているかを明らかにしてくれました。デジタルキャンペーンの ROI の計測ケイパビリティに比較

的自信を持っており、概してデジタルキャンペーンが効果的なメディアカテゴリーだと確信して

います。

「はじめに」で述べたように、デジタルメディア支出は従来型チャネルをしのいでいますが、

決して肯定的なレビューが示唆しているほどではありません。現在のデジタルメディア支出は、

回答者が好意的なレビューを寄せているにもかかわらず、従来型メディアと同等程度です。

ただし、デジタルメディア予算は、今後 12 カ月で飛躍的に増加すると思われます。

カテゴリーとしてのデジタルメディアは、明確に異なるさまざまなメディアタイプから構成されて

いるため、回答者に別々にランキングするよう依頼しました。これらには、検索、ソーシャルメデ

ィア、オンライン動画、オーバー・ザ・トップテレビ(OTT-TV)/コネクテッドテレビ(CTV)、モバ

イル動画、電子メール、オンラインディスプレイ広告などがあります。

デジタルメディア: 重要性

検索とソーシャルメディアは、ほとんどのマーケターが極めて重要であると考えています(

図 1.0 および図 1.1 を参照)。実際に、回答者の 79%が検索を「非常に」または「極めて」重要

であるとランク付けしており、73%がソーシャルメディアと同等であると考えています。大半の

回答者は、オンライン動画(64%)と電子メール(59%)が「非常に」または「極めて」重要なチャ

ネルであるとみなしています。

最下位のデジタルチャネルは、OTT-TV/CTV です。これは、比較的新しいチャネルであるた

め、成熟していくにつれて変化する可能性がありますが、回答時点では、「極めて」重要である

と考えているのは回答者の 8%未満にとどまっています(18%が「非常に」重要と考えていま

す)。 実際に、回答者の約 25%が、 現在のメディア戦略にとって OTT-TV/CTV を「あまり」

重要でない、または「全く」重要でないと位置づけています。

これをリニア配信型の従来テレビと比較すると、回答者の 30%が「極めて」重要である、51%

が「非常に」重要であると位置づけており、OTT-TV/CTV カテゴリーは急成長している一方で、

マーケターを魅了するのはまだ先の話であることが明らかになっています。

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図 1.0

デジタルメディアチャネルの重要性: ランキング上位

質問: 「最も重要なデジタルメディアチャネルは何ですか?」

図 1.1

デジタルメディアチャネルの重要性ランキング: 全ランキング

質問: 「最も重要なデジタルメディアチャネルは何ですか?」

ソーシャル

メディア

検索 オンライン

ディスプレイ

モバイル

ディスプレイ

OTT-TV/CTV

モバイル

動画

電子メール オンライン

動画

極めて重要である 非常に重要である

ソーシャル

メディア

検索 オンライン

ディスプレイ

モバイル

ディスプレイ

OTT-TV/CTV

モバイル

動画

電子メール オンライン

動画

極めて重要である 非常に重要である やや重要である あまり重要でない 全く重要でない

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ある回答者は、マーケターがデジタルメディアの機能を理解し始めると、デジタルメディアへの

認識が良い方向に変化したと述べています。

「デジタルメディアの理解への習得時間が必要ですが、それは問題ありません。

そのため、マーケターがデジタルメディアを使い始めたばかりの時は、テレビより

もメリットを得られない場合が往々にしてあります。どのようなデジタルを購入して

いるか、デジタル化するクリエイティブとコンテンツをどのように構築しているかに

ついて継続して学習し、上達すれば、テレビと同等以上のメリットが得られます。

テレビよりも高精度なので、これは至極当然のことです」

別の回答者は、デジタルメディアへの理解を、CMO と共に開始することがどれほど必要かに

ついて説明しています。

「我々は、デジタル分析と予測分析の発展について理解していない、古い考え方

を持つ CMO と仕事をしています」

さらに、すべてのマーケターが完全に納得しているわけではありません。

「我々が目にしている最大のトレンドは、すべてがデジタル化された巨大なピカピカ

のおもちゃに見えていることです。これまで急拡大してきましたが、現在はやや後

退気味です。CMO が不意にアドフラウド(広告詐欺)やデータの課題に気づくことも

あり、バイイングしているはずのオーディエンスを得られているか不確かなのです」

デジタルメディア: 効果 デジタルメディアは、概して非常に効果的なメディアカテゴリーと考えられていました。カテゴリ

ー内の広告の効果を把握するため、マーケターに対し、モバイル、検索、ソーシャルメディア、

OTT TV/CTV、プログラマティックなどの各チャネルの効果のランク付けを求めました(モバイ

ル広告とオンラインディスプレイ広告の両方の状態を把握するため)。

検索(68%)、ソーシャルメディア(68%)、モバイル(59%)は、大半の回答者から「非常に」また

は「極めて」効果的であるとランク付けされました(図 2.0 および図 2.1 を参照)。

OTT TV/CTV を「非常に」または「極めて」効果的なチャネルであるとランク付けしたのは回答

者のわずか 28%であり、分析したカテゴリーの最下位となりました。これは、チャネルの重要性

の認知のランキングと一致しています。重要なのは、回答者の 30%超が OTT TV/CTV への

メディア予算を確保できていないことです(図 2.1 を参照)。この数値は、チャネルの確立が進

むとともに減少すると思われます。

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図 2.0

デジタルメディアチャネルの効果: ランキング上位

質問: 「貴社のビジネスでの以下の各メディアチャネルの効果を評価してください」

図 2.1

デジタルメディアチャネルの効果: 全ランキング

質問: 「貴社のビジネスでの以下の各メディアチャネルの効果を評価してください」

ソーシャル

メディア

検索 プログラマティック モバイル OTT-TV/CTV

極めて効果的である 非常に効果的で ある

やや効果的である あまり効果的で ない

全く効果的でない 該当なし

ソーシャル

メディア

検索 プログラマティック モバイル OTT-TV/CTV

極めて効果的である 非常に効果的である

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回答者はデジタルメディアの効果に高いランクを付けている一方で、多くの回答者は時期尚早

であり、効果の実証が依然として明確になっていないと述べています。

「デジタルマーケティング、つまり、ソーシャルメディア、検索、ディスプレイ広告の

採用は進んでいます。ただし、まだ始まったばかりのため、効果への確信は依然と

して分析中です」

さらに、他の回答者は価値を確信しておらず、ブランドに傷がつかないかを心配しています。

「デジタルメディアの価値と安全性には非常に疑問があります」

デジタルメディアの価値についての懸念の大半は、「Hygiene(ハイジーン)」と呼ばれているも

のです。デジタルメディアの Hygiene とは、ノンビューアブルインプレッション、無効または不正

なトラフィック、ブランドセーフティ(有害または不正と思われるコンテンツに関連した広告)など

のキャンペーンの無駄を発生させる主な原因のことです。

Nielsen Watch のプレジデントであるメーガン・クラーケンは、『What Lies Beneath:

Why Audience Delivery is the Next Battleground in Digital Advertising(底流にある

もの: なぜオーディエンスへの配信がデジタル広告の次なる戦場となるのか)』

という記事の中で、「現在、こうした課題により、確実に水が濁っている。広告主は

デジタル広告キャンペーンのインプレッションの 60%を失っている可能性がある。

ただし、これが解決されれば、このインプレッションはカウントされなくなり、表面が

クリアになる」と述べています。

喜ばしいことに、CMOはこうした懸念の一部を解決するため、デジタルメディア戦略を変更して

いると回答しています。Teadsが 2017年に実施した 104 名の米国のCMOに対するインタビュー

調査 3によると、米国のCMOの 58%が、ブランドの安全性を実証するチャネルへの支出を増や

しているという回答を得ています。

あるCMOへのインタビューによると、アドフラウド(広告詐欺)の分野で既に進展が見え始めて

います。

「これは今後数年間が勝負です。透明性を持たせ、デジタルエコシステム全体を

合理化する必要があります。これらの問題は、テレビがデジタルと同様の機能を持

ち始めていることで、さらに拡大すると思われます。まさに大混乱の状態です。

朗報は、これらの課題解決のすべてが進歩していることです。アドフラウドで経験

したことを経て、かなりの力で進んでいます」

3 出典: Teadsのプレスリリースからの引用(2017年 11月 11日)

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広告主が取っている積極的なスタンスを考えると、将来的にはこれらの分野が改善されると

思われます。それらの利益を確実に持続可能にするため、広告主、メディアエージェンシー、

パブリッシャーは、共通のルールセットに同意し、これを実行に移す必要があります。広告主は、

意図するオーディエンスにデジタルメディアキャンペーンが確実に配信されるようにする必要が

あり、そのためには配信前の一貫した検証が必要になります。

ニールセンデジタル広告視聴率(DAR)ベンチマークレポートによると、2014 年第 1 四半期から

2017 年第 2 四半期までに計測された全オンラインおよびモバイルキャンペーンのわずか 59%

しか、意図したターゲット層に配信されていませんでした。そのため、キャンペーンのインプレッ

ションの 41%が、意図したターゲットとは異なるオーディエンスに配信されたことになります。

ブランド広告主とメディアエージェンシーは、各キャンペーンの効果的なリーチを計測し、継続

的に的確な配信を最適化できるようにする必要があります。これは、デジタルメディアの

Hygiene についての懸念を緩和するための 1 つの手段です。

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ヒント! 図 7.1 に、マーケ

ターが従来型メデ

ィアチャネルとの

比較においてデジ

タルメディアの ROI

計測にどの程度

自信を持っている

かが示されていま

す。

デジタルメディア: ROI の計測 それでは、マーケターはデジタルメディアキャンペーンの ROI を実際に計測する

際に、どの程度自身を持てているのでしょうか?ニールセンの調査では、デジタ

ルメディアは他のメディアに比べて比較的高い自信スコアを達成していますが、

依然として改善の余地は多くあります。

回答者の 74%がデジタルROIの計測にある程度の自信があると答え

た一方で、調査とインタビューの詳細な分析からは、より厳しい実態が

示されています。回答者のわずか 26%が、デジタルメディアのROIを定

量化するケイパビリティに関して、とても自信がある(「非常に」自信が

ある、または「極めて」自信がある)と回答しており、回答者のわずか

4%が、極めて自信があると回答しています。回答者のデジタルメディ

アの効果のランキング上位を考慮すると、マーケターは、たとえ高い

ROIを生み出していても、それを正確に計測していることに対する十分

な確信を持てていないことを示唆しています(図 3.0 を参照)。

図 3.0

デジタルメディアの ROI を正確に定量化するケイパビリティ

質問: 「デジタルメディアの ROI を正確に定量化するケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

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一部のマーケターは、アトリビューションと計測が、急速に変化するメディア業界にいまだに

追いついていないと考えています。

「現時点で、この業界の全員が ROI を定量化するケイパビリティに高い自信を持っ

ているとは思いません。アトリビューションと計測は、消費者のメディア消費習慣の

進化に追いつく必要があります」

その他のマーケターは、デジタルメディアへの支出を店舗での売上に結びつけるのに苦慮して

います。

「クリックスルーレートや他のエンゲージメント指標に基づいてデジタル ROI を計算

できますが、売上金額や売上個数に基づいた計算はできません」

デジタルの直接的なアクションの計測は簡単ですが、それらのアクションをオフライン売上や

ブランド認知度の計測に結びつけるのは、多くのマーケターにとって障害となっていることが

判明しています。

「サイトへの訪問やアクションの効果は追跡できますが、ブランドへの影響を定量

化するのははるかに困難です」

デジタルメディア: 現在と将来の支出 ここまでで、デジタルメディアの重要性と一般的な効果、さらにはそれを計測するマーケターの

ケイパビリティに対する認識が把握できたことと思います。次に、現在と将来のメディア支出が

どうなるかについて見てみましょう。

現在のデジタルメディア支出

マーケターに対し、デジタルメディアに投じている現在の広告予算の金額を調査しました。それ

で判明したことは、概して回答者は、すべてをデジタルメディアに投じているか、または動向を

うかがいつつ依然として予算の大半を従来型メディアに投じているかのいずれかであるという

ことでした。この点を証明するものとして、回答による現在のデジタルメディア支出は範囲(総

広告予算の 40%未満と 80%超)の下限と上限に寄る結果となっています(図 4.0 を参照)。

半数を若干上回る回答者(51%)が、デジタルメディアに 40%未満の予算しか投じていませ

ん。

デジタルメディア支出を示した図 4.0 を分析すると、その中間値の回答者はデジタルメディアが

総広告支出の 37.6%を占めると答えています。同様の計算をした場合、これは従来型メディア

に投じられている広告予算と非常に近く、割合(%)がわずかに少ない 36.6%となっています。

そのため、デジタルメディアは重要性と効果の計測では上位にランキングされているものの、

現在の支出は従来型メディアとほぼ同じであるという回答を得ています。

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ヒント! 図 8.1 に、従来型

メディアチャネルと

の比較において、

現在のデジタル

メディア支出が

どのようになって

いるかが示されて

います。

図 4.0

デジタルメディアの現在の広告支出の割合(%)

質問: 「デジタルメディアに投じている広告予算の割合を教えてください」

将来のデジタルメディア支出 今後 12 カ月の予測では、回答者の描き出す未来はかなり異なっていました。

回答者の 82%が、デジタルメディア支出が増加すると回答しており、わずか 4%が減少すると

予測していました(図 4.1 および図 4.2 を参照)。そのため、合計では、ほぼすべての回答者

(95%)が、デジタルメディア支出が将来的に横ばい状態となるか、増加すると答えています。

回答者は平均で、今後 12 カ月のデジタルメディア支出が 49%増加すると

予測しています。一部の回答者は、さらに増加すると回答しています。

「2 年半前は、当社の支出の約 38%がデジタルに投じられていました。この数字

は 70%に届きそうです」

20%未満 80%以上

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図 4.1

今後 12 カ月のデジタルメディア予算の変化の予測

ヒント!

図 9.2 に、従来型メ

ディアチャネルとの

比較において、デ

ジタルメディア支出

がどのように変化

するかを示してい

ます。

質問: 「今後 12 カ月でデジタルメディア予算はどのように変化すると思いますか?」

図 4.2 を見ると、ほとんどの人々が増加すると予測していることが分かるだけでな

く、予測される予算の増加幅は、予測される予算の減少幅よりも大きくなっている

ことが分かります。

図 4.2

今後 12 カ月のデジタルメディア予算の変化の予測(%)

質問: 「今後 12 カ月でデジタルメディア予算はどのように変化すると思いますか?」

増加する 変化なし 減少する

総回答者数

変化の割合(

%)

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従来型メディア 回答者は従来型メディアチャネルに対し、デジタルメディアチャネルほどには高い

ランクを付けなかったものの、ダイレクトメールや屋外広告(掲示板広告)、紙媒

体、ラジオなどの分析されたチャネルの中ではテレビが突出しています。回答者

の大半は、テレビをメディア戦略で「非常に」または「極めて」重要であるとランク

付けしています。テレビは効果についてもトップを占めています。

ただし回答者は、ROI を定量化するケイパビリティについては、デジタルメディア

よりも従来型メディアについての方がやや自信がないと回答しています。とは

言え、大半(59%)の回答者が、概して従来型メディアの ROI を計算するケイパ

ビリティにある程度の自信があると回答しています。

従来型メディアとデジタルメディアの認識されている ROI 計測ケイパビリティの

相違要因の 1 つは、従来型メディアが「リーチメディア」とみなされていることが多

いという事実です。これは購買地点から遠く、購入に直接結びつけることが困難

であるという認識に違いありません。多くのマーケターが証言しているように、従

来型メディアはブランド構築に依然として重要であり、ブランド認知度や想起率、

好感度など、アッパーファネルのマーケティング指標に関連しています。

従来型メディア: 重要性 回答者の 51%超が、リニア配信型のテレビを「非常に」または「極めて」重要で

あるとランク付けしています。実際に、回答者の 30%がテレビを「極めて重要で

ある」とランク付けしており、他の従来型チャネルが 10%に満たないことを考える

とこれは注目すべきことです(図 5.0 を参照)。

他の従来型チャネル(紙媒体、ラジオ、ダイレクトメール、屋外広告)が「非常に」

または「極めて」重要であるとランク付けした回答者は 4 分の 1 以下(20%~

25%)で、ダイレクトメールを「非常に」または「極めて」重要であるとみなしている

回答者は 25%です。

なお、広範なAM/FMラジオカテゴリー(無線ラジオ局やオンラインストリーム)の

一部としてのストリーミングラジオ(音楽とトークの両方をストリーミング放送する

アプリ、ウェブサイト)は、調査の評価対象には含まれていません。これがおそらく

チャネルの重要性の認識に全体的な影響を及ぼしたと思われます。重要なの

は、「リーチメディア」として判断された場合、ラジオ全体がリーチと利用頻度の

点で従来型メディアの中でリードし続けているということです。ラジオは米国の

2 億 2 千 850 万人の成人(18 歳以上)にリーチしているのに対し、テレビ(ライブ、

DVR、録画)は 2 億 1 千 650 万人にリーチしています。詳しくは、『Nielsen

Comparable Metrics Report』をご覧ください 4。

4 出典: 『The Nielsen Comparable Metrics Report Q2 2017』

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図 5.0

従来型メディアチャネルの重要性: ランキング上位

質問: 「最も重要な従来型メディアチャネルは何ですか?」

図 5.1

従来型メディアチャネルの重要性: 全ランキング

質問: 「最も重要な従来型メディアチャネルは何ですか?」

テレビ 紙媒体 ダイレクトメール

ラジオ 屋外広告

極めて重要である 非常に重要である

テレビ 紙媒体 ダイレクトメール

ラジオ 屋外広告

極めて重要である 非常に重要である やや重要である あまり重要でない 全く重要でない

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従来型メディア: 効果 デジタルチャネルと従来のチャネルを大まかに分類し、その効果の比較について回答者の

見解を求めました。従来型チャネルでは、テレビをモバイル、検索、ソーシャルメディア、OTT

TV/CTV、プログラマティックなどのデジタルチャネルに加え、ラジオ、紙媒体と比較してもらい

ました。従来型チャネルで、全体として効果的なランキング(「やや」「非常に」「極めて」効果的

であるもの)を分析すると、興味深い結果が判明しました(図 6.0 と図 6.1 を参照)。

紙媒体とテレビはいずれも、マーケターの大半が概して効果的であると考えています。62%が

紙媒体を、61%がテレビを効果的なチャネルであるとみなしています(「やや」「非常に」「極め

て」効果的なカテゴリーとして定義)。ラジオについても、回答者の 45%が同様であると考えて

います。マーケターは明らかに、従来型メディアをメディアミックス全体で重要な役割を果たし

続けるものと見ています。

そうは言っても、テレビを「非常に」または「極めて」効果的なメディアチャネルであるとランク

付けしているのは、回答者の半数未満(43%)です。21%が紙媒体を「非常に」または「極めて」

効果的であるとランク付けしているのに対し、19%が地上波ラジオチャネルをトップに位置付け

ています(図 6.0 と図 6.1 を参照)。テレビは回答者の 10%超が「極めて」効果的であるとみな

している 唯一の従来型チャネルです。

この調査から、従来型メディアはデジタルメディアと同程度に効果的であるとは受け取られてい

ないことが示唆されていますが、効果の指標は相対的であるということを理解することが重要

です。キャンペーン目標は、具体的なキャンペーンパフォーマンス目標を最適にサポートする

ことが実証されているメディアタイプと連携させる必要があります。

CMO へのインタビューの多くで指摘されているように、ここで評価された従来のチャネルは、

ミッドファネル(興味関心・購買検討層)とアッパーファネル(認知・関心の低い層)のブランド

構築とうまく連携されており、それが新たな見込み客の規模を拡大するためには重要です。

「ミッドファネルとアッパーファネルの需要を高められていないということは、目標を

達成するためのパイプラインを十分な見込顧客で埋められていないということを

意味します。私は効果的なリーチを実現する多くの指標にとても関心を持って

おり、しばらくの間それを活用してきましたが、メディアミックスとその展開を織り

込む方法との間のダイナミクスを理解したいと考えています」

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図 6.0

従来型メディアチャネルの効果: ランキング上位

質問: 「貴社のビジネスにおける以下の各メディアチャネルの効果を評価してください」

図 6.1

従来型メディアチャネルの効果: 全ランキング

質問: 「貴社のビジネスにおける以下の各メディアチャネルの効果を評価してください」

リニア配信型テレビ 紙媒体 ラジオ

極めて効果的である 非常に効果的である

リニア配信型テレビ 紙媒体 ラジオ

極めて効果的である 非常に効果的で ある

やや効果的である あまり効果的で ない

全く効果的でない 該当しない

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図 6.2 は、マーケターが、一部の従来型メディアチャネルとデジタルメディアチャネルのメディア

効果をどのように捉えているかついての全体像を示したものです。なお、回答のしやすさへの

配慮から、質問は簡略化されており、すべてのメディアチャネルが含まれているわけではあり

ません。

図 6.2

デジタルメディアチャネルと 従来型メディアチャネルの効果: 全ランキング

質問: 「貴社のビジネスにおける以下の各メディアチャネルの効果を評価してください」

ソーシャル

メディア

検索 モバイル リニア配信型テレビ 紙媒体 ラジオ プログラマティック OTT-TV/ CTV

極めて効果的であ非常に効果的で ある

やや効果的である あまり効果的で ない

全く効果的でない 該当しない

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従来型メディア: ROI の計測 それでは、従来型メディアキャンペーンの ROI を実際に計測する際に、マーケターはどの程度

自信があるのでしょうか?ニールセンの調査では、マーケターの 59%が、従来型メディアの

ROI の計測にある程度自信があると回答しています。これはデジタルメディアと同等ですが、

はるかに少ない割合(23%)のマーケターが大いに自信がある(「非常に」または「極めて」自信

がある)と回答しています。また回答者の 42%は自信がないと回答しており、これは従来型

メディアキャンペーンの ROI の定量化に課題が残されていることを示唆しています(図 7.0 と図

7.1 を参照)。

図 7.0

従来型メディアの ROI を正確に定量化するケイパビリティ

質問: 「従来型メディアの ROI を正確に定量化できるケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

ある回答者は、常に発生するすべてのことを計測しようとすると、問題が発生すると述べて

います。

「当社の人々は、すべてのことをやりつくす傾向にあります。そうすれば何かを

見逃すことがないからです。ただし、同時にすべてを計測することになるため、何も

重要でないということになりませんか?」

メディア支出をオフライン売上に結びつけることに苦慮している回答者もいます。

「当社の商品は、店舗において従来の小売形式で販売されています。そのため、

ROI を正確に定量化するのはかなり困難です」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある 非常に自信がある 極めて自信がある

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比較のため、従来型メディアとデジタルメディアの ROI を正確に定量化するケイパビリティに

関して、マーケターがどの程度自信を持っているかを見てみましょう。図 7.1 にそれぞれを比較

しています。

図 7.1

メディアタイプ別の ROI の定量化ケイパビリティに対する自信

質問: 「従来型メディアの ROI を正確に定量化できるケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

「デジタルメディアの ROI を正確に定量化できるケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

ある CMO は、企業の CFO と役員レベルにとって、マーケティング ROI の計測がどの程度重要

であるかについて述べています。マーケターは、メディア支出の影響をよりきめ細かなレベル

で提供できる未来に向かって着実に歩んでいます。

「マーケティング ROI に注目があっており、そして CFO はとても期待しています。

役員レベルを含む他の全員が、投資が回収されることをマーケターが証明できる

ことをとても楽しみにしているのです。これまでは、そうした関係者は投入される

費用がもたらす結果を知りませんでした。こうした傾向は間違いなく続き、より詳細

になっていくものと思われます。そして今では、現在のテクノロジーと機能を用い

て、はるかに明確に購入までの道筋を辿ることができます」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

従来型メディア デジタルメディア

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従来型メディア: 現在と将来の支出 総広告予算の一部としての現在の従来型メディア支出は、デジタルメディアに引けを取って

いません。

現在の従来型メディアの支出

回答者の約 44%が、現在の従来型メディア支出が総広告予算のうちの大きな割合(40~79%)

を占めていると回答しましたが、約 30%は、現在の支出が総支出の 20%未満であると答えて

います(図 8.0 を参照)。

つまり、従来型メディア支出は中間的カテゴリー(40%~80%)でピークを迎えるのに対し、

デジタルメディアは両端(40%未満と 80%超)でピークを迎えます。これは、従来型メディアに

支出しているマーケターが、デジタルメディアに支出するよりも多くの金額を支出していることを

示唆しています。テレビや印刷物をはじめとした従来型メディアの場合、デジタルよりも元々の

料金が高く、より多くの予算が必要です。

従来型メディア支出の平均を示した(中間点を計算した)図 8.0 を分析すると、本レポートで

前述したように、回答者はデジタルメディア(37.6%)に対して、従来型メディアは総広告支出の

36.6%を占めると回答しています。従来型メディアの予算は、デジタルメディアの予算と同等

です。

図 8.0

従来型メディアの広告支出に占める現在のシェア

質問: 「従来型メディアに投じている広告予算の割合を教えてください」

注: この図には、「分からない」または「該当しない」を選択した回答者 17%が含まれていません。残りのカテゴリーの割合(%)は、「分からない」/「該当しない」を除いて合計で 100%になるよう再計算されています。

20%未満 80%以上

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図 8.1 は、従来型メディアとデジタルメディアの現在の支出の総広告予算に占める割合(%)を

示したものです。

図 8.1

メディアタイプ別の広告支出の現在のシェア

質問: 「従来型メディアに投じている広告予算の割合を教えてください。デジタルメディアに投じている広告予算はどのくらい

ですか?」

注: この図には、「分からない」または「該当しない」を選択した回答者 17%が含まれていません。残りのカテゴリーの割合(%)は、「分から

ない」/「該当しない」を除いて合計で 100%になるよう再計算されています。

将来の従来型メディア支出

ただし、今後 12 カ月のメディア支出の変化については、回答者が従来型メディア予算の減少を予測して

います。実際に、3分の 1未満(30%)が増加を予測、半数近く(44%)が減少を予測しています。従来型メデ

ィア予算の変化の平均は、−5%となっています(図 9.0 を参照)。

20%未満 80%以上

従来型メディア デジタルメディア

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図 9.0

今後 12 カ月の従来型メディア予算の変化の予測

質問: 「今後 12 カ月の従来型メディア予算の変化をどのように予測しますか?」

図 9.1 は、従来型メディア予算の増加を予測するマーケターと、減少または変化なし

を予測するマーケターとの間がさらに大きく二分されていることを示しています。予測

される予算の減少幅が、図 4.2 に示したデジタルメディアの減少幅よりも非常に大き

くなっていることに注意してください。

図 9.1

今後 12 カ月の従来型メディア予算の変化の予測

質問: 「今後 12 カ月の従来型メディア予算の変化をどのように予測しますか?」

増加する 変化なし 減少する

総回答者数

変化の割合(

%)

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図 9.2 は、今後 12 カ月の従来型メディアとデジタルメディアの予算の変化の予測を示していま

す。

図 9.2

今後 12 カ月のメディア予算の変化の予測

質問: 「今後 12 カ月の従来型メディア予算の変化をどのように予測しますか?また、今後 12 カ月のデジタ

ルメディア予算の変化をどのように予測しますか?」

増加する 変化なし 減少する

が従来型の増加を予測

がデジタルの増加を予測

従来型メディア デジタルメディア

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ウォールド・ガーデンの使用

「ウォールド・ガーデン」(Facebook、Google、Amazon などの事業者によって運営される「クローズド」なメディ

アエコシステム)の役割についての考察なくしては、現在のメディア戦略はほとんど成り立ちません。そこで

ニールセンでは、マーケターがこれらの関係性と、こうした環境の中で自身のキャンペーンの ROI を定量化

する自身のケイパビリティについて、どの程度満足しているかを把握したいと考えました。

さらに、回答者はウォールド・ガーデンの計測結果の価値に関する知見を提供してくれました。この最後の

ポイントによって、メディア戦略と計測に関する対話の重要な部分である、信頼、透明性、一貫性に関する

全体像が明らかになりました。

ウォールド・ガーデン – 満足度 回答者のウォールド・ガーデンに対する満足度は、2 つに分かれました。回答者の 67%はウォールド・ガー

デンに中立または肯定的な満足度のランクを付けました。最大の構成要素(41%)は中立であり、これは、

ある一定の人たちにとっては、はっきりと述べるにはやはり時期尚早であることを示唆しています。調査対

象者の 26%は、ウォールド・ガーデンとの関係に概して満足していると回答しています(図 10.0 を参照)。

図 10.0

ウォールド・ガーデンへの満足度 (Facebook、Google、Amazon など)

質問: 「私は『ウォールド・ガーデン』(Facebook、Google、Amazon など)との関係に満足

している」

全くそう

思わない そう思わない どちらとも

言えない そう思う 強くそう思う

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とは言え、回答者は調査時やインタビュー時に、ウォールド・ガーデンについて強い意見を

持っていました。これらのチャネルの透明性や「クローズド」な性質に関して懸念する声が最も

多く挙がっていました。

「ウォールド・ガーデンは、マーケティングへの総合的なアプローチの障壁となって

います」

「すぐにデータを共有してくれないのに、ブランドに求める投資はどんどん増えて

います」

「彼らの透明性の度合いについて知る術がありません」

ウォールド・ガーデン - 計測と効果

満足度はさまざまに異なっているものの、回答者はウォールド・ガーデンの広告 ROI を定量化

するケイパビリティについてやや肯定的にとらえています。回答者の37%がウォールド・ガーデ

ンの ROI を定量化できると考えています。反して 30%は、ウォールド・ガーデンの広告 ROI を

正確に定量化できるとは考えておらず、意見が分かれています(図 11.0 を参照)。

回答の差は、おそらくこれらのチャネルでキャンペーンを実施する際に、マーケターが考えて

いたキャンペーン目標の違いと、プラットフォーム固有の差異によるものだと思われます。

例えば Amazon は、消費財や関連商品のダイレクトレスポンスキャンペーンに適しています。

ブランディング中心のキャンペーンについては、通常はウォールド・ガーデン固有の長所だと

見なされている、きめ細かなオーディエンスターゲティングゆえに、幅広いオーディエンスに

リーチする広告主のケイパビリティが制限される場合があります。そのため、テレビやラジオ

などの従来型のリーチメディアの方が、効果的な場合もあります。

キャンペーンのゴールが、ロウアーファネルの潜在顧客をコンバージョンさせることではなく、

アッパーファネル層の獲得を最大化することである場合は、以下のCMOのコメントに明確に示

されているように、その目標を達成するのに最適なメディアチャネルを慎重に考慮する必要が

あります。

「2 年前に、あなたがマーケターにデジタル戦略の説明を求めたならば、デジタル

メディアが彼らのブランド構築モデルのどこにフィットするかについての戦略的理

解ではなく、デジタルメディアについてのとりとめのない説明を受けたことでしょう。

私たちは、人々をアッパーファネルに絶えず誘導することが必要なのです。」

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図 11.0

ウォールド・ガーデンの ROI を定量化するケイパビリティ

質問: 「次の文章にどの程度同意するかを評価してください。『我々は、ウォールド・ガーデン

(Facebook、Google、Amazon など)の広告 ROI を正確に定量化できる』」

マーケターは、ウォールド・ガーデンのデータとパフォーマンスについて、より多くのインサイト

を得る必要性を強調しています。

「我々は、ROI に関してより多くのオーディエンスインサイトが必要です。重要なの

はインプレッションだけではありません」

「ウォールド・ガーデンは、データとパフォーマンスについてさらなる透明性を実現

する必要があります」

さらに、回答者は一貫した計測方法の必要性について述べています。

「これらのチャネル間のレポーティングに一貫性が全くありません」

「たえず変更になるルールとパフォーマンスの変化が、一貫した結果を出すのを

困難にしています」

一方で、他のマーケターは、ウォールド・ガーデンの高度な分析ケイパビリティは、比較的クロ

ーズドなマーケティングエコシステムであるという事実に反論する上で十分に素晴らしいもの

であると感じています。

「高度な分析が、障壁をなくしています」

全くそう

思わない そう思わない どちらとも

言えない そう思う 強くそう思う

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各ウォールド・ガーデン間の一貫性を欠く計測結果についての懸念に対応するため、回答者に

対して、ウォールド・ガーデンの分析と計測結果に対する信頼度について見解を求めました。

ほとんどの回答者は、ウォールド・ガーデンの分析と計測結果の信頼度について、中立の立場

を取っています。回答者の最大グループである 42%は、信頼度について「どちらとも言えない」

と回答し、先のウォールド・ガーデンに関する質問で明らかになった比較的中立であることと

整合しています(図 11.1 を参照)。

図 11.1

ウォールド・ガーデンの分析と 計測結果の信頼度

質問: 「ウォールド・ガーデン(Facebook、Google、Amazon など)の分析と計測結果の信頼度はどの

程度ですか?」

非常に低い 低い どちらとも

言えない

高い

非常に高い

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キャンペーン ROI に対する

メディア事業者の責任

回答者に対して、広告主のキャンペーンパフォーマンスに関して、メディア事業

者の役割と責任の度合いについての見解を求めました。81%は、メディア事業

者がキャンペーンパフォーマンスに責任を負うべきであることに同意しました。

メディア ROI に関する責任はメディア事業者に委ねられていることに同意しな

かったのは、回答者のわずか 6%でした(図 12.0 を参照)。

回答者とインタビューを受けた人のコメントから、より詳しい状況が分かります。

一部のマーケターは、説明責任はメディア事業者との業務契約の一部であると感じています。

「ビジネスを望んでいるならば、提供すべきなのは付加価値サービスです。それを

しないのであれば、より進歩的な考え方の同業他社が、ビジネスを獲得する可能

性が高くなります(その他すべての条件が同じ場合)」

「彼らはキャンペーンパフォーマンスに説明責任を負うべきですが、私たちのお金

を賢く使って私たちのために代弁し、それぞれの契約に対して付加価値機会を

提供すべきです」

その他のマーケターは、メディア事業者のパフォーマンスはキャンペーン ROI に寄与する要素

の 1 つにすぎないと強調しています。つまり、メディア事業者のできることにも限りがあります。

「メディア事業者は、計画どおりキャンペーンを実施することに責任を負いますが、

ROI についての責任はありません。商品が悪い場合、広告を出したメディアに責任

を求めることはできません」

「キャンペーンパフォーマンスは、効果的でクリエイティブなコミュニケーション、メデ

ィア戦略、メディア事業者/パブリッシャーのリーチとパフォーマンスを組み合わせ

た結果であると考えており、ROI を見る場合はすべての側面を評価すべきです」

「クリエイティブの品質やサイト/店舗の顧客体験などの他の要素が役割を果た

すことを認める必要があります。すべてがメディアに委ねられているわけではあり

ません」

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他のマーケターは、契約と相互理解を強調しています。

「メディアとパブリッシャーは、契約したレベルに対しての責任を負うべきです。

契約が主な要素です」

「購買者は気付いていなければなりませんが、パブリッシャーと広告主の間

には、双方がブランドにとってベストであるものを求める、あるレベルの信頼

関係が存在するはずです」

図 12.0

キャンペーンパフォーマンス(ROI)に対する メディア事業者の責任

質問: 「次の文章にどの程度同意するかを評価してください。『メディア事業者/パブリッシャーは、

彼らのプロパティ上でのキャンペーンのパフォーマンス(ROI)に責任を負うべきである』」

全くそう

思わない そう思わない どちらとも

言えない そう思う 強くそう思う

がメディア事業者に責任が

あることに同意

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オムニチャネルの

ジレンマへの取り組み

ニールセンの調査は、マーケターが引き続きメディアの断片化と組織のミスマッチという課題を

抱えている一方で、メディアに対してオムニチャネルアプローチを採用する傾向にあることを

示しています。現在と過去の調査が示しているように、かつてジレンマだったものが機会になる

ことが増えています。

回答者に対して、マーケティングチャネルに対する自身のアプローチプランを、次の 3 つのうち

の 1 つに分類するよう求めました。

マルチチャネル: チャネル毎の「スイムレーン」に注力するように組織化されたマーケ

ティング部門で、それぞれに報告体制と収益目標が割り当てられている。

オムニチャネル: チャネルに関係なく組織化されたマーケティング部門(顧客を戦略の

中心とするもの)で、統一された報告体制と収益目標を持つ。

いずれにも該当しない: 広告を 1 つのチャネルに注力しているか、または有料広告に

あまり多額の投資をしないマーケティング部門

過半の回答者(62%)はオムニチャネルマーケティングアプローチを取っていると回答していま

すが、一定数の回答者(36%)が引き続きマルチチャネルアプローチを取っています。いずれ

のアプローチも取らないと回答しているのは、ごくわずか(2%未満)です(図 13.0 を参照)。

図 13.0

マーケティングチャネルに対するアプローチプラン

質問: 「マーケティングチャネルに対する自身のアプローチプランを最も良く表しているのはどれ

ですか?」

マルチチャネル オムニチャネル いずれにも該当しない

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この調査結果が示しているのは、この分野が大きな進歩を遂げているということ

です。この結果を、以前ニールセンが全米広告主協会(ANA)と共同で実施した

「Optimizing Integrated Multi- Screen Campaigns (統合マルチスクリーンキャン

ペーンの最適化)」という調査と比較しました。この 2013 年の調査で判明した

のは、企業の 71%がオムニチャネルキャンペーンを管理していないということ

でした 5。

そのわずか 4 年後に、同程度の大多数のマーケターが、反対の回答をするのを

私たちは目にしているのです。組織はメディアエコシステムの変化に急速に適応

していますが、それはそうせざるを得ないためです。もはや、「もし」ではなく

「いつ」の問題であり、今こそその時であると述べるマーケターが増えているの

です。

部門のサイロ化は、多くの組織にとって成長過程に伴う問題とみなされていま

す。チャネル別の部門は独自の数字を達成することに注力し、キャンペーンの

冗長性、重複、非効率性についてはほとんど注意を払っていません。クロスチャ

ネルの顧客データ、メディアプラン、パフォーマンス目標、キャンペーン分析を

統合すれば、メディアの無駄を減らし、優れた顧客体験を生み出すという共通の

目標に向けて異なるマーケティングチームを協調させることができます。

統合された消費者データへのアクセスは、全てのステークホルダーが顧客行動

や販売属性を比較して見ることを可能にし、サイロ化の弊害を無くすことができ

ます。それによって、どの策が成果を上げているのか、どこにクレジットを割り

当てるべきか、メディアの無駄を減らすにはどうすればいいか、また、まとまりの

ある一貫したメディアプランを策定するためにチームはどのようなことをする必要

があるかを、はるかに簡単に把握できるようになります。

オムニチャネルのジレンマは、このインタビュー対象者が明確に語っているよう

に、メディアに依存しない顧客第一のマーケティングアプローチを取ることの

困難さによって特徴付けられます。

「我々の視点は、これがデジタル支出、これが従来型支出とい

うように分けられたサイロを無くそうと真剣に取り組み、消費者

をオーディエンス第一の視点から見ること、そして解決しようと

している問題を定義しようとしていることです」

「消費者が検索しているものやパーチェスファネルのどの段階

にあるかに基づいて、複数のメッセージを提供する感受性が

無ければ、私は勝てないでしょう」

5 『Optimizing Integrated Multi-Screen Campaigns(統合マルチスクリーンキャンペーンの最適化)』 全米広告主境界とニールセンが実施した調査.

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マーケターは、ここ数年発展してきているオムニチャネルでのメディアチャネル戦略ついて、

その影響の大きさと、それへの対応速度の観点から見解を述べています。

「我々は現在、従来型メディアとデジタルメディアを同時に検討しますが、一方で

別々に考えることに慣れていることも事実です」

「もっと多くの場所とチャネルに対して、そのすべてに適切な戦略を展開する必要

があります。それは、我々が自身のアプローチをどのように考えるかに、大きな

影響を与えています」

回答者の 36%が、依然としてスイムレーン別にビジネスを行っている企業に勤務しています。

各スイムレーンでは、各チームが、それぞれの主要なメディアチャネルごとに、独自の数字の

達成に注力しています。それによってズレが生じるリスクが増加します。チャネル別に分かれ

た各チーム間でデータが共有されていなければ、消費者体験は不快なものとなり、メディアに

無駄が発生することが避けられなくなります。

このインタビュー対象者は、自身が経験した行動をこの上なく克明に描写しています。

「領域的、政治的、サイロ化; 我々は、予算が必ずしも策定されていない、または

総合的に管理されていない、などの状況を経験してきました。サイロに管理され、

わずかな追加予算を確保するために、全員が出てきて刺し違えるがごとき状況

でした」

このマーケターは、一貫性のあるオムニチャネル計測方法が、メディアチャネル戦略を総合的

に考えるケイパビリティに大きな影響を与えると述べています。

「全オムニチャネル体験にわたって投資成果を簡単に確認し、何が起こっているか

をピンポイントで把握できる「ボタン」があればいいのにと思います。まだそこには

到達していません… 計測効果に自身のロゴを付けたいプレイヤーが多すぎて、

それが業界全体の改善を阻んでいるのです… なぜなら皆が独自の方法で優位に

計測したいと考えているためです」

自動車業界のある CMO は、顧客第一主義を掲げるには、マーケターがメディア支出と購入

プロセスの段階を最適に一致させる方法を考えることの必要性について述べています。

「我々は、顧客第一のマインドセットを持たなければなりません。それが、私たちが

消費者の購買プロセスにアプローチする方法です。時折非常に上手くいく時もあり

ますが、良くない場合もあります。自動車のパーチェスファネルについて考えた

場合、将来のマーケット、ニアマーケット、エンドマーケットがあります。ファネルの

最下層のエンドマーケットでは、我々は最近非常にうまくやっています。しかし、

ミッドファネルからアッパーファネルまでの需要を喚起しなければ、目標を達成する

ために十分な顧客でパイプラインを満たすことができなくなります」

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キャンペーン目標の把握 マーケターのメディア戦略の把握は、キャンペーン目標によって具体化されます。

そこで、回答者に対し、「ブランド認知」、「顧客獲得」、「顧客ロイヤルティ」、「顧客アドボ

カシー」、「顧客チャーン」といった主な 5 つの目標の重要性について、ランク付けを依頼

しました。

すべての回答者とインタビューしたエグゼクティブからの回答に共通していたのは、主な

マーケティング目標としての顧客獲得の重要性です。これは大差でトップとなりました。

回答者の 93%が、これを「非常に」(40%)または「極めて」(53%)重要であるとランク

付けしており、「やや」重要であるとランク付けした回答者はわずか 1 名でした。実際に、

顧客獲得はニールセン CMO レポートの中で、ほぼ全員一致でトップにランク付けされて

います。

その他のキャンペーン目標もかなり高い位置に付けており、回答者の 60%以上が、ブラ

ンド認知(81%)、顧客ロイヤルティ(76%)、顧客アドボカシー(68%)、顧客チャーン/

顧客離れの削減(60%)のすべてについて、「非常に」または「極めて」重要であるとランク

付けしています(図 14.0 を参照)。

本レポートでは、

ほぼ全員一致で

顧客獲得が

トップの座を

獲得しています。

図 14.0

キャンペーン目標の重要性

質問: 「貴社のビジネスの以下の各キャンペーン目標の重要性を評価してください」

顧客獲得 ブランド認知 顧客ロイヤルティ 顧客

アドボカシー

顧客チャーン/顧客

離れの削減

極めて重要である 非常に重要である

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カテゴリーを跨いで、高い相対性を持つ重要なスコアは、サイロ化されていない顧客第一の

マーケティングアプローチがどれほど重要であるかという見方を強化するものです。これは、

特に異なるメディアチャネルの相対的な長所を考えてみると当てはまります。例えば、テレビ

やラジオなどのリーチの広いメディアは、セールスファネルのアッパーを埋めるためのブランド

認知キャンペーン目標に適しています。一方で、検索や電子メールなどのダイレクトレスポンス

メディアは、ロウアーファネルの見込み客にコンバージョンを求める顧客獲得目標に適して

います(図 14.1 を参照)。

図 14.1

メディアとセールスファネルの一致

ブランド構築 ● アッパーファネル戦略

● 従来型メディア

(テレビとラジオ)

顧客獲得 ● ミッド/ロウワーファネル戦略

● デジタルメディア

(検索、ソーシャルメディア、

電子メール)

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マーケターは、コメントやインタビューで、主なキャンペーン目標として、顧客獲得とブランド

構築の重要性を強調しています。

顧客獲得について:

「リード・ジェネレーション・ツールとして、ソーシャルメディアの使用が増えていま

す。Facebook、Instagram、Snapchat で、月平均 6 万件のリードをつくっています」

「ブランドマーケターからパフォーマンスマーケターへと移行する必要があると考え

ています。そうすれば、データエンジンを実際の競争力として構築し、活用すること

で、e コマースで勝つために必要なものすべてがそろいます」

「我々にとっての究極の効果計測指標は、投じられるマーケティングコスト当たり

のリターンです。しかし、日次、週次、月次単位では、リードジェネレーションが重要

になります」

ブランド構築について:

「今日私が伝えたいのは、一歩離れて見て、どの消費者をフランチャイズに誘導

しようとしているのかを、まず特定することです。人々をたえずファネルのトップに

連れて来る必要があると考えています」

統合アプローチを取ることについて:

「我々は、世帯普及率が低いカテゴリーでビジネスを行っています。そのため、

既存の消費者を維持し、新たな消費者を獲得することが、カテゴリー全体を成長

させる上で極めて重要です。また、競争がかなり激しいため、ブランドの認知度と

ロイヤルティを確立することも重要です」

「チャーンは我々の業界の現実であり、たえず新たな顧客を探す必要があります。

チャーンの減らすことは重要ですが、それだけだと消費者がこのカテゴリーの商品

とどのように向き合っているのかが見えません。新規顧客を獲得したうえで、ロイ

ヤルティとアドボカシーに向けて推進することがカギとなります」

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ニールセンでは、データが私たちの行動すべての基盤となっています。アートであっても、それは同じです。そのため、この画像も実際のデー

タを使って作成しています。

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メディアエージェンシー

進化、効果、予算

メディア戦略を語るとき、メディアエージェンシーの役割を把握していなければ、

その内容は完全とは言えません。そこで回答者に対し、過去 3 年間でメディア

エージェンシーの役割がどのように変化したかについて見解を求めました。

また、メディアエージェンシー予算の変化の予測とともに、メディアエージェン

シーのケイパビリティ、つまり、高い ROI を実現するケイパビリティに対して

マーケターがどの程度信頼しているかの評価も行いました。

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変化への適応

以下の調査結果は、マーケターの 3 分の 1 近く(32%)が、メディアエージェンシ

ーが過去 3 年間で大きな変化を遂げたと考えていることを示しています。一方、

同じく 3分の 1近くのマーケターは、メディアエージェンシーはたとえ変化している

としても、その変化は限定的であると回答しています(図 15.0 の「変化なし」また

は「あまり変化していない」の回答を参照)。

つまり、メディアエージェンシーの 3 分の 2 が、新たな世界に適応できるように取

り組んでおり、残りの 3 分の 1 では、そうした取り組みはまだまだ先のことと考え

ています。

図 15.0

過去 3 年間のメディアエージェンシーの役割の変化

質問: 「過去 3 年間で、メディアエージェンシーの役割がどの程度変化したと思いますか?」

変化なし あまり変化

していない

いくらか変化

している

大きく変化

している

完全に変化

している

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多数のマーケターのコメントやインタビュー内容は、メディアエージェンシーがデジタル志向を

さらに強めることの必要性を示唆しています。

「よりデジタルに精通したメディアエージェンシーに切り替えました」

「当社のブランドエージェンシーは、デジタル第一のマーケティングアプローチを

採用しているデジタルエージェンシーです」

「メディアエージェンシーからのデジタル動画(ほとんどは長尺形式の FEP/VOD)

の提案を大いに重視したいと考えています」

エージェンシーが、組織内の既存のサイロ化を強めている場合もあります。

「スイムレーンを体系化する必要があり、現在のテレビエージェンシーとは別の

デジタルエージェンシーを追加しました」

これらの発言が示しているように、マーケターはメディアのエコシステムの変化に適応する

ため、提携エージェンシーをこれまでよりも迅速に切り替えたいと考えていると述べています。

「『指定エージェンシー』はもはや無く、過去とは対照的に希望するエージェンシー

と柔軟に仕事をしています」

多くの組織は、独自のメディアプランの立案やバイイング機能を強化することにより、メディア

エージェンシーへの依存を減らすことに注力しています。

「当社は、メディアエージェンシーとは取引していません。社内でプランニングと

バイイングを行っています」

「外部のメディアエージェンシーの利用を減らし、社内機能を強化しました」

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変化への投資

メディアエージェンシーの役割の変化を促進するため、回答者は翌年のメディアエージェンシーに割り

当てる予算を平均で 8.5%増額する予定です。回答者の 43%がメディアエージェンシー予算の増額を

予定しており、これに対して 19%が減額を予定しています。(図 16.0 を参照)。 *これは、マーケターがエージェンシーの変革に投資したいと考えていることを示しています。

図 16.0

メディアエージェンシーへの予算配分の変化

質問: 「今後 12カ月のメディアエージェンシーへの予算配分がどのように変化すると思いますか?」

増加する 変化なし 減少する

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ROI の達成

マーケターの 83%が、メディアエージェンシーの高い ROI を達成するケイパビリティに、ある

程度の信頼を示しています。とはいえ、信頼度は調査対象によって異なります。回答者の 55%

がある程度信頼しており、22%が非常に信頼しています。ただし、完全に信頼しているのは

わずか 6.1%です。また回答者の 16%は、信頼性がないと回答しています(図 17.0 を参照)。

メディアエージェンシーは、メディア業界の劇的なシフトに適応しようとしていますが、マーケタ

ーに対してその価値を実際に示すにあたって、依然として改善の余地があります。こうした

信頼度の結果とメディアエージェンシー予算の増加予測(+43%)を考慮すると、ブランド広告主

がメディアエージェンシーの成功に投資しているのは明らかです。

図 17.0

メディアエージェンシーの高い ROI を達成するケイパビリティに対する信頼度

質問: 「貴社のメディアエージェンシーの高い ROI を達成するケイパビリティをどの程度信頼して

いますか?」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

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進化するクリエイティブ

高品質なクリエイティブの無いメディアプランは、基本的に使い物になりません。さらに、クリエ

イティブは「データ・インフォームド(データに基づいていること)」である必要があります。クリエ

イティブ担当者は、いかにオーディエンスインサイトを活用して、クリエイティブの制作工程に

反映させることができるかについて、理解を求められる局面が増えています。さらに、評価する

ためには、複数の広告出稿をコンテンツチャネル毎に同時に実施する必要があります。

デジタルメディアとは、動的な広告配信とコンテンツテンプレートを含んだ設計によって、複雑

化が急速に高まります。コンテンツの動的挿入(クリエイティブのバージョニング)は、それが

画像、動画、テキストのどれであっても、すべての可能な組み合わせでメッセージの関連性を

高める準備をすることができます。これを実現するため、クリエイティブエージェンシーは、誰が

消費者で、その消費者が購入までのプロセスのどの段階にいて、どの商品を検討中であるか

といった事柄に正確に基づいたうえで、メッセージの順番や内容を調整できる広告キャンペー

ンを企画する必要があります。

もちろんこれは簡単な作業ではありません。すべての商品と顧客タイプ、さらには個人が購入

プロセスのどの段階にいるかについて、考えられるシナリオを増やし始めると、メッセージの

組み合わせの数も膨大になります。

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インタビューを実施した CMO は、クリエイティブプランニングのプロセスがどれほど重要であり、

それがどの程度変化しているかについて説明しています。

鋭い消費者インサイトに基づいた戦略的なプランニングは、この CMO が証言しているように、

優れたクリエイティブを促進します。

「プランニングはメディアエージェンシーにとって不可欠だと思います。優れた戦略

の概要や消費者インサイトがどのようなもので、どのようにすれば行動を起こす際

の引き立て役を演じることができるか、を理解しているのがメディアエージェンシー

です。まさにそこから素晴らしいクリエイティブが生まれるのです」

クリエイティブ戦略は、多方面のメディアアプローチと一致させる必要があります。

「我々は、最高クラスのコンテンツを必要としていることは言うまでもなく、すべての

チャネルのすべてのコンテンツで最高クラスのコンテンツを必要としているのです」

「クリエイティブに関する考え方は、それが複数のチャネルで同時に展開される

という事実に合わせて変わる必要があります。これは、あるアイデアから 1 本の

コマーシャルを作り、それをずっと配信し続ける、という古い考え方とは全く異なる

もので、10~15 種類のチャネルで配信されるクリエイティブである必要があり、

互いに整合性が取れている必要があります」

考慮すべきチャネルはとても多いため、マーケターはより多くのコンテンツを必要としています

が、予算内に収める必要があります。

「エージェンシーには、料金をもっと下げて自発的になってほしいと思います。

つまり、これまでよりもコミュニケーションを取るチャネルが増えたため、従来にも

増して多くのコンテンツが必要なのです。そうしたコンテンツにテレビと同等の料金

を支払う余裕はありません。なぜなら、制作業界にとって破壊的なテクノロジーが

非常に多くあるからです」

スピードとクリエイティブな反応が必要であり、エージェンシーとマーケターはそれに後れを

取らないよう苦慮しています。

「何かが起これば、ソーシャルメディアにすぐに投稿する必要があります。それを

社内で行うには、投稿内容のアイデアを考えて、それに対する承認を得て、1 時間

以内に投稿しなければなりません。それが私の期待していることであり、クリエイテ

ィブエージェンシーがこれまであまりうまく出来ていなかったことでもあります」

クリエイティブとデータ、アートとサイエンスの融合こそが、マーケターが多いに重要視している

ことです。

「クリエイティブな人材は全てのデータと分析を確実に理解する必要があります。

なぜなら、インサイトを創造性と融合させて前に進むためです… それらは自然に

融合することはないのです。当社の従来の研修・スクール制度ではクリエイティブ

と数学とを常に区別してきましたが、一体化する必要があると現在は考えていま

す。データ全体の理解・分析サイドを強化するための多額の投資を行っています」

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ニールセンでは、データが私たちの行動すべての基盤となっています。アートであっても、それは同じです。そのため、この画像も実際のデータを使って作成しています。 Copyright © 2018 The Nielsen Company (US), LLC. All Rights Reserved.

ケイパビリティ データ、テクノロジー、分析

複雑なマーケティングテクノロジーを活用し、活動の影響を実証する分析技術を

導入して、膨大な量のデータからインサイトを引き出すことに責任を負うマーケター

が増加しています。

マーケティングスタックの登場により、従来よりも集中型のメディアプラン、データ

管理、メディアの活性化と計測を行えるはずです。従来よりも統合されたこのような

アプローチには、現在通常使用されている多数のポイントソリューションよりも多大

なメリットがあります。広告主は、適用するのが簡単でパフォーマンスを向上できる、

シンプルで実用的なインテリジェンスを求めています。

調査とインタビューの回答から、こうしたケイパビリティに関して直面する課題と機

会が判明しました。

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高品質のデータへのアクセス

最初に必要なのは、広告のエンジンを稼働させる燃料となるもの、つまりデータにアクセスする

ことです。回答者に対し、マーケティング支出を最大限に活用するために必要な高品質のデー

タを所有しているかどうかについて質問しました。マーケターの 44%超が、所有しているデータ

を用いて、メディア予算を最大限に活用していると回答しました。一方、回答者の約 28%は、

必要なデータを所有していないと回答しています(図 18.0 を参照)。

図 18.0

高品質のデータへのアクセス

質問: 「次の文章にどの程度同意するかを評価してください。『当社では、メディア予算を最大限に

活用するために必要な高品質のデータにアクセスできる』」

ある CMO は、ファーストパーティ、セカンドパーティ、サードパーティのデータの相対的な重要

性に関する視点について述べています。

「4 年前、私はファーストパーティのデータが最も大切であると述べました。それに

は多大なメリットがあると考えていました。しかし今では、それが最も大切なもの

とは考えていません。ほかにも利用できる優れたデータが大量にあると考えて

います。それによって幅広いオーディエンス層に接触することができるため、

パーソナライズされたメッセージを実現をスケールさせる上で非常に重要なものと

なっています」

全くそう

思わない そう思わない どちらとも

言えない そう思う 強くそう思う

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データの条件では到達しているものの、データを最大限に活用するために必要な実用性と

インサイトが依然として欠如していると述べている回答者もいます。

「データは大量にありますが、得られるインサイトは十分ではありません」

「現時点では、データへの深いインサイトがありません。個々のキャンペーン単位

では成功しているものの、継続的にトラックし、モニタリングし、改善に活用できる

ものはありません」

ある CMO は、高品質のデータという考えについて懐疑的な発言をしています。

「データの品質は良いと言われましたが、それをどのようにして判断するのです

か?」

他のCMOは、価値の創出は、マーケターが消費者データから引き出す意味付けにあると述べ

ています。

「どこにお金があるか知っていますか?お金はデータの中にあります。ただし、

大半がブラックボックスです。プロバイダーは非常に多いものの、ばらばらです。

そして、相関関係は限定的です」

現在のマーケティングテクノロジーの評価

CMOのマーケティングテクノロジー支出の総収益に対する割合は増加しており(Gartnerの

レポートでは 2017 年の収益の 3.24%6)、これまでの投資にマーケターがどの程度満足して

いるかを理解することが重要です。

回答者の 70%が、現在のマーケティングテクノロジーにある程度自信があると述べています。

ただし、「非常に」自信があると述べたのは 25%未満で、「極めて」自信があると述べたのは

わずか 2%です。回答者の 30%が、自信が無いと表明しています。多くの組織にとって、テクノ

ロジーがマーケティングの成功と収益拡大に不可欠なものとなっている今、これらの数字は

とても前向きなものです(図 19.0 を参照)。

回答者は、テクノロジーの統合がいまだ大きな課題であると述べています。ツールを最大限に

活用する方法について、組織内の知識が欠けているとの回答もありました。依然として競合

する多くのマーケティングテクノロジーが存在しますが、それらを効果的に組み合わせて機能

させる方法を知っている人はほとんどいません。

データの統合リポジトリがなくては、異なる顧客データセットを統合し、クロスチャネルのメディ

アプランを統合して、最終的に ROI を全体的/チャネル別に理解することは困難です。

6 Sorofman, Jake、「Yes, CMOs Will Likely Spend More on Technology than CIOs by 2017(2017年までに CMOは CIOよりもテクノロジーに多くの支出をするようになる)」、Gartner(ブログ)、2016年 9月 20日

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CMO は、会社が採用するマーケティングテクノロジーを管理するため、技術者やシステムイン

テグレーターをスタッフに(または外部ベンダーを通じて)加えることを考慮する必要があります。

こうしたテクノロジーの導入は、多数の不確定要素を伴うため、成功には時間とリソースの確

保、高品質のデータに対する投資が必要です。

図 19.0

マーケティングテクノロジーに対する自信

質問: 「マーケティング目標の達成に向けて適切なマーケティングテクノロジーを導入しているという自信はどの程度あります

か?」

多数の企業が、投資を有意義なものにするため、人とテクノロジーの適切な組み合わせを

見つけようと取り組んでいます。

「サイロ化されており、十分に統合されていないポイントテクノロジーが多数ありま

す。新たなプラットフォームやテクノロジーが拡大しているにもかかわらず、それら

をエンドツーエンドで適用する方法を理解している人はほとんどいません」

「我々は、マーケティングテクノロジーを正しく活用できていません。テクノロジーの

ポテンシャルを発揮するためには、ツールの統合が依然として必要です」

「我々のニーズがどのように変化し、どの機能が交差しているかを判断するため、

このオフシーズンにサードパーティのデジタルベンダーについて組織的な評価を

実施する予定です」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

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テクノロジーと計測の評価

マーケターが最も重要であると考えているマーケティングと計測テクノロジーを把握するため、

回答者には、6 つのコアソリューションのランク付けを求めました。これには、「リーチとフリーク

エンシーの計測」、「ビューアビリティ」、「データマネジメントプラットフォーム」、「マーケティン

グ・ミックス・モデリング」、「機械学習/AI」、「マルチタッチアトリビューション」が含まれます。

回答者の 82%が「リーチとフリークエンシーの計測」を最も重要なケイパビリティに挙げました。

第 2 位は「広告の見やすさ」で、回答者の 73%が評価しています。「データマネジメントプラット

フォーム(DMP)」は第 3 位で、63%が評価しました。「マーケティング・ミックス・モデリング」もま

た、回答者の 59%が重要なマーケティングケイパビリティであるとみなしており、「機械学/AI」

は 53%、「マルチタッチアトリビューション(MTA)」は 51%が評価しました(図 20.0 を参照)。

図 20.0

マーケティングと計測テクノロジーの重要性

質問: 「マーケティング業務への以下の計測とテクノロジーの重要性を評価してください」

リーチと

フリークエンシーの

計測

ビューアビリティ マルチタッチアトリ

ビューション(MTA)

機械学習/AI

(人工知能)

マーケティング・

ミックス・モデリング

(MMM)

データマネジメント

プラットフォーム

(DMP)

が「非常に重要である」または「極めて重要である」と回答

極めて重要である 非常に重要である

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興味深いことは、広告の無駄の問題を評価し、改善するよう設計されたソリューションが、リス

トの上位に位置していることです(「リーチとフリークエンシー」および「ビューアビリティ」)。イン

タビューでの CMO との会話は、これをよく表しています。DMP カテゴリーが上位にあることは、

統合された消費者データに簡単にアクセスできることや、1 つのプラットフォームから多数の

デジタルタッチポイントに接続できることの必要性を反映しています。

「マーケティング・ミックス・モデリング」は引き続き順位をキープしており、これは内部と外部の

要素(市場の力学、価格変動、季節性など)を反映したメディアプラン、支出、パフォーマンス

指標の総合的なマクロレベルの分析の必要性を証明しています。依然として、従来型メディア

の計測にとって非常に重要なものとなっています。

「機械学習/AI」と「マルチタッチアトリビューション」は、評価された他のカテゴリーと同様に非常

に重要なものとみなされており、回答者の半数以上が良いスコアを付けていますが、いずれも

マーケターのツールボックスでは比較的新しいものである点を考慮すれば、注目度は高いと

言えます。双方とも、マーケターがキャンペーンパフォーマンスの変化をより迅速に把握・対応

することが可能なデジタルメディアで広く見られる慣行です。デジタルメディア支出の増加に

よって、こうした機能の利用とそれらへの投資も増加すると思われます。

マーケターはさまざまな主要テクノロジーと計測ケイパビリティの重要性を述べていますが、本

当に求めているのはシンプルさです。

「非常に多くのダッシュボードを使用しながら、加えてマーケティングで最も重要な

10 項目を見る必要があります。その中でも一番重要な指標はどれでしょうか?

3、4 年前とは異なり、情報をすぐに表示できるようになり、極めて便利になりました

が、サイロ化は依然として解決していません」

これらのマーケティングテクノロジーや計測ケイパビリティに対する欲求はありますが、それら

をサポートするための予算とリソースがありません。

「現在、当社ではコストの制約により、マーケティング・ミックス・モデリングを実施

していません。ただし、過去の経験に基づき、もし余裕ができれば、これを極めて

重要な計測・テクノロジー機能と位置付けるでしょう」

「マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)とデータマネジメントプラットフォーム

(DMP)は重要ですが、予算と知識に制約があるため、利用できません」

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分析とアトリビューションへの投資

マーケターに対して今後 12 カ月の分析とアトリビューションへの投資を予測する

アンケートを実施したところ、79%が分析への投資が増加すると予測しており、

19%が変化なしと回答しています。投資が減少すると予測したのは、わずか 2%

(3 名の回答者)でした(図 21.0 を参照)。

平均すると、回答者の 44%が、今後 12 カ月でマーケティングの分析とアトリビュ

ーション機能への投資額が増加すると予測しています。

この調査結果は、さまざまなメディアチャネルのマーケティング ROI を正確に定

量化するケイパビリティについてのマーケターの自信のなさと一致しています。

マーケターもこの状況を打開したいと考えており、またその必要性も感じていま

すが、結局は与えられた状況下で全ての業務をせざるを得ないことが多いた

め、その実現に向けて適切なツールと人材に投資したいとマーケターは考えて

います。

図 21.0

今後 12 カ月における分析または アトリビューションへの投資の変化の予測

79%が分析へ

の投資が増加

すると予測。

アトリビューション

への投資の増加

(平均+44%)

質問: 「今後 12 カ月で、マーケティング分析/アトリビューションへの投資はどのように変化すると

予測しますか?」

増加する 変化なし 減少する

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マーケターが述べるように、適切なデータ、分析ツール、人材への投資は、ビジネスで成功を

収める上で不可欠です。

「当社が将来成功を収めるための最大のドライバー(推進要因)は、データと分析

への投資です。分析を活用することが、当社の主な差別化要因となるでしょう」

優れたデータと分析がなければ、マーケターは影響力を増すメディア支出(特にデジタルメディ

ア支出)の影響を実証できません。

「間違いなく業界のトレンドは、急速かつ不可逆的にソーシャルメディア、デジタ

ル、パーソナライゼーションに向かっています。メディアに費やすコストの影響を把

握するためのデータと分析が絶対に必要です。

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ニールセンでは、データが私たちの行動すべての基盤となっています。アートであっても、それは同じです。そのため、この画像も実際のデー

タを使って作成しています。

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トレード支出

店舗でのディスカウント、

クーポン、特価提供

マーケティングミックスの重要な要素であるトレード支出についての意見をマー

ケターから集めました。マーケティングミックスは、店舗でのディスカウント、クー

ポン、特価提供から構成されています。マーケターは、店舗での戦術の効果と、

組織の投資の ROI を計測するケイパビリティについて回答しています。

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ROI 計測の評価

回答者の 56%が、トレード支出 ROI を正確に定量化するケイパビリティにある程

度の自信があると回答しています。また 44%は、自信がないと回答しています。

従来型メディアやデジタルメディアと比較した場合の最も顕著な差異は、トレード

支出の ROI を正確に定量化する自信が「全くない」と回答した回答者の増加で、

回答者の 5 分の 1(21%)を占めています(図 22.0 を参照)。

図 22.0

トレード支出 ROI を定量化するケイパビリティ

質問: 「従来型メディアの ROI を正確に定量化できるケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

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トレード支出 ROI の計測とデジタル/従来型メディアチャネルとの比較にマーケ

ターがどの程度自信を持っているかについては、図 22.1 を参照してください。回

答者の 74%がデジタル ROI にある程度の自信を持っており、従来型では 59%、

トレード支出では 56%となっています。これは、本レポートにおいて既に示したよ

うに、マーケティングにおいてデジタルがより効果的であると認識されている理由

であると思われます。

興味深いことに、従来型メディアとデジタルメディアの ROI を定量化(または計

測)できるケイパビリティに大いに自信があると回答したブランド広告主は、わず

か 4 分の 1 でした。これは、トレード支出にも同様に当てはまります。

正確な販売計測を行うにあたり、まだやるべきこと、投資すべき先があることは

明らかです。実績の定量化は、影響を実証する CMO のケイパビリティにとって

不可欠です。

図 22.1

トレードとメディアの ROI を定量化するケイパビリティ

3 つの質問: 「デジタルメディア ROI を正確に定量化するケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

「従来型メディア ROI を定量化するケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

「従来型メディアの ROI を正確に定量化できるケイパビリティにどの程度自信がありますか?」

全く自信が

ない

あまり自信

がない

やや自信

がある

非常に自信がある 極めて自信がある

従来型メディア デジタルメディア トレード

ROI の計測に大いに

自信があるマーケターは

わずか 4 人に 1 人

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将来のトレード予算の予測

回答者の 3 分の 2 が、今後 12 カ月のトレード支出予算に変更がないか、または減少すると

予測しています。回答者の 3 分の 1 は、トレード支出を増額する予定です。デジタルメディア

支出の増額は、トレードからメディアへのプロモーションコストのシフトから生じていると考え

られます(図 23.0 および図 23.1 を参照)。

図 23.0

今後 12 カ月のトレード支出予算の変化の予測

質問: 「今後 12 カ月で、トレード広告予算はどのように変化すると予測しますか?」

増加する 変化なし 減少する

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図 23.1

今後 12 カ月のトレード/メディア支出予算の変化の予測

3 つの質問 「今後 12 カ月のデジタルメディア予算の変化をどのように予測しますか?」「今後 12 カ

月の従来型メディア予算の変化をどのように予測しますか?」「今後 12 カ月で、トレード広告予算は

どのように変化すると予測しますか?」

ある CMO は、支出割合を正確に割り当てるため、統合されたトレード/メディアプランに統一

されたアプローチをとりたいと考えています。

「次に解決すべき課題は、トレードとメディアの支出割合を適切にするよう取り組む

ことです」

組織によっては、この CMO が指摘しているように、トレード支出を「ブランド構築」として定義

することができます。これは、多くの組織でのマーケティングミックスに対するブランド構築の

重要性を高めるものです。

「店舗での価値創出のために私たちが今行っていることや、小売店とのパートナー

シップのあり方が、ブランド構築に近いものであると強く主張します」

増加する 変化なし 減少する

従来型メディア デジタルメディア

がトレード支出は変化なし

または減少すると予測

トレード

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トレードの予算を、デジタルメディアや従来型メディアに回している組織もあります。

「おそらくトレードは 15%~20%でしょう。過去 10~15 年間は元々多くのトレードを

行っていましたが、過去 5 年間で減少しました」

日用消費財(FMCG)企業などの特定の業界では、トレードに多額の費用を投じています。これ

らの企業は、商品を直接消費者に販売するために小売チャネルのパートナーに依存している

ため、総広告予算と 100%イコールとはならないまでも、トレード支出は通常大きな割合を占め

ています。

「トレード支出の総額は、総広告支出とほぼ同額になります。そのため、全体の割合

に不可欠の要素となっています」

「トレード支出が広告予算から支払われたと仮定すると、予算の約 75%近くになり

ます」

「当社のトレード支出は、広告予算の半分に相当します」

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まとめ 効果的な広告に必要なのは、鋭い直感とビジネスセンスだけではありません。物事の進む

ペースが速く、ますますデジタル化が進む現在の世界では、消費者行動の変化をすぐに分析

し、それに適応していく必要があります。ROI を定量化し、ビジネスにおける実績を実証する

ケイパビリティは、マーケティングの実績の継続的な向上を望むニーズと同様に不可欠です。

それが、広告への投資を正当化します。メディア、データ、テクノロジー、リソース、そしてそれ

をサポートするベンダーについては言うまでもありません。

ニールセンがインタビューし、調査したマーケターは、自分たちが求めているのは多くのデータ

ではなく、より的確なインサイトであると述べていました。多数のダッシュボードがあるものの、

メディアタイプやトレード支出に関係なく、ROI の計測に非常に自信があるのはわずか全体の

4分の 1でした。また、マーケティングテクノロジーを導入しているものの、目標の達成に適切な

ソリューションを導入していると大いに自信を持っているマーケターは、全体の 4 分の 1 未満

でした。マーケターは、計測やテクノロジーに頼ることで適応していますが、生物の進化の過程

と同様に、突発的な変化が起こったり、進むべき方向を誤ったり、悪い結果に終わることもあり

ます。

喜ばしいのは、多数のブランドが投資と学習に前向きであることです。80%が今後 12 カ月で、

マーケティング分析への投資を増やそうと考えています。また約半数が、メディアエージェンシ

ーへの支出の増額を予定しています。多数のブランドが、デジタルマーケティングについて

いかに迅速に検討するかが、近年の発展に結びついたかを振り返っています。

ブランド広告主は、顧客を戦略の中心に据えて、従来よりもチャネルにとらわれない方法で

自社の体系化を進めています。4年前は、企業の70%がそうしたことを行っていませんでした。

現在では、ほぼ同数(62%)のマーケターが統一された報告体制と収益目標を確立し、オムニ

チャネルアプローチをサポートする方法で体系化していると述べています。これは、広告主が、

消費者のメディア消費や購買行動の変化に対応するために必要なことです。適切な体験を

一貫して提供することで、顧客の期待に応えることが重要です。

適切な体験を一貫して

提供することで、

顧客の期待に応えることが

重要です。

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組織的な視点からみると、これはデータとチャネルが統合されたマーケティングを実現する

ために、さまざまなチームが協力して仕事をする必要があることを意味しています。マーケティ

ング技術者、メディアプランナー、クリエイティブ、データサイエンティストは、より緊密に連携

する必要があります。回答者の多くが証言しているように、統一された使いやすいマーケティン

グ、データマネジメントや計測スタックが、最良のシナリオだと思われます。インタビュー中の

発言にあったように、「簡単なボタン」があれば、CMO がさまざまなメディアに対する投資の

状況を把握できるといったものです。本レポートで述べてきたように、多くの広告主とエージェン

シーが、私たちが目にしている変化に適応できるようにベストを尽くしていますが、まだ成功

するには至っていません。

各企業のこれまでの歩みから、本レポートでは企業が 2 種類に分けられることを明らかにしま

した。一つは、日増しに大きくなる顧客第一のオムニチャネルの現実に対応した企業です。もう

一つは、組織的な障害、「古風な」CMO、組織内の知識のギャップやテクノロジーの制約により、

行動に移すことをためらっている企業です。ダーウィン的進化と同様に、これは適応の問題で

あり、最も迅速に進化する企業が生き残ります。

求められているのは、よりシンプルな方法でマーケティングテクノロジーを利用でき、マルチ

チャネルの消費者データとインサイトが一つに統合されていることです。これにより、従来型

メディアかデジタルメディアかを問わず、ブランド広告主が消費者エンドポイントで、インサイト

に基づいた施策を講じることがより容易になります。もう一方で必要とされているのは、チャネ

ルに関係なく標準化された比較可能なデータを活用する中立的な計測です。これにより、シン

プルさと透明性が実現し、何よりも CMO が確実に投資を回収できます。

ニールセンとともに、より効果的なマーケターになりませんか

ニールセンの提供するデータやテクノロジー、ROI 計測が、お客様のビジネスにおける目標

達成と定量評価にどのように役立つのかをご覧ください。

詳細については、nielsen.com/cmoreport をご覧ください。

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ニールセン CMO レポートについて

ニールセン CMO レポートは、世界中のトップクラスのマーケターの戦略的インテリジェンスを

クラウドソースし、年 1 回発刊される予定です。

ミッション

• ますます複雑になる現在の広告環境において、企業やキャリアに影響する最も顕著なマーケ

ティングトレンドの深い見識を、マーケティングエグゼクティブに対して提供すること

• 本レポートは、マーケティングに関する客観的な情報を提供しており、マーケティング分野に

特化した非営利的なサービスです。

方法論

さまざまな業界のマーケティングエグゼクティブに対して、調査とインタビューを行いました。

個々の調査データと参加者リストは、機密事項のため非公開となっています。

調査の実施とサンプル

• 自動車、消費財、小売、通信、テクノロジー、旅行業界の営利企業に在籍する、米国のトップ

クラスのマーケター

• 2018 年 1 月から 2018 年 3 月にかけて調査を実施

• 調査の回答者数は 165 名。回答者の 82.1%がディレクターレベル以上、41%がバイスプレジ

デントまたはシニアエグゼクティブ(EVP や経営幹部レベルなど)

• 部門別では、マーケティング部門やブランド管理部門に所属する回答者が最も多く、過半数

(55%)がこれらの部門に所属。分析/調査部門は 16%、経営幹部(CEO または代表取締役)

は回答者の 15%

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結果の解釈

• 調査はオンライン上で実施され、便宜的なサンプルとして収集された 3,000 名のブランド担当者

に対し、電子メールで調査の協力依頼とオンライン調査ページへのリンクを送付しました。

• 本調査における誤差率は 7.5%で、信頼水準 95%はです。結果は業界別ではなく、全サンプル

を集約して集計しています。これは一部の業界のサンプル数が、有意な集計に必要な最小数に

満たなかったためです。

• 本レポート内の図に表示された数値は、読みやすさへの考慮から四捨五入されています。その

ため、全回答の合計値が 100%にならないことがあります。

インタビューの実施

• さまざまな業界の CMO に対し、5 回の詳細なインタビューを行いました。

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リード執筆者

エリック・ソロモン

Nielsen Watch シニアバイスプレジデント マーケティング&戦略担当

マネージングディレクター

ブレット・ハウス

Nielsen Watch バイスプレジデント マーケティング&戦略担当

リード・データ・サイエンティスト

オースティン・カントリーマン

Nielsen Watch データサイエンティスト

ニールセンについて

Nielsen Holdings plc(NYSE: NLSN)は、世界的なデータ分析会社として世界で最も完全で信頼性の

高い消費者と市場の全体像を提供しています。ニールセン独自のデータと他のデータを組み合わせ

ることで、世界中のクライアントが、現在何が起こっており、次に何が起こるか、それに基づいて最善

の行動を取るにはどうすればいいかを把握できるようサポートします。90 年超にわたり、ニールセン

は科学的な厳密さとイノベーションに基づいてデータと分析を提供しており、メディア、広告、小売、日

用消費財業界の直面する最も重要な質問に答えるための新たな方法を開発し続けています。S&P

500 企業として、世界人口の 90%を網羅する、100 カ国以上に拠点を有しています。

詳細は当社ウェブサイトをご覧ください: www.nielsen.com

THE SCIENCE BEHIND WHAT’S NEXT™

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