マラウイ cda 通信 no - saitama prefectureマラウイ cda 通信 no.01 平成 28 年度 1...
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マラウイ CDA 通信 NO.01
平成 28 年度 1 次隊 コミュニティ開発 松本彩(埼玉県川口市出身)
MULIBWANJI(こんにちは)!
青年海外協力隊、コミュニティ開発という職種でアフリカのマラウイ共和国に派遣されている松本彩です。2016 年 7 月に日本を出国しまし
た。デッザ県コミュニティ開発局に所属しており、現在は、リロングウェ(首都)の隣デッザ県のムタカタカという村を拠点に活動をしています。
はじめにマラウイでの生活をご紹介したいと思います!
※CDA とは・・・Community Development Assistant(地域開発普及員)の略です。マラウイには地域開発を行うコミュニティ開発局という国の省
庁があり、そこで実際に現場で働く普及員を CDA と呼んでいます。私も一 CDA としてマラウイ人と同じ家、生活、身分で活動しています。
コミュニティ開発とは?
「村人と同じ生活をしながら村の課題を一緒に解決する」という協力隊のイメージのお仕事です。活動内容は幅広いですが、主に「現金収
入向上」と「生活改善」を目的としたプログラムを行っています。しかし、コミュニティ開発という同じ職種でも国際機関、NGO、保健系機関、
水道局等に派遣される隊員もおり、内容は多岐にわたります。
マラウイとは?
アフリカの南東部に位置する内陸国です。国土の 1/5 をマラウイ湖が占めています。面積は北海道と九州をあわせたぐらいの 11.8 万平方キ
ロメートルです。人口は約 1,700 万人です。
(外務省ホームページから引用)
公用語:英語とチェワ語(現地語)です。中学校から英語で授業が行われますが、村人のほとんどは貧困により中学校へ通えません。
そのため、チェワ語しか話せない人が多くいます。しかし、チェワ語で数字は 5 まででしか数えることができないため、マーケットでの金銭のやり取
りには英語が使われています。
宗教:7 割がキリスト教徒、2 割がイスラム教徒です。仕事の会議や研修の集まりの際には、最初と最後に必ず祈りの時間があります。熱
心な信者が多く、多くの人が日曜日には教会へ通っています。
季節:乾期(4 月~10 月)と雨季(11 月~3 月)に分かれています。雨季と言ってもずっと雨が降るわけではなく、スコールのように一
時的に降った後は太陽が顔を出します。
経済・産業・職業:8 割が農家です。主食のトウモロコシを育てている人が多いです。政府機関に勤めている同僚も自分の農地を持っ
ている人が多く、雨季の季節は農作業で忙しそうです。マラウイの GNI(国民総所得)は 350 米ドル(2015 年:世銀)で、世界最貧
国のひとつです。これは平均値なので、村では現金収入がほとんどない人もいます。
主食:「シマ」と呼ばれるトウモロコシの粉と水を練ったモチモチしたものです。これと野菜と豆や肉を一緒に食べます。トマトと塩で味付けさ
れたものが多いです。シマは、味はあまりないのですが、おかずとの相性が良いので多く食べ過ぎてしまいます。お米もお店に売っていて、日本
米に近いのでとてもおいしいです。マラウイ人は炭酸飲料をよく飲みます。ペットボトルの水よりも安いです・・・。
社会構造:マラウイには、国の政治・行政業務を執り行う国家公務員の他に、その土地を治める地方自治責任者がいます。各県は
TA(Traditional Authorities)と呼ばれる区域に分かれています。それぞれの TA には伝統的首長がおり、その下を村長等が治めていま
す。
ムタカタカの伝統的首長は女性であり、国内に女性の伝統的首長は少ないため、とても有名人のようです。国際会議にも出席しており、知
名度だけでなく、強い権力も持っています。一度お会いしましたが、同じ女性ということで、私の活動もサポートしていただけるようで心強い味
方ができました!
首都(リロングウェ)での生活
派遣されてから 1 か月間は首都で同期隊員と JICA のボランティア連絡所で生活をしていました。現地語研修、マラウイの概況、安全対策
等のオリエンテーションを受け、配属先へ赴任します。首都と言っても、栄えているというよりは、外資系のお店などが集まって建設されたような
イメージです。日本人からすると「ここが首都?!」と思ってしまうかもしれませんが、村から上京すると、なんでも揃っている最先端な場所だと
思ってしまいます。
▲スーパーの外観 ▲スーパーの内部 ▲JICA オフィス近くのレストラン
デッザ県について
デッザ県は首都リロングウェの隣の県(東京の隣の埼玉県と同じですね!)で首都リロングウェから約 85km 南に位置
し、南にモザンビークと国境を接しています。中心地は標高が高く、乾期の 7 月はとても寒くなります。アフリカのイメージ
は暑い国だったので、夜ダウンを着ている自分に驚いたりしていました。小さな町ですが、マラウイの中では中都市で、生
活に必要な物はある程度揃えることができます。通常ですと首都での研修の後、それぞれの配属先へ赴任しますが、私
の任地には同僚が一人しかおらず、また大学に通っており(マラウイでは働きながら大学へ通うことが珍しくないようで
す!)不在の時も多いので、まずはデッザ県コミュニティ開発局のオフィスがあるデッザ県の中心地で二カ月研修を受け
ていました。中心地ですので、他の省庁のオフィスもあり、人脈を広げることに時間をかけることができました。
▲デッザ県コミュニティ開発局オフィス外観 ▲デッザ県中心地の様子
こちらは私の配属先の本部、デッザ県コミュニティ開発局です。基本は CDA が村を巡回しますが、住民が訪問してくる時もあります。CDA の
ほかに学生や卒業後のインターン生も一緒に働いています。
ムタカタカについて
デッザ県の中心地から 45km 東のマラウイ湖沿岸地域に位置している私の赴任先の村です。特に有名な場所などは
ない、小さな田舎の村です。ムタカタカと聞くと、マラウイ人は暑い場所と連想するようです。しかし、実際に赴任してみる
と、日本の夏のように湿度は高くなく、日影にいれば過ごしやすい暑さです。住民に「ムタカタカより日本の夏の方が暑い
よ」というとみんなびっくりしています。担当地域を同僚と協力し、地域のニーズを捉え、支援を行っていきます。事業内
容などについては次号で紹介させていただきます。
家について
青年海外協力隊と聞くと、奥地の村で電気の通っていない、井戸水の生活・・・というイメージを持たれている方が多いかと思います。はい、そ
んな生活です!(このような環境に住んでいる隊員は最近ほとんどいないようですが・・・)しかし、イメージと違うのは、水道、電気は引かれ
ていないのですが、インターネットのアクセスは良好です。至る所に鶏、ヤギ、牛が歩いています。気づくと鶏やヤギが庭にいたりしてほほえましい
光景です。
▲家の外観 ▲お風呂(外) ▲トイレ(外) ▲七輪で調理
▲鶏小屋とキッチン ▲家の裏のお宅
▲毎日通る近所の道 ▲近くの井戸。この水を使っています
▲近所のマーケット
マラウイの文化
チテンジ
マラウイの女性たちはみなチテンジと呼ばれるカラフルな布を腰に巻いています。この布で赤ちゃんをおぶったり、野菜を包んだり、上着にした
り・・・その用途は無限です!村ではチテンジを巻くことが慣習になっているようですが、首都などではチテンジを身に付けていない女性をよく見
かけます。
教会
ほとんどのマラウイ人は毎週日曜日に教会に行きます。私はキリスト教徒ではありませんが、マラウイ人の思想に大きく関係しているキリスト教
や彼らの文化を学ぶためにできる限り参加させてもらっています。クリスマスと年末も教会で過ごしましたが、特別なクリスマスの飾りなどはありま
せんでした。しかし、教会のあとは村のあちこちでダンス大会が開かれており、もちろん参加させてもらいました!
▲普段の教会 ▲クリスマスの教会 ▲1 月 1 日の教会
◀クリスマスの後のダンス大会。太鼓を中心に輪になって踊っています。盆踊りのようでした
結婚式
マラウイの結婚式では新郎新婦はひたすら踊り続けています。14 時スタート、18 時終了が多いようですが、この 4 時間ずっと踊っています。
新郎新婦がたらいをもって踊っているので、グループごとに踊りながら前に出てご祝儀をばらまきます。 みんなダンスが大好きで、おばちゃんから
小さい子までみんなキレッキレで踊っていました。
忙しくなる雨季の前に結婚式は多く、この日は 3 件の結婚式をはしごしました。(デッザ県中心地)
◀ムタカタカの新郎新婦はおそろいのチテンジドレスを着ていました。デッザ中心地と比
べてシンプルな結婚式でした。(ムタカタカ)
美容院
マラウイ人の髪の毛は縮れているためストレートヘアーにするために薬を使ったり、ウィッグをつけています。いろいろなパターンがありますが、比較
的お金に余裕のある人はお金を惜しまないようです。しかし、金銭的に余裕のない村の女性たちは短いままであったり、スカーフを巻いている
人が多いです。日本人の髪の毛は売り物のようだとよく言われます。
◀ストレートにする薬剤をたっぷり使っておもいっきりひっぱっていました
▲ストレートになった髪の毛を編んでいきます
▲編み込んだ部分にウィッグを縫い付けます
WARM HEART OF AFRICA
マラウイは「Warm Heart of Africa(アフリカの温かい心)」と呼ばれています。赴任してから、辛いことや嫌なこともたくさんありましたが、マラ
ウイ人の優しさに何度も救われました。基本的にマラウイ人はおとなしくて優しい人が多いです。私がマラウイで一番好きなことは「Zikomo
(ありがとう)」に「Zikomo」と返答することです。「ありがとう」に「どういたしまして」ではなく「ありがとう」で返す。そんなマラウイが大好きです。
最後までご覧いただきありがとうございました。