exploring possibilities of online short-term course for

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77 東京倖囜語倧孊論集 第 102 号 2021 TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021) 鑚Ⅺ癮ン転⑯皕ンk疰脉莵痮 祲箛瀐磹穟磊籗 犎筕篖←1サクケ嚔薇箐磹篖䅈膅ツツギッペオ蚗癉蛬盗痮瘃璒 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性 Exploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga 幞束 英恵 東京倖囜語倧孊 䞖界蚀語瀟䌚教育センタヌ YUKIMATSU Hanae World Language and Society Education Centre, Tokyo University of Foreign Studies はじめに 1先行する実践報告・研究の抂芳 1.1. 日本語教育にアニメを甚いた実践䟋 1.2. 柎田 (2007) 1.3. 小束 (2011) 1.4. 䞭河・深柀・濱田 (2003) 1.5. アニメ䜜品を甚いお文化教育を行った実践のたずめ 2. 実践の抂芁 2.1. プログラムの抂芁 2.2. シラバス 3. 日本語孊習者の参加動機の分析 3.1. 「アニメ・マンガ」日本文化ぞの興味・関心 3.2. 研究手法やプレれン手法などのアカデミックニヌズ 3.3. 䌚話力向䞊などの日本語胜力ニヌズ 3.4. 延期・䞭止になった来日蚈画の代替ニヌズ 3.5. オンラむン効果 4. 授業内容ず孊生による授業評䟡 4.1. 授業内容 4.2. 孊生の成果ず授業評䟡 5. 意矩に぀いおの考察 5.1. 共孊型の「初幎次教育」ずしおの意矩 5.2. 「アニメ・マンガ」を掻甚した教育ずしおの意矩 5.3. 異分野暪断的教育ずしおの意矩 5.4. 倚文化共生教育ずしおの意矩 おわりに 今埌の展望 キヌワヌドオンラむン研修、日本文化、アニメ・マンガ、初幎次教育 , 倚文化協働 Keywords  online course, Japanese culture, anime and manga, first-year experience, multi-cultural collaboration

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東京倖囜語倧孊論集 第 102号2021

TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性Exploring possibilities of online short-term course

for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

幞束 英恵東京倖囜語倧孊 䞖界蚀語瀟䌚教育センタヌ

YUKIMATSU HanaeWorld Language and Society Education Centre, Tokyo University of Foreign Studies

はじめに1先行する実践報告・研究の抂芳

1.1. 日本語教育にアニメを甚いた実践䟋 1.2. 柎田 (2007) 1.3. 小束 (2011) 1.4. 䞭河・深柀・濱田 (2003) 1.5. アニメ䜜品を甚いお文化教育を行った実践のたずめ2. 実践の抂芁

2.1. プログラムの抂芁 2.2. シラバス3. 日本語孊習者の参加動機の分析

3.1. 「アニメ・マンガ」日本文化ぞの興味・関心 3.2. 研究手法やプレれン手法などのアカデミックニヌズ 3.3. 䌚話力向䞊などの日本語胜力ニヌズ 3.4. 延期・䞭止になった来日蚈画の代替ニヌズ 3.5. オンラむン効果4. 授業内容ず孊生による授業評䟡

4.1. 授業内容 4.2. 孊生の成果ず授業評䟡5. 意矩に぀いおの考察

5.1. 共孊型の「初幎次教育」ずしおの意矩 5.2. 「アニメ・マンガ」を掻甚した教育ずしおの意矩 5.3. 異分野暪断的教育ずしおの意矩 5.4. 倚文化共生教育ずしおの意矩おわりに 今埌の展望

キヌワヌドオンラむン研修、日本文化、アニメ・マンガ、初幎次教育 , 倚文化協働Keywordsonline course, Japanese culture, anime and manga, fi rst-year experience, multi-cultural collaboration

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幞束 英恵 Yukimatsu HanaeExploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

芁旚本皿は、コロナ犍によりオンラむン実斜を䜙儀なくされた日本語孊習者に察する短期日本文化研修の実践結果を螏たえ、今埌の倧孊教育における同皮のオンラむン研修の可胜性を探るこずを目的ずする。2020幎 10月から 12月にかけお、筆者は日本のアニメ・マンガをテキストずしお掻甚し、䜜品から読み取れる日本文化や瀟䌚の特城に぀いお孊ぶオンラむン日本文化研修を行った。このプログラムは圓初 40名を定員ずしお参加者を募集したずころ 130名の応募がみられ、高いニヌズがあるこずがわかった。たた終了時アンケヌトにおいおもその満足床が高いこずが明らかずなった。

本皿では、この実践の特城である「身近な䜜品を研究察象ずしお甚いお」「基本的な研究手法を孊ぶ初幎次教育な授業を」「日本語教育ずその他の分野の研究者が異分野暪断的に協働し」

「日本語孊習者ず母語話者が協働するアクティブ・ラヌニングを取り入れお行った」ずいう点に぀いお、その意矩を考察し、今埌の展望に぀いお述べる。

AbstractThe purpose of this paper is to explore the possibility of an online short-term course for

both Japanese language learners and Japanese students for university education. Now, many

universities are forced to conduct online courses for Japanese language learners due to the

COVID-19 pandemic. The author also conducted an online course which was held once a week

from October to December 2020, for both Japanese language learners and Japanese students,

utilizing Japanese anime and manga as textbooks. We initially established a limited capacity of

40 people, and received 130 applications, indicating that there is a high demand. The question-

naire at the end of the program also revealed that the degree of satisfaction with the course was

very high.

This paper will describe the main features in the course which are: using familiar works as

research subjects; collaborating by researchers in other cross-disciplinary fi elds; incorporating

active learning in which Japanese language learners and native speakers collaborate; giving

fi rst-year experience to learn basic research methods. Finally, the refl ection points and future

prospects will be argued.

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東京倖囜語倧孊論集 第 102号2021

TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

はじめに本皿は、短期日本語・日本文化研修においお、アニメ・マンガをテキストずしお掻甚し、䜜品から読み取れる日本文化や瀟䌚の特城に぀いお、日本語孊習者ず母語話者が協働的に孊んだオンラむン授業の実践報告である。その成果を螏たえお圓該教育にどのような意矩があるのかに぀いお論考する。

正芏生ずしお圚籍しおいる留孊生や協定校からの亀換留孊生を察象にしたオンラむンの日本語教育実践は次々ず報告されおいる 1)。しかし 2020幎床に予定されおいた「短期日本語研修」

や「ショヌトビゞット」は、筆者による調べでは、ほずんどの倧孊で䞭止もしくは延期になっおいる。

筆者がコヌディネヌタヌを務めた孊習院倧孊の短期日本語・日本文化研修「Global Campus

Asia東京」以䞋、略しお「GCA東京」も、2020幎床の倏から察面での実斜が叶わなくなり、

急遜オンラむンによる研修に切り替えお実斜された。本皿はその実践を螏たえたものであるが、

「コロナ流行䞋に実斜されたオンラむン短期研修の報告」ずいう点のみならず、「アニメ・マンガをテキスト研究察象ずしお甚いお」「基本的な研究手法を孊ぶ初幎次教育的な授業を」

「日本語孊習者ず母語話者が協働しお」「アクティブ・ラヌニングを取り入れお行った」ずいう点においお考察する䟡倀があるず考え、これたでの「アニメを取り入れた日本語教育」の研究史を螏たえ぀぀、その成果や反省、展望を瀺したい。

なお、同内容のプログラムが東京倖囜語倧孊にお 2021幎床䞭に実斜される予定ずなっおいる2021幎 5月珟圚。圓論考自䜓は他倧孊における実践を螏たえおいるものの、同趣の実践を本孊においおも実斜予定ずいうこずで、本論集ぞの発衚は意味があるず考えおいる。

1. 先行する実践報告・研究の抂芳1. 1. 日本語教育にアニメを甚いた実践䟋日本のアニメやマンガを日本語教育玠材ずしお掻甚した䟋が報告されるようになり、その意

矩や問題点に぀いお研究されるようになったのは、ここ 20幎のこずず蚀える 2)。教材玠材にアニメを甚いた実践報告には、䞭河・深柀・濱田 (2003)、柎田 (2007)、小束 (2011)、矢厎 (2011,2012)、

æž…æ°Ž (2013)、村束 (2013)などがあり 3)、その問題点や課題をたずめた論考ずしお保坂 (2012)、

臌井 (2017)、矢厎 (2019)が発衚されおいる。実践における察象者の倚くは初玚から䞭玚の孊

1) 䟋ずしお、2020幎 8月 28日実斜の小出蚘念日本語教育研究䌚䞻催第回ワヌクショップのテヌマは「日本語のオンラむン授業孊習管理運営システムLMSずオンデマンド型授業の展開」であった。別䟋ずしお、本孊囜際日本孊研究院幎報である『囜際日本孊研究』創刊号2021幎 3月発行には線のオンラむン授業報告が掲茉されおいる。

2) 臌井 (2017)は、「日本語教育でアニメヌションに泚目が集たり、関係する研究や実践が増えたのは、2006幎の日本語教育孊䌚で「映画・アニメ・マンガ日本語教育の映像玠材」ずいうテヌマのもず、シンポゞりムが行われおからである」ず述べおいる。アニメを甚いた日本語教育に関する発衚や論文のたずめには、臌井 (2017)

のほか矢厎 (2019)も党䜓像を抂芳しやすい。ここでは詳しく觊れないが、海倖における日本のアニメやマンガの普及を調査したものずしお熊野廣利 (2008)、日本語孊習者に察するニヌズ調査を行った報告ずしお熊野(2010)、アニメ・マンガを取り入れた日本語授業の可胜性に぀いお述べた川嶋熊野 (2011)もある。

3) このうち矢厎 (2011,2012)は、䞭孊生や高校生など幎少者に察する実践報告である。

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幞束 英恵 Yukimatsu HanaeExploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

習者で、蚀語知識の孊習玠材ずしお甚いるケヌスが倚いようである 4)。そうした状況にあっお、

授業にアニメを甚いる意矩や方法論を再考すべきだずし、「映像䜜品を䜿った授業デザむンの共通参照枠」の構築保坂ほか 2012や、「アニメ実践の䜓系化」矢厎 2019の必芁性を蚎える提蚀がみられる。

䞀方、蚀語知識そのものではなく「文化理解」の教育玠材ずしおアニメを甚いた䟋もある。

本実践に関連するものずしお、以䞋、詳现に取り䞊げる。

1. 2. 柎田(2007)柎田 (2007)は、宮厎駿䜜品の『千ず千尋の神隠し』を甚いお「日本語 4技胜ず文化知識を総合的に教える」授業を実践した報告である。察象は初玚文型の孊習を修了した孊習者であり、

授業における蚀語面の目暙ずしおは「ACTFL Guidelineの䞭玚の䞭から䞊に匕き䞊げるこず」

が掲げられ、語圙、文法、挢字を孊んだり、音読による発音緎習をしたこずが報告されおいる。

たた、文化教育面の目暙ずしおは「『千ず千尋』の内容から日本の文化、宗教、人々の考え方、

䜜者の意図などを理解する」「アニメなどポップカルチャヌが日本や䞖界の文化にどう圱響しおいるか考える」が挙げられおいるが、報告においお玹介されおいるのは専ら蚀語理解を目的ずした掻動であり、文化理解のために具䜓的にどのような掻動を行ったのかに぀いおは蚘述がない。「週のコマ目は文法、語圙の玹介ず倧たかな物語の流れの把握ず文化や宗教的な情報の玹介をし」䞋線郚は本皿筆者によるずいう蚘述から、文化理解に関わる内容は教垫からの情報提䟛ずしお導入されたのではないかず掚察される。䜿甚蚀語に関する蚘述がないので詳现は䞍明であるが、察象孊生が初玚文型修了段階であるこず、孊習者にずっおの共通蚀語英語

があるプリンストン倧孊における実践であるこずを考えるず、教垫からのむンプットは英語であるいは英語の補助付きで講矩されたのではないだろうか。この柎田 (2007)の実践は、『千ず千尋の神隠し』のようなアニメを教材にするこずによっお、蚀語習埗にフォヌカスを眮きながらも、その内容を理解するためには自然に日本の文化、歎史、宗教などに関する知識に觊れるこずになり、孊生の話し合いにもこれらのトピックが自然に取り入れられるこずを瀺しおいるず蚀える。蚀語知識の習埗に文化教育を“絡めた”実践ずいう䜍眮付けになるのではないかず思われる。

1. 3. 小束(2011)蚀語知識ではなく文化理解の方に力点を眮いた実践ずしおは小束 (2011)がある。この授業では、時代ごずの代衚的アニメ䜜品を玹介し、その䜜品の背景を説明するこずによっお日本の瀟䌚や文化の倉遷に぀いお孊ばせる内容ずなっおいる。小束 (2011:76)は自身の授業の意矩に぀いお「生教材を利甚しお、蚀語教育目的ではなく、文化教育ずしお取り入れる詊みは、これたでの日本語教育では未だ前䟋が少なく、たた意矩のあるこずだず考える」ず述べおいる。生教材を利甚した文化教育の詊みが少ない理由は、倚くの日本語教垫にずっお文化、瀟䌚、歎史

4) 実践䟋を抂芳するず、人称代名詞や文末衚珟に芋られる圹割語・䜍盞語、オノマトペ、敬語などの文法項目の導入にアニメを甚いる䟋がしばしば芋られる。

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TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

ずいった分野が自身の専門倖であるケヌスが倚いずいう事情も圱響しおいるず考えられる。自身のフィヌルド倖にあるテヌマを扱う際、どこたでその本質に肉薄し、教育察象ずしお消化できるかずいう問題が立ちはだかるだろう。そうした芖点からみたずき、小束氏は以前から日本の歎史を日本語教育に取り入れる詊みに関心があったずいうだけあっお、圓該授業は非垞によく緎られたものに芋える。日本アニメの黎明期から始たり、倧正時代、戊前、戊埌、高床経枈成長期、珟代に続くアニメ史を抂芳し぀぀それぞれ抜粋郚分のみであるが合蚈 32䜜品のアニメを孊生に芖聎させおいる、時代倉遷を理解させる授業を展開しおいる。「アニメを題材にするずしおも、珟圚人気のあるアニメを芋お、それに぀いおの感想を蚀い合うだけに終始しおしたうず、それは孊習者が自分でもできるこずであり、授業を開講する意味をなさない」ずいう䞻匵が説埗力を持぀に足る、創意工倫が窺える授業である。しかしその䞀方、授業は日英䞡蚀語を䜿甚した講矩圢匏になっおおり、最終レポヌトも日英どちらでも可にしたずされる。柎田 (2007:80-81)では「反省」ずしお、むンプット䞭心になっおしたったこず、孊習者に「自ら日本語を䜿甚しおいる」ずいう意識を持たせるこずが難しかったこず、授業党䜓のゎヌルが芋えにくかったこずを挙げおいる。文化教育ずしおは内容が濃い授業ではあるものの、初玚孊習者ぞの日本語教育の授業ずしおはむンプット過倚の授業であったずいうこずであろう。

柎田 (2007:82)はこの反省を螏たえ、今埌、アニメを効果的に甚いた授業を行うための「展望」

ずしお以䞋を提瀺しおいる。

・ アニメを軞ずしお受講者自身に調査、分析させたり、発衚させたりするこずで、孊習者からのアりトプットが期埅できる。

・ 现切れにアニメを芖聎するのではなく、いく぀かの䜜品に焊点を絞り、その䜜品から読み取れる日本に関連する問題点や思想を議論するずいう方法も採甚できる。

埌述する本皿における実践は、たさにこの 2点をおさえた授業ずなっおいるず蚀えよう。

1. 4. 䞭河・深柀・濱田(2003)順序は前埌するが、䞭河・深柀・濱田 (2003)で報告された実践が、筆者が確認できた実践䟋の䞭では本皿の内容に最も近いものであった。「珟代日本事情」ず題する授業の䞭で、䞭玚から䞭玚䞊の孊習者を察象に、様々なメディアを甚いお珟代日本瀟䌚に぀いお考える掻動を行っおいる。圓初は、文献、新聞、雑誌、自治䜓からの広報、流行歌などを扱うこずを想定しおいたそうであるが、孊生が最も匷い関心を瀺したのが「映像メディア」、特にストヌリヌ性のある T Vドラマや映画、アニメなどだったこずから、埐々にこれらのコンテンツに重心を眮くようになったずいう。アニメ䜜品は『サザ゚さん』『ちびたるこちゃん』『平成狞合戊ぜんぜこ』、T Vドラマは『ダブルキッチン』『幎 B組金八先生』、映画は『ナヌスコヌル』

が遞ばれおいる。これらの䜜品を授業䞭に芖聎させ、䞖界的に共通する問題である「家族」「職業芳」「環境」「医療」「教育」の 5぀のテヌマに぀いおディスカッションを行っおいる。具䜓的な授業内掻動ずしおは、教垫の導入語圙の説明、背景知識掻性化のあず、映像を芖聎、

内容を螏たえた䞊で孊生同士がディスカッションをし、孊習者が自ら考えおワヌクシヌトを埋めおいくずいう圢をずったそうである。

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幞束 英恵 Yukimatsu HanaeExploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

䞭河・深柀・濱田 (2003:42)は、実践結果に぀いお「今回の授業では、詊みが新しく詊行錯誀しながら進めたため、孊習者から授業評䟡を受けるずころたでには至らなかった」ずし぀぀、

孊生たちは埓来の新聞や雑誌などの印刷メディアを甚いた授業よりも興味を持っお取り組んでいたずいう印象を受けたず述べおいる。ディスカッションの内容も「この番組が反映しおいる瀟䌚事象は䜕か、それは日本ずいう瀟䌚に特有なものか」ずいう深い議論が芋られたずあり、

映像䜜品を甚いた授業に䞀定の効果があったず芋なしおいる。

本皿で玹介する実践ず共通する郚分ずしおは、以䞋の 3点が挙げられる。䞋線は匕甚者

・ 蚀語知識教育より文化理解教育に比重があり、その玠材ずしおサブカルチャヌ的なコンテンツを利甚しおいる5)。

・ 日本文化や日本事情を知識ずしおむンプットするのではなく、コンテンポラリヌな問題に぀いお議論するずいう圢匏をずる。

・ 教宀では、孊習者が䞻䜓的に考え、話し合っおワヌクシヌトを埋めるずいうアクティブ・ラヌニングスタむルの掻動が甚意されおいる。

䞀方、䞭河氏らの実践ず、本実践の異なる郚分ずしおは、以䞋が挙げられる。

・ 䞭河氏ら䜜品を遞ぶのは教垫である。孊生は授業䞭に初めおその䜜品を芖聎するこずになるず予想される6)。

→本実践8䜜品を教垫が遞ぶが、その䞭から取り組みたい䜜品を孊生に遞ばせる。

授業参加時にはその䜜品をすでに芖聎しおいるこずを前提ずしおいる。

・ 䞭河氏ら毎回の授業で異なる䜜品を芖聎しおディスカッションをしおおり、およそ2回の授業でその話題は完結しおいる7)。授業を通しお䜕かを積み䞊げおいくずいう圢を取っおいない。

→本実践䞀぀の䜜品を孊生に遞ばせお、それを材料にしお研究手法を孊ぶこずを䞻県ずしおおり、毎回の授業は調査・研究における段階を螏むものずなっおいる。ゎヌルは最埌の研究発衚に定められおいる。

1. 5. アニメ䜜品を甚いお文化教育を行った実践のたずめ以䞊、柎田 (2007),小束 (2011), 䞭河・深柀・濱田 (2003)を玹介した 8)。これらの内容ず、埌に詳述する筆者による実践内容を、授業時間、察象者、扱った䜜品、蚀語知識理解ず文化理解

5) 必芁最䜎限の語圙を䞎えるずいう蚀語知識面のサポヌトがあったこずは明蚘されおいるが、文型を孊んだり䌚話緎習をするずいった蚀語理解掻動が行われたずいう蚘述はない。

6) 孊生がその映像䜜品を初芋であったかどうかの蚘述はないが、授業掻動に映像を芋せるこずが組み蟌たれおおり「映像読解」のスキルを逊成するこずが授業の倧きな目暙になっおいるこずから (p.41)、少なくずも教垫偎は、

孊生にずっお圓該䜜品が初芋であるず想定しお遞んでいるこずがわかる。

7) 14週で 6぀のテヌマが扱われおいるこず、たた「扱った映像のストヌリヌ党郚を芋せるこずを目指したため、あたり長すぎるものは避け、数回の授業で芋終われるぐらいの時間であるこずも、条件の䞀぀ずなった (p.38)」

ずいう蚘述があるこずから、2-3回で 1぀のテヌマを扱ったのではず考えられる。

8) このほか村束 (2013)による実践も報告されおいるが、こちらは日本語孊校に通う日本語䞊玚孊生に察しおアニメを掻甚した日本語授業を行った実践である。45分× 2コマ蚈 90分単発での実践であり、セリフの穎埋めや省略文の読み取りなど蚀語䜿甚に特化された授業であるため、ここでは詳しく取り䞊げない。

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東京倖囜語倧孊論集 第 102号2021

TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

のどちらに比重を眮いた授業か、授業内掻動ずいう項目で比范した衚を以䞋に瀺す。

è¡š 1. アニメ䜜品を甚いた文化理解の授業実践の比范玹介順

報告 授業時間 察象者 扱った䜜品 授業の比重 授業内掻動

柎田 (2007)週 3コマ× 12週(1コマは 80分 )

初玚修了皋床

『千ず千尋の神隠し』

のみ 蚀語知識理解 文化面に぀いおは教垫の講矩

小束 (2011)週コマ× 13週(1コマは 90分 )

初玚 倧正期から珟圚たで 32䜜品 文化理解 教垫による講矩䞭心

䞭河ほか(2003)

週コマ× 14週(1コマは 90分 )

䞭玚『サザ゚さん』『ちびたるこちゃん』『平成狞合戊ぜんぜこ』など

文化理解

䜜品芖聎、䜜品理解、

孊生どうしのディスカッション、ワヌクシヌトの䜜成

本実践週コマ× 12週(1コマ 120分 )

䞭玚䞊〜

侊箚

『もののけ姫』『千ず千尋の神隠し』『名探偵コナン』など 8䜜品

文化理解

研究手法を教えた䞊で孊生がディスカッションしながら調査を進め、最埌にプレれンテヌションする

総括するず、柎田 (2007)は初玚修了者にアニメを甚いお蚀語知識を孊ばせる授業、小束 (2011)

は初玚孊生に講矩圢匏で日本文化を教える授業である。䞭河ほか (2003)は孊生どうしの䞻䜓的なグルヌプワヌクを取り入れおいるずいう点で本皿実践に近いが、2、3 回で䞀぀の話題が完結するようになっおおり「小さい議論」を繰り返す授業になっおいる。䞀方、本実践は、䞭玚䞊〜䞊玚レベルの孊生に察するアカデミックな「研究法入門」ずいう色合いが匷く、そうした授業にアニメ・マンガを取り入れたずいう点で他の実践ず差別化される。

ここからは、2020幎 10月 3日から週に回、12週にわたっお行われたオンラむン日本文化研修の内容をなぞりながら、プログラム応募時に行った面接審査における聞き取り、授業時の孊生の様子ずそれに察する教垫の反省、修了時の孊生評䟡ずいった資料を甚いお、本実践の意矩ず課題を明らかにしおいく。

2. 実践の抂芁2. 1. プログラムの抂芁

è¡š 2. GCA東京2020 プログラムの抂芁䞻催 孊習院倧孊 囜際センタヌ

期間2020幎 10月 3日土〜 12月 19日土の毎週土曜日週に回、120分の授業を 12週にわたっお行う

圢態 オンラむンによるZoomミヌティングを䜿甚

察象者 日本語孊習者 40名、日本語母語話者 20名の合蚈 60名日本語孊習者の圚籍倧孊

ブラゞル、メキシコ、ペルヌ、ポヌランド、むギリス、オヌストラリア、タむ、

台湟、䞭囜、韓囜にある倧孊、合蚈 23校日本語母語話者の圚籍倧孊 孊習院倧孊

参加条件 孊習者は䞭玚䞊から䞊玚JLPT N2レベル以䞊。日本語母語話者は条件なし。

どちらも孊科、専攻、孊幎を問わない。

募集方法応募方法

開始2ヶ月前からHP䞊で宣䌝開始。孊習院倧孊の協定校、知り合いの教垫にメヌルを送るなどしお宣䌝する。孊生本人が申し蟌みフォヌムから応募する。

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幞束 英恵 Yukimatsu HanaeExploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

圓初は日本語孊習者の定員を 30名、母語話者の定員を 10名、合蚈 40名ず想定しおいたが、

日本語孊習者からは玄 100名、母語話者からは玄 30名、合蚈 130名の゚ントリヌが芋られた。

やむなく孊習者は第䞀次審査ずしお面接を課し、通過した孊生に察しおは䜜文審査も行った。

母語話者に察しおは䜜文審査のみを行い、圓初の定員から 20名を増員しお 60名孊習者 40

名孊習院生 20名を遞んだ。

日本語孊習者の参加条件ずしおは、アクティブ・ラヌニングスタむルで行われるプログラムずいうこずから、日本語の運甚力が期埅できる N2以䞊ずした。日本語胜力詊隓未受隓の孊生も䞀定数いたこずから、面接時に日本語運甚胜力を刀定するようにした。

2. 2. シラバス孊生募集の際に䜜成したパンフレットに蚘茉されおいる内容は以䞋の通りである。

è¡š 3. 募集パンフレットに瀺されたシラバス

タむトル アニメ・マンガにみる日本文化・瀟䌚 —「面癜い」を孊問に。目指せプレれン名人—

抂芁䞖界でも広く芪したれおいる日本のアニメ・マンガ䜜品を取り䞊げお、日本の文化・瀟䌚のどのような偎面が反映されおいるのかに぀いお探究し、その内容を聎衆にわかりやすく䌝えられる魅力的なプレれンテヌションを䜜るこずを目指す。

目暙

日本の文化・瀟䌚を知ろう

課題探究を通しお、日本の文化・瀟䌚に぀いお倚角的な芖野から知識を埗る。

調査力を高めよう

テヌマ蚭定・デヌタ分析・比范分析などの基本的なリサヌチ方法に぀いお、専門家の指導を受けお、リサヌチスキルを高める。

倚文化協働を䜓隓しよう 最終発衚たでの過皋で、グルヌプディスカッションや発衚準備などを通しお、倚文化協働の難しさず面癜さを知り、協働による課題解決のコツを぀かむ。

プレれンスキルを高めよう プレれンのコツを孊び、聎衆にアピヌルするプレれンテヌションが行えるようになる。

䜿甚䜜品 『もののけ姫』、『千ず千尋の神隠し』、『名探偵コナン』、『ハむキュヌ !!』、『君の名は』、

『倩気の子』、『鬌滅の刃』、『゜ヌドアヌト・オンラむン』

担圓教員 幞束英恵コヌディネヌタヌ、青朚俊介、原瑠矎、杜長俊3名は孊習院倧孊の教員

車田千皮倖郚招聘講垫。ロチェスタヌ倧孊脳認知科孊准教授。プレれン指導を担圓

プログラム内容を正しく理解しおもらうための宣䌝ビデオも䜜成し、授業がどのように進められるのか、どのような胜力が逊成されるこずが期埅できるのかに぀いお、わかりやすく説明するよう工倫した。

3. 日本語孊習者の参加動機の分析以䞊のシラバスを瀺しお孊生を募集した結果、前述のずおり 40名の定員枠に察し 130名の垌望者が集たった。ずりわけ海倖での知名床が高いずは蚀えない倧孊での短期研修に、海倖からこれほど倚くの応募が集䞭したのは泚目すべきこずだず考える。今埌のプログラム蚭蚈を考える際の重芁なヒントがあるず思われるため、ここでぱントリヌ時のアンケヌト内容ず面接

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東京倖囜語倧孊論集 第 102号2021

TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

時の聞き取り調査 9)の結果から、その理由を分析しおいく。

理由は、倧きく以䞋の 5点にたずめられそうである。

1「アニメ・マンガ」日本文化ぞの興味・関心2 日本語を甚いた研究手法やプレれンに぀いお孊べるずいうアカデミックニヌズ3 䌚話力向䞊などの日本語胜力ニヌズ4 留孊が䞭止・延期になった孊生にずっおの代替ニヌズ5 オンラむン効果

3. 1. 「アニメ・マンガ」日本文化ぞの興味・関心以䞋、動機に぀いお項目ごずに怜蚎する。もちろん参加動機は単䞀ではなく、䞊の項目の耇数にわたっおいる堎合が倚いが、そうした䞭で最も蚀及されおいるのがの「アニメ・マンガぞの興味・関心」であり、次のような回答が芋られたこれ以降、孊生の蚘述を転茉する際には手盎しせずに玹介する。

(1)今幎の倏から、NHKラゞオを芖聎するようになりたした。そしお、倩気情報に぀いおの攟送がよく耳にしおいたす。詳しく聞くず、台颚、突颚、猛暑日などの厳しい状況ばかりです。そのずころ、急に去幎芳た「倩気の子」のストヌリヌを思い出したした。始めお芋るずきは、コンテキストがわからなかったせいかもしれたせんが、今回の研究䌚をきっかけで、日本人の方が倩気ずいう珟象をどのように捉えおいるのかずいう芖点から、改めお「倩気の子」を鑑賞したいず思いたすので、このプログラムに参加しようずしたのです。

䞭囜・北京理工倧孊

(2)今たで、私は日本語を䜿っお、䜕かの研究や発衚に挑戊しようず思いたしたが、自分が気になるテヌマが芋぀からなく、結局䜕の研究にも参加しなかったです。自分が気にならないテヌマに぀いお研究しおいるずきに、だんだん疲れ、やりがいを感じなくなるかもしれないず思ったからです。しかし、

GCA東京 2020はアニメず挫画を研究のテヌマにするので、このプログラムなら自分の奜きなアニメをテヌマにし、研究ができるので、参加しようず思いたした。自分の奜きなこずに぀いお研究する方が、

「パッション」を感じるず思いたす。

タむ・チュラロンコン倧孊

(1)の孊生は具䜓的な䜜品名を挙げ、このプログラムでの探究を通しお䜜品をより深く鑑賞できればずいう期埅を述べおいる。このように具䜓的な䜜品名たで挙げお動機を曞いおきた孊生は少数で、倚くは (2)の孊生のように、日本のアニメ・マンガ党般に関心があり、これを甚いお研究や発衚を経隓できるこず自䜓に魅力を感じおいるこずがわかった。

海倖孊生がどのような䜜品を奜んでいるのかに぀いおも調査を行った。最も倚く蚀及される䜜品は『ナルト』『ワンピヌス』『ポケモン』などであった。アゞアの孊生は比范的最近の䜜品たで芖聎、講読しおおり、日本人孊生ず類䌌の䜜品を挙げるこずがわかったが、ペヌロッパや南米では『ドラゎンボヌル』『幜遊癜曞』『聖闘士星矢』など䞀昔前の䜜品も倚く挙がったのが印象的であった。地域によっおは流通䜜品が限られおいる珟状も芋えおきた。圓初は等身倧の

9) ゚ントリヌ時のアンケヌトでは、プログラムぞの応募動機を蚘述する欄を蚭けた。個人面接の際には、日本語孊習の動機、プログラムぞの応募動機、アニメ・マンガに察する興味関心、孊んだ内容を掻甚するこずぞのビゞョンずいう 4点に぀いお䞻に質問した。

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アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

日本家庭の様子がうかがえるマンガずしお『あたしンち』を甚いる予定でいたずころ、東アゞアの孊生以倖は読んだこずがないこずがわかり、急遜、他䜜品ぞの差し替えに迫られたずいう䞀幕もあった。

蚀語知識の習埗に焊点を圓おた短期研修の参加者は、日本語やその関連分野を専攻する孊生が圧倒的倚数であった。ずころがアニメ・マンガをプログラムの探究察象ずしお掲げたずころ、

参加者の「理系率」がプログラム史䞊最高の数倀になった 10)。日本語を専門に孊んでいるどころか、副専攻や第二蚀語ずしお孊んでいるわけでもない、日本語は独孊で勉匷しおいるずいった孊生も䞀定数いたこずが泚目される。

3. 2. 研究手法やプレれン手法などのアカデミックニヌズ参加動機の䞭には、次のような回答も芋られた。

(3)将来、博士課皋の探究の䞀郚を日本でしたいし、自分のプレれンスキルを䌞ばしたいので、このプログラムに参加するこずはずおもいい経隓になるず思いたす。

ブラゞル・ブラゞリア倧孊

(4)私は将来、日本で就職したいので、プレれン及びグルヌプ・ディスカッションが䞊手になる必芁があるず考えおいたす。このプログラムでは自分の趣味をテヌマにしながら倧勢の前で日本語で発蚀する緎習ができるので、参加したいず思いたした。

ブラゞル・リオデゞャネむロ連邊倧孊

(5)来幎、日本の倧孊院に進孊し、将来には、日本で働きたいず思っおおりたす。その際、掻躍できる人材ずなるためには、日本の孊生さんや他の海倖の孊生さんず協力し、課題に取り組み、課題や問題を解決する経隓を積み、自分の問題解決力を高めおおく必芁があるず考えたした。

韓囜・慶北倧孊校

(6)日本語を専攻しおいたすが孊校の教育課皋の䞭では日本語で資料をリサヌチしおみたりプレれンテヌションをしたりする機䌚がほずんどありたせんでした。 このプログラムを通しお単玔に日本語を読んで話すこずだけではなく、もっず実甚的に日本語を掻甚できる方法を孊びたくお参加したいず思いたした。

韓囜・慶北倧孊校

アカデミック日本語に察するニヌズは面接時の聞き取り調査でも匷く感じられた。遞考を問わず倚くの応募者が、将来は日本の倧孊院に留孊したい、日本で就職したい、珟地の日系䌁業で働きたい等の垌望を話しおいた。運甚力はあるず自芚しおおり、それをい぀か自分のキャリアアップに掻甚したいず考えおいる孊生にずっおは、日本語を䜿っおの研究法や、就職埌にも䜿えそうなプレれン手法を孊べる本プログラムの目的がニヌズにマッチしおいたず思われる。

参加者の倚くが䞊玚日本語孊習者であったが、日本語を甚いた調査やプレれンの経隓倀ずいう点からは、予想以䞊の孊生から「あたり経隓がない」ずいう回答を埗た。

こうした孊生にずっおは、日本の倧孊が䞻催するプログラムでアカデミック日本語が孊べるこずは倧きな魅力ずしお映ったこずがうかがえる。

10) 孊習者 40名䞭、日本関連分野日本語・日本文孊、通蚳翻蚳などが 19名で最も倚かったが、いわゆる理系工孊郚、理孊郚、物理孊郚、生物孊郚などが 13名存圚しおいたこずが泚目される。残りの 8名は、囜際関係、

教育、グラフィック、デザむンなどを専攻しおいた。

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TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

3. 3. 䌚話力向䞊などの日本語胜力ニヌズグルヌプによる協働の過皋では日本語での議論や発衚準備が求められる。特に本実践では日

本語母語話者も混じっおいるので、䌚話力の向䞊を期埅する声が芋られた。

(7)私は倧孊でもずもず日本語ず法埋を専攻しおおり、日本語の孊䜍を修了したした。倧孊でもう日本語の授業を受ける機䌚はないので、自分で積極的に日本語を䜿うプログラムに参加しおみようず思いたした。それも、日本語胜力詊隓玚のテストが 12月に行われるので、詊隓を受ける前にできるだけ日本語胜力を磚きたいず考えおいたす。 加えお、子䟛の頃からずっず挫画やアニメに興味がありたしたが、日本人の友達ずそのようなトピックに぀いお話す機䌚があたりなかったのでこのプログラムにぜひ参加しおみたいず思いたした。

むギリス・オクスフォヌドブルヌクス倧孊 ※倧孊院生

(8)このプログラムに参加しようずした理由は䞉぀ありたす。䞀぀目は、色んな囜の皆さんず意芋を亀換しお、䞀緒に話し合っお掻動するこずがかけがえのない経隓になるず思いたす。二぀目は、日本語で話せる機䌚が増え、䌚話力を磚きたいです。䞉぀目は、専門家からフィヌドバックをもらう際に自分がみえなかったずころを知っお理解しお日本の日垞生掻や瀟䌚に぀いおの知識を埗るこずができたす。 それに䌎いたしお、日本語で資料を調べたり、テキストを読んだり、専門家の講矩を聞いたり研究するこずで論文の曞き方ず論議の仕方を改めお孊びたいず思いたす。

(ポヌランド・ダゲノォ倧孊 )

ペヌロッパからの参加である (7)(8)の孊生はどちらも日本語が専門で、非垞に日本語胜力が高い孊生であったが、日本語クラスを離れおしたうず日本人ず䌚話をする機䌚がほずんどないずいうこずであった。日本語䌚話に飢えおいる様子を芋せる孊生が散芋されたこずから、本実践では授業終了埌、Zoomミヌティングを延長し、「攟課埌クラス」ず名付けた攟課埌の自由䌚話の堎を蚭定した。するず日本語孊習者の半数以䞊が毎回の授業埌に残り、日本人孊生や他の孊習者ずの日本語䌚話を楜しんでいた。このこずからも「䞊玚日本語䌚話」の堎を提䟛するニヌズが䞀定数あったこずがわかる。

3. 4. 延期・䞭止になった来日蚈画の代替ニヌズアンケヌトでは、3名の孊生が、予定しおいた留孊蚈画が延期・䞭止になったず曞いおいた。

うち 1名の蚘述を玹介する。

(9)コロナ 19が流行したせいで長い間準備をしおきた亀換留孊を諊めるこずになりたした。そんな䞭このプログラムを芋぀けたした。韓囜にいながら日本人孊生ず亀流ができ、その䞊奜きなアニメに぀いお䞀緒に探究し、プレれンをするこの様なプログラムを私は芋逃す事が出来たせんでした。なので、

必ず参加しようず決めたした。

韓囜・啓明倧孊校

面接時の聞き取り調査では、既に内定しおいた来日蚈画が䞭止になった孊生のほか、応募予定だったプログラムが催行䞭止になった孊生も数名存圚した。そうした孊生からは、「オンラむンでも参加できればありがたいず思った」ずいう動機が聞かれた。

今回参加した孊生が、こうした代替ニヌズにより、いわば次善の策ずしおオンラむン研修を遞んでいたなら、今埌、感染症の流行が収束し、囜際的な移動が正垞化した埌にはオンラむン短期研修は䜿呜を倱うこずになる。しかし本プログラムに限っおいえば、「オンラむンだから参加を決めた」孊生が倚く存圚しおいたのが実情であった。遠隔地に䜏む孊生を䞭心に「わざわ

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アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

ざ日本に行かなくおも良いのが魅力だった」ずいう意芋が倚数寄せられたのである。「来日蚈画の代替ニヌズ」は確実に動機ずしおあったものの、䞀郚にしか該圓しなかったず考えらえる。

3. 5. オンラむン効果「オンラむンだからこその垌望者増」ずいう珟象は、朜圚的な参加可胜人数が䞀気に広がっ

た結果であり、珟圚、様々な孊䌚や各皮シンポゞりム、瀟䌚人向けの講座などでも芋られる珟象である。察面授業ぞの参加には移動や宿泊が必芁であり、時間的にも予算的にも倚くの負担がかかる。䞀方のオンラむン研修は、時間的ロス、経枈的ロスが最小限で抑えられるため、これたでは参加を怜蚎すらしなかった局遠隔地の孊生、あえお珟地留孊するほどでもない他分野の孊生を幅広く取り蟌むこずになったのであろう。

この珟象は正芏留孊以䞊に、短期研修においお顕著だず考えられる。過去の GCA東京における参加者は、䞭囜、台湟、韓囜をはじめずするアゞアの孊生が圧倒的倚数を占めおいた。遠隔地に䜏む孊生にずっおは 2、3週間のために高い航空費を払うのはコストに合わないず刀断されがちである。ペヌロッパやアフリカから参加孊生が芋られたのは、決たっお JASSO奚孊金による補助が出た幎であり、やはり経枈的な問題が倧きいのだず感じさせられた。

面接での聞き取り調査では、圓研修が南米の孊生やペヌロッパの孊生からは倧きな感激をもっお迎えられたこずがわかった。「日本ぞの枡航費は初任絊の半幎分ポヌランドの孊生」「日本での研修に参加しようず思ったら 3幎間くらい莅沢ができないむメヌゞブラゞルの孊生」

等の回答があり、授業開始埌も「日本の倧孊の研修に参加できるなど『倢のたた倢』ず思っおいたので毎週幞せ」「参加が決たった時に涙が出た」等の反応も寄せられた。

プログラム運営偎ずしおは各囜ずの時差問題がどのように䜜甚するのかを危惧しおおり、圌らにずっお金曜日の倜であれば倚少の無理はきくのではないかず、日本時間における土曜日の9時から 11時に授業時間を蚭定した。孊生からの聞き取りの結果、1週間に 1床くらいなら倜䞭たで起きおいるこずは問題ではないず答えた孊生が圧倒的倚数で、実際に授業開始埌、時差のためにドロップアりトした孊生は 1名も存圚しなかった。

4. 授業内容ず孊生による授業評䟡4. 1. 授業内容

ここからは、実際の授業の流れずそれぞれの授業に察する孊生の様子、教垫による授業のふりかえりで出おきた反省点に぀いお述べる。

毎回の授業には反転授業を導入し、党おのプリントは事前配垃しお理解しおおくように求めた。事前孊習を螏たえお、授業の冒頭 15 - 20分ほどを甚いお事䟋を玹介しながら、今日行う掻動が研究過皋においおどのような意味を持぀のか、なぜ重芁かずいうこずを説明した。その䞊でグルヌプごずにブレむクアりトルヌムを蚭定し、䜜業を進めさせた。

授業の内容ず教垫からの反省点をたずめた衚を以䞋に瀺す。

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è¡š 4. 授業の内容ず教垫からの反省点

リサヌチ「テキスト分析」

目暙テキストぞの理解を深め、グルヌプで共有する。理解した内容をわかりやすく芁点にたずめ、玹介する。

掻動内容ワヌクシヌトを配垃、グルヌプで手分けしお「䜜品内容の芁玄登堎人物の玹介䜜品情報のたずめ」を蚘入し、教員に発衚する。

授業の様子ブレむクアりトルヌムに分かれ、曞蚘圹がワヌクシヌトを開いお画面共有し、

話し合いながら埋めおいく。60分ほどで仕䞊げる。教垫から芁玄の仕方や芁点が入っおいるかどうかチェックを受けお終了。

反省

奜きな䜜品の内容に぀いお情報をたずめる䜜業なので和気藹々ず話が進む。アむスブレヌキング的な圹割の授業になっおいた。䞀方、情報集めず日本語芁玄は教垫が想定しおいた以䞊に時間がかかった。前もっおワヌクシヌトを配垃しおおいお欲しかったずいう意芋が寄せられた。

リサヌチ 2「先行研究分

析」

目暙 これたで察象テキストに぀いおどのような蚀及がなされたのかを知る。

掻動内容察象テキストに぀いお曞かれた読み物に察しおわかったこずをグルヌプで共有する。䜜品から芋える日本の特城に぀いおディスカッションする。

授業の様子

宿題ずしお読解資料を枡しおおいたずころ、党員が読んできたようで、教垫の質問にはきちんず答える。しかし孊生どうしで意芋を蚀い合い、答えをたずめる䜜業を始めたずころ、 抜象的な話になるず 「話せる孊生」 「話せない孊生」 の差が出おくる。蚭問に察しお日本語で回答したワヌクシヌトを授業最埌に提出。

反省

想定しおいるより䞀぀䞀぀のディスカッションに時間がかかり、授業時間内での教垫からのフィヌドバックが難しいグルヌプも出おくる。その堎合はグルヌプの代衚者にワヌクシヌトを提出させ、教垫が赀を入れおコメントを぀けおメヌルで返华したが、どの皋床孊生がそれを参照しおいたのかは確認する術がなかった。

リサヌチ 3「テヌマ蚭定」

目暙 グルヌプごずに぀探究テヌマを蚭定する。

掻動内容宿題ずしお考えおきたテヌマをグルヌプで共有。なぜそれを遞んだのか理由も述べる。そのうち、どのテヌマが盞応しいかディスカッションしお぀に決める。最埌に党䜓の前で分間スピヌチをする。

授業の様子

䞀人ず぀が発衚し、曞蚘圹がテヌマ案を曞き留めおいく。重耇も倚いので、同じ答えは消去した䞊で、残ったものからどのテヌマにするべきかをディスカッションする。早くテヌマが決たり䜙裕をもっおスピヌチの準備ができたグルヌプず、意思決定に時間がかかりスピヌチは付け焌き刃でやるこずになったグルヌプが出おくる。

反省スピヌチは党おのチヌムにおいお日本語孊習者が行った。10名の孊習者のスピヌチは、同グルヌプの日本語母語話者チェックが入っおいるずいうこずを斟酌しおも、さすが䞊玚クラスだけあっお倧倉よくできおいたので感心した。

リサヌチ 4「比范分析」

目暙 他の䜜品ず比范分析するこずで特城を客芳的に、明確にする。

掻動内容 該圓する珟象や事柄に぀いお扱っおいる囜内倖䜜品を探しお比范する。

授業の様子

宿題にしおおいたので、比范察照になる䜜品は倚く集たっおいた。日本の䜜品でも芋られる珟象なのか日本においおは普遍的な特城ずいえる倖囜䜜品では別の描き方がされるのか日本独特な特城ずいえるに぀いおディスカッションする。

反省

これたでは口数が少なく芋えた孊習者たちも、この回の内容は自分の囜ではどうなのかずいう比范分析であったため、積極的に議論に参加する様子が芋られた。比范察照は「䜜品」ず絞っおしたうずなかなか探しにくいこずがわかったため、方針を途䞭から切り替え、他のメディアによる資料でも良いずした。

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アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

リサヌチ 5「背景分析」

目暙 なぜ日本においおそのような特城が芋られるのか背景・原因を突き止める。

掻動内容 様々な資料を持ち寄り、共有する。瀟䌚的、時代的な背景などを怜蚌する。

授業の様子

宿題ずしお探しおきた参考資料を持ち寄り、グルヌプメンバヌにそれぞれが説明する。その䞭から「なぜそうなったのか」の仮説になるような論を探さなければならないずころ、スムヌズに説を芋出したグルヌプず、混迷しおいたグルヌプではっきり明暗が分かれおいた。

反省

テヌマ決定の際に、「こういうこずではないか」ずいう予枬が぀きやすいもの、

資料が探しやすそうなものをテヌマずするよう薊めたが、グルヌプによっおはその䜜品の䞭で適切なテヌマを芋぀けるのが難しかったようである。孊生の考えを重んじた結果、どのようなテヌマでも良いずしたが、背景や原因が぀きずめにくいテヌマを遞んでしたったグルヌプは次週以降に問題を持ち越すこずになり、この先の発衚準備の時間に圱響しおしたっおいた。どこたで教垫が介入するのかの匙加枛が難しいず感じた。

リサヌチ 6「たずめ」

目暙 わかったこずをたずめお敎理する。

掻動内容 これたでの過皋で䜕を議論し、どのような結論が埗られたかを確認する。

授業の様子

もう䞀床䜜品に立ちかえり、自分たちが考えた日本の文化・瀟䌚的特城が、どのような堎面から色濃く芋出せるかを考え、そのシヌンをプレれンにどう盛り蟌むか考えるなど、プレれン準備に入っおいった。比范分析や背景分析が遅れおいたグルヌプは、この回を䜿っお先週たでの議論を匕き続き行った。

反省

自埋的にどんどん進んでいくグルヌプず、教垫のサポヌトが必芁なグルヌプがはっきりしおきたため、ガむダンスが終わっお孊生がブレむクアりトルヌムに分かれおからは、助けが必芁そうなチヌムにたず入り、迷走しないよう正しい方向性をアドバむスしたり教垫偎で探した資料を玹介したりした。

それでもなかなか䌝わりにくいグルヌプも芋られ、やはり盎接䌚っお話すのずは違っお、こちらの意図するずころが䌝わりにくいケヌスもあるず実感した。

授業で行ったこずは「研究察象のアニメ・マンガから適切な課題を芋぀け、適切な資料やデヌタを探し出し、そこから結論を導き出す」ずいうこずで、これは蚀語を超えた力であり、これたでの課題探究や調査の経隓に巊右されるこずがわかった。日本人孊生の参加者の倚くが 3幎生以䞋であったのに察し、日本語孊習者の方はすでに瀟䌚人経隓のあるリカレントの孊生、倧孊院生、4幎生で倧孊院進孊を考えおいる孊生など、次のステヌゞを考えお参加した孊生が倚かった。そこでグルヌプの議論をリヌドしおいく圹は経隓豊富な孊習者であるケヌスが倚く、

日本人孊生は「刺激を受けた」「孊んだ」ずいうコメントを寄せおいた。

その䞀方で、積極的に自分の意芋を衚明しない日本語孊習者がいたこずも事実であった。毎回の授業埌に実斜される「ふりかえりシヌト」にお、その日の孊び、自身の貢献床、授業に察する意芋などを曞くこずになっおいたので、その蚘述を参照しながら教垫間で情報亀換に努めた。参加態床の気になるメンバヌには教垫から連絡を取り面接をするこずもあった。埌半のプレれン準備の段階では党員が䜕らかの圹割を分担するこずを課したので、議論においおは䞭心的圹割を果たせなかった孊生も、デザむンが埗意な孊生はデザむンを担圓したり、スケゞュヌル管理を担圓したりず、䜕からの圹目を党うしおいた。

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4. 2. 孊生の成果ず授業評䟡以䞊で述べた研究入門的なステップを経お、最終的にそれぞれのチヌムが䜕をテヌマにし、

どのような考察を行ったのかを衚に瀺す。

è¡š 5. それぞれのグルヌプが取り組んだ探究内容

察象䜜品 探究内容

もののけ姫䞻人公が旅に出るきっかけになる「祟り神」に着目、日本における「祟り」に぀いお、

海倖の類䌌珟象ず比范しながら考察を行った。

もののけ姫䞻人公たちの争点になっおいる「自然芳」に着目し、宀町時代における瀟䌚構造を、

海倖で類䌌の自然芳の倉換が起こった時代ず比范し考察を行った。

名探偵コナンコナンの゚ピ゜ヌドには倚くの「日本的オカルト的芁玠」が登堎するのはなぜか、

海倖のオカルト的な昔話ず比范し぀぀考察を行った。

君の名は 䜜䞭のシヌンから「神瀟の圹割」が今ず昔でどう倉化しおいるのかを考察した。

ハむキュヌ !! 日本ず韓囜の「郚掻の目的ず歎史」から、日本の郚掻の特城に぀いお考察した。

千ず千尋の神隠し䜜䞭で重芁なキヌワヌドずなる「名前」に着目、日本の歎史においお名前がどのような意味、力を持たされおいたか事䟋を出しながら考察を行った。

千ず千尋の神隠し神様がやっおくる銭湯のシヌンから「入济文化」に぀いお、キリスト教の掗瀌などず比范しながら考察を行った。

倩気の子 登堎人物の「就掻」シヌンに泚目、日本における就職掻動の特城に぀いお考察した。

鬌滅の刃 「着物の柄」に泚目、それぞれの柄の意味に぀いお倖囜の柄ず比范しながら考察した。

゜ヌドアヌトオンラむン「日本補RPGの蚭定やプレヌスタむル」に集団を奜む傟向があるこずに着目、倖囜補 RPGず比范しながら日本瀟䌚の特城に぀いお考察を行った。

ここからは、プログラム終了時に行われたアンケヌトの結果を瀺す。日本語孊習者 38名、

日本語母語話者が 18名、合わせお 56名が回答した結果である 11)。

è¡š 6. 修了時アンケヌトの結果

項目 察象者 倚くの知識が埗られた

たあたあ埗られた

あたり埗られなかった

党然埗られなかった

日本文化や瀟䌚に関する知識

孊習者 27 11 0 0

母語話者 13 5 0 0

項目 察象者ず お も 圹 に立った

たあたあ圹に立った

あたり圹に立たなかった

党然圹に立たなかった

研究手法に぀いお孊習者 32 6 0 0

母語話者 16 2 0 0

11)途䞭、就職掻動のために離脱した孊生が 2名出お 58名で最終日を迎えたため、2名が答えなかったこずになる。

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アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

日本文化・瀟䌚に関する知識は、孊習者の 71が「倚くの知識を埗られた」ず答えおいる。

「たあたあ埗られた」の 29%を合わせるず党員が知識の獲埗を実感した結果ずなっおいる。䞀方の日本語母語話者は、「倚くの知識を埗られた」が 72%、「たあたあ埗られた」が 28%であり、

孊習者ずほが同じ結果ずなった。次に、研究手法の孊びに぀いおは、孊習者の 84が「ずおも圹に立った」を遞び、「たあたあ圹に立った」は 16%であった。こちらも党員が「圹に立った」

ず評䟡した。䞀方の日本語母語話者は 89%が「ずおも圹に立った」、11%が「たあたあ圹に立った」を遞んだ。この結果からは、知識獲埗よりも研究手法の孊びぞの評䟡が高いこず、それは日本人孊生にずっおも必芁な孊びであったこずが明らかである。

研究手法に関する蚭問の埌で、「なぜそのように答えたのか」を自由に蚘述する欄を蚭けた。

そこに芋られた意芋を玹介する。以䞋の孊習者の意芋も原文のたたである

研究手法のステップがわかりやすい授業が構造化されおいる

「ステップがあるから分かり安かった。」韓囜・韓囜倖囜語倧孊校

「䞀気に課題をするず、焊ったり、なにをしたらいいか分からないので、こういう手段が毎週のたびに予定ずしお発衚されるず安心したす」                       タむ・チュラロンコン倧孊

「ちゃんずした段取りのおかげで、沢山の情報もうたく敎理しながらたずめるこずができたした。」

ペルヌ・UCAL倧孊

「今たでは䜕かを調べるずき挠然に情報を集めるだけだったのですが、このたびこの授業を通じおどのように調査や研究を行うのが効率的かを孊べたした。」                   韓囜・慶北倧孊校

教垫の指導や授業資料が良かった「先生方のアドバむスや、ディスカッション䞭のコメントがずおもためになりたした。」

ブラゞル・リオデゞャネむロ連邊倧孊

「毎回のプリントは調査や比范分析の方法、手順など詳しく教えおくれた。」     䞭囜・北京倖囜語倧孊

「初めお日本語で調べた時、先生の蚀うこずはずおも助かりたした。」

オヌストラリア・ニュヌサりスりェルズ倧孊

「グルヌプもがんばりたしたが、やはり先生方のアドバむスや助けがなかったらできおいなかったず思いたす。」

ブラゞル・マリリア日本語孊校の教垫※リカレント生ずしお受講

「たあたあ圹に立った」ず答えた孊習者の回答からは、次のような蚘述が芋られた。

必芁なこずは党郚教わったず思いたすが、私がそれに぀いおただ完党に理解出来たのはないから。

韓囜・慶北倧孊校

日本語力がそんなに高くなかった人には倧倉でした。            ブラゞル・ブラゞリア倧孊

難しいけど楜しい。                   オヌストラリア・ニュヌサりスりェルズ倧孊

5. 意矩に぀いおの考察5. 1. 共孊型の「初幎次教育12)」ずしおの意矩日本語教育から専門教育ぞの「橋枡し教育」の必芁性を説いおいる暪田 (1990)によるず、

留孊生が倧孊・倧孊院での勉孊・研究を行うためには䌚話が滑らかにできるだけでは十分でな

12)資料の収集方法、レポヌト䜜成方法、口頭発衚の方法など倧孊での孊びに必芁な基本的䜜業に぀いお教える教育。「導入教育」や「䞀幎次教育」ずもいわれる。

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く、専門分野の内容を孊ぶための認知的技胜や孊習技胜も含めた日本語の習埗が䞍可欠だずいう。本孊の日本語教育プログラムである「基瀎日本語党孊日本語プログラム」に目を向けるず、アカデミック・ゞャパニヌズ胜力を向䞊させるこずを最終の目暙ずし、たさに暪田(1990)の指摘するような「孊郚教育ぞの橋枡し」を意識したコヌス展開になっおいる藀森ほか 2011参照。

日本語孊習者のアカデミック日本語胜力を匷化し、孊郚・倧孊院の教育ぞの移行をスムヌズにするずいう芖点で芋たずき、本実践は、基本的な玠地育成の䞀助になり埗るず考える。䜜品探究察象のテキストを粟読し、そこから読み取れる課題を芋出し、リサヌチク゚スチョンを立お、解決するために文献や資料を探したり、デヌタから分析を行い、最終的にそれを発衚したりするずいうステップは、分野を超えた普遍性を持぀過皋だからである。

この初幎次教育を充実させる必芁性は、日本語母語話者である日本人孊生にも圓おはたる問題である。日本の倧孊生の基瀎孊力の䜎䞋、䞭でも読解力の䜎䞋などが指摘されおおり 13)、か぀お倧孊入孊段階で期埅できた基瀎的な力を補完する圢で、初幎床教育が各倧孊で行われおいる 14)。

今埌、孊郚孊生に占める留孊生の数が増えおいけば、日本語母語話者ず留孊生が共孊・協働する堎面も増えるこずが予想される。共孊・協働を前提にした初幎次教育には、どのような内容が盞応しいのだろうか。先に挙げた参加動機に芋られた (2)の孊生は、タむのチュラロンコン倧孊の日本語孊科の孊生であった。圌女はこれたで日本語を甚いお研究や発衚に挑戊しようず思い぀぀、なかなか螏み切れなかったずいう心情を綎っおいる。日本語孊習者の負担を枛らし、母語話者に察する心理的劣等感を䜎くしながら、いかに成功的に孊郚教育ぞの「橋枡し」

をするのかずいう議論は今埌たすたす必芁になるず思われる。

5. 2. 「アニメ・マンガ」を掻甚した教育ずしおの意矩倚くの日本語孊習者にずっお、本実践がはじめおの「日本語による研究入門」であったずいう事実を考えるずき、アニメ・マンガを甚いたこずの効果は様々な面から指摘できる。先に述べた「心理的負担を枛らす」こずもその䞀぀であるが、「協働するメンバヌの䞭で、ある皋床の共有知識を蚭定できる」ずいう点も挙げるこずができる。

研究手法を孊ぶ授業では、研究察象の実態を螏たえお、そこからどのような課題が芋出せるのか、その背景は䜕なのか、原因は䜕か、他に類䌌珟象があるのかなどを分析できる力、倚角的な芖点から察象に迫っおいく力を逊うこずが目的になる。しかし「実態を螏たえお」ずいう

13) OECD経枈協力開発機構が䞖界 79カ囜・地域の 15歳玄 60䞇人を察象に実斜した PISA孊習到達床調査

の結果によるず、2020幎床日本は「読解力」が 15䜍で、前回 15幎調査の 8䜍から埌退し、「数孊的応甚力」

も 6䜍ず前回の 5䜍から埌退した。

14) 2020幎床日本語文法孊䌚では「蚀語習熟論ぞ向けお―日本語研究ず囜語教育・初幎次教育など―」ずいうタむトルでワヌクショップが行われ、「母語を習埗した個人が、母語を䜿っおいかに瀟䌚参加しおいけるようになるか」を研究察象ずする「蚀語習熟論」に぀いお議論された。筆者個人の経隓ずしおは、非垞勀講垫ずしお勀務した明治倧孊で孊郚幎生必修の初幎次教育の授業を 4幎間担圓したこずがある。いわゆる「有名校」の孊生が察象ではあったが、読解力・䜜文力ずもに䞍安を感じおいる孊生が倚く、初幎次教育の必芁性を痛感した貎重な䜓隓であった。

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アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

ずきに、参加者が話し合いの基盀ずなる前提知識を共有するのはそう簡単なこずではない。

今回の実践では、8぀のアニメ・マンガ䜜品を提瀺し、その䞭から孊生に奜きな䜜品を遞ばせお、あらかじめ読んだり芖聎したりしおおくこずを前提ずした。䜜品を鑑賞する際には自分の母語で読んだり芋たりしおきた孊生が倧郚分であった。これが䟋えば「マむクロプラスチック問題」を課題ずするずしよう。授業を展開するにあたっお、孊生の前提知識をどの皋床に想定するのか、その刀断は難しくなるこずが予想される。ある孊生は実に詳しく、ある孊生にはほずんど知識がないこずもある。共通テキストを準備するにしおも各囜の孊生が䞍利にならないように準備するのはなかなか難しいず蚀えるのではないだろうか。

もちろんこれは、あらゆる授業においお孊生の背景知識を均䞀にすべしず䞻匵しおいるわけではない。孊生の知識に浅深があるのは圓然であり、それが奜たしい効果を生むこずもある。

しかし初幎次教育では、䟋えば環境問題に぀いお皆で知識を深めおいくこずを目的ずするのではなく、その問題を䞀぀の䟋ずしお、どのように関連資料を探したり、どのように調査をしたり、どのようにたずめお発衚するのかを孊ばせるこずが目的である。「研究手法」を孊ばせたいのに「それは䜕ですか」からスタヌトするのでは、半期通垞は 15週皋床しか確保できない授業時間の䞭で、本題に入る前に倚くの時間が割かれおしたう可胜性がある。

もう䞀点、これも圓然の話ずしお、珟実の孊生生掻、瀟䌚生掻の䞭では、自身の関心倖の事象で課題探究を迫られるこずはいくらでも考えられる。埓っお、孊生のうちには「党く興味のない」「降っおわいた灜難ずしか思えない」トピックで探究をする必芁もある。しかしノンネむティブにずっお「初めおの倖囜語を甚いた研究入門」は教垫の予想以䞊に心理的負担があるこずがわかった。アニメ・マンガずいう身近な䜜品を扱うこずで「心理的負担を枛らし぀぀」、「テキストそのものぞの理解に぀いおは蚀語的なハンデキャップを取り陀き」、「研究過皋においお母語話者ず協働し」、「最終的には倖囜語を甚いた研究法が身に付く」ずいう点で、本実践は䞀぀の参考䟋ずなり埗るのではないかず考える。

逆に蚀えば、䞊蚘の条件を満たすようなコンテンツであれば、アニメ・マンガにこだわる必芁はない。ドラマや映画、音楜、ゲヌムなど海倖でも人気のサブカル的なものでも良いだろう。

入り口のハヌドルを䜎く蚭定し぀぀、実際の探究を深めるこずは工倫次第で可胜であろうず考える。

5. 3. 異分野暪断的教育ずしおの意矩留孊生ぞの初幎次教育に぀いおは、日本語教育以倖の分野の研究・教育者ずの協力が欠かせないず考える。各分野においおどのような調査手法が有効なのか、それぞれの分野ず日本語教育者ずの議論が深たるこずが望たしい。

本実践では、異分野の研究者間で議論し、日本文化・瀟䌚に぀いおの課題探究に適した手法を考えお教育に取り入れた。日本語孊、日本語教育孊、史孊、政治孊、脳認知科孊の研究者 15)

15)コヌディネヌタヌの幞束は日本語孊、授業担圓の杜長俊氏孊習院倧孊准教授は日本語教育孊、青朚俊介氏孊習院倧孊 PPD研究員ず原瑠矎氏孊習院倧孊 P D研究員は史孊、プログラム運営に参画した GCA

東京リサヌチアシスタント播磚厇晃氏孊習院倧孊非垞勀講垫は政治孊分野の博士号を取埗。プレれン指導をした車田千皮氏アメリカ、ロチェスタヌ倧孊准教授は蚀語発達の専門家である。

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がお互いの研究手法をふりかえりながら、「テキストを読み蟌む力」「課題蚭定する力」「文献や資料を探す力」「デヌタを分析する力」「たずめる力」「発衚する力」を醞成するためにはどのようなステップを螏たせるべきか、お互いの考えの共通点を探り出し、抜象化したものである。孊生ぞの教育の過皋では、「ある分野の教垫から芋るずその問題はこのようなアプロヌチの仕方があるが、別の分野の教垫から芋るず、別のアプロヌチの仕方がある」ずコメントできるのは異分野暪断教育の匷みず蚀える。

䞀方で、本実践においおも研究者間の協働は垞に順颚満垆なわけではなかった。お互いこれほど研究のスタむルが異なるのかず驚くこずもしばしばであった。分野による差異だけではなく個人が遞奜する研究スタむルの違いもある。同じ分野の研究者どうしで意芋が分かれ議論になるこずもあった。さらに、教育過皋における孊生の掻動の芋守り方のスタンスも異なる。なるべく孊生の成果が 100点に近づけるようにアドバむスを惜したない教員もいれば、孊生の話し合いを尊重し、20点が 40点になればそれを良しずする教員もいる。これも分野ずいうより個人的な教育ビリヌフに基づく差異もある。どちらにせよ耇数の研究・教育者が集たっお協働䜜業ずしお 1぀の授業を運営するのは、䞋手するず議論が玛糟しおしたう危険性を持぀。しかし初幎次教育にある皋床の䞀般性を求めたいのならば、その議論は避けお通れない。筆者は今埌も孊習者ず母語話者が共孊・協働する初幎次教育のあり方に぀いお、分野を超えた協働を暡玢しおいきたいず考えおいる。

5. 4. 倚文化共生教育ずしおの意矩本実践の成果は、2ヶ月間2021幎 1月から 2月豊島区立䞭倮図曞通においお「アニメ・

マンガで繋がる䞖界」ず題する特別展瀺ずしお玹介された。2021幎 3月には豊島区のケヌブルチャンネル「ずしたテレビ」に筆者ず孊生が出挔しその成果に぀いお玹介した遠隔地の孊生は Zoomで参加。これは、次のような背景による。

豊島区は 2014幎に 23区で唯䞀「消滅可胜郜垂」ず指摘され、珟圚、持続発展郜垂を目指しお様々な取り組みを行っおいるが、人口における倖囜人比率が高いため、倚文化共生は喫緊の課題である。たた、䜏み良いたちづくりを行う柱の䞀぀ずしおは、区内にアニメの聖地が倚いこずもあり、アニメやマンガを基軞ずした「囜際アヌト・カルチャヌ郜垂」を目指しおもいる。

豊島区のそうした背景が今回の掻動にうたく噛み合った結果、このような連携が実珟したのであった。

䟋えば本実践で扱った『倩気の子』ずいう䜜品を通しお、倖囜人孊生は日本の就職掻動いわゆる“就掻”に぀いお知り、なぜそのような暪䞊び䞀括採甚方匏をずっおいるのかに぀いお日本文化・瀟䌚の特城を考察する機䌚を埗た。䞀方の日本人孊生は、これが䞖界の垞識ではないこずを知り、䞡者に長所短所があるこずを盞互に孊び合っおいた。぀たりは身近な䜜品の䞭にも、お互いの文化理解を促進し、瀟䌚システムに぀いお深い議論に぀なげられるネタはいくらでも転がっおいるずいうこずである。探究した成果を発衚する際にも、アニメやマンガの堎面などから分析しお芋せるため、図曞通やテレビのような䞀般聎衆向けにアピヌルするこずが可胜である。ハヌドルの高さを感じさせずに盞互理解を深めるには䞀぀の奜材料ず蚀える。

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幞束 英恵 Yukimatsu HanaeExploring possibilities of online short-term course for Japanese culture utilizing Japanese anime and manga

アニメ・マンガを掻甚したオンラむン短期日本文化研修の可胜性

おわりに 今埌の展望このオンラむンによる短期研修の実践は、感染症流行のための次善の策であった。しかし今埌、たずえ囜境を跚ぐ自由な移動が埩掻したずしおも、䞀郚ではオンラむンの研修は継続されるべきだず考えるに至った。時間的・経枈的な負担が最小限で枈むオンラむン短期研修には䞀定のニヌズが存圚するこずがわかったからである。地球芏暡で考えれば、日本の倧孊ぞの留孊や日本人孊生ずの亀流を望みながらも、様々な事情から断念せざるを埗ない孊生が盞圓数いる。

「䞀週間で䞀番楜しみな時間だ」ず蚀う孊生、9時からの授業なのに 30分も前から Zoomにアクセスし今か今かず埅っおいる孊生、毎回の「攟課埌クラス」の垞連になっおいる孊生など、

日本の遥か圌方で授業を埅ち䟘びおいる孊生の姿からは、短期研修ぞの参加を諊めおきた局を発掘したずいう手応えを感じたものである。

たた、日本語孊習者向けの初幎次教育の必芁性は、来日しおいる留孊生に限られない。それぞれの倧孊の日本語関連孊科に圚籍する孊生、今埌日本ぞの正芏留孊を蚈画䞭の孊生、日本での就職や日系䌁業ぞの就職を垌望する孊生など、日本語を甚いお高床な探究や発衚を行う必芁性を感じおいる孊生は数倚くいるず思われる。そうした孊生にずっお、日本の倧孊が䞻催する、

日本語母語話者ず協働で行う初幎次教育的な授業にオンラむンで参加するこずができるずいうのは䞀定の䟡倀があるだろう。さらに蚀えば、オンラむン研修に限らず、日本人孊生ず留孊生の共孊・協働が垞態化しそうな今埌の倧孊においお、䞡者の関心をひき぀け぀぀、母語話者ず非母語話者の優䜍差を極力枛らす初幎次教育の内容ずしお、䞀぀の参考䟋を瀺せたのではないかず考えおいる。

䞀方、授業内容には反省点も倚い。玙面の郜合により詳述できなかったが、察面ではないこずで孊生ずの意思疎通に痛痒感があったこずは吊めない。文献の読み方に぀いお、資料の集め方、たずめ方、発衚の準備のし方などにおいお、こちらが意図しおいるこずが䌝わりにくかったり、孊生が思っおもない方向に走り出したりず、盎に䌚っお指導できないもどかしさを匷く感じた。今埌は、よりわかりやすい初幎次教育的内容を開発し、テキストもそれに沿っお曞き換え、授業時の導入の方法やワヌクシヌトの内容などもブラッシュアップしおいきたいず考えおいる。

最埌になるが、筆者が勀務する東京倖囜語倧孊は日本語母語話者ず孊習者留孊生ずの共孊・協働の機䌚が倚い倧孊である。さらに短期研修の面で蚀えば、コロナ犍のため察面の日本語・日本文化研修が䞭止になっおいる状況にある。本孊の特色や、本孊が珟状抱えおいる問題などを鑑みたずき、この教育手法は本孊の教育に寄䞎する郚分があるのではないかず考える。

「はじめに」で述べた劂く、圓該プログラムは本孊に舞台を移し、2021幎床䞭に実斜される予定ずなっおいる。本孊での実践の結果に぀いおは、プログラム終了埌に発衚したいず考えおいる。

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東京倖囜語倧孊論集 第 102号2021

TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES, AREA AND CULTURE STUDIES 102 (2021)

参考文献臌井盎也2017「日本語教育におけるアニメヌション研究のこれたでずこれから」『日本研究教育幎報』(21), 103-117.

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