図書館の活動をictでサポート - fujitsu...ictの面では電子書...

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手伝いもしています。 さらに専門家や専門 機関のご紹介も行っ ています。図書館が 開くビジネス相談会 には、中小企業診断 士や知財専門相談員 などの専門家が対応 しています」と続け ます。 2006年には医療・ 健康サービス、法律情報サービスも始まり、子育 て支援サービス、高齢者サービス、障がい者サー ビスなどサービスの拡充を図っています。また同 館は学校図書館支援にも力を入れており、学校図 書館支援センターの設置、学校図書館活用のため の研修会への学校図書館支援員(兼教育委員会指 導主事)の派遣、授業活用見本図書セットの貸出 など学校図書館活用教育の推進を支援する様々な 取り組みを行っています。 システム導入の背景と効果 全県民に県立図書館の蔵書を利用可能 にする図書館ネットワークを構築 「県民に役立ち、地域に貢献する図書館」を目 指す同館において、ICTの活用は欠かせません。 情報相談課長の野沢敦氏は、「全県民が当館にあ る約100万冊の蔵書を利用できることはとても重 要です。県内のどこからでもインターネットで 全国の図書館から大きな関心を集めている鳥取県立図書館様は、「県民に役立ち、地域に貢献する図書館」を目指し、関係機関・団体との協働 によりビジネス支援サービスをはじめ様々なサービスを展開されています。県民の来館を待つのではなくセミナーなどに自ら出かけて図書館を アピールする“営業活動”と、情報の提供はもとより専門家を紹介するなど来館者の相談にきめ細かく対応するのが同館の特長です。富士通 の公共図書館ソリューションは、県内全域に2日以内に同館の蔵書を届ける鳥取県立図書館ネットワークをはじめ、県民に役立つ図書館を追求 する同館の活動を支えています。 導入事例概要 種:文教 ソリューションFUJITSU 文教ソリューション iLisfiera V3FUJITSU 文教ソリューション Ufinity for Public ションを実現するための3つの柱「仕事と暮らし に役立つ図書館」「人の成長・学びを支える図書館」 「鳥取県の文化を育む図書館」のもと、ネットワー ク、専門性、発信力の3つのキーワードを定めて 活動されています。 利用者が来館するのを待つのではなく、 職員全員が“営業活動” 図書館は本を貸し出すだけでなく情報を提供す るという重要な役割を担っています。地場産業に 関わる各種年鑑など書店にはない貴重な資料をも つ同館では、ビジネスに役立つ様々なデータベー スも利用可能です。支援協力課課長の小林隆志氏 は「図書館にある資料がビジネスに役立つという のは当たり前のことです。しかし、多くの人は図 書館がビジネスに使えるとは思っていません」と 話します。このイメージを変えるため、2004に開始したビジネス支援サービスでは、来館者を 待つだけでなく企業などが開催するセミナーや研 修会に職員が出向き、「図書館にはこういう資料 があってこう使えます」といった営業活動を実施 しています。多いときで年間100回程度出向いて いると話します。 こうした活動をきっかけに次年度の事業計画を 立案するために同館の研修室を利用した勉強会を 開催する企業が現れるなど、図書館のサービスが 県民に知られてきており、小林氏は「調べたいこ とや困り事について職員にご相談いただければ、 来館者の皆様の課題解決に向けた情報活用のお 注目されるポイント 全国の図書館が注目する 先進的な活動 日本の公共図書館の在り方を示唆する先進的な 活動を評価する「Library of the Year」は2006に始まり、その第1回「Library of the Year 2006を受賞したのが鳥取県立図書館様です。その後も 大学や雑誌社が全国の公共図書館を対象に実施し た調査において全国第1位の評価を受けるなど、 同館の活動や取り組みに日本中の公共図書館が大 きな関心を寄せています。県内外からの視察も多 く、2015年度は公共図書館、議会、教育委員会 などあわせて60件、211名の方が訪れました。 副館長の河本直正氏は、同館が評価される理由 について「2005年度に知の地域づくりを進める ため『鳥取県立図書館の目指す図書館像』を策定 し積極的に活動してきました。県民の役に立つ図 書館を目指し、関係機関・団体との協働によりビ ジネス支援サービスを はじめ様々なサービス を展開しています。ま た市町村図書館および 学校図書館との連携に よる県全体の図書館 サービスの活性化にも 取り組んでいます」と 話します。 2012年度に改訂し た図書館像では、ミッ 鳥取県立図書館 副館長 河本 直正 鳥取県立図書館 支援協力課 課長 小林 隆志 鳥取県立図書館 県民の暮らしやビジネスの課題解決を支援する 図書館の活動をICTでサポート 導入事例カタログ 鳥取県立図書館様 FUJITSU 文教ソリューション 公共図書館 http://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/education/social/library/

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Page 1: 図書館の活動をICTでサポート - Fujitsu...ICTの面では電子書 籍や電子図書館も視野にデジタル化の検討を始め ています。富士通さんにはシステムの安定稼働は

手伝いもしています。

さらに専門家や専門

機関のご紹介も行っ

ています。図書館が

開くビジネス相談会

には、中小企業診断

士や知財専門相談員

などの専門家が対応

しています」と続け

ます。

2006年には医療・

健康サービス、法律情報サービスも始まり、子育

て支援サービス、高齢者サービス、障がい者サー

ビスなどサービスの拡充を図っています。また同

館は学校図書館支援にも力を入れており、学校図

書館支援センターの設置、学校図書館活用のため

の研修会への学校図書館支援員(兼教育委員会指

導主事)の派遣、授業活用見本図書セットの貸出

など学校図書館活用教育の推進を支援する様々な

取り組みを行っています。

システム導入の背景と効果全県民に県立図書館の蔵書を利用可能にする図書館ネットワークを構築

「県民に役立ち、地域に貢献する図書館」を目

指す同館において、ICTの活用は欠かせません。

情報相談課長の野沢敦氏は、「全県民が当館にあ

る約100万冊の蔵書を利用できることはとても重

要です。県内のどこからでもインターネットで

全国の図書館から大きな関心を集めている鳥取県立図書館様は、「県民に役立ち、地域に貢献する図書館」を目指し、関係機関・団体との協働によりビジネス支援サービスをはじめ様々なサービスを展開されています。県民の来館を待つのではなくセミナーなどに自ら出かけて図書館をアピールする“営業活動”と、情報の提供はもとより専門家を紹介するなど来館者の相談にきめ細かく対応するのが同館の特長です。富士通の公共図書館ソリューションは、県内全域に2日以内に同館の蔵書を届ける鳥取県立図書館ネットワークをはじめ、県民に役立つ図書館を追求する同館の活動を支えています。

導入事例概要業 種:文教ソリューション:FUJITSU 文教ソリューション iLisfiera V3、FUJITSU 文教ソリューション Ufinity for Public

ションを実現するための3つの柱「仕事と暮らし

に役立つ図書館」「人の成長・学びを支える図書館」

「鳥取県の文化を育む図書館」のもと、ネットワー

ク、専門性、発信力の3つのキーワードを定めて

活動されています。

利用者が来館するのを待つのではなく、職員全員が“営業活動”

図書館は本を貸し出すだけでなく情報を提供す

るという重要な役割を担っています。地場産業に

関わる各種年鑑など書店にはない貴重な資料をも

つ同館では、ビジネスに役立つ様々なデータベー

スも利用可能です。支援協力課課長の小林隆志氏

は「図書館にある資料がビジネスに役立つという

のは当たり前のことです。しかし、多くの人は図

書館がビジネスに使えるとは思っていません」と

話します。このイメージを変えるため、2004年

に開始したビジネス支援サービスでは、来館者を

待つだけでなく企業などが開催するセミナーや研

修会に職員が出向き、「図書館にはこういう資料

があってこう使えます」といった営業活動を実施

しています。多いときで年間100回程度出向いて

いると話します。

こうした活動をきっかけに次年度の事業計画を

立案するために同館の研修室を利用した勉強会を

開催する企業が現れるなど、図書館のサービスが

県民に知られてきており、小林氏は「調べたいこ

とや困り事について職員にご相談いただければ、

来館者の皆様の課題解決に向けた情報活用のお

注目されるポイント全国の図書館が注目する先進的な活動

日本の公共図書館の在り方を示唆する先進的な

活動を評価する「Library of the Year」は2006年

に始まり、その第1回「Library of the Year 2006」

を受賞したのが鳥取県立図書館様です。その後も

大学や雑誌社が全国の公共図書館を対象に実施し

た調査において全国第1位の評価を受けるなど、

同館の活動や取り組みに日本中の公共図書館が大

きな関心を寄せています。県内外からの視察も多

く、2015年度は公共図書館、議会、教育委員会

などあわせて60件、211名の方が訪れました。

副館長の河本直正氏は、同館が評価される理由

について「2005年度に知の地域づくりを進める

ため『鳥取県立図書館の目指す図書館像』を策定

し積極的に活動してきました。県民の役に立つ図

書館を目指し、関係機関・団体との協働によりビ

ジネス支援サービスを

はじめ様々なサービス

を展開しています。ま

た市町村図書館および

学校図書館との連携に

よる県全体の図書館

サービスの活性化にも

取り組んでいます」と

話します。

2012年度に改訂し

た図書館像では、ミッ

鳥取県立図書館副館長河本 直正 氏

鳥取県立図書館支援協力課 課長小林 隆志 氏

鳥取県立図書館 様

県民の暮らしやビジネスの課題解決を支援する図書館の活動をICTでサポート

導入事例カタログ 鳥取県立図書館様 FUJITSU 文教ソリューション 公共図書館

http://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/education/social/library/

Page 2: 図書館の活動をICTでサポート - Fujitsu...ICTの面では電子書 籍や電子図書館も視野にデジタル化の検討を始め ています。富士通さんにはシステムの安定稼働は

Copyright 2016 FUJITSU LIMITED http://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/education/social/library/

富士通株式会社 〒105-7123 東京都港区東新橋 1-5-2 汐留シティセンター

富士通コンタクトライン(総合窓口) 0120-933-200受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)

お問い合わせ先

●本カタログ記載の会社名、製品名等は、各社の商標または登録商標です。●記載されている内容については、改善などのため予告なしに変更する場合がありますのでご了承ください。 FN0122 2016年 10月 AP

導入事例カタログ 鳥取県立図書館様 FUJITSU 文教ソリューション 公共図書館

検索が行え、市町村

図書館や学校図書館、

病院の図書室などを

通じて当館に貸出の

申し込みができ、2日

以内に各図書館へ届

けられます。図書館

システムと物流ネッ

トワークが連携した

鳥取県立図書館ネッ

トワークがあればこ

そ実現可能です」と話します。

市町村図書館との連携では、複数図書館におけ

る蔵書データの一括検索が行える横断検索や、書

籍・資料の相互貸借と関連業務を管理する相互貸

借といった機能が不可欠です。富士通の公共図書

館ソリューションがパッケージ製品として基本的

な要件を満たしていることに加え、同館ならでは

のニーズに応える富士通の技術力を、同館は高く

評価しています。野沢氏は「当館ではすべての図

書を地元の書店から購入することを基本としてい

ます。地域の活性化とともに、専門的な資料に対

する知見を高めることで書店の付加価値向上に貢

献することも狙いです。富士通さんには地元の書

店から購入するのに必要な仕組みを構築していた

だきました(オンライン選書・選定会システム)」

と話します。

2015年、同館は既存図書館システムをFUJITSU

文教ソリューション iLisfiera V3に更新。これま

での運用を変えることなく、利用者自身の好み

に合わせたMyライブラリ(仮想本棚)の登録や、

検索における出版社やNDC(日本十進分類法)、

一般件名など絞り込みキーの充実など利用者サー

ビスの向上を図っています。またFUJITSU 文教ソ

リューション Ufinity for Publicを合わせて採用

し、横断検索サービスを提供しています。

活動の成果と今後の展望資料相談件数13,000件、成功事例がさらなる促進のポイント

2015年11月に開催された第17回図書館総合展

において、同館を利用した鳥取市中心市街地活性

化協議会の事例が「地方創生レファレンス大賞

文部科学大臣賞」を受賞しました。同館のレファ

レンス(資料相談)を利用されたもので、地域活

性化の取り組みに図書館を有効に活用されたこと

が評価されたものです。2015年度の資料相談件

数は13,000件に及んでおり、小林氏はサービス

利用の促進を図っていくうえでこの成功事例は重

要なポイントになると話し、こう続けます。

「当館では『図書館で夢を実現しました大賞』

を創設し、図書館を利用した成功事例を募集し成

果物として漫画を使ったチラシを作成していま

す。2015年度の大賞は家庭用生ごみ処理機を開

発した地元の企業でした。ごみ減量に取り組む自

治体の情報提供や広告の専門家のご紹介などレ

ファレンスを行っている様子はメディアでも紹介

されました」(小林氏)。

河本氏は今後の展望について「ビジネス支援

サービスをはじめ各種サービスに終わりはありま

せん。相談者の質問も高度になっており職員の対

応力の向上は重要なテーマです。また困り事のあ

る人と図書館の間の仲介者となる専門家とのネッ

トワークづくりも大切です。ICTの面では電子書

籍や電子図書館も視野にデジタル化の検討を始め

ています。富士通さんにはシステムの安定稼働は

もとより、利用者の声を大切に利用者の満足度向

上を図っていくための提案やサポートをお願いい

たします」と富士通への期待を話します。

県民に寄り添ったサービスを展開する鳥取県立

図書館様。情報提供を通じて県民や地域の課題を

解決する新時代の公共図書館の活動を、これから

も富士通は先進技術と総合力を駆使し支援してい

きます。

鳥取県立図書館所 在 地

代 表 者蔵 書 数資料相談件数

ホームページ

〒680-0017鳥取県鳥取市尚徳町101番地鳥取県立図書館長 福本 慎一1,095,432冊(2016年3月31日現在)12,765件(2015年度)http://www.library.pref.tottori.jp/

概要

【鳥取県立図書館ネットワーク図】

鳥取県立図書館

検索

貸出

申込

搬送

インターネットからの個人予約も可能です。

申込

利用者

高等学校図書館

市町村立図書館

大学・短大など

申込から     に最寄りの市町村図書館に届けます。

2日以内

鳥取県立図書館情報相談課長野沢 敦 氏