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Monthly Topic - 2次電池市場、韓国企業が追い上げを図る IT産業の心臓とも呼ばれる2次電池の関連市場が急速な拡大局面にあり、韓国では古株のサムスン SDI、LG化学以外の大手企業はもちろん中小企業の市場進出が続出している。 新株の大手企業では、去る2004年ハイブリッド自動車向けバッテリー開発に着手したSK㈱が最近、 独自に開発したハイブリッド自動車向けバッテリーのアメリカにおける実車搭載試験を通過し、2次 電池市場のダークホース企業に浮上した。半導体・TFT-LCD向け化学物質メーカーであるTechno Semichem社は、2次電池向け電解質物質を生産、昨年SKCに供給したのに続き、今年はサムスン SDIを新規顧客として迎えた。電解質の売上規模は昨年15億ウォン、今年35億ウオンで、いまだ全体 売上(今年目標1,350億ウォン)に比べ微々たる水準であるが、今後主力部門として育成を図る計画 である。中小企業では、L&F社が、昨年8月設立した子会社L&F新素材㈱を通じて陽極活物質の開発を 進めている。Sodiff新素材社とDuksan Hi-Metal社は陰極活物質を開発中であり、またDecktron社は 米アルゴン国立研究所が開発、保有している最先端ナノ電池技術を活用し次世代2次リチウムイオン 電池の商用化に踏み出し、年末までに生産施設を整え、来年から製品を生産する予定である。ソニー のノートパソコンバッテリーのリコールにより、バッテリー爆発防止技術が注目を集めているなか、 バッテリー保護回路を生産するNexcon Tech、Power Logicsなども技術開発に拍車が掛かっている。 Nexcon Tech社はバッテリー加熱防止技術の特許を確保している。特に韓国電子通信研究院(ETRI) が最近バッテリー爆発を防ぐ温度センサーを世界初開発しており、当該技術の技術移転・実用化のた めの選定企業が事実上Nexcon Tech、Power Logicsのみであることから、これらの企業の売上拡大が 期待されている。 日・韓構図へと市場再編 日本が主導している世界の2次電池市場で、韓国の2次電池市場の2大企業であるサムスンSDI、LG化 学が躍進を遂げつつあり、市場は日韓戦構図へと急速に再編が進んでいるものと見える。韓国内で は、サムスンSDI が近いうちにもソニーを抜き世界2位に上昇、LG化学も日本のMBIを抑えて4強への 仲間入りが可能であるものと予測する声もある。 昨年上半期までも、世界2次電池市場は、日本のソニー、三洋、MBIがビッグ3としての地位を確固 にしていた。サムスンSDIは1位の三洋の半分にも満たない販売量で世界4位、LG化学は中国のBYDに も劣る世界6位に過ぎなかった。しかし、1年が過ぎた現在の状況は 一転した。サムスンSDIは昨年 7月日本のMBIをしのぎ世界3位入りし、去る第1四半期には月平均2,000万セルの2次電池を販売、第 2四半期には2,600万セルを記録し、現在ソニーを追い上げ2位の壁を目前にしている。 日本の市場調査機関であるIITの資料によれば、ソニーは第1四半期2,600万セルを販売、サムスン SDIを上回ったが、第2四半期の予想販売量は2,700万セルとしていた。この予測どおりとすれば、第 2四半期もソニーが若干サムスンSDIを上回るが、最近ソニーがデルコンピュータに納品したノート Monthly Topic 2次電池市場、韓国企業が追い上げ を図る Focus on Industry 韓国のバイオチップ市場 JapanDesk Spotlight Company 韓国のバイオチップ企業 癌(がん)など難治疾患の早期診断チップ開発企業 - GOODGEN Co., Ltd. PNAチップの量産技術を世界で初めて開発、2010年まで世界マーケ ットを独占 - Panagene Inc. 健康管理機能付き携帯電話の開発でモバイルヘルスケア市場をリード - Health Pia Co., Ltd. 医療/環境/産業用バイオセンサー開発企業 ‒ アイセンス - I-SENS Co., Ltd. ジャパンデスクは、日本企業の対韓投資支援 を目的に設立された組織で、韓国政府のバッ クアップを受けて韓国部品・素材投資機関協 議会および野村総合研究所が共同で運営して います。 2004年発足以来、15社 の日本企業の対韓投 資(総投資額:1.35億ドル)を無償で支援を行 いました。さらに2006年より日韓企業の資本 投資、ジョイントベンチャー、技術提携など を支援するマッチングサービスを実施してい ます。 マッチングサービスを通じて投資案件の発掘 のためのマーケット動向や企業情報の提供な ど様々なサポートを無償で行っております。 お気軽にご連絡下さい。 Tel : +82-2-6000-7950 ホームページ : www.japandesk.or.kr 10 October 2006

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Monthly Topic -2次電池市場、韓国企業が追い上げを図るIT産業の心臓とも呼ばれる2次電池の関連市場が急速な拡大局面にあり、韓国では古株のサムスンSDI、LG化学以外の大手企業はもちろん中小企業の市場進出が続出している。新株の大手企業では、去る2004年ハイブリッド自動車向けバッテリー開発に着手したSK㈱が最近、独自に開発したハイブリッド自動車向けバッテリーのアメリカにおける実車搭載試験を通過し、2次電池市場のダークホース企業に浮上した。半導体・TFT-LCD向け化学物質メーカーであるTechno Semichem社は、2次電池向け電解質物質を生産、昨年SKCに供給したのに続き、今年はサムスンSDIを新規顧客として迎えた。電解質の売上規模は昨年15億ウォン、今年35億ウオンで、いまだ全体売上(今年目標1,350億ウォン)に比べ微々たる水準であるが、今後主力部門として育成を図る計画である。中小企業では、L&F社が、昨年8月設立した子会社L&F新素材㈱を通じて陽極活物質の開発を進めている。Sodiff新素材社とDuksan Hi-Metal社は陰極活物質を開発中であり、またDecktron社は米アルゴン国立研究所が開発、保有している最先端ナノ電池技術を活用し次世代2次リチウムイオン電池の商用化に踏み出し、年末までに生産施設を整え、来年から製品を生産する予定である。ソニーのノートパソコンバッテリーのリコールにより、バッテリー爆発防止技術が注目を集めているなか、バッテリー保護回路を生産するNexcon Tech、Power Logicsなども技術開発に拍車が掛かっている。Nexcon Tech社はバッテリー加熱防止技術の特許を確保している。特に韓国電子通信研究院(ETRI)が最近バッテリー爆発を防ぐ温度センサーを世界初開発しており、当該技術の技術移転・実用化のための選定企業が事実上Nexcon Tech、Power Logicsのみであることから、これらの企業の売上拡大が期待されている。

日・韓構図へと市場再編 日本が主導している世界の2次電池市場で、韓国の2次電池市場の2大企業であるサムスンSDI、LG化学が躍進を遂げつつあり、市場は日韓戦構図へと急速に再編が進んでいるものと見える。韓国内では、サムスンSDI が近いうちにもソニーを抜き世界2位に上昇、LG化学も日本のMBIを抑えて4強への仲間入りが可能であるものと予測する声もある。昨年上半期までも、世界2次電池市場は、日本のソニー、三洋、MBIがビッグ3としての地位を確固にしていた。サムスンSDIは1位の三洋の半分にも満たない販売量で世界4位、LG化学は中国のBYDにも劣る世界6位に過ぎなかった。しかし、1年が過ぎた現在の状況は 一転した。サムスンSDIは昨年7月日本のMBIをしのぎ世界3位入りし、去る第1四半期には月平均2,000万セルの2次電池を販売、第2四半期には2,600万セルを記録し、現在ソニーを追い上げ2位の壁を目前にしている。日本の市場調査機関であるIITの資料によれば、ソニーは第1四半期2,600万セルを販売、サムスンSDIを上回ったが、第2四半期の予想販売量は2,700万セルとしていた。この予測どおりとすれば、第2四半期もソニーが若干サムスンSDIを上回るが、最近ソニーがデルコンピュータに納品したノート

Monthly Topic 2次電池市場、韓国企業が追い上げを図る 

Focus on Industry 韓国のバイオチップ市場

JapanDesk Spotlight Company 韓国のバイオチップ企業 癌(がん)など難治疾患の早期診断チップ開発企業 - GOODGEN Co., Ltd.

PNAチップの量産技術を世界で初めて開発、2010年まで世界マーケットを独占 - Panagene Inc. 健康管理機能付き携帯電話の開発でモバイルヘルスケア市場をリード - Health Pia Co., Ltd. 医療/環境/産業用バイオセンサー開発企業 ‒ アイセンス- I-SENS Co., Ltd.

ジャパンデスクは、日本企業の対韓投資支援を目的に設立された組織で、韓国政府のバックアップを受けて韓国部品・素材投資機関協議会および野村総合研究所が共同で運営しています。

2004年発足以来、15社 の日本企業の対韓投資(総投資額:1.35億ドル)を無償で支援を行いました。さらに2006年より日韓企業の資本投資、ジョイントベンチャー、技術提携などを支援するマッチングサービスを実施しています。

マッチングサービスを通じて投資案件の発掘のためのマーケット動向や企業情報の提供など様々なサポートを無償で行っております。お気軽にご連絡下さい。 Tel : +82-2-6000-7950 ホームページ : www.japandesk.or.kr

10October2006

加速がかかっている。価格競争が熾烈なリチウムイオンバッテリーではなく、相対的に価格の高いリチウムポリマーバッテリーという点でも収益面での効果が期待されている。

素材の自立度は依然問題2次電池素材は大きく4つに分けられる。陽極活物質、陰極活物質、隔離膜、電解液である。 2次電池素材の国産化は未だに足踏み段階にある。電子部品研究院が調査した資料では、国産化水準を初期、部分完了、輸入代替、完全な国産化と4段階に区分する場合、原価比率が最も高い 陽極活物質は1段階である初期にとどまっている。陰極活物質と隔離膜は2段階である部分完了である。が、電解液は3段階の輸入代替まで技術向上が進んだとの評価がなされている。L&F新素材㈱は、全量輸入に依存してきた陽極活物質を自社開発し、慶尚北道に月120トン規模の量産ラインを立てた。当該製品は、酸化リチウムコバルトを材料に2400mA容量までの2次電池を作ることができる。同社はさらに2600mAh以上の大容量・高電圧向け陽極活物質も開発、量産を進めており、マンガン・ニッケルなどを使用した次世代3元系 陽極活物質と電動工具向け・ハイブリッド自動車向け物質も開発している。韓国電機研究院も従来の3成分系の陽極活物質にジルコニウム(Zr)を微量混ぜ4成分系リチウム2次電池向け陽極活物質を開発した。これは、従来の酸化コバルトを用いた 陽極活物質に比べ電池性能や熱的な安全性に優れており材料コストが少ないとの評価を得ている。陰極活物質はSodiff新素材社が国産化に成功し、サムスンSDIより承認を受け供給中である。既にサンプル段階を済ませ納品を始めており、今年 陰極活物質の売上が20億ウォンと予想している。電解液は第一毛織が世界水準の製品を作り既に国内市場で日本製品の80%以上を代替している。隔離膜は昨年SKが世界で2番目に実用化製品を開発しており、これら企業の活躍が期待されている。

Monthly Topic -2次電池市場、韓国企業が追い上げを図る

パソコン向けバッテリーの大量リコールにより状況は急変が予測されている。LG化学も1年以上続いた不振から抜け出し、4強入りに手が届く段階にきている。LG化学の月平均販売量は第4四半期1,200万セル、第1四半期は1,400万セルであった。さらに第2四半期1,600万セル、第3四半期1,800万セルと引き続き販売が伸びるものと見込んでいる。この勢いであれば、LG化学は今年末ごろには日本のMBIとの熾烈な戦いに突入すると見られる。LG化学は特に、ほかの2次電池企業に比べ設備稼働の余裕があり、最近のソニーのバッテリーリコールの反動による利益増加が期待されている。

高品質と輸出で勝負LG化学は昨年5月に忠清北道の五槍に2次電池生産ラインを完成させた。アップルコンピューターから提起された2次電池のリコールの原因を探し出し、品質を改善させるための処置であった。LG化学は収益性の悪化により苦戦しながらも、2次電池へは惜しみなく投資した。LG化学は2005年度の全体投資計画のうち、実際に投資した金額は全体の半分以下であったが、2次電池が属する情報電子素材部門の投資は計画通り行われた。サムスンSDIもまた2次電池部門に惜しみない投資を注いでいる。サムスンSDIの天安工場の生産量は今年初め月2,200万セル台であったのに対し、最近3,400万セルまで引き上げた。わずか9ヶ月にして生産量を55%も高めたことになる。これは単一工場では世界最大である。現在2次電池市場で最も付加価値が高いとされる製品が2600mAh容量の製品である。当該製品は日本企業が掌握していたが、最近サムスンSDIと LG化学が本格的に量産に入った。特にサムスンSDIの2005年度 第4四半期10%台であった2600mAh容量の製品比率は、2006年度 第1四半期30%まで増加した。LG化学もまた第1四半期2600mAh容量製品の生産比率が10%を突破、現在3倍以上の増加となっている。サムスンSDIは世界最大の携帯メーカーであるノキアの物量が大幅に拡大するに従い、2次電池の売上が伸長しており、LG化学はソニー・エリクソンに製品供給を始め2次電池事業が軌道に乗り始めている。サムスンSDIは海外顧客のうちノキアに大きな期待をかけている。携帯電話向け 2次電池市場の最大顧客であるノキアは三洋が総需要の50%以上を占めるなど日本企業の独占であった。サムスンSDIはノキアの物量は今年に入り引き続き増加傾向を見せており、下半期以降にはノキアの需要の30%ほどを占めるものとしている。LG化学は売上の約60%がLG電子との取引によるものだが、最近ソニー・エリクソン、シーメンス、モトローラなど海外携帯電話企業に供給する2次電池販売量が大きく増加、LG電子への供給量を超えるものと見ている。LG化学は特に昨年3億ドルに匹敵する大規模な輸出契約を結んだソニー・エリクソンにリチウムポリマー電池の供給を開始しており、海外売上の増加に

韓国のバイオチップ市場Focus on Industry

Map)が、国内のバイオチップ市場は2001年の400万ド

ルから2008年には2億8000万ドルへと年平均90%の成長

を遂げると予測していたが、現時点では成長速度はこの

予測よりもやや遅くなっている。一方2005年の韓国電子

通信研究所の発表によると、モバイルヘルスケア関連の

市場規模は2010年までに利用者数約700万人、売上約1兆

ウォンをそれぞれ上回る見通しだ。

<バイオチップの分野別特徴、韓国の技術動向および主要企業>● DNAチップDNAチップとは、数百~数十万個の遺伝子を非常に小

さい基質の表面上に高密度に集積させるよう考案された

もので、ごく短時間で遺伝子を検索する機能を持ち、遺

伝子を分析するための既存の方法を効果的に代替するこ

とができる。

韓国では2000年に胃がん診断用のDNAチップが国立保

健院によって初めて開発された。2004年にはBiomed-

lab社とMygene社のHPV(ヒトパピローマウイルス)診

断用DNAチップが食品医薬品安全庁から世界で初めて

研究用ではなく医薬品として品目許可を取得。以降、数

多くのバイオ企業が各種のDNAチップ製作に力を注いで

いる。技術発展が急速に進んでいるだけに、数年内には

DNAチップ市場が本格的に形成されると見込まれてい

る。政策的には科学技術部の微生物誘電体活用技術開発

事業団がB型大腸菌と敗血症ビブリオ菌の誘電体DNAチ

ップを製作。それぞれ1000枚ずつを研究者たちに無料

で配布し、遺伝子発現情報をデータベース化して研究者

が相互間で共有する計画を立てている。これによりバイ

オ素材の探索や信号伝達および調節ネットワークの究明

などポストゲノムレベルの研究開発と有用物質の発掘が

促進されるものと期待されている。また、韓国海洋研究

院はサケ科の魚類およびエイ類の魚種を迅速、かつ正確

様々な新融合技術(FT、Fusion Technology)の中で、

商用化されれば数兆ウォン以上の経済効果をもたらすも

のと注目されているのがIT(情報技術)とBT(バイオテ

クノロジー)が融合したバイオチップ産業だ。2010年

までに世界で上位7位圏に入るバイオ産業強国へ跳躍す

るとの計画を発表した韓国政府は、バイオチップをバイ

オ産業育成の中核に定め、産業資源部の次世代技術開

発事業である「遺伝子チップ・たんぱく質チップ開発

事業」と科学技術部の21世紀フロンティア事業である

「誘電体研究事業」の国家レベルでの技術開発・商用

化のための活発な支援を推進している。また、1990年

代後半から韓国科学技術研究院(KIST)など国の研究

所、LG電子研究院、サムスン総合技術院などの大企

業、中小ベンチャー企業などが中心となって韓国のバ

イオチップ産業に投資を開始。最近のバイオチップ研究

開発の活気を追い風に、専用バイオファンドリー(Bio-

foundry)が続々と構築されるなど研究レベルにとどま

っていた韓国のバイオチップ産業は急成長している。

<バイオチップの概要と分類>バイオチップとは、DNAやProteinのような生体物質を

ガラスやシリコンなどの高分子材料からなる固体基質上

に高密度に集積化させたもので、遺伝子の発現様相や遺

伝子の欠陥、たんぱく質分布などの生物学的情報を得た

り、生化学的プロセスおよび反応速度、情報処理速度な

どを高める道具や装置を指す。

バイオチップは大きくMicroarray ChipとMicrofuidics

Chipに分けられる。これらはさらに、固体基質上に集積

させるバイオ物質の種類や生体物質の用途、システム化

の程度などによりバイオセンサー、DNA Chip、Protein

Chip、Cell Chip、Neuron Chip、生体産業向けChip、

Lab-on-a-Chipなどに分類される。

<市場規模および展望>市場調査専門機関であるGlobal Industry Analysis Incの

2004年度の集計によると、世界のバイオチップ市場は

2003年に10億ドルに達したと推算されており、2007年

までに約33%の成長率を記録すると見込まれている。韓

国の場合は、2002年の次世代情報ディスプレー開発事業

団・国家科学技術地図(NTRM:National Technology Road

に判別できるDNAチップを世界で初めて開発した。

主要企業にはDNAチップ、白血病診断チップを開発し

たDigitalGenomics社、がん診断用合成遺伝子(Oligo)

DNAチップを開発したGoodgene社、HPV(ヒトパピロ

ーマウイルス)DNAチップ、子宮頚部がん診断DNAチ

ップを開発したMygene社、ダウン症候群、エドワード

症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフ

ェルター症候群などの染色体異常により発生する遺伝

疾患保有の有無を早期に発見することができる世界初

の遺伝病診断用ゲノムチップ(BAC Chip)を開発した

Macrogen社、合成遺伝子(Oligo)の大量生産と遺伝子

分析技術を所有するBioneer社などがある。また最近、

BiometricsTechnology社がこれまでに発生した117種の

豚コレラのウイルス型を正確に予測することができる検

査用の高性能DNAチップを世界で初めて開発し、業界を

驚かせた。Panagene社は米国のコペンハーゲン発明者

グループ(CIG: Copenhagen Inventor Group)から人工

DNAであるPNA(Peptide Nucleic Acid)の世界市場にお

ける生産・販売の独占権を獲得。DNAチップよりも精度

が高く寿命の長いPNAチップの特性を活用し、C型肝炎

などさらに幅を広げたマーケットを狙っている。このほ

か、Biocore社とGenocheck社は共同研究を通じ、HLA(

人体白血球抗原)遺伝子型診断用DNAチップを国内で初

めて開発した。

● たんぱく質チップたんぱく質チップとは、特定のたんぱく質に反応する数

十~数百種以上のそれぞれ違うたんぱく質やリガンドな

どを基質(ガラス、金属、高分子材料)の表面に集積さ

せたチップ及び装置を指す。

韓国でたんぱく質チップの開発が始まった2000年の初

め頃には、バイオベンチャー企業のダイアチップ社、

Proteogen社、ソウル大学応用化学部・コンピューター工

学部の研究チームが成果を上げ、忠北大学にたんぱく質

チップ開発のための研究会を発足するなどし、ダイアチ

ップ社は国内で初めてエイズ診断用たんぱく質チップが

開発・発売した。

2004年にはベンチャー企業の技術により、基板に固定す

る時のたんぱく質の変形を最小限に抑えながら活性を最

大限に維持させることができるようになり、既存のたん

米国 カナダ 日本 欧州 その他 計

[単位:百万ドル、%]

2002年2003年2004年2005年2006年2007年CAGR

421.9548.2712.7904.91130.51138.829.3

42.259.682.9113.1152.3203.336.1

69.695.4126.5163.3207.2260.130.7

188.8274.3390534.3722.9963.339.6

21.33042.559.179.9106.336.7

734.81007.51354.61774.72292.82921.832.9

り合成する程度に過ぎなかったが、今ではがんや糖尿病、

細胞数の測定のような医学を含む生命工学分野の検査技術

としてその領域を広げている。

2003年には浦項工科大学が赤血球と白血球の速度と変形性

を測定して糖尿病を診断するチップを、2004年にはサムス

ンSDIがDNAまたはたんぱく質などのバイオ分子を検出す

るチップを開発し特許を出願した。最近ではSeoulinBioSci-

ence社も自社抗体生産および精製技術に高麗大学・医工学

研究室のMEMS技術を組み合わせ、Bio-MEMS技術として血

液一滴で数百種の疾病を診断、特定細胞の分離、血しょう

から過剰なたんぱく質を取り除くことが出来るマイクロチ

ップを開発、特許を出願した。ラボ・オン・チップをリー

ドする企業のデジタルバイオテクノロジー(DBT)社は、

ラボ・オン・チップのオリジナル技術を応用し、エイズを

血液一滴で診断できる画期的なモニタリング器機を業界で

初めて開発し注目を集めている。

● バイオセンサーバイオセンサーとは、生体感知物質と信号変換機により構

成され、分析しようとする物質を選択的に感知する装置で

ある。オーダーメイド医療や遠隔医療時代の基盤要素技

術となっている。韓国では韓国電子通信研究院(ETRI)が

情報通信部の支援を受けて1998年にバイオセンサー関連

の主要基盤技術の研究を始め、2002年にマイクロアレイ

型のバイオセンサーを開発した。また、韓国科学技術院(

KAIST)は2004年に細胞とその細胞の表面にたんぱく質を

発現させて病原菌を検出したり病気を診断することができ

るナノバイオセンサーオリジナル技術を国内で初めて開発

したのに続き、2005年にはナノグラムレベルのごく微量の

物質も検出することができる高感度ナノバイオセンサーオ

リジナル技術の開発に成功した。

Allmedicus社はナノバイオ工程技術で血液 1μℓから

血液中の診断指標物質5種類以上を数分で測定できる

N-BAS(Nano-scale Blood Analysis System)を国内で初めて

開発・発売し、年100%以上の売上成長を続けている。

HealthPia社はLG電子と共同でバイオセンサーを利用し、

ブドウ糖の生化学反応を感知してこれを電気信号に転換さ

せ外部に送信する「糖尿フォン」を開発した。最近、米国

食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)か

ら承認を受け、米国や日本市場を狙い本格的なマーケティ

ぱく質チップに比べ感度が200倍以上に向上した。また、

韓国生命工学研究院はIT基盤の非標識 超高速たんぱく質

チップの大量分析技術の商用化に成功した。

最近ではたんぱく質チップによる診断システムの開発に

関心が高まり、多くの研究機関で研究・開発が行われて

いる。その大部分が蛍光物質を利用するDNAチップシス

テムを応用し、Immunochipを製作する段階にあり、Pro-

tein Arrayよりもたんぱく質の相互作用分析に集中してい

る。最近関心が高まっているSPR技術を利用したたんぱく

質チップの研究・開発は、江原大学、韓国生命工学研究

院、韓国電子通信研究院などが行っているおり、特に韓

国生命工学研究所は、生体分子結合のマイクロアレイ分

析が可能なSPRイメージシステムを開発し、ベンチャー企

業のK-mac社に技術移転して現在販売を行っている。

現在、たんぱく質チップに関連する主要企業は約20社と

把握されており、バイオチップの中でも最も活発な競争

が行われている。Cotech社はXML(コンピューター言語

の一種)基盤統合管理技術に買収・合併したGenoprot社

のたんぱく質チップを加え、生体情報を利用したソリュ

ーションを開発している。また、血液を介して伝染する

14種のウイルス感染を血液一滴で60分以内に同時に診断

できるたんぱく質チップを、Foodbiotech社は数十種類の

食品アレルギーを一度に診断できる食品アレルギー診断

測定用たんぱく質チップを開発した。

一方、現在国内で進められているたんぱく質チップ分析

技術は主にDNAチップシステムと蛍光物質を応用して開

発されており、たんぱく質チップ用マイクロアレイヤー

(Microarrayer)、リンカー、たんぱく質チップを活用し

た新薬HTSシステム開発に注力してるProteogen社以外に

も、Boditech社、SD社などのベンチャー企業がある。

● ラボ・オン・チップラボ・オン・チップとは、微量の分析対象試料をチップ

の内部で分離、合成、定量分析、反応様相分析などする

チップ。シリコンまたはプラスチックを利用し、数十ミ

クロメートルから数ナノメートルに至る流体のフローチ

ャンネルを形成する技術、ポンプ、バルブ、反応器機、

抽出器機、分離システムなどの機能とセンサー技術によ

り構成される。

初期のラボ・オン・チップは単純に実験材料を分離した

ングを実施している。

今年に入り、産業資源部の窯業技術院とCorebiosystem社

は、直径1ナノメートルの大きさの機能性シリカコーティ

ング磁性ナノ粒子を世界で4番目に開発した。年内のコス

ダック上場を目標にしているInfonia社は現在、少量の血

液から様々ながんを同時に診断することができるがん診

断センサーシステムと糖尿病、心筋梗塞などを対象にした

検査センサーの開発に取り組んでいる。Planet82社は現代

通信と共同でホームバイオネットワーク機器を開発した。

これは血液中の溶存酸素量の測定および皮膚の成分分析

ができ、ホームネットワークのセキュリティーと自動制御

機能も備えている。またKMH社は血液ではなく体液で血

糖値が連続して測れる測定器を開発した。このほかにも、

Isens社やBiofocus社など数社のベンチャー企業が製品を発

売しており、これらの企業もまた急成長している。

現段階ではバイオセンサーのターゲット市場はそのほとん

どが医療用だが、食品分析用や環境用など他の分野を狙っ

た動きも加速化している。DBT社は最近、牛乳中の体細胞

分析技術を開発した。Genoprot社は特別な前処理を行わ

ず直接機器に食べ物を流し入れ、食中毒菌をその場ですぐ

に検出することができるバイオセンサー向け反応モジュー

ルを昨年から窯業技術院と共同開発を行っている。

韓国のバイオチップ市場Focus on Industry

製品

感染チップ

製品内容

• GG HPV Genotyping Chip: 既存の細胞診検査、膣拡大鏡検査、組織検査などと比べ 感染HPVタイプまで判別可能。• STD Chip : 既存の培養検査法が偽陰性率が高いのに比べ高い特異度(specificity)と 感度を持つ。HPV遺伝子型の判読と性病関連の有無、および原因菌の診断が可能 。• SHC Chip : HPV遺伝子型の判読と性病関連の有無、および原因菌の診断が可能。

Spotlight Company-“韓国のバイオチップ企業” 癌(がん)など難治疾患の早期診断チップ開発企業

GOODGEN Co., Ltd. Researcher : Woncheol Han([email protected])

設立/所在地(本社)

代表者(持分率)/従業員数

資本金/売上(04’)

海外拠点

2000年/ソウル・城東区

MoonWoo-Cheol(16.34%)/28名

18億ウォン/12億ウォン

日本、中国

Company Introduction2004年4月に中央大学医学部MoonWoo-Cheol教授が設立したGOODGEN社は、優秀な遺伝子技術と製品、サービスを提供するバイオテックグループとして韓国政府 保健福祉部から遺伝子検査機関および遺伝子研究機関として認められている。特に主力製品であるDNAチップはガラス スライドの上に多数の疾病関連遺伝子プローブ(probe)を植え付け、これらの遺伝子を一度に検出することで既存の方法では診断が難しい癌(がん)や複雑な遺伝病、ウイルス感染などの診断を可能にしている。子宮頚癌診断用DNAチップと全身の癌や肺癌、消化器系癌の診断用チップを商用化している。DNAチップを分析して癌を診断する蛍光スキャナー、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)キットとこれを分析するPCR装置もSAMSUNG TECHWIN社などと共同により国内で製作・開発し輸出している。4色分析が可能なスキャナーとMicro-PCRは世界唯一の装置として個人病院でも素早く患者の状態を診断することを可能にし、デパートや食品流通現場で簡単に食品汚染検査もできる。同社はまた、胃炎の治療と肥満を抑えるための機能性飲料を開発。このほかにも皮膚の再生や老化防止効果のある化粧品、発毛促進剤、勃起不全治療薬などを開発し臨床試験を実施している。最近、皮膚の状態に関係する多数の遺伝子をDNAチップとPCRで精密に診断できる皮膚遺伝子検査システムを世界で初めて開発。オーダーメード化粧品とWell Being(健康志向の生活を指す造語)サービスの開発にも取り組んでいる。香港と中国に GeneGlobal、日本にGoodgene Japanという名のジョイントベンチャー(共同企業体)を設立し、これを通じてDNAチップと遺伝子診断装置を輸出している。香港の5大グループの1つである恒隆グループのモーニングサイドキャピタルから1000万ドルの投資、国内では医薬・医療系IT企業として有名なBITComputer社から15億ウォンの投資を受けている。

Business Information

History年月 主な沿革

会社設立癌診断キット開発HPV DNA Chip研究用開発完了前立腺炎および性感染症診断事業開始PMC Japanと癌遺伝子検査、前立腺炎、性感染症技術提携  ISO 9001:2000 認証保健福祉部の遺伝子検査機関に登録GOODGEN日本支社設立GOODGENクリニック開院

2000.042000.082002.032003.032004.082004.102005.022005.102006.03

項目 2003年

1,140-658-717

2004年

1,212-824-865

2002年

392-1,073-1,098

2005年

非公開売上高 営業利益 当期純利益

(百万ウォン) Income Statement

2005年7月、韓国1位の医療情報専門企業BITComputer社から持分投資(9.7%) を受け、国内営業権の独占に関する提携を結んだ。BITComputer社は同社のマーケティングと販売を代行している。2006年1月、細胞治療専門バイオ企業のInnocell社と癌診断事業と細胞治療および免疫細胞保管サービスを組み合わせた共同プロジェクトを推進していくことで合意した。

主要製品

癌遺伝子チップ

• 既存の製品は多数の遺伝子異常とクローンの多様性が特徴の癌に対する診断の 正確さに限界があり、特定の癌の診断だけが可能であったが、同社のチップは癌の 発生と進行、生存に重要な数十種の遺伝子を同時に分析するため癌診断の感度と 特異度を90%以上に引き上げ、大半の人体の癌(10大癌)の診断を可能にした。• GG CA Mini Chip :一度の反応で多数の遺伝子の突然変異およびMethylationを 同時に検索することができる。 • GG CA Methylation Chip :一度の反応で多数の遺伝子のMethylationの程度を 検索することができる。• GG CA Mutation Chip :一度の反応で多数の遺伝子の突然変異の程度を検索する ことができる。

PCRキット • HIV RNA ウイルスを検出するのに有用。本キットは一つのチューブでcDNAを合成して PCR反応を行うのに必要なすべてのコンポーネントを含む。

DNA Card• 遺伝子を室温で半永久的に保管することができる特殊保存システム。 • DNA保護特殊物質は紙や実験用チューブ、プラスチックカード、ガラスなどでコーティ ングし、一般生活用品に多様に活用できるという長所を持つ。

検査サービス • 癌遺伝子検査、白血病関連遺伝子検査、性感染疾患遺伝子検査、肝炎遺伝子検査、 遺伝病遺伝子検査、成人病遺伝子検査、親子関係確認検査

PNAチップの量産技術を世界で初めて開発、2010年まで世界マーケットを独占

Panagene IncResearcher : Soda Yuki([email protected])

Spotlight Company-“韓国のバイオチップ企業”

設立/所在地(本社)

代表者(持分率)/従業員数

資本金/売上(04’)

2004年/大田広域市

Kim Song-gi (KORAMSTEEL 99.85%)/名

4億ウォン/153百万ウォン

History

Business InformationCompany Introduction同社は、Kim Song-gi代表理事がソウル大学科学科を経て韓国科学技術院(

KAIST)で博士号を取得した後、LG化学技術院で研究員として働く傍らPNA(人

工DNA/Peptide Nucleic Acid)の将来性に着目し、2001年に創業したPNA専門バ

イオベンチャー企業である。2005年10月にコスダック(KOSDAQ)上場企業「

KORAMSTEEL」に買収され、系列会社となった。

PNAとは既存DNAの短所を補うため人工的に作られた人工DNAで、疾病遺伝子の認

識精度はほぼ100%に達し、分解酵素に分解されにくい構造を持っている。特に、

疾病を誘発するたんぱく質が生成される際にRNA(リボ核酸)の分泌量が増加す

ることを認識し、RNAと強く結びついて不必要なたんぱく質の生成を抑制する。

PNAは癌(がん)、白血病、リューマチ、糖尿病、アルツハイマー、肝炎などの遺

伝子治療や、バクテリアなどの細菌性疾患治療に画期的な新代替物質として注目さ

れており、世界的にも活発な研究が進められている。

PNAは1991年に米国のデンマーク・コペンハーゲン発明者グループ(CIG:Copen-

hagen Investor Group)が有機合成方法を通じて初めて開発。以降、15年間にわ

たり米国のABI(Applied Bio-systems Inc.)がこの技術を引き継いでPNAを生成、

販売してきたが、合成が難しく大量生産は困難だった。同社は2004年7月にこの

ABIに次いで世界で2番目にPNAの開発に成功し、さらに世界で初めて大量生産を実

現させた。同社の技術を利用すれば、現在生産量の限界とされている100グラムを

はるかに超える1000キログラム規模の生産が可能で、価格は100分の1に抑えられ

る。また、生産にかかる期間もこれまでの2~6カ月間から20日前後に短縮され、

純度も20%以上向上した99.9%にまで高めることができる。

同社は2005年1月に米国特許庁からPNAの大量生産に関わる技術特許を獲得。また

最近、発明者として全世界でPNAの関連実権を握っているCIG(コペンハーゲン発

明者グループ)から技術力を認められ、今年9月から2010年末までPNAの世界市場

における独占権を獲得した。これに先立ち、米国国立衛星研究所(NIH)、ハーバ

ード大学、東京大学、米国・ Affymetrix社など世界有数の研究機関と大学、企業の

計17機関(社)がすでに新規顧客として登録を行った。また、日本や欧州、中国で

は販売事業者を選定しており、積極的な販売活動に乗り出す計画である。

同社はさらに、2006年6月に業界初のPNAチップ開発の主要基盤技術であるPNAを

基板の上に固定させる技術を完成させた。PNAチップは安全性と感度、精度(ター

ゲットのたんぱく質に敏感に正確に反応)にすぐれ、既存のDNAチップと比べ診断

速度も早い。人体から抽出したDNAチップの場合は微生物やバクテリアなどで汚染

される可能性もあり、また寿命も2週間程度と短いが、PNAチップは合成して作る

ため数カ月経っても安全性が維持でき何度も使用できるという長所がある。このた

めDNAチップ以上の新しいマーケットを創出するとして期待されている。

同社の代表は、全世界のDNA市場は現在約8000億ウォン規模で年間20%程度ずつ

成長、うち2010年約10%がPNAにより代替されると予想している。

年月 主な沿革

注文生産PNA 独占供給権を確保 CP Biochem 社とPNA代理店契約(中国)PNA米国特許登録KORAMSTEEL と合併DAKO社に診断キット用PNAの供給を開始(デンマーク)PPL社とPNA 大量生産契約を締結(米国)PNA chip開発課題に選定(地方科学振興課題)Kernel Pharm. 社とPNA供給契約を締結(イスラエル)ISIS Pharm. 社とPNA供給契約を締結(米国)Innovation Business 企業に選定(中小企業庁)Applied Biosystems 社とPNA技術移転のためのNDA/MITA 締結(米国)Panagene Inc.設立

2006.072006.022005.112005.102005.052005.032004.122004.082004.062003.012002.102001.04

製品

PNA 注文生産

製品内容

• 独自の単量体(米国特許/2023年まで知的財産実施権保有)およびオリゴマー合成工程を 利用し、消費者の希望にあわせた様々な分量(50nmole10gram)のPNAを供給。 ISO9001/2000に従い厳格な品質管理を実施 - Labeled PNA / Unlabeled PNA / PNA-Peptide 接合体 / PNA Array • PNAの特性 相補的なDNAまたはRNAとの強い結合力 Single-base mismatchに対する優れた選択性 温度およびpHによる安定性 核酸およびたんぱく質分解酵素に対する安定性 拡散雑種形成(Hybridization)の際、塩濃度に無関係 Homopurine DNAと三重螺旋(らせん)構造を形成

主要事業

Income Statement項目 2002年

--662-629

2003年

105-506-482

2004年

153-624-526

2005年

非公開 売上高 営業利益 当期純利益

(百万ウォン)

主要顧客

主要研究機関 米国国立衛星研究所(NIH)、米国疾病管理センター(CDC)、フランス・キュリー研究所(Institute Curie)、パスツール研究所(Institute Pasteur)、ドイツ・マックスプランク研究所(Max-Planck Institute)

主要大学 延世大学、ハーバード大学、ジョージア工科大学、ドイツ・フランクフルト大学、東京大学、大阪大学、ニュージーランド・オタゴ大学

主要企業 サムスンSDS、米国・Affymetrix、米国ABI(Applied Biosystems Inc.)、米国・ISIS Pharmaceuticals、デンマーク・DAKO

PNAの世界マーケット独占権が発効された8月31日からわずか15日の間に米国・英国・

ドイツ、日本、スイス、ニュージーランドなど7カ国の7大学、5つの研究機関、5つの

企業が同社に新規顧客として登録した。さらに最近、スイスのチューリッヒ連邦工科

大学(Swiss Federal Institute of Technology)も同社にPNAを注文している。

今年9月、同社はPNAの海外販売および流通事業者としてドイツのThermo electron社、

日本のCBC社、中国のCP Biochem社を選定した。欧州地域を担当するThermo elec-

tron社の年間売上高は約3000億円で、バイオ関連企業とのネットワークが卓越してい

る。また、世界各国に拠点を持つThermo electron社の試薬メーカーFisher社と合併す

れば、PNAの海外販売能力も飛躍的に向上すると同社は期待している。

延世大学生命工学科は最近、PNAが複製酵素に必要な遺伝子を無力化し、C型肝炎ウ

イルスの増殖を抑えるという2年間の研究結果を初めて明かした。今後は同社とともに

PNAを用いた新しいC型肝炎治療薬の研究開発を進め、本格的な新薬開発に着手する計

画である。現在、C型肝炎の予防ワクチンはなく、唯一の治療法とされているインター

フェロンと リバビリンの併用療法も治療効果が低い。

このほか、今年6月には米国のバイオチップ開発会社・SiriGen社の依頼によりバクテリ

アの診断のための注文製造型PNAチップを供給し、8月には試作品を販売している。

携帯電話を利用したライフ・ヘルスケアデータ測定

ユーザーニーズに基く特化サービス

資料伝送のための相談資料のDB化

www.healthpia.com

ユーザーは個人測定データの検索測定データに基いた個人向けプランの確立・サービス提供

測定データの伝送要請データの確認計量化によるアドバイス提供測定・薬服用アラーム

Company Introduction同社は、携帯電話に内蔵する個人の健康管理が可能な超小型医療機器、および携帯電話とのインターフェースを提供するMedical Device Moduleを開発するベンチャー企業である。同社がオリジナル開発したモジュールと相互作用する有・無線ヘルスケアコンテンツを同時に提供することで、個人の疾病や健康の継続的な管理を可能にするモバイルヘルスケアビジネスを事業モデルとしている。サービス利用者の個人データに基づくパーソナル健康管理プランを立てて専門家による携帯電話相談サービスなどを行うほか、ストレス解消およびダイエットに役立つコンテンツなどもリアルタイムで提供する。韓国科学技術院(KAIST)の材料工学博士であるLee Gyong-Su代表理事は、韓国の電子通信研究院(ETRI)で責任研究員として働いた後、1996年に半導体関連ITベンチャー企業のGenitech社を創業。これを2003年にオランダのASM社に売却した後モバイルヘルスケアに着目し、2004年に同社(Health Pia)を買収してCEOに就任した。同社は2004年、LG電子と共同で世界で初めて血糖値の測定などが出来る「糖尿フォン」を開発した。さらに、一般の携帯電話に差し込んで使用する外付けの血糖測定機器を発売した後、「ストレスフォン」、「ダイエットフォン」を相次いで発表した。同社の本社がある大田広域市では7つの総合病院でテスト事業を実施し、現在は江南聖母病院、三星医療院、ソウル大学病院などで1000人以上の糖尿病患者が同社のサービスを試験的に利用している。2 0 0 5年6月、同社の携帯電話糖尿病管理プログラムが米・Qualcomm社が主催する「Brew 2005 Award」の Best information Application賞を受賞したのに続き、同年7月、米国の遠隔医療学会(American Telemedicine Association、ATA)がカリフォルニア州サンディエゴで開いた「第11回年次学術大会」で同社の「糖尿フォンを利用したモバイル糖尿病管理」が Innovation Award賞を受賞した。今年8月には米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)から承認を受け、現在は下半期中の米国進出を目標に試験サービスと流通網の構築に全力を注いでいる。米国インディアナ州立大学病院で現在「糖尿フォン」の臨床試験を実施中で、これが終わり次第、同国の成人人口の9.3%を占める1930万人の糖尿病患者を対象に本格的な商用サービスを開始する予定。すでに米国、ドイツ、中国に支社を設立しており、オランダなどその他の海外市場への進出も拡大している。韓国でも同社の移動通信端末機を利用したモバイル糖尿病管理サービスが「第1回電子医療産業技術展(WC2006)」(産業資源部主催、韓国電子医療産業財団主管)の優秀研究事例優秀賞を受賞した。同社は今年下半期に心電図フォンを発表し、今後はぜん息、高血圧などにも適用範囲を広げて毎日管理が必要な慢性疾患のための携帯電話サービスを引き続き開発していく計画。4~5年後のナスダック(NASDAQ)上場を目標にしている。

Spotlight Company-“韓国のバイオチップ企業” 健康管理機能付き携帯電話の開発でモバイルヘルスケア市場をリード

Health Pia Co., Ltd. Researcher : Soda Yuki([email protected])

設立/所在地(本社)

代表者(持分率)/従業員数

資本金/売上(04’)

2002年/大田広域市

Lee Gyong-Su (33.77%)/20名

14億ウォン/886百万ウォン

Business Information

ストレスフォン

• センサーに指先を当てると心拍数および心拍数の変化を測定し、精神的・身体的ストレス 指数を0~100までの数値で表示• 自律神経のバランス、脈拍数、運動量などの測定も可能• 測定データを通じ、ストレス分析と健康管理が可能• 音楽治療、運動療法、心理治療の専門家による携帯電話の文字メッセージ相談サービス、 ストレスを和らげるゲーム・動画などのコンテンツも提供

製品内容

糖尿フォン

ダイエットフォン

製品

• 体脂肪測定センサーを内臓。いつでもどこでもセンサーに指先を当てるだけで 運動量と体脂肪を測定し管理することが可能• ダイエット教育、食事療法、運動療法など専門家による相談サービスもリアルタイムで実施• 測定されたデータに基づきダイエット関連コミュニティ、イベント、オンラインショッピン グなどのコンテンツも提供

• 指先から採取した血液をリトマス試験紙に付着させ、携帯電話に内蔵された認識器に読 み込ませると血糖値を測定。測定された血糖値は音声で聞くことが可能• 血糖値などの関連情報は主治医に送信されるため、すぐに主治医の処方や指導、管理 サービスを受けることが可能• 万歩計機能内蔵のため運動量のチェックも可能

主要製品

主要顧客

主要顧客 ソウル大学病院、三星医療院、高麗大学、KTF、LGT、SKT、現代ホームショッピング、LG電子? など

History年月 主な沿革

会社設立特許出願 (国内外での特許出願を開始。2005年9月末現在23件を登録)携帯電話製造メーカーのLG電子と戦略的提携契約を結ぶソウル大学病院で糖尿フォンの臨床実験実施モバイルヘルスケア有・無線連動サイトの構築完了世界初のモバイルヘルスケア製品「糖尿フォン」発売開始三星医療院で糖尿フォンの臨床実験実施日本のメデカジャパン社とジョイントベンチャー(共同企業体)設立江南聖母病院で糖尿フォンの臨床実験実施情報通信部の優秀新技術指定業者に登録外付け血糖測定器Gluco+発売開始高麗大学安岩(アナム)病院で糖尿フォンの臨床実験実施ダイエットフォン、ストレスゼロフォン発売開始大田広域市の最先端医薬モデル都市構築事業を試行

2002.052002.052003.042003.062003.112004.052004.062004.112005.012005.042005.052005.062005.072005.10

Income Statements項目 2002年 2003年

327-216218

2004年

886-582-599

2005年

非公開売上高営業利益当期純利益

(百万ウォン)

設立/所在地(本社)

代表者(持分率)/従業員数

資本金/売上(05’)

機関投資家

2000年/ソウル・蘆原区

Cha Geun-sig (30%)/95人

16.6億ウォン/36億ウォン

韓国バイオ技術投資(15%)、韓国投資パートナーズ(11%)、韓国産業銀行(4%)韓国技術投資(3.5%)、ソルボンベンチャー投資(3.5%)、緑十字(3%)

Company Introduction同社は、20種以上の特許を基盤にバイオセンサーと分析システムを開発し自社生産、技術実施権を提供している企業である。代表理事のCha Geun-sig博士はバイオセンサーの研究だけに20年以上従事してきた科学者で、米国のデュポン社、デイドベーリング社、ハニーウェル社、センシコア社など世界屈指の臨床診断用センサー/機器メーカーで技術コンサルタントを務めた経歴を持つ。同社は2000年に資本金140万米ドルで設立され、これまでの5年間にベンチャー・キャピタル(VC)などの機関投資家から954万米ドル規模の投資を誘致している。初めて売り上げが発生した2003年から約2年で純利益を記録、今年は130億ウォンの売り上げを見込んでいる。事業分野は大きく分けて、各種の疾病管理、周期的な自己検診のための血糖、コレステロール、ラクテイト(Lactate)測定用のバイオセンサーと、疾病の迅速な診断のための電気化学的な酵素免疫センサー、血液電解質測定センサーの2つである。同社が2003年末から進出した血糖測定関連分野の市場規模は韓国内で8000万米ドル、米国で28億米ドル。さらに、2012年まで年平均15%の成長率増加が予想されており、その規模は140億米ドルに達すると見られている。同社が開発した血糖測定センサー「ケアセンス」は5秒以内に検査結果を確認できる性能を売りとしており、現在、血糖センサーのマーケットシェアが最も高い外国メーカーの製品と比べ2分の1から10分の1程度の血液量で測定が可能となっている。また、前腕や太もも、お腹など痛みを感じにくい部位から摂取した血液で測定できることも特長の一つだ。

医療/環境/産業用バイオセンサー開発企業 ‒ アイセンス

I-SENS Co., Ltd. Researcher : Soda Yuki([email protected])

Spotlight Company-“韓国のバイオチップ企業”

Business Information

製品

自己血糖測定器

製品内容

• ごく少量(0.5?)の血液で血糖値の測定が可能• 血液注入後5秒以内に正確な結果が確認できる• 250件の測定結果が保存でき、パソコンでダウンロードもできるため体系的な血糖値の 管理が可能• 一定量の血液だけを吸い取るよう設計されているため血液量による測定値の偏りがなく、 常に正確な測定結果が得られる

デジタル酵素免疫センサー

• 定性測定だけが可能だった既存の診断試薬(妊娠検査薬など)とは異なり、小型化分析器 を通じて電気的に定量的信号を得ることが出来る• 既存の酵素免疫分析法と比べ測定時間が短い• 血液中に存在する診断たんぱく質を前処理過程を踏むこと無しに免疫反応を通じて 測定することができる

血液臨床分析センサー

• 化学センサーおよびバイオセンサーを、プラスチックまたはセラミック基板の上に形成し た素子型センサーで、小型化と大量生産が容易• 試料の採取と測定が同じ場所でリアルタイムに行える携帯型分析装置向けセンサーとし て最適• 既存の在来式分析装備に比べ低価格で、かつ少ない維持費で信頼性の高い正確な 測定値が得られる• 既存の分光分析法とは異なり試料の色や濁度の影響を受けないため試料の前処理 が不必要

History年月 主な沿革

会社設立米国・Du Pont社と機密協定を結ぶ産業資源部・部品素材技術開発事業の支援を受け、医療分析計測器用グルコースセンサー開発自己血糖測定器「CareSens」発売開始ISO 9001 & 13485 (Full Quality System Assurance) 認証 (TUV PS)産業資源部・部品素材技術開発事業の支援を受け、“電気化学的診断キットおよび測定システム開発”保健福祉部・バイオ産業化技術開発事業の支援を受け、“現場検査用血中電解質/ガス自動分析器機開発”

2000.052001.102002.09

2003.092004.042005.06

2006.05

主要製品

Income Statements項目 2003年

163-653-575

2004年

1,780-353-197

2005年

3,607198582

2006年(E)

13,0005,0005,000

売上高営業利益当期純利益

(百万ウォン)

同社は現在、生産設備およびパイロット設備拡充のため資金調達を準備中で、その規模は最大で70億ウォン。2007年の下半期にIPOを計画している。

CompetitorProduct Name CareSens(i-SENS) Accuchek Active(Roche) One Touch Ultra(J&J)

Feature

Method

Time

Sample volume

Range

Test on arm

Memory

Amperometric

5 sec

0.5㎕

20~600㎎/dl

Yes

250

Colorimetric

5 sec

1.5㎕

10~600㎎/dl

Yes

200

Amperometric

5 sec

1㎕

20~600㎎/dl

Yes

150

Product Name FreeStyle(TheraSense) Accuchek Aviva(Roche) Ascensia Contour(Bayer)

Feature

Method

Time

Sample volume

Range

Test on arm

Memory

Coulometry

7 sec

0.3㎕

20~500㎎/dl

Yes

250

Amperometric

5 sec

0.6㎕

10~600㎎/dl

Yes

500

Amperometric

15 sec

0.6㎕

10~600㎎/dl

Yes

240