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ANALYST NET Company Report 株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日 2019 年 7 月 9 日 1/14 本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、FRI)が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。FRI が信頼できると判断した情 報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。FRI は本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接 的・間接的な損害を含むいかなる結果に対しても一切の責任を負いません。有価証券並びにその他の取引に関する責任は投資家自身にあります。本レポートの知的所有権は FRI に帰属し、許 可なく複製、転写、引用等を行うことは法的に禁止されております。 停滞期を脱し、再出航へ 1 年 3 か月ぶりの朗報 2019 年 5 月、メドレックスは、米国で開発中のチザニジン・テープ剤(CPN-101)に ついて、臨床第Ⅰ相反復 PK 試験(Ph1b)の最初の患者への投与(FPI)が開始され たことを発表した。2018 年 2 月のオキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の臨床第Ⅰ 相の完了発表以来、約 1 年 3 か月ぶりの朗報である。また、同 5 月末に資金調達 が完了したことにより、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発再開に青信号が灯 り、同年 7 月 4 日、貼付力評価試験も良好な結果が得られたことが公表された。こ れは、メドレックスにとって、初めての米国上市品となる予定(2020 年申請、2021 年 上市予定)で、安定的に年間 10 億円前後の収入をもたらすものと期待される。 現在のオピオイド危機の核心は密造フェンタニル メドレックスにとって、最大の価値をもたらすパイプラインとみなされているのは、オ キシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)である。しかし、米国では、オキシコドンを含む オピオイド製剤の乱用からオピオイド危機が叫ばれるなか、近年、オピオイド剤の 処方箋枚数は急速に減少してきている。しかし、これは、規制強化の下、より安価 な非合法ヘロインや密造フェンタニルにシフトした影響とも推察され、必ずしも乱用 防止策を講じたオピオイド系鎮痛剤の必要性が減退したものとは言えない。また、 新規の鎮痛剤開発に対し、当局の検証に時間がかかるケースが多くなっているよ うだが、早期承認のために、当初の適応症を絞ったとしても、適応拡大後の市場も 視野に導出時の契約金額が算出されるものと考えられる。 2019 年後半以降期待されるイベント 1 年 3 か月の停滞を経て、2019 年後半から、再び開発・導出の進展が浮上する時 期に入っていくと期待される。まず、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の試験再 開、そして、チザニジン・テープ剤(CPN-101)の Ph1b の完了と Ph2 の開始、さら に、オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の剤型改良の完了と反復投与試験の開 始も、2019 年後半から 2020 年初頭にかけて期待されるイベントである。年内には、 メマンチン貼付剤(MRX-7MLL)の臨床試験開始も予定されている。また、年後半に は、チザニジン・テープ剤(CPN-101)に関するマイルストーンも入る。そして、オキ シコドン・テープ剤の開発進展に伴って導出が実現されれば、メドレックスに対する 評価に大きなインパクトがもたらされよう。 フォローアップ・レポート フェアリサーチ株式会社 鈴木 壯 香川県 東かがわ市 松村 米浩 2002 年1月 6,200 百万円 2013 年 2 月 U R L www.medrx.co.jp 医薬品 28 人(連結) 主要指標 2019/7/8 現在 592 52 週高値終値 1,071 52 週安値終値 419 発行済株式数 12,714,100 100 株 7,527 百万円 会社予想配当 0円 予想当期利益 ベース EPS -74.18 円 予想 PER na 倍 実績 BPS 182.27 円 実績 PBR 3.25 倍 業績動向 売上高 百万円 前期比 営業利益 百万円 前期比 経常利益 百万円 前期比 当期純利益 百万円 前期比 EPS 年度終値株価 円 高値 安値 14/12 通期実績 26 -61.7 -1,003 na -1,012 na -1,016 na -152.0 2,518 785 15/12 通期実績 37 43.1 -999 na -990 na -878 na -131.2 1,446 500 16/12 通期実績 22 -40.6 -1,342 na -1,301 na -1,259 na -155.5 1,455 341 17/12 通期実績 198 787.2 -983 na -988 na -884 na -103.2 1,345 453 18/12 通期実績 8 -95.8 -1,273 na -1,285 na -1,267 na -126.77 2,060 425 19/12 通期会社予想 1,009 11,922.3 -949 na -955 na -943 na -74.18 自己株式数除く発行済株式数ベース。

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Page 1: 株式会社メドレックスpdf.irpocket.com/C4586/Uxy1/vF48/oiZn.pdf株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日2019 年7月9日 2/14 本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、

ANALYST NET Company Report

株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日 2019年 7月 9日

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本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、FRI)が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。FRIが信頼できると判断した情

報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。FRIは本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接

的・間接的な損害を含むいかなる結果に対しても一切の責任を負いません。有価証券並びにその他の取引に関する責任は投資家自身にあります。本レポートの知的所有権は FRIに帰属し、許

可なく複製、転写、引用等を行うことは法的に禁止されております。

停滞期を脱し、再出航へ 1年 3か月ぶりの朗報

2019 年 5 月、メドレックスは、米国で開発中のチザニジン・テープ剤(CPN-101)に

ついて、臨床第Ⅰ相反復 PK試験(Ph1b)の最初の患者への投与(FPI)が開始され

たことを発表した。2018 年 2 月のオキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の臨床第Ⅰ

相の完了発表以来、約 1 年 3 か月ぶりの朗報である。また、同 5 月末に資金調達

が完了したことにより、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発再開に青信号が灯

り、同年 7 月 4 日、貼付力評価試験も良好な結果が得られたことが公表された。こ

れは、メドレックスにとって、初めての米国上市品となる予定(2020年申請、2021年

上市予定)で、安定的に年間 10 億円前後の収入をもたらすものと期待される。

現在のオピオイド危機の核心は密造フェンタニル

メドレックスにとって、最大の価値をもたらすパイプラインとみなされているのは、オ

キシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)である。しかし、米国では、オキシコドンを含む

オピオイド製剤の乱用からオピオイド危機が叫ばれるなか、近年、オピオイド剤の

処方箋枚数は急速に減少してきている。しかし、これは、規制強化の下、より安価

な非合法ヘロインや密造フェンタニルにシフトした影響とも推察され、必ずしも乱用

防止策を講じたオピオイド系鎮痛剤の必要性が減退したものとは言えない。また、

新規の鎮痛剤開発に対し、当局の検証に時間がかかるケースが多くなっているよ

うだが、早期承認のために、当初の適応症を絞ったとしても、適応拡大後の市場も

視野に導出時の契約金額が算出されるものと考えられる。

2019年後半以降期待されるイベント

1 年 3 か月の停滞を経て、2019 年後半から、再び開発・導出の進展が浮上する時

期に入っていくと期待される。まず、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の試験再

開、そして、チザニジン・テープ剤(CPN-101)の Ph1b の完了と Ph2 の開始、さら

に、オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の剤型改良の完了と反復投与試験の開

始も、2019年後半から 2020年初頭にかけて期待されるイベントである。年内には、

メマンチン貼付剤(MRX-7MLL)の臨床試験開始も予定されている。また、年後半に

は、チザニジン・テープ剤(CPN-101)に関するマイルストーンも入る。そして、オキ

シコドン・テープ剤の開発進展に伴って導出が実現されれば、メドレックスに対する

評価に大きなインパクトがもたらされよう。

フォローアップ・レポート

フェアリサーチ株式会社

鈴木 壯

会 社 概 要

所 在 地 香川県

東かがわ市

代 表 者 松村 米浩

設 立 年 月 2002年1月

資 本 金 6,200百万円

上 場 日 2013年 2月

U R L www.medrx.co.jp

業 種 医薬品

従 業 員 数 28人(連結)

主要指標 2 0 1 9/7/8 現在

株 価 592

52 週高値終値 1,071

52 週安値終値 419

発行済株式数 12,714,100

売 買 単 位 100株

時 価 総 額 7,527百万円

会社予想配当 0円

予想当期利益ベ ー ス E P S

-74.18円

予 想 P E R na倍

実 績 B P S 182.27円

実 績 P B R 3.25倍

業績動向 売上高 百万円

前期比 %

営業利益 百万円

前期比 %

経常利益 百万円

前期比 %

当期純利益 百万円

前期比 %

EPS 円

年度終値株価 円

高値 安値

14/12 通期実績 26 -61.7 -1,003 na -1,012 na -1,016 na -152.0 2,518 785

15/12 通期実績 37 43.1 -999 na -990 na -878 na -131.2 1,446 500

16/12 通期実績 22 -40.6 -1,342 na -1,301 na -1,259 na -155.5 1,455 341

17/12 通期実績 198 787.2 -983 na -988 na -884 na -103.2 1,345 453

18/12 通期実績 8 -95.8 -1,273 na -1,285 na -1,267 na -126.77 2,060 425

19/12 通期会社予想 1,009 11,922.3 -949 na -955 na -943 na -74.18

自己株式数除く発行済株式数ベース。

Page 2: 株式会社メドレックスpdf.irpocket.com/C4586/Uxy1/vF48/oiZn.pdf株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日2019 年7月9日 2/14 本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、

株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日 2019 年 7月 9 日

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本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、FRI)が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。FRIが信頼できると判断した情

報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。FRIは本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接

的・間接的な損害を含むいかなる結果に対しても一切の責任を負いません。有価証券並びにその他の取引に関する責任は投資家自身にあります。本レポートの知的所有権は FRIに帰属し、許

可なく複製、転写、引用等を行うことは法的に禁止されております。

経皮吸収型製剤の開発ベン

チャー企業

独自の技術を保有し、通常

の新薬創薬ビジネスより成

功確率は高い

メドレックス社は、主に、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収型製剤とし

て開発し、製薬会社へ導出、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入等を獲

得するビジネスモデルの会社である。

経皮吸収型製剤の特徴は、以下の点を通じて、薬効の最大化、副作用の低減、患

者の QOL(生活の質)の向上に寄与することであり、中長期的に拡大する製剤分野

の一つである。

① 薬効成分の徐放/持続性:薬物の血中濃度を一定に保ち効果を持続させ

やすい

② ファースト・パスの影響を受けにくい:経口薬が肝臓通過時に効果が1~2

割程度に減退してしまう場合もあるが経皮吸収型はその影響を受けない。

③ 服薬コンプライアンスの向上:嚥下障害などで経口薬投与が困難な患者に

も投与が可能であり、飲み忘れ防止にもなる

④ 注射剤と異なり痛みを伴わずに投与可能

⑤ 多くの疾患領域に適応範囲を拡大できる

また、メドレックスのビジネスモデルの特徴は、次の 2 点である。

(a) 新規有効成分の発見・創出から取り組むわけではないので低リスク

(成功確率が高い)

(b) イオン液体による独自の経皮吸収型製剤技術(ILTS®:Ionic Liquid

Transdermal System)を保有し、他社との差別化を図っている。

(注)イオン液体とは、室温で液体である塩のことで、結晶化しにくいイオンから

構成されている。揮発性はなく、不燃性・耐熱性と導電性があり、近年では、リチ

ウムイオン電池の電解質などにも応用されている。ILTS®は、メドレックス社が

世界に先駆けてイオン液体を経皮吸収技術に応用したものであり、本来皮膚か

ら入りにくい薬物を入り易くする技術である。従来の技術では、経皮吸収させる

ことが困難であった核酸や高分子薬物の経皮吸収性を、この技術により格段に

向上させることができる。

出所)メドレックス会社説明会資料

会社概要・経営理念

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本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、FRI)が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。FRIが信頼できると判断した情

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メドレックス独自の ILTS®技

術を活用した主要なパイプ

ラインは 3 本あり、なかでも

オキシコ ド ン ・ テープ剤

(MRX-1OXT)はブロックバ

スター規模になる可能性が

あり、同社にとって最大の価

値をもたらす

ナ ノ コロイ ド を活用した

NCTS®技術では、メマンチ

ン・テープ剤と第一三共との

共同開発品が前臨床段階

にある

さらに、メドレックス社の ILTS®のユニークな点は、医薬品および添加物として人

体への使用実績のある化合物で構成される数百もの豊富なイオン液体ライブラリー

を保有すること、薬物特性からどのイオン液体を選択すれば良いか選択のノウハウを

保有していること、さらにイオン液体の経皮吸収性向上効果を保持増進させる製剤化

ノウハウを有していることであり、参入障壁は大きい。

なお、同社は、米国の経皮吸収型製剤市場を主なターゲットとしている。テープ剤

にとってのポテンシャル市場の大きさが最大の理由である。

また、弊社では、米国に於いて、既存薬剤をベースとする場合、承認申請に必要

な臨床試験が新薬よりも簡便にできること(すべての場合に当てはまらないが、Ph1

(第Ⅰ相臨床試験)の後、Ph2(第Ⅱ相臨床試験)をスキップして、Ph3(第Ⅲ相臨床

試験)へ移行できる)、貼り薬の薬価も日本と比較して高い傾向があることを指摘し

ておきたい。

主要開発パイプライン

(出所)会社 HP 2019 年 5 月

この ILTS®技術を応用した主要な開発品(臨床段階)は、オキシコドン・テープ剤

(MRX-1OXT)、Cipla 社への導出に成功したチザニジン・テープ剤(CPN-

101,MRX-4TZT)、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の 3 本存在し、このうちオキ

シコドン・テープ剤は、売上がブロックバスター規模となる期待があり、現時点で、同

社にとって最大の価値をもたらすパイプラインとして期待されている。

また、ナノコロイドを活用した経皮吸収型製剤技術(NCTS®: Nano-sized

Colloid Transdermal System)を保有している。前述の ILTS®技術は、核酸やペ

プチドなど高分子の経皮吸収に用いられる技術である。NCTS®技術の方は、比較

的低分子の医薬品有効成分をナノサイズのコロイドにすることで経皮吸収性を高め

ることを狙うものである。既に開示されている開発品では、MRX-7MLL(メマンチン

〔アルツハイマー治療楽〕の経皮吸収剤)があるが、メマンチンの皮膚刺激性を抑制

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報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。FRIは本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接

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「貼るワクチン」としてのマイ

クロニードルも実用化に向

けて開発中であったが、治

験工場計画を含め現在は一

旦中止

できる点もあるとのことである。また、2018 年 2 月末に公表された第一三共との共

同開発品は、薬物名や適応症は非開示であるため詳細は分からないが、NCTS®

技術に適したものであると推察される。

また、2018 年 8 月 27 日、メドレックス社は、武田薬品工業と武田薬品の或る重点

疾患領域におけるパイプラインを対象に、ILTS®技術および NCTS®を適応する技術

ライセンス契約を締結した。メドレックス社は、開発費を負担することなく技術の供与

のみで、開発・商業化の段階に応じたマイルストーン収入と、上市後の販売額に応じ

たマイルストーン収入が得られる契約となっている。

NCTS®: Nano-sized Colloid Transdermal System 技術のイメージ

(出所)会社説明会資料等からフェアリサーチ作成

このほか、貼るワクチンと呼ばれるマイクロニードルアレイの技術を保有してい

る。マイクロニードル技術は、微小な針により、皮膚の表皮の孔をあけることで薬剤

を皮膚内へ伝達する技術である。皮膚は、外界から異物の侵入を阻止する物理的

バリアーの機能のほか、異物の除去を担う免疫学的バリアーの機能がある。角質

層の下の表皮にはランゲルハンス細胞、その下の真皮には真皮樹状細胞という、

抗原提示細胞が存在し、生体防御反応において重要な役割を担っている。これら抗

原提示細胞に、ワクチン抗原を効率よく伝達することで強力な免疫応答を引き出す

ことができる。

ただし、ワクチンを皮膚に塗布しても、角質層が物理的バリアーとなって皮膚内に

浸透しない。マイクロニードルは、微小な針により、皮膚の表皮の孔をあけることで

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薬剤を皮膚内へ伝達させる。マイクロニードルは長さ 1mm 以下の微小な針であるた

め、皮膚に穿刺しても神経まで到達しにくく、痛みを伴わないワクチン接種を可能と

する。換言すると、「貼るワクチン」を可能とする技術である。

この事業の社会的意義は大きい。マイクロニードル技術を応用した「貼るワクチ

ン」では、注射のような痛みがない(低侵襲性)だけでなく、接種に必ずしも医療従事

者を必要としない(自己投与可能)。また、微小針に固体のワクチン抗原を塗布して

いる場合、常温保存の可能性が高く、輸送・保存が簡便で、医療環境の乏しい発展

途上国でのパンデミックに対抗する方法として有望な技術と考えられる。

マイクロニードルアレイ技術のイメージ

(出所)各種資料よりフェアリサーチ作成

2018 年 4 月 10 日、メドレックス社は、15 年前から研究開発を手掛けてきたマイク

ロニードル技術の実用化に向けて、製造設備計画と、そのための資金調達を発表し

たが、資金調達が進展しなかったため、2018 年 9 月計画を一旦中止している。

1年 3か月ぶりに朗報

チザイニジン・テープ剤の

Ph1b入り発表

チザニジン・テープ剤は、肩こ

り緩和等にも用いられる中枢

再び動き出した開発パイプライン

前回のレポート(2019 年 3 月 4 日)では、いくつかの開発候補品で、開発進捗の

遅れが生じてきたことを指摘した。2018 年 2 月のオキシコドン・テープ剤(MRX-1

OXT)の臨床第Ⅰ相の完了以来、約 1 年 3 か月の間、自社のパイプラインについて

大きな進捗がなかったが、ようやく今般(2019 年 5 月)、以下に挙げたように 2 つの

進捗が浮上してきた。

1. チザニジン・テープ剤:MRX-4TZT(CPN-101)

2019 年 5 月 30 日、メドレックスは、米国で開発中のチザニジン・テープ剤(CPN-

101)について、臨床第Ⅰ相反復 PK 試験(Ph1b)の最初の患者への投与(FPI)が開

始されたことを発表した。

チザニジン・テープ剤は、肩こり緩和等にも用いられる中枢性筋弛緩薬であるチザ

ニジンに ILTS®を用いて経皮製剤化したものである。脳/中枢神経に作用するもの

であり、リドカインやエトリートのように局所(末梢神経、筋肉)への作用ではなく、血

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性筋弛緩薬のテープ剤で、貼

付剤としての競合はない

2017年 2月に Ph1aを完了

し、2017年 4月に Cipla社

に導出済み

2017年 9月から反復投与

試験(Ph1a')が始まり、2018

年後半には Ph3入りかと想

定されていたが、2018年秋

に、製造スケールアップの

遅延により開発遅延

2019年 5月 Ph1b開始

Cipla社からのマイルストー

ンは 2019年後半に予定

また、Ph1bの後は、用量増

加の場合に備え Ph2、Ph3

と2段階で試験

申請は 2022年に

中濃度が薬効に結び付きやすい。2017 年 2 月に米国 Ph1a(臨床第Ⅰ相試験の探

索段階)の結果が判明しており、経口薬に対し、同水準の血中濃度の持続性と眠気

などの副作用の低減が確認された。

(出所)メドレックス社会社説明会資料

図は Oral(経口)よりも Transdermal(経皮)の方が安定して有効な濃度を持

続していることと副作用を起こす濃度まで上昇しにくいことを示している。

現在、チザニジンは経口薬のみで貼り薬はなくライバル不在である。米国の市場

規模は 2016 年で 8 億 7 百万ドルと推定されるが、その 3 分の1程度がテープ剤で

置き換わると予想する。2017 年 4 月インドの大手製薬会社 Cipla の米国 100%子会

社 Cipla USA と東アジアを除く Global 市場での開発・販売ライセンス契約を締結し

た。(その後、Cipla グループ内の再編により、契約相手先は、Cipla Technologies,

LLCへ変更となっている。以下 Cipla 社と標記)契約一時金として 2017 年 1.6 億円、

その後も開発・販売の進捗に応じて合計最大 3000万ドルのマイルストーン収入が入

り、上市後は売り上げに応じて段階的にロイヤリティ収入が入る条件で契約が締結

されたようである。2018 年 1 月には、追加の Ph1a’試験開始で想定通りの結果を得

たと発表された。ただし、製造スケールアップに想定以上に時間を要し、2018 年中に

Ph1b を実施できないでいた。

今般(2019年 5月)、メドレックスは、製造スケールアップに成功したことで、Ph1bを

開始するに至った。また、2019 年後半に Cipla 社からのマイルストーンを受領する見

通しが確実になった。今後、Ph1b 試験を 2019 年秋口頃までに終え、その後、少数

の患者を対象に、薬効及び眠気等の副作用を検討しながら最適用量探索をする

Ph2(期間は 6か月程度)を行う予定と推定される。そして、順調に進展すれば、2020

年後半から Ph3(期間 1 年半から 2 年程度)を行い、2022 年に新薬申請、その約 1

年後に承認という見込みであると考えられる。

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株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日 2019 年 7月 9 日

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本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、FRI)が、投資家への情報提供を目的として作成したものであり、証券売買の勧誘を目的としたものではありません。FRIが信頼できると判断した情

報・資料に基づいておりますが、掲載された内容の正確性・信頼性・完全性・適合性・適時性をなんら保証するものではありません。FRIは本レポートを利用したことまたは依拠したことによる直接

的・間接的な損害を含むいかなる結果に対しても一切の責任を負いません。有価証券並びにその他の取引に関する責任は投資家自身にあります。本レポートの知的所有権は FRIに帰属し、許

可なく複製、転写、引用等を行うことは法的に禁止されております。

資金調達完了により、開発

再開へ

リドカイン・テープ剤(MRX-

5LBT)は、帯状疱疹後の神

経疼痛治療薬として開発中。

メドレックス社のなかでは、最

も開発が進捗しているパイプ

ラインであり、同社にとって第

一号の米国上市品となる予

2018年 6月には、

Lidoderm®との生物学的同

等性を示すことに成功した。

2. リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発

2019 年 2 月に発表された資金調達(第三者割当と第 14 回新株予約権行使)が 5

月末で完了した。総額 12.7 億円の調達計画に対し、11.2 億円を調達できたため、米

国で開発中のリドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の FDA から要求された安全性等を

確認する臨床試験の費用を確保することができた。これにより、従来掲げていた

2020 年半ばの NDA 申請に向けて、開発を進めることが可能になった。

開発品は、局所麻酔薬の一種のリドカインのテープ剤で、帯状疱疹後の神経疼痛

治療薬として開発中である。リドカイン・テープ剤は、メドレックス社の中では最も開

発が進捗しているパイプラインであり、同社にとって、初めての米国での上市品とな

る可能性が高い。そのため、2019年 2月 12日、今後の開発推進に必要な資金を早

期に確保することを主な目的として、第三者割り当ての新株発行と第 14回新株予約

権発行による総額 12.7 億円の資金調達計画が発表された(うち約 11 億円が MRX-

5LBT の開発費用)。

過去の開発の推移を簡単に振り返ると、2016 年 5 月、MRX-5LBT が Lidoderm®

(リドカイン・ハップ剤)と比較して、ILTS®技術で皮下組織により早くより多くのリドカ

インを浸透させることができることを示唆する結果(下図参照)が得られ、Ph1を完了。

この時点で、承認申請に向けて、次の2つの案を考えていた。

プラン A: Lidoderm®よりも優れた有効性を示す第Ⅲ相試験を行う

プラン B :Lidoderm®との生物学的同等性を示す

メドレックス社は、FDAと協議を進めたうえで、「承認に向けた開発難度」、「開発成

功した場合の製品競争力=競合の状況」および「メドレックス社の開発ポートフォリ

オ全体の中での位置づけ」を総合的に考えた結果、承認取得までに要する時間が

短く承認取得に至る可能性もより高いと考えられる B を選択し、2018 年 6 月に、

Lidoderm®との生物学的同等性(BE)を示す結果が得られたことが発表されていた。

その後は、健常人を対象とした皮膚安全性を確認するための臨床試験等、経皮医

薬品開発における付随的な試験を実施して、2020年に承認申請を行う計画であるこ

とも示されていた。

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しかし、2018年 11月 FDA

から、慢性疾患治療薬とし

て、従来想定よりも多くの試

験を要求された。

2020年の新薬申請に向け

て、資金調達を行い、想定

よりも多くなった試験を実行

貼付力評価試験の結果は

良好であることが判明

対象市場規模は、1億 2千

万枚。値段は 1枚 9 ドル弱

が想定される。

ところが、2019 年 2 月になって、メドレックス社は、新薬申請に向けたデータにつ

いて FDA と協議を続けていたところ、慢性疾患治療薬として長期にわたり連続して

使用される可能性があることから、当初想定していたよりも多くの試験が必要である

ことが 2018 年 11 月に判明したと発表した。この追加試験を行って、2020 年に予定

している新薬申請をするためには、当初予定を7~8億円上回る費用がかかる見通

しであり、2019 年 3 月、その資金を早期に確保すること等を主目的とした資金調達

(第三者割当による新株発行と第 14 回新株予約権発行)に踏み切った。

今般の 11.2 億円ほどの調達の完了で、新規の自社開発パイプラインの開発資金

までは調達できなかったが、リドカイン・テープ剤の開発を賄う資金は調達できたこと

で、2020 年半ばの申請に向けて開発を加速中である。2019 年 7 月 4 日、新薬承認

に必要な臨床試験として FDA から要求されていた試験の一つである、貼付力評価

試験の結果が公表された。メドレックスは、先行指標品であるリドカイン・ハップ剤

Lidoderm®との比較臨床試験で、MRX-5LBT が優れた貼付力を持ち、新薬申請に

必要な要件を満たすと発表している。

図 MRX-5LBTの貼付力評価試験の結果

(出所) メドレックス 「MRX-5LBTの貼付力評価試験のお知らせ」 2019 年 7 月 4 日

なお、導出先は、申請・承認後に見つける予定であるとみられる。

対象市場の規模(米国)は、2017年で年間 1億 2000万枚である。既にLidoderm®

の後発品が複数存在し、1枚2~3ドル程度で販売されている。金額ベースの市場規

模はピーク時の 12億ドル程度あったものが、薬価の下落で 3分の1程度に縮小し横

ばいで推移しているところである。ここに、2018 年 10 月、米国サイレックス社(Scilex

Pharmaceuticals Inc.; 親会社ソレント社 Sorrent Therapeutics Inc.)が、Lidoderm®

より優れた特性を持つリドカイン・テープ剤(ZTlido®)を上市した。1枚 8.95ドルで販売

されているが、売れ行きの方は、上市されたばかりでまだ評価できない段階である

が 2019年 5月月間売り上げは約 3.5億円程度で、年間 40億円から 50億円程度に

なるのではとみられる。(ソレント社の資料では、最低でも 300 万枚の売り上げを目

標としているようである。)メドレックス社は 2 番手として参入し、ZTlido®の売れ行き

によるが、ZTlido®とほぼ同じ薬価で販売するものと考えられる。

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オキシコドン・テープ剤

(MRX-1OXT)は、メドレック

ス最大のパイプライン

近年、オキシコドンを含むオ

ピオイド鎮痛剤の処方は劇

的に減少

そもそも、オキシコドンの長

時間徐放剤であるオキシコ

ンチン®の乱用が現在のオ

ピオイド危機の発端となっ

た。

米国のオピオイド市場の縮小とメドレックスのポジション

オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)は、メドレックス社最大のパイプラインと期待

されているものである。北米での疼痛緩和目的のオピオイド市場で最大シェアを占

める薬剤であるオキシコドンに ILTS®技術を用いて経皮製剤化したものである。チザ

ニジン同様、脳/中枢神経に作用し血中濃度が薬効に結び付くタイプである。

(注)オピオイドとは、モルヒネなど麻薬的な性質を有するアヘン類似物質(アヘ

ンではない)の総称で、中等度から重度の疼痛に対する治療のほか、麻酔、咳抑

制など広範に用いられている。

しかし、米国ではオピオイド鎮痛剤が抱える薬物の乱用・誤用問題(オピオイド危

機)が社会問題化しており、オピオイド類の処方箋枚数は 2018 年前年比 17%減と過

去最大の減少率となるなど市場環境が急速に変化してきている。特に、近年、徐放

性オキシコドンの代表的な製剤であるオキシコンチン®などの処方箋も著しく減少し

てきていると言われている。

米国オピオイド鎮痛剤処方箋枚数

(出所) FDA Search for Balance: FDA's Approach to the Opioid Crisis 2019 March

ここで、オピオイド危機の歴史と現状を要約すると次のようになろう。

1996 年、医療用麻薬の最大手であるパーデュー・ファーマ社が、オキシコドンを長時

間徐放型にしたオキシコンチン®を発売した。オキシコンチン®は、本来は、がん患者

の疼痛緩和のための薬剤であったが、「他のオキシコドン製剤よりも長時間効果が

あるため、苦痛のためによる目が覚めることがない。薬物依存性が低い。」という宣

伝が効いて、広く慢性疼痛に用いられるようになり、2000 年には 10 億ドルの売上に

到達する。2003 年には 20 億ドルの売上に到達した。パーデュー・ファーマ社は、が

んの疼痛の治療のために鎮痛薬を処方する専門医だけでなく、一般開業医にもマ

ーケティング対象を拡げて、全米各地で疼痛緩和シンポジウムを開催し、オキシコン

チン®の拡販を行ったため、9 割近くががん疼痛と関係なく使用されるようになり、医

師によっては患者が要求するままに大量処方するケースも見られ、依存症になる

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正規の薬剤の乱用に対する

規制が強化されてくると、違

法なヘロインや密造フェンタ

ニルの非合法流通が拡大

し、問題の中心が遷移

人々が徐々に増加していった。

しかし、2000 年以降、オキシコンチン®の乱用・薬物依存に関し、多くの問題視する

報告書が出され、各地で訴訟が起こされるようになった(注)。2007 年に、パーデュ

ー・ファーマ社は「大衆を誤導した」ということで有罪となり、当時としては全米史上最

高額の 6 億ドルの示談金を政府に支払うことで示談を成立させた。それでも、2006

年-2007 年前後は、オキシコンチン®の売上は一時的に落ちたものの、2008 年には

回復し、2014年までは年間 20-30億ドルの売上を記録することとなる。(パーデュー・

ファーマ社は、2010 年、錠剤を砕いた粉末を鼻で吸引するなど麻薬のように乱用さ

れない様、破砕するとゲル状になる TR錠に切り替えるなど対策を講じている。)

(注) 現在でも、全米各地でオピオイド製造販売会社を対象とした訴訟が進行中。

オキシコンチン®の売上が減少し始めたのは、2015 年以降である。しかし、オキシ

コンチン®を「ゲートウェイ・ドラッグ」として薬物依存症になった人々は、規制が強化

されると、より安価なヘロインや少量で劇的な効果があるとされるフェンタニルを非合

法的な手法で入手するようになったためと考えられる。現在では、オピオイド危機問

題の中心は、違法なヘロインや密造フェンタニルの非合法流通に移っている。特に、

中国で密造され、米国に持ち込まれたフェンタニルは「チャイナ・ホワイト」と呼ばれ、

2018 年 12 月の米中首脳会談でトランプ大統領が習近平国家主席に規制強化を要

請したほどである。

(参照) ルポ・米国薬物蔓延の街 2019年 5月 30日 NHK総合放送

オピオイド剤乱用による死者(人口 10 万人当たり)

(出所) Centers for Disease Control. Drug Overdose Deaths in the United States, 1999-2017

含む Fentanyl

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鎮痛剤の必要性は不変であ

り、乱用・誤用の防止策を組

み入れた製剤の開発が焦

眉の急であることは不変

オピオイド市場の縮小を見

て、オキシコドンテープ剤の

ポテンシャルを悲観視する

必要性はない

吸収性や粘着性の改良を経

て、2019年後半には反復投

与試験に入る予定と考えら

れる

オピオイド危機の下、鎮痛

剤の開発にはより時間がか

かる傾向あり。

早期承認のため、最初の適

応症を絞る可能性がある

が、導出の契約金額には影

響しないと考える。

このような状況下、FDA は乱用抑止効果の有るオピオイド製剤の開発に前向きで

ある。米国では、約 1800万人の人々が、長期にわたる疼痛のためオピオイドの処方

を必要としており(出所:パーデュー・ファーマ社 HP)、オピオイド製剤の必要性はなく

ならないと考えられている。メドレックス社は乱用や誤用を抑制防止する独自の新製

剤技術(AMRTS®:Abuse and Misuse Resist Transdermal System)という特許を保有

しており、競合上優位にあると推察される。オキシコドン・テープ剤が直接代替してい

くとみられているオキシコチン®等のオピオイド製剤市場規模が急速に縮小している

からといって、悲観的に考える必要はなかろう。

(注)NKTR-181の現況

2018年 7月 30日、米国 Nektar Therapeutics Inc.(以下 Nektar社)は、陶酔感な

ど乱用につながる副作用が抑制された新規の開発品(NKTR-181::成人の慢性腰痛対象:

新規機序のオピオイド経口剤 mu-opioid agonist)を申請し、FDAに受理されている。

ただし、当初 2019 年 5 月末にも承認される見通しであったが、未だ審査中で、現時点

では、結論が出されるのは、3か月延期されて、8月末の見通しである。他のオキシコド

ン類との優劣を比較した試験は行われておらず、鎮痛効果の優劣は不詳である。

オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の開発状況は、前回レポート時(2019年 3月

4 日)と不変である。2018 年 2 月に、米国での臨床第Ⅰ相試験を終え、疼痛治療に

十分な血中濃度が実現できる可能性大と発表されていた。現在も依然として、吸収

性を上昇させ、より小さなパッチサイズで有効な血中濃度を実現できるよう、さらに粘

着性も向上させるように、製剤を改良中である。弊社では、まもなく改良が終わり、反

復投与試験(追加第Ⅰ相追加試験)が 2019 年後半以降に開始、2019 年末前後に

完了するのではと見込んでいる。そして、その結果を踏まえて、FDA と協議し、乱用

防止の実効性を証明する第Ⅱ相臨床試験(Ph2)を挟んで、症例を拡大した第Ⅲ相

臨床試験(Ph3)へ進んでいくものと想定している(Ph2及び Ph3には、合計 2年程度

の時間を要するものと想定し、申請は 2022 年頃、承認は 2023 年頃という想定は不

変)。会社側は、チザニジン・テープ同様に Ph1 での導出も可能と考えており、早け

れば 2019 年後半以降、2020 年頃の導出を考えている模様だ。

ところで、オピオイド危機の下、当局は、鎮痛剤の新薬開発にはより時間をかけて

検証していく傾向が見られる。したがって、メドレックスは、承認をなるべく早期に得る

ため、Ph2 以降、適応範囲を絞って(例えば、術後疼痛など)開発し、その後適応拡

大を企図していく戦術へ転換する可能性も視野に入れているようだ。ただし、医薬品

候補品のライセンス契約は疾患ごとの導出は行わず、パイプラインの商業化に

関する権利を疾患で限定せず導出することが一般的なため、導出候補先製薬

会社が最終的な市場規模をどこまで見込むかにより、契約金・マイルストーン等

の契約総額が決定されると考えられる。

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2019年 5月、資金調達完了

によりリドカイン・テープ剤の

開発を開始することとし、

2019年の業績を修正

開発費が膨らむが、向こう 2

年程度の資金は確保済み。

その2年のうちに、導出や上

市が期待される

2019 年の業績修正

2019 年の業績は、売上が約 10 億円の予想で当初予想比不変である。この中に

は、ヨードコート軟膏の売上 2400 万円の他、年後半に入金されると確実視される

Cipla 社からのマイルストーン収入約 7 億円とメガファーマからの開発協力金が含ま

れるものとみられる。メガファーマとの開発協力金は、プロジェクトの進展次第で、今

後変動する可能性があることには留意したい。オキシコドン・テープ剤の導出は、

Ph1後(予定では 2019年下期-2020年)に見込んでいるが、その不確実性のため、

会社計画に織り込まれていない。研究開発費は、当初予算では、13 億 7100 万円で

あった。これには、オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の Ph1b、メマンチン NCTS

(MRX-7MLL)の P1a開始、さらに非公表のパイプラインに関する前臨床試験等が入

っていたが、追加試験を要求されたリドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発費用

(2019・2020 年で総額 11 億円)は、含まれていなかった。今般の資金調達により、リ

ドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発資金が確保されたため、2019 年第3四半期

以降に 2 億9千9百万円ほど研究開発費用の追加を見込み、営業利益は、当初予

想の 6 億 5 千万円の赤字から 9 億 4 千 9 百万円の赤字へ下方修正、当期利益ベ

ースの赤字幅も、当初予想の 6 億 4 千 3 百万円から 9 億 4 千 3 百万円へ拡大する

見込みである。

メドレックス 損益の推移

(出所)決算短信よりフェアリサーチ作成

また、2019 年 3 月末時点の現預金残高は、16 億 4 千4百万円であった。ただし、

3 月までの資金調達額は 4 億円程度であり、4 月以降の資金調達額は 7 億 2 千万

円程度であることから、4-6 月期の販管費を 4 億円程度と見込んで、足元(6 月末)の

現預金水準は、21-22 億円ほどと推計される。向こう 2 年分程度の開発資金等は確

保されていると考えられる。さらに、2019 年後半以降、オキシコドン・テープ剤(MRX-

1OXT)に関する導出一時金収入が発生すれば、資金ポジションは一層厚くなること

が期待される。また、予定通り 2020 年にリドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の申請が

受理され、2021 年上市となれば、2021 年から新しい収入源が加わることも忘れては

ならない。

(百万円)

2010/12 2011/12 2012/12 2013/12 2014/12 2015/12 2016/12 2017/12 2018/12 2019/12 2019/12

(当初計画) (修正計画)

売上高 291 741 87 68 26 37 22 198 8 1,009 1,009

 製品売上 84 94 71 33 26 37 22 28 8 24 24

 研究開発収入 206 646 16 36 0 0 0 170 0 985 985

売上原価 58 34 33 8 9 12 8 7 2 5 5

販管費 857 1,141 621 664 1,020 1,025 1,357 1,174 1,279 1,654 1,953

 研究開発費 695 939 415 397 718 716 1,074 888 980 1,371 1,670

 その他管理費 162 202 206 267 302 309 283 286 299 283 283

営業利益 -623 -434 -567 -604 -1,003 -999 -1,342 -983 -1,273 -650 -949

経常利益 -616 -479 -578 -616 -1,012 -990 -1,301 -988 -1,285 -656 -955

当期純利益 -536 -433 -571 -621 -1,016 -878 -1,259 -884 -1,267 -643 -943

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メドレックス社 資産負債の推移

結論

今般、チザニジン・テープ剤(CPN-101)の Ph1b開始とリドカイン・テープ剤(MRX-

5LBT)の開発再開のための資金調達完了という朗報が届いた。さらに、2019 年後半

は、チザニジン・テープ剤(CPN-101)の Ph1b 完了と Ph2 入り、メマンチン貼付剤

(MRX-7MLL)の治験開始申請と P1a 開始が期待できる。そして、メドレックスにとって

最大の価値をもたらすオキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の導出という Event も、早

ければ 2019 年後半以降、おそらく 2020 年には浮上してくる可能性がある。近年のオ

ピオイド危機の中心は密造されたフェンタニルの非合法な流通にあり、乱用・誤用の

防止策を取り入れたオピオイド製剤の開発はむしろ期待されている。また、近年、新

規の鎮痛剤開発に対し、当局の検証に時間がかかるケースが多くなっているようだ

が、早期承認のために、当初の適応症を絞ったとしても、適応拡大後の市場も視野に

導出時の契約金額が算出されるものと考えられる。

過去 1 年 3 か月程度、朗報に乏しかった状況から、かつてのようにポジティブなニ

ュース・フローが続く状況へ転じることを期待したい。

フェアリサーチ株式会社

<連絡先>

104-0033 中央区新川1-6-12 AIビル茅場町 511

電話 03-6403-9217

メール [email protected]

(百万円)

2010/12 2011/12 2012/12 2013/12 2014/12 2015/12 2016/12 2017/12 2018/12 2019/3

IPO CB発行 CB転換完了

流動資産 730 649 507 4,008 2,857 2,204 2,736 1,836 1,937 1,728

現金預金 691 614 465 3,937 2,780 2,063 2,640 1,737 1,796 1,644

その他 39 35 42 71 77 141 96 98 141 84

固定資産 335 304 280 722 831 774 342 296 373 505

有形固定資産 265 240 215 256 346 278 264 220 295 428

無形固定資産 0 0 0 1 3 2 1 0 0 0

投資その他 89 64 65 465 483 494 76 75 77 77

資産合計 1,085 952 787 4,730 3,685 2,978 3,079 2,133 2,311 2,233

負債 80 106 511 227 171 205 573 99 180 168

流動負債 64 79 450 158 79 110 103 88 170 157

固定負債 16 27 61 69 92 96 469 10 10 10

純資産 1,005 847 275 4,503 3,514 2,772 2,507 2,037 2,130 2,065

(出所)決算短信からフェアリサーチ作成 3月末までに約4億円調達

Page 14: 株式会社メドレックスpdf.irpocket.com/C4586/Uxy1/vF48/oiZn.pdf株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日2019 年7月9日 2/14 本レポートは、フェアリサーチ株式会社(以下、

株式会社メドレックス (4586 Mothers) 発行日 2019 年 7月 9 日

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