第4章...
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この章では、TurboCAD v12 ProfessionalおよびTurboCAD v12 Standardに
備えられている3D機能について説明します。TurboSketch v12をお使いの
場合は、3D機能は使用することはできません。
3Dオブジェクトを作成するためのツールは、メニューの挿入|3Dオブジ
ェクトもしくは作図ツールバーの3Dオブジェクト詳細選択ツールバーに
備わっています。
3Dオブジェクト詳細選択ツールバー
また、ツールパレットからツールを選択する場合は、画面上部のリスト
から「3Dモデル」を選択することで、パレット内のツールが3D機能に適
したものへと切り替わります。
4-1■TurboCADの3D機能の基本
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第4章 3D機能の基本操作
ツールパレット(3Dモデル)
ツールを選択しマウスによる操作での3Dオブジェクトの作成や、編集バ
ーを使った数値指定、スナップモードなど、TurboCADの基本的な操作
方法は2次元の図形の作成と同様です。
3D機能を使う際は、2次元平面での作図と異なり、オブジェクトの高さ
を意識して操作する必要があります。高さを持ったオブジェクトを視認
しながら作図するために、画面上の視点を適切なものに切り替えながら
操作を行います。
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ここで[3Dモデル]を選択
●視点をアイソメに切り替える3D機能を使用する際には、視点をアイソメ表示にすると3Dオブジェクト
の形状を把握しやすくなります。
練習を開始するために、TurboCADを起動し、起動画面で[新規]ボタ
ンをクリックして新規の図面を作成してください。また、ここでの練習
は、すべてスナップなしの状態で行います。
z標準ツールバーにあるグリッドツール (メニューの作業空間|グ
リッド)をクリックして、グリッド表示をオンにします。
3D機能を使う際に、グリッドの表示は必ずしも必須ではありません
が、視点をたびたび切り替える際にはグリッドが表示されていたほう
4-2■3Dオブジェクト作成の基本
第4章 3D機能の基本操作
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グリッドツール
が、いまどのような視点で操作しているのかを把握しやすくなります。
そのため、3D機能に慣れていないうちはグリッドを表示して操作する
ことをおすすめします(ただし、以下に掲載する図版では、見やすさ
を考えてグリッドはオフにした状態の画面で表示しています)。
x標準ツールバーにある標準表示詳細選択ツールバーからアイソメSEツ
ール (表示|カメラ|アイソメ|アイソメSE)クリックしてアイ
ソメ表示に切り替えます。
●単純な3Dオブジェクトの作成ここでは3Dオブジェクト作成の手始めとして、直方体を作成してみます。
z直方体ツール (挿入|3Dオブジェクト|直方体)を選択します。
x用紙上の適当な位置をクリックします。
cマウスを動かすと、斜め方向に四角形が動きます。
v適当な点をクリックして四角形を固定します。これ直方体の底面にな
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アイソメSEをクリック
最初にクリックした点 マウスの動きに合わせて四角形の形が伸び縮みする
アイソメSEの「SE」とは南東のことを表してます。これは用紙の上方向を“北”とみなして、図面を見る方向を表現したもので、アイソメSEの場合は、用紙の右下方向から図面を俯瞰した視点であることを示しています。
ここで斜め方向に傾いた四角形が作成されますが、現在はアイソメ表示なので、実際には長方形を作成していることになります。
ります。
b次にマウスを上下方向に動かします。すると、直方体が上下方向に伸
び縮みします。この操作で直方体の高さを指定します。
n適当な位置でクリックすると、3Dオブジェクトの高さが固定され、直
方体が完成します。
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マウス上下方向に動かすと直方体の高さを指定できる
●3Dオブジェクトをレンダリングして表示作成した3Dオブジェクトは、稜線のみが表示されたいわゆるワイヤーフ
レーム表示の状態です。これを、レンダリングして表示します。
z標準ツールバーにあるレンダリング詳細選択ツールバーからクオリテ
ィレンダリングツール (表示|カメラ|クオリティレンダリング)
またはドラフトレンダリングツール (表示|カメラ|ドラフトレ
ンダリング)を選択します。
xすると次のようにメッセージが表示されます。
c[はい]をクリックすると、3Dオブジェクトがレンダリングされて表
示されます。
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44クオリティレンダリングなどでは、陰影などを表現した詳細なレンダリング画像を表示します。これに対し、ドラフトレンダリングは陰影の表現をある程度省略するかわりに、高速に画面表示します。
vレンダリング表示を終了する場合は、レンダリング詳細選択ツールバ
ーからワイヤーフレームツール (表示|カメラ|ワイヤーフレー
ム)を選択します。
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44ソリッドモデルとTCサーフェスTurboCAD v12 Professionalの場合、作成できる3Dオブジェクトにはソ
リッドモデルとTCサーフェス(サーフェスモデル)の2種類があります
(TurboCAD v12 Standardの場合はTCサーフェスのみ)。ソリッドとサ
ーフェスとでは、TurboCADのプログラム内部で3Dオブジェクトが生成さ
れるときの計算法が違います。ソリッドモデルはオブジェクトの内部も詰ま
った物体として扱われているのに対し、TCサーフェスではオブジェクト表
面の形状のみが計算されて生成されます。
直方体など、直線のみで構成される3Dオブジェクトの場合は、両者の違い
は意識されませんが、球体や円柱など表面が曲面になる3Dオブジェクトで
は、ソリッドモデルとTCサーフェスで画面表示が異なります。
また、TCサーフェスの場合、曲面は平面で細かく分割した擬似的なものと
して表現されます。曲面の分割数は、プロパティダイアログ(p.47)で設
定します。曲面の分割数が少ないとレンダリングしたときに、曲面が滑らか
に表現されないこともあります。
TurboCAD v12 Professionalで作成できる3Dオブジェクトのほとんど
は、ソリッドモデルとTCサーフェスを切り替えることができます。その切
り替えはプロパティダイアログの3Dプロパティシートで行います(ただし、
ソリッドモデルでないと作成できない3Dオブジェクトもあります)。
参 考
球 円柱
ソリッドモデルの画面表示
球 円柱
TCサーフェスの画面表示
●編集バーに数値を指定して3Dオブジェクトを作成2次元の図形を描くときと同じように、編集バーを使えば数値を指定して
3Dオブジェクトを作成することができます。
z直方体ツール を選択します。
x用紙上の適当な点をクリックします。
c<Tab>キーを1回押して、編集バーの長さボックスを反転表示させ「60」
と入力します。
v再び<Tab>キーを押し幅ボックスを反転表示させ「30」と入力します。
bもう一度<Tab>キーを押して高さボックスを反転表示させ、「50」と入
力します。
n<Enter>キーを押すと、60×30×50の直方体が作成されます。
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長さ、幅、高さを指定
50
3060
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●2次元の図形から3Dオブジェクトを作成するTurboCADでは、2次元平面に描いた図形を基にして3Dオブジェクトを作
成する方法も用意されています。新規作成ダイアログで[デフォルト]
を作成して図面を新規作成して、以下の操作を練習してみてください。
(表示がアイソメ表示になっている場合は、標準ツールバーにある標準表
示詳細選択ツールバーからワールド平面ツール をクリックしてくだ
さい)。
z矩形ツール (挿入|線|矩形)を選択し、任意の位置に60×30の
四角形を作成します。
x次に、中心・半径指定円ツール (挿入|円/楕円|中心・半径指定
円)を選択します。
c用紙上の任意の点をクリックしたら、<Tab>キーを1回押して編集バー
の半径ボックスを反転表示させ「20」と入力して、半径20の円を描き
ます。
v標準ツールバーにある標準表示詳細選択ツールバーからアイソメSEツ
ール をクリックしてアイソメ表示します。
サイズを指定しての長方形の描き方は、『数値で指定して図形を描く――編集バーの使い方』(p.42)を参照してください。
60×30の長方形半径20の円
b標準ツールバーにある縮小ツール を1回クリックして、3Dオブジェ
クトを作図するためのスペースを確保します。
n作図ツールバーの3D詳細選択ツールバーから、単純押出しツール
(挿入|3Dオブジェクト|単純押出し)をクリックします。
m長方形をクリックします。
,<Tab>キーを押して、編集バーの高さボックスを反転表示させます。
.高さボックスに「30」を入力します。これでオブジェクトの高さを指
定したことになります。
⁄0<Enter>キーを押します。長方形を底面とした直方体が完成します。
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「30」を入力
⁄1次に作図ツールバーの3D詳細選択ツールバーから、錐ツール (挿
入|3Dオブジェクト|錐)をクリックします。
⁄2編集バーに表示されている (2D底面を指定)をクリックします。
⁄3円をクリックします。
⁄4<Tab>キーを1回押して編集バーの高さボックスを反転表示させ「40」
と入力します。
⁄5<Enter>キーを押すと、円を底面とした円錐が完成します。
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「40」を入力
[2D底面を指定]をクリック
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