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目 次

第1章 計画の概要

1 計画策定の趣旨 ...................................................................................................................... 1

2 計画の性格 ................................................................................................................................ 1

3 計画の期間 ................................................................................................................................ 1

第2章 基本方針

1 基本理念 ..................................................................................................................................... 2

2 基本的な方向 ............................................................................................................................ 2

第3章 主要な生活習慣病予防

1 がん .............................................................................................................................................. 5

2 糖尿病 ....................................................................................................................................... 15

3 脳血管疾患・心疾患等 ...................................................................................................... 23

第4章 生活習慣の改善

1 栄養・食生活 ......................................................................................................................... 31

2 身体活動・運動 .................................................................................................................... 47

3 積極的な休養とストレスの解消の推進 ..................................................................... 55

4 飲酒 ............................................................................................................................................ 60

5 喫煙 ............................................................................................................................................ 65

6 生涯を通した歯の健康づくり ........................................................................................ 72

第5章 今後の取り組み

1 健康づくりの基本的な考え方 ....................................................................................... 79

2 分野別の取り組み ............................................................................................................... 81

3 数値目標 .................................................................................................................................. 90

資料編

1 すこやかプラン21推進委員会委員名簿 ............................................................... 96

2 すこやかプラン21推進委員会設置要綱 ............................................................... 97

3 用語解説 .................................................................................................................................. 99

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本市においては、めざす都市像を「ひと・まち・自然にやさしい高梁」として、子

どもから高齢者まで地域のつながりの中で心豊かに健康に暮らせることを目標とし、

総合的に健康づくり活動に取り組んできました。

しかし、社会構造が大きく変化し、少子高齢化が進む中で、肥満、糖尿病などの生

活習慣病が増加しています。

一人ひとりが生活の質を保ちながら、いきいきと健やかな生活をおくるために基本

的な施策を定めた「第2次高梁市すこやかプラン21」を策定します。

(1)本市の総合的な健康づくりの指針として市民の健康づくりの目指す方向性と、

これを達成するための基本的施策を定めるものです。

(2)健康増進法第8条に基づく市町村健康増進計画です。

平成 26年度から平成 35年度までの 10年間とし、中間年の平成 30 年度に必要な見

直しを行います。

第1章 計画の概要

1 計画策定の趣旨

2 計画の性格

3 計画の期間

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子どもから高齢者まで地域のつながりの中で心豊かに健康で暮らせるよう、「健康

寿命の延伸」「壮年期死亡の減少」「生活の質の向上」を図ります。

高梁市は、36.2%が 65 才以上の高齢者であり、高齢者は生涯現役を目指し、さま

ざまな社会活動をしています。このように、いつまでも健康で生きがいを持ち、また

自分や家族の健康づくりに積極的に取り組むことができるよう「健寿の里たかはし」

の実現を目指します。

本計画の基本的な方向性は、次の3つです。

1 生活習慣病の発症予防と重症化予防

がん、脳血管疾患、心疾患、糖尿病等の生活習慣病を予防するため、規則正しく

バランスのとれた食生活や運動習慣の定着、適正体重の維持、禁煙の促進、多量飲

酒の防止などの一次予防に関する施策を実施します。

また、低い状況にあるがん検診や特定健康診査及び特定保健指導の受診率の向上

を図るとともに、早期発見、早期治療に関する対策を行います。特に 40 歳代及び

50歳代の受診者が少ないため、生活習慣病早期発見の観点から受診行動に結びつく

ような啓発を進めます。

2 社会生活を営むために必要な心身機能の維持及び向上

社会生活を営むために必要な機能を維持していくことは、心身の健康の維持向上

に欠かせません。そのためには、幼児期から適切な生活習慣を身につけることが必

要であるため、就学前教育保育施設や学校とも連携した健康づくり事業を行います。

青年期、壮年期においては、生活習慣病予防のため、健康に関する意識を高め、

生活習慣の改善と検診の受診を習慣化することが大切です。

高齢になっても健康な生活をおくるためには、趣味や地域の活動に積極的に参加

し生きがいを持ち、身体活動を行いながら健康の保持増進に努めることが必要です。

そのため、身体機能の低下や認知症、うつ病等の精神機能の低下を予防するとと

もに、生活の質を維持し、いきいきと生活するために、日頃から閉じこもりになら

ないよう高齢者の介護予防事業を推進します。

第2章 基本方針

1 基本理念

2 基本的な方向

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3 健康を支え、守るための社会環境の整備

個人の健康は、個人を取り巻く環境から大きな影響を受けます。地域住民が互い

に信頼し、支えあう関係が心だけでなく身体の健康にも良い影響を与えることが明

らかになっています。

本市においては、愛育委員や栄養委員などの健康づくりボランティアが根付いて

おり、地域において健康の保持増進に係る啓発活動を行い、地域全体の健康づくり

にも積極的に取り組んでいます。また、その他にも多くの関係団体が健康づくり等

の地域活動を行っています。

こうした活動の水準を向上させるような支援、取り組みを進める必要があります。

また、健康づくりに取り組もうとする個人を社会全体が支援していく環境を整備

していくことが不可欠です。

そのために、健康に関わるさまざまな関係機関、団体との連携を推進し、健康づ

くりを支援する体制づくりを継続して行います。

4 関係者の役割

(1)個人・家庭の役割

健康は一人ひとりの良い生活習慣によって保持・増進させるものです。良い生

活習慣を身につける上で、家庭の役割は重要です。また家庭は、家族の一人ひと

りにとって、最も安全で精神的安定を得ることができる場であることが必要です。

(2)地域(住民)の役割

地域住民として、暮らしやすい生活環境は、自然に与えられるものではなく、

自ら隣人に声をかけ、積極的に地域の活動に参加することによって得られること

を理解し、各種の地域のイベントやボランティア活動に積極的に参加することに

より、人と人がつながり支え合い、信頼関係を強めることが健康に良い影響を及

ぼすことが分かっています。多くの市民が、健康づくりに関する活動をはじめ様々

な地域活動に積極的に参加して、人と人とがつながる良い地域となるよう努める

ことが期待されています。

(3)学校の役割

学童期から思春期は、心と体が大きく発達する時期にあり、生涯を通じた健康

づくりの基礎知識と適切な生活習慣を身につける大切な時期と言えます。学校は、

学習指導要領に基づき必要な知識を習得させるとともに、適切な生活習慣の確立

や心身の健全な発達を図るため、家庭や保健医療福祉機関とも連携した取り組み

を行うことが重要です。

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(4)職場の役割

事業者は、労働者の健康を損なうことがないよう、作業管理、作業環境管理、

健康診断及びその結果に基づく事後措置等の健康管理を確実に実施するとともに、

労働者の健康保持・増進に努めることが必要です。特に、本市においては、働き

盛りの年代の検診受診率の低迷や 50代の自殺者の問題等において、事業者との連

携が強く求められています。

(5)関係機関、関係団体の役割

医師会、歯科医師会、薬剤師会、栄養士会、看護協会等の専門団体及び大学・

研究機関等はそれぞれの立場から市民の健康づくりを支援するための取り組みを

行うよう努める必要があります。

(6)行政の役割

市町村は、最も住民に身近な自治体であり、地域の実情に応じて、最適の健康

教育・健康相談やがん検診等の保健事業を住民に対して行うとともに、すべての

住民が健康づくりに取り組むことができるよう環境の整備を行うことが重要です。

また、市町村国民健康保険の保険者として、特定健康診査・特定保健指導を適正

に実施することも必要です。

また、県、保健所は、広域的な観点から普及啓発や関係機関等の連携等の役割

を担っていく必要があります。

これら、各関係団体がそれぞれの役割を認識し、地域に密着した健康づくり活

動を積極的に展開することが期待されます。

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1 はじめに

がんは、生活習慣・生活環境の改善により予防できるものがあることがわかって

おり、正しい生活習慣を身につけることが必要です。また、早期発見・早期治療を

徹底することが必要です。

2 基本的な考え方

日本人のがんの原因は、男性では喫煙 29.7%、感染 22.8%、飲酒 9.0%、女性で

は感染 17.5%、喫煙 5.0%、飲酒 2.5%とされており、これらの原因への対策がが

ん予防には重要です。

(図1)日本人のがんの原因

がん発生の要因PAF※

(出典:厚生労働科学第3次がん10か年総合戦略研究事業「生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究」)

※PAF=人口寄与割合。特定のリスク要因への暴露がもし仮になかった(またはそれに準じる状態

であったとする)と疾病の発生が何パーセント減少することになったかを表す数値。

第3章 主要な生活習慣病予防

1 がん

がんの予防

29.7

0.2

22.8

9.0

1.9

0.8

0.7

0.7

0.9

0.0

喫煙(能動)

間接喫煙

感染症要因

飲酒

塩分摂取

過体重・肥満

果物摂取不足

野菜摂取不足

運動不足

外因性ホルモン使用

男性

5.0

1.2

17.5

2.5

1.2

1.6

0.8

0.4

0.6

0.4

女性

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(1)生活習慣の改善

がんと関連する生活習慣としては、1日あたりの飲酒量が増す毎に大腸がんの

リスクが増すこと、運動が大腸(結腸)がんのリスクを下げること、肥満とがん

との関係は日本人ではそれほど強い関連がないことが示されていますが、やせは

免疫力を弱めることなどが知られています。また、食生活では、塩分濃度の高い

食品を摂る人ほど胃がんのリスクが高くなること、野菜・果物を摂取することに

より、食道がん、胃がん、肺がんのリスクが低くなることなどが、明らかにされ

ています。

飲酒や身体活動、食生活などの生活習慣の改善について、重点的な対策を行う

必要があります。

また、新たな「がん予防新12か条」の普及啓発が必要です。

(2)喫煙問題対策の推進

喫煙が、肺がんをはじめとする種々のがんの原因となっていることは明らかに

されており、喫煙率の低下と受動喫煙の防止についての施策の充実が重要です。

(3)肝炎対策等の推進

ウイルスや細菌による感染は、がん発生のリスクを高める要因であり、市では、

肝炎ウイルスに対する肝がんの予防対策に取り組みます。

(4)胃がんリスク検査(ABC診断)の導入

胃がんと関連するヘリコバクター・ピロリ菌との関与が明確になり、将来の胃

がんを予防するため、新たに胃がんリスク検査(ABC診断)の導入など、さら

なる対策の強化が必要です。

3 現状と課題

(1)がんによる死亡者数の推移

悪性新生物(がん)は昭和56年以降、日本の死因の第1位となっています。平

成23年では、がんによる死亡者数は県5,400人、市では166人(男性97人、女性69

人)となっています。

また、本市のがんによる死亡割合をみると、平成23年は29%と県の26.5%や全

国の28.5%と比べて高い状況です。

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(図2)高梁市の主な死因による死亡者の推移

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

(図3)高梁市の死因別死亡割合(平成23年)

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

156

141 143 140

166

97 103

76 81

97

67

87

69 71

78

66

67

65 66 64

0

50

100

150

200

平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年

悪性新生物

心疾患

肺炎

脳血管疾患

悪性新生物

29.0

心臓疾患

17.0

肺炎

14.0 脳血管障害

11.0

不慮の事故

3.0

老衰

3.0

慢性閉塞性

肺疾患

1.0

腎不全

1.0

肝疾患

1.0

自殺

1.0 糖尿病

1.0 その他

18.0

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(図4)高梁市部位別がん死亡の状況(平成23年)

(出典:平成24年度 高梁市保健事業報告)

(図5-1)高梁市部位別がん死亡割合推移(男性)

(図5-2)高梁市部位別がん死亡割合推移(女性)

(出典:高梁市死亡統計の推移)

気管、

気管支

及び肺

19.6

15.5

肝及び

肝内疾患

14.4

大腸

11.3

胆嚢及び

他の胆道

8.2

膵臓

8.2

その他

22.7

男性97人

肝及び肝内

疾患

23.2

17.4

大腸

14.5 膵臓

7.2

胆嚢及び他

の胆道

5.8

乳房

5.8

気管、気管

支及び肺

4.3

その他

21.7

女性69人

18.0

25.0 27.9

26.3

19.6

5.1

5.1

9.8

13.2 15.5

21.0

14.0 13.1

10.5

14.4

7.0

2.0 3.3

6.6

11.3

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年

肝臓

大腸

%

16.9

8.0

6.8 7.8

4.3

22.0

11.0

13.6

10.9

17.4 18.6

0.0

20.3

12.5

23.2

10.3

3.0

8.5

14.1

14.5

4.3 3.0 3.4

9.4 5.8

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年

肝臓

大腸

乳房

%

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(2)がん予防の現状と課題

がんの予防については、①喫煙問題対策の推進、②肝炎対策等の推進、③生活

習慣の改善に着目した取り組みを推進していく必要があります。

喫煙問題対策の推進に向けた現状と課題については「喫煙」に記述します。

肝炎対策等の推進について、本市では、以前から女性の肝がんの死亡率が全国

に比べ非常に高い傾向を示しています。

市は、以前から肝炎の感染者が多いことから、肝炎ウイルス検診が国の老人保

健事業で基本健診へ組み込まれる以前の平成14年から国に先駆けて独自に検査を

実施しています。また、平成23年度からは、節目年齢へ無料券を配布するなど、

さらなる検診受診を促してきました。

しかし、平成23年県民健康調査では「肝炎ウイルス検査を受けた」と自覚して

いる人は2割程度であり、検査を受診しているにも関わらず、受診したことを自

覚していない人も多くいることから、肝炎に関する正しい知識の普及啓発も必要

です。

また、胃がんとピロリ菌感染は深く関わっており、ピロリ菌感染によって胃粘

膜の萎縮が進むほど胃がんが発生しやすくなることが分かっています。本市にお

いては、男女ともに、がんの中でも胃がんによる死亡が第2位を占めており、今

後はピロリ菌による胃がんリスク検査(ABC診断)を導入し胃がん予防対策を

強化します。

次に、がんと関連する生活習慣としては、一日当たりの飲酒量が増すごとに大

腸がんのリスクが増すこと、身体活動を上げること(運動)が、大腸(結腸)が

んのリスクを下げること、やせが免疫力を弱めることなどが知られています。ま

た、食生活では塩分濃度の高い食品をとる人ほど、胃がんのリスクが高くなるこ

と、野菜・果物を摂取することにより、食道がん・胃がん、肺がんのリスクが低

くなることなどが、明らかにされています。

飲酒や身体活動、体型、食生活などの生活習慣の改善について、重点的な対策

を行う必要があります。

(3)がんの早期発見の現状と課題

市が実施しているがん検診の受診率は、年々低下傾向にあるとともに、県と比

べて、大腸がん以外の受診率は県より下回っています。

平成24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、検診受

診状況は、男女ともに50歳代で検診を受けた人の割合が増えており、若い年齢ほ

ど受診率が低くなっています。また、検診を受診しなかった理由として、「日程

が合わない」「受診する時間がない」「負担金が高い」が上位を占めています。

市では、平成23年度から、がん検診推進事業による「無料クーポン券」の配布

を、すべてのがん検診に導入し、費用負担の軽減や対象者への受診勧奨を行って

います。また、より受診しやくするために、一度ですべての検診が受診できる「総

合健診」を平成23年度から行っています。

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がんは自覚症状が現れたときには、ある程度病気が進行していることがあるた

め、自覚症状の有無に関わらず、定期的に受診することが重要であり、そのこと

を個々が理解し自ら検診を受診できるよう意識啓発が重要です。

(図6)高梁市がん検診受診率と岡山県との比較

(出典:平成 22年度 地域保健・健康増進事業報告)

(図7)高梁市のがん検診受診率の推移

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

胃がん 肺がん 大腸がん 子宮がん 乳がん

高梁市 14.7 29.8 23.2 15.0 18.1

岡山県 16.8 31.7 22.7 23.1 22.2

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0 %

平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年

肺がん 45.4 39.1 33.5 29.8 22.1

胃がん 26.9 19.3 16.7 14.7 12.6

大腸がん 35.7 27.9 24.7 23.2 19.8

乳がん 23.0 19.4 23.0 18.1 10.1

子宮がん 16.2 15.5 18.7 15.0 13.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

肺がん

胃がん

大腸がん

乳がん

子宮がん

%

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(図8)健診を受けない理由

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図9)どこで検診を受けたか

(出典:平成 24年度 健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(4)精密検査受診率

がん検診の結果、精密検査が必要であると判断された場合には、確実に精密検

査を受診するよう、検査機関の協力を得ながら、指導を徹底する必要があります。

市では、精密検査未受診者に対して、個別に電話連絡や家庭訪問による受診勧

奨を実施していますが、全員が検査を受けていない現状もあり、健診を受けるだ

けでなく、精密検査が必要な人は、確実に検査を受けるまで勧奨し続けなければ

なりません。

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0

医療機関にかかっている

受診する時間がない

日程が合わない

健康に自信がある

負担金が高い

待ち時間が長い

交通手段がない

その他 男 女

%

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

市の集団検診 市の個別検診 国保人間ドック 個人的に人間ドック 農協検診 職場の検診

男性 女性

男性 女性

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(図10)高梁市の各種がん検診精密検査受診率推移

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

4 施策の方向

(1)がんの予防

○ 関係機関・団体と協働して、喫煙問題や生活習慣病の予防に向けて、効果

的な普及啓発と環境づくりを推進します。

○ がん予防新12か条の普及啓発を行います。

○ 肝炎対策を継続します。「岡山県肝炎対策推進計画」での市町村での役割

として、肝炎ウイルス検診の実施や正しい知識の普及啓発を行います。

○ 胃がんリスク検診(ABC診断)を実施します。

肺がん 胃がん 大腸がん 乳がん 子宮がん

平成19年 78.8 63.3 51 77.8 33.3

平成20年 79 79.1 64.4 100 50

平成21年 80.5 84.2 69.6 80 100

平成22年 76.8 78.8 69.3 90.9 100

平成23年 33.3 87.8 64.2 97.4 27.3

0

20

40

60

80

100

120

平成19年

平成20年

平成21年

平成22年

平成23年

がんを防ぐための○新 12か条

1条 たばこは吸わない

2条 他人のたばこの煙をできるだけ避ける

3条 お酒はほどほどに

4条 バランスのとれた食生活を

5条 塩辛い食品は控えめに

6条 野菜や果物は豊富に

7条 適度に運動

8条 適切な体重維持

9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療

10条 定期的ながん検診を

11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を

12条 正しいがん情報でがんを知ることから

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(2)がんの早期発見

○ 愛育委員や栄養委員など関係団体と協働して、がん検診の必要性について

普及啓発を行うとともに、電話等で個別に声をかけて受診勧奨を行います。

○ 精密検診対象者については、適切な受診が行われるよう、電話や個別訪問

により受診勧奨を行います。

○ 各地区で集団検診を行い、総合健診や休日健診などを実施し、地域・職域

を問わず受診しやすい体制の整備を行います。また、医療機関での個別検

診も受診できるよう整備していきます。

○ 胃がん・子宮頸がん検診などの予防の推進を継続して行います。

○ 若い女性のがん検診を推進するため、婦人の健康づくり事業と同時に実施

し、受診しやすい環境整備を行います。

○ 検診ガイドブックや広報紙等の有効な活用や関係機関との協働により、が

ん検診を受診しやすい環境を整備します。

(3)職域との連携による健康問題の改善の支援

○ 職域との連携により、事業所と協力して健康問題の改善の支援をしていき

ます。

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14

5 目標値

(1)がんの予防

喫煙、生活習慣の改善については、それぞれの目標値とします。

(2)がんの早期発見

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 がん検診の受診率の向上

①がん検診受診率※1

肺がん 男性 19.4%

女性 34.1% 47.5% 70.0%以上※2 50.0%以上

胃がん 男性 15.2%

女性 20.9% 24.6% 40.0%以上 50.0%以上

大腸がん 男性 21.8%

女性 30.3% 30.7% 40.0%以上 50.0%以上

乳がん 15.2% 20.9% 30.0%以上 30.0%以上

子宮頸がん 15.0% 19.6% 30.0%以上 30.0%以上

2 がん検診の質の向上

①精密検査受診率※3

胃がん 87.8% 92.9% 100.0% 90.0%以上

肺がん 67.9% 100.0% 100.0% 90.0%以上

大腸がん 64.2% 62.8% 100.0% 90.0%以上

乳がん 97.4% 95.7% 100.0% 100.0%

子宮頸がん 18.2% 100.0% 100.0% 90.0%以上

※1 国・県との整合性を図るため、評価対象年齢を 40~69歳とします。なお、乳・子宮頸

がんは全年齢を対象とします。(平成 29 年度「岡山県がん対策推進計画」との整合性を

図る)

※2 第1次計画策定時と現状での受診率の差により、国・県の目標値との整合性を図り、

訂正を行いました。

※3 平成 29年度「岡山県がん対策推進計画」の整合性を図る。

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15

1 はじめに

糖尿病は、自己免疫疾患であるⅠ型糖尿病と生活習慣病の代表であるⅡ型糖尿病に

大別されますが、本計画では後者のみを対象とします。

糖尿病は、代表的な生活習慣病であり、本市においても、著しく増加傾向にありま

す。

糖尿病が放置されると、自覚症状がないまま病状は進行し、腎不全や失明、下肢の

壊疽、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な合併症に至ります。これらは、本人やその家族の

生活に著しい悪影響を及ぼし、さらには、医療経済や地域経済など社会全体にも悪影

響を及ぼします。

日々の適切な食生活や運動習慣で発症を予防し、毎年の健診受診で早期発見に努め、

糖尿病と診断された際には適切な治療により血糖をコントロールし、重大な事態に至

ることを防ぐことが重要です。

市民一人ひとりがこうした知識と適切な食生活・運動習慣・受療行動を保持するよ

う努力し、地域保健や産業保健、医療関係者などが、それを支えるよう支援する仕組

みが必要です。

2 基本的な考え方

(1)一次予防 「糖尿病の発症予防」

糖尿病の発症には、遺伝的要因と環境要因(生活習慣)が関与しています。血

縁者に糖尿病患者がいる人は、ハイリスク者であり、糖尿病の予防と早期発見に

向け、特に注意が必要です。

糖尿病の予防には、できるだけ、栄養バランスの良い適量の食事を一日3回規

則正しく摂り、適度な運動と休養を確保し、適正な体重を維持することが肝要で

す。

(2)二次予防 「糖尿病の早期発見・早期治療」

糖尿病は、重症にならない限り自覚症状はほとんどないため、早期発見のため

には、定期的な健診の受診が必要です。そして健診で異常が認められた場合には、

精密検査などを的確に受診し、必要な医療や保健指導を受ける必要があります。

2 糖尿病

糖尿病の予防

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(3)三次予防 「糖尿病の合併症予防」

糖尿病の合併症には、主に細小血管症(腎症、網膜症、神経障害)と大血管症

(冠動脈疾患、脳血管疾患、下肢閉塞性動脈硬化など)があります。糖尿病性腎

症は新規透析導入の原因疾患であり、糖尿病性網膜症は成人の失明の原因疾患で

す。大血管症は、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こし、生命を脅かすとともに重

大な障害を残すことが多い疾患です。下肢閉塞性動脈硬化は歩行障害や足の壊疽

などを引き起こし、下肢の切断が必要になる場合もあります。また、糖尿病その

ものが、著しい高血糖などを引き起こし、意識消失や生命を脅かす場合もありま

す。 糖尿病は、このような重大な事態に陥るまで自覚症状がほとんどないため

に、過食や運動不足が解消されないまま、定期的な受診や服薬などが中断される

ことが多くあります。糖尿病の病態・怖さが社会で十分に周知されるとともに、

医療機関でも十分に説明される必要があります。

糖尿病の療養では、血糖のコントロールを中心に合併症に関する定期的な検査

と治療などが必要です。また、糖尿病が歯周疾患を重症化させ歯周疾患が糖尿病

を重症化させるという、糖尿病と歯周疾患の悪循環が起こるため、医科と歯科の

連携が必要です。糖尿病患者が、適切に医療と保健指導を受けられるよう、かか

りつけ医を中心として専門医療機関などとの連携が図られ、専門医療機関等にお

いては、医師や看護師、管理栄養士などによるチーム医療が提供される必要があ

ります。

3 現状と課題

(1)糖尿病の知識と予備意識の向上

平成24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、医療機

関や健診で「糖尿病」と言われたことがある人の割合は、男性が女性よりも高く

なっています。また、当市の自立支援医療(更生医療)申請状況からも人工透析

の申請者数は年々増加傾向にあり、毎年10人前後の新規透析患者があります。こ

の実態からも、益々、糖尿病及び合併症への正しい知識の普及や生活習慣病の重

症化予防への取り組みが重要です。

また、肥満は、糖尿病を発症、増悪させるリスクファクターの一つです。同調

査によると、肥満者(BMI25以上)の割合は、男性が約3割、女性の約2割で

あり、特に男性の40歳・50歳代以上の肥満者は、20歳・30歳代と比べて2倍程度

多くなっています。肥満が血糖コントロールを悪くすることから、生活習慣の中

での食生活や運動習慣への支援が必要です。

メタボリックシンドロームの概念とその予防、悪化防止について普及啓発し、

若年期から良い生活習慣と適正体重の維持が定着されるとともに、これに該当す

る人やその予備群を早期に発見して、生活習慣の改善に向けた取り組みを進める

必要があります。

市が行う特定健康診査におけるメタボリックシンドローム該当者及び予備群は、

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17

男性は女性より約3倍多く、増加傾向が続いています。そのため、受診者自身が

検診結果を十分理解し、自らが生活習慣を改善できるように振り返り実践できる

よう支援することが必要です。

(図11)性別治療中の病気

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図12)人工透析申請者数

(出典:高梁市更生医療申請状況)

※統計の基準日は毎年7月1日の申請数による

3.2

20.2

3.7

1.1

12.8

2.1

6.9

6.9

1.6

2.7

0.5

2.6

9.8

0.9

0.0

8.1

2.6

5.5

5.1

2.1

1.7

0.4

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

がん

高血圧

心臓病

脳血管疾患

糖尿病

精神疾患

膝痛・腰痛

歯科疾患

眼科疾患

泌尿器疾患

腎臓疾患 男性 女性

%

70 75 77

80

9 11 13 12

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

H22 H23 H24 H25

人工透析申請者数(更正医療申請より)

申請者数(人)

新規申請数(人)

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(図13)性・年齢別BMIの分布

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図14)肥満と血糖管理の関与

(出典:平成23年度 国民健康保険統計と特定健診)

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

痩せ 普通 過体重 軽度肥満 肥満

男性 女性

糖尿病で治療しても HbAlc が 6.1以上になりやすい

日本肥満学会による

痩せ(低体重)BMI18.5未満

普通(普通体重)BMI18.5以上~25.0未満

過体重(肥満Ⅰ度)BMI25.0以上 30.0未満

軽度肥満(肥満Ⅱ度)BMI30.0以上 35.0未満

肥満(肥満Ⅲ度)BMI35.0以上 40.0未満

※メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)該当者数

内臓脂肪の蓄積(次の1に該当)に加え、次の2~4までの2つ以上に該当する者の数

1)内臓脂肪蓄積:腹囲が男性で 85cm以上、女性で 90cm以上

2)血中脂質:中性脂肪 150mg/dl以上 かつ/または HDLコレステロール 40mg/dl未満

かつ/または 高トリグリセライド血症に対する薬剤治療あるいは低 HDL コレステロー

ル血症に対する薬剤治療

3)血圧:収縮期血圧 130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧 85mmHg以上 かつ/また

は 高血圧に対する薬剤治療

4)血糖:空腹時血糖 100mmHg/dl以上 かつ/または ヘモグロビン A1c5.6%以上 かつ/

または 糖尿病に対する薬剤治療

※メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予備群者数

内臓脂肪の蓄積(上の1に該当)に加え、次の2~4までの1つに該当する者の数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 計

20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 計

20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 計

全体

BMI ~18.5 BMI 18.5~22 BMI 22~25 BMI 25~

女性

男性

全体

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(図15-1)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の割合

(図15-2)平成23年度特定健康診査メタボリックシンドローム該当者及び予備群

(高梁市・男女別)

(出典:平成24年度 高梁市保健事業報告)

(2)生活習慣の改善

糖尿病は、代表的な生活習慣病で、その発症と増悪は、栄養・食生活や運動習

慣、飲酒、休養などが大きな要因です。これらの現状と課題については、第4章

に記述します。

28.0

12.1

22.2

12.0

23.4

12.0

0.0

14.1

22.7

14.2

27.9

14.5

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

高梁市 岡山県 高梁市 岡山県 高梁市 岡山県

H21 H22 H23

予備群 該当者 %

男性 女性

予備群 21.0 7.3

該当者 17.0 6.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0 %

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(3)特定健康診査及び保健指導の実施率

本市における平成24年度の特定健康診査の実施率(受診率)は男性20.0%、女

性24.5%であり、特定保健指導の実施率(終了率)は23.9%と岡山県より低い状

況にあり、実施率向上に向けたさらなる取り組みが必要です。また市民が、適切

に特定健康診査を受診し、必要な特定保健指導を受け、高血圧や脂質異常、高血

糖等を早期に発見し、必要な生活習慣の改善や医療機関の受診などを適切に行う

ことが必要で、これを促進する必要があります。

平成24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、この一

年間で特定健康診査を受けたことがある人の割合は5割程度であり、未受診理由

としては、「日程が合わない」「受診する時間がない」が多くなっています。そのた

め、市民が健診を受けることの意義を実感し、積極的な受診行動に結びつくよう、

さらなる自らの生活習慣への振り返りと検診の大切さの普及啓発が必要です。

(図16) 特定健康診査実施率(受診率)

(出典:平成24年度 高梁市保健事業報告)

(図17)特定保健指導実施率(終了率)

(出典:平成24年度 高梁市保健事業報告)

31.7 26.8

11.8

23.9

0

10

20

30

40

H21 H22 H23 H24

%

19.8 19.3 19.9 20

24.8 23.6 24.5 24.5

0

10

20

30

40

50

H21 H22 H23 H24

女性 男性 %

27.8 26.9 27.329.7

20.321.5 20.8 21.3

0

10

20

30

40

H21 H22 H23 H24

男性 女性%

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21

(図18)健診受診状況

(出典:平成24年度 健康づくりに関する意識・生活調査報告)

4 施策の方向

当項目では、後に記述する脳血管疾患・心疾患等を糖尿病とともに代表的な生活習

慣病と捉え、それらの疾患を包括します。

(1)知識の普及と予防意識の向上

○ 生活習慣病の発症予防のための生活習慣の改善や早期発見・早期治療の重

要性などについて、健康づくりボランティアや関係団体、吉備ケーブルテ

レビ等マスメディアと連携・協力しながら、効果的な普及啓発を実施する

ことで、行動変容を促します。

○ メタボリックシンドロームに関する正しい知識や健診受診を促す普及啓発

に引き続き取り組むとともに、休日健診やがん検診との同時実施(総合健

診)など、市民が受診しやすい環境づくりを医療機関等の連携のもとに進

めます。

○ 医師会と連携し、受診しやすい健診体制の整備を図ります。

(2)ハイリスク者の早期発見と発症予防

○ 特定保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して体の変化に気づき、

自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するための行動目標を設定す

るとともに、自らが実践できるよう支援します。

○ それにより、対象者が自分の健康に関するセルフケア(自己管理)を行う

ことを可能にし、新たな発症予防に努めます。特に男性に対して、若年期

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

いずれかを受けた

特定健診

胃がん

肺がん

大腸がん

乳がん

前立腺がん

子宮がん

その他

市の個別検診

国保人間ドック

個人的に人間ドック

農協検診

職場の検診 男性 女性

%

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22

からの適切な生活習慣と適正体重の維持が定着できるよう、きめ細かな指

導を実施します。

(3)糖尿病有病者を減少させる取り組みの実施

○ 医師会の協力を得て、重症化、合併症の予防対策を推進します。

○ 特定健康診査の要医療者に対し、精密検査票を交付し、受診行動につなが

るよう勧奨します。

○ 適正体重の維持のため、食事・運動についての正しい知識の普及啓発に努

めます。

○ 毎月、広報紙で旬の食材を利用した献立の掲載を行う等の情報提供を継続

して行います。

(4)職域との連携による健康問題の改善の支援

○ 職域との連携により、事業所と協力して健康問題の改善の支援をしていき

ます。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 糖尿病に関する知識の普及と個人の予防意識の向上

①BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 15.0%以下

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

②日常生活における歩数の増加

男性 5,860歩 5,775歩 8,500歩以上 7,500歩以上

女性 6,464歩 5,815歩 9,000歩以上 8,000歩以上

③栄養バランスを考えて食事する

人の割合 71.0% 71.4% 70.0%以上 75.0%以上

2 健康診断を受ける人の増加

①特定健康診査 受診率の向上 22.1% 47.0% 50.0% 60.0%以上

②特定保健指導利用率(終了者)

の増加 23.0% - - 45.0%

※国・県の目標値を目安に、現在値から目標設定を行いました。

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1 はじめに

脳血管疾患と心疾患は、がんや肺炎と並ぶ主要死因であり、直ちに死に至らなくて

も重大な後遺症により、要介護状態に陥り、著しい生活の質の低下をもたらす場合も

少なくありません。

脳血管疾患や心疾患の主な危険因子は、高血圧、脂質異常、喫煙、糖尿病の4つで

す。脳血管疾患や心疾患を予防し、また、その再発や悪化を防ぐためには、これら危

険因子の予防または改善に向けて、生活習慣を改善するとともに必要な医療を受ける

必要があります。また、禁煙も必要です。

本項では、主に高血圧、脂質異常等について記述し、喫煙と糖尿病については、別

の項で記述します。

2 基本的な考え方

(1)一次予防 「高血圧、脂質異常の予防」

厚生労働省の循環器疾患基礎調査(NIPPON DATA;National Integrated Project

for Prospective Observation of Non-communicable Disease And its Trends in

the Aged)では、血圧区分が上がるにつれ、脳卒中、総循環器疾患死亡及び総死

亡危険度が高くなることや、若年者から高齢者に至るまで、血圧値の低い方が、

その後の循環器疾患死亡危険度が低いことが明らかとなっています。

高血圧、脂質異常の出現は、遺伝的要因と環境要因(生活習慣)が関与してお

り、血縁者にこれらの該当者がいる人はハイリスク者であり、その予防と早期発

見に向け、特に注意が必要です。

また、その予防には、できるだけ、栄養バランスの良い適量の食事を一日3回

規則正しく摂り、適度な運動と休養を確保し、適正な体重を維持することが肝要

です。

(2)二次予防 「高血圧、脂質異常、メタボリックシンドロームの早期発見・早期治療」

高血圧、脂質異常は、自覚症状がほとんどないため、早期発見のためには、定

期的な検診の受診が必要です。そして異常が認められた場合には、必要な保健指

導や医療を的確に受け、生活習慣改善への取り組みや服薬等が必要です。これら

の取り組みが、脳血管疾患や心疾患等の重篤な循環器疾患の発症を防ぐことにつ

ながります。

3 脳血管疾患・心疾患等

脳血管疾患・心疾患の予防

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24

(3)三次予防「脳血管疾患・心疾患発症時の対応」

脳血管疾患や心疾患が発症した際には、適切に救急搬送され専門医療を受け、

必要なリハビリテーションや再発防止に向けた医療を適切に受ける必要がありま

す。再発の防止には、適切に受療を継続するとともに、生活習慣の改善が重要で

す。

3 現状と課題

(1)高梁市の循環器疾患(脳卒中、心疾患)の医療費の状況

高梁市の標準化受療比について、脳卒中の受療比は男女ともに低下しています

が、平成20年からの3年間平均では男性はまだ高い傾向を示しています。

虚血性心疾患の受療比は、男性は低い値で推移していますが、女性はやや高く

なっています。

脳卒中で治療中の人の割合を年代別にみると、男性が女性よりも治療中は多く、

年齢が高くなるにつれて、その割合も増加しています。40歳代より治療中の人も

いることから、若年者からの適切な生活習慣の知識の普及と脳卒中の発症予防や

発症を遅らせるための高血圧対策は重要なため、高血圧対策を推進する必要があ

ります。

(図19)高梁市の生活習慣病の受療比の比較(県を基準に)

(出典:平成 23年度 岡山県と高梁地域の健康情報より抜粋)

※受療比:国保加入者の年齢構成が高齢者にシフトすると生活習慣病で治療を受ける人が増加するの

で、その影響を少なくするために、県の国保加入者を基準にして計算。上向きは多い、下

向きは少ないことを意味する。

-20

0

20

40

60

脳卒中 虚血性 高血圧 糖尿病

H17〜19年

平成20〜22年

高梁市:女性の受療比 県:0

・脳卒中で治療中の人は著しく改善 -15

-10

-5

0

5

10

15

脳卒中 虚血性 高血圧 糖尿病

H17〜19年

平成20〜22年

高梁市:男性の受療比 県:0

・脳卒中で治療中の人は減少(改善)した

が、まだ不十分

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(図20)脳卒中治療者の3年間平均の推移(男女別)

(出典:平成23年度 岡山県と高梁市の健康情報より抜粋)

(図21)治療中の病気(再掲)

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(2)高血圧の状況

本市においては、生活の質の低下を招く脳卒中や虚血性心疾患については、生

活習慣病の受療比の比較から全体的には改善傾向を示していますが、高血圧や糖

尿病の受療比はなお低い傾向を示しており、脳卒中や虚血性心疾患予防の観点か

らは高血圧対策を引き続き実施していく必要があります。

また、高血圧治療者の割合は、意識調査の結果では男性で約2割、女性で約1

割であり、また、特定健康診査の受診者の2~3人に1人が高血圧症であること

から、若年層から高血圧予防対策に取り組む必要があります。

3.2

20.2

3.7

1.1

12.8

2.1

6.9

6.9

1.6

2.7

0.5

2.6

9.8

0.9

0.0

8.1

2.6

5.5

5.1

2.1

1.7

0.4

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

がん

高血圧

心臓病

脳血管疾患

糖尿病

精神疾患

膝痛・腰痛

歯科疾患

眼科疾患

泌尿器疾患

腎臓疾患 男性 女性

%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

40歳~ 45歳~ 50歳~ 55歳~ 60歳~ 65歳~ 70〜74歳

平成17〜19年 平成20〜22年

男性

0%

1%

2%

3%

4%

5%

40歳~ 45歳~ 50歳~ 55歳~ 60歳~ 65歳~ 70〜74歳

平成17〜19年 平成20〜22年

女性

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26

特定健康診査受診者のうち高血圧服薬者や高血圧未治療者は、男性が多いこと

から、男性への高血圧疾患の理解と知識の普及や生活習慣改善への支援が必要で

す。

さらに、食生活の知識の普及を図り、塩分を控えることや適切なカロリー摂取

や適正体重の管理など生活習慣の改善に努めることは、さらなる疾病の発生や重

症化の予防につながることから、日常生活についての血圧管理は必要になってき

ます。

(図22)高血圧服薬者の割合(平成 21~24年特定健康診査結果)

(出典:平成21~24年度 高梁市保健事業報告)

(図23)高血圧未治療者の状況

(出典:平成23年度岡山県と高梁市の健康情報より抜粋)

27.8 26.9 27.3 29.7

20.3 21.5 20.8 21.3

0

10

20

30

40

H21 H22 H23 H24

男性 女性 %

0%

2%

4%

6%

8%

10%

40歳代 50歳代 60歳代 70〜74歳

県 高梁市

高血圧 未治療の男性

0%

2%

4%

6%

8%

10%

40歳代 50歳代 60歳代 70〜74歳

県 高梁市

高血圧 未治療の女性

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27

(3)塩分摂取の状況

平成24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、「塩辛

いものをよく食べる」と回答した割合は、男性で3割弱、女性で1割弱であり、

男性では年齢が上がるとともに増加しています。また、「惣菜の利用」について

は、若年者と男性に利用頻度が高い傾向があり、食生活の知識の普及を図り、減

塩や適正体重の維持など、さらなる疾病の連鎖や重症化予防に向けて血圧管理は

重要となっています。

(図24)塩辛いものを食べるか

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図25)調理済みのおかずを食べるか

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

あまり食べない 時々食べる よく食べる

男性

女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

ほとんど食べない 週に1日程度 週に2-3日 週に4-5日以上 毎日食べている

男性

女性

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(4)脂質異常症の状況

市の特定健康診査結果において、HDLコレステロール40mg/dl以下の人の割合

は、男性が高く、女性はやや低い傾向となっています。

しかし、LDLコレステロール160mg/dl以上の人の割合は、男女とも全国より

高く、男性は1.7倍、女性は2倍となっています。男性では若年層に、女性では年

齢が高くなると2割程度の脂質異常者があります。

これらのことや肥満者の増加など踏まえると、生活習慣の改善や適正体重の維

持、健診の重要性や必要な受診・服薬の継続等について、市民及び医療関係者等

に普及啓発することが、脳血管疾患や心疾患の予防や悪化の防止の観点から、重

要な課題と言えます。

(図26)HDLコレステロール40mg/dl以下の者の割合:40~74歳、服薬者を含む(平成20~24年特定健康診査結果)

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

(図27)LDLコレステロール 160mg/dl 以上の者の割合:40~74 歳、服薬者含む(平成 20~24 年特定健康診査結果)

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

23.1

20.2

12.8 11.5

13.9

8.5

22.8 23.0 22.1 22.2

0

5

10

15

20

25

40~49 50~59 60~69 70~74 総数

男性 女性 %

12.5

9.4

8.2 8.2 8.6

5.5

1.5 1.5

2.6 2.0

0

2

4

6

8

10

12

14

40~49 50~59 60~69 70~74 総数

男性 女性 %

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29

4 施策の方向

(1)知識の普及と予防意識の向上に努めます。

○ 生活習慣病の発症予防のための生活習慣の改善や早期発見・早期治療の重

要性などについて、健康づくりボランティアや関係団体、マスコミなどと

連携・協力しながら、効果的な普及啓発を実施することで、行動変容を促

します。

○ メタボリックシンドロームに関する正しい知識や健診受診を促す普及啓発

に引き続き取り組むとともに、休日健診やがん検診との同時実施(総合健

診)など、市民が受診しやすい環境づくりを医療機関等の連携のもとに進

めます。

○ 医師会と連携し、受診しやすい健診体制の整備を図ります。

(2)ハイリスク者の早期発見と発症予防に努めます。

○ 特定保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して体の変化に気づき、

自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するための行動目標を設定す

るとともに、自らが実践できるよう支援します。

○ それにより、対象者が自分の健康に関するセルフケア(自己管理)を行う

ことを可能にし、新たな発症予防に努めます。特に男性に対して、若年期

からの良い生活習慣と適正体重の維持が定着できるよう、きめ細かな指導

を実施します

(3)脳卒中、心疾患有病者を減らすとともに重症化を予防しQOLの向上を支援し

ます。

○ 医師会と連携し、重症化、合併症の予防対策を推進します。

○ 生活習慣病の自己管理の徹底がはかれるよう支援していきます。

○ ミニデイサービス等の介護予防事業を充実します。

○ 毎月、広報紙で旬の食材を利用した献立等の掲載を行う等の情報提供を継

続して行います。

(4)職域との連携による健康問題の改善の支援

○ 職域との連携により、事業所と協力して健康問題の改善の支援をしていき

ます。

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5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 高血圧者の減少

①成人1日あたりの食塩摂取が 10g以上摂取者の減少

男性 29.0% 33.3% 30.0%以下 25.0%

女性 17.0% 26.4% 25.0%以下 15.0%

②カリウム摂取量の増加 2,047mg 1,936.7mg 3,500.0mg 3,500.0mg

2 高脂血症者の減少

①BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 15.0%以下

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

②運動習慣のある人の増加(週2日以上)

男性 32.6% - - 40.6%

女性 35.5% - - 46.5%

③食物繊維摂取量の増加

男性 12.8g 9.6g 20.0g以上 20.0g以上

女性 14.3g 11.1g 20.0g以上 20.0g以上

※県の目標値との整合性を持たせ、現在値と比較し目標を設定しました。

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31

1 はじめに

人の体は食べた物から作られ、また、美味しく楽しく食べることは、生きる喜びの

要素の一つであり、栄養・食生活は健康の保持増進の基礎と言えます。

また、食育とは、いろいろな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択し、実践

し、健全な食生活を送ることができる人づくりであり、栄養に関する教育、こころの

問題、農林漁業への理解、支援、食文化の伝承や一人ひとりの生活環境など幅広い分

野に関わります。

その推進のためには、家庭、就学前教育保育施設・学校、地域その他の場所におい

て、「食」について考える機会をつくり、環境を整備することが必要です。

現在、飽食の時代と言われるようになり、男性ではメタボリックシンドロームのリ

スク要因となる肥満が問題となる一方、若い女性では骨量の減少や低出生体重児出産

のリスクとなるやせなどが問題となっています。

さらに高齢者では食欲の減退が要因となる低栄養が問題となっています。

こうした食育におけるさまざまな問題や課題を解決するには、市民一人ひとりの共

通理解と積極的な取り組みが必要であるため、第2次高梁市すこやかプラン21を食

育基本法に基づいた本市における食育推進計画を包含したものと位置づけ、食育を推

進していきます。

2 基本的な考え方

メタボリックシンドローム、がん等を予防するためには栄養のバランスのとれた適

量の食事を規則正しく摂ることが重要です。これらの原因となる肥満を予防するため

には個人が食事、運動等で自らの健康を維持していくことが必要です。

また、家族が揃って食卓を囲む習慣が失われつつあり、「孤食」などが問題となっ

ていますが、幼少期や学童期に家族が揃って食事をする習慣は、生涯の健康や人格形

成につながることから重要です。

高齢者では、精神的、身体的機能の低下による食欲の減退に伴う低栄養や脱水の問

題も考えられます。

こうした問題は単に食事の問題だけでなく、地域における交通体系などの社会環境

や食環境等が大きく関与しているため、総合的な支援が必要になります。

第4章 生活習慣の改善

1 栄養・食生活

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32

3 現状と課題

(1)朝食の摂取

平成 24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、成人で

は朝食を「毎日食べる」人は全体で 83.1%と前回より高くなっています。

今後も、市では健康的な食生活習慣を定着させるために、朝食を毎日食べるこ

とを栄養委員等と連携を図り推進します。

また、児童、生徒アンケート調査では、朝食は9割近くが毎日摂取しています。

しかし、学年が大きくなるにつれて朝食を食べない児童が増える傾向があり、少

数ではありますが、食事だけでなく生活全般への課題もあり、今後とも学校を含

めた地域ぐるみの連携が重要になってきます。

幼児期、学童期から朝食を通じてバランスの良い食事と規則正しい生活リズム

を身につけ青年期にも継続されるよう栄養委員等と連携を図りながら進めていく

ことが必要です。

(図28-1)朝食を食べるか(一般成人)

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

毎日食べる 週4~5日食べる 週2~3日食べる

男性 女性

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(図28-2)朝食を毎日食べるか(幼児期・学童期)

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告<児童・生徒>)

(2)適正体重

児童、生徒の肥満の分布は、低体重が4%、肥満 9.5%みられます。男女別で

は、肥満者の割合は小学校では男子に多くみられます。

(図29)児童・生徒の肥満度分布

(出典:平成 24年度 高梁市生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

小2

小5

中2

毎日 週4~5日 週2~3日 ほとんど食べない

男性

女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

小2

小5

中2

-20%未満 -20~-10% -10~0% 0~+10% +10~+20% +20%以上

男性

女性

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34

(図30)市民のBMI分布(性、年齢別)

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(3)家族との食事

平成 24年に実施した高梁市生活習慣に関するアンケートによると、朝食が「楽

しい」と回答した人の割合は半数を下回っています。特に中2の女子が極めて低

く、「楽しくない」は小2・中2に多くみられます。

同調査によると、家族との食事については、「家族と一緒に食べる」が3分の2

程度となっています。「時々ひとりで」「ひとりで」を合わせると全体で 16%にな

り、特に中2に多くみられます。全国的にも「孤食」の子どもが増えています。

「共食」は家族の絆を強め、子どもが健康な人生を送るための基礎となる生活

習慣や行儀作法を身につける貴重な機会です。また共食の頻度と児童の肥満との

関連も指摘されています。

※参考 食を通じた子どもの健全育成の目標(厚生労働省児童家庭局 16.2月)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

全体

BMI ~18.5 BMI 18.5~22 BMI 22~25 BMI 25~

男性

女性

全体

食事のリズムがもてる

食事を味わって

食べる

一緒に食べたい

人がいる

楽しく食べる

子どもに

楽しく食べる

子どもに

食生活や健康に

主体的に関わる

健康づくりや

準備に関わる

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35

(図31)朝食が楽しいか

(出典:平成 24年度 高梁市生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

(図32)家族との食事について

(出典:平成 24年度 高梁市生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

(4)自分に適切な食事内容

栄養のバランスを考えて食事をする人は、どの年代においても女性の方が高く

なっています。その中でも 30 代女性が最も高く、20~30 代の男性が特に低いこ

とが伺えます。また、腹いっぱい食べる傾向が「ある」の回答割合は低いですが、

「少しある」と答えた人がかなり多くなっており、一人ひとりが自分の身長・体

重、運動強度にあった適切な量の食事をバランスよく摂るための知識を習得する

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

小2

小5

中2

楽しい どちらとも言えない 楽しくない

男性

女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

小2

小5

中2

家族で食べている 時々家族と食べる 時々ひとりで食べる ひとりで食べる

男性

女性

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36

必要があります。

(図33)栄養のバランスを考えているか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

%

男性

女性

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37

(図34)腹いっぱい食べる傾向があるか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(5)食事調査の結果

食事調査の結果では、20代~30代では男女ともエネルギーの摂取量が低い結果

が出ています。栄養素別の充足率をみると、たんぱく質の充足率が一番高いこと

から、主菜は摂取率が高いことがわかります。

また、カリウム、食物繊維の充足率はかなり低く、副菜(野菜を中心としたお

かず)が不足していることがわかります。

今後も、毎日朝ごはんを食べる人を 100%にすることを目標にかかげ、主食、

主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事を摂る習慣を身につけられるよう普及啓

発していきます。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

まったくない 少しある ある

男性

女性

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38

(図35)栄養素別充足割合

(出典:平成 24 年度 食事調査)

(図36)エネルギー充足割合

(出典:平成 24 年度 食事調査)

7.3

68.8

27.5

13.8

1.8

8.3

2.8

7.3

32.1

11.9

11.9

26.6

4.6

10.8

56.9

37.7

16.8

5.4

15.6

1.2

50.5

28.7

17.4

22.2

30.5

4.2

0 10 20 30 40 50 60 70 80

エネルギー

たんぱく質

脂質

炭水化物

カリウム

カルシウム

レチノール当量

ビタミンD

ビタミンB1

ビタミンB2

ビタミンC

食物繊維

男性

女性

%

0.0

10.8 8.1 0.0

14.3 7.3 10.0 8.7

16.0 14.3 8.3 10.8

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 全体

男性 女性 %

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39

(図37)年代別PFCバランス

(出典:平成 24 年度 食事調査)

理想的なPFCバランス(Pたんぱく質 12~13%・F脂質 20~30%・C炭水化

物 57~68%)と比較すると、男女ともたんぱく質の摂取が多い結果が出ています。

また、30代の男女に脂質の摂取量が多くみられます。

(6)栄養成分表示

平成 24年度に実施した高梁市健康づくりに関する意識・生活調査では、栄養成

分表示等を参考にする人は、「いつもしている」「時々している」という人は女性

に多く、「あまりしていない」「ほとんどしていない」という人は男性に多くみら

れます。

また、栄養成分表示をした店舗の増加に関しては、平成 15年度から実施し年々

増加しています。現在、栄養士会高梁支部の協力のもと 47店舗となっています。

今後も市内の飲食店に働きかけ、店舗の増加を図ります。

栄養成分表示等を参考にするかという質問に対しては、「している」という人

は女性に多く、中でも 40代~60代に多くみられています。

0 10 20 30 40 50 60 70

Pたんぱく質

(%)

F脂質(%)

C炭水化物

(%)

20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 平均

P(たんぱく質)

F(脂質)

C(炭水化物)

%

男性

女性

女性

女性

男性

男性

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40

(図38)栄養成分表示等を参考にするか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

4 施策の方向

食育推進における重要な視点

食育は幅広い問題について取り上げるため、市民一人ひとりの共通理解と積極

的な取り組みが必要です。

地産地消の推進、地域食材を生かした魅力ある食生活や地域の伝統料理、食文

化の継承等、地域の特色を生かした活動を家庭、学校、各種ボランティアと協働

で食育を推進していきます。

(出典:岡山県食育推進計画)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

いつもしている 時々している あまりしていない ほとんどしていない

男性

女性

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41

(1) 食育の推進を図ります

1)各主体が実践する食育の推進

食育実践の基本は家庭ですが、家庭での食育の機能を高めるため、食育につい

て、家庭と就学前教育保育施設、学校、地域やボランティア、企業等との協働に

より、あらゆる場所、あらゆる機会を通じ、行政や関係機関の多様な連携により、

市民自らが積極的に取り組めるよう社会全体で支援することが必要です。

① 家庭における食育の推進を図ります。

すべての食の基本となるのは、何より家庭です。「食べること」、「眠ること」、

「遊ぶこと」、「働くこと」等の生活習慣を身につけ、これらについて価値観を築

く一番身近な単位です。家庭における食育を推進するためには、多様な家庭環境

のもと、家庭の力を信頼し、家庭を基盤として育まれる食の在り方に注目し、長

い目で家庭を支援していくことが大切です。

近年、問題として取り上げられている「欠食」、「孤食」、「偏食」等の食習慣の

乱れが生活習慣病の若年化の要因の一つとなるため、子どもの健やかな身体の形

成、口腔機能の発達、育成のためにも栄養に関する知識の 普及を図ることが大

切になってきます。

また、食事は単に栄養を摂るだけでなく「いつ」「どこで」「だれと」「どのよう

に」食べるのかということも大切であり、家族のふれあいも含め、子どものここ

ろの健やかな成長にも大きな影響を及ぼしています。

特に朝食を摂ることは重要で、体にエネルギーを補給し、集中力ややる気、体

力を発揮し持続させ、一日の身体リズムを整えます。朝食をしっかり摂る習慣を

身につけさせることは生涯を通じて健康的な生活を送る基礎を培うことにもつな

がります。そして、家族一緒に食事をすることによって家族のふれあい、マナー

など社会性を深めることにもつながります。

市では、食育において家庭が重要な役割を担っているという認識の下で、教育

関係者やボランティア等と連携して、家族で参加する料理教室その他の食を楽し

みながら食に関する理解を深める機会の提供をすることなどにより、市民の健全

な食習慣が確立されるよう努めます。

○ 子どもの保護者や子ども自身の食に関する関心を高め、あらゆる機会を通

じ、乳幼児期から適切な食生活や食を選択する力及び食の大切さを理解で

きる力を育てるような取り組みをすすめます。

○ 市民全体が毎日朝食を摂るという目標を達成するため、家庭、地域、学校

が一体となって、基本的生活習慣の獲得や栄養に関する知識の普及啓発に

努めます。

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42

② 学校における食育の推進を図ります。

健康でいきいきと暮らしていくためには、子どものときから食べることの意味

を理解し、正しい食生活を送ることができる力を育てること、言い換えれば「食

のセンス」を養うことが重要です。地元で採れた野菜の処理の方法、旬の野菜を

美味しく食べるための工夫などを体験できる場を提供していくよう努めます。

○ 朝ごはんを毎日食べることを目標とするとともに、生活リズムを整えるこ

との大切さを理解してもらうよう家庭と連携し推進を図ります。

○ 生涯にわたって健康でいきいきと生活を送ることを目指し、児童一人ひと

りが正しい食事のあり方や望ましい食習慣を身につけ、食事を通して、自

らの健康管理ができることを目標とします。

③ 就学前教育保育施設における食育の推進を図ります。

生活習慣病を予防する上では、子どもの時からの食生活が重要であることから、

ライフステージごとの栄養・食生活の課題を踏まえた取り組みを効果的に展開す

る必要があります。そのためには、望ましい生活リズムに基づき、「三食きちんと

食べること」、「バランスを考えることができるようにする働きかけを行うこと」、

「楽しい食事をすること」等により、正しい食習慣を身につけ、身についた食習

慣に基づき豊かな食生活を実践することが大切です。

○ 一日の生活の大半を過ごす保育所においては、食を中心とした生活リズム

を身につけることを目標とし、楽しく食べる子どもに成長するよう支援し

ます。

○ 給食を通じた食育を推進するため、保育士、管理栄養士等の研修を行い資

質向上を図ります。

○ 地域の子育て支援の中核的な役割を担う位置づけから、食育推進の核の一

つとなるよう取り組みを進めます

④ 地域における食育の推進

子どものときから、自ら健全な食習慣と食を選択する力を身に付けることがで

きるよう、農林漁業者等、ボランティア等と連携して、給食における地産地消の

推進食に関する様々な体験学習を行うこと等により、食育の推進に努めます。

○ 栄養委員等、地域におけるボランティア、農林漁業者の協力を得ながら、

各種の食育に関する活動、調査、啓発等を進めていきます。

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43

2)各種教室の充実と適切な情報提供

① 健康教室を開催します。

食生活改善のため、地域での食生活講習会、健康教室に参加者を募り開催して

いますが、今後も新規参加者を増やし事業の継続を図るとともに、参加者の公募

の方法を検討していきます。

○ メタボリックシンドロームに該当する人を減少させるため、特定保健指導

の教室への参加を促し、食事、運動に関するプログラムを通じて適正体重

を維持できるよう支援します。

○ 乳幼児は健診や各種教室、高齢者は健診やミニデイサービス等で、ライフ

スタイルに応じた栄養指導を継続的に行うとともに、栄養指導が希薄な少

年期、青壮年期、中年期に向けての事業として食育講座等を開催します。

○ 若い女性の健診やレディース教室など女性の健康づくりを推進します

○ 高齢者は、ミニデイサービスや介護予防教室などで低栄養・脱水等につい

て普及啓発を行います。

② 個別栄養指導の充実を図ります。

個別栄養指導を実施することは、市民にとって「何がどう影響するか」「どう改

善すべきか」を知る契機となっています。食環境は個人によって多種多様であり

今後も長期的な視点をもって事業を実施していきます。

○ 栄養指導について、個人の生活習慣・環境に合わせたきめ細やかな指導が

必要で、それに対応した個別栄養相談を充実します。

③ 適切な情報提供を行います。

○ 主食、主菜、副菜を適切に組み合わせ、栄養のバランスに配慮した食事を

普及するために食事バランスガイドを活用します。また、食品の安全性に

ついても広報紙、ホームページ等を活用し市民に情報提供を行います。

○ 食育について、家庭と就学前教育保育施設、学校、地域やボランティア、

企業等との協働により、あらゆる場所、あらゆる機会を通じ、行政や関係

機関の多様な連携により、市民自らが積極的に取り組めるよう支援してい

きます。

3)BMI25以上の人の減少

肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防には適正体重の維持が極めて重要である

ことからバランスの良い適量の食事(適正エネルギーの摂取)が必要です。

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○ 生活習慣病予防を推進するため、より一層、BMIの周知を図るとともに、

適正な食事と運動習慣獲得に向け、各種教室を開催するなど継続的な支援

を行います。

○ 定期的な体重測定により、適正体重を維持するよう普及啓発に努めます。

4)豊かで健康的な食習慣の定着

食は、各地域の伝統や気候風土と深く結び付き、その家庭、地域ならではの食

材や食の工夫による食習慣、食文化を生み出し、また、米を中心に、農産物、畜

産物から構成された栄養バランスに優れた日本型食生活を形づくってきました。

本市は、豊かな自然に恵まれ、山、川の幸の宝庫であり、各地域で独自の食文

化がはぐくまれてきました。しかし、単独の家庭・地域のみでは食文化の継承が

困難な状況にある中、三世代交流や中山間地域との交流等を通して食文化の継承

活動に取り組み、また、就学前教育保育施設、学校や食品関連事業者も新たな食

の継承の担い手となり、地域の食材、食文化、食の工夫を次世代の子どもや保護

者が体験しながら学ぶ場が必要です。近年、地産地消やスローフードの動きの中、

地域の産物を活用した新しい料理や加工食品の開発に取り組むなど新たな食文化

も芽生えています。

① 魅力あふれる食文化を継承します。

○ 地域の直売所や青空市等からの情報提供など地域の食材を生かした魅力あ

る食生活や地域の伝統的料理・食文化の継承、日本型食生活の優れた面の

普及啓発を図ります。

② 栄養成分表示をした店舗の増加を図ります。

○ 外食を利用する機会が増加する中、適切な食事が選択できるよう栄養士会

の協力を得ながら飲食店に働きかけ、栄養成分表示店の増加を図ります。

③ 食品の安全性を確保します。

○ 食の安全・安心の確保及び効果的な食育の推進を図るため、市のホームペ

ージの活用など、積極的に食育に関する情報発信に努めます。

○ 食の安全・安心の確保に関する食育の推進を効果的に行うため、関係者相

互の情報及び意見の交換のための場づくりなど体制整備に努めます。

④ 地産地消の推進を図ります。

○ 地産地消を推進し、地域の食材を生かした日本型食生活の普及啓発、郷土

料理、伝統的食文化の継承等の推進を行います。

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○ 児童、生徒を対象に農業体験活動を通して、地域の生産者との交流を図り

ます。

○ 保護者を対象に食育講座を開催し、食や栄養、健康に関する知識の普及啓

発を図ります。

○ 三世代交流や中山間地域との交流等を通して食文化の継承活動に取り組

み、また、就学前教育保育施設、学校や食品関連事業者も新たな食の継承

の担い手となり、地域の食材、食文化、食の工夫を次世代の子どもや保護

者が体験しながら学ぶ場を提供していくよう努めます。

○ 地元の食材を使い食事を作ることで、食材や調理方法について学ぶととも

に、野菜摂取の増加を図ります。

5)組織の強化

① 食育推進のため、栄養委員の育成を行う栄養教室を定期的に開催します。また、

地域での活動を円滑に行うため、研修を行い組織の強化を図ります。

② 栄養委員が食育推進リーダーとして活動するため、市は栄養委員組織との連携

強化を図ります。

③ 食育推進検討委員会の設置

食育推進検討会議を開催し、各関係課との連携を強化します。

(出典:岡山県食の安全・食育推進計画)

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5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 児童生徒に対する目標

①児童生徒の肥満児の減少 9.5% 3.0% 減少 5.0%

②朝食を毎日食べる児童生徒の

増加 88.2% 92.5% 100.0% 100.0%

③食事は楽しいと感じる子ども

の増加 44.2% 43.4% 100.0% 100.0%

2 青年期に対する目標

①朝食を毎日食べる人の増加 68.8% 29.7% 90.0%以上 100.0%

②1日あたりの平均食塩摂取量 10g以上摂取者の減少

男性 34.0% 33.3% 30.0%以下 25.0%

女性 4.5% 26.4% 25.0%以下 3.0%

③鉄分摂取量の増加(女性) 6.7mg 6.0mg 12.0mg 以上 12.0mg

3 壮年期、中年期に対する目標

①BMIの意味を知っている人

の増加 56.5% 29.7% 100.0% 100.0%

②BMI25以上の人の割合の減少

男性 36.8% 21.2% 10.0%以下 10.0%以下

女性 13.7% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

③鉄分の摂取量の増加(女性) 6.7mg 6.0mg 12.0mg 以上 12.0mg以上

④朝食を毎日食べる人の増加 84.4% 69.0% 90.0%以上 100.0%

⑤栄養のバランスをいつも考え

て食事をする人の増加 70.2% 69.9% 70.0%以上 80.0%

⑥いつも腹いっぱい食べる人の

減少 28.0% 39.9% 10.0%以下 10.0%

⑦食事をよくかんで食べる人の

増加 13.2% 19.3% 70.0%以上 70.0%

⑧間食を3回以上食べる人の減

少 3.5% 5.0% 0.0% 0.0%

4 高齢者に対する目標

①栄養バランスを考えて食事す

る人の増加 76.7% 77.3% 80.0% 80.0%

追加

①栄養成分表示をする店舗の増加 47店舗 41店舗 50店舗 50店舗

※県の目標値との整合性を持たせ、現在値と比較し目標を設定しました。

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1 はじめに

本市においては、公共交通手段や運動設備等の資源に乏しく、通学・通勤なども自

家用車を利用するため、日常生活での身体活動の機会も少ない現状にあります。また、

高齢者においても、交通手段の問題から出かけられる場所が少なく遠方のため、同様

の傾向にあります。このような現状から、運動できる機会を提供し、身体活動や運動

への意識を高めることが必要です。

健康日本 21(第2次)によると、個人の身体活動・運動習慣の目標と社会の環境整

備の目標がともに達成されることが、壮年期死亡や高齢者の社会生活機能の低下の予

防、ひいては健康寿命の延伸につながるといわれています。また、身体活動・運動の

量が多い人は、不活発な人と比べて循環器疾患やがんなどのNCD(非感染性疾患・

生活習慣病)の発症リスクが低いことが実証されており、高齢者の認知機能や運動器

機能の低下とも関係することが明らかになってきています。

これらのことから、高齢になっても生きがいを持ち、心身ともに健やかに生活する

ためには、子どもの頃から運動習慣を身につけ、各年代に応じた身体活動・運動を実

施・継続していくことが重要です。

<参考>

「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費するすべての動き、

「運動」とは身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持、増進を目

標として計画的、意図的に行われるものと定義されています。(国民健康・栄養調査,2009)

2 基本的な考え方

ウォーキングは、子どもから高齢者まで誰でも手軽に実践でき、肥満や糖尿病など

の生活習慣予防につながるほか、身体面だけでなく精神面への良い働きもあることか

ら高齢者の介護予防にも効果的です。最近では、歩数計や活動量計の普及ならびに多

くの携帯電話に歩数計の機能が搭載されつつあることにより、日常的な測定・評価が

可能な客観的指標として用いられています。

また、生涯を通じて健やかな体とこころ、身体機能を維持していくためには、運動

習慣を身につけ、継続的に実践していくことが重要であることから、運動習慣者の割

合を指標とします。

こうした取り組みを推進するためには、運動を行うための機会や施設、設備等の資

源、地域の人材の活用、育成など社会環境の整備も必要です。

2 身体活動・運動

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3 現状と課題

(1)運動習慣の定着(日常生活における歩数の増加)

平成 24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」は、歩数計を持っ

ている比較的健康意識の高い方の調査結果ですが、日常生活における歩数は男性

5,860歩、女性 6,464 歩で、男女ともに目標値に達していませんでした。また、

前々回値、前回値と比較し、男女ともに減少するとともに、歩行を習慣化してい

る者の歩数も前回値より減少しています。全国や県と比較すると、女性はほぼ同

じでしたが、男性は約 1,500歩少ない現状にあります。

国は、1日あたりの歩数を約 1,500歩増加させることを目標に定めていること

から、今より 1,500 歩(15分)の歩行の増加を推進していくことが必要です。

また、5,000歩未満の者の割合は 9.3%と、目標値を達成しています。しかし、

歩数がわからない者が約7割を占めていることから、1日 5,000 歩歩く者はかな

り少ないことが推測されます。一方、歩数計をつける習慣のある者は、意識的に

歩こうとしている者が多い傾向にありました。

このことから、自分の歩数や活動量を知ることは、意識の向上につながるため、

目標値を周知し、歩数や活動量を測ることを推進することで、歩数の増加や運動

への認識を高めることが期待できます。

(図39)年代別の歩数の平均値

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(2)運動習慣者の割合の増加

運動習慣者の割合は、男性 32.6%、女性 35.5%で、男性は 40 歳代、女性は 60

歳代が最も多い割合を示しています。全国や県と比較すると、運動習慣者は、男

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

~5000歩 5000歩~ 10000歩~ わからない

男性

女性

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女ともに多い傾向にあります。しかし、男性よりも女性の方が運動習慣者の割合

が多い傾向は、全国や県と異なっており、特に、男性の運動習慣者の増加が必要

です。

また、週4~5日以上の運動をしている者は、男女ともに 15.0%であり 60歳代

が最も多い割合を示しています。

一方、運動をほとんどしていない者の割合は、男性 52.9%、女性 53.8%で、男

女ともに半数以上を占めました。特に、働き盛り世代が 60歳代に比べて多い傾向

にあることから、働き盛り世代に運動を推進することが必要です。

30分・週2回(週1時間)の運動習慣を有する者は、運動習慣のない者と比較

してNCD発症・死亡リスクが約 10%低く、週1時間の運動実施者の割合を現状

から 10%増加させると、国民全体のNCD発症・死亡リスクの約1%減少が期待

できると言われています。

このことから、各年代や年齢、各世代に適した運動習慣の定着に取り組む必要

があります。そのためには、休日の利用を推進し、他機関との連携により、親子

や3世代が一緒に運動できる環境を整備することも必要です。

(図40)運動習慣のある者の割合

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

<参考>

「運動習慣者」とは、「30分・週2回以上の運動を1年以上継続している者」(国民健康・

栄養調査)

○全国(「30分以上の運動を週2回以上1年継続」平成 22年国民健康・栄養調査)

20歳以上、男性 26.3%、女性 22.9%

○県(「30分以上の運動を週2回以上1年継続」平成 23年県民健康調査)

15歳以上、男性 31.5%、女性 23.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

週に4、5日以上 週に2~3日 週に1日 ほとんどしない

男性

女性

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運動不足を意識している者は、全体の約8割を占めており、特に、30~50歳代

の働き盛り世代において、60歳代より約2割も多く運動不足を意識していること

から、働き盛り世代の運動習慣が定着するよう促すことが必要です。

(図41)運動不足だと思う者の割合

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(3)高齢者の介護予防と環境整備

高齢者調査(保険課調べ)によると、65歳以上の高齢者(2,210人)のうち運

動機能支援該当者(運動機能向上プログラムが必要な者)は 28.3%(複数回答)

と高齢者の約3割が該当していることが示されています。性・年齢別にみた運動

機能支援該当者の出現率では、75歳以上、特に女性において急激に増加していま

す。

加齢に伴い運動器(骨、関節、筋肉など)の働きが衰え、その結果、自立度が

低下し、介護の危険性が高くなるロコモティブシンドローム(運動器症候群

(Locomotive syndrome))の予防が重要であると言われています。

市においても、高齢化や核家族化により、介護力の低下が見込まれ、今後、ま

すます介護の問題は深刻化することが予測されることから、高齢者が身体機能を

可能な限り維持できるよう適度な運動の実践を働きかけることが必要です。

介護予防の取り組みとして、ロコモティブシンドロームを予防するための運動

指導を行うため、健康運動指導士による体操指導を実施してきました。また、健

寿の里事業として、保健所・愛育委員が主体となり、ロコモティブシンドローム

予防のための4つの運動(ロコモ予防体操)を定着させるためのリーフレットを

全戸配付し、介護予防教室等で体操を推進してきました。

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

はい

%

男性

女性

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今後も、ミニデイサービスや運動教室などの高齢者の集まりを利用し、ロコモ

ティブシンドローム予防のためのロコモ予防体操を積極的に推進し、実施できる

環境を整備していくことが必要です。

(4)子どもから高齢者までの運動の推進と環境整備

小学2年生、5年生、中学2年生では、低体重が4%、肥満が 9.5%となって

おり、肥満者の割合は小学生では男子に多く、中学生では男女に差はありません

でした。全国の肥満傾向出現率と比べると、小学校5年生女子を除いたすべての

学年で全国よりも多い傾向にあります。

(図42)子どもの肥満者の割合

(出典:平成 24年度 高梁市生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

肥満の割合は、20~60 歳代では、男性の約3割・女性の約2割であり、特に、

40~50歳代の男性の3分の1、50歳代の女性の約3割となっています。

BMI25以上の者の割合は男性 10.0%以下、女性 7.0%以下を目標としていま

したが、男女ともに目標値に達していませんでした。男性の肥満者は、前回値や

県平均と比べて多く、女性の肥満者は、前回値や県平均と比べて少なくなってい

ます。男女ともに肥満者の減少が目標ですが、特に男性において対策が必要です。

肥満予防のためには、運動と食事の両面からの働きかけが重要であり、子ども

から高齢者まで楽しみながら、継続できる運動の推進が必要です。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

小2

小5

中2

-20%未満 -20~-10% -10~0% 0~+10% +10~+20% +20%以上

男性

女性

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(図43)成人の肥満者の割合

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

健康づくり講座等への参加について、「すでに参加している」は男性 2.7%、女

性 5.5%で、年齢別では、60歳代の参加が最も多く、次いで 30~40歳代が多い傾

向を示しています。「参加したい」と回答した割合は男性 23.4%、女性 28.3%で、

30歳代が最も多く、次いで 50~60歳代が多い傾向を示しました。働き盛り世代で

も、健康づくり講座等を希望していることがわかります。

そのため、運動習慣の少ない働き盛りの男性をターゲットとして、運動教室を

夜間に開催するなど、今後も、各世代・性別に合わせた健康づくり講座の提供を

行い、参加につなげることが必要です。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

全体

BMI ~18.5 BMI 18.5~22 BMI 22~25 BMI 25~

男性

女性

全体

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(図44)健康づくり講座等への参加割合

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

また、平成 24年度、健康増進施設朝霧温泉ゆららでの健康教室参加をきっかけ

にして、ゆらら休館後も地域での運動教室を自主開催され、継続した運動グルー

プが立ち上がっています。自主グループの数は、現在 12団体で、前回値の3団体

よりも大幅に増加しています。今後も自主グループの増加を目標に、自主活動の

支援や育成推進をしていくことが必要です。

4 施策の方向

(1)日常生活における運動習慣の定着を目指します。

○ 歩数の計測などの運動量がわかる簡単なツールの活用方法や情報を提供す

るとともに、既存のウォーキングマップを活用し運動を推進します。

○ 血圧や歩数などの測定を通して、自分で自分の健康管理ができるように推

進します。

○ 子どもから高齢者までのすべての年代に、身体活動・運動と生活習慣病と

の関係について、正しい知識の普及啓発に努めます。

○ 楽しみながら続けられるよう各世代、年齢や性別に合わせた運動の機会の

提供に努めます。

○ 高齢者には、下肢筋力のアップを図るため、ボランティアなどを通じてロ

コモ予防体操などの運動を推進していきます。

(2)運動習慣定着のための環境整備を行います。

○ 運動実践のための拠点施設として、公民館・集会所などの既存の施設の活

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

すでに参加している 参加したい 参加したくない わからない

男性

女性

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用を推進します。

○ 地区組織や他機関との協働により運動を推進します。

○ あらゆる機会を利用し、子どもから高齢者までのすべての年代が運動やス

ポーツを行える機会の増加に努めます。

○ 自主グループ活動の支援や育成を推進します。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 運動習慣の定着

①日常生活における歩数の増加

男性 5,860歩 5,775歩 8,500歩以上 7,500歩

女性 6,464歩 5,815歩 9,000歩以上 8,000歩

②日常生活における歩数測定者の割合

男性 - - - 35.0%

女性 - - - 40.0%

2 運動習慣者の割合の増加

①運動習慣者の増加

男性 32.6% - - 40.6%

女性 35.5% - - 46.5%

②ロコモ予防体操実施者の割合の増加

男性 - - - 28.3%

女性 - - - 28.3%

③BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 25.0%

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 10.0%

④運動実践自主グループの増加

運動実践自主グループ数(団体) 12 3 0 増加

※国・県の目標値を目安に、現在値から目標設定を行いました。

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55

1 はじめに

こころの健康は、身体状況や生活の質が大きく影響しています。そのため、休養や

十分な睡眠をとり、ストレスの管理をすることは、こころの健康を保つためにとても

重要です。

休養には、心身の疲労を回復する「休む」という側面と、人間性の育成や自己表現

を図る「養う」という側面があります。適切な休養をとることが生活のリズムを保ち、

健康の潜在能力を高め、健康を増進することにもつながります。

現代社会は、児童・思春期のこころの問題が社会問題化し、労働環境の変化や高齢

化の急速な進展に伴う疲労や不安の増大など、ストレスの時代と言われています。

そのような中、誰もが健康でその能力を発揮でき、うつ病をはじめとする精神疾患

の正しい理解と疾病の予防、偏見の解消、自殺者の減少を目指して、個人や地域での

ストレス対策やこころの健康づくりへの取り組みが求められています。

2 基本的な考え方

睡眠不足は、疲労感や集中力の低下をもたらし、適正な判断を鈍らせ、仕事のミス

や事故の原因になることがあります。また、肥満や高血圧、糖尿病の発症・悪化要因

で、心疾患・脳血管疾患を引き起こすほか、免疫力の低下から感染症にかかりやすく

なることも知られています。睡眠不足は、睡眠障害などのこころの病気の一症状とし

て現れることがあります。しかし、睡眠や休養を十分にとることで、これらの病気の

予防や再燃のリスクを低くすることができます。

ストレスについては、自分に適した休養方法を知り、上手に解消していくことが重

要です。趣味を楽しみ、運動を通じて仲間との交流を図り、心身をリラックスして元

気を養うことや、質の良い睡眠をとることが大切です。そして、気分の落ち込みや物

事への興味・関心の喪失があり、慢性的な不眠や頭痛・便秘などの身体症状を伴う場

合にも、ひとりで悩まず早めに家族・友人への相談や、専門の医療機関を受診するな

ど周囲のサポートを受けることが大切です。

3 現状と課題

(1)ストレスへの対応

悩みやストレスを感じることが「よくある」のは2割程度ですが、「ある」を加

えると4割程度となっています。

3 積極的な休養とストレスの解消の推進

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56

(図45-1)悩みやストレスを感じるか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

また、悩み・ストレスの解消では、「解消できていない」と「あまりできていな

い」を合わせると、全体では3分の1程度となっており、男女ともに 40 代、50

代にストレス解消ができていない人が多い傾向にありました。また、50代の男性

の約1割は、家族以外の人との会話が他の年代に比べて少ないという結果もでて

います。

(図45-2)悩みやストレスなどを解消できているか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

ほとんどない 時々ある ある よくある

男性

女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

できている ほぼできている あまりできていない できていない

男性

女性

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57

悩みやストレスの原因は多様で、人それぞれ感じ方が違います。こころの健康

を保つためには、早めにこころや身体のストレスのサインに気づき、自分に合っ

た方法でストレスを解消することが重要です。各年代において、ストレスと上手

に付き合い、気分転換や疲労の回復を図ることが課題となっています。

また、こころの悩みは、なかなか他人には相談しにくく、また自分自身では気

づきにくいため、早期の対応が困難な状態でした。そこで、平成 25年度、新たに

パソコンやスマートフォンなどから気軽にアクセスでき、自分自身のこころの状

態を知りことができ、早期に悩みを相談できる窓口を紹介することができるよう

にメンタルヘルスチェックシステム「こころの体温計」を導入しました。

(2)睡眠による休養

こころの健康を保つためには、十分な睡眠をとることが必要です。平成 24年に

実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、睡眠時間が6時間以

上とれている人の割合は 75%であり、男性では 30代、女性では 40代に6時間未

満が多くありました。また、全体では 6 割以上が「睡眠により休養が取れる」と

答えていますが、30代男性と、40代女性が低下していることが目立ち、睡眠時間

と休養との関連が大きく関与していると考えられます。睡眠は健康を維持するた

めに欠かせないものです。「睡眠は疲労回復の最後の砦※1」ととらえ、質の高い

睡眠をとってこころとからだをいきいきと保つことが大切です。

(引用 *1(財)労働科学研究所佐々木司グループ長による)

(図46-1)睡眠時間

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

9時間以上 8~9時間 7~8時間 6~7時間 6時間未満

男性

女性

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(図46-2)睡眠で休養がとれたと思うか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(3)自殺対策

全国では、平成 10年以降、14年連続で自殺者数が3万人を超えていましたが、

平成 24年は 15年ぶりに3万人を下回っています(平成 25年1月 17日警察庁「自

殺の概要資料」)。高梁市の自殺死亡者数は、平成 20 年の 20 人をピークに年間7

人前後で推移しています。自殺のその多くは過労や失業、貧困、疾病、孤独・孤

立などの精神的負担が過剰に重なり、うつ状態となって起こると言われています。

うつ状態の原因となる過剰なストレスは、社会・経済問題、家庭や地域での人間

関係の問題、健康問題など、様々な問題が絡み合っています。

市民一人ひとりが自殺を防ぐためには、そのサインやうつ病、アルコールの問

題など、自殺に関連する知識の普及啓発が必要です。また、各種相談機関の周知、

専門相談機関窓口との連携も必要です。

(図47)自殺者の推移

(出典:厚生労働省人口動態調査)

7 9 20 11

6 5

0

10

20

30

40

50

60

H18 H19 H20 H21 H22 H23

市自殺者総数 市人口10万人当たり 県人口10万人当たり 全国人口10万人当たり

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

取れる

%

男性

女性

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59

4 施策の方向

(1)知識の普及と相談体制の充実を図ります

○ 趣味やスポーツ、ボランティア活動等、個人に合ったストレス解消と十分

な睡眠・休養の重要性に関する市民への普及啓発を進めます。

○ うつ病をはじめとするこころの病気の初期症状についての理解を深め、誰

もがかかりうる病気であり、早期に医療機関に受診する必要があること、

また、周囲の理解や支援が回復に重要であることを啓発します。

○ 心の病における偏見をなくし、地域の精神衛生向上のための啓発活動に努

めます。

○ 自殺対策については、平成 25年度導入のメンタルヘルスチェックシステム

「こころの体温計」の活用を推進し、専門機関への早期の相談を促します。

(2)地域精神保健向上のための連絡体制を整備します

○ 愛育委員、民生委員等地域のボランティアと連携して、住民への声かけや

見守り活動を推進します。

○ こころの悩みを相談できる専門機関の周知に努め、また、医療機関や保健

所、相談支援事業所などこころの健康問題に関する相談機関との連携を強

化します。

○ こころの問題を抱えた人やその家族の自立を促進するために、患者家族会

の育成や自立支援協議会、NPOハピネスたかはし等との連携を強化する

とともに、地域の資源を活用した支援を進めます。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

①ストレスを解消できる人の増加 65.5% 49.9% 60.0%以上 増加

②睡眠によって休養が十分取れて

いない人の割合の減少 37.1% 21.3% 12.0%以下 25%以下

③自殺者の減少 6人※1 17人 減少 5人以下

※国・県の目標値を目安に、現在値から目標設定を行いました。

※1:2012年の自殺者数

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60

1 はじめに

「酒は百薬の長」といわれますが、「百薬の長」となるためには節度ある適度な飲

酒であることが条件となります。過剰な飲酒は、生活習慣病をはじめとする身体疾患

やアルコールによる健康障害など身体的な問題のみならず飲酒運転事故等の社会的

な問題にもつながりかねません。適量であれば「百薬の長」となりますが、過剰にな

ると「万病の元」となります。飲酒者にとっては楽しく、コミュニケーションツール

としても活用できますが、量が増えることで健康障害へつながらないよう、節度のあ

る飲酒が求められます。

また、未成年や女性は、男性と比べ、アルコールによる健康被害を起こしやすいた

め、アルコールについての正しい知識を持つこと、またそれにより適正な飲酒へ行動

変容できることが必要となります。

2 基本的な考え方

アルコールの適正飲酒を前回の計画でも掲げ、健康教育等に取り組んできました。

アルコールについては平成 19 年に道路交通法による飲酒運転の罰則規定が明文化さ

れて以降、地域等のまつりや集会で外出先でのアルコールを飲む習慣が減ってきたよ

うにうかがえます。しかしながら、大量飲酒や若年者、女性の飲酒による健康障害が

なくなったわけではありません。

嗜好品といかに上手に付き合うかが今後の課題となります。アルコール関連問題に

ついては予防が可能であり、特に次世代を担う若年者の飲酒や胎児に影響を及ぼしや

すい妊婦の飲酒を防止する働きかけが重要となります。

適正な飲酒をするためには、飲酒のリスクを自覚することが重要となりますが、な

かなか身近に感じることが難しいのが現状と考えられます。そのため、アルコール関

連問題は他人事ではなく、身近な問題であるということを伝えていく必要があります。

3 現状と課題

(1)若年者

若年者の飲酒については、学校教育でも学習機会をもっているため、飲酒の害

について知っている中学生は前回調査の 8.0%より増加しています。

4 飲酒

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61

(図48-1)お酒の害についての学習

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

しかし、「お酒を飲みたいと思うか」との問いに対して、学年があがるにつれて

「時々思う」「いつも思う」の割合が増えています。

(図48-2)お酒を飲みたいと思ったことがあるか

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

また、前回調査では中学生の 19.1%が飲酒経験ありと答えていますが、今回の

アンケート結果では、12.3%に減少しています。中学生の 1.5%は、「現在飲酒し

ている」と回答していることから習慣化している生徒は少ないと考えられます。

「飲酒経験あり」と答えた小学生は 448 人中 102 人(22.7%)であり、そのうち7

人(1.5%)が「現在飲んでいる」と答えています。このことは、飲酒の低年齢化が

問題であり、未成年者の飲酒に対する社会全体の規範意識を向上させることが重

要となってきます。

(2)成人

今回の調査では、アルコールを「毎日飲む」人は男性の4割、女性の1割程度で

25.4

16.1

55.2

31.5

54.0

59.2

22.7

46.0

20.5

24.7

22.2

22.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

全体

勉強した したことはない わからない

51.8

60.3

55.7

55.9

17.9

19.2

27.1

21.2

3.6

1.8

4.9

3.4

24.6

17.9

10.8

18.0

2.2

0.9

1.5

1.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

全体

思わない 時々思う いつも思う 飲んだことがある 現在飲んでいる

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62

したが、年齢とともに「毎日飲む」人の割合が高くなっています。特に、50 代、

60代の男性では「毎日飲む」が5割以上を占めています。また、20 代女性では「毎

日飲む」と答えた人は 4.8%、「時々飲む」と答えた人は 14.3%あり、約2割の女

性は飲酒習慣があるものの、母子健康手帳交付時の聞き取り調査の結果、ほとん

どの人は妊娠が判ったと同時に辞めることが多いのが現状です。今後、飲酒の胎

児への影響について、若い女性への適正飲酒への教育の必要性があります。

全体的には、前回計画策定時と比較し、アルコールを「毎日飲む」または「全

く飲まない」が減り、「たまに飲む」または「ほとんど飲まない」が増えています。

(図49-1)飲酒の機会

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

飲酒量については、「少なめ」「多め」がやや増え、「ほどほど」が減っています。

また、今回の調査では 21%が飲酒量を「多め(適正飲酒量以上)」と回答した割

合が、前回調査値よりわずかですが増加しています。「多め」の飲酒者はアルコー

ルによる健康被害を起こす可能性の高い人と考えられます。特に男性ではどの年

代でも3割程度が「多め」の飲酒をしており、女性 40代も同様でした。

(図49-2)1回あたりの飲酒量

(出典:平成 24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

31.3

37.6

49.3

41.4

19

21.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

前回

今回

少なめ ほどほど 多め

7.5

36.5

23.6

5.3

3.4

4.3

11.2

24.0

18.3

15.5

16.7

16.2

20.9

9.9

14.8

39.6

9.4

22.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

まったく飲まない 過去に飲んでいた ほとんど飲まない たまに飲む 時々飲む 毎日飲む

男性

女性

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63

これらのことからアルコールを飲む人と飲まない人、少量と多量のように二極

化しつつある状況がうかがえます。正しい知識をより多くの人に知ってもらうこ

と、今現在多量飲酒をしている方の行動変容について働きかけることが必要にな

ります。

(3)アルコール依存症

平成 16年の厚生労働省研究班の推計によると、わが国のアルコール依存症の人

は約 80 万人、依存症の疑いのある人は 440 万人いると言われており、その中で、

実際に治療を受けている人は、平成 20年の患者調査によると5万人程度となって

います。アルコール依存症は自覚症状が乏しく、社会の認識も不十分なため治療

につなげることは難しい状況となっています。

平成 23年からの3年間のアルコールに関連する相談(備北保健所)は 15件で、

実際にアルコールに関連する精神疾患として把握しているケースも 13 件程度と

なっています。これは、アルコールに関連する精神疾患は他の精神疾患に隠れる、

または併せ持っているため把握し難いことが考えられます。また、アルコールに

関連する精神疾患を抱える家族も正しい知識を持たないために、「家でおとなしく

飲んでいればわからない」「少しなら」と飲酒できる環境を助長し、問題行動が起

こって初めて表面化するという状況が推測されます。

アルコールに関連する精神疾患に対して、まずは正しい知識を持つことが重要

です。特に、アルコール依存症者は症状があっても、医療にかかっている人は少

なく、自らが病気であるとの認識が乏しいため、家族や周囲への正しい知識の習

得や疾患の理解が不可欠となります。また、家族会、断酒会等の自主組織や市や

保健所といった相談場所があることも広く周知し、早期支援につなげていく必要

があります。

4 施策の方向

(1)未成年者の飲酒の防止を推進します

〇 未成年者に対しては、地域や学校・関係団体とさらなる飲酒防止教育を進

めるとともに、PTA活動や地域の会合などを通じて保護者をはじめ家族

に対して正しい知識の普及と理解、そして飲酒防止の協力を求めるよう働

きかけをしていきます。

(2)妊産婦の飲酒の防止を推進します

〇 妊産婦の飲酒は胎児や乳児への悪影響が考えられることから、若い女性の

健診時や母子健康手帳交付時や出生届・新生児訪問等の機会を捉え飲酒の防

止について働きかけます。

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(3)適切な情報提供による多量飲酒者の減少に努めます

〇 多量飲酒者の減少を図るために、健診後の事後指導や健康相談の機会を用

いて正しい知識の普及啓発を行います。

(4)アルコールに関連する問題の早期発見に努めます

〇 アルコールに関連する精神疾患の早期発見と相談機関や専門機関の紹介を

行います。

○ メンタルヘルスチェックシステム「こころの体温計」の中の「アルコール

チェックモード」の活用を促進し、専門機関への早期の相談を促します。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 未成年者の飲酒をなくす

①中学生の飲酒経験あり 12.3% 19.1% 0.0% 0.0%

2 成人の飲酒による健康障害予防

①毎日飲酒する人 39.6% - - 30%以下

②飲酒量(純アルコール換算)

男性 40g以下 29.1% - - 25%以下

女性 20g以下 34.0% - - 28%以下

※適正飲酒量:

男性 純アルコール換算 40g以下

(ビール大びん2本以下、または日本酒2合以下、またはワイン4杯400ml以下)

女性 20g以下

(ビール大びん1本程度、または日本酒1合程度、またはワイン2杯200ml程度)

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1 はじめに

平成14年に健康増進法が制定され、21世紀における国民健康づくり運動(健康日本

21)の取り組みにより、受動喫煙防止が示され、喫煙者だけでなく非喫煙者の健康被

害を防止する対策がとられています。また、禁煙希望者に対する禁煙支援、未成年者

の喫煙防止対策、タバコの健康影響や禁煙についての教育、普及啓発などの取り組み

が全国的に行われています。さらに、「禁煙支援マニュアル」を策定し、禁煙を生活

習慣病予防の基本として示しています。

喫煙はがん、循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの非感染性疾

患の中で予防可能な最大の危険因子と低出生体重児の増加原因の一つと国は位置づ

けています。

(図50)岡山県における慢性閉塞性肺疾患死亡数

(出典:岡山県の人口動態統計)

岡山県では若干ではありますが、COPDによる死亡数が増加傾向にあり、市でも

平成19年以降死亡原因の一つとして必ずあがってくる原因疾患となっています。

その他にも、悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患等が上位を占めており、これ

らの疾患が喫煙に大きく影響していることを具体的に示すことが重要と考えられま

す。

5 喫煙

元データなし

240

250

260

270

280

290

300

H19 H20 H21 H22 H23

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(図51)高梁市の死因別統計

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

2 基本的な考え方

たばこにより様々な健康被害が起こりうることは、さまざまな研究で科学的データ

として発表されています。厚生労働省の行った「未成年者の喫煙及び飲酒行動に関す

る全国調査」によると、男女とも学年が上がるにつれ、喫煙経験者率が上昇していた

ものの、平成16年調査において劇的な喫煙率の減少が認められました。この間に健康

増進法が施行され、喫煙による健康被害の報道、知識の普及啓発が活発に行われたた

めと考えられます。特に未成年の喫煙の動機は「好奇心」や「何となく」が多く、未

成年の喫煙行動は友人、親、兄姉、教師などの喫煙と密接な関係があるといわれるた

め、個人ではなく全体の意識が変化することが大切です。

未成年者にとって最も身近な存在である保護者の喫煙について、母親は「子どもに

見えない場所での喫煙が多い」と回答しており、このことは受動喫煙の問題について

多少の認識があるためではないかと考えられます。保護者の認識を高めることは、未

成年者に対する受動喫煙の機会を減らすことができると考えます。未成年の喫煙防止

は、将来のCOPDをはじめとする健康障害を予防することにつながります。

0

50

100

150

200

H19 H20 H21 H22 H23

悪性新生物 心臓疾患 肺炎 脳血管疾患

不慮の事故 腎不全 自殺 老衰

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67

母のみ吸っ

ている

2.3

父母ともに

吸っている

13.9

父のみ

吸っている

39.4

父母ともに

吸っていな

43 父母の

いずれかが

吸っている

55.6

不詳

1.4

(図52)身近な喫煙者の有無

したがって、保護者をはじめ地域

ぐるみで未成年の喫煙防止に取り組

むことが必要です。

また、市では、前回計画に引き続

き、成人喫煙率の減少(タバコをやめ

たい人がやめる)と受動喫煙を防止

することも大切にしたいと考えます。

3 現状と課題

(1)成人の喫煙

平成23年の厚生労働省国民健康栄養調査では、男性の喫煙率は32.4%、女性の

喫煙率は9.7%となっています。市では平成24年の調査で、男性32%、女性6%と、

男性は大きな差がないものの、女性は全国に比べやや低い状況となっています。

しかし、男女とも20代の喫煙者が他の年代に比較して多く、特に20代男性では半

数を超えています。

(図53-1)成人の喫煙の状況

(出典:平成24年度高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

20歳代の男女は、未成年者と接する機会が他の年齢と比較して多いことが想定

されるため、特に今後の対策に重点をおく必要があると考えます。

(出典:厚生労働省ホームページ

「TABACCOorHEALTH」第5回調査)

43.5

46.2

50.0

23.0

34.1

36.2

76.2

80.0

86.0

92.6

84.5

85.7

4.3

23.1

26.5

45.9

36.6

31.9

14.3

12.5

9.3

5.9

6.9

8.7

52.2

30.8

23.5

31.1

29.3

31.9

9.5

7.5

4.7

1.5

8.6

5.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

まったく吸わない 過去に吸っていた 現在吸っている

男性

女性

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68

(図53-2)喫煙歴について

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図53-3)たばこをやめたいと思いますか

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

現在たばこを吸っている人は、喫煙年数と喫煙本数が年齢とともに高くなって

います。50歳代男性の8割強、60歳代女性の8割が一日30本以上吸っています。

このことから習慣化すると習慣を変えにくいことがうかがえます。しかし、現在

吸っている人の47.1%が「やめたい」と回答しています。

煙草を「以前は吸っていたがやめた」と回答した人が全体の19%あり、特に男

性50歳代45.9%、60歳代31.9%がやめています。「やめた」と回答した人の状況

は、男性は20年以上、一日の本数も20本以上吸っていた人、女性は10年未満、10

本以上20本未満が中心でした。女性は「妊娠出産により禁煙した」人が多いので

はないかと考えられます。また、男性では、禁煙した人の20.3%が、かつて一日

30本以上吸っていた人です。今回の調査では禁煙理由は確認していませんが、胸

部レントゲン検診受診者の問診等では、「医師に止められたから」「煙草の値段

が上がったから」「煙草を吸う場所が限定されたから」「病気になった」などと

いう理由を聞くことがあります。このことから、社会的な環境等によりやむをえ

なく禁煙をしたという背景がうかがえます。

36.2

85.7

63.6

31.9

8.7

19.0

31.9

5.7

17.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男性

女性

合計

まったく吸わない 過去に吸っていた 現在吸っている

40.7

71.4

47.1

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

男性

女性

Page 72: 第2章 - city.takahashi.lg.jp · 日本人のがんの原因は、男性では喫煙29.7%、感染22.8%、飲酒9.0%、女性で は感染17.5%、喫煙5.0%、飲酒2.5%とされており、これらの原因への対策がが

69

(図53-4)一日のたばこの本数

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

また、自分が吸っていたタバコの本数をわからないとした人が1割強ありまし

た。「煙草を無意識に吸っていたので本数がわからない」「お酒を飲んだときだ

け」という人もあります。これらについても社会的環境が大きく影響していると

思われます。

(2)未成年者の喫煙

喫煙についての学習機会があった中学生は81.2%であり、学校教育の一環とし

て行われています。これにより煙草についての知識を持っている中学生が大多数

であるとうかがえます。

(図54)たばこの害についての学習機会

(出典:平成 24年度 生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

その一方で未成年者の家族に喫煙者がいる人が6割近くであり、未成年者の喫

煙行動のきっかけになりうる家族、友人の喫煙者が多くいれば、今後、喫煙行動

につながる可能性が高くなります。

3.4

35.0

11.9

40.0

54.2

10.0

20.3

0.0

10.2

15.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

10本未満 10本以上 20本以上 30本以上 不明

男性

女性

25.2

82.1

30.0

81.5

48.8

8.4

46.0

7.4

26.0

9.5

24.0

11.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

中2

小2

中2

勉強した したことはない わからない

男性

女性

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70

(図55)家族の喫煙者

(出典:平成 24年度 生活習慣に関するアンケート<児童・生徒>)

青少年期に喫煙を開始すると、成人後に喫煙を開始した場合に比べて、がんや

虚血性心疾患などの危険性がより高くなります。肺がんでは、20歳未満で喫煙を

開始した場合の死亡率は、非喫煙者に比べて5.5倍との調査結果もでています。そ

のため、未成年者による自動販売機からのたばこ購入防止のため、taspo(カード)

方式の成人識別たばこ自動販売機が全国で稼働しています。

(3)妊娠中の喫煙

妊娠中の喫煙は低出生体重児の出生や乳児突然死症候群の原因の一つとされて

います。わが国の妊婦の喫煙率(妊娠中も喫煙を継続している妊婦の割合)は、

平成12年前後まで上昇を続けましたが、その後下降に転じ、平成22年の調査では

5.0%と報告されています。市の平成24年の妊娠届出時アンケートでは、91.8%が

「吸っていない」と回答していますが、5.2%は「喫煙」しています。

市では、妊娠届出時に保健師が面接を行い、禁煙の働きかけを行っています。

面接により喫煙をやめるという声が聞かれることもあり、引き続き禁煙の必要性

について情報提供を行う必要があります。

(図56)妊婦の喫煙状況

(出典:高梁市平成24年妊娠届出時アンケート)

59.9

61.6

50.7

57.6

40.1

38.4

49.3

42.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

小2

小5

中2

いる いない

91.8

5.2 1.5 1.5

吸っていない

喫煙

妊娠が分かってやめた

未記入

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71

4 施策の方向

(1)未成年者の喫煙の防止に努めます

○ 各中学校で禁煙教育が実施されており、今後も養護教諭との連絡会をはじ

めとして学校とともに活動をすすめます。

○ 保健所等の協力を得て、高校生の禁煙教育等もすすめていきます。

(2)妊産婦の喫煙防止に努めます

○ 若い女性の健診、母子健康手帳交付、乳児訪問等の機会を通じて母親への

禁煙教育・健康相談を行っていきます。現在は家庭内の受動喫煙は少なく

なっていますが、引き続き、乳幼児・妊産婦のいる家庭では、禁煙・分煙

の必要性、分煙方法についての情報提供を行っていきます。

(3)適切な情報提供による喫煙率の減少

○ 特定健康診査などを受診した喫煙者に対して、特定保健指導時に個別で禁

煙指導を行います。また、たばこが健康に及ぼす影響について健康教育を

行うとともに、広報紙、行政放送等を通じて健康情報の提供をします。

○ 引き続き、愛育委員会の協力を得て、禁煙のPR等の取り組みを行います。

○ 禁煙したくてもきっかけがつかめないという人の支援として、健康教育プ

ログラムに禁煙を取り入れます。また、禁煙外来等の情報提供や個別相談

等を行い支援します。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 十分な情報提供を通して喫煙率を減少させる

①禁煙希望者の増加 47.1% 46.6% 50.0% 50.0%以上

②COPDによる受診者

(5月診療分) 20人 - - 10人

③COPDによる死亡者数 8人 - - 4人

④妊娠中の喫煙者割合 5.2% - - 0.0%

⑤未成年でたばこを吸いたいと思

わない人の割合 - 89.3% 100.0% 100.0%

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72

1 はじめに

むし歯及び歯周病に代表される歯科疾患は、その発病、進行により歯の欠損や障害

の蓄積により歯の喪失につながり、食生活や社会生活等に支障をきたし、全身の健康

に影響を与えるものとされています。また、歯及び口腔の健康を保つことは、単に食

物を咀嚼するという点からだけでなく、子どもから高齢者に至るまで、健やかな成長

と全身の健康だけでなく、質の高い、豊かな人生を送るための基礎となるものです。

本市においては、歯の健康についての意識は持っている人は多いと考えられますが、

むし歯や歯周病についてのセルフケアができていないなど知識と行動のずれが生じ

ているのが現状です。また、生活習慣の基礎となる乳幼児期のむし歯の被患率は依然

として高い状態が続いているため、子どもから高齢者まで幅広い世代に向けての働き

かけが必要となります。

2 基本的な考え方

歯の喪失の原因はむし歯と歯周病であり、その予防が重要です。

近年、歯周病と糖尿病、循環器疾患等との関与やたばことの関連などが報告され、

全身の健康づくりと生活習慣は歯周病予防にとって欠かすことはできません。

また、口腔機能の低下は、食物の偏りから低栄養の原因になり、体力の低下、免疫

力の低下等を引き起こし、病気の発病や、生活機能の低下を招き認知症などの要介護

状態に陥りやすくなります。高齢化の進んだ本市において、主要死因の第3位である

肺炎との関連も大きく、歯科疾患の予防を通じた「口腔機能の維持」は食べることを

通じて、生活の質の維持・向上にとってとても重要な役割を果たしています。

歯と口の健康を守ることは、歯磨き習慣や定期検診の定着化など、幼少期から高齢

期までの生涯を通じた個々の取り組みが重要です。

これら、市民一人ひとりの取り組みの定着化をめざし、地域、職場、学校、医療機

関等と連携を図りながら、正しい知識の普及と実践に向けての支援が重要と考えます。

3 現状と課題

(1)歯についての意識

平成 24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、全体の

約9割が「むし歯や歯周病は病気である」と考えています。一方で、ブラッシン

グ指導に関しては、全体の6割以上が歯科診療所で指導されていますが、4人に

1人は指導を受けたことがありませんでした。むし歯は病気であるという意識は

持っていても、実際にむし歯を予防するための自己管理が行えていない現状があ

ります。市では、毎年、歯科医師会の協力により、健康福祉のつどいにおいてあ

6 生涯を通した歯の健康づくり

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73

らゆる年齢層を対象とした「歯科検診・歯科相談」コーナーを設置し、歯と口の

健康について専門家による意識啓発を行っています。こうした、専門家による正

しい知識の普及を今後も継続していくことが重要です。

(図57)むし歯や歯周病を病気と思う人の割合

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(図58)専門家にブラッシング指導を受けたことがありますか

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(2)口腔機能の維持向上

平成 23~24 年度に 65 歳以上の方を対象に実施した、基本チェックリスト(高

齢者の生活機能を評価し、要介護状態となるリスクを予測する目的で開発された

25項目の質問票)の結果では、特定高齢者の基準となる口腔機能2項目以上に該

当した人は 15.8%でした。

83.3

100.0

94.1

91.9

83.3

90.4

76.2

77.5

81.8

92.9

93.1

86.7

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

%

男性

女性

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0

20~

40~

60~

20~

40~

60~

歯科診療所 市の健康教室 職場で 学校で 指導を受けたことがない

男性

女性

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74

口腔機能チェックリスト

①半年前に比べて固いものが食べにくくなった

②お茶や汁物等でむせることがある

③口の渇きが気になるか

(図59)高齢者の生活機能評価の結果

(出典:平成 23・24年度 生活機能評価結果 保険課資料)

(3)歯の喪失

平成 24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、一人平

均残存歯数は、20 本以上ある人が全体の約9割でした。加齢とともに歯数は減る

傾向がみられ、60 代で 20 本以上残っている人は約7割であり、県の約6割を上

回っています。

しかしながら、年齢とともに歯の喪失スピードは速くなり、60 代後半から急速

になると言われています。歯の喪失は著しい咀嚼機能にとって器質的な障害にな

るだけでなく、社会生活を豊かにする会話など生活機能の障害にもつながります。

高齢期以降、食べる機能の維持を図っていくための歯と口の健康づくりは、生活

の質の維持、向上には欠かせないものであり、定期的な歯科検診及び治療と歯科

保健指導による適切な歯磨き等による歯と口の健康管理が重要です。

今後も 8020 運動や 6024 運動により、自分の歯でよく噛み、よく食べるため、

できるだけ自歯を残し、咀嚼機能を維持することが自立した質の高い生活をおく

るためには重要になってきます。

21.2

1.36

15.8

28.7

29.8

25.0

運動3以上

栄養2以上

口腔2以上

閉じこもり1以上

認知1以上

うつ2以上

%

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(図60)残歯数(自歯 20本以上持っている人の割合)

(出典:平成24年度高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

(4)乳幼児期・学齢期におけるむし歯のある人

3歳児健診におけるむし歯の保有率は 20%台後半で推移しており、県平均を上

回っています。学校保健の概要によると、3歳児健診後の就園時期にむし歯のあ

る人の割合が最も高くなっているため、3歳児健診などの健診時に指導を強化す

ることが必要です。

表1 乳幼児むし歯有病率推移の比較(県・市)

虫歯のある者(%)

1歳 6か月児健診 3歳児健診

高梁市 岡山県 高梁市 岡山県

平成 21年度 0.6 2.2 28.0 23.7

平成 22年度 0.6 1.8 24.0 22.0

平成 23年度 1.6 1.6 28.9 21.2

(図61)むし歯のある人の割合(平成 23年度)

(出典:平成 23年度 学校保健の概要)

学校保健の概要によると、年次別むし歯被患率を経年でみると横ばいであり、

2.5%

27.3%

40.4% 34.0%

26.70%

1歳6カ月歳児健診 3歳児健診 幼稚園 小学校 中学校

95.6 100

94.1

75.4 72.1

100 97.3 97.7 93.3

77.8

20-29 30-39 40-49 50-59 60-69

男性 女性

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76

減少傾向がみられる岡山県と比較して高い状態が続いています。生活習慣の基盤

をつくる乳幼児期に、歯科検診やフッ化物歯面塗布や家庭でのフッ化物配合歯磨

剤の使用等の歯科医師等の指導を受けることや、併せて、歯と口の健康づくりに

ついて正しい知識と技術を普及する必要があります。また、学童期には正しい歯

磨き方法の習得・習慣化を図る必要があります。

(図62-1)年次別むし歯被患率の推移(高梁市)

(出典:平成 24年度 高梁市保健事業報告)

(図62-2)年次別むし歯被患率の推移(岡山県)

(出典:学校保健の概要)

(5)定期的な歯科検診

平成 24年に実施した「健康づくりに関する意識・生活調査」によると、歯科医

による年1回の定期的な歯科検診を受けている人は全体で 31.8%であり、県の

28.7%(平成 23 年度)よりも上回っていました。しかし、前回値(平成 13 年度

33.8%)より 2.0%下回っており、目標としていた 50%には程遠い現状がありま

H18 H19 H20 H21 H22 H23

幼稚園 35.8% 32.7% 42.2% 36.3% 47.4% 40.5%

小学校 37.5% 37.2% 39.0% 35.9% 34.1% 34.0%

中学校 25.5% 28.1% 24.6% 19.0% 24.5% 26.7%

0%5%

10%15%20%25%30%35%40%45%50%

H18 H19 H20 H21 H22 H23

幼稚園 35.9% 29.4% 28.6% 26.6% 29.4% 27.7%

小学校 35.9% 34.2% 32.6% 30.8% 30.0% 28.7%

中学校 27.9% 25.7% 23.5% 21.3% 20.4% 19.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

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77

す。

女性に比べ男性の受診率が低く、特に 30~50歳代の働き盛りの男性の受診率が

最も低くなっているため、定期的な歯科検診受診の周知や指導が必要と考えられ

ます。

(図63)定期的に歯のチェックを受けている人の割合

(出典:平成24年度 高梁市健康づくりに関する意識・生活調査報告)

4 施策の方向

(1)歯の健康意識の向上に努めます

○ 歯と口の健康習慣(6月4日~10日)・「むし歯予防デイ」(6月4日)や

「いい歯の日」(11月8日)等の機会を捉えて、歯と口の健康づくりの普

及啓発に努めます。

○ 8020運動・6024運動を推進します。

○ 歯周病と生活習慣病の関連についての正しい知識の普及について健康相

談・健康教育を実施します。

○ 愛育委員・栄養委員等の健康づくりボランティア等と連携し、子育て支援

や生活習慣病予防・介護予防事業を兼ねた活動への取り組みをすすめます。

○ 乳幼児期からの生活習慣と歯の健康づくりについて保護者への正しい知識

と技術の普及に努めます。

○ 幼稚園・小学校・中学校等との連携により、学童期の適切な歯磨き習慣の

習得を目指します。

○ 歯周病と生活習慣病との関連など、お口と歯の知識の普及に努めます。

○ 肺炎予防と咀嚼機能向上のため「健口体操」の普及に努めます。

29.2

16.0

17.6

22.6

39.5

25.5

42.9

25.0

36.4

40.0

39.7

36.9

0 10 20 30 40 50

20~

30~

40~

50~

60~

20~

30~

40~

50~

60~

男性

女性

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(2)定期的な歯科検診と自己管理能力の向上を目指します

○ 乳幼児期の歯科検診とブラッシング指導を実施します。

○ 乳幼児期のフッ化物配合歯磨き剤の有効性について情報提供を行います。

○ 職域との連携により 40代・50代の定期歯科検診の推進をします。

○ すべての世代に対し、かかりつけ歯科医師をもつことの大切さを奨励する

とともに、正しいブラッシング技術の習得と定期的な歯科検診を勧めます。

(3)歯科保健推進のための連携を行います

○ 歯科医師会・歯科衛生士会との連携を行い、保健事業の推進に努めます。

5 目標値

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 乳幼児のむし歯有病率

①3歳児のむし歯有病率 27.3% - 50%以下 20.0%未満

2 学童期のむし歯有病率

①中学生のむし歯有病率 26.7% - 30%以下 18.0%未満

3 成人期の歯周病予防

①1回の歯磨きに3分以上かける

人の増加 30.4% 21.4% 40.0%以上 40.0%以上

②専門的なブラッシング指導を受

けた人の割合の増加 75.7% 49.9% 60.0%以上 80.0%以上

③定期検診受診者の割合の増加 31.8% 52.2% 60.0% 60.0%

4 高齢期の口腔機能向上

①60 代で 24 本以上持つ人の割合

の増加 75.2% 54.5% 60.0% 80.0%

※国・県の目標値を目安に、現在値から目標設定を行いました。

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1 市民一人ひとりの健康意識の高揚と、みんなで実践する健康づくり

健康づくりは市民一人ひとりが地域のつながりの中で心豊かに健康で暮らせるよ

う、市民・地域・家庭・行政・各種関係機関が協力して取り組むことが求められます。

アンケート調査の結果において、朝食の欠食や運動不足など食事環境の悪化、肥満

者の増加、不安や悩みを抱える人の増加等の課題が明らかになっており、市民一人ひ

とりが自分の健康状態を把握し、主体的に改善することが求められています。

特に生活習慣病を予防し、重症化を予防することが、生涯、住み慣れた地域でいき

いきと暮らすことができる「健寿の里たかはし」の実現には不可欠です。

その実現のため、本市には、行政機関や保健福祉機関、愛育委員・栄養委員、民生

委員・主任児童委員、運動実践等の自主グループの活動や保健福祉の教育機関として

の大学もあり、それら関係団体との連携をもとに、健康づくりに取り組む一人ひとり

を地域全体が支援する体制を整備します。

2 新たな時代の潮流に対応した健康づくりと健康を支え守るための環境整備

平成 14 年度に「すこやかプラン21」を策定し、健康づくり事業を推進してきま

したが、少子高齢化や国の医療制度構造改革の動きに合わせて、平成 18 年度に新た

にメタボリックシンドロームの予防・介護予防事業の充実・食育の推進といった分野

への取り組み等を推進してきました。

現在、人口減少・少子高齢化の進む中で、核家族化や独居世帯の増加、世帯の細分

化による世帯・家族間のつながりの希薄化などの問題が個人の健康へも大きく影響を

及ぼしています。近年注目されているソーシャルキャピタル(人的資源)の考え方は

健康づくりにも取り入れられ、地域住民の相互の信頼関係が心の問題だけでなく身体

の健康にも好影響を与えることが明らかになっています。

特に、本市には、高梁市愛育委員連合会や高梁市栄養改善協議会連合会などの健康

づくりボランティアが根付いており、地域において健康の保持・増進に係る普及啓発

活動等と併せて、きめ細かく身近な人に声をかけ、人と人とをつなぐ役割を担ってい

ます。また、その他にも多くの関係団体が地域の活性化や安全・安心の地域づくり等

の活動を積極的に展開しています。こうした人と人との繋がりの中で、お互いを大切

にしながら、心身の健康づくり事業を推進していきます。

また、市民が健全な心身を培い、豊かな人間性を育むため、食を通じた健康な人づ

くり・地域づくりを目指す「食育」の推進に努めます。

次に「健寿の里たかはし」の実現にむけ、がん予防・メタボリックシンドローム等

生活習慣病予防や重症化予防と、介護予防の推進等予防重視の活動を展開していくた

第5章 今後の取り組み

1 健康づくりの基本的な考え方

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80

め「第2次すこやかプラン21」を推進していきます。

3 重点目標を定めた健康づくり

健康づくりをすすめるにあたっては、総合的な対応を行うとともに、現状の市の課

題を適切に把握し、その課題に対して重点的に対応することが必要です。よって、本

計画においても、各分野に重点目標を定め、計画の推進を図ります。また、必要に応

じて、目標値の変更・追加を行います。

◆各分野における重点項目◆

1 がん予防対策の推進

1 がん検診受診率の向上

2 がん検診の質の向上

2・3 糖尿病・脳血管疾患・心疾患の生活習慣病予防の推進

1 健康に関する知識の普及と予防意識の向上

2 ハイリスク者の早期発見と発症予防

3 介護予防の推進

4 食育の推進

1 各主体が実践する食育の推進

2 各種教室の充実と適切な情報提供

3 BMI25以上の人の減少

4 豊かで健康的な食習慣の定着

5 組織の強化

5 運動習慣の定着

1 日常生活における歩数の増加

2 運動習慣者の割合の増加

3 高齢者の介護予防と環境整備

6 積極的な休養と心の健康づくり事業の推進

1 こころの健康づくりの普及啓発

2 相談体制の充実

3 障害者の支援

7 適正飲酒の普及と未成年者・妊婦の飲酒防止

1 未成年者・妊婦の飲酒防止

2 適切な情報提供による多量飲酒者の減少

8 十分な情報提供による喫煙率の減少

1 未成年者の喫煙の防止

2 適切な情報提供による喫煙率の減少

9 生涯を通した歯の健康づくり

1 歯の健康意識の向上

2 定期的歯科検診と自己管理能力の向上

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重点項目1 がん検診受診率の向上

1 住民への啓発活動

① 愛育委員等健康づくりボランティアの協力を得て、住民へがんについての正しい

知識や検診の必要性について普及啓発を行い、地域全体のがん知識の底上げを行っ

ていくことで、今まで検診を受けなかった人が受診し、検診受診者を増やす取り組

みを行います。

② 壮年期の検診未受診者の受診しない理由を明らかにし、受診対策を検討します。

2 検診環境の整備

① すべての検診が一日で受けられる総合健診や休日健診などを設定し、多くの人が

受診しやすい環境を整えます。

② 若い世代の検診受診者を増やすため、医師会の協力を得て、個別検診等を検討し

ます。

③ 胃がんリスク検査(ABC検査)の導入等を行い、がんの予防、早期発見、早期

治療へつなげていきます。

重点項目2 がん検診の質の向上

1 がん精密検診受診勧奨の強化

① 精密検査の必要な人には、個別受診勧奨の強化を行い、早期発見・早期治療によ

り死亡率減少を目指します。

2 分野別の取り組み

1 がん予防対策の推進

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重点項目1 健康に関する知識の普及と予防意識の向上

1 効果的な情報提供と健康づくり自主活動の推進

① 生活習慣病の発症予防のためには、若い頃からの生活リズムの定着と日頃の生活

習慣行動の改善や必要な受診や服薬の継続、食生活の知識、適正体重の維持等につ

いて普及啓発することが重要な課題です。

身近な話題として認識ができるよう健康づくりボランティアや関係団体等との

連携・協力や、広報紙を活用した生活習慣病予防の献立等の継続掲載や複数の媒体

を用いながら、様々な集会や健康教室の開催などで情報を提供し、健康に関する知

識や自己管理の必要性を提示していきます。

② 地域で自主的に健康づくり活動へ取り組んでいるグループへの支援を行います。

重点項目2 ハイリスク者の早期発見と発症予防

1 特定健康診査受診率向上のための体制整備

① メタボリックシンドロームに関する正しい知識や特定健康診査の受診を促す普

及啓発と休日健診やがん検診との同時実施(総合健診)など、市民が受診しやすい

環境づくりを医療保険者とともに進めます。

② 職域との連携により事業所と協力し、健康問題の改善の支援をしていきます。

2 特定保健指導及び健康教室の充実

① 特定保健指導では、生活習慣病に移行させないよう対象者自身が健診結果の理解、

生活習慣の振り返り、改善目標の設定と実践ができるよう支援し、対象者のセルフ

ケア(自己管理)能力を向上させ、重症化予防や新たな発症予防に努めるため、き

め細かな保健指導を実施します。

② 要精検者や要医療者に対しては、的確な医療機関への受診を勧め、医師会と連携

し重症化・合併症予防を推進しつつ、生活行動の改善をすすめます。

③ また、若年期からの良い生活習慣と適正体重の維持が定着できるよう、きめ細か

な個別指導や健康教室を実施します。

2 糖尿病予防 3脳血管疾患・心疾患等の生活習慣病予防の推進

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重点項目3 介護予防の推進

1 ミニデイサービス等介護予防事業の充実

① 生活習慣病などの疾病予防・悪化防止を図り、加齢に伴う体力・生活機能の低下

を予防することが重要であることから、ミニデイサービス等介護予防事業の充実を

図ります。

2 地域密着型介護予防事業の推進

① 元気で生活できる高齢者を増やすため、地域の実情にあわせた介護予防事業(介

護予防教室・ミニデイサービス等)の内容の充実を図り、利用者の介護予防をすす

めます。また、より地域生活に密着した身近な実施ができるようボランティアの自

主性をすすめながらサロン的な介護予防活動が活性化できるよう支援します。

重点項目1 各主体が実践する食育の推進

1 家庭、学校、就学前保育施設、地域における食育の推進

① 市民全体が毎日朝食を摂るという目標を達成するため、家庭、学校、就学前保育

施設、地域が一体となって、基本的生活習慣の獲得や規則正しい生活リズムや栄養

に関する知識の普及啓発に努めます。

② 共食の大切さを伝えるため、各種料理教室を通じて、家庭、地域、学校等へ働き

かけを行います。

重点項目2 各種教室の充実と適切な情報提供

① メタボリックシンドロームに該当する人を減少させるため、特定保健指導の教室

等で、食事、運動に関するプログラムを通じて適正体重を維持するよう普及啓発に

努めます。

② 乳幼児は健診や各種教室、高齢者は健診やミニデイサービス等で、ライフスタイ

ルに応じた栄養指導を継続的に行うとともに、栄養指導が希薄な少年期、青壮年期、

中年期に向けての事業として食育講座等を開催します。

③ 主食、主菜、副菜を適切に組み合わせ、栄養のバランスに配慮した食事を普及す

るために、食事バランスガイドを活用します。また、広報紙、ホームページ等を活

4 食育の推進

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用し市民に情報提供を行います。

重点項目3 BMI25 以上の人の減少

① 生活習慣病予防を推進するため、より一層BMIの周知を図るとともに、適正な

食事と運動習慣獲得に向け、各種教室の開催を行うなど継続的な支援を行います。

重点項目4 豊かで健康的な食習慣の定着

1 食文化継承の推進

① 米、野菜、大豆等、地域で採れた食材を生かした日本型食生活の普及啓発を三世

代交流、中山間地域との交流とともに推進します。

② 郷土料理、行事食、日本型の伝統的食文化の継承等の推進を行います。

③ 加工食品である味噌や豆腐、蒟蒻、蕎麦等の豊かな食文化を育み継承し、生産者

との交流を図ります。

2 栄養成分表示店の増加

① 市民が外食においても適切な食事が選択できるよう飲食店に働きかけ、栄養成分

表示店の増加を図ります。

3 食品の安全性

① 食の安全・安心の確保及び効果的な食育の推進を図るため、市のホームページの

活用など、積極的に食育に関する情報発信に努めます。

4 地産地消の推進

① 地産地消を推進し、地域の食材を生かした日本型食生活の普及啓発、郷土料理、

伝統的食文化の継承等の推進を行います。

② 地元の食材を使い食事を作ることで、食材や調理方法について学ぶとともに、野

菜摂取の増加を図ります。

重点項目5 組織の強化

① 食育推進のため、栄養委員の育成を行う栄養教室の定期的開催を行います。また、

地域での活動を円滑に行うため、研修を行い組織の強化を図ります。

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② 栄養委員組織や他の関係団体との連携強化を図ります。

③ 地産地消の推進・農福連携等地元食材の積極的利用促進を行います。

④ 食育推進検討委員会を開催し、各課との連携を強化します。

④食育推進検討委員会を開催し、各課との連携を強化します。

重点項目1 日常生活における歩数の増加

1 歩数の計測を推進します

① 子どもから高齢者までのすべての年代に、身体活動・運動と生活習慣病との関係

について、正しい知識の普及啓発に努めるとともに、歩数の計測などの運動量がわ

かる簡単なツールの活用方法や情報を提供し運動を推進します。

2 外出する機会の増加

① 運動実践のための拠点施設として、公民館・集会所などの既存の施設の活用を推

進し、楽しみながら続けられるよう各世代、年齢や性別に合わせた運動の機会の提

供に努めます。また、血圧や歩数などの測定を通して、自分で自分の健康管理がで

きるように推進します。

重点項目2 運動習慣者の割合の増加

1 運動のできる機会の提供

① 楽しみながら続けられるよう各世代、年齢や性別に合わせた運動の機会の提供を

するとともに、あらゆる機会を利用し、子どもから高齢者までのすべての年代が運

動やスポーツを行える機会の増加に努めます。

2 手軽にできる体操の普及

① 高齢者には、下肢筋力のアップを図るため、ボランティアなどを通じてロコモ予

防体操などの運動を推進します。

3 自主グループの育成や活動支援

① 自主グループ活動の育成や支援を推進します。

5 身体活動・運動

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重点項目3 高齢者の介護予防と環境整備

1 運動施設の利用と環境整備

① 運動実践のための拠点施設として、公民館・集会所などの既存の施設の活用を推

進します。

2 地区組織や他機関との連携

① 地区組織や他機関との協働により運動を推進します。

3 介護予防のための環境整備

① 高齢者には、下肢筋力のアップを図るため、ボランティアなどを通じてロコモ予

防体操などの運動を推進していきます。

重点項目1 こころの健康づくり意識の普及啓発

1 こころの健康づくりに関する知識の普及に努めます

① こころの健康づくり講演会、地域の健康教室等あらゆる機会に、ストレスへの対

処法やうつ病をはじめとするこころの病気についての情報提供、啓発を行います。

② 愛育委員会、民生委員会等で、こころの健康づくりの必要性、望ましい支援を啓

発し、連携して住民への声かけや見守り活動を推進します。

③ 四季を通じて広報紙、市ホームページによりメンタルヘルスチェックシステム

「こころの体温計」の活用を推進し、専門機関への早期の相談を促します。また、

健診会場、各種教室、育児相談等あらゆる機会に「こころの体温計」を周知します。

重点項目2 相談体制の充実

1 各種相談機関の周知

① こころの悩みを相談できる専門機関の周知に努め、また、医療機関や保健所、相

談支援事業所などこころの健康問題に関する相談機関との連携を強化します。

② 電話相談を行い、必要に応じて専門の相談窓口を紹介し支援します。

6 積極的な休養とストレスの解消の推進

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重点項目3 障害者の支援

1 障害者の自立を支援します

① こころの問題を抱えた人やその家族が生きる力を持ち、自立を促進するために、

患者家族会の育成支援に努めます。

重点項目1 未成年者の飲酒防止

1 学校との連携による未成年者の健康教育の実施

① 思春期ふれあい学習等の機会を通じ、未成年者に飲酒の危険性について健康教育

を行います。

2 関係機関との連携の推進

① 関係機関との連携を推進し、飲酒が健康に及ぼす影響についての情報提供などを

行い、知識の普及・啓発に努めます。

重点項目2 妊産婦の飲酒防止

1 妊産婦の飲酒防止教育の実施

① 母子健康手帳交付時、もしくは妊娠早期に個別面接を行うよう努めます。その際、

飲酒についての個別相談を行います。

重点項目3 適切な情報提供による多量飲酒者の減少

1 適正飲酒の広報と相談機関の紹介

① 健診受診後の個別指導や健康相談時において、多量飲酒の危険性や体に負担をか

けにくい飲酒の方法などの保健指導を行います。

② アルコールの多量飲酒等の問題を抱えた人に対し、個別相談とともに専門機関を

紹介します。

7 節度ある適度な飲酒の知識の普及・未成年者の飲酒防止

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重点項目1 未成年者の喫煙の防止

1 学校における禁煙教育の徹底

① 各中学校で実施されている禁煙教育に加え、思春期ふれあい学習等の学習場面に

おいて、たばこについての学習を取り入れます。

2 家庭・地域との連携による禁煙意識の広報を行う

① 愛育委員等健康づくりボランティアやPTA等地域での未成年者の禁煙活動を

支援するとともに、関係組織との連携を図り禁煙意識の普及啓発を推進します。

重点項目2 妊産婦の喫煙防止

1 母子保健事業における健康教室や相談の実施

① 母子健康手帳交付時、乳幼児健診・訪問等妊産婦の喫煙と子どもへの影響につい

て正しい知識の普及と相談体制を整えるよう努めます。

② 若い女性の健診等での健康教育・健康相談を実施します。

重点項目3 適切な情報提供による喫煙率の減少

1 たばこによる健康への影響に関する健康教育の実施

① 個別相談等でたばこをやめたいが一人ではやめにくい人に対し、相談に応じると

ともに専門機関を紹介するなどの支援を行います。

2 禁煙健康相談の実施

① 健診受診後の個別指導や健康相談等の機会を捉え、たばこと健康に対する正しい

情報提供を行います。

8 十分な情報提供による喫煙率の減少

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重点項目 1 歯の健康意識の向上

1 歯と生活習慣病予防に関する健康教育の増加

① 現状では保健学級やミニデイサービスにおいて歯科保健に関する健康教育を実

施しています。今後は、乳幼児健診・若い女性の健診・男性料理教室等あらゆる機

会を通じて、幅広い対象に歯と生活習慣病予防との関連性についての健康教育を実

施していきます。

② 歯の健康週間等の機会を捉え、広報紙やチラシ等で歯と口の健康づくりに関する

知識の普及を図ります。

2 歯科の専門家による相談機会の増加

① 健康福祉のつどい等専門家による健康教育の場の活用等により、歯に関する相談

機会の増加を図ります。

重点項目 2 定期的歯科検診と自己管理能力の向上

1 歯の自己管理及び歯科医の定期受診勧奨

① 歯科医師会や各地区組織等への働きかけを行い、自己管理及び定期受診勧奨を行

います。

② 職域との連携を図り、定期受診の勧奨を行います。

9 生涯を通した歯の健康づくり

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数値目標については、国・県の目標値を目安に、現在値から目標設定を行いました。

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 がん検診の受診率の向上

①がん検診受診率※1

肺がん 男性 19.4%

女性 34.1% 47.5% 70.0%以上 50.0%以上

胃がん 男性 15.2%

女性 20.9% 24.6% 40.0%以上 50.0%以上

大腸がん 男性 21.8%

女性 30.3% 30.7% 40.0%以上 50.0%以上

乳がん 15.2% 20.9% 30.0%以上 30.0%以上

子宮頸がん 15.0% 19.6% 30.0%以上 30.0%以上

2 がん検診の質の向上

①精密検査受診率

胃がん 87.8% 92.9% 100.0% 90.0%以上

肺がん 67.9% 100.0% 100.0% 90.0%以上

大腸がん 64.2% 62.8% 100.0% 90.0%以上

乳がん 97.4% 95.7% 100.0% 100.0%

子宮頸がん 18.2% 100.0% 100.0% 90.0%以上

※1 国・県との整合性を図るため、評価対象年齢を 40~69歳とします。なお、乳・子宮頸

がんは全年齢を対象とします。(平成 29 年度「岡山県がん対策推進計画」との整合性を

図る)

3 数値目標

1 がん

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項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 糖尿病に関する知識の普及と個人の予防意識の向上

①BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 15.0%以下

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

②日常生活における歩数の増加

男性 5,860歩 5,775歩 8,500歩以上 7,500歩以上

女性 6,464歩 5,815歩 9,000歩以上 8,000歩以上

③栄養バランスを考えて食事する

人の割合 71.0% 71.4% 70.0%以上 75.0%以上

2 健康診断を受ける人の増加

①特定健康診査 受診率の向上 22.1% 47.0% 50.0% 60.0%以上

②特定保健指導利用率(終了者)

の増加 23.0% - - 45.0%

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 高血圧者の減少

①成人1日あたりの食塩摂取が 10g以上摂取者の減少

男性 29.0% 33.3% 30.0%以下 25.0%

女性 17.0% 26.4% 25.0%以下 15.0%

②カリウム摂取量の増加 2,047mg 1,936.7mg 3,500.0mg 3,500.0mg

2 高脂血症者の減少

①BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 15.0%以下

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

②運動習慣のある人の増加(週2日以上)

男性 32.6% - - 40.6%

女性 35.5% - - 46.5%

③食物繊維摂取量の増加

男性 12.8g 9.6g 20.0g以上 20.0g以上

女性 14.3g 11.1g 20.0g以上 20.0g以上

2 糖尿病

3 脳血管疾患・心疾患等

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項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 児童生徒に対する目標

①児童生徒の肥満児の減少 9.5% 3.0% 減少 5.0%

②朝食を毎日食べる児童生徒の

増加 88.2% 92.5% 100.0% 100.0%

③食事は楽しいと感じる子ども

の増加 44.2% 43.4% 100.0% 100.0%

2 青年期に対する目標

①朝食を毎日食べる人の増加 68.8% 29.7% 90.0%以上 100.0%

②1日あたりの平均食塩摂取量 10g以上摂取者の減少

男性 34.0% 33.3% 30.0%以下 25.0%

女性 4.5% 26.4% 25.0%以下 3.0%

③鉄分摂取量の増加(女性) 6.7mg 6.0mg 12.0mg 以上 12.0mg

3 壮年期、中年期に対する目標

①BMIの意味を知っている人

の増加 56.5% 29.7% 100.0% 100.0%

②BMI25以上の人の割合の減少

男性 36.8% 21.2% 10.0%以下 10.0%以下

女性 13.7% 16.0% 7.0%以下 7.0%以下

③鉄分の摂取量の増加(女性) 6.7mg 6.0mg 12.0mg 以上 12.0mg以上

④朝食を毎日食べる人の増加 84.4% 69.0% 90.0%以上 100.0%

⑤栄養のバランスをいつも考え

て食事をする人の増加 70.2% 69.9% 70.0%以上 80.0%

⑥いつも腹いっぱい食べる人の

減少 28.0% 39.9% 10.0%以下 10.0%

⑦食事をよくかんで食べる人の

増加 13.2% 19.3% 70.0%以上 70.0%

⑧間食を3回以上食べる人の減

少 3.5% 5.0% 0.0% 0.0%

4 高齢者に対する目標

①栄養バランスを考えて食事す

る人の増加 76.7% 77.3% 80.0% 80.0%

追加

①栄養成分表示をする店舗の増加 47店舗 41店舗 50店舗 50店舗

4 栄養・食生活

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93

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 運動習慣の定着

①日常生活における歩数の増加

男性 5,860歩 5,775歩 8,500歩以上 7,500歩

女性 6,464歩 5,815歩 9,000歩以上 8,000歩

②日常生活における歩数測定者の割合

男性 - - - 35.0%

女性 - - - 40.0%

2 運動習慣者の割合の増加

①運動習慣者の増加

男性 32.6% - - 40.6%

女性 35.5% - - 46.5%

②ロコモ予防体操実施者の割合の増加

男性 - - - 28.3%

女性 - - - 28.3%

③BMI25以上の人の割合の減少

男性 29.2% 21.2% 10.0%以下 25.0%

女性 12.4% 16.0% 7.0%以下 10.0%

④運動実践自主グループの増加

運動実践自主グループ数(団体) 12 3 0 増加

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

①ストレスを解消できる人の増加 65.5% 49.9% 60.0%以上 増加

②睡眠によって休養が十分取れて

いない人の割合の減少 37.1% 21.3% 12.0%以下 25%以下

③自殺者の減少 6人※1 17人 減少 5人以下

※1:2012年の自殺者数

5 身体活動・運動

6 積極的な休養とストレス解消の推進

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94

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 未成年者の飲酒をなくす

①中学生の飲酒経験あり 12.3% 19.1% 0.0% 0.0%

2 成人の飲酒による健康障害予防

①毎日飲酒する人 39.6% - - 30%以下

②飲酒量(純アルコール換算)

男性 40g以下 29.1% - - 25%以下

女性 20g以下 34.0% - - 28%以下

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 十分な情報提供を通して喫煙率を減少させる

①禁煙希望者の増加 47.1% 46.6% 50.0% 50.0%以上

②COPDによる受診者

(5月診療分) 20人 - - 10人

③COPDによる死亡者数 8人 - - 4人

④妊娠中の喫煙者割合 5.2% - - 0.0%

⑤未成年でたばこを吸いたいと思

わない人の割合 - 89.3% 100.0% 100.0%

7 飲酒

8 喫煙

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95

項 目 現状

(2013年) 前回値

(2006年)

第一次計画 目標値

(2010年)

本計画 目標値

(2024年)

1 乳幼児のむし歯有病率

①3歳児のむし歯有病率 27.3% - 50%以下 20.0%未満

2 学童期のむし歯有病率

①中学生のむし歯有病率 26.7% - 30%以下 18.0%未満

3 成人期の歯周病予防

①1回の歯磨きに3分以上かける

人の増加 30.4% 21.4% 40.0%以上 40.0%以上

②専門的なブラッシング指導を受

けた人の割合の増加 75.7% 49.9% 60.0%以上 80.0%以上

③定期検診受診者の割合の増加 31.8% 52.2% 60.0% 60.0%

4 高齢期の口腔機能向上

①60 代で 24 本以上持つ人の割合

の増加 75.2% 54.5% 60.0% 80.0%

9 歯

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氏名順不同

(敬称略)

役職名 氏名 備考

(保健医療関係者)

高梁医師会会長 池田 元子 副委員長

高梁医師会副会長 仲田 永造

高梁歯科医師会会長 八木 哲哉

岡山県薬剤師会高梁支部支部長 岡本 達明

高梁市愛育委員会連合会会長 穴田 英子

高梁市栄養改善協議会連合会会長 堤 美智子

高梁母親クラブ会長 髙橋 縁

(学識経験者)

吉備国際大学保健医療福祉学部

(看護学科)教授 尾瀬 裕 委員長

吉備国際大学心理学部

(子ども発達教育学科)准教授 上田 憲嗣

高梁市教育委員会教育委員長 山内 廣子

高梁市学校教育研修所養護・保健部長 宇野 範子

(社会福祉関係者)

高梁市民生委員児童委員協議会会長 上森 俊典

高梁市老人クラブ連合会会長 太田 聖眼

高梁市身体障害者福祉協会会長 中山 彰芳

高梁市社会福祉協議会会長 内田 親秀

(行政関係者)

備北保健所長 徳山 雅之

任期:平成 25年2月1日~平成 27年1月 31日

資料編

1 すこやかプラン21推進委員会委員名簿

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平成18年6月21日

告示第116号

(目的及び設置)

第1条 市民の生涯を通じた健康な地域づくりの実現を目指して、「すこやかプラン21」を推

進するため、すこやかプラン21推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第2条 委員会は、次に掲げる事務を行う。

(1) すこやかプラン21の推進に関すること。

(2) すこやかプラン21の事業評価に関すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が特に認めること。

(委員)

第3条 委員会は、20名以内の委員をもって組織し、委員は、次の各号に掲げる者のうちから

市長が委嘱する。

(1) 保健医療関係団体の代表者

(2) 社会福祉関係団体の代表者

(3) 学識経験者

(4) 行政関係者

(任期)

第4条 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。

2 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(役員)

第5条 委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により選出する。

(1) 委員長は、会務を総理し、組織を代表する。

(2) 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときはその職務を代理する。

(会議)

第6条 委員会の会議は、委員長が招集し、議長となる。

(検討会)

第 7 条 第 2 条の所掌事務に関する具体的事項についての実施体制を検討し、円滑な推進

を図るため、委員会にすこやかプラン 21推進検討会(以下「検討会」という。)を置く。

2 検討会は、会長、副会長及び会員をもって組織する。

(1) 会長は、健康福祉部長をもって充て、副会長は、会長が指名する。

(2) 会長は検討会を総理し、会長に事故があるときは、副会長がその職務を代理する。

(3) 会員は秘書政策課長、市民課長、福祉課長、子ども課長、保険課長、農林課長、学校

教育課長及び社会教育課長をもって充てる。

3 検討会は、会長が必要に応じて招集し、会長が議長となる。

4 会長は、必要に応じて検討会に関係者の出席を求め、説明又は意見を聞くことができる。

2 すこやかプラン21推進委員会設置要綱

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(報酬及び費用弁償)

第 8条 委員が委員長の招集に応じて会議に出席した場合には、報酬及び旅費を支給する。

2 前項に規定する報酬及び旅費の額は、高梁市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用

弁償に関する条例(平成 16年高梁市条例第 35号)の定めるところによる。

(庶務)

第9条 委員会の庶務は、健康づくり課において行う。

(その他)

第10条 この告示の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この告示は、公布の日から施行する。

(会議の招集に関する経過措置)

2 第6条の規定にかかわらず、最初に開かれる審議会の会議は、市長が招集する。

附 則(平成19年5月10日告示第197号)

この告示は、公布の日から施行し、平成19年4月1日から適用する。

附 則(平成21年3月30日告示第112号)

この告示は、平成21年4月1日から施行する。

附 則(平成 23年 3月 30日告示第 89号)

この告示は、平成 23年 4月 1日から施行する。

附 則(平成 25年 3月 29日告示第 99号)

この告示は、平成 25年 4月 1日から施行する。

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愛育委員 母子保健を中心として乳幼児から高齢者まで、生涯にわ

たる健康づくりの推進に努めるとともに、母子に対する

個別訪問活動、幼児クラブの育成援助など子育て支援活

動を行っているボランティアです。

悪性新生物 がん並びに肉腫のことで、悪性腫瘍とも呼ばれます。細

菌、ウイルスのように外から侵入してくるものではな

く、その人本来の細胞が変化したもので、内から発生し

たものです。

栄養委員 食事・運動を中心に乳幼児から高齢者までを対象とし

て、元気で活力のある健康なまちづくりを目指して活動

を行っている健康づくりのボランティアです。

下肢閉塞性動脈硬化 腹部大動脈及び下肢動脈の動脈硬化が進行し、血管内腔

の狭窄あるいは閉塞により慢性の血流障害を起こした

病態です。下肢の血液が流れにくくなるために、足先の

冷感やしびれ、間歇性跛行がおこります。さらに放置し

ておくと足先の壊死を起こし、下肢切断に至ることもあ

ります。

管理栄養士 地域における栄養や食生活習慣の改善に関する相談、教

育を行っています。健康づくり及び栄養・食生活の改善

に関する専門的知識や技術、技能をもつ専門職です。

共食 家族で食卓を囲んで食べることです。

健康運動指導士 個々人の心身の状態に応じた安全で効果的な運動を実

施するための運動プログラムの作成と指導をする専門

職です。

3 用語解説

あ行

か行

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健康寿命 健康寿命は「寝たきりや認知症にならない状態で生活で

きる期間」のことで、平均寿命から支援や介護が必要と

なる期間を差し引いた寿命のことです。

こころの体温計 携帯電話やパソコンを利用して気軽にストレスや落ち

込み度をチェックできるシステムです。

脂質異常 血液中の総コレステロール、LDLコレステロール、H

DLコレステロール中性脂肪の値が異常の状態をいい

ます。狭心症、筋梗塞、脳血栓、高血圧症など重大な動

脈硬化性疾患の誘因となります。

就学前教育保育施設 保育園、幼稚園、認定こども園等すべての就学前施設の

総称

受動喫煙 たばこの火のついたところから立ち上がる煙や、たばこ

を吸っている人が吐き出した煙を、自分の意志とは無関

係に吸いこんでしまうことを受動喫煙といいます。

食育 さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を

選択する力を習得し、健全な食生活を実践することがで

きる人間を育てることです。食育基本法では、生きるう

えでの基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となる

べきものと位置づけられています。

自立支援医療 精神疾患の治療のために医療機関に通院する場合に、医

療費の自己負担分の一部を公費で負担することです。

生活習慣病 食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深

く関与して発症する疾患の総称です。

脳血管疾患、心疾患、及び脳血管疾患や心疾患の危険因

子となる動脈硬化症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症な

どはいずれも生活習慣病です。

さ行

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セルフケア 自分で自分の健康を管理することです。

ソーシャルキャピタル 人々の協調行動を活発化することによって、社会の効率

性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワー

ク」といった社会組織の特徴です。健康づくりの分野で

もその重要性が高まっています。

地産地消 「地域生産、地域消費」を略した言葉で「地域でとれた

生産物をその地域で消費する」という意味で使われま

す。

低出生体重児 生まれた時の体重が 2,500g未満の赤ちゃんのことを

いいます。

糖尿病 血液中には、エネルギーのもとになる糖分(血糖)が含

まれていますが、この血糖を調節するインスリンという

ホルモンが不足したり、作用が弱かったりして、血糖値

が異常に上昇する病気です。

特定健康診査 メタボリックシンドロームの状態を早期にみつけるた

めの健康診査です。国の特定健康診査等基本方針に即し

て各保険者が作成する特定健康診査等実施計画に基づ

き、40 歳~74 歳の被保険者及びその被扶養者を対象

に行います。

特定高齢者 現在は自立しているが将来、要介護になる可能性のある

高齢者のことです。

特定保健指導 特定健康診査の結果に基づき、メタボリックシンドロー

ムの該当者には積極的支援、メタボリックシンドローム

の予備群には動機付け支援を行い、運動や食生活を見直

すことで、メタボリックシンドロームの改善と生活習慣

病の予防を目指します。

た行

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乳児突然死症候群 それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく、

眠っている間に突然死亡してしまう病気です。生後 2~

6 か月頃が最も多く、そのほとんどが 1 歳未満の赤ちゃ

んに起きています。

認知症 一度獲得した知的能力が脳の後天的な変化により著し

く低下した状態のことをいいます。病状の進行により判

断力等も低下し、日常生活に支障をきたすようになりま

すが、認知症は脳の障害により生じる「病気」であり、

一般的な病気と同様、適切な治療により改善されること

もあります。

メタボリックシンドロ

ーム

内臓に脂肪が蓄積している内臓脂肪型肥満に加え、脂質

異常、高血圧、高血糖といった生活習慣病の危険因子を

2 つ以上持っている状態のことをいいます。糖尿病や高

血圧症、脂質異常症の一歩手前の段階でも、これらが内

臓脂肪型肥満をベースに複数重なることによって、動脈

硬化を進行させ、心臓病や脳卒中の危険性が高くなりま

す。

要介護状態 身体または精神上の障害があるため入浴、排せつ、食事

等の日常生活の全部または一部に、一定期間継続して常

時介護を必要と見込まれる状態であって、その程度に応

じて国が定める区分のいずれかに該当する状態のこと

をいいます。

ライフスタイル 個人の生活様式や行動様式、生活のパターンのことをい

います。

な行・は行

ま行

や行

ら行・わ行

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ロコモティブシンドロ

ーム

「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い

状態になることです。「運動器の障害」の原因には、大

きく分けて、「運動器自体の疾患」と「加齢による運動

器機能不全」があります。

ABC診断(胃がんリス

ク検査)

血液検査(ヘリコバクター・ピロリ抗体検査とペプシノ

ゲン法を組み合わせたもの)により、胃がん発生の危険

度を A.B.C の 3 段階で推定する検査です。

BMI Body Mass Index(体格指数)の略で、体重(kg)÷身

長(m)÷身長(m)で算出される体格の状況を示す指数の

ことです。判定基準は、18.5 未満で「低体重(やせ)」、

18.5 以上 25 未満で「普通体重」、25 以上で「肥満」

となります。

COPD(慢性閉塞性肺

疾患)

肺気腫・慢性気管支炎等により閉塞性換気障害を特徴と

する疾患です。たばこの影響が大きく、「たばこ病」と

もいわれています。

HDLコレステロール HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれ、

動脈硬化の進行をおさえる働きがあります。また、血液

中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を回

収します。数値が低いと、脂質代謝異常動脈硬化疑われ

ます。

LDLコレステロール LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれ、

数値が高い場合、血管壁に蓄積して動脈硬化を進行さ

せ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。

NCD 疾患になる原因が、感染によるものではない疾患の総称

のことです。特に、がん、循環器疾患、糖尿病及び COPD

は、我が国においては生活習慣病の一つとして位置づけ

られています。

英数字

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PAF

Population Attributable Fraction の略です。特定の

要因への暴露がなかったとすれば、がんの発生が減少す

るとされるパーセントのことです。