研 究 業 績 書(成果概要付) - fiber bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付)...

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- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013 年 3 月 1 日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計 1 件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應 義塾大学大学院政策・メディア研究科博士論文( 513 ペ-ジ) 2003 【概要】 広域的なノ-マライゼイションを推進する上で,行政や事業者の予算制約が大きな阻害要因になって いる.それを問題意識として環境経済学の仮想市場法を援用し,空間改善施策のベネフィットやコスト の公平な認知を前提にした生活者の必要技術量を客観的に,貨幣尺度で計測する研究を全国的に行った. その結果に基づき,問題解決方策を博士論文にまとめた.また,導入技術の質と量の決定に際し,従来 の質問紙方式にシニアシミュレイタ装着体験とグル-プインタヴィュ-参加体験を加えることの優位性 を実証し,空間改善の推進に必要な改善技術量の客観的な決定に資する仮想市場法の洗練化に成功した. 02.修士学位論文(総計 1 件) T.Nishiyama, The Research into the Realistic Policy on Realizing the Non-barrier Transportation System by Application of Contingent Valuation Method ( 仮想市場法応用による現実的な交通バリア フリ-政策の研究), Master Thesis, Keio University Graduate School of Media and Governance, 2000. 【概要】 交通環境のノ-マライゼイションを推進過程で,行政や事業者の予算制約が大きな阻害要因になって いる.それを問題意識として環境経済学の仮想市場法を援用し,空間改善施策のベネフィットやコスト の公平な認知を前提にした生活者の必要技術量を客観的に貨幣尺度で計測する研究を首都圏域に限定し 展開した.特に本研究では,交通環境のユニヴァ-サルデザイン推進過程での応能負担の優位性を仮説 に設定し,東京都国立市・神奈川県相模原市での調査より,応益負担よりも応能負担が有意である点を 実証した.これにもとづいて計測結果もあわせて首都圏域での障壁除去施策の政策方向性を論文とした. 03.査読付き論文(いずれも複数名の評価者の査読を受けた論文)(総計 18 件) [01] 西山敏樹・後明賢一,仮想評価法を用いた交通環境のノ-マライゼイション推進方策の研究,計画 行政( 日本計画行政学会) ,第 23 3 号,pp.30 37 2000 【概要】 交通環境のノ-マライゼイション推進に際して,交通行政や公共交通事業者の財政的な制約が将来に 向けても確実な状況であることが本論文の問題意識である.その問題意識を基に筆者は,自然環境財と 交通福祉財の公共財的性格類似性に着目し,ノ-マライゼイション推進施策実施によるベネフィットと コストの認知を前提にした生活者の必要技術量の貨幣尺度による計測に仮想市場法を援用した.本論文 では,仮想市場法援用に際しての質問紙の設計方法に言及すると共に神奈川県相模原市での計測結果と 考察をまとめてある.論文の内容は小生の修士論文の成果を簡潔にまとめたものとして位置づけられる. [02] 西山敏樹・後明賢一・有澤誠,仮想市場法の援用による現実的なノ-マライゼイション推進政策の 研究:応能負担の優位性検証を中心に,KEIO SFC JOURNAL( 慶應義塾大学湘南藤沢学会発行・ 紀伊国屋書店販売) Vol.1, No.1 pp.126 149 2002 【概要】 上記の原著論文[01] の続編に位置づけられる.小生らは,神奈川県相模原市で展開したものとまったく 同じ内容の社会調査を公共交通環境が酷似しており年間平均所得が高い東京都国立市で実施した.その 結果から,ノ-マライゼイション施策推進への客観的負担意思金額が支払能力( 所得格差) に強く依拠する ことを実証し,都市部での政策構築プロセスでの応能負担の優位性を証明した.併せて仮想市場法調査

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Page 1: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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研 究 業 績 書(成果概要付)

2013年3月1日現在

西山 敏樹

01.博士学位論文(総計1件)

西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應 義塾大学大学院政策・メディア研究科博士論文(全513ペ-ジ),2003. 【概要】 広域的なノ-マライゼイションを推進する上で,行政や事業者の予算制約が大きな阻害要因になっている.それを問題意識として環境経済学の仮想市場法を援用し,空間改善施策のベネフィットやコスト

の公平な認知を前提にした生活者の必要技術量を客観的に,貨幣尺度で計測する研究を全国的に行った.

その結果に基づき,問題解決方策を博士論文にまとめた.また,導入技術の質と量の決定に際し,従来

の質問紙方式にシニアシミュレイタ装着体験とグル-プインタヴィュ-参加体験を加えることの優位性

を実証し,空間改善の推進に必要な改善技術量の客観的な決定に資する仮想市場法の洗練化に成功した. 02.修士学位論文(総計1件)

T.Nishiyama, The Research into the Realistic Policy on Realizing the Non-barrier Transportation System by Application of Contingent Valuation Method (仮想市場法応用による現実的な交通バリア フリ-政策の研究), Master Thesis, Keio University Graduate School of Media and Governance, 2000. 【概要】

交通環境のノ-マライゼイションを推進過程で,行政や事業者の予算制約が大きな阻害要因になって

いる.それを問題意識として環境経済学の仮想市場法を援用し,空間改善施策のベネフィットやコスト

の公平な認知を前提にした生活者の必要技術量を客観的に貨幣尺度で計測する研究を首都圏域に限定し

展開した.特に本研究では,交通環境のユニヴァ-サルデザイン推進過程での応能負担の優位性を仮説

に設定し,東京都国立市・神奈川県相模原市での調査より,応益負担よりも応能負担が有意である点を

実証した.これにもとづいて計測結果もあわせて首都圏域での障壁除去施策の政策方向性を論文とした.

03.査読付き論文(いずれも複数名の評価者の査読を受けた論文)(総計18件)

[01] 西山敏樹・後明賢一,仮想評価法を用いた交通環境のノ-マライゼイション推進方策の研究,計画

行政(日本計画行政学会),第23巻3号,pp.30-37,2000. 【概要】 交通環境のノ-マライゼイション推進に際して,交通行政や公共交通事業者の財政的な制約が将来に向けても確実な状況であることが本論文の問題意識である.その問題意識を基に筆者は,自然環境財と

交通福祉財の公共財的性格類似性に着目し,ノ-マライゼイション推進施策実施によるベネフィットと

コストの認知を前提にした生活者の必要技術量の貨幣尺度による計測に仮想市場法を援用した.本論文

では,仮想市場法援用に際しての質問紙の設計方法に言及すると共に神奈川県相模原市での計測結果と

考察をまとめてある.論文の内容は小生の修士論文の成果を簡潔にまとめたものとして位置づけられる. [02] 西山敏樹・後明賢一・有澤誠,仮想市場法の援用による現実的なノ-マライゼイション推進政策の

研究:応能負担の優位性検証を中心に,KEIO SFC JOURNAL(慶應義塾大学湘南藤沢学会発行・紀伊国屋書店販売),Vol.1, No.1,pp.126-149,2002.

【概要】 上記の原著論文[01]の続編に位置づけられる.小生らは,神奈川県相模原市で展開したものとまったく同じ内容の社会調査を公共交通環境が酷似しており年間平均所得が高い東京都国立市で実施した.その

結果から,ノ-マライゼイション施策推進への客観的負担意思金額が支払能力(所得格差)に強く依拠することを実証し,都市部での政策構築プロセスでの応能負担の優位性を証明した.併せて仮想市場法調査

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自体に対する生活者の意見をコミュニケイション論の観点から分析し,質問紙上の静的情報だけでなく

「動的情報」(グル-プインタヴィュ-,シニアシミュレイタ,ヴィデオテ-プ視聴)の必要性を導いた. [03] 西山敏樹・片岡正昭・有澤誠,仮想市場法援用による連続的障壁除去施策の社会経済性評価にかん

する研究, 政策メッセ 2003政策研究論文集(政策分析ネットワ-ク),pp.28-39,2003 (本論文はフルペイパで,政策分析ネットワ-ク優秀論文賞,ならびに若手研究者賞に選定され表彰を受けた).

【概要】 全国的に必要とされる公共交通環境のユニヴァ-サルデザイン推進技術の質と量を仮想市場法で調査し,その結果に基づく技術普及策を論じた.特に,生活者が貨幣尺度で示した必要技術量を「在住都市

環境の差」,「性別差」,「年齢差」,「家庭の年収差」という 4 つの視点で分析し,政策構築に資する情報の抽出を目指した.特に年齢では,すべての施策で20代から50代にかけて支払意思金額が高まり以降下降傾向となった.一方年収では,すべての施策について年収が高くなるにつれて支払意思金額も比例

して上昇する傾向が確認された.この結果を総合的に勘案すると,家計規模(負担能力)と支払意思金額の間に強い相関が確認され,政策実施のプロセスでの応能負担の全国的な優位性を実証することができた. [04] 西山敏樹・片岡正昭・有澤誠,交通バリアフリ-政策の社会経済性評価に資する仮想市場法を

べ-スとした新しい社会的コミュニケイション手法の研究,季刊政策分析(政策分析ネットワ-ク),第1巻第1号,pp.15-27,2004.

【概要】 公共交通事業経営が悪化する中,交通環境の障壁除去の面的な拡大が一層強く求められている.円滑

に障壁除去を進めるためにも,開発者側の制約認知を前提とした市民の各種障壁除去施策への客観的な

支払意思金額の計測が重要である.本目的を達成するため仮想市場法を援用するケ-スが多い.しかし

生活者からは,多用される質問紙式の調査に加え,判断過程に「関係者参加のグル-プ討議」「障碍体験

機具装着」「改良効果が判る視聴覚コンテンツ放映」を求む声が強かった.本研究では,質問紙での回答

に続き,各班で順番を入れ替える前提で上記三手法を被験者に体験してもらい,各々が終了する時点で

客観的な支払意思金額を毎回質問する調査を実施した.結果,質問紙形式に続き順番に関係なく「グル

-プ討議」「障碍体験機具装着」を交え回答させる形態が,一層客観的な判断を得られる点を実証できた. [05] 西山敏樹・瀧内冬夫・茂木俊二・小林亨仁・百貫正・稲垣亜希子,ノンステップバスの標準化政策

に向けた床材防滑基準に関する研究,計画行政(日本計画行政学会),第 30巻 1号,pp.117-126,2007.

【概要】

交通環境のユニヴァ-サルデザイン化の一環で,国土交通省主導でノンステップバスの標準化政策が

進んでいる.しかし,車両用床材のすべりについては特に基準の上限値が定められておらず,一方では

転倒事故のみが増加の傾向にある.本研究では,そうした問題意識の下,当時国内で最もすべりにくく

つまずきにくいと公的機関で評価された石英石製の床材を実証車両に敷設して,従来の床材と比較して

もらい,防滑基準の上限値としてどの程度が適正なのかを割り出した.その結果,すべり抵抗値(CSR)で,乾燥時に0.901,水とダストをまいた時に0.566を保てる水準の床材が適当である点を割り出した. [06] 西山敏樹・瀧内冬夫・安藤薫子・有澤誠,高機能車いすを用いたユニヴァ-サルな移動環境の構築

戦略の研究,計画行政(日本計画行政学会),第31巻3号,pp.45-50,2008. 【概要】

この論文では,コンピュ-タソフトウェアとジャイロセンサを有効活用し,階段昇降や荒地走行など

を可能にした次世代型車いす iBOTTMをテ-マにとりあげ,下肢障碍者の利用評価から階段昇降や荒地

走行が可能な高機能車いすを効果的に利用したユニヴァ-サルデザイン推進政策の可能性を検討・整理

している.特に,教育施設や垂直移動を必要としない施設では,従来の基盤整備型のバリアフリ-化と

比べて高機能車いすの導入支援をしてユニヴァ-サルデザイン化を推進する社会政策を期待する人々が

多かった.これを念頭に置いた新しい日本型のユニヴァ-サル社会創造の戦略を本論文で提示している. [07] 西山里利・塩瀬隆之・西山敏樹・又吉慧,看護技術の発信・共有・創発を支援する取り組み~イン

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クル-シブデザインワ-クショップ手法を用いて,日本看護技術学会誌(日本看護技術学会),第 8巻1号,pp.29-32,2009.

【概要】

より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.筆者らは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1 日で高齢者インナ-シュ-ズのコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用いて,学会会員が考える)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働の方法を検討した.その結果,ケア提供者

にはリアルな協働が創発には有効で,ITの活用を従とした方が効果的である点を実証することができた. [08] 西山敏樹・江幡正彦・ 茂木俊二・ 小林亨仁・ 百貫正・ 稲垣亜希子,ノンステップバスの標準化

政策に向けた床材防滑基準に関する研究(2) ―雨天時・雪天時の評価も含めた総合的評価の実施と政策提言―,計画行政(日本計画行政学会),第32巻3号,pp.31-38,2009.

【概要】

バス車両のユニヴァ-サルデザイン推進の一環で,高防滑性床材の開発は重要な側面を担う.我々は石英石を用いた高硬度・高防滑性の床材を新規に開発して,継続的に実地評価調査を行っている.今回

従来の非雨天時に加え,雨天時と雪天時のバス利用者にも石英石床材の性能評価調査を行った.結果,

「床材の防滑性」,「履物と床材との相性」,「床材の意匠性」の主要各項目で80%以上の回答者が,雨天時・雪天時の従前の床材に比べて優れていると回答した.これまでの上記非雨天時の利用者評価調査の

成果と統合的に解釈することにより「床材の防滑性」,「履物と床材との親和性」,「床材のデザイン(意匠性)」の主要三項目で,新しい石英石製床材の優位性が天候に関係なく明らかになっている.また,実験に協力してくれたバス事業者も上記の三点に対する評価が高いことを,別途ヒヤリング調査で実証した.

上記より,今回の実証試験で用いた石英石製床材の滑り抵抗値の値があらゆる場合に有効と証明できた.

将来に向けた,ノンステップバス標準化基準政策の床材に関する基準策定で有用な結果を提案している. [09] 西山里利・茶園美香・宮川祥子・西山敏樹,社会のケア力向上に資する e-ケアにおけるコミュニ

ケ-ションデザイン,KEIO SFC JOURNAL(慶應義塾大学湘南藤沢学会発行・紀伊国屋書店販売),Vol.9 No.2,pp.91-100,2010.

【概要】

本研究は,慶應義塾大学 e-ケアHRCプロジェクトにおける ICT活用の現状と課題を明確化し,社会のケア力向上に資する e-ケアのコミュニケーションデザインについて検討することを目的とする.まず,e-ケアHRCプロジェクトのサブ研究チーム 17件に,Webサイト運営に関する質問紙調査を実施した.つぎに,SFC Open Research Forum2008でセッションを企画し,テ-マ「社会のケア力向上に資するe-ケア世界の拡がり」について討議を行った.その結果,ユ-ザのニ-ズに応じ 5 つのオンライン支援タイプ及びオンライン-オフライン利用の3パタ-ンによって支援していくことの必要性が示唆された. [10] 西山里利・塩瀬隆之・西山敏樹・又吉慧・加納三代,看護におけるインクル-シブデザインワ-ク

ショップ手法活用の可能性,日本看護技術学会誌(日本看護技術学会),第9巻1号,pp.50-54,2010. 【概要】

より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.筆者らは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1 日で,病院で使用するセッシのコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用い学会会員が検討)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たなコラボレイションの方法を検討した.結果,ケア提供者

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にはリアルな協働が創発には有効で,ITの活用を従とした方が効果的である点を実証することができた. [11] 西山里利・塩瀬隆之・西山敏樹・又吉慧,看護用具・用品開発でのインクル-シブデザインワ-ク

ショップ手法の援用-消臭繊維を活用した新しい看護用具・用品の概念構築-,日本看護技術学会

誌(日本看護技術学会),第10巻1号,pp.59-62,2011. 【概要】

より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.筆者らは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1 日で消臭繊維を用いた看護医療用品のコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用い,学会会員が検討)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働の方法を検討した.その結果ケア提供者

にはリアルな協働が創発には有効で,ITの活用を従とした方が効果的である点を実証することができた. [12] 西山敏樹・野田靖二郎・清水浩,電動フルフラットバス普及に向けた社会戦略の研究,計画行政

(日本計画行政学会),第34巻2号,pp.70-77,2011. 【概要】

本研究では,神奈川県下全12バス事業者に対して電動フルフラットバスの概念とメリット,導入への課題,コスト等を客観的に開示し,実際に車を購入して営業に使用する事業者の実状と導入への見解を

ヒヤリング調査で明らかにした上で,普及に向けた社会モデル構築を行った.上記の調査結果に基づき

電動フルフラットバスの普及に向け,バス事業者,行政,大学の各々の役割分担モデルを社会現状と低

費用をテ-マにまとめた.この普及モデルについては,産公民それぞれの良好な評価を得られ現実性が

証明された.この評価に基づき電動フルフラットバスを全国へ普及させる上での社会的戦略を提言した. [13] 西山敏樹・西山里利・小林亨仁・稲垣亜希子,公共交通車輌の最適な床材防滑基準値の研究,計画 行政(日本計画行政学会),第34巻3号,pp.108-115,2011.

【概要】

鉄道車両のユニヴァ-サルデザイン推進の一環で,高防滑性床材の開発は重要な側面を担う.我々は

石英石を用いた高硬度・高防滑性の床材を新規に開発して,継続的に実地評価調査を行っている.今回

新車の地下鉄車輌に高度防滑性の石英石床材を敷設してその性能評価調査を行った.結果,「床材の防滑

性」,「履物と床材との相性」,「床材の意匠性」の主要各項目で回答者が,雨天時・雪天時の従前の床材

に比べて優れていると回答した.従前の路線バスの車内での利用者評価調査の成果と統合的に解釈する

ことで「床材の防滑性」,「履物と床材との親和性」,「床材のデザイン(意匠性)」の主要三項目で,新しい石英石製床材の優位性が鉄道・バス共に明らかになった.また,実験に協力してくれた鉄道・バス事業

者も上記の三点に対する評価が高いことを,別途ヒヤリング調査で実証した.上記より今回の実証試験

で用いた石英石製床材の滑り抵抗値の値が,鉄道やバス等のあらゆる公共交通車輌で有効と証明できた.

将来に向けた,ノンステップバス標準化基準政策の床材に関する基準策定で有用な結果を提案している. [14] 西山敏樹・野田靖二郎・清水浩,電動フルフラットバスの日本国内での普及仕様の研究,計画行政

(日本計画行政学会),第35巻1号,pp.63-71,2012. 【概要】

上記査読論文[12]の続編として位置づけられる.本研究では,全国各地の27 バス事業者に対して電動フルフラットバスの概念とメリット,導入への課題,コスト等を客観的に開示し,実際に車を購入して

営業に使用する事業者の実状と導入への見解をヒヤリング調査で明らかにした上で,普及に向けて事業

者が必要とする電動バス車輌のデザインポリシ-として,大型前-中扉仕様(長さ10.5m),大型前-後扉仕様(長さ10.5m)ならびに小型前-中扉(長さ7m)のニ-ズが,全国的に極めて高いことを明らかにした.また全国27 バス事業者のバスを日常的に利用する計216 名の市民に質問紙調査を実施し,電動バスのインテリアに必要なものとして大きないすや自転車スペ-ス,給電器のニ-ズがある点を明らかにした.

Page 5: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[15] 西山里利・小林大祐・西山敏樹・又吉慧,インクル-シブデザインワ-クショップ手法を用いた 看護用具・用品開発の支援―口腔ケア用品に焦点を当てて―,日本看護技術学会誌(日本看護技術 学会),第11巻1号,pp.63-66,2012.

【概要】

より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.筆者らは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1 日で口腔ケア用品のコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用い,学会に参加した会員が検討する)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働の方法を検討した.その結果ケア提供者に

はリアルな協働が創発には有効で,ITの活用を従とした方が効果的であることを実証することができた. [16] 西山敏樹・野田靖二郎・清水浩,大型電動低床フルフラットバスの都市内での検証・評価研究, 計画行政(日本計画行政学会),第36巻1号,pp.47-53,2013.

【概要】

本研究では,慶應義塾大学で筆者他が試作開発した大型電動低床フルフラットバスの横浜・藤沢等の

都市内での実証走行結果と,都市交通システムに投入した際の検証と評価の成果を述べている.筆者が

所属する慶應義塾大学のある神奈川県バス協会を通じ,実証運行への協力を協会事業者の神奈川中央交

通株式会社と京浜急行バス株式会社に依頼した.実証走行初年度,片道運行時間が長くない 15 分-25分の2路線を選び2011年12月-2012年1月にかけて,上記2路線で各1週間,電動バスを実運行に極めて似た形で運行した.380人の利用モニタ-に評価質問紙調査を行い,7割の利用者が総合的に高い評価をした.また本論文では研究に協力した2事業者の全運転者の評価も高いことを明らかにしている. [17] 西山里利・松川智彦・小林大祐・又吉慧・西山敏樹,「救う・守る・癒す・創る」病室環境をデザ インする―インクルーシブデザインワークショップ手法を用いて―,第12巻1号,印刷中,2013.

【概要】

より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.筆者らは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1 日で次世代の病室環境のコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用い,学会参加会員が検討する)を通じ考えてもらった.結果的に次世代病院に関する潜在的なケア提供者のニ-ズが視覚化され,高満足度を得られる調査法である事が判った. [18] T.Nishiyama, S.Noda, M.Ishikawa, H.Shimizu, Electric Full Flat Floor Bus's Trial Production

and Research of the Spread Strategy in a Public Transportation System (電動低床のフルフラットバスの試作と公共交通システムへの普及戦略の研究), The International Journal of Critical Infrastructures (IJCIS) (Inderscience), Accepted, 2013.

【概要】 本研究では,走行に必要なリチウムイオンバッテリ-,インヴァ-タ,インホイ-ルモ-タ等を床下

に配した集積台車構造を援用し電動フルフラットバスを試作した際の技術的要点について説明し,更に

公共交通環境に投入していくためのポイントについて解明した.具体的に,合計 371名の一般モニタ-に電動フルフラットバスに試乗してもらい,8割の方がそのバリアフリ-性及び環境性能を高く評価して本格的な導入を期待した.併せて今の運賃以上の支払意思を示す人も多く導入のニ-ズの高さを示せた.

さらに実証運転者にも調査して,ドライヴィングインタフェイスも普通のバスと遜色がない事を示せた.

また日本国内では前-中扉だけでなく,運用の観点から前-後扉のレイアウトの需要が高い事を示した.

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04.国際会議発表論文(総計16件)

[01] T.Nishiyama, K.Gomyo, The Research into the Realistic Policy on Realizing the Non-barrier Transportation Environment by Application of "CVM" in the Metropolitan Area in Japan (首都圏域での仮想市場法を援用したバリアフリ-方策の研究), Proceedings of 29th International Geographical Congress, pp.381-382, 2000 (査読なし・口頭発表).

【概要】 昨今の障碍地理学展開を背景に,前記した神奈川県相模原市と東京都国立市の社会調査の結果をもとにして,国内首都圏域の交通環境におけるノ-マライゼイション推進政策のヴィジョンを論述している.

特に,経済地理学の視点も交え,負担能力の地域間格差(所得格差)による支払意思の差を考えた策の提言を行っている.併せて,ノ-マライゼイション推進施策の客観的評価に資する仮想市場法の援用手法に

ついても言及し,推進が同じように遅れている諸国での政策の構築に貢献する目的もあわせ持っている. [02] T.Nishiyama, K.Gomyo, M.Arisawa, The Study of the Characteristics Given When People in

and around Tokyo Who Are Deprived of the Use of Their Lower Limbs Travel from One Place to Another Place (首都圏域に在住する下肢障碍者の移動特性の研究), Proceedings of Nordic Ergonomics Society 33rd Congress, pp.474-478, 2001 (A4版で4ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表).

【概要】 健常者を主対象にした日常的な移動状況の調査は定期的に行われており,パ-ソントリップ調査やOD調査などがある.しかし,障碍者に特化した調査は学界,実務それぞれの現場で従前ほとんど例がなく

障碍者の問題意識に基づいたノ-マライゼイション推進政策の構築が長い間なされてこなかった.それ

を問題意識とし小生らは,首都圏に在住の下肢障碍者を対象に日常的な移動状況を把握するための社会

調査を実施した.そして取得デ-タや発見された問題をもとにして空間改善へのヴィジョンをまとめた. [03] T.Nishiyama, K.Gomyo, M.Arisawa, Research on How Social Communication on the Process of

the Creation of a Barrier-free Society Should Be (バリアフリ-社会創造プロセスでの適切な社会的コミュニケイション手法の調査・研究), Proceedings of the 7th Asia-Pacific Conference on Communications (IEICE TRANSACTIONS on Communications Vol.E84-B No.11 Appendix), pp.336-339, 2001 (フルペイパの査読あり・口頭発表).

【概要】 前記した神奈川県相模原市と東京都国立市で展開した仮想市場法社会調査の中では,ノ-マライゼイション推進施策の生活者の必要技術量を客観的に計測するプロセスへの仮想市場法援用についても調査

している.その回答を本論文では社会的コミュニケイション論の視点から分析し,生活者が価値判断に

必要とする情報の種類を抽出した.そして,将来に向けた導入技術の量と質の客観的評価と社会的合意

に資する仮想市場法の洗練形のプロトタイプを構築し,博士論文での性能評価と一層の洗練化に繋げた. [04] T.Nishiyama, K.Gomyo, M.Arisawa, Research about the Safety Measures to Be Taken When

Both Aged People and Physically Challenged People Move from One Place to Another through the Application of "Contingent Valuation Method" (仮想市場法の援用による高齢者・障碍者の交通安全推進方策の研究), Proceedings of Asia Pacific Symposium on Safety Vol.1, pp.133-136, 2001 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・口頭発表).

【概要】 交通環境のノ-マライゼイション推進施策は,交通安全工学の視点からも大変重要である.交通安全の視点から問題解決方策を構築する調査研究も実際に進んでいる.しかし,技術志向になりがちで高価

な改善施策を社会に普及させるための現実的な戦略議論が欠けている.そうした問題意識をもとにして

本論文では,交通安全工学の技術的成果を「生活者の価値観」と「開発者の制約」とのバランス維持を

前提とし,スム-ズに普及させるための方策を仮想市場法およびその調査結果にもとづき論述している. [05] T.Nishiyama, K.Gomyo, M.Arisawa, The Research into the Method of Developing Efficient

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Universal Design in Traffic Environment through the Application of "Contingent Valuation Method" (仮想市場法援用による交通環境のユニヴァ-サルデザイン推進方策の研究), Proceedings of 2nd International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, pp.1118-1123, 2001 (A4版1ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表).

【概要】 公共交通事業の大きな課題として,ノ-マライゼイションの推進とともに自然環境負荷の軽減という

テ-マもある.まさに,天然ガスノンステップバスのような両問題を同時に解決する技術を生活者との

合意の下に導入することが強く求められている.本論文では,東京都国立市と神奈川県相模原市で展開

した社会調査の結果をもとに首都圏の公共交通環境で,自然環境に大きな負荷をかけないでノ-マライ

ゼイションを推進するための方策を,特にサステイナビリティおよびエコデザインの視点で述べている. [06] T.Nishiyama, M.Kataoka, M.Arisawa, The Study of a Barrier-free Strategy by “CVM” in a

Traffic Environment in Which It Takes Long for People to Go from One Place to Another (長時間移動環境での仮想市場法援用によるバリアフリ-化戦略の研究), APPAM 2003, 2003 (前記の査読論文3.[03]の優秀賞副賞として招待発表).

【概要】 全国的に必要とされる公共交通環境のユニヴァ-サルデザイン推進技術の質と量を仮想市場法で調査し,その結果に基づく技術普及策を論じた.特に,生活者が貨幣尺度で示した必要技術量を「在住都市

環境の差」,「性別差」,「年齢差」,「家庭の年収差」という 4 つの視点で分析し,政策構築に資する情報の抽出を目指した.特に年齢では,すべての施策で20代から50代にかけて支払意思金額が高まり以降下降傾向となった.一方年収では,すべての施策について年収が高くなるにつれて支払意思金額も比例

して上昇する傾向が確認された.この結果を総合的に勘案すると,家計規模(=負担能力)と支払意思金額の間に強い相関が確認され,政策実施プロセスでの応能負担の全国的な優位性を実証することができた. [07] T.Nishiyama, M.Arisawa, The Economical Valuation of a Policy on Universal and Sustainable

Transport System and Research into the New Social Communication Method Contributing to Objective Valuation (ユニヴァ-サルで持続可能な交通施策の社会経済的価値評価と客観的な価値評価に資する新しい社会的コミュニケイション手法の調査研究), Proceedings of 3rd International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, pp.452-458, 2003 (A4版で2ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表).

【概要】 ユニヴァ-サルデザインの導入にあたり開発者は,サステイナビリティの視点も並行的に考慮しつつ,生活者との間で導入技術の質と量について合意を図る必要がある.まさに,サステイナビリティの視点

の重要性についても広く情報公開し,エコデザインのコンセプトが含まれたユニヴァ-サルデザインの

開発が将来に向けて期待されている.本調査研究はそうした問題意識の下で,ユニヴァ-サルかつ持続

可能な交通環境開発の社会的合意形成を支援する社会的コミュニケイション手法を仮想市場法べ-スで

提案している.併せてその手法に則って社会経済的に必要な改善施策の量と質も客観的に計測している. [08] T.Nishiyama, The Functional Evaluation of Future Wheelchair (未来型車いすの機能評価の研究),

Keio University 21st Century COE Program International Workshop, 4 page thesis, 2005 (査読なし・口頭発表,4ぺ-ジのショ-トペイパを来訪者全員に配布している).

【概要】 この論文では,コンピュ-タソフトウェアとジャイロセンサを有効活用し,階段昇降や荒地走行など

を可能にした次世代型車いす iBOTTMをテ-マにとりあげ,下肢障碍者の利用評価から小生が所属した

21世紀COEプログラムが主題とする「次世代メディア・知的社会基盤」としての iBOTTMの可能性を

整理している.特に,関連するインフォメイションテクノロジ-分野とのコラボレイションのあり方に

まで言及することで,下肢障碍者を支援する次世代型の人的ネットワ-キングのあり方を提案している.

また,車いすの高機能化による移動支援策の有効性について従来のインフラ整備方策との比較を行った. [09] T.Nishiyama, F.Takiuchi, K.Ando, M.Arisawa, The Functional Evaluation of Future

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Wheelchairs Contributing to Ecological Aid in Traveling (エコロジカルな移動支援に資する未来型車いすの機能評価研究), Proceedings of 4th International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, CD-ROM論文集採録, 2005 (A4版で2ぺ-ジのExtended Abstract の査読あり・対話発表,この論文の発表で EcoDesign2005 Best Poster Award(最優秀対話講演賞)を受賞している).

【概要】 この研究では,階段昇降が可能な次世代高度化車いす(iBOTTM)の国内試用テストならびに次世代高度化車いす(iBOTTM)にかんする利用者・環境開発者双方への評価ヒヤリング調査の結果をより詳細に統合的に分析し,次世代高度化車いす(iBOTTM)を有効に活用したユニヴァ-サルソサエティ推進戦略を検討した.特に本論文では,国際的なユニヴァ-サルデザインとエコデザインの融合型環境創造(=ユ-デコ戦略)を意識しつつ,高度化車いすの利用で社会基盤の改良をどれだけ削減できるかまでを議論している. [10] T.Nishiyama, F.Takiuchi, S.Mogi, Y.Kobayashi, T.Hyakkan, A.Inagaki, Research into Functional

Evaluation of Non-slippery and Ecological Floor Material for Buses (防滑性が高くエコロジカルなバス用床材の機能性評価に関する研究), EcoDesign2006 Asia Pacific Symposium Proceedings, pp.155-158,2006 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・口頭発表).

【概要】 交通環境のユニヴァ-サルデザイン化の一環で,国土交通省主導でノンステップバスの標準化政策が

進んでいる.しかし,車両用床材のすべりについては特に基準の上限値が定められておらず,一方では

転倒事故のみが増加の傾向にある.本研究では,そうした問題意識の下,当時国内で最もすべりにくく

つまずきにくいと公的機関で評価された石英石製でエコロジカルな床材を車両に敷設し,従来の床材と

比較してもらい,防滑基準の上限値としてどの程度が適正かを割り出した.その結果,すべり抵抗値(CSR)で,乾燥時に0.901,水とダストをまいた時に0.566を保てる水準の床材が適当である点を割り出した. [11] T.Nishiyama, S.Matsushita, Y.Yamaki, H.Shimogai, S.Noda, H.Shimizu, Research on the

Possibility of Introducing Small Electric Motor Buses (小型電気バスの導入可能性に関する研究), Proceedings of the 23rd Electric Vehicle Symposium, CD-ROM論文集採録, 2007 (A4版1ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表).

【概要】 私達は,走行に必要な基本的な全ての部品を床下の平らなフレ-ムと車輪の中におさめ,8輪駆動で

タイヤを小さくしてホイ-ルハウスの車内への突出し面積を最小限にした「集積台車」の概念を有効に

利用した乗用車「Eliica」を試作し,国内外に公表した.この集積台車を用いることで,車内の利用可能な空間を最大限に増やすことができ,床を低く平らにすることができるためにエコデザインとユニヴァ

-サルデザインの融合を実現できる.このコンセプトに則ることで,バス等の商用車への応用も容易で

ある.特に本研究では,このような技術を都市内の交通不便地域のアクセシビリティ向上に資する小型

バス(全長6000mm・幅2100mm・高さ2200mm)に援用することを前提に,小型電動バスの導入可能性を都市住民への社会調査で明確にした.結果以下が明白になった.①住民の95%が小型電動バスを必要と判断.特に,エコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合という観点から必要性を問う住民がほと

んどであった.②日々利用する前提で,適正と住民が判断する1回の乗車あたりの運賃は155円均一と算出された.また,小型電動バスを維持・運営していくための住民による寄付金を尋ねたところ,年間

平均1000円の徴収可能性を明らかに出来た.③住民が小型の電動バスに求めるサ-ヴィスを,5点満点で評価してもらったが,医療福祉系施設での送迎輸送に期待する人が4.06ポイントであり最多になった. [12] S.Matsushita, Y.Yamaki, H.Shimogai, S.Noda, T.Nishiyama, H.Shimizu, The Possibility of an

Electric Subcompact Bus (超小型電気バスの導入可能性について), Proceedings of the 23rd Electric Vehicle Symposium, CD-ROM論文集採録, 2007 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・口頭発表).

【概要】 私達は,走行に必要な基本的な全ての部品を床下の平らなフレ-ムと車輪の中におさめ,8輪駆動で

タイヤを小さくしてホイ-ルハウスの車内への突出し面積を最小限にした「集積台車」の概念を有効に

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利用した乗用車「Eliica」を試作し,国内外に公表した.この集積台車を用いることで,車内の利用可能な空間を最大限に増やすことができ,床を低く平らにすることができるためにエコデザインとユニヴァ

-サルデザインの融合を実現できる.このコンセプトに則ることで,バス等の商用車への応用も容易で

ある.特に本研究では,従来の小型電気バスよりもさらに小さく,普及が見込めるバンタイプの車両を

企画し,国内での導入可能性や利用者の視点に基づいたふさわしいデザイン等を検討して発表している.

また利用者が乗り入れを希望している場所や適切な運用形態についても検討し,国際的な提案を行った. [13] T.Nishiyama, F.Takiuchi, S.Mogi, Y.Kobayashi, T.Hyakkan, A.Inagaki, Research into Functional

Evaluation of Universal and Ecological Floor Material for Buses (ユニヴァ-サルでエコロジカルなバス用床材の機能性評価に関する研究), Proceedings of 5th International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, CD-ROM論文集採録, 2007 (A4版で2ぺ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表,この論文の発表でEcoDesign2007 Best Poster Award(最優秀対話講演賞)を受賞している).

【概要】 国内での高齢者や障碍者の増加に伴って,バス車内での転倒事故の防止が急務になっている.自分の

調査研究グル-プでは,石英石を加工した高度防滑性床材を用意し,それを路線バスの営業車両に実証

敷設して,利用者と事業者の評価を得ている.2005年度に実証評価調査を行った結果,被験者の約80%が従来品に比べ石英石床材の方が高い防滑性を誇る,と評価した.同様に,履物との親和性や意匠性に

ついても,従来品に比べて高い評価が得られた(共に 70%以上の賛同).本稿では,石英石製床材の優位性を多面的に実証した.併せてバス事業者の立場からも同床材が高い支持を得ていることを実証できた.

さらに,バス以外の乗り物として鉄道でも有効可能性があることにも言及し政策構築の知見をまとめた. [14] T.Mino, K.Kawai, S.Nishiyama, T.Nishiyama, S.Kosugi, Development of Carry Bag that Uses

Inclusive Design Workshop (インクル-シヴデザインワ-クショップを用いたキャリ-バッグの研究開発), Proceedings of 3rd International Conference for Universal Design in Hamamatsu 2010, CD-ROM論文集採録,2010 (A4版で4ペ-ジのExtended Abstractの査読あり・対話発表).

【概要】 高齢社会となり,毎日の買い物・散歩・旅行等の外出の目的に応じた補助用具(キャリ-やカ-ト等)が普及し始めているが,いかにも老人向けのキャリ-ばかりで年寄りに見られたくない高齢者から敬遠

されている現状がある.筆者は,今普及しているキャリ-バッグ=高齢者向けという設定に問題がある

という仮説のもとに,ユニヴァ-サルデザインの視点で若い人も使いたくなる新しいキャリ-バッグの

開発を目指した.ニ-ズオリエンティッドで,研究助成をした静岡県らしさを活かしたパ-ソナルキャ

リ-の開発を目的に,インクル-シヴデザインワ-クショップを用いて遠州縞を活かした地域活性化に

つながりユニヴァ-サルデザインの要件も兼ね備えたキャリ-バッグを作り上げて,市民の評価を得た. [15] T.Nishiyama, S.Noda, M.Ishikawa, H.Shimizu, A Study of a Realistic Dissemination Policy on

the Electric Full-Flat Buses in Japan (電動フルフラットバスの現実的な普及戦略の研究), Proceedings of 7th International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, CD-ROM論文集採録, 2011 (A4 版で1ぺ-ジのExtended Abstract の 査読あり・口頭発表).

【概要】 本研究では,日本の各地の 27 バス事業者に対し電動フルフラットバスの概念とメリット,導入への課題,コスト等を客観的に開示し,実際に車を購入して営業に使用する事業者の実状と導入への見解を

ヒヤリング調査で明らかにした上で,普及に向け事業者が必要とする電動バス車輌のデザインポリシ-

として大型前-中扉仕様(10.5m 長),大型前-後扉仕様(10.5m 長),小型前-中扉(7.0m 長)のニ-ズが,全国的に高いことを明らかにした.また,全国27 バス事業者のバスを日常的に利用する216 名の市民に質問紙調査を実施し,電動バスのインテリアに必要なものとして大きないすや自転車スペ-ス,給電

器のニ-ズがある点を明らかにしつつ,上記成果を統合し路線バスのエコデザイン化の戦略を提案した. [16] T.Nishiyama, S.Noda, M.Ishikawa, H.Shimizu, Electric Full Flat Floor Bus's Trial Production

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and Research of the Spread Strategy in a Public Transportation System (電動フルフラットバス の試作と公共交通システムでの普及戦略の研究), Third International Engineering Systems Symposium, ネット公開, 2012 (A4 版で1ぺ-ジ程の Extended Abstract の査読あり・対話発表). 【概要】 本研究では,走行に必要なリチウムイオンバッテリ-,インヴァ-タ,インホイ-ルモ-タ等を床下

に配した集積台車構造を援用し電動フルフラットバスを試作した際の技術的要点について説明し,更に

公共交通環境に投入していくためのポイントについて解明した.具体的に,合計 371名の一般モニタ-に電動フルフラットバスに試乗してもらい,8割の方がそのバリアフリ-性及び環境性能を高く評価して本格的な導入を期待した.併せて今の運賃以上の支払意思を示す人も多く導入のニ-ズの高さを示せた.

さらに実証運転者にも調査して,ドライヴィングインタフェイスも普通のバスと遜色がない事を示せた. 05.著書・翻訳書(総計7件)

[01] Wolfgang F.E. Preiser Ed. 梶本久夫日本語版監修,ユニバ-サルデザインハンドブック,丸善,2003

(アメリカ国内でのユニヴァ-サルデザイン化の政策プロセスについて計40ペ-ジを訳説している). 【概要】 本書は,世界各国のユニヴァ-サルデザイン推進の動向を公共交通環境整備,都市開発整備,製品の

開発,情報環境整備など,多種多様な観点から考察し,推進へのアイディアと問題解決の方向性をまと

めたものである.小生らは本書のうち,イレ-ン・オストロフが執筆した「アメリカ合衆国のユニヴァ

-サルデザインの実践」を中心に訳説した.具体的には,アメリカでのノ-マライゼイションの思想の

普及,ADA法成立に至るまでのノ-マライゼイション化に向けた市民活動と法整備動向,空間整備でのユニヴァ-サルデザイン実践事例を財団法人地域開発研究所の清水政司氏と訳説した(西山が第一訳者).

[02] はてなくらぶ,話を盛り上げる究極の雑学,角川書店,2003(西山もメンバ-で参加して公共交通や都市問題にかかわる雑学について研究をもとに解説).

【概要】 日常生活の様々なシ-ンに関わる雑学について分野横断的に扱った書である.素朴な疑問や不思議に

「何?」「なんで?」「ホント?」と鋭くメスを入れ,調べ尽くした雑学書である.西山は,公共交通や都市政策に関わる問題について担当し,研究者の立場から客観的に問題やその解決策について解説している. ※本書は,i-phone等の携帯電話でも電子書籍として読める様になっており,販売部数もすぐれている.

[03] 日本未来問題解決プログラム,子どもの「問題解決力」がぐんぐんのびる!―じぶんの答えを見つけるための6つのステップ,合同出版,2010(共著).

【概要】 世界最大の問題解決力学習法である「未来問題解決プログラム(FPSP)」)を用いて,問題解決の効果的な手順をまとめた書である.「どのように考えるか」を子供たちに学んでもらうことを主目的に書いた本

である.西山は社会調査法の専門家として公共交通の環境改善に関するテ-マで問題解決法を解説した. [04] 古川修監修,プロが教える自動車のメカニズム,ナツメ社,2010(第 2 章の「電気自動車」を解説している).

【概要】 電気自動車の構造的概要について,初心者にもわかるよう解説している.特に,慶應義塾大学で開発を行っている集積台車構造(走行に必要な装置をすべて床下に集めて,電車のモ-タ-車のような構造をとる電気自動車)を中心にエンジンコンヴァ-ト型の電気自動車も含め,電気自動車の最新動向を纏めた. [05] 西山敏樹・西山里利・又吉慧監修,NPO 法人ライフケア浜松編,できたらいいなこんな子育て,

2011,NPO法人ライフケア浜松. 【概要】 静岡県の子育て支援政策の提案事業を受けた筆者らが,インクル-シヴデザインワ-クショップ手法

を用いて県民の子育てに関する社会へのニ-ズを徹底的に調べ上げ,その結果を纏め上げたものである.

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子育てに向けた遊休地の活用や働く母親を支援するための方策,地域の支援方法等のカテゴリ-ごとに

提案をまとめている.併せて出てきたアイディアを実際に試行した評価事例等も含めて分かり易くした. [06] 西山敏樹・大西幸周・鈴木亮子,アカデミックスキルズ デ-タ獲得・分析法,印刷中,慶應義塾大学出版会,2013(共著).

【概要】 上記[06]の続編的位置づけであり,大学1-2年生で社会調査からデ-タ分析までを行う初心者の学生が抑えておくべきデ-タ収集,分析上の学問的作法の基礎を実例に基づいてまとめた書である.実例を

増やして,最近増えている社会から大学に戻った大学院生が当該分野の勘を取り戻せる様にも配慮した. [07] 長田進・西山敏樹,アカデミックスキルズ・社会調査法,印刷中,慶應義塾大学出版会,2013(共著). 【概要】 従来の社会調査法の書籍は,大体が理論重視であった.これを問題意識として,理論と共に社会科学

者である筆者らの経験則に基づくノウハウを伝承することを新たに重視し,大学生以上の研究で効果的

に社会調査を実践できるように工夫した書である.調査実例に基づくノウハウの解説を多く含めている. 06.プロジェクト調査研究報告書(共同調査研究など)(総計22件)

[01] 日本道路公団東京第一管理局・財団法人地域開発研究所,東京第一管理局管内 SA・PA における 休憩施設のユニヴァ-サルデザインに関する検討報告書,2000 (共著).

【概要】 日本道路公団東京第一管理局管内の休憩施設(サ-ヴィスエリア(SA)とパ-キングエリア(PA))を誰もが利用しやすいようにユニヴァ-サルデザインのコンセプトを用いて改良する工事のヴィジョン構築を

担当した際の初年度の成果報告書(プロジェクトは 3 ヶ年連続)である.初年度は,東京第一管理局内のSAやPAの環境情報の収集,つまり各種休憩施設の利用動向把握やユニヴァ-サルデザインの視点から見た施設内各地点での問題の抽出と整理を実施した.この報告書ではその成果を具体的に解説している. [02] 日本道路公団東京第一管理局・財団法人地域開発研究所,東名高速道路休憩施設におけるユニヴァ -サルデザイン導入展開に関する検討報告書,2001 (共著).

【概要】 日本道路公団東京第一管理局管内の休憩施設(サ-ヴィスエリア(SA)とパ-キングエリア(PA))を誰もが利用しやすいようにユニヴァ-サルデザインのコンセプトを用いて改良する工事のヴィジョン構築を

担当した際の2年目の成果報告書(プロジェクトは3ヶ年連続)である.2年目は,初年度に整理された各種休憩施設の問題点に基づき,それをユニヴァ-サルデザインの視点で改良する上での技術的選択肢や

改良に際しての障碍間コンフリクト等を評価し,改良ヴィジョンを整理する上での情報の整理を行った. [03] 日本道路公団東京管理局・財団法人地域開発研究所,東名高速道路休憩施設におけるユニヴァ -サルデザイン整備検討改善提案書,2002 (共著). 【概要】 日本道路公団東京第一管理局管内の休憩施設(サ-ヴィスエリア(SA)とパ-キングエリア(PA))を誰もが利用しやすいようにユニヴァ-サルデザインのコンセプトを用いて改良する工事のヴィジョン構築を

担当した際の3年目の成果報告書(プロジェクトは3ヶ年連続)である.3年目は,2年目まで収集してきた各種情報にもとづき,日本道路公団側の施策実施上の制約(予算等),高齢者や障碍者の意見などを総合的に勘案して現実的な各種休憩施設のユニヴァ-サルデザイン化推進ヴィジョンを構築,提言を行った. [04] 財団法人地域開発研究所,空間のユニヴァ-サルデザインサイバ-コミュニティの形成・自主研究

成果報告書 (phase 1),2002 (共著). 【概要】 財団法人地域開発研究所が調査研究業務の核にしている社会空間のユニヴァ-サルデザイン推進業務のノウハウを結集し広く社会に公開・貢献するために,インタ-ネット上にウェッブサイトを構築する

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ことになり,小生が中心となって本業務を進めることになった.プロジェクトの初年度は,従前のユニ

ヴァ-サルデザイン推進施策のレヴィュ-も交えながら,技術偏重型から技術-制度-価値観均衡型へ

の転換をテ-マに,ユニヴァ-サルデザインを推進していくうえでの視座を明確にする活動を展開した. [05] 財団法人地域開発研究所,空間のユニヴァ-サルデザインサイバ-コミュニティの形成・自主研究

成果報告書 (phase 2),2003 (共著). 【概要】 ユニヴァ-サルデザインの推進に向けて,生活者-行政-企業-研究者・技術者のコラボレイションを促進するためのwebサイト(http://www.ias-ud.com)構築プロジェクトの2期報告書である.ここでは第1期報告書で示したコンセプトに基づくサイトを実際に構築した後の評価を行いその成果をまとめた.特に,利害関係者間のコミュニケイションの状況とそこから抽出された各種問題,インタフェイス上の

評価と改良などをテ-マにして,将来のコラボレイションサイトの運営ヴィジョンについても整理した. [06] 財団法人地域開発研究所,夢わくわく御殿場線沿線地域活性化シンポジウム・成果報告書(神奈川県

山北町との共同調査研究),2004 (共著). 【概要】 御殿場線沿線地域活性化検討会(御殿場線沿線 13市町)の委託を受け,沿線地域の生活者・商業者へのヒヤリング調査を実施し,併せて,その結果を基に御殿場線沿線地域および御殿場線自体の活性化方策

を実現性重視で検討する産官学協働型の地域開発シンポジウムを企画・開催した.本書では上記の一連

のフロ-について,成果を中心にまとめてある.特に,御殿場線沿線の地域資源を「資産」にまで高め

て,スロ-ライフやエコロジ-やネットワ-クをキ-にした現実的な活性化方策をアウトプットできた. [07] 財団法人地域開発研究所,iBOTTMがQ.O.Lに与える効果の明確化とその普及戦略にかんする調査

研究(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社との共同調査研究)・報告書,2004 (共著). 【概要】 日本国内では,社会環境の障壁除去が重要であるが,財政的・地形的制約で国内では完全なインフラ

整備が困難である.問題解決では,車いすのような移動支援機器の高質化の追究が重要である.本研究

では,階段や段差を克服でき,荒地走行も可能な次世代車いす iBOTTMの国内試用試験を行った.高齢

者も含む下肢障碍者 4人に試乗してもらった結果,総体的に iBOTTMが移動の所要時間を延ばし,回数

を増やし,目的を多様にする効果がある点を実証できた.国内の実社会環境にあわせた次世代車いすの

各種技術改善戦略,普及に資する外部環境の改善事項や政策課題も含めてその有効活用方策を整理した. [08] 財団法人地域開発研究所,ユニヴァ-サルデザイン推進に資するバス用床材の現実的な普及戦略の

研究(三池工業株式会社との共同調査研究)・第一次報告書,2005(共著). 【概要】 高齢者・障碍者の増加が進み,ドア・トゥ-・ドアな交通機関として路線バスに社会的な注目が集ま

っている.しかし,高齢者・障碍者を中心として床を起因としたバス車内事故が多く発生しており問題

になっている.本研究では,石英石を用いたエコデザイン型で,従来品に比べて高い防滑性・不燃性が

公的に証明されている「アベイラス」という床材を用いて,実走行の路線バスでの対利用者評価試験を

実施した.概ね,靴との相性・滑り具合・デザイン等の各項目で利用者の高い評価を得られ,バス事業

者側の製品に対する意見をそこに交えて,現実的な良質な床材の普及戦略を検討して報告書にまとめた. [09] 財団法人地域開発研究所,ユニヴァ-サルデザイン推進に資するバス用床材の現実的な普及戦略の

研究(三池工業株式会社との共同調査研究)・第二次報告書,2006(共著). 【概要】 本研究では,前記した第一次研究に続き,石英石を用いたエコデザイン型で従来品に比べて高い防滑

性・不燃性が公的に証明されている「アベイラス」という床材を用いて,実走行の路線バスでの対利用

者評価試験を継続した.その成果をまとめた報告書である.一般利用者への定量調査では,靴との相性・

滑り具合・デザイン等の各項目で第一次研究同様に利用者の高い評価を得られた.また,各種身体障碍

者に対する定性調査でも,障碍者から概ね滑り難さに対して高い評価が得られた.バス事業者側の製品

Page 13: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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に対する意見をそれらに交えて,良質な床材の現実的なバス業界への普及戦略を検討し本書にまとめた. [10] 財団法人地域開発研究所,ユニヴァ-サルデザイン推進に資するバス用床材の現実的な普及戦略の

研究(三池工業株式会社との共同調査研究)・第三次報告書,2007(共著). 【概要】 本研究では,前記した第一次・第二次研究に続き,石英石を用いたエコデザイン型で従来品に比べて

高い防滑性・不燃性が公的に証明されている「アベイラス」という床材を用いて,実走行の路線バスで

の対利用者評価試験を継続した.その成果をまとめた報告書である.特に第三次研究では,雨天時にも

一般利用者へ定量調査を展開して,靴との相性・滑り具合・デザイン等の各項目で,第一次・第二次の

研究を含めて,石英石製床材が雨天時と非雨天時の双方で利用者側の高い評価を得ることを実証できた.

また,下肢障碍者への定性調査でも,障碍者から概ね滑り難さに対して高い評価が得られた.バス事業

者の製品に対する意見をそれらに交え,良質な床材の現実的なバス業界への普及戦略を本書で提言した. [11] 財団法人地域開発研究所,次世代無人駅のあり方に関する研究(東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)

との共同調査研究)・報告書,2007(共著). 【概要】 地域の安全・安心を確保する視点から,次世代無人駅のあり方を研究した.特に,駅舎がある無人駅

については,①住民や企業が無人駅を自由に利用するための鉄道事業者との契約上の基本規則,②住民

や企業に使用させる前に最低限,鉄道事業者が整備すべきハ-ド面の要件を,効果的な無人駅舎の利用

事例に対する社会調査から明らかにした.一方,駅舎が無い無人駅については,革新的な改良事例での

インタフェイス評価調査を利用者に行い,さらなる改善のコンセプトを明確にした.最終的には上記の

結果をあわせ,東日本旅客鉄道株式会社と協働して同社管内の無人駅の次世代改善戦略をまとめている. [12] 慶應義塾大学電気自動車研究室,電気自動車技術の鉄道車両への応用に関する基礎研究(東日本旅客

鉄道株式会社(JR東日本)との共同調査研究)・一次報告書,2008(共著). 【概要】 グランドアップ型電気自動車の技術は,鉄道の動力車と共通する構造部分が複数ある.つまり,電気

自動車技術のメリットを鉄道に応用して,ディ-ゼルカ-等の非効率エネルギ-車両を置換する戦略は

二酸化炭素削減や地球温暖化防止の観点からも有益である.本研究では,自動運転技術等も含め最新の

電気自動車技術をレヴィュ-し,鉄道用バッテリカ-に有益な知見を整理しその概念設計までを行った. [13] 慶應義塾大学 SFC研究所,地下鉄利用者を対象とした乗降口識別版の性能評価調査業務(三池工業

株式会社・東京地下鉄株式会社との共同調査研究)・報告書,2009(共著). 【概要】 将来に向けた鉄道車両のバリアフリ-化を念頭に,高度防滑性の石英石製床材を東京地下鉄有楽町線・副都心線用新車の10000系の出入口付近に試験設置して,その防滑機能や乗降口識別機能,意匠性や履物との相性などを総合的に評価した.主に主観評価調査であったが,防滑性能・意匠性・履物との

相性等で利用者の高い評価を得ることができた.一方で,敷設の方法が試験的でその面積が小さかった

ため,識別板としての機能としては改善の必要性が判った.この結果をもとにして,鉄道車両での高度

防滑性識別板の敷設に関するより良い方法論を提案しつつ,バリアフリ-化の効果の向上策を提言した. [14] 慶應義塾大学電気自動車研究室,電気自動車技術の鉄道車両への応用に関する基礎研究(東日本旅客

鉄道株式会社(JR東日本)との共同調査研究)・二次報告書,2009(共著). 【概要】 グランドアップ型電気自動車の技術は,鉄道の動力車と共通する構造部分が複数ある.つまり,電気

自動車技術のメリットを鉄道に応用して,ディ-ゼルカ-等の非効率エネルギ-車両を置換する戦略は

二酸化炭素削減や地球温暖化防止の観点からも有益である.本研究では,自動運転技術等も含め最新の

電気自動車技術をレヴィュ-し,鉄道用バッテリカ-に有益な知見を整理しその概念設計を一次報告書

に続き行った.特にリチウムイオン電池を活用する前提で,鉄道用バッテリカ-を導入した際の電池の

劣化状況のコンピュ-タシミュレイションや電池負荷実験を実際に行い,車両の仕様について検討した.

Page 14: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[15] 慶應義塾大学電気自動車研究室,電気自動車技術の路線バスへの応用(かながわ科学技術アカデミ-委託研究)・報告書,2009(共著).

【概要】 グランドアップ型電気自動車技術では,走行に必要なインホイ-ルモ-タ,リチウムイオンバッテリ

やサスペンション機構をすべてフラットな床面の下に集積させることが出来る.走行に必要な機器の上

はフルフラットな床面となっており,車室部分も従来車両より広くとることが出来る.ゆえに,商用車

である電動フルフラットバスでは大いにその有用性を誇ることが出来,バス事業者や自治体へのニ-ズ

にも応えることができる.本研究では集積台車の概念を用いた路線バスの有用性やニ-ズの解明,販売

に妥当な価格等の算出等を行い,もとめられる車両の仕様について検討を行い社会への提言を実施した. [16] 慶應義塾大学電気自動車研究室,電気自動車技術の鉄道車両への応用に関する基礎研究(東日本旅客

鉄道株式会社(JR東日本)との共同調査研究)・三次報告書,2010(共著). 【概要】 グランドアップ型電気自動車の技術は,鉄道の動力車と共通する構造部分が複数ある.つまり,電気

自動車技術のメリットを鉄道に応用して,ディ-ゼルカ-等の非効率エネルギ-車両を置換する戦略は

二酸化炭素削減や地球温暖化防止の観点からも有益である.本研究では,自動運転技術等も含め最新の

電気自動車技術をレヴィュ-し,鉄道用バッテリカ-に有益な知見を整理しその概念設計を二次報告書

に続き行った.特にリチウムイオン電池を活用する前提で,鉄道用バッテリカ-を導入した際の電池の

劣化状況の電池負荷実験を進め,蓄電池鉄道車両にふさわしいバッテリ-の仕様について検討を行った.

さらに,蓄電池車両そのものの概念構築を行い現実的に有用な車両の仕様をまとめてJR側に提案した. [17] 慶應義塾大学SFC研究所,電動フルフラットバスの地域先導的普及モデル策定とシステム化の実証

研究(環境省の委託研究)・成果報告書,2011(共著). 【概要】 慶應義塾大学独自の電気自動車を実現する技術的方式として,集積台車方式がある.これは車輌床下

に,平らな床面の箱を設けてインヴァ-タ-,電池,コントロ-ラ-を集積させ,またホイ-ル内部に

モ-タ-(インホイ-ル方式)を配置する方式である.走行に必要な装置をすべて床下に配備することで,バスの車室はフルフラットでユニヴァ-サルデザインのレヴェルが格段に向上する.こうした概念にて

電動フルフラットバスの試作車輌を開発し,その政策的普及モデルも構築した学際的研究の成果である. [18] 慶應義塾大学SFC研究所,EV 適用車種の拡大等に関する基本調査(環境省の委託研究)・成果報告

書,2011(共著). 【概要】 慶應義塾大学独自の電気自動車を実現する技術的方式として,集積台車方式がある.これは車輌床下

に,平らな床面の箱を設けてインヴァ-タ-,電池,コントロ-ラ-を集積させ,またホイ-ル内部に

モ-タ-(インホイ-ル方式)を配置する方式である.走行に必要な装置をすべて床下に配備することで,バスやトラックの車室はフルフラットでユニヴァ-サルデザインのレヴェルが格段に向上する.上記の

概念を前提として,全国のバス事業者とトラック事業者にヒヤリングを実施して,電動バスや電動トラ

ックの普及に向けて急速に必要となる技術的仕様を明確にし,ニ-ズの高い車種の見える化を実施した. [19] 株式会社SIM-Drive,慶應義塾大学,神奈川中央交通,京浜急行バス,JFEエンジニアリング, 三菱総合研究所,電動低床フルフラットバスを活用した低炭素まちづくりの研究(環境省委託研究)・成果報告書-第1期-,2012(共著).

[20] 株式会社SIM-Drive,慶應義塾大学,神奈川中央交通,京浜急行バス,JFEエンジニアリング, 三菱総合研究所,電動低床フルフラットバスを活用した低炭素まちづくりの研究(環境省委託研究)・成果報告書-第2期-,2013(共著).

【上記の概要】 慶應義塾大学独自の電気自動車を実現する技術的方式として,集積台車方式がある.これは車輌床下

に,平らな床面の箱を設けてインヴァ-タ-,電池,コントロ-ラ-を集積させ,またホイ-ル内部に

モ-タ-(インホイ-ル方式)を配置する方式である.走行に必要な装置をすべて床下に配備することで,

Page 15: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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バスの車室はフルフラットでユニヴァ-サルデザインのレヴェルが格段に向上する.こうした概念にて

筆者が試作した電動フルフラットバスの実証走行評価を行った結果をまとめたものである.従来のバス

と異なり車内をフルフラットに出来る点で市民の大きな支持を得られることを実証できた.集積台車型

の電動フルフラットバスが,都市部の中では有効に作用することを本研究により証明することが出来た. [21] 慶應義塾大学,SiC インバ-タ共同研究(トヨタ自動車株式会社共同研究)・第 1 期成果報告書,

2013(共著). 【概要】 次世代パワ-半導体として長らく開発が進められてきたSiC(シリコンカ-バイド)デヴァイスであるが“次世代”と言われる割に,量産製品への搭載がほとんど進んでいない.そこでこの共同研究では,

ハイブリッド車輌を念頭にSiCインバ-タの実力を試す為の実験を重ね耐圧等の効果を検証評価した. [22] 慶應義塾大学,海上電動コンテナトラクタの実現可能性研究(三井倉庫株式会社共同研究)・成果 報告書,2013(共著).

【概要】 電動車輌技術が進化しているが,一方で大型になればなるほど電動化が駆動装置の大型化を伴う点で

難しくなる.慶應義塾大学では,大型の電動低床フルフラットバスを試作した経験を持ち,その実績に

基づいて,海上コンテナトラクタを電動化することに向けた実現の可能性を学際的に本研究で検討した.

結果,予算的にペイする可能性は低いものの現行の駆動技術の最適融合で試作が可能な点を実証できた. 07.国内学会(パネルディスカッション・研究会・大会など)での発表(総計37件)

[01] 西山敏樹・後明賢一,仮想評価法応用によるバリアフリ-交通空間の現実的創造手法の研究,日本地理学会発表要旨集No.56(日本地理学会),pp.160-161,1999 (査読なし・口頭発表).

【概要】 仮想市場法(仮想評価法)を用いて,東京都国立市と神奈川県相模原市で各種バリアフリ-施策の社会経済的価値を客観的に計測した結果を述べている.各種施策実施の際の各種利害関係者(開発者と生活者)のベネフィットとコストを認知してもらい,生活者に運賃または税金の負担意思額を回答してもらった.

この結果から,東京近郊圏でのバリアフリ-な公共交通空間の開発に向けた各種改良工事の妥当な量が

開発者と生活者の合意の下で決定され,社会的コンセンサスにもとづく改良施策のヴィジョンを述べた. [02] 後明賢一・西山敏樹,仮想評価法応用による交通環境の福祉推進政策の研究,政策メッセ 99 発表

要旨集(政策分析ネットワ-ク),p.29,1999 (A4版で 1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・ パネルディスカッションでの発表とポスタ-発表).

【概要】 仮想評価法を用いて,東京都国立市と神奈川県相模原市で各種バリアフリ-施策の社会経済的価値を客観的に計測したときの,手法上の工夫とそれに対する回答者の評価をクロ-ズアップした発表である.

仮想市場法の援用が経済学視点で妥当であっても,生活者の価値観を貨幣尺度で定量的に計測する上で

は,想定される多くのバイアス(追従バイアス,包含効果,順序効果など)を解消する必要がある.新たにバリアフリ-施策の定量評価に用いる上での,バイアス解消の工夫を研究協力者の後明賢一が解説した. [03] 西山敏樹,コミュニティバスの改善戦略の研究,日本地理学会発表要旨集 No.58(日本地理学会),

pp.110-111,2000 (査読なし・口頭発表). 【概要】 地方政府が運行主体となるコミュニティバスについて,形態別(中央都市型,周辺都市型)に運営状況を評価し,問題発見整理と解決策の構築を行った.特に,利用者を含む沿線生活者への社会調査と行政・

行政から業務を委託されているバス事業者の3者に現行の問題点をそれぞれの立場から指摘してもらい,3者の合意点を導く形の現実的な問題解決策を構築した.特に,沿線環境を問わず運行前のエリアマ-ケティングの質的な格差が成否に大きく関わることを実証し,生活者をふくめたエリアマ-ケティングの

理想的形態を提言している.なおこの調査研究は小生の卒業論文の成果を含めた研究発表になっている.

Page 16: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[04] 西山敏樹・後明賢一,仮想評価法応用による社会的合意形成に基づく福祉交通推進方策の研究, 政策メッセ2000発表要旨集(政策分析ネットワ-ク),p.46,2000 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・パネルディスカッションでの発表とポスタ-発表).

【概要】 本研究発表は,費用便益分析手法をテ-マにする政策分析ネットワ-クのパネルディスカッションで発表したものである.環境会計評価,ヘドニック法,代替法など,ほかの費用便益分析手法の研究者と

共に,自分が用いている手法のメリットとデメリット,今後の可能性を自分の評価テ-マを例にしつつ

議論するものである.特に仮想市場法に特有なバイアスの解消方法などにかんして簡潔に整理してある. [05] 西山敏樹・後明賢一・有澤誠,東京圏在住下肢障碍者の地域内移動特性の研究,日本地理学会発表

要旨集No.59(日本地理学会),p.39,2001 (査読なし・口頭発表). 【概要】 各種障碍者向けの移動支援施策を検討する上で,当事者である障碍者の移動特性や移動環境での課題を的確に把握することは重要である.しかし,従前その種の調査研究が行われた事例が少なく,東京都

国立市と神奈川県相模原市(交通計画の研究者に東京圏の交通環境の縮図とされている)で日常的な移動の特性(外出頻度や利用手段,トリップ数)や課題を下肢障碍者に調査した.この調査から,各種障碍者が抱える問題が明らかになり,将来に向けた交通福祉計画の構築に貢献する情報を整理することができた. [06] 西山敏樹・有澤誠,都市政府水準での対知的障碍者社会調査の展開状況と今後の方向性にかんする

研究,日本地理学会発表要旨集No.60(日本地理学会),p.64,2001 (査読なし・口頭発表). 【概要】 ノ-マライゼイション推進方策を検討する上で,身体障碍者向けの各種調査や施策が進む一方,知的障碍者向けの情報収集や施策が総体的に遅れている.本調査研究では,都市レヴェルの地方政府担当者

に社会調査を行い,知的障碍者政策の遅滞の背景にある問題の整理,関連社会調査の展開状況や政策へ

の反映状況に付いて質問した.その結果,全国的に日常生活の実状調査の遂行に止まり,そうした状況

に地域間格差がほとんどない状況,地域を越えた担当職員のノウハウ不足などが問題として整理された. [07] 西山敏樹・有澤誠,都市政府内での知的障碍者関係の政策構築支援情報収集現況と今後の方向性に

かんする研究,政策メッセ2001発表要旨集(政策分析ネットワ-ク),p.62,2001 (A4版1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・口頭発表とポスタ-発表).

【概要】 上記口頭発表[06]の続編として位置づけられる.ここでは,知的障碍者関連施策の展開上,地方政府間の協力が従前非常に弱かった領域,地方政府が地域の大学および研究機関等と連携を求めている領域(通信機器を用いた科学的な移動特性調査,行政エリアを超えた面的な移動特性調査,脳波利用のインタフ

ェイス等を用いた本人の意思を確認しやすい新しい科学的調査など)を明らかにした.そして,それらの情報を基に,知的障碍者のノ-マライゼイション政策の構築に向けた組織間の協働の理想形を提案した. [08] 西山敏樹・後明賢一・有澤誠,バリアフリ-社会創造過程での仮想市場法(CVM)をべ-スにした 適切な社会的コミュニケイション手法の研究,政策メッセ2001発表要旨集(政策分析ネットワ-ク),p.40,2001 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・口頭発表およびポスタ-発表).

【概要】 従前のバリアフリ-社会創造過程での社会的合意形成支援の方法をレヴィュ-し,その問題点を整理した.特に,利害関係者間のコミュニケイションから政策的合意醸成までに存在する問題点を客観的に

評価し,仮想市場法の援用,および仮想市場法改善のヴィジョンを構築した.特に,最近流行している

リスクコミュニケイション手法の知見,ノウハウを活用する形での新しい改良の方向性を提案している. [09] 西山敏樹・有澤誠,大都市圏在住の障碍者全般を対象にした長時間移動特性の研究,日本地理学会

発表要旨集No.61(日本地理学会),p.105,2002 (査読なし・口頭発表). 【概要】 国際会議[02]の続編となる研究で,全国の大都市圏在住の各種障碍者(視覚・聴覚・上肢・下肢・体幹・

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内部・知的)に対して,「過去 5年間の長時間移動頻度(片道 2時間以上の移動)」,「長時間移動・ワントリップあたりの利用移動手段構成」,「長時間移動環境下で改善を強く希望する空間と障壁10箇所」を把握するための社会調査を実施した.特に,障碍者を主対象にしたパ-ソントリップ調査は過去に例

が殆どなく,視覚障碍者が他の障碍者に比べて著しく外出上の不利を強いられている状況を実証できた. [10] 西山敏樹・有澤誠,全国規模の社会調査にもとづく障碍者全般の長時間移動特性の研究,ヒュ- マンインタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vol.4,No.2,pp.31-43,2002 (査読なし・口頭発表).

【概要】 上記発表[09]と同内容の調査を中小都市でも実施し[09]の結果と総合して発表したものである.特に長時間移動環境下で抱える課題を障碍種ごとに解明できた点は,大きな意義が認められる.全国的に見る

と,視覚障碍者からは「鉄道駅のホ-ムで転落防止柵が未設置の状況」,聴覚障碍者からは「在来線特急

車内で視覚案内表示が不十分な状況」,上肢・内部障碍者からは「鉄道駅で改札口とホ-ムの間に階段が

多い状況」,下肢・体幹障碍者からは「鉄道駅でホ-ムと車両のすき間が広い状況」,知的障碍者からは

「改札で乗りたい電車にかんする情報が不足している状況」が最優先の改善課題として指摘されている. [11] 西山敏樹・片岡正昭・有澤誠,仮想市場法(CVM)援用による長時間移動環境下の現実的なノ-マ ライゼイション推進政策の研究,ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2002 論文集(ヒュ-マン インタフェ-ス学会),pp.549-552,2002 (査読なし・口頭発表).

【概要】 ヒュ-マンインタフェ-ス学会の研究会論文[10]で明らかにされた 7 種類の障碍者が長時間移動環境で強く解決を希望している課題について,交通行政と公共交通事業者の財政的余裕が無い中で生活者が

客観的に見てどの程度の負担意思を将来に向けて持っているのかを仮想市場法で計測した結果を述べた

ものである.特に,全国的な施策をとりあげ,全国規模で生活者の客観的な施策実施への負担意思額を

計測した調査は過去に例が無く,得られたデ-タから西暦2025年までの年間必要技術量を予測できた. [12] 西山敏樹・片岡正昭・有澤誠,長時間連続移動環境での重点的バリアフリ-施策の社会経済性評価 と評価性能向上に資する新しい社会的コミュニケイション手法の研究,ヒュ-マンインタフェ-ス 学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vol.4,No.2,pp.1-10,2002 (査読なし・口頭 発表).

【概要】 従前,開発者側の財政的制約を前提にした生活者のノ-マライゼイション推進施策に対する客観的な支払意思金額の計測は,社会調査質問紙を利用する方式が主流であった.しかし,生活者側からは査読

論文[02]のように,動的情報(グル-プインタヴィュ-,シニアシミュレイタ,ヴィデオ視聴)の必要性が指摘された.そこで,最初の質問紙方式に 3 種類の動的情報を順に加えた場合の貨幣価値観変化を追跡する調査(想定される順序すべてで実施した)を行ったところ,グル-プインタヴィュ-への参加とシニアシミュレイタ装着実験の両者を順番に関係なく体験することが,客観的価値判断に大きな影響を与える

ことを実証できた.これが仮想市場法の洗練スタイルであり,「動的仮想市場法」として成果を発表した. [13] 西山敏樹・片岡正昭・有澤誠,長時間連続移動環境下でのバリアフリ-施策の社会経済性評価

と評価性能向上に資する新しいコミュニケイション手法の研究, 第 4回政策メッセ・政策研究論文集(政策分析ネットワ-ク),pp.213-222,2003 (A4版1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・口頭発表).

【概要】 上記[12]の続編として位置づけられる研究発表である.ノ-マライゼイション推進技術の客観的な評価手法として一応の洗練形が示されたものの,将来に向けて一層の洗練化の可能性も残されている.今回

回答者の手法に対する指摘も分析し,「障碍者本人や保護者がグル-プインタヴィュ-に参加した場合

の影響力評価」,「ヴァ-チュアルリアリティの影響力評価」,「インタ-ネットの電子会議室内での意見

交換が与える影響力の評価」などの必要性が抽出され仮想市場法の性能評価研究の方向性を導出できた.

Page 18: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[14] 西山敏樹・瀧内冬夫・安藤薫子・有澤誠,車いす型次世代トランスポ-タがQ.O.L.に与える効果の研究,ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2004論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.65-70,2004 (査読なし・口頭発表).

【概要】 日本国内では,高齢者増加で障碍者人口の増加も確実視されている.ゆえに,社会環境の障壁除去が

重要である.しかし,財政的・空間的・地形的な制約で,国内では完全なインフラ整備が困難な状況で

ある.その問題を解決する上では,車いすのような移動支援機器の高質化可能性の追究が非常に重要で

ある.今回我々は,通常の階段や段差を克服でき,海岸等の荒地の走行も可能な次世代高度化車いす

(iBOTTM)の国内試用テストを行った.下肢障碍者合計 4人に試乗してもらった結果,総体的に次世代車いすが移動の所要時間を延ばし,回数を増やし,目的を多様化させる効果がある点を実証できた.国内

の実社会環境にあわせた次世代車いすの各種技術改善戦略も含めて,試用実験の成果を学会で公表した. [15] 西山敏樹・瀧内冬夫・安藤薫子・有澤誠,移動支援機器の高質化によるユニヴァ-サル社会創造 戦略の研究,政策メッセ2005オンライン論文集 (政策分析ネットワ-ク),2005 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・口頭発表).

【概要】 本研究では,上記[14]( iBOTTMの国内試用テスト)と[15](iBOTTMの利用者・環境開発者双方への評価

調査)の結果を詳細に統合的に分析し,次世代高度化車いすを有効に活用したユニヴァ-サルソサエティ推進戦略を検討した.特に,「量販店・観光施設・繁華街等の余暇性が強く次世代高度化車いすの有効性

が活かされるエリア」→「オフィス環境」→「標準的な国内住宅とその周辺環境」のフロ-で,社会に

浸透させていく戦略が,利用者や環境開発者及び車いす開発者の合意を得られやすいことを実証できた. [16] 西山敏樹・瀧内冬夫・麥澤隆藏・小林亨仁・三宅圭太・有澤誠,バス用高防滑性床材の性能評価に

関する研究(第01報),ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2005論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.477-482,2005 (査読なし・デモンストレイション発表).

【概要】 近年,高齢者や障碍者の人口増加で,Door to Doorの魅力を持つ路線バスが見直されている.しかし高齢者や障碍者を中心として車内事故数が増えており,全国規模で見ると,全車内事故の約60%が床材を起因とした事故であることが判っている.ゆえに,近未来に向け誰もが安全にバスを利用できるよう

に床材をユニヴァ-サルデザイン化する意義は大きい.本研究では,産(三池工業株式会社)/官(財団法人地域開発研究所)/学(慶應義塾大学)が連携し,石英石を用いた高防滑性床材を開発し,市街地を走る路線バスに実証敷設をし,性能評価を行った.結果,従来のビニルやリノリウムの床材に比べて,「防滑性」

「履物と床材との相性」「意匠性」のすべての評価項目で,利用者からの高い支持を得ることができた.

[17] 西山敏樹・有澤誠,車いす型次世代トランスポ-タの国内実試用評価テストとその普及戦略にかんする研究,第三回慶應義塾大学 ORF(オ-プンリサ-チフォ-ラム)研究発表大会論文集,pp.53-66,2006 (A4版で1ぺ-ジのExtended Abstract査読あり・口頭発表,この論文の発表で第03回KEIO SFC ORF研究論文発表大会努力賞を受賞している).

【概要】 この研究では,通常の階段や段差を克服でき荒地の走行も可能な次世代高度化車いす(iBOTTM)の国内試用テストに併せて行った,下肢障碍者のマシンに対する評価,社会戦略上の課題提起などにかんする

ニ-ズヒヤリング調査と,ユニヴァ-サルデザイン関連政策を扱う地方行政担当者や観光施設担当者や

公共交通事業担当者等へのシ-ズヒヤリング調査を実施した.ニ-ズとシ-ズの双方のマシンへの評価

をもとに,次世代高度化車いす(iBOTTM)を有効活用したユニヴァ-サル社会創造戦略を提言した.主に次世代高度化車いす(iBOTTM)が威力を発揮する繁華街・観光地・量販店内などを中心として,iBOTTM

のシェアリングシステムを導入し,社会的コストの低減を徐々に進める社会戦略の有効性が証明された.

[18] 西山敏樹・瀧内冬夫・茂木俊二・小林亨仁・百貫正・稲垣亜希子,バス用高防滑性床材の性能評価に関する研究(第 02 報),ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2006 論文集(ヒュ-マンインタ フェ-ス学会),pp.725-730,2006 (査読なし・口頭発表).

Page 19: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

- 19 -

【概要】 国内での高齢者や障碍者の増加に伴って,バス車内での転倒事故の防止が急務になっている.自分の

調査研究グル-プでは,石英石を加工した高度防滑性床材を用意し,それを路線バスの営業車両に実証

敷設して,利用者と事業者の評価を得ている.2005 年に成果発表した第 01 報(リストにある論文[16])に続く形で 2005年度も実証評価調査を行った.その結果,被験者の約 80%が従来品に比べ石英石床材の方が高い防滑性を誇る,と評価をしている.同様に,履物との親和性や意匠性についても,従来品に

比べて高い評価が得られた(共に70%以上の賛同).本稿では,石英石製床材の優位性を多面的に実証した.

[19] 西山敏樹・瀧内冬夫・茂木俊二・小林亨仁・百貫正・稲垣亜希子,バス用高防滑性床材の性能評価に関する研究(第 03 報),ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2007 論文集(ヒュ-マンインタ フェ-ス学会),pp.53-58,2007 (査読なし・口頭発表).

【概要】 バス車両のユニヴァ-サルデザイン推進の一環で,高防滑性床材の開発は重要な側面を担う.我々は

石英石を用いた高硬度・高防滑性の床材を新規に開発して,継続的に実地評価調査を行っている.今回

雨天時のバス利用者にも石英石床材の性能評価調査を行った.結果,「床材の防滑性」,「履物と床材との

相性」,「床材の意匠性」の主要各項目で90%以上の回答者が,雨天時の従前の床材に比べて優れていると回答した.これまでの上記非雨天時の利用者評価調査の成果とあわせると,「床材の防滑性」,「履物と

床材との親和性」,「床材の意匠性」の主要三項目で新しい石英石製床材の優位性が明らかになっている.

また,実験に協力してくれたバス事業者も上記の三点に対する評価が高いことを聴き取りから実証した.

[20] 西山里利・安田恵美子・西山敏樹・下雅意浩明・鈴木百合・鈴木万理・関口敏彰,看護用具・用品開発に関するケア提供者支援Webサイトの使いやすさと内容の評価研究, ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2007論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.509-514,2007 (査読なし・口頭発表).

【概要】 より良いケアのためには,質の高い看護用具・用品が求められる.我々は,より良い看護用具・用品

の開発に向け,IT を活用した臨床と企業の連携システムの確立を目的とし,Web サイト(NMC-Cube)の構築と運営を行っている.今回Webサイト開設にあたり,ケア提供者(看護師)と看護用具・用品メイカ-の担当者に,その使いやすさや構成,内容等に関する定性的評価調査を実施した.現状はケア提供

者・メイカ-側とも概ね10点中6点ないし7点の評価になったが,今後の運用に向けた諸課題も明確になった.我々は定性評価の結果及び今後に向けたインタフェイスやコンテンツの改善方向性を発表した.

[21] 西山敏樹・江幡正彦・茂木俊二・小林亨仁・百貫正・稲垣亜希子,バス用高防滑性床材の性能評価に関する研究(第 04 報),ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2008 論文集(ヒュ-マンインタ フェ-ス学会),pp.1011-1016,2008(査読なし・口頭発表).

【概要】 バス車両のユニヴァ-サルデザイン推進の一環で,高防滑性床材の開発は重要な側面を担う.我々は

石英石を用いた高硬度・高防滑性の床材を新規に開発して,継続的に実地評価調査を行っている.今回

従来の非雨天時に加え,雨天時と雪天時のバス利用者にも石英石床材の性能評価調査を行った.結果,

「床材の防滑性」,「履物と床材との相性」,「床材の意匠性」の主要各項目で80%以上の回答者が,雨天時・雪天時の従前の床材に比べて優れていると回答した.これまでの上記非雨天時の利用者評価調査の

成果と統合的に解釈することにより「床材の防滑性」,「履物と床材との親和性」,「床材のデザイン(意匠性)」の主要三項目で,新しい石英石製床材の優位性が天候に関係なく明らかになっている.また,実験に協力してくれたバス事業者も上記の三点に対する評価が高いことを,別途ヒヤリング調査で実証した.

総じて筆者らが研究開発を行っている床材が,バス車内の転倒事故防止に資する事を客観的に証明した. [22] 下雅意浩明・西山敏樹・清水浩,高性能電気自動車 Eliica の技術を応用したコミュニティバスの 普及可能性の研究,ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2008 論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.1117-1124,2008 (査読なし・口頭発表).

【概要】

Page 20: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

- 20 -

本研究では,排出ガス問題とバリアフリ-というバス業界の二大問題点を解決する,高性能電気自動

車技術(グランドアップ型車輌開発技術)を応用する社会戦略の可能性を検証している.環境に優しいエコデザインと人に優しいユニヴァ-サルデザインの両立を可能とするコミュニティバスについて,全国の

地方自治体担当者と地域住民の双方に質問紙調査を実施し,騒音の低減や環境負荷の低減,車内空間の

増加等のメリットと,イニシャルコストの高騰というデメリットを比較してもらい,導入可能性を検討

した.結果的に理想的なコミュニティバスとしてグランドアップ型技術に可能性があることを実証した. [23] 西山里利・西山敏樹・下雅意浩明・又吉慧,看護用具・用品開発支援 Web サイトのコンテンツと 運営管理手法の研究, ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2008論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.1099-1102,2008 (査読なし・口頭発表).

【概要】 より良いケアのためには,質の高い看護用具・用品が求められる.我々は,より良い看護用具・用品の

開発に向け,ITを活用した臨床と企業の連携システムの確立を目的とし,Webサイト(NMC-Cube)の構築と運営を行っている.今回Webサイト開設にあたり,ケア提供者(看護師)と看護用具・用品メイカ-の担当者,関連研究者に,その使いやすさや構成,内容等に関する定量的評価調査を実施した.回答者

の評価は,現状で概ね10点中6点ないし7点になったが,今後の運用に向けた諸課題も明確になった.我々は従前の定性評価の結果も含めて,今後のインタフェイスやコンテンツの改善方向性を述べている. [24] 石川学・野澤満恵・水越朱衣子・下雅意浩明・松下成志・野田靖二郎・西山敏樹・清水浩,旅客 輸送と貨物輸送を同時に実現する電気自動車のニ-ズ研究,エコデザイン 2008・ジャパンシンポ ジウム(エコデザイン学会連合),CD-ROM,2008 (査読あり・口頭発表).

【概要】 国内の地方部では,路線バスの利用者が減少している.一方で,運輸事業の重要度は高い.そうした

現状及びエコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合を考えると,住民及び荷物を同時に運べる兼用

電動車輌の開発・普及の可能性が生じる.本研究では,バス事業者と運送事業者へのヒヤリング調査を

通して,上記のような兼用電動車両に対するニ-ズおよび考え方を具体化して,日本国内でのグランド

アップ型兼用電動車輛の可能性について提案を行った.特に,ビジネスシ-ズとして住民と荷物の同時

輸送の希望があるものの,国内で適切な電動車両が無くビジネス化の問題となっていることが判明した.

さらに兼用電動車両の理想形が判り,グランドアップ型での開発に向けた概念設計を行うことができた.

[25] 松下成志・西山敏樹・野田靖二郎・清水浩,超小型電気バスの概念設計と普及戦略に関する研究, インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vol.11,No.1,pp.35-40,2009 (査読なし・口頭発表).

【概要】 現在,地球規模での温暖化問題が深刻化している.また,高齢化社会の進行により交通不便者や不便

地域等が問題となっている.これらの問題の解決策として,超小型電気バスの概念設計及びその普及の

戦略について研究を行った.研究の結果,従来のバスよりも一人当たりの移動負荷を低減できることが

わかった.また社会調査より,超小型電気バスを用いたサ-ヴィスとして,駅改札口付近への乗入れの

実現可能性が高いことが判った.ヒュ-マンインタフェイスの点で超小型電気バスの有効性を実証した.

[26] 西山敏樹・西山里利・福田亮子,女性高齢者を対象とした医療施設用インナ-シュ-ズの主観評価 研究,ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2009論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.685 -690,2009 (査読なし・口頭発表).

【概要】 高齢社会を迎え,病院をはじめとする医療施設内での転倒事故の発生事例が増えている.本研究では

医療施設用インナ-シュ-ズからの問題解決をはかるべく,女性高齢者に焦点をあてて既存の代表的な

インナ-シュ-ズの主観評価調査を実施した.その結果,「素材の柔らかさ」,「軽さ」,「脱ぎやすさ」,

「脱がせやすさ」,「履きやすさ」,「履かせやすさ」,「デザインが良く退院後も使える」という各要件を

満たす,次世代の女性高齢者向けの医療施設用インナ-シュ-ズのあるべき姿を導出することができた.

Page 21: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[27] 卜部正樹・岸上靖廣・平本治郎・稲積透・吉武明英・清水浩・松田篤志・西山敏樹・土肥英一・林 克行・松村好浩,超ハイテンのTWB構造による小型電気自動車用台車の開発,自動車技術会2010 年春季大会学術講演会前刷集No.17-10(自動車技術会),pp.21-24,2010(査読あり・口頭発表).

【概要】 慶應義塾大学では,2007年度から誰もが安心で安全に移動できるように支援を行い,その結果としてコミュニティが活性化するよう,「コ・モビリティ社会(コミュニティ+モビリティの造語による新概念)」の研究を推進している.特に筆者らは,自動運転や遠隔操縦との融合を前提にした一人乗りの小型電気

自動車を開発した.この中で,走行に必要な機器(リチウムイオンバッテリ-やインホイ-ルモ-タ-等)を車輌床下部に納める技術である集積台車の鋼製フレ-ムを筆者らが開発・試作した.このフレ-ムは

四角形閉断面の筒型である.内部にバッテリ-等,外部にはインホイ-ルモ-タ-等の駆動部品を付け

られるようにしてある.本研究の新規性としては,1470MPa級ハイテン材,外板用 440MPa級のハイテン材等のテ-ラ-ドブランクの一体成形を実施し,高強度で高剛性,軽量で高生産性を実現している.エコデザインとユニヴァ-サルデザインが融合する車両の特長を講演した(JFEスチ-ルとの共同研究). [28] 西山敏樹・西山里利・山下香枝子・小林亨仁・稲垣亜希子,鉄道車輌での安全に資する高度防滑性

床材の性能評価に関する研究,ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2010 論文集(ヒュ-マン インタフェ-ス学会),pp.767-774,2010 (査読なし・口頭発表).

【概要】 公共交通環境では,高齢社会も視野に入れてすべりにくくつまずきにくい床材の導入が課題である.

今回筆者は,高度防滑性能を持つ床材(識別板)を関東地方の地下鉄の新型車輌の扉部分に敷設した.あわせて利用者500名に評価用紙を配布して合計176票の有効回答を得た.その結果,扉の開口部での滑り防止や履き物との相性で高い評価を得られ,今後の普及に向け,滑り抵抗値が適切なものであることを

把握できた.さらに敷設を希望する場所として鉄道駅の階段及び車内へのニ-ズが強いことも判明した.

[29] 西山敏樹・清水浩,電気自動車技術の看護医療サ-ヴィスへの応用,インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vol.12,No.11,pp.1-4,2010 (査読なし・口頭発表).

【概要】 看護・医療分野での移動に用いる車は車室が広い方が使いやすく,排気ガスを出さないものであれば

医療施設内部への乗り入れも可能となる.本発表では,それを実現する集積台車型の電気自動車の当該

分野への応用可能性について論じた.具体的には,フルフラットな電動バスの救急車や検診車への応用

や自動運転・遠隔操縦を用いた一人乗り用小型電気自動車の実製作について紹介を行い,これらの導入

で排気ガスが出ない車輌が乗り入れるため,医療施設の作り方や建築コンセプトが変わる点も説明した.

[30] 西山里利・塩瀬隆之・西山敏樹,看護医療分野の製品開発へのインクル-シブデザインワ-クショップの応用,インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vol.12,No.11,pp.5-8,2010 (査読なし・口頭発表).

【概要】 看護や医療の分野での製品開発では,ニ-ズ志向の製品開発が重要な課題であり,その実現がケア力

の向上に資する.本研究発表では,インクル-シヴデザインワ-クショップ手法を用いた当該分野での

製品検討の事例を紹介し,効果や効率を高める上での手法導入のポイント等についても論じた.具体的

には,制菌加工をした繊維を活用した看護医療用具用品の開発,高齢者用のユニヴァ-サルデザイン型

キャリ-バッグ,高齢者用病院向けインナ-シュ-ズや病院用せっしの検討事例からポイントを論じた.

特に,看護のものづくり分野で本手法を有効に活用していく上での今後の課題を実例に即して解説した.

[31] 西山敏樹・清水浩,集積台車型電動車輛による新しい医療施設の展開方策の研究,インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vo.13,No.7,pp.1-4,2011 (査読なし・口頭 発表).

【概要】 上記発表[29]の続編に位置する研究発表である.[29]の発表以降,モ-タ-やインヴァ-タ,リチウムイオンバッテリ-等の駆動に必要な装置を全て床下に配す集積台車型のバスを実際に試作した事を前提

Page 22: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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にして,この技術と経験を電動の救急車や検診車,物流車輌等の病院乗入の各種車輌に応用展開できる

ことを説明して,併せてこれにより移動抵抗や物流抵抗が減りうることを病院建築の視点から提案した. [32] 西山里利・見野孝子・小杉思主世・西山敏樹・又吉慧,子育て支援における情報提供のあり方~

静岡県を事例として~,インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vo.13,No.7,pp.5-8,2011 (査読なし・口頭発表).

【概要】 静岡県内を対象として,子育て支援のあり方を探り,どのような支援が必要であるかを検討するため

に,筆者はインクル-シヴデザインワ-クショップの手法を用いて,ニ-ズ調査からデザイン構築まで

の見える化を図った.本発表では,具体的な子育て支援策のうち,情報提供に焦点を当て,子育て支援

での情報提供のインタフェ-スのあり方について報告した.本発表のテ-マである「情報提供」の側面

に限ると【子育て便利堂】,【翌日バッグ】,【地域ウェルカムパ-ティ-】が有効な政策であると判明し

これを実現することの有効性と共にアイディアを提案した(本発表は静岡県の支援事業の下で実施した). [33] 西山敏樹・野田靖二郎・石川学・清水浩,電動低床フルフラットバスの開発と普及戦略の研究, ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2011 論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),pp.1027-1033,2011 (査読なし・口頭発表).

【概要】 本研究では,日本の各地の 27 バス事業者に対し電動フルフラットバスの概念とメリット,導入への課題,コスト等を客観的に開示し,実際に車を購入して営業に使用する事業者の実状と導入への見解を

ヒヤリング調査で明らかにした上で,普及に向け事業者が必要とする電動バス車輌のデザインポリシ-

として大型前-中扉仕様(10.5m 長),大型前-後扉仕様(10.5m 長),小型前-中扉(7.0m 長)のニ-ズが,全国的に高いことを明らかにした.また,全国27 バス事業者のバスを日常的に利用する216 名の市民に質問紙調査を実施し,電動バスのインテリアに必要なものとして大きないすや自転車スペ-ス,給電

器のニ-ズがある点を明らかに,上記成果を統合し人と地球にやさしい路線バスの普及戦略を提案した.

[34] 西山敏樹・賦勺尚樹・須藤健太郎・前野隆司,病院内の移動抵抗軽減を目指した E-モビタリティシステムの概念構築,インタフェ-ス学会研究報告集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vo.13,No.12,pp.1-6,2011 (査読なし・対話発表).

【概要】 近年,排ガスと騒音が出ない電気自動車の普及で,それを病院内に乗り入れさせることで,移動抵抗

や物流抵抗を減らすことが期待されている.そうした移動物流システムを我々は「E-モビタリティシステム」と名づけており,実現に向けた研究を開始した.その過程で構築したE-モビタリティシステムの概念について紹介した.具体的に,看護師へのニ-ズ調査より現場の需要が高かった電動車輛としては

①電気救急車(電動ストレッチャ付),②院内自動搬送回遊装置があり,これらの実現の有効性を示した.

[35] 西山敏樹,モビタリティ社会の概念構築と具現化に関する研究,インタフェ-ス学会研究報告集 (ヒュ-マンインタフェ-ス学会),Vo.14,No.5,pp.1-4,2012 (査読なし・口頭発表).

【概要】 エコデザイン推進への国際社会情勢から,電気自動車の技術的革新が進んでいる.排ガス及び騒音が

出ない電気自動車の技術を病院内に入れ,モビリティとホスピタリティ(=モビタリティ)を高める研究を開始した.その概要と進捗について講演し院内の車いすをアシストする電動車技術の方向性を示唆した. [36] 西山敏樹・石川学・清水浩,電動低床フルフラットバスの実用性検証・評価の研究,ヒュ-マン

インタフェ-スシンポジウム 2012 論文集(ヒュ-マンインタフェ-ス学会),CD-ROM,2012 (査読なし・口頭発表).

【概要】 慶應義塾大学では,モータをインホイール方式にして,インヴァ-タとバッテリ-等の走行必要機器

と共に,床下に全て格納する集積台車型の革新的な電動低床フルフラットバスを世界で初めて試作開発

した.2011年度から 3年間かけて,既存のバス路線を用いてその性能の実証評価事業を実施してきた.

Page 23: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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2011年度の試乗モニタ-380人の内,70%が大型電動フルフラットバスの方が従来車に比べて,今後に向けた乗りやすいバスとして高い評価をした.この発表ではそうした実証評価の結果について説明した. [37] 西山敏樹・清水浩,大型電動低床フルフラットバスの試作開発と都市内での試走評価研究,第6回 人

と環境にやさしい交通をめざす全国大会 in新潟・論文集(人と環境にやさしい交通をめざす協議会),発表予定,2013 (査読なし・口頭発表).

【概要】 慶應義塾大学では,モータをインホイール方式にして,インヴァ-タとバッテリ-等の走行必要機器

と共に,床下に全て格納する集積台車型の革新的な電動低床フルフラットバスを世界で初めて試作開発

した.2011年度から 3年間かけて,既存のバス路線を用いてその性能の実証評価事業を実施してきた.2011年度の試乗モニタ-380人の内,70%が大型電動フルフラットバスの方が従来車に比べて,今後に向けた乗りやすいバスとして高い評価をした.この発表ではそうした実証評価の結果について説明した.

また,今後国内で必要な電動低床フルフラットバスのデザインとして,旧来地方部を中心に使用されて

おり,リヤエンジン式ノンステップエンジン車輌化の構造上生産されてこなかった「前後扉式」の復活

を求める業界からの需要の高さについて実証した.あわせて必要となる車輌デザインについて公表した.

08.専門誌での解説等(総計10 件)

[01] 西山里利・安田恵美子・西山敏樹,NMC-Cubeプロジェクトの目的とシステムの現状,ナ-シング・トゥデイ(日本看護協会出版会),V.22/No.13,pp.50-51,2007.

【概要】 今日まで,看護用具・用品開発のプロセスで,ケア提供者とメイカ-の意見交流と合意形成はうまく

図られてこなかった.そのため,病院内では看護用具・用品の手作りが進み,有用なアイディアが社会

に波及する例が極めて少ない問題が生じている.この問題解決を図るため,筆者らはNMC-Cubeという看護用具・用品開発に関するケア提供者とメイカ-の意見交流と合意形成を支援するWebサイトを立ち上げ,運営を行っている.この論稿ではNMC-Cubeのコンセプトや運営のあり方について述べている. [02] 西山敏樹・西山里利・安田恵美子,ユニバ-サルデザイン時代の看護用具・用品開発,ナ-シング・トゥデイ(日本看護協会出版会),V.22/No.13,pp.52-53,2007.

【概要】 上記 08.[01]で述べたように,NMC-Cube という看護用具・用品開発に関するケア提供者とメイカ-の意見交流と合意形成を支援するWebサイトを立ち上げ,運営を行っている.この過程では,ケア提供者とメイカ-の合意形成を重視しており,看護用具・用品のユニヴァ-サルデザイン化とも密接に関係

している.そこで本稿では,看護用具・用品開発でのユニヴァ-サルデザイン化について,展望している. [03] 安田恵美子・西山里利・西山敏樹・下雅意浩明・又吉慧,看護用具・用品の開発支援―NMC-Cube

プロジェクト-,看護技術(メヂカルフレンド社),V.54/No.01,pp.76-78,2008. 【概要】 今日まで,看護用具・用品開発のプロセスで,ケア提供者とメイカ-の意見交流と合意形成はうまく

図られてこなかった.そのため,病院内では看護用具・用品の手作りが進み,有用なアイディアが社会

に波及する例が極めて少ない問題が生じている.この問題解決を図るため,筆者らはNMC-Cubeという看護用具・用品開発に関するケア提供者とメイカ-の意見交流と合意形成を支援するWebサイトを立ち上げ,運営を行っている.この論稿ではNMC-Cubeの運営状況や今後の方向性等について述べている. [04] 西山敏樹,ユニバ-サル社会の創造に向けて,三色旗(慶應義塾大学出版会),No.730,pp.16-28 ,

2009. 【概要】 近年の高齢社会化や障碍者の増加により,社会空間のユニヴァ-サルデザインの実現が急務になって

いる.しかし,バリアフリ-の次の概念であるユニヴァ-サルデザインの基本的な考え方が社会に波及

していない.本稿は,ラジオNIKKEIの「慶應義塾の時間」で西山が2009年1月に担当した通信講座

Page 24: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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「ユニバ-サルデザインの創造に向けて」の講義録のダイジェスト版である.ユニヴァ-サルデザイン

の基本的な考え方を紹介した上で,諸科学横断的にそれを実現する方法論について判りやすく解説した. [05] 西山里利・西山敏樹,インクル-シブデザイン・ワ-クショップ手法の看護への応用可能性,インタ-ナショナルナ-シングレビュ-日本版(日本看護協会出版会),NO.142,p.32,2009.

【概要】 技術や知の伝承という観点で,インクル-シブデザインワ-クショップ手法が注目されている.この

論稿では,塩瀬隆之氏のペイパ-「技能継承の技術化研究とインクル-シブデザイン」に基づき,その

手法の看護用具・用品開発プロセスへの応用可能性および有用性について述べその啓蒙を目指している. [06] 西山敏樹,電動フルフラットバスの研究開発―産公学の協働による未来型バス車両の普及に向けて―,日本機械学会誌(日本機械学会),Vo.113/NO.1104,pp.838-841,2010.

【概要】 バス業界では,経営が苦しい中でユニヴァ-サルデザインとエコデザインの融合的推進が国家的政策

として求められている.この実現のためには,集積台車技術を援用したグランドアップ型(ボトムアップ型)の電動バス技術が有効である.この原稿ではグランドアップ型電動バスの技術とその動向を解説した.併せて電動バスの導入による社会的な効果についても述べ,導入することの意義について解説を行った.

具体的には,排ガスが出ない電動バスの乗り入れが駅等の建築物のあり方を大きく変える点を指摘した. [07] 西山敏樹,未来の交通社会,技術と経済(社団法人科学技術と経済の会),531号,pp.26-36,2011. 【概要】 未来の公共交通環境は,高齢社会の進展や障がい者の増加に伴い,その社会的意義が再度注目される

はずである.その前提にたち,電気自動車関連技術の動向を基本にしながら,エコデザインとユニヴァ

-サルデザインの融合的進展を図っていく上での方法論について解説している.また,それらの技術を

社会に波及させることで,日本内外の経済及び政策にどのような効果があるかについても言及している. [08] 西山敏樹,電動低床フルフラットバスの開発と普及に向けて,自動車技術(公益社団法人自動車技術会),2011年7月号,pp.116-117,2011.

【概要】 バス業界では,経営が苦しい中でユニヴァ-サルデザインとエコデザインの融合的推進が国家的政策

として求められている.この実現のためには,集積台車技術を援用したグランドアップ型(ボトムアップ型)の電動バス技術が有効である.この原稿ではグランドアップ型電動バスの技術とその動向を解説した.併せて電動バスの導入による社会的な効果についても述べ,導入することの意義について解説を行った.

特に,電動バスの導入によりエコデザインと共に市民の移動抵抗軽減が図られる可能性について述べた.

さらに,自動車技術の観点から電動バスを軸として電動トラックの普及発展に向けた可能性も説明した. [09] 藁谷正裕,西山敏樹,次世代EVとして期待されるインホイ-ル型電気自動車,丸三レポ-ト(丸三

証券),No.784(2011年8月号),pp.26-31,2011. 【概要】 既存車輌のエンジン部分をモ-タ-やバッテリ-に置き換えるいわゆるコンヴァ-ト型電気自動車に

比べて,小型で効率の良いモ-タ-を各輪に取り付けるインホイ-ル型の電気自動車の方がエネルギ-

効率がよい.また,大きなモ-タ-がとる面積が減るのでバリアフリ-性,さらには,ユニヴァ-サル

デザイン性が高まり,自動車部門のエコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合に資する技術となる.

本稿では,インホイ-ルモ-タ-型電気自動車の優位性について実車の開発経験に基づき説明している. [10] 西山敏樹,ユニヴァ-サルデザインとエコデザインが融合した世界最先端の乗用車・バス車輛の 開発,化学工学誌(化学工学会),Vol.76,No.1,2012.

【概要】 既存車輌のエンジン部分をモ-タ-やバッテリ-に置き換えるいわゆるコンヴァ-ト型電気自動車に

比べて,小型で効率の良いモ-タ-を各輪に取り付けるインホイ-ル型の電気自動車の方がエネルギ-

Page 25: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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効率がよい.また,大きなモ-タ-がとる面積が減るのでバリアフリ-性,さらには,ユニヴァ-サル

デザイン性が高まり,自動車部門のエコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合に資する技術となる.

本稿では,インホイ-ルモ-タ-型電気自動車の優位性について実車の開発経験に基づき説明している.

特に本稿では,時速370km/hを記録する超高性能電気自動車Eliicaと,そこで培われた技術を活かした大型電動フルフラットバスについて説明した.また電動バスの今後の普及方向性等についても説明した. 09.企業他での講演(総計30件)

[01] 西山敏樹,形態別に見たコミュニティバスの改善戦略の研究,東日本旅客鉄道株式会社本社,1998. 【概要】 地方政府が運行主体となるコミュニティバスについて,形態別(中央都市型,周辺都市型)に運営状況を評価し,問題発見整理と解決策の構築を行った.特に,利用者を含む沿線生活者への社会調査と行政・

行政から業務を委託されているバス事業者の3者に現行の問題点をそれぞれの立場から指摘してもらい,3者の合意点を導く形の現実的な問題解決策を構築した.特にこの発表では,鉄道会社での講演という側面を鑑み,交通ネットワ-クの中での鉄道とコミュニティバスの効果的な関係性を重視して発表をした. [02] 西山敏樹・後明賢一,生活者ニ-ズと支払意思を反映した交通環境のノ-マライゼイション推進 政策の研究(第一報),東日本旅客鉄道株式会社本社,1999.

【概要】 昨今の公共交通事業経営の総体的な悪化を問題意識とし,効果的で効率的な投資をするための方法論を検討する必要性が生じている.経済学的アプロ-チからこの問題を検討した場合,各種費用便益調査

を実施し,現実的な投資方策を構築する姿勢が重要である.本発表では,将来の交通財に対する効果的

で効率的な投資配分に資する費用便益手法を紹介し,その長短を比較しつつケ-ス毎の有用性を述べた. [03] 西山敏樹・後明賢一,生活者ニ-ズと支払意思を反映した交通環境のノ-マライゼイション推進 政策の研究(第二報),東日本旅客鉄道株式会社本社,2000.

【概要】 仮想市場法を用いて,東京都国立市と神奈川県相模原市で各種バリアフリ-施策の社会経済的価値を客観的に貨幣尺度で計測したときの,手法上の工夫や回答者の評価結果およびそれらの考察を発表した

ものである.仮想市場法の援用が経済学視点で妥当であっても,生活者の価値観を貨幣尺度で定量的に

計測する上では,想定される多くのバイアス(追従バイアス,包含効果,順序効果など)を解消する必要がある.バイアス解消の独自の工夫も紹介して実際の鉄道事業者での利用に貢献する知見を整理発表した. [04] 西山敏樹,動的仮想市場法による長時間移動環境の現実的な障壁除去推進政策の研究(第一報)- 動的仮想市場法の必要性-,東日本旅客鉄道株式会社本社,2001.

【概要】 神奈川県相模原市と東京都国立市で行った仮想市場法社会調査の中では,ノ-マライゼイション推進施策の生活者の必要技術量を客観的に計測するプロセスへの仮想市場法援用の有用性にかんしても調査

している.その回答を本論文では社会的コミュニケイション論の視点から分析し,生活者が価値判断に

必要とする情報の種類を抽出した.そして,将来に向けた導入技術の量と質の客観的評価と社会的合意

に資する仮想市場法の洗練形のプロトタイプを構築し,鉄道事業者での実利用に資する知見を発表した. [05] 西山敏樹,動的仮想評価法による長時間移動環境の現実的な障壁除去推進政策の研究(第二報)- 全国規模の社会調査に基づく各種障碍者の長時間移動時の課題把握と動的仮想市場法への反映, 東日本旅客鉄道株式会社フロンティアサ-ビスセンタ-,2002.

【概要】 全国の大都市圏在住の各種障碍者(視覚・聴覚・上肢・下肢・体幹・内部・知的)に対して,「過去5年間の長時間移動頻度(片道2時間以上の移動)」,「長時間移動・ワントリップあたりの利用移動手段構成」,「長時間移動環境下で改善を強く希望する空間と障壁 10箇所」を把握するための社会調査を実施した.特に,各種障碍者の移動上の課題をふまえて鉄道環境の障壁除去施策のヴィジョンを具体的に講演した.

Page 26: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[06] 西山敏樹,長時間移動環境での障壁除去施策の社会経済性評価と評価性能向上に資するコミュニケイション手法の研究,東日本旅客鉄道株式会社本社,2003.

【概要】 ユニヴァ-サルデザインの導入にあたり鉄道事業者は,サステイナビリティの視点も考慮し,生活者との間で導入技術の質と量について合意を図る必要がある.まさに,サステイナビリティの視点の重要

性についても広く情報公開し,エコデザインのコンセプトが含まれたユニヴァ-サルデザインの開発が

将来に向けて期待されている.本調査研究はそうした問題意識の下で,ユニヴァ-サルかつ持続可能な

鉄道環境開発の社会的合意形成を支援する社会的なコミュニケイション手法を仮想市場法べ-スで提案

している.併せてその手法に則り社会経済的に必要な改善施策の量と質も客観的に計測し成果発表した. [07] 西山敏樹,生活者と開発者の合意に基づくユニヴァ-サル社会の構築に向けて,川崎信用金庫,2008. 【概要】 ユニヴァ-サルデザインの推進が社会で必要とされている中,個別技術のユニヴァ-サルデザイン化を有機的に統合化して,今後は誰もが利用しやすい社会づくりをする必要性が高い.この講演では市民

自らがユニヴァ-サル社会を作り上げる一端を担うとの前提の下で,留意すべき点などを明らかにした. [08] 西山敏樹,次世代の無人駅のあり方,東日本旅客鉄道株式会社フロンティアサ-ビスセンタ-,2008. 【概要】 地域の安全・安心を確保する視点から,次世代無人駅のあり方を研究した.特に,駅舎がある無人駅

については,①住民や企業が無人駅を自由に利用するための鉄道事業者との契約上の基本規則,②住民

や企業に使用させる前に最低限,鉄道事業者が整備すべきハ-ド面の要件を,効果的な無人駅舎の利用

事例に対する社会調査から明らかにした.一方,駅舎が無い無人駅については,革新的な改良事例での

インタフェイス評価調査を利用者に行い,さらなる改善のコンセプトを明確にした.最終的には上記の

結果をあわせ,東日本旅客鉄道株式会社と協働し同社管内の無人駅の次世代改善戦略をまとめ発表した. [09] 西山敏樹,次世代電気自動車の技術とその社会への応用戦略,かながわ研究交流推進協議会,2008. 【概要】 地球温暖化防止対策として有効とされる電気自動車技術の歴史的な流れと最新動向について講演した.また,慶應義塾大学電気自動車研究室で開発している集積台車の技術の応用可能性について,主として

電気コミュニティバスや宅配自動車等の応用可能性や普及可能性について,従前の研究成果を公表した.

実業家や研究者が多いフロアからの要望もあり,様々な事業への電気自動車の応用可能性にも言及した. [10] 西山敏樹,電気自動車で変わる社会,北陸電力,2008. 【概要】 地球温暖化防止対策として有効とされる電気自動車技術の歴史的な流れ,最新動向について講演した.

また,慶應義塾大学電気自動車研究室で開発している集積台車の技術の応用可能性について,主として

電気コミュニティバスや宅配自動車等の応用可能性や普及可能性について,従前の研究成果を公表した.

実業家や研究者が多いフロアからの要望もあり,様々な事業への電気自動車の応用可能性にも言及した. [11] 西山敏樹,整備の視点を重視した電気自動車の普及戦略について,ロ-タス同友会講演会,2009. 【概要】 地球温暖化防止対策として有効とされる電気自動車技術の歴史的な流れと最新動向について講演した.

また,慶應義塾大学電気自動車研究室で開発している集積台車の技術の応用可能性について,主として

電気コミュニティバスや宅配自動車等の応用可能性や普及可能性について,従前の研究成果を公表した.

実業家や研究者が多いフロアからの要望もあり,様々な事業への電気自動車の応用可能性にも言及した.

特に,整備業界の電気自動車へのパラダイムシフトを想定し整備の観点を重視した車作りにも言及した.

また,電気自動車社会を想定した自動車整備の視点に基づくビジネスチャンスについても検討を行った. [12] 西山敏樹,次世代の公共交通戦略―エコデザインとユニヴァ-サルデザイン,小田原市,2009. 【概要】

Page 27: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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地球温暖化防止対策として有効とされる電気自動車技術の歴史的な流れ,最新動向について講演した.

また,慶應義塾大学電気自動車研究室で開発している集積台車の技術の応用可能性について,主として

電気コミュニティバスや宅配自動車等の応用可能性や普及可能性について,従前の研究成果を公表した.

実業家や研究者が多いフロアからの要望もあり,様々な事業への電気自動車の応用可能性にも言及した. [13] 西山敏樹,電気自動車の普及戦略-公共交通や車輛整備の視点から,損害保険ジャパン,2009. 【概要】 地球温暖化防止対策として有効とされる電気自動車技術の歴史的な流れと最新動向について講演した.

また,慶應義塾大学電気自動車研究室で開発している集積台車の技術の応用可能性について,主として

電気コミュニティバスや宅配自動車等の応用可能性や普及可能性について,従前の研究成果を公表した.

実業家や研究者が多いフロアからの要望もあり,様々な事業への電気自動車の応用可能性にも言及した.

特に,整備業界の電気自動車へのパラダイムシフトを想定し整備の観点を重視した車作りにも言及した.

また,電気自動車社会を想定した自動車整備の視点に基づくビジネスチャンスについても検討を行った.

具体的には,自動車に関わる保険会社が電気自動車社会で提供すべき保険サ-ヴィスの内容を提示した. [14] 西山敏樹,近未来の交通環境と社会-ユニエコ型交通への変革と電気自動車-,科学技術交流財団

特別講演会,2010. 【概要】 近未来の交通環境考える上で,エコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合が極めて重要な概念と

なる.本講演では,電気自動車や電動バス,階段を昇降可能な高機能車いす,石英石を用いた高度防滑

性公共交通車輌用床材をはじめ,エコデザインとユニヴァ-サルデザインを融合させた,新しい概念を

持つ公共交通関連の研究について判り易く講義して,こうした活動の社会的な意義等について説明した. [15] 西山敏樹,電気自動車の普及に向けたエネルギ-供給の現在,小田原市低公害車促進会議,2010. 【概要】 小田原市のような郊外都市で電気自動車を普及させる上で,エネルギ-の確保が重要な側面をになう.

発電と給電,蓄電までのプロセスをコミュニティ内で効率よく進める上での新しい技術に関して,講演

を行った.あわせてコミュニティでのエネルギ-供給を効率よく進める上での政策的要点等も説明した. [16] 西山敏樹,近未来のユニエコ型交通への変革,経営支援NPOクラブ特別講演会,2010. [18] 西山敏樹, 次世代公共交通戦略-「ユニエコ型交通」への変革,SURTECH(表面技術展)2010・

特別講演会,2010. [19] 西山敏樹,近未来のユニエコ型交通への変革,信州大学特別講演会,2010. [20] 西山敏樹,近未来のユニエコ型交通戦略,運転と認知機能の研究会・特別教育講演,2010. [21] 西山敏樹,未来型交通への変革-「ユニエコ型交通」へ-,明日の経営を考える会(明経会)・特別

講演会,2010. [22] 西山敏樹,電気自動車の開発とこれからの交通に求められるもの,大阪市立環境学習センタ-特別

講演会,2011. [23] 西山敏樹,電気自動車と未来の交通システム,四国電力特別講演会,2011. [24] 西山敏樹,電気自動車の最新研究動向と実社会への応用の可能性,川崎建設業協会講演会,2011. [25] 西山敏樹,電気自動車の開発状況と将来展望,九州パワ-アカデミ-シンポジウム,2011. [26] 西山敏樹,コ・モビリティ社会の実現と電気自動車,明日の経営を考える会(明経会)・特別講演会,

2011. [27] 西山敏樹,電気自動車の開発現状と展望,慶應義塾大学理工学部同窓会西日本支部特別講演会,2012. [28] 西山敏樹,電気自動車の開発状況と将来への可能性,九州電力特別講演会,2012. [29] 西山敏樹,インホイ-ルモ-タ型電動低床フルフラットバスの開発及び評価,第 32 回モ-タ技術

シンポジウム,2012. 【上記の概要】 近未来の交通環境考える上で,エコデザインとユニヴァ-サルデザインの融合が極めて重要な概念と

なる.本講演では,電気自動車や電動バス,階段を昇降可能な高機能車いす,石英石を用いた高度防滑

Page 28: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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性公共交通車輌用床材をはじめ,エコデザインとユニヴァ-サルデザインを融合させた,新しい概念を

持つ公共交通関連の研究について判り易く講義して,こうした活動の社会的な意義等について説明した. [17] 西山敏樹,教育におけるインクル-シブデザインワ-クショップ手法活用の可能性,NPO ライフ

ケア浜松研修会,2010. 【概要】 ニ-ズ志向のものづくりをする上でイギリスから始まったインクル-シヴデザインワ-クショップの

手法を教育政策に援用する上での効果的な方法論について説明した.特に,政策分野に用いるケ-スの

注意点を説明した上で,効果的に本手法を適用していく上でのポイントについて重点的に解説を行った. [30] 西山敏樹,好きなことを仕事にする―バス事業の研究を通して―,攻玉社学園・キャリアデザイン

特別講演会,2012. 【概要】 大学以降の進路を決める上で,中学生や高校生の時期に自分の取り組むべきことを決めておくことは,

大変有意義である.自身が大学 AO 入試のパイオニア的存在であることを評価して頂き,人が行わないバス事業研究の経験を通じ,中学高校時代に自分自身の生涯のテ-マを決める大切さについて講演した. 10.研究成果のマスコミ取材(総計17件)

[01] 交通新聞 (交通新聞社),2005年06月02日号,「新時代の交通にふさわしいバス床材」,2005. [02] BUSRAMA INTERNATIONAL (ぽると出版),90号(15周年記念号),「バスの新しい床材”アベイラス”―防滑性・耐久性に優れる床材を開発・販売―」,pp.74-75,2005.

[03]トラモンド (トラモンド社),4228号,「バス用床材アベイラス」,pp.8-9,2005. [04] 交通新聞 (交通新聞社),2006年07月13日号,「ユニヴァ-サルデザインのバス床材」,2006. [05] 交通新聞 (交通新聞社),2010年05月20日号,「安心できるバスの創造へ-足元の安全を実現する製品の開発と普及を-」,2010.

【上記の概要】 上記は,いずれも三池工業株式会社・財団法人地域開発研究所・慶應義塾大学の3者が産官学連携型で取り組んだバス用の高防滑性床材の研究成果が取り上げられたものである.特に,山梨交通株式会社等

で展開した実証敷設と評価試験の成果が高くマスコミ側からも評価され,複数の取材につながっている. [06] Mobi21 (日刊自動車新聞),89号,「電動フルフラットバスを披露-大型路線バスでも電動は可能」,

pp60-61,2011. [07] DIME (小学館),2011年6月21日号,「モ-タ-を車輪に組み込んだ8輪駆動のエコ&バリアフリ-バス」,p.58,2011.

[08] BUSRAMA INTERNATIONAL (ぽると出版),126 号,「いよいよ完成した“電動低床フルフラ ットバス”」,pp.27-30,2011.

[09] バスマガジン (講談社),48 号,「動き始めた新世代の電気バス-電動低床フルフラットバス-」,pp.30-33,2011.

[10] 交通新聞 (交通新聞社),2011年07月29日号,「電動低床フルフラットバスの試作開発」,2011. [11] バスグラフィック (ネコパブリッシング),13号,「未来のバス作り・電動フルフラットバス」,p.66,

2012. [12] バスグラフィック (ネコパブリッシング),14号,「未来のバス作り・走り始めた電動フルフラットバス」,p.66,2012.

[13] バスグラフィック (ネコパブリッシング),15号,「未来のバス作り・電動フルフラットバスの試作開発-利用者の評価-」,p.66,2012.

[14] バスグラフィック (ネコパブリッシング),16号,「未来のバス作り・電動フルフラットバスの試作開発-運転者の評価-」,p.66,2012.

[17] バスグラフィック (ネコパブリッシング),17号,「未来のバス作り・電動フルフラットバスの試作開発-専門家の評価-」,p.66,2013.

Page 29: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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【上記の概要】 走行に必要なバッテリ-,モ-タ-やインヴァ-タ等を車室の下に集めて設置する,電車の駆動車輌の様な集積台車方式の電気自動車技術を基にした電動大型フルフラットバスを開発した.この車を量産

して,バス業界へ投入した際に予想される業界や利用者へのメリットや社会的意義について述べている. [15] 日刊工業新聞 (日刊自動車新聞社),12年12月03日号,「価値観・技術・制度が最適融合した高速バス作りを」,2013.

【概要】 2012年に起きた関越自動車道の高速ツア-バスの事故を教訓として,2013年夏から施工される高速 バス新制度のポイントとそのあり方を解説した.特に価値観・技術・制度の最適融合の必要性を説いた. [16] バスグラフィック (ネコパブリッシング),17号,「京王帝都バスのワンロマ車の歴史-高速・路線兼用車輌の開発-」,p.36,2013.

【概要】 近年のバス事業の経営状況を鑑みて,高速車輛と路線車輌の兼用車,貸切車輛と路線車輌の兼用車の ニ-ズが高まっている.そうした貸切車投入のパイオニアである京王バスの兼用車の開発史を解説した. 11.学会等の公的活動他,その他の研究業績(総計39件)

[01] 政策分析ネットワ-ク第2回政策メッセ・ワ-クショップ「費用便益分析の政策評価手法としての応用可能性」に仮想市場法の調査研究実施者としてパネリスト参加,2000,慶應義塾大学三田キャンパス.

【概要】 適正な政策投資のために注目を浴びている各種費用便益手法の有用性や応用可能性を議論するための

ワ-クショップに参加.自分は,仮想市場法(CVM)をユニヴァ-サルデザイン施策の社会経済性評価に用いた研究を当時推進しており,手法特有のバイアスとその解消に向けた方法論に関して話題提供した. [02] 日本政策学生会議・2005年度第1回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義

(ゲスト講師),2005,慶應義塾大学三田キャンパス. 【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

展開しているか,レクチャ-した.特に,自分が専門としている社会調査手法をべ-スとして環境情報

の収集及び分析プロセスとそこから得られた知の編集技法を教授し,現実的な問題解決手法を講義した. [03] 政策分析ネットワ-ク第6回政策教育コンファレンス「ユニヴァ-サルな交通サ-ヴィスの構築」にセッションコ-ディネイタとして参加,2005,法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナ-ドタワ-.

【概要】 交通事業者や交通行政の財政的制約が大きい下で,効果的かつ効率的に交通ユニヴァ-サルデザイン

を推進するための戦略を諸科学横断的に検討した.特に,近未来にかけての規制緩和の政策的な潮流を

読みながら,ユニヴァ-サルデザイン化に関わる様々な財の適正配分をするための戦略を検討している. [04] 三田評論2005年6月号対談「いつでもバスに乗って」司会,2005年,慶應義塾大学. 【概要】 路線バス事業に関わる国内の有力研究者を集めて,経営事情が全体的に厳しい路線バス事業を活性化

させる上での方法論にかんして文理を問わない学際的な立場から議論をした.その際の司会を担当した. [05] 日本政策学生会議・2005年度第2回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義

(ゲスト講師),2005,慶應義塾大学三田キャンパス. 【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

Page 30: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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展開しているか,レクチャ-した.ここでは,混沌とした状況で問題をいかに的確に効率よく発見する

か,その手法をレクチャ-して解決に向けた市民-行政-事業者の合意形成の手法についても講義した. [06] 日本政策学生会議・2005 年度中間成果報告会で,ゲストコメンテイタ,2005,慶應義塾大学三田キャンパス.

【概要】 日本政策学生会議に参加する大学ゼミナ-ルの政策研究の内,自分の専門である公共交通戦略やユニ

ヴァ-サルデザインに関する研究についてコメント,レクチャ-を行った.主にシンクタンク経験から

真の意味のある政策提言につなげていくための様々な方法論を,実地に即す形でアドヴァイスしている. [07] 日本政策学生会議・2005 年度最終成果報告会で,ゲストコメンテイタ,2005,慶應義塾大学三田キャンパス.

【概要】 日本政策学生会議に参加する大学ゼミナ-ルの政策研究の内,自分の専門である公共交通戦略やユニ

ヴァ-サルデザインに関する研究の最終発表についてコメントした.主に,シンクタンク経験から真の

意味のある政策提言につなげていくための様々な方法論を,今後につなげる形でアドヴァイスしている.

また社会調査の方法とその分析方法,プリゼンテイションの手法までを政策提言を行う学生に指導した. [08] 政策分析ネットワ-ク政策メッセ 2006 で,ワ-クショップ「政策系大学院博士課程の今後を展望する」の司会,2006,明治大学リバティタワ-.

【概要】 近未来にかけて増加が予想される政策系・学際系大学院の後期博士課程のあり方について,研究環境

やカリキュラム,研究支援等に着目しながら議論した.特に,先駆的存在でもある慶應義塾大学政策・

メディア研究科や関西学院大学総合政策研究科の研究スタッフをパネリストに呼び,先駆的環境の中で

の学位取得に向けた環境的問題点などを多面的にあげてもらいながら,今後の理想的な環境を検討した. [09] 日本政策学生会議・2006年度第1回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義

(ゲスト講師),2006,慶應義塾大学三田キャンパス. 【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

展開しているか,現実例に即して講義した.特に,自分が専門としている社会調査手法をべ-スとして

環境情報の収集及び分析プロセスとそこから得られた知の編集技法を教授し,現実的な問題解決手法を

講義した.併せて諸科学横断的に政策研究をするためのノウハウを教授しあわせてその意義を説明した. [10] 日本政策学生会議・2006年度第2回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義

(ゲスト講師),2006,慶應義塾大学三田キャンパス. 【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

展開しているか,現実例に即して講義した.特にこのセッションでは,総合政策とは何かを重視しつつ

新しい知を生み出すための政策実験の実例を多数教授し,インタ-カルチャ-な実験的挑戦の重要性を

説いた.また,上記[08]に続く形で統計解析や考察,シミュレイションのポイントについても解説した. [11] 政策分析ネットワ-ク第7回政策教育コンファレンス「学部レヴェルの政策研究・教育のこれから」

にセッションコ-ディネイタとして参加,2006,城西大学紀尾井町キャンパス. 【概要】 1990 年以降,慶應義塾大学総合政策学部をはじめ今日まで政策科学系学部が急速に増えてきている.社会のニ-ズを反映した結果であるが,一方では政策科学系学部を卒業した学生が実社会の期待応えて

いるかどうかの評価は重要である.このセッションでは,小生のコ-ディネイトの下で,政策実務家や

研究者,学生が一同に介して政策科学系学部の長と短を議論しながらその未来のあるべき姿を議論した.

Page 31: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[12] 日本政策学生会議・2006 年度最終成果報告会で,ゲストコメンテイタ,2006,慶應義塾大学三田キャンパス.

【概要】 日本政策学生会議に参加する大学ゼミナ-ルの政策研究の内,自分の専門である公共交通戦略やユニ

ヴァ-サルデザインに関する研究の最終発表についてコメントした.主に,シンクタンク経験から真の

意味のある政策提言につなげていくための様々な方法論を,今後につなげる形でアドヴァイスしている. [13] 政策分析ネットワ-ク・第8回政策メッセのワ-クショップ「地域密着型交通政策のこれから」にセッションコ-ディネイタとして参加,2007,明治大学リバティタワ-.

【概要】 モ-タリゼイションの進展で公共交通環境の衰退が著しく,高齢者や障碍者の足の確保が重要な社会

的課題になっている.そうした状況下で,非営利組織や住民活動組織が行政・事業者に代わる第三勢力

として地域密着型交通手段の開発に寄与している.その革新事例である神戸住吉台のコミュニティバス

や銚子電鉄サポ-タ-ズの関係者らを呼んで,近未来型の地域密着型交通戦略のあり方を議論検討した. [14] 山田ズ-ニ-の「おとなの進路教室」(ラジオ番組)の対談「好きなことを仕事に出来ますか?」,2007年,FM東京.

【概要】 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスが取り組んでいる文理を問わない学際的アプロ-チが,キャリアを

積む上で社会的に注目されている.ここでは,学際的アプロ-チの典型例である電気自動車の研究開発

やインタ-ネット社会の創造,ゲノム解析分野の研究を扱って学際的方法論の重要性を社会人に説いた. [15] 日本政策学生会議・2007年度第1回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義

(ゲスト講師),2007,慶應義塾大学日吉キャンパス. 【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

展開しているか,現実例に即して講義した.特に,自分が専門としている社会調査手法をべ-スとして

環境情報の収集及び分析プロセスとそこから得られた知の編集技法を教授し,現実的な問題解決手法を

講義した.併せて諸科学横断的に政策研究をするためのノウハウを教授しあわせてその意義を説明した. [16] ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム 2007 新宿で,ワ-クショップ「ケア提供者とメイカ-の合意に基づく次世代の看護用具・用品の開発」の司会,2007,工学院大学新宿キャンパス.

【概要】 このワ-クショップでは,人間工学の研究者,看護の研究者,製品開発の概念構築法の研究者,臨床

経験豊富なケア提供者,看護用具用品メイカ-の製品開発担当者が一同に介し,ケア提供者とメイカ-

の合意に基づく次世代の看護用具・用品開発支援の最適な方法にかんして幅広い視点から議論を行った.

また,看護用具・用品開発に関するケア提供者とメイカ-の協働を支援するために慶應義塾大学で立ち

上げている「NMC-Cube」サイトを紹介しつつ,フロアも含めそうしたサイトの適切な方向性も議論した. [17] 日本政策学生会議・2007年度中間成果報告会で,シンクタンクの研究者として都市政策の立案手法を講義(ゲスト講師),2007,慶應義塾大学日吉キャンパス.

【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生・大学院生に,シンクタンクでどのような政策

研究を展開しているか,現実例に即して講義した.特に,自分が専門としている社会調査手法をべ-ス

として環境情報の収集及び分析プロセスとそこから得られた知の編集技法を教授し,現実的な問題解決

手法を講義した.併せて諸科学横断的に政策研究をするためのノウハウを教授し,あわせてその意義を

説明した.特にこの講演では専門の都市政策の構築をテ-マにしぼって政策構築までの手法を教授した. [18] 政策分析ネットワ-ク・第9回政策メッセのワ-クショップ「コ・モビリティ社会の創成に向けて」にセッションコ-ディネイタとして参加,2008,明治大学リバティタワ-.

Page 32: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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【概要】 ソ-シャルキャピタル,いわゆる信頼性・自発性・互酬性が豊かな社会,すなわち人と人のつながり

が濃い状況に基づく社会は,効率的であるが豊かな社会である,という前提に立ち,人と人のつながり

を濃くしてコミュニティを活性化させる交通環境を検討するために専門家(情報通信・公共交通及び地域開発等の専門家)でワ-クショップを開催した.特に,つながりを濃くするための交通手段として開発を行う自動運転機能付きの小型電気自動車の活用方法,その有効活用に資する地域ル-ル等を議論できた. [19] 政策分析ネットワ-ク・第9回政策メッセのワ-クショップ「看護政策とケア力の向上」に,セッションコ-ディネイタとして参加,2008,明治大学リバティタワ-.

【概要】 ケアの世界に ITを導入することで,ケアを受ける人と様々なケアをする人の関係性がネットワ-ク型になり,トップダウン型コミュニケイションからの脱却が実現しつつある.特にこの会では,在宅医療

や看護用具用品開発での情報交流や合意形成のあり方,また政策を司る地方自治体のあり方を議論した.

そして,ケアの世界に関わる様々なアクタ-のコラボレイションの理想像について検討を実施している.

[20] 日本政策学生会議・2008年度第2回勉強会で,シンクタンクの研究者として政策の立案手法を講義(ゲスト講師),2007,慶應義塾大学日吉キャンパス.

【概要】 政策科学の研究者や政策立案の実務家を目指す大学生たちに,シンクタンクでどのような政策研究を

展開しているか,現実例に即して講義した.特に,自分が専門としている社会調査手法をべ-スとして

環境情報の収集及び分析プロセスとそこから得られた知の編集技法を教授し,現実的な問題解決手法を

講義した.併せて諸科学横断的に政策研究をするためのノウハウを教授しあわせてその意義を説明した. [21] ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2008大阪ワ-クショップ,「看護のナレッジマネジメントと看護用具開発」のパネリスト,2008,大阪大学コンベンションセンタ-.

【概要】 昨今あらゆる現場で実務者の経験を直接にものづくりに活かそうと Web サイトをはじめとする ICTを媒介させた共同ものづくりが注目を集める.例えば,看護師他のケア提供者が現場で培ったノウハウ

を技術移転し,医療機器メ-カとの共同で看護用具開発へ結びつける方向が考えられる.この共同開発

の現場では,ケア提供者から円滑に技術移転をする手法の開発と抽出された看護技術を知的資産として

管理する手法の開発も切望されている.ワ-クショップではケア提供者と看護用具開発メ-カとの共同

開発場面に関する実践例の話題提供から技術移転と知的資産管理の難しさ,工夫などについて議論した. [22] 日本看護技術学会第7回学術集会の交流セッションで,ワ-クショップ「看護技術の発信・共有・創発を支援する取り組み~インクル-シブデザインワ-クショップ手法を用いて」のコ-ディネイタ,

2008,青森県立保健大学. 【概要】 より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.この交流セッションでは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,実際の体験(1日で高齢者インナ-シュ-ズのコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用いて,学会会員が考える)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働の方法を議論することができた.

[23] 「慶應義塾の時間」(ラジオ番組)の対談「電気自動車と未来の公共交通」,2009年,かわさきFM. 【概要】 慶應義塾大学が取り組んでいる集積台車型の電気自動車の開発現状を紹介し,それを公共交通分野の

バスや蓄電池車輌に応用する戦略について解説を行った.走行に必要となる電池やモ-タ-,インヴァ

Page 33: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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-タ-等を床下に集積させ電気自動車を作ることで,ユニヴァ-サルデザイン化も進むことを説明した. [24] ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2009東京で,ワ-クショップ「ケア力向上に資するWebサイトコミュニティの運営のあり方」のコ-ディネイタ,2009,お茶の水女子大学.

【概要】 昨今,多様な現場で実務者経験を直接にものづくりに活かそうと,Webサイト等の ICTを媒介させた共同ものづくりが注目を集める.例えば,看護師などのケア提供者が現場で培ったノウハウを技術移転

し,医療機器メ-カとの共同で看護用具開発へ結びつける方向が考えられる.この共同開発の現場では

ケア提供者から円滑に技術移転をする手法の開発と抽出された看護技術を知的資産として管理する手法

の開発も切望されている.ワ-クショップでは上記[18]の続編としてケア提供者と看護用具開発メ-カとの共同開発場面に関する実践例の話題提供から技術移転と知的資産管理の難しさ,工夫などを議論した. [25] 日本看護技術学会第8回学術集会の交流セッションで,ワ-クショップ「看護におけるインクル-シブデザインワ-クショップ手法活用の可能性」のコ-ディネイタ,2009,旭川市大雪クリスタルホ-ル.

【概要】 より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.この交流セッションでは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,上記[22]に続く形で実際の体験(1 日で鑷子のコンセプトをインクル-シブデザインの方法論を用いて,学会会員が考える)を通して考えてもらった.その経験に基づき,ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働の方法を議論することができた. [26] 「Green Station」(ラジオ番組)の対談「未来型交通機関と電気自動車」,2009,InterFM. 【概要】 慶應義塾大学が取り組んでいる集積台車型の電気自動車の開発現状を紹介し,それを公共交通分野の

バスや蓄電池車輌に応用する戦略について解説を行った.走行に必要となる電池やモ-タ-,インヴァ

-タ-等を床下に集積させ電気自動車を作ることで,ユニヴァ-サルデザイン化も進むことを説明した.

また一人乗り用の電気自動車や電動バスの開発で,建築のあり方も変化する可能性があり解説を行った.

特に高齢化社会を念頭に置くと,医療施設や駅構内への電気自動車の乗り入れが有効であると説明した. [27] 日本看護技術学会第9回学術集会の交流セッションで,ワ-クショップ「看護用具・用品開発でのインクル-シヴデザインワ-クショップ手法の援用-消臭繊維を活用した新しい看護用具・用品の 概念構築」のコ-ディネイタ,2010,愛知県産業労働センタ-.

【概要】 より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.この交流セッションでは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,上記[22][25]に続く形で実際の体験(1 日で消臭繊維を用いた看護用具用品の概念をインクル-シブデザインの方法論を用いて,学会会員が考える)を通じ考えて貰った.ケア提供者とメイカ-の用具開発時での新たな協働方法を議論することができた.

[28] 神奈川県小田原市市制 70 周年記念事業特別パネルディスカッション「小田原を拓く」のコ-ディネイタ,2010,小田原市民会館大ホ-ル.

【概要】 小田原市が市制70周年を2010年12月20日に迎えるに当たり,現在の地域資源を活用しつつどの様

Page 34: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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な未来都市をつくればよいかを西山のコ-ディネイトの下で議論したものである.市長・市内の有力な

経営者・文化人・歌手を交えて,幅広い観点から議論を行い,技術・制度・価値観のバランスがとれた

未来の小田原市の像を検討した.小田原市の市制70周年記念事業の特別セッションとして開催された. [29] 神奈川県小田原市低公害車普及促進会議セッション「マイクロ水力発電のこれからと低公害車への応用」のコ-ディネイタ,2011,小田原市役所.

【概要】 電気自動車をより環境低負荷な乗り物にする上で,発電時の二酸化炭素を削減することが必須の課題

である.本セッションでは,太陽光発電等よりも二酸化炭素削減で効果があるマイクロ水力発電の現状

について講師に解説してもらい,その討論者として電気自動車普及への援用方策について議論を行った. [30] 近未来研究所-科学技術の未来をリサ-チ-(日本テレビ系テレビ番組)「電気自動車の開発と普及」に関する解説役,2011,日本テレビ放送網.

【概要】 慶應義塾大学が取り組んでいる集積台車型の電気自動車の開発現状を紹介し,それをパ-ソナルモビ

リティや路線バス,トラック,乗用車等に広く応用する戦略について解説を行った.走行に必要となる

バッテリ-やモ-タ-,インヴァ-タ-等を床の下に集積させて電気自動車をつくることで,ユニヴァ

-サルデザイン化も進むことを説明した.またそれらの技術と共に普及に向けた展開について説明した. [31] 塾2011年4月号(春号)「電動フルフラットバスの開発について」寄稿,2011,慶應義塾大学. 【概要】 慶應義塾大学が取り組んでいる集積台車型の電気自動車の開発現状を紹介し,それを公共交通分野の

バスに応用する戦略について解説を行った.走行に必要となるバッテリ-やモ-タ-,インヴァ-タ-

等を床の下に集積させて電気自動車をつくることで,ユニヴァ-サルデザイン化も進むことを説明した. [32] Mobi21(2011 年9 月号)巻頭コラム,「未来の公共交通を見る眼」寄稿,2011,日刊自動車新聞社. 【概要】 筆者の研究経験に基づいて,未来の公共交通を見る上では「価値観」,「技術」,「制度」のバランスを

意識することが重要である点を,交通のユニヴァ-サルデザインの実現戦略を例にとりながら解説した. [33] ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2011 仙台で,ワ-クショップ「災害看護とヒュ-マン インタフェ-ス」のパネリスト,2011,仙台国際センタ-.

【概要】 2011 年3 月11 日の東日本大震災の後には,災害看護の実践というスタンスから他地域の多くの看護師や保健師が東北の被災地区に入り,ケア活動の従事している.本会では,実際に現地へ入った経験を

持つ看護師や保健師が,東日本大震災の事例を中心に災害看護の問題点や課題を発表した.また後半で

それらの経験に基づきどのようなヒュ-マンインタフェ-スの開発が必要であるのかを議論・提案した. [34] 日本看護技術学会第 10 回学術集会の交流セッションで,ワ-クショップ「看護用具・用品開発でのインクル-シヴデザインワ-クショップ手法の援用-新しい口腔ケア製品の概念構築」のコ-ディ

ネイタ,2011,日本赤十字看護大学. 【概要】 より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.この交流セッションでは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,上記[22][25][27]に続く形で実際の体験(1日で新しい口腔ケア製品の概念をインクル-シブデザインの方法論を用いながら学会会員が考える)を通じ考えて貰った.メイカ-の方にも入ってもらいケア提供者とメイカ-の協働方法も議論する事ができた.

Page 35: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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[35] Mobi21(2012 年3 月号)巻頭コラム,「関心主義の社会へ」寄稿,2012,日刊自動車新聞社. 【概要】 AO入試のパイオニアである慶應義塾の入試経験者として,AO入試の性格や流行を振り返りながら,社会が学生の関心というものにもっと着目するべきである,という次世代社会の潮流について解説した. [36] ヒュ-マンインタフェ-スシンポジウム2012 福岡で,ワ-クショップ「災害看護とヒュ-マン インタフェ-ス2」のパネリスト,2012,九州大学.

【概要】 2011 年3 月11 日の東日本大震災の後には,災害看護の実践というスタンスから他地域の多くの看護師や保健師が東北の被災地区に入り,ケア活動の従事している.本会では,実際に現地へ入った経験を

持つ看護師や保健師が,東日本大震災の事例を中心に災害看護の問題点や課題を発表した.また後半で

それらの経験に基づきどのようなヒュ-マンインタフェ-スの開発が必要であるのかを議論・提案した.

特に今年度は前年のパ-ト1に続く形で震災から1年半が経過してわかってきたことを中心に議論した. [37] 日本看護技術学会第11回学術集会の交流セッションで,ワ-クショップ「看護用具・用品開発でのインクル-シヴデザインワ-クショップ手法の援用-新しい病室の概念構築」のコ-ディネイタ,

2012,九州国際会議場. 【概要】 より良い看護用具・用品が開発されるように,ケア提供者とメイカ-の間に立ち中立的な立場で研究

者がその支援のあり方を検討し,支援の場をインタ-ネット上に構築することは意義深い.特に,ケア

提供者とメイカ-の間に立ち,コミュニケイション・コンセンサス・コラボレイションの3Cを誘発する活動は重要である.この交流セッションでは, 近年工学系分野を中心として取り上げられている「インクル-シブデザイン」の考え方を新たに看護分野へ援用し,対象のニ-ズに沿って対象(ケアを受ける人とケア提供者)と共に新たな用具を生み出す方法論について,上記[22][25][27][34]に続く形で実際の体験(1日で新しい病室の概念をインクル-シブデザインの方法論を用いつつ学会会員が考える)を通じ考えて貰った.協働のメイカ-の方にも入ってもらいケア提供者とメイカ-の協働方法も議論する事ができた.

[38] 日刊工業新聞(2012 年12月3日号)巻頭コラム,「価値観・技術・制度が最適融合した高速バス作りを」寄稿,2012,日刊自動車新聞社.

【概要】 2012年4月の群馬県藤岡市関越自動車道上り線での高速ツア-バスが衝突事故を例に,市民の価値観と技術および制度が三位一体となった新しい高速バス環境の構築の社会的重要性について解説を行った. [39] 三田評論2013年4月号,「慶應義塾キャンパス周辺鉄道網の変遷」寄稿,2013,慶應義塾大学. 【概要】 2013年3月より,東急東横線と東京地下鉄副都心線が相互直通運転する事になり,横浜から埼玉県の南部まで直通電車が走ることになった.これを機に,慶應義塾大学の周辺鉄道網の変遷を整理したもの

である.特に変化の大きい日吉キャンパス,湘南藤沢キャンパス,三田キャンパスを中心に述べている. 12.賞罰(総計5件)

[01] 政策分析ネットワ-ク優秀賞受賞,2003年. [02] 政策分析ネットワ-ク若手研究者賞受賞,2003年. 【上記の概要】 大学院時代に取り組んだ,「仮想市場法を用いた交通ユニヴァ-サルデザイン推進政策に関する一連の

研究」に対して,クオリティの高い政策研究に贈られる上記の優秀賞を受賞している.また,大学院生

修士-博士時代五年の一連の研究に対する評価ということで,上記の若手研究者賞を同時受賞している. [03] EcoDesign2005 Best Poster Award (最優秀対話講演賞), 2005. 【概要】

Page 36: 研 究 業 績 書(成果概要付) - Fiber Bit- 1 - 研 究 業 績 書(成果概要付) 2013年3月1日現在 西山 敏樹 01.博士学位論文(総計1件) 西山敏樹,生活者と開発者の社会的合意に基づいた広域ノ-マライゼイション推進方策の研究,慶應

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階段を昇れ,段差を克服できる未来型車いす”iBOTTM”を用いて,日本国内のユニヴァ-サルデザインの政策をどれだけ効率的で,インフラストラクチュアの改良を減らしてエコロジカルに進められるかを

研究した論文の発表(ポスタ-とヴィデオを用いた講演)に対して,論文内容・質と講演方法が評価された. [04] 慶應義塾大学オ-プンリサ-チフォ-ラム研究発表大会努力賞,2006. 【概要】 上記[03]の続編となる研究として,階段を昇れ段差を克服できる未来型車いすを用いたユニヴァ-サルデザイン化と従来型の基盤整備型のユニヴァ-サルデザイン化のどちらを市民が支持するかを社会空間

別に社会調査で詳細に明らかにし,今後のユニヴァ-サルデザイン政策の戦略を論文にし受賞している. [05] EcoDesign2007 Best Poster Award (最優秀対話講演賞), 2007. 【概要】 国内での高齢者や障碍者の増加に伴って,バス車内での転倒事故の防止が急務になっている.自分の

調査研究グル-プでは,石英石を加工した高度防滑性床材を用意し,それを路線バスの営業車両に実証

敷設して,利用者と事業者の評価を得ている.2005年度に実証評価調査を行った結果,被験者の約80%が従来品に比べ石英石床材の方が高い防滑性を誇る,と評価した.同様に,履物との親和性や意匠性に

ついても,従来品に比べて高い評価が得られた(共に 70%以上の賛同).本稿では,石英石製床材の優位性を多面的に実証した.併せてバス事業者の立場からも同床材が高い支持を得ていることを実証できた.

本結果で,ユニヴァ-サルデザインとエコデザインの融合型床材の有用性を論文にまとめ発表して受賞.

以 上