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保護者の関与

保護者の報告ツールインテイクa. 子どもの性化行動チェックリスト（CSBI）b. 子どもの行動チェックリスト（CBCL）c. 子ども用トラウマ症状チェックリスト（TSCC/TSCYC）

初回面接に先立つ保護者との安全管理計画a.「性的問題行動を抱える子どもの保護者向けガイドライン」の　 確認と署名b. 現在の家族、地域、学校における安全計画の確認

子どもとの4～6回分のセッション内容セッション1

課題：場面設定

描画課題A：自由画

非指示的遊び

セッション2課題：箱庭療法

描画課題B：動的家族描画

非指示的遊び

セッション3課題：プレイ・ジェノグラム

描画課題C：自画像描画

非指示的遊び

セッション4課題：再構成的課題

（紹介される原因となった事件の描写）

非指示的遊び

セッション5課題：「気分は何色？」（例：触りたいと思ったときや

問題が起きたときの気持ちについて話をする）

非指示的遊び

セッション6課題：終結/さよならを言う（保護者に所見を説明する）

非指示的遊び

いつもかんじているきもちをかきだしてみましょう。いろもぬってみましょう

　　　　　　　　　　 のときはからだのこのぶぶんにきもちがあるよ

シート 5.1

シート 5.1

子どもの性的問題行動対応のためのガイドライン

性的問題行動とは？

性的問題行動は子どもによって異なります。子どもの中には、人前や公共の場で自分の性器を触ったり擦ったりする子どもがいます。自分の性的な部分を他の人に見せる子どもや、性行為に関する言葉を頻繁に発するなど言語的な問題を示す子どももいるでしょう。ある子どもは裸の人や性行為の絵を詳細に描いて表現するかもしれません。他の子に服を脱ぐよう説得し、ベッドの中に誘い、それからその子の体を探索する子どももいるでしょう。子どもの中には、攻撃的にあるいは巧みに他の子どもを操作し、あるいはものやお金を渡すなどして相手の性器を見たり触ったりする場合すらあります。他者の注目を引くために官能的で挑発的なダンスを身に付け、特別な類のダンスを踊ったりセクシーな服を着たりする子どももいます。こうした行動は複数回にわたり生じる可能性があります。長く続くことになったり、それらが一般的な関心事にとって代わるようになっていたりする場合には、より深刻な性的問題行動である可能性があります。

性的問題行動への良い対応とは？

性的問題行動に対しては、全ての保護者が迅速かつ一貫して対応する必要があります！　また、行動の見守り、矯正、方向修正を絶えず行っていくことも求められます。子どもの性的問題行動に対する反応としては、冷静に、かつ断固として、そうした行動が適切ではないことや放置することはできないというメッセージを送ることが最も良い対応といえ

ます。以下のガイドラインは性的問題行動を抱える子どもの保護者にとって役に立つものでしょう。全ての保護者が辛抱強く、長期にわたり、一貫した対応をすることが推奨されます。

徹底した持続的な見守り性的問題行動を起こした子どもは、常に見守りが行われていなければなりません。性的な関心や行動の問題が落ち着くまで、子ども同士の遊びは常に大人が見守る必要があります。さらに、友達の家に泊まることは避けるべきで、子どもの内的な統制がきちんと機能するようになるまで、見守りは 24時間 365日にわたり常に行われなければなりません。こうした見守りは問題行動を止めるために行われていることを、子ども自身が理解していることも重要です。

友人

子どもが性的問題行動を抱えている場合、友人と一緒に過ごしている時間を見守ることが重要です。友人の中には、あなたの子どもの興奮や動揺を引き出し、自己統制を効かなくさせてしまうような子もいます。すでに性的問題行動を起こしてしまった相手である友人との接触は制限することが望ましいでしょう。

トイレの使用

子どもは学校でも自宅でもトイレに行く必要がありますが、清潔を保ったり、用を足したりすることはプライベートなことであり、それを守らなければならないことを子どもが理解することが重要です。“プライバシーを守るメッセージ” を伝え、それを強化することのできるあらゆる機会を活用しましょう（保護者や子どもが公共のトイレを使用する場合など）。

Eliana Gil and Jennifer A. Shaw（2013）Copyright by The Guilford Press.

裸

子どもが服を着ない状態でいたら、別の部屋に連れて行き服を着させなければなりません。シャワーを浴びたり風呂に入ったりするときは、自分の性器を人に見せびらかす機会になってしまうこともあるため、大人が見守っておく必要があります。家族の中で互いの裸を目にすることは普通のことですが、子どもたちが正しく自他の境界線を引き、身体的なプライバシーを維持することを学んでいる間は、家族間でも確固とした対応をすることが大切です。

テレビ

子どもがテレビを観ることは普通のことです。しかし、保護者は子どもがどのようなものを観ているのかモニターしておく必要があります。テレビではあまりにもたくさんの性的で挑発的な番組が流されています。ミュージックビデオ、ゴールデンタイムの番組、メロドラマなどには性的な内容が含まれている場合があります。性的に活発な子どもたちはすでに過度に刺激された状態でいるため、彼らが観る番組を制限したり、観ているものを把握したりするのはちょうど良い機会です。怖い映画や暴力的な映画を観たときにも子どもたちが過度に刺激されたり、激しく興奮したりすることは忘れられがちだということには特に注意すべきです。子どもがテレビで恐怖や暴力を目にしないのが一番ですが、いうまでもなく、性的なことや暴力が描かれていない映画を探すことはなかなか難しいでしょう。

パソコンや雑誌などその他のメディア

子どもがパソコンなどのインターネット接続機器を使えるような年齢であれば、彼らがセックスや暴力の画像があるウェブサイトに入っていかないよう注意する必要があります。保護者は子どものインターネット使用を管理すべきであり、チャットルームやSNSが持つ危険性を認識しておく必要があります。マンガや雑誌についても同様に調べておく必

要があります。どうしてそんなものを子どもが持っているのか驚かされることもあるでしょう。インターネットをしたりマンガを読んだりすることは子どもの正常な活動です。したがって、不適切で過度な刺激を含む性的、暴力的な内容にアクセスしていない限りは、そうした活動は制限されるべきではありません。

性的問題行動の修正子どもの性的問題行動が起きた際、そのことに毎回対処することが重要です。子どもが公の場で自分の性的な部分を触る、他の子の性的な部分を触ったり擦ったりする、不適切な言葉を使う、下品な身振りや “性的な” 動きをする、人形を使って性行為の再演をする、他にも性的な問題行動に関連していると思われることをした場合には、保護者は以下のことをすべきでしょう。

・それをやめさせる。・もし理解できる年齢ならば、プライベートな場所で話をするように伝える。もし年齢が幼い場合には、他の問題行動のときにもするような修正を行う。問題となる行為をやめさせ、制限を設定し、他にやるべきことを与えるなど。

・「性器に触ってはいけません。他の誰かがあなたの性器に触るのも、あなたが他の誰かの性器に触るのもダメです。あなたは今（例えば「あなたは、ジミーにあなたのおちんちんを舐めるように

言ったよね」のように行動を描写しながら）やったよね。そういうのはダメです」というように同じメッセージを繰り返し伝えます。幼い子どもの場合にはもっとシンプルな言い回しで伝えます。・（事前に伝えておいた）罰則を示します。・シンプルに穏やかな声のトーンで話しましょう。あなた自身が落ち着く必要がある場合には、少し落ち着いてから伝えましょう（そうする場合には子どもをどこか安全な場所に待機させましょう）。

シート 5.1

方向修正保護者は子どもの性的問題行動を修正し、事前に伝えておいた罰則を示した後、子どもに何をしたら良いかを具体的に伝えなければなりません。保護者は見守りを行いつつ子どもが友達やきょうだいと一緒にできる活動のリストを作成すると良いでしょう。他には、適切な挨拶の仕方、愛情や遊びたい気持ちの表現方法を練習したり、ロールプレイしたりするのも良いでしょう。

家族の会話性的問題行動を抱えている子どもたちの多くが、気がかりなことや混乱した気持ちや考えを伝えようとしていることを理解しておくべきです。性的問題行動を示す子どもの中には、身体的虐待や性的虐待を受けている子どももいます。こうしたケースでは、子どもはその虐待によって生じる耐え難い感情や考えに苦しんでいます。ときには彼らの性的問題行動がどこからか “突発的に起きている” ように見えるかもしれません。あるいは、特定の状況や人がその子に虐待の経験を思い出させるかもしれず、そうやって思い出すことが問題のある考えや感情、感覚を引き起こす可能性もあります。被虐待経験を持つ子どもに対して、また、被虐待体験を持たないけれども性的問題行動を示すという子どもに対しても、彼らを援助していくために保護者は断固、かつ即座に制限やその後の罰則を一貫して明確に実施していくべきでしょう。保護者は子どもの気持ちを他の楽しい活動に向け、苦しい気持ちを表現する方法を教える必要があります。保護者がセクシュアリティについての肯定的なメッセージを伝えることも、子どもにとってプラスとなるでしょう。大人は自信を持って落ち着いて伝えることができるような自分の考えを展開すると良いでしょう。例えば「性行為はお互いの愛を確認するために大人がやることです」などのように。もし虐待を経験している子どもがある程度年長で、かつセクシュアリティに関して混乱しているようであれば、性的虐待とセック

スの違いを教えてやることが援助となりうるでしょう。

さらに、家族が幼児に伝える基本的なメッセージとして次のようなものがあります。・「あなたの体はあなたのものだよ。あなたの体には性器もあるし、他にもいろいろな部分があるんだよ」（子どもたちに自分の体のさまざまな部分をリストアップさせて、どのような所が性器かを確かめていくのは楽しい作業となるでしょう。例えば「性器は水泳の

ときに着る水着で覆われている部分だよ」というような感じです。）・「性器は、他の人には見せないようにしているから性器と呼ばれているんだよ。他の人には見せないし、他の人の性器に触ってはいけないよ」

・「親が小さい子どもの体をきれいにするときと、お医者さんや看護師さんが病気から守るためにやるとき以外は、子どもの性器に触ることは許されないんだよ。お医者さんや看護師さんは性器を見たり、薬を塗ったりしなければならないことがあるからね」

・保護者は子どもが自分の性器を触ることについては、多かれ少なかれ気軽に話せると考えているかもしれません。ほとんどの保護者はプライベートな場で行う限り、子どもが性器を触ることは問題ないと感じています。保護者は子どもに伝えたいメッセージや価値観をしっかりと持っておく必要があります。

最後に、そして最も重要なこととして

・子どもが性器を誰かに触られたとき、その相手からこのことを秘密にしておくように言われることがあります。こうした秘密を守ることで、その子は不安、罪悪感、恥ずかしさ、混乱、怒り、悲しさを感じる可能性があります。誰かが保護者には秘密

シート 5.1

にするよう言ったならば、その秘密は絶対に話さなければならないサインだということを子どもが思い出せるようにしておくべきです。

子どもを救うために保護者にできるその他のこと

きちんとできていることを子どもに伝えたり、目標を達成したときにちょっとしたご褒美を与えたりすることが大切です。ときには、監督をしたり子どもが間違ったことや不適切なことをしないように正していったりすることで子どもの気持ちを逸らします。好ましいことをやっているか、上手にやれているかを把握することが重要です。自尊感情はゆっくりと構築されます。それは積み木で高い建物を作り上げていくのと同じで、基礎が強い（大きく頑丈な）ほど、積み上げやすくなります。保護者が子どもの良いところを見つけ、伝えることを日々積み重ねることで子どもの自尊感情を高めてやることができるのです。信頼もまた時間をかけて構築されます。子どもは可能な限りの早さで大人を信頼していくでしょうから、無理に急かす必要はありません。保護者に対する最善のアドバイスは、大人がことあるごとに信頼に足る存在であることを示すこと（つまり、子どもとの約束をしっかりと守ること）です。子どもが他の子とうまく遊べるように支援する必要もあります。子どもたちは遊んでいるときには自分が監視されていることをほとんど気にしません。役割モデルもとても重要です。古い格言にあるように「私の言うことを聞くのではなく、私のするように振る舞いなさい」というのは概ねその通りです。子どもたちの多くは周囲の大人から学びます。保護者は自分自身の行動を通して、感情を安全かつ穏やかに表現する方法、他者を尊重する方法、他者にものごとを尋ねる方法などを、子どもたちに教えていく必要があります。大人がプライバシーや他者とのバウンダリー、身体的な愛情などに関連するモデルとなる行動を示す機会を多く持つこ

とも必要です。もし、子どもが問題行動のために治療を受けている場合、保護者は子どもの治療者と緊密に連絡をとり続け、尋ねたいことを書き留めておいて、それらを治療者に気軽に尋ねて確認できるようにしておくべきです。

学校における子どもの見守り

最後に、性的問題行動を抱える子どもの保護者は、子どもの問題を学校にどう伝えるか決めておく必要があります。もし、性的問題行動を抱える子どもが友達と一緒に過ごす時間に見守りがなされていないようであれば、そのことを学校に伝えておけば問題が起きないようにすることができるでしょう。多くの学校に、トイレにはペアで行くというルールがありますが、子どもが性的問題行動を抱えている場合、その習慣は危険をもたらす可能性があります。保護者はどの程度情報を共有しておくか決めておく必要もあります。「子どもがパーソナルスペースの問題を抱えていて、他の人と一緒に過ごすときには見守りが必要です」としか言いようがないこともあるでしょう。読んでいただき、ありがとうございます。ご不明な点や付け加える必要のあるものがあればお気軽にお尋ねください。ご意見や質問をいただくことはいつでも歓迎です。

私（　　　　　）は、この説明を読んで了解しました。質問したり、行動計画を立てたり、方向性を定める機会が得られました。私は子どもの性的問題行動に取り組むことに同意します。

お名前　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　年　　月　　日

シート 5.1

感情のスケーリング・ワークシート

54321

1つ以上の気持ちを選びましょう。そしてそれぞれの気持ちの大きさを選んで○を付けましょう。

幸せ

怒り

穏やか

不安

悲しい

名前

日付

事前

事後

5

4

3

2

1

これくらいの大きさ

1．今私が感じているのはこんな感覚

3．この感覚の色は……

5．今の私の感覚がどれくらいの大きさか、　　私のからだ温度計を見てください。

2．この感覚に名前を付けるとしたら……

4．この感覚は私の体のどこにあるかというと……

STOP

親と私は別々にやります。でもそれぞれのセッションで4つの同じことをします。どう感じているか観察する そして、感情の大きさを選ぶ 体をリラックスさせ

自分の心に集中する

学んだことを親に伝える

（そして親が学んだことを教えてもらう）

親と私は、新しいスキルを一緒に学び練習します。1．導入と安全性

安全の確認、セッションの構造自己紹介

2．バウンダリーって何？

身体的・心理的バウンダリーと、私たちの感じ方を説明します

3．緊張に対処する

感情を評価すること、大きな感情の安全な表現のしかたを学びます

4．タッチの種類

愛のあるタッチ・良くないタッチ・ダメなタッチについて学び話し合います

5．なぜ問題が始まって　　どのように進んでいったのか？

問題の根っこをみてみます

6．認知の三角形

思考－感情－行動という枠組みを学びます

7．衝動のコントロール

自分の脳とタッチの問題を学びます

8．内側を見てみる

家族で問題を外に出して小さくします

9．自己習熟

自尊心を作ります。自分のスーパーヒーローパワーを見つけます

10．自分の資源を見つけ出す

サポートと助けを求めることを学びます

11．レッスンの振り返り

振り返りと家族の安全計画作りを学びます

12.安全性の振り返り

さよならパーティと卒業

（あるいは、たった今の感情を選ぶ） （どのくらい大きく、あるいは小さくそれを感じているか示す）

シート 10.1

シート 10.1

きょうだい間における性的な接触： 通常の性的な遊びと問題行動の境界

子どもは多様な性的行動を示し、それは成長と共に増加することが研究によって明らかにされています。そうした研究では、複数の子ども（きょうだい）がいる家族においては特に、正常な性的好奇心や性的な実験が一定程度生じうることも示されています。こういった知見もあり、近年では子どもの性的行動について、何が正常で何が正常ではないのかを見極めやすくなっているといえます。きょうだい間の性的接触を始めとした全ての状況はその家庭固有のものであり、個別に評価していく必要があります。単に主観的な方法を用いるだけではなく、以下の重要な問いを考慮した包括的な評価をする必要があります。

1．性的接触をしている子どもたちの年齢差はどの程度か？

通常、正常な性的遊びは 2歳の年齢幅にある子どもの間で起こります。つまり、年齢差が 2歳以内の子ども同士の性的な遊びは一般的なものだということです。3、4歳以上など年齢幅が 2歳よりも大きい場合、子どもたちは同じ発達段階にあるとは考えられず、性的な問題について同じだけの知識や興味を持っているわけではないと推測されます。

2．関係する子どもたちの発達的な差はどの程度か？

子どもたちは同じような生活年齢であっても、発達的には明らかな差が見られることがあります。したがって、アセスメントは常に、子ども間の発達的な差異（発達面・社会性の遅れなど）を考慮したものである必

要があります。

3．関係する子どもの背格好や立場の差はどの程度か？

生活年齢や発達の問題に加えて、背格好や立場も重要な問題です。2人の子どもが同じ年齢だったとしても、ある子どもがもう片方の子どもを見下ろすほど大きければ、大きい方の子どもがより腕力と支配力を持っているという見方ができます。一般的に性的虐待は力と支配の要素を含んでいるため、背格好や立場の差異も性的な問題行動に関係しているといえます。同様に、（例えば、親の留守中に他の子の世話をするよう頼まれた子どもなど）有利な地位を与えられた子どももまた、同等とはいえない力の恩恵を受けていることになります。

4．子どもの発達段階に応じた性的活動のタイプであるか？

アセスメントにおけるこの問いは、子どもたちが行う性的活動のタイプに関連するものです。性的な好奇心、実験、行動は年齢や経験と共に増加することが研究によって示されています。例えば、4歳の女の子が口腔性交や肛門性交についての知識を持っていたり、他者とそうした行動をしたりするとは考えられません。そうした行動が発達的な文脈を超えて見られる場合、その子どもはポルノなどの過度に刺激的なことを見たり聞いたり、経験していたり、露骨な性的情報に曝されている可能性もあります。したがって、さまざまな年齢や発達段階の子どもにおける正常な性的活動の背景を評価することは常に重要なことです。

5．強制、脅し、金銭やもののやり取りがあるか？

性的なことについて試してみる通常の行為は、笑い、脱抑制、遊びを含んでおり、ある程度秘密にやっている感じがするのが一般的です。しかし、性的虐待では、一方の子どもが緊張、怒り、強制的、操作的に見えるでしょう。微妙に強制したり、友達をやめるぞと言ったり、他の人にバラすと脅したり、否定的な結果を招くことについて脅したり、あるEliana Gil and Jennifer A. Shaw（2013）Copyright by The Guilford Press.

シート 10.1

いは金銭的、情緒的な報酬を用いたりして命令に応じさせることもあります。子どもたちが相手の子を従わせるために露骨に強要したり、強く説得したりすることも時折ありますが、その場合は強制させられた自身の経験の表れである可能性もあります。

6．子どもの動機は何か？

先述した通り “相互に” 行われているように見える状況はそうでないこともあります。通常 1人の子どもが行為を開始しますが、その子は何らかの動機があったはずです。性的行動が完全に好奇心に基づいてなされており、その好奇心がすぐに満たされるような子どもたちもいるでしょう。一方、大きな空想にふけるような生活や性的なことへの行き過ぎた関心から性的行動を行う子どもたちもいるでしょう。2人が同じ行為をしていても、その意味はそれぞれ異なることもあります。したがって、その子どもの性的行動の根底にある動機をしっかりと理解しておくことが重要です。

7． 一方の子がもう一方の子を人目に付かない所へ引き離そうとしてい

ないか？

ある子どもが他の人の目の届かない所で別の子どもに対する性的行動を始めた場合、それはより深刻な事態であることを意味します。子どもの性的成熟、情緒の豊かさ、その他社会的な相互作用の発達から見た性的行動における動機づけやその実行の特異的な性質に気付くことが重要です。例えば、子どもたちはときどき、怒りなど情動調整機能が未熟だったり、社会的な親密さを持つ力が不足していたりします。もし、こうした要因が性的行為をしようという際に他者の目を避けようとする関心と結びついている場合、それは虐待的なパタンが存在する危険信号となります。

先ほど述べたように、性的活動をしている 2人の子どもがいてもそ

の 2人は全く異なった経験を持ちえます。こうした個人差を正確に評価することが重要です。誘われて性的接触を持とうとしている子どもの中には、興味本位で、恐怖心のため、あるいは “おもしろいやつ” や“格好いい” と思われたいがために応じることもあるでしょう、または、単純に断りにくいと感じているだけの子どももいるでしょう。外見上子どもが同意しているかそうでないかにかかわらず、その同意が痛み、妥協、恥ずかしさ、その他の困難さを伴うものとして経験されていないかどうかを見極めることが必要です。注意を引いたり、愛情を求めたり、あるいはその活動から得られる情緒的な報酬を求めようとして、性的な接触に同意しているように見える場合もあるでしょう。