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2014 Microchip Technology Inc. DS00001541A_JP - p.1 AN1541 MCP19111 の概要 MCP19111 は、降圧型コンバータ アプリケーションに 使える、スタンドアロン ミクストシグナル同期降圧型 パルス幅変調 (PWM) コントローラです。高精度アナ ログ技術による高電圧対応能力とPIC ® マイクロコント ローラ コアを内蔵しており、柔軟な降圧型 DC/DC コン バータ アプリケーションを開発できます。一般的なアプ リケーションとしては、負荷点 (POL) コンバータ、イン テリジェント LED ドライバ、プログラマブル バッテ リ充電器等があります。 4.5 32 V の入力電圧を効率 的に 0.5 3.6 V の出力電圧に変換できます。2 A 駆動力により、サーバ、ネットワーク機器、セットトッ ボックス (STB)、通信機器、グラフィック カード等 の高出力電流アプリケーション向けのPOLコンバータ 設計が可能です。簡単な抵抗分圧器を使えば、より高 い入力電圧を 3.6 V 超の出力電圧に降圧する事も可能 です。また、電流検出抵抗を追加すると、このデバイ スを電流源として使う事もできます。 このアプリケーション ノートでは、 MCP19111 を降圧 POL コンバータに適用した設計例を説明します。設 計には、このデバイスとアプリケーション専用に開発 されたサポートツールを使います。 MCP19111 28 ピン 5 mm x 5 mm QFN パッケージ に封止されています。複数の GPIO ピンとプログラム デバッグ機能を備えています。これらのアプリケー ションの多くでは、コストと基板面積を削減するため に高度の集積化が必要です。 MCP19111 には、 Microchip 社の独自プロセスに基づく高度なデジタルおよびアナ ログ機能を使い、 POL コンバータに求められるカスタ マイズ可能な属性の多くが集積化されています。既存 のソリューションは、スイッチング周波数、電流制限、 制御システムの補償、パワー MOSFET スイッチ制御 の遅延時間を設定するために、外付けの抵抗とコンデ ンサを必要とします。最新の拡張 PIC MCU コアを使 う事で、MCP19111 Microchip 社独自プロセスのデ ジタル属性によって、これらの機能をシンプルなグラ フィカル ユーザ インターフェイス(GUI) から設定でき るようにしました。 アプリケーション固有の機能をシステム設計者が設定 できるため、 MCP19111 は既存の POL デバイスよりも パッケージを小さくする事ができました。MCP19111 の備える GPIO を使えば独自の機能を開発、構成でき ます。例えばパワーグッド出力、デバイス イネーブル、 スイッチング周波数の同期入出力、出力電圧マージン 制御、デバイス ステータス、「ハートビート」です。こ のような柔軟性が MCP19111 のパッケージおよびソ リューション全体を小型化し、基板サイズとコストを 削減します。 Microsoft ® Office Excel ® ベースの設計アナライザやグ ラフィカル ユーザ インターフェイス等、MCP19111 の柔軟性を活用した設計を支援するソフトウェア ツールも提供しています。これらのツールについては 後述します。 MCP19111 を使った降圧型 DC/DC コンバータ ソリューションの開発 あらゆる電源管理回路の設計と同様、設計プロセスの 着手にあたり、このアプリケーションも明確に定義す る必要があります。 MCP19111 を使った降圧型 DC/DC コンバータの設計および検証プロセスを迅速化するた めのツールも複数提供しています。以下のセクション では設計手順を概説します。 設計入力 入力電圧 ( 最小 / 最大定常電圧が必要 ) 通常、ほとんどのシステムで入力電圧レンジは既知 です。しかし、 V INMIN を低下させる配電電圧降下がシ ステムに存在する場合があります。消費電力のワース トケース評価には V IN の最大定常電圧を使い、信頼性 については最大ピーク過渡電圧を考慮する必要があり ます。 出力電圧 (V OUT が可変の場合、最小 / 最大 定常電圧が必要 ) 通常 V OUT は固定値ですが、特定の負荷要件またはシ ステムのマージン確保のために DC/DC コンバータの 出力電圧をプログラムできるアプリケーションもあり ます。 著者 : Terry Cleveland Microchip Technology Inc. MCP19111 設計ツールの使い方 注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジ ナルの英語版をご参照願います。

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Page 1: AN1541 - Using the MCP19111 Design Toolsww1.microchip.com/downloads/jp/AppNotes/00001541A_JP.pdfし入力する事で、設計が想定する動作範囲全体を解析 できます。それには、テーブルにパラメータを入力し

AN1541MCP19111 設計ツールの使い方

注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジナルの英語版をご参照願います。

MCP19111 の概要

MCP19111 は、降圧型コンバータ アプリケーションに使える、スタンドアロン ミクストシグナル同期降圧型パルス幅変調 (PWM) コントローラです。高精度アナログ技術による高電圧対応能力とPIC®マイクロコントローラ コアを内蔵しており、柔軟な降圧型 DC/DC コンバータ アプリケーションを開発できます。一般的なアプリケーションとしては、負荷点 (POL) コンバータ、インテリジェント LED ドライバ、プログラマブル バッテリ充電器等があります。4.5 ~ 32 V の入力電圧を効率的に 0.5 ~ 3.6 V の出力電圧に変換できます。2 A の駆動力により、サーバ、ネットワーク機器、セットトップ ボックス (STB)、通信機器、グラフィック カード等の高出力電流アプリケーション向けのPOLコンバータ設計が可能です。簡単な抵抗分圧器を使えば、より高い入力電圧を 3.6 V 超の出力電圧に降圧する事も可能です。また、電流検出抵抗を追加すると、このデバイスを電流源として使う事もできます。

このアプリケーション ノートでは、MCP19111 を降圧型 POL コンバータに適用した設計例を説明します。設計には、このデバイスとアプリケーション専用に開発されたサポートツールを使います。

MCP19111 は 28 ピン 5 mm x 5 mm QFN パッケージに封止されています。複数の GPIO ピンとプログラムデバッグ機能を備えています。これらのアプリケーションの多くでは、コストと基板面積を削減するために高度の集積化が必要です。MCP19111には、Microchip社の独自プロセスに基づく高度なデジタルおよびアナログ機能を使い、POL コンバータに求められるカスタマイズ可能な属性の多くが集積化されています。既存のソリューションは、スイッチング周波数、電流制限、制御システムの補償、パワー MOSFET スイッチ制御の遅延時間を設定するために、外付けの抵抗とコンデンサを必要とします。最新の拡張 PIC MCU コアを使う事で、MCP19111 は Microchip 社独自プロセスのデジタル属性によって、これらの機能をシンプルなグラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)から設定できるようにしました。

アプリケーション固有の機能をシステム設計者が設定できるため、MCP19111 は既存の POL デバイスよりもパッケージを小さくする事ができました。MCP19111の備える GPIO を使えば独自の機能を開発、構成できます。例えばパワーグッド出力、デバイス イネーブル、スイッチング周波数の同期入出力、出力電圧マージン制御、デバイス ステータス、「ハートビート」です。このような柔軟性が MCP19111 のパッケージおよびソリューション全体を小型化し、基板サイズとコストを削減します。

Microsoft® Office Excel® ベースの設計アナライザやグラフィカル ユーザ インターフェイス等、MCP19111の柔軟性を活用した設計を支援するソフトウェアツールも提供しています。これらのツールについては後述します。

MCP19111 を使った降圧型 DC/DCコンバータ ソリューションの開発

あらゆる電源管理回路の設計と同様、設計プロセスの着手にあたり、このアプリケーションも明確に定義する必要があります。MCP19111 を使った降圧型 DC/DCコンバータの設計および検証プロセスを迅速化するためのツールも複数提供しています。以下のセクションでは設計手順を概説します。

設計入力

入力電圧 ( 最小 / 最大定常電圧が必要 )

通常、ほとんどのシステムで入力電圧レンジは既知です。しかし、VINMIN を低下させる配電電圧降下がシステムに存在する場合があります。消費電力のワーストケース評価には VIN の最大定常電圧を使い、信頼性については最大ピーク過渡電圧を考慮する必要があります。

出力電圧 (VOUT が可変の場合、最小 / 最大定常電圧が必要 )

通常 VOUT は固定値ですが、特定の負荷要件またはシステムのマージン確保のために DC/DC コンバータの出力電圧をプログラムできるアプリケーションもあります。

著者 : Terry ClevelandMicrochip Technology Inc.

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出力電流レンジ

DC/DC コンバータの開発では、最大負荷電流の把握がきわめて重要です。電源の設計目標よりも負荷が著しく大きい場合、外付けの MOSFET またはスイッチのフットプリント、あるいはインダクタ サイズの変更が必要になる場合があります。

設計目標

通常、システムの設計目標は設計プロセスの初期に見極めます。効率、サイズ、動的応答の間のトレードオフを判断する必要があります。非絶縁降圧型 DC/DCコンバータを開発する場合、効率の高さだけでなくサイズとコストも考慮します。

一般的に、スイッチング周波数を高くすると効率は低下しますが、より小型で応答性の高い設計が可能です。通常、これら2つの間でバランスを取ります。Microchip社の MCP19111 と設計サポートツールは、ソリューションを最適化する時に力を発揮します。

パワートレインの計算

• スイッチング周波数の選択 ( 設計目標に基づく )

スイッチング周波数は、多くの変数に基づいて選択します。高電圧入力の スイッチング降圧型 DC/DC コンバータでは、MCP19111 設計アナライザが示す通りスイッチング損失が顕著です。効率とサイズの目標を達成するには、スイッチング周波数の最適化が不可欠です。

• MOSFET の選択 ( コスト vs. 効率 vs. サイズ )

効率を改善する新しい MOSFET を使えるようになりました。Microchip 社は低抵抗、低静電容量の新世代MOSFETデバイスを提供しています。これらの MOSFET は抵抗値を変えずにスイッチ容量を低減する事でスイッチング時間を短縮しています。この技術により、同等の伝導損失に対してスイッチング損失が低減されます。

• インダクタの選択

降圧型 DC/DC コンバータには各種インダクタを使えます。通常、フェライトまたは複合材の磁気コアを使うとコア損失が小さくなります。コンバータの効率ではインダクタの DC 抵抗も重要です。MCP19111 設計アナライザツールはこれも考慮します。

• コンデンサの選択

高周波数 DC/DC コンバータの設計には、入出力の両方に等価直列抵抗 (ESR)の小さなコンデンサを推奨します。入力コンデンサのリップル電流は不連続であるため、入力リップル電圧が大きくなります。MCP19111 設計アナライザは、効率と入力静電容量値を計算する際、最大リップル電流を考慮します。

降圧出力が連続電流でも今日の設計は低インダクタンスの物が多く、リップル電流は大きくなります。低 ESR コンデンサは出力リップル電圧を低減します。MCP19111 設計アナライザは、入力電圧、出力電圧、出力静電容量、出力静電容量のESR を使って、システム効率と制御システムのボード線図を計算します。

制御システムの設計

• 安定性 vs. 性能

MCP19111 では、調整可能なピーク電流モード制御を採用しています。ピーク電流制御システムの設計は寛容で、コンバータの安定化は容易です。制御システムの応答速度を重視する場合、この安定性が低下する事があります。動作レンジ全体で設計の安定性を確保するためには、制御システムの慎重な評価と計測が必要です。

• MCP19111設計アナライザを使うと制御システムを迅速に評価できます。アナライザの計算結果と実験結果は良く相関しています。

• 制御システムの設計の最終段階は試験です。試験方法として、ステップ負荷性能とボード線図解析の 2つを使います。ステップ負荷試験では、降圧型 DC/DCコンバータの出力負荷をステップ状に変化させ、出力電圧の摂動を計測します。正弦波の出力リンギングはシステムの位相マージンが小さい事を表し、出力電圧の発振はシステムが不安定である事を示します。ボード線図解析の計測には、絶縁された AC信号を制御システムに注入し、システムの応答を計測する特別な機器が必要です。この種の試験にはネットワーク アナライザが必要です。

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設計ツールの概要

設計作業を支援する資料およびツールとして以下を提供しています。

• MCP19111 データシート - 『マイコン内蔵アナログ電源コントローラ、同期ドライバ内蔵』(DS22331)この資料には、MCP19111を使ったDC/DCソリューションの開発に必要な全ての仕様と情報を記載しています。

• MCP19111 設計アナライザ . このツールでは、アプリケーションの変数を入力すると必要な外付け部品( 例 : スイッチ、インダクタ、コンデンサ ) が計算されます。これにより、制御ループや保護しきい値定義等、デバイスの内部設定を支援します。

• MCP19111 MPLAB® X 統合開発環境 (IDE) プラグイン - MPLAB X IDE と MCP19111 のインターフェイスとして使うプラグインです。GUI によりデバイスの機能の多くを試す事ができます。詳細は、『MCP19111 MPLAB® X Integrated DevelopmentEnvironment Plug-in User's Guide』(DS52113) を参照してください。

• MCP19111 評価用ボード (ADM00397) - この評価用ボードを使うと、降圧型 DC/DC 回路方式の 2 つのスイッチを制御しながら、MCP19111 の使い方を学べます。基板の動作に関する詳細は、『MCP19111 評価用ボード ユーザ ガイド』(DS52109) を参照してください。

設計開始

設計開始にあたり、例 1 の値を使います。

例 1:

MCP19111 設計アナライザツールの使い方

Microsoft Excel ベースの設計スプレッドシートに変数と部品の値を入力します。このスプレッドシートを使って、POL 同期降圧型コンバータまたは降圧型コンバータの設計を最適化します。

具体的なデータの入力および抽出または計算用に、ツールには次のシートがあります。

• Input Parameters

• Components

• Efficiency

• Frequency Analysis

• GUI

Input Parameters シート

このシートは設計フェイズの目安として使います。設計パラメータの入力セル ( 黄色のセル ) に値を繰り返し入力する事で、設計が想定する動作範囲全体を解析できます。それには、テーブルにパラメータを入力して、ワーストケースを含む各種動作条件に対する結果を評価します。

評価した入力電圧、出力電圧、出力電流を入力します。

• コンバータのスイッチング周波数は、効率、過渡応答、設計のサイズとコストに影響します。性能目標に向けて設計を最適化するために、スイッチング周波数は慎重に評価する必要があります。

• 入力電圧リップルは、特定の入力リップル要件を満たすために必要な入力静電容量と等価直列抵抗(ESR) に影響します。

• 最小入力電圧は、システムの低電圧ロックアウト設定の計算に使います。

• ステップ負荷パラメータは、システムの動的性能を定義し、目標過渡応答を実現するために必要な出力静電容量値を示すために使います。MCP19111 の制御システムは、アナログピーク電流モード制御を採用しています。負荷ステップは、高出力電流から低出力電流への負荷電流のステップ状の変化として定義します。次は、この負荷ステップに対する目標オーバーシュート量を入力します。負荷電流のステップを大きく、出力電圧オーバーシュートを小さく設定した場合、オーバーシュートを最小限に抑えるには出力静電容量を増やし、ESR を小さくする必要があるため、システムのコスト増を招きます。

スプレッドシートは、システムの動作パラメータを計算し、システム効率を見積もってグラフ化し、計算で得られたボード線図からシステムの閉ループ応答をプロットします。効率の推定とボード応答のプロットに使う数式は、補遺 A:「MCP19111 設計アナライザツール」に記載します。

VIN = 12 V (10 V ~ 13.2 V)

VOUT = 1.8V

IOUT = 0 A ~ 20 A ( エアフローなし ) 0 A ~ 30 A (1.52 m/s エアフロー )

設計目標 – 効率 > 90 % @ 25 A ( 最も一般的な動作点 ) .

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図 1: MCP19111 設計アナライザ - 入力パラメータページ

システム部品

設計プロセスの次の段階では、パワートレイン部品の基本パラメータをComponentsスプレッドシートに入力して、部品を選択します。黄色のセルの値は全て設計者が入力する必要がある事を忘れないでください。

図 2 に示す [System Components] テーブルでは、計算結果を緑色のセルに表示しています。これらは設計目標を満たす部品の値です。

黄色のセルは設計者が入力を行うためのセルです。これらのセルは効率の推定と制御システムのプロットに使います。インダクタンス、出力容量、入力容量、電流検出フィルタは、このテーブルに入力します。

右側の [Power Train Component Parameters]テーブルには、MOSFET のパラメータと受動部品の寄生容量を入力します。

図 2: MCP19111 設計アナライザ - Components シート

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ハイサイドおよびローサイド スイッチには Microchip社のMOSFET MCP87050とMCP87018を使いました。MOSFET のオン抵抗 (RDSON) とゲート電荷は、どちらも設計解析に不可欠なパラメータです。ローサイドMOSFET のボディダイオード特性も、コンバータ効率の見積もりに重要なパラメータです。詳細は MOSFETのデータシートを参照してください。ダイオードの導通時間は、電流がローサイド スイッチのボディダイオードを通して流れる時間の推定値です。この時間は、MCP19111 のデッドタイム設定で調整できます。効率と制御システムの計算には、インダクタの DC 抵抗と入出力コンデンサの ESR も使います。これらの値の詳細は、それぞれの製品のデータシートを参照してください。

Efficiency シート

Efficiency のテーブルには、Components シートで入力したパラメータから計算した効率が表示されます。重要な値を変更して、システム効率に与える影響を見てみましょう。例えば、スイッチング周波数を高くすると効率が低下します。ハイサイド MOSFET を最適化すると、特定の動作条件で効率が向上します。ハイサイド MOSFET の抵抗を小さくしても、常に最大効率が得られるとは限りません。ハイサイド MOSFET でスイッチング損失が伝導損失を大きく上回る場合、RDSON が大きくても、ゲート電荷またはゲート容量が小さい MOSFET の方が対象動作条件に適している可能性があります。

図 3: MCP19111 設計アナライザ - 評価用ボードに既定値を設定した場合の Efficiency シート

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Frequency Analysis シート

このシートには、システムのアナログ制御ループの設計に使うツール / 構成要素を表示します。緑色のセルは計算値、黄色のセルは入力値です。[Compensation]セクションのセル [Gain] と [Zero Frequency] は、制御システムを補償するゼロ点の位置を設定します。システムのゼロ点位置とゲインを変更すると、システムの動的性能が変化します。次の行は、ピーク電流モード制御に必要なスロープ補償です。スロープ補償を大きくするとシステムはより電圧モードに近い挙動を示し、不安定 ( 出力電圧の発振 ) となる可能性があります。次のテーブルでは電流検出信号のゲインを設定します。

最後のテーブルにはシステムのクロスオーバ周波数と位相マージンの計算結果を表示します。クロスオーバ周波数が高いほど、システムの過渡応答は高速です。スイッチング周波数を高く、インダクタンスを低くすると、クロスオーバ周波数を高くできますが効率は下がります。位相マージンは 45 度より大きい値を推奨します。

図 4: MCP19111 設計アナライザ - 既定値を設定した場合のボード線図

特殊マクロ

MCP19111 設計アナライザには、マクロを使う必要がある 2 つの自動機能があります。[Use Default EvaluationBoard Compensation and Components] 機能は、入力値セル ( 黄色のセル ) を、MCP19111 評価用ボード(ADM00397) の既定値に設定します。この機能は、アナライザの設定を評価用ボードの初期値に戻すリセット機能として使います。

[Use Recommended Components and Compensation]機能は、入力値セル ( 黄色のセル ) に自動的に計算結果を入力します。この機能は、重要なパラメータ ( スイッチング周波数、インダクタンス、出力静電容量と ESR、MOSFETパラメータ等 )の変更を素早く評価する時に使います。設計目標達成後、入力値セルの値を変更してサイズ、効率、動的性能をさらに最適化できます。

マクロを使うには、Excel のメインメニュー / リボンで[ 開発 ] の項目を選択します。[ コード ] サブメニューで [ マクロ ] アイコンをクリックします。ダイアログウィンドウでマクロを選択します。

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GUI シート

設計の最終段階は、設計アナライザが計算した GUI 値をチェックし、このデータを MCP19111 MPLAB® X統合開発環境プラグインに入力する事です。これらの値はデバイスにプログラミングされます。

図 5: MCP19111 設計アナライザ - 既定値設定の GUI 入力値

図 5 に、3 つのテーブル [Parameter]、[Protection]、[Compensation] を示します。[Parameter] テーブルは出力電圧と動作モード ( スタンドアロン動作のシングル コンバータ、マルチ出力コンバータ、多相コンバータ ) を設定します。スイッチング周波数、位相遅延、最大デューティ サイクルはパルス幅変調器 (PWM) の固定周波数オシレータを定義します。デッドタイム遅延設定は、ハイサイド スイッチとローサイド スイッチのON/OFF 遅延を調整すせるために使います。Microchip社の MOSFET には 24 ns という値が設定されます。デッドタイムの設定はMOSFETのサイズとスピードで決まります。Microchip 社の MOSFET は容量がきわめて小さく、高速なスイッチングが可能です。Microchip社のMOSFETを使うと遅延値を小さくできるため、システムの効率を向上できます。トレンチまたはゲート容量の大きい MOSFET を使う場合、デッドタイムが十分であるか注意する事が必要です。このテーブルの最後では出力電圧の立ち上がり時間と、イネーブルに使う GPIO ピンを設定します。

[Protection] テーブルは、出力の過電圧および低電圧の値を設定します。MCP19111 は、出力が想定レンジを外れた事を検出できます。応答オプションは GUI で提供しています。出力の過電圧および低電圧設定に加えて、入力低電圧ロックアウト、起動電圧、ハイサイド スイッチのピーク電流制限も設定できます。これによって、電源を異常動作条件から保護します。

[Compensation] テーブルには、システムの安定化に使う計算値を入力します。

• [Gain] はエラーアンプ ゲインに追加するゲイン量です。

• [Zero Frequency] は制御システムのゼロ点位置です。

• [Slope Amplitude] と [Slope dV/dT] は、システムに追加する ( 実際にはエラーアンプの出力から差し引かれる ) スロープ補償量です。

[Current Sense Configuration] セクション de は、電流検出信号の増幅に使う以下のゲインを設定します。

• [Current Sense Gain] - AC ゲイン

• [Current Sense DC Gain] - DC ゲイン

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MCP19111 MPLAB® X IDEプラグインの使い方

次に、MPLAB® X IDE を起動し、MCP19111 プラグインを実行します。MCP19111 のグラフィカル ユーザインターフェイス (GUI) のインストールと実行方法は『MCP19111 MPLAB® X Integrated DevelopmentEnvironment Plug-in User's Guide』を参照してください。

MPLAB® X GUI プラグインへのパラメータ入力

MPLAB X統合開発環境 (IDE)とそのMCP19111プラグインを使って、デバイスに適切な設定を書き込みます。

図 6 に MPLAB X IDE のウィンドウを示します。MPLABXにプラグインがインストールされていれば、MCP19111のプロジェクトを開くとプロジェクト ウィンドウにプラグインパネルが表示されます。プロジェクトのタブ ([Parameter]、[Protection]、[Compensation]) への入力は、MCP19111 設計アナライザの GUI シートと一致します。アナライザの出力値は、MPLAB X GUIに手入力します。

[Parameter] タブ

図 6 に、Design Analyzer の GUI シートからの値が入力済みの [Parameter] タブを示します。

図 6: MPLAB® X IDE - 評価用ボードの既定値設定完了後の [Parameter] タブ

MCP19111 Project Parameter tab

DS00001541A_JP - p.8 2014 Microchip Technology Inc.

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[Protection] タブ

図 7 に、MCP19111 設計アナライザからの値が入力された [Protection] タブを示します。

図 7: MPLAB® X IDE - 評価用ボードの既定値設定完了後の [Protection] タブ

[Compensation] タブ

図 8 に、MCP19111 設計アナライザからの値が入力された [Compensation] タブを示します。これで初期設計プロセスは完了です。MCP19111 は、スイッチング周波数、出力の設定点の値、保護または補償を最適化するために再プログラミングできます。全てのパラメータを読み込んだ後に、MPLAB X IDE プラグインを使って新しい設計パラメータ プロファイルを作成できます。評価用ボードの設計パラメータは「Evaluation Board(ADM00397)」ファイルに格納されており、いつでも読み込んで評価用ボードを工場出荷時の設定に戻す事ができます。

図 8: MPLAB® X IDE - 評価用ボードの既定値設定完了後の [Compensation] タブ

ここでMPLAB X IDEのメインツールバーにある[Makeand Program Device Main Project] ボタン ( ) を押すと、新しいパラメータがデバイスに書き込まれ、出力電圧と全ての重要な内部レジスタが設定されます。

Evaluation Board (ADM00397) file location

2014 Microchip Technology Inc. DS00001541A_JP - p.9

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AN1541

MCP19111 評価用ボード (ADM00397)の計測

図 9 ~図 13 に、GUI シートの既定値設定を使って標準の MCP19111 評価用ボード (ADM00397) で得られたデータを示します。

図 9 は、最適化済みデッドタイムおよび未最適化デッドタイムで動作させた場合の評価用ボードの効率です。

図 9: 出力電流に対する効率 (12 V 入力、1.8 V出力 )

図 10 は、負荷に対するシステム効率です。ローサイド FET に 1.8 m を使った場合と、2.2 m を使った場合を比較しています。

図 10: 出力電流に対する効率 (12 V 入力、1.8 V出力 )

図 11 は、計測ボード線図と、計算ボード線図の比較です。

図 11: 計測ボード線図

図 12 に、負荷ステップに対するシステム応答を示します。上側の波形は High から Low へ、下側の波形はLow から High に負荷をステップさせた場合です。

図 12: 負荷ステップ応答

図 13 に、30 A 負荷の場合の定常状態の波形を示します。上側の波形はインダクタ電流、下側の 2 つの波形はMCP19111からのゲート駆動出力を表しています。

図 13: 30 A 負荷に対するスイッチング波形

0.8

0.85

0.9

0.95

Effic

ienc

y

1.8 mΩ Efficiency vs. IOUT

Optimized Dead Time

non-Optimized Dead Time

0.65

0.7

0.75

0 10 20 30

E

Output Current (A)

0.8

0.85

0.9

0.95

Effic

ienc

y

1.8 mΩ and 2.2 mΩ Low-Side FET Efficiency vs. IOUT

1.8 mΩ

2.2 mΩ

0.65

0.7

0.75

0 10 20 30Output Current (A)

VOUT 50 mV/div

IOUT 5 A/div

VOUT 50 mV/div

IOUT 5 A/div

AC Coupled

50 µs/div

AC Coupled

50 µs/div

LDRV 5 V/div

IL 10 A/div

HDRV 5 V/div 2 µs/div

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まとめ

MCP19111 は、PIC マイクロコントローラ、フラッシュメモリ、高電圧および高電流のハーフブリッジ ドライバ、高精度アナログ技術を集積化したモノリシック デバイスです。 このアプリケーション ノートでは、迅速なPOL設計に役立つ設計ツールについて説明しました。MCP19111 は LED 駆動、バッテリ充電、汎用DC/DC コンバータの電源開発に使えます。アナログ制御系を集積する事で、基板に変更を加えずに動的性能を調整できると同時に、消費電流をわずか 5 mA に抑えています。効率、動的性能、通信機能を向上する特殊機能を内蔵しているため、MCP19111 は多くの新規設計にとって優れた選択肢です。

2014 Microchip Technology Inc. DS00001541A_JP - p.11

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補遺 A: MCP19111 設計アナライザツール

この補遺では、設計ツールの特性と推定効率とボード応答のプロットに使う数式を紹介します。

表 A-1: 推奨パラメータの計算 - Input Parameters シート

パラメータ 式

• 値は全てユーザ入力です。

• [Notes] 列に記載されているレンジ内の値を入力する必要があります。レンジ外の数値を入力するとエラーメッセージが表示されます。

表 A-2: 推奨パラメータの計算 - Components シート

パラメータ 式

推奨インダクタンス

推奨出力容量

推奨入力容量

推奨検出フィルタ抵抗

推奨検出フィルタ コンデンサ この値は 100 nF 固定です。

パワートレイン部品 全てユーザ入力値です。

L VIN VOUT– VOUTVIN------------- T

10.2 IOUT--------------------------=

20% のリップル電流で計算します。

COUTL IOH

2IOL2

VOUT VOVERSHOOT+ 2 VOUT2

–-------------------------------------------------------------------------------------=

CINIOUT D 1 D–

fSW VRIPPLE D IOUT CINESR – ------------------------------------------------------------------------------------------------=

RfL

10 LDCR Cf-------------------------------------=

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2014 Microchip Technology Inc. DS00001541A_JP - p.13

表 A-3: 推奨パラメータの計算 - Efficiency シート

デバイスタイプ パラメータ 式

ハイサイドMOSFET

伝導損失

スイッチング損失

ローサイドMOSFET

伝導損失

ボディダイオード伝導損失

ボディダイオード逆回復損失

コントローラ損失

インダクタ伝導損失

COUT 損失

CIN 損失

PCONDHS IRMSHS2

RDSHS=

PSWHS VIN IOUT QGATEHS fSW=

PCONDLS IRMSLS2

RDSLS=

PLOSSBD IOUT Vf tBD fSW=

PLOSSRRQRR VIN fSW

2----------------------------------------=

PLOSSCONT VIN 5mA fSW QGATELOW QGATEHIGH+ + =

PLOSSIND ILRMS2

LDCR=

PLOSSOUT COUTESR 0.2IOUT3------------=

PLOSSCIN CINESR IRMSHSVOUT IOUT

VIN--------------------------------–

2=

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表 A-4: 推奨パラメータの計算 - Frequency Analysis シート

パラメータ 条件 式

推奨ゲイン • パワートレインのみのボード線図に基づいています。

• 右式のクロスオーバ周波数を使います :

• 必要なクロスオーバ周波数を求め、その周波数を得るために追加する必要があるゲインを求めます。

例 : fSW = 300 kHz目標クロスオーバ = 48 kHz

周波数 | ゲイン 48 | -18.75

選択した値は 19.1 dB です。

推奨ゼロ点

この式は、ゼロ点をループの極 �( p = ROUTCOUT) より約 1 デケード低く設定します。ただし、1500 ~35300 の範囲に限定されます。

推奨スロープ補償 電流検出信号の立ち下がりスロープを一致させるための SLPG と SLPS の値を選択します。 GainCS は Rf、Cf、電流検出ゲイン、CSGSCON を

組み合わせた値です。

推奨電流検出ゲイン

最終ボード線図の伝達関数

fSW2 ------------

Fzero 1500p

2 1500------------------------------ log=

SlopeVOUT2 L---------------- T LDCR GainCS=

CSGSCON

200.5

LDCR Ipk

1 2 fSWL

LDCR----------------+

1 2 fSW Rf Cf+ --------------------------------------------------------------------

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

log

1.5------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------=

GCL GPWR S GEA S =

GPWR S ROUTRi S ---------------- 1

1ROUT TS

L----------------------------- mc D 0.5– +

------------------------------------------------------------------------------ Fp S Fh S =

Ri S CSGSCONLDCR sL+

1 sRfCf+-----------------------------=

Fp S 1 sCOUTCOUTESR

+

1 sp-------+

-----------------------------------------------------------=

p1

C O U TRO U T----------------------------------

TSLC O U T-------------------- m cD 0.5– +=

mc 1SeSn------+= (Se

Fh S 1

1 snQ------------ s

2

n2-------+ +

-------------------------------------= nTs-----= Q 1

mcD 0.5– ------------------------------------=および

GEA S KCOMP S

11 KCOMP S +

KCOMP S -----------------------------------------+

---------------------------------------------------= KCOMP S EAG 1 2 EAZS

------------------------------+ =

KAV S 10

AV20-------

1 Sp1----------+

1 Sp2----------+

-----------------------------------------------------------= p12 G B W

10

A V20-------

--------------------------------=

p2 3 G B W=

は補償ランプのスロープ、Sn はインダクタ電流のスロープを示す )

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表 A-5: 推奨パラメータの計算 - GUI シート

パラメータ 条件

Parameter Tab

Output Voltage 微設定値 (Set Fine Value) と粗設定値 (Set Coarse Value) は、ユーザの入出力電圧にできるだけ近い値が選択されます。

Multi-Phase Configuration [stand alone unit] 固定です。

Switching Frequency Generated Frequency: ユーザが入力したスイッチング周波数に最も近い実現可能な値

Phase Delay: 0 固定です。

Max Duty Cycle: 想定されるデューティ サイクルの 2 倍に設定します。

Dead Time Delay ハイサイド (High Side)、ローサイド (Low Side) のどちらも 48 ns 固定です。

Startup Behavior Soft Start Duration: 500 ms 固定です。

Use Startup Pin: [Use pin GPA0] 固定です。

Protection Tab

Output Voltage Protection Output Undervoltage: およそ VOUT - 300 mV に設定されます。

Output Overvoltage: およそ VOUT + 300 mV に設定されます。

Output Overcurrent High-Side RDS-ON value: ユーザ入力値を使います。

Leading Edge Blanking Time: 800 ns 固定です。

Set Value: 最大負荷の約 2 倍です。

Input Undervoltage Lockout 入力された最小入力電圧より約 1 V 低い値に設定されます。

Compensation Tab

Compensation Gain: Frequency Analysis シートへのユーザ入力値

Zero Frequency: Frequency Analysis シートのユーザ入力値

Slope Amplitude: Frequency Analysis シートのユーザ入力値

Slope dV/dT: スイッチング周波数と傾斜幅に基づいて計算された価です。

Current Sense Configuration Current Sense Gain: Frequency Analysis シートのユーザ入力値

Current Sense DC Gain: 0 dB 固定です。

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NOTES:

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Microchip 社製デバイスのコード保護機能に関して以下の点にご注意ください。

• Microchip 社製品は、該当する Microchip 社データシートに記載の仕様を満たしています。

• Microchip 社では、通常の条件ならびに仕様に従って使用した場合、Microchip 社製品のセキュリティ レベルは、現在市場に

流通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。

• しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解では、こうした手法

は Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知

的所有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。

• Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱いているお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。

• Microchip 社を含む全ての半導体メーカーで、自社のコードのセキュリティを完全に保証できる企業はありません。コード保

護機能とは、Microchip 社が製品を「解読不能」として保証するものではありません。

コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社の

コード保護機能の侵害は、デジタル ミレニアム著作権法に違反します。そのような行為によってソフトウェアまたはその他の著作

物に不正なアクセスを受けた場合、デジタル ミレニアム著作権法の定めるところにより損害賠償訴訟を起こす権利があります。

本書に記載されているデバイス アプリケーション等に関する

情報は、ユーザの便宜のためにのみ提供されているものであ

り、更新によって無効とされる事があります。お客様のアプ

リケーションが仕様を満たす事を保証する責任は、お客様に

あります。Microchip 社は、明示的、暗黙的、書面、口頭、法

定のいずれであるかを問わず、本書に記載されている情報に

関して、状態、品質、性能、商品性、特定目的への適合性を

はじめとする、いかなる類の表明も保証も行いません。

Microchip 社は、本書の情報およびその使用に起因する一切の

責任を否認します。生命維持装置あるいは生命安全用途に

Microchip 社の製品を使用する事は全て購入者のリスクとし、

また購入者はこれによって発生したあらゆる損害、クレーム、

訴訟、費用に関して、Microchip 社は擁護され、免責され、損

害を受けない事に同意するものとします。暗黙的あるいは明

示的を問わず、Microchip 社が知的財産権を保有しているライ

センスは一切譲渡されません。

2014 Microchip Technology Inc.

商標

Microchip 社の名称とロゴ、Microchipロゴ、dsPIC、FlashFlex、KEELOQ、KEELOQ ロゴ、MPLAB、PIC、PICmicro、PICSTART、PIC32 ロゴ、rfPIC、SST、SST ロゴ、SuperFlash、UNI/O は、米

国およびその他の国におけるMicrochip Technology Incorporatedの登録商標です。

FilterLab、Hampshire、HI-TECH C、Linear Active Thermistor、MTP、SEEVAL、Embedded Control Solutions Company は、

米国におけるMicrochip Technology Incorporatedの登録商標

です。

Silicon Storage Technology は、他の国における Microchip Technology Inc. の登録商標です。

Analog-for-the-Digital Age、Application Maestro、BodyCom、

chipKIT、chipKIT ロゴ、CodeGuard、dsPICDEM、dsPICDEM.net、dsPICworks、dsSPEAK、ECAN、ECONOMONITOR、

FanSense、HI-TIDE、In-Circuit Serial Programming、ICSP、Mindi、MiWi、MPASM、MPF、MPLAB Certified ロゴ、MPLIB、MPLINK、mTouch、Omniscient Code Generation、PICC、

PICC-18、PICDEM、PICDEM.net、PICkit、PICtail、REAL ICE、rfLAB、Select Mode、SQl、Serial Quad I/O、Total Endurance、TSHARC、UniWinDriver、WiperLock、ZENA および Z-Scaleは、米国およびその他の Microchip Technology Incorporatedの商標です。

SQTP は、米国における Microchip Technology Incorporatedのサービスマークです。

GestIC および ULPP は、Microchip Technology Inc. の子会社

である Microchip Technology Germany II GmbH & Co. & KG 社

の他の国における登録商標です。

その他、本書に記載されている商標は各社に帰属します。

© 2014, Microchip Technology Incorporated, All Rights Reserved.

ISBN: 978-1-63276-131-6

DS00001541A_JP - p.17

Microchip 社では、Chandler および Tempe ( アリゾナ州 )、Gresham ( オレゴン州 ) の本部、設計部およびウェハー製造工場そしてカリフォルニア州とインドのデザインセンターが ISO/TS-16949:2009 認証を取得しています。Microchip 社の品質システム プロセスおよび手順は、PIC® MCU および dsPIC® DSC、KEELOQ® コード ホッピング デバイス、シリアル EEPROM、マイクロペリフェラル、不揮発性メモリ、アナログ製品に採用されています。さらに、開発システムの設計と製造に関する Microchip 社の品質システムは ISO 9001:2000 認証を取得しています。

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03/25/14