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NGP2010ディーゼルエンジンの取り組み
2007年9月18日
日産自動車株式会社
常務 薄葉 洋
2
目次
1. 日産自動車の環境技術の取り組み
2. ディーゼルのポテンシャル
3. クリーンディーゼルとは
4. 今後の各国のディーゼル排気規制
5. 日本での取り組み
6. 将来のクリーンディーゼル
3
1. 日産自動車の環境技術の取り組み
4
ニッサン・グリーン・プログラム2010
他セクターと連動した
総合的な取組み
SKYプロジェクト
VVEL
3Lカー
DIG
電動車両の投入・普及
EV
FCV
内製 HEV
Li-ionバッテリー
エンジン,トランスミッションの進化
クリーンディーゼル
5
エンジン技術のロードマップ
技術課題と長期目標
ガソリンエンジン : CO2 排出量を30%削減ディーゼルエンジン : 排出ガスを90%削減
0 10 20 30CO2 削減量 %
排出ガスレベル
Bin10
almost ZEV
Euro5
技術目標
Bin5
PZEV
Euro6
技術のブレークスルー
ガソリン車の進化
ディーゼル車の進化
6
2. ディーゼルのポテンシャル
7
■同じ内燃機関であるが、出力調整、燃焼のさせ方など異なる
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンとの比較
吸気行程圧縮行程膨張行程排気行程吸気工程圧縮工程膨張工程排気行程
抵抗となる絞りがない
燃焼室に直接燃料を噴射
燃料噴射量で出力調整 圧縮された高温の雰囲気で
燃料が自己着火
スロットルバルブ開閉による混合気量で出力調整
燃焼室の手前で燃料を噴射
火花点火高圧縮比
インジェクタ
点火プラグインジェクタ
ガソリンエンジン ディーゼルエンジン
理論空燃比
リーン空燃比(空気過剰)
燃料噴射位置
着火方法
圧縮比
燃焼室内吸気ポート
火花点火 圧縮自己着火
8~11 16~22
空気と燃料の比率理論空燃比 リーン空燃比(空気過剰)
出力調整スロットルバルブによる混合気流量 燃料噴射量
8
従来のディーゼルエンジンとガソリンエンジンとの比較
■ 従来のディーゼルエンジンは、燃費・トルクが○、クリーンな排気、振動が×
燃焼圧力が高い
+ ポンプ損失が小さい(スロットルバルブレス)
燃焼によるエネルギーを効率よく運動エネルギーに変換
燃費が良い燃費が良い
トルクが大きいトルクが大きい
出力調整スロットルバルブによる混合気流量 燃料噴射量
NOxが発生NOxが発生
PM*(煤)が発生PM*(煤)が発生
燃焼室内に
燃料噴射+
*PM:Particurate Matter
燃焼室内に燃料を噴射するため、空気と燃料が均
一に混ざる時間が少ない
ガソリンエンジン ディーゼルエンジン
リーン空燃比
理論空燃比で燃やせないのでガソリンのように三元触媒が使えない
燃料噴射位置
着火方法
圧縮比
燃焼室内吸気ポート
火花点火 圧縮自己着火
8~11 16~22
空気と燃料の比率理論空燃比 リーン空燃比(空気過剰)
振動・音が大きい振動・音が大きい
9
3. クリーンディーゼルとは
10
M9Rエンジン
クリーンディーゼル :M9R日産の新しいクリーンディーゼルM9Rエンジンは、ルノーとのアライアンスの
中で共同開発をした、力強さと静粛性、燃費、そしてクリーンな
排出ガスを兼ね備えたエンジン
11[ CY ]
60
80
100
120
140
'95 '00 '05 '10
Max
Pow
er
(kw
)
欧州 ディーゼル 2Lクラス FF乗用車 最高出力 推移
M9R
Average
従来のディーゼルエンジンが苦手としていた音・振動の抑制と、排気規制
物質の低減を実現(欧州規制Euro4)しながら、ディーゼルエンジン
2リッタークラストップの高出力127kwを発生
クリーンディーゼル :M9R
12
100
200
300
400
'95 '00 '05 '10
トル
ク(
Nm)
欧州 ディーゼル 2Lクラス FF乗用車 最大トルク 推移
[ CY ]
M9R
Average
最大トルクもディーゼルエンジン2リッタークラストップを達成。
1750rpmの低回転から最大トルク360N・mを発生
クリーンディーゼル :M9R
13
日産の最新のクリーンディーゼルエンジンM9Rに採用した技術を
1990年代に初代セレナに搭載していたCD20Tとの比較で説明
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
14
燃料供給システム:機械式燃料噴射ポンプからコモンレールシステムに変更
・高い圧力で燃料を微粒化し、空気と均一に混ざりやすくする
・最適な噴射タイミング等、精度のよい燃料制御が可能
機械式燃料噴射ポンプから直接、
各気筒に燃料を噴射
燃料圧力:200~300bar
燃料の微粒化
燃料圧力をコントロールして、電子制御により
インジェクタで燃料を最適噴射
燃料圧力:1,600bar
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
高圧燃料ポンプ
噴射ノズル
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
機械式燃料噴射ポンプ
コモンレール
インジェクタ
NOx、煤(PM)の発生を抑制
15
マリアナ海溝
深さ約11000m
水圧1100bar
(1100気圧)
1600bar
水深16000m相当
1600bar
水深16000m相当
1600barとは?世界一深いマリアナ海溝より深い水深16000m相当の水圧と同等の圧力
.
16
吸気ポート:ダブルスワールポートで燃焼室内の空気の流れを高速渦流化
・空気と燃料を均一に混ぜる
ダブルスワールポート
吸入空気の
高速渦流化
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
煤(PM)の発生を抑制
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
17
DPF*を採用。99%の煤を処理する。
* DPF:ディーゼル・パティキュレート・フィルター
DPF
後処理装置なし
PMの捕獲と処理
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
煤(PM)を大気に排出させない
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
1:燃焼によって発生したPMを吸着・貯蔵
2:DPF本体の温度を高温化して煤を酸化
3:DPFを再生。このサイクルを繰り返す
18
EGRシステム
更なる燃焼温度の低下
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
EGRクーラー
EGRバルブ
NOxの発生を抑制
EGRクーラー追加によりさらに燃焼温度を下げてNOxの発生を抑える
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
・不活性である排気ガスを燃焼室に
入れることで燃焼温度を下げる
・排気ガスをEGRクーラーで冷やして
より大量のEGRを燃焼室に入れて
更に燃焼温度を下げる
19
1600 bar コモンレールシステム
ピエゾ式インジェクター
機械式燃料ポンプ
燃料1回噴射
燃料を複数回に分けて噴射
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
音の抑制
応答速度の速いピエゾ式インジェクタの採用で高精度の燃料の分割噴射
が可能。 燃焼圧力上昇を適切に制御して、燃焼音を抑制
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
ピエゾ素子
20
・バランサーシャフト
バランサーなし
アンバランス成分の低減
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
音・振動の抑制
エンジン内部で動く部品が生じるアンバランス成分を打ち消し振動を抑制
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
21
排気ガスの流速に応じてターボ内部の整流板をを可変制御して、低回転
からターボが働き大きなトルクを発生する
可変ノズル
従来エンジンと最新のクリーンエンジン(M9R)の比較
従来エンジン(CD20T) 最新のエンジン(M9R)
・可変ノズルターボチャージャー
ターボチャージャー
可変ノズルにより
ターボ作動範囲を拡大
高トルク化
22
従来のディーゼルエンジンが苦手としていた音・振動の抑制と、
排気規制物質の低減を実現(欧州規制Euro4)しながら
ディーゼルエンジン2リッタークラストップの高出力を達成
技術アイテム
M9R
1600 bar コモンレールシステム
ピエゾ式インジェクター
ダブルスワールポート
DPF
EGR(EGRクーラー付き)
バランサーシャフト
可変ノズルターボ
クリーンディーゼル :M9R
23
4. 今後の各国のディーゼル排気規制
24
0.05
0.10
0.01
0.25
0.20
2014
0.15
US SULEV (California)
US Tire2Bin5 (Federal)
欧州排気規制 日本排気規制
Euro4
(Euro6)
中国排気規制
NO
x(g
/km
)
Euro5
平成17年規制
新規制(予測)
201320122011201020092008
今後の排気規制の動向
ディーゼルの排気規制値は北米規制が最も厳しいが、地域により
試験モードが異なり、規制の難易度は規制値のみでは決まらない
25
【北米】
【日本】
【欧州】
Acc
el(
G)
Acc
el(
G)
Vehicle speed (km/h)
Acc
el(
G)
Usage Area90percentile60percentile
日米欧市場の走行パターンの特徴
■日本、北米は発進時の加速が高く、欧州は高速での走行が多い
日米欧の排気試験モードの違い
LA4モード
ECE +EUDCモード
Time (sec)
0
50
100
140
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 Time (sec)
(km/h )
JC08モード
(km/h )
0
50
100
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 Time (sec)
トランジェント・モードトランジェント・モード
1020
30405060
0 500 1000 1500 2000 2500
(mile/h )
トランジェント・モードトランジェント・モード100km/h
50km/h
■地域によって試験モードが異なり、規制も違う。
2008年から
【北米】
【日本】
【欧州】
27
5. 日本での取り組み
28PM (g/km)0.02
0.1
0.2
0.25
NO
x (
g/k
m)
0.01
Euro3
ー乗用車規制値のみの比較ー
欧州Euro4
日本H17新長期
欧州Euro4規制に対して、日本の新長期規制はPM-45%、NOx-40%と厳しくなり、さらにNOx浄化性能を向上させた技術を追加
・NOxトラップ触媒(LNT*) 追加
・欧州に比べて過渡の走行パターンが多いため、高度なエンジン燃焼制御追加
Time (sec)
(km/h )
0
50
100
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200
トランジェント・モードトランジェント・モード
【日本】
0
50
100
140
100 200 300 400 500 600 700 800 900 10001100 1200Time (sec)
(km/h )【欧州】
クリーンディーゼル :M9R 日本仕様(’08年秋)
(2008年から)
ECE +EUDCモード
JC08モード
*LNT: Lean NOx Trap catalyst
日本Post新長期
29
6. 将来のクリーンディーゼル
30
Euro3
Euro4
欧州Euro4
将来に向けたクリーンディーゼルの開発:SULEV*
最終ゴールの大気並みにクリーンな排気レベルを目指した 技術を開発中
0.02
0.1
0.2
0.25
PM (g/km)
NO
x (
g/k
m)
0.01
日本H17新長期
* 米国カリフォルニア州の排出ガス規制
Tier2Bin5
加州SULEV
日本Post新長期
ー乗用車規制値のみの比較ー
NOx70%減
31
Bin5 SULEV* Bin5 SULEV*0
(g/km)
0.06
0.05
0.04
0.03
0.02
0.01
0
(g/km)
0.05
0.04
0.03
0.02
0.01
NOxHC
-90% -70%
現時点でTier2Bin5に対し、NOxを70%削減、さらにHCを90%削減
将来に向けたクリーンディーゼルの開発:SULEV *
* 米国カリフォルニア州の排出ガス規制
32
① 燃焼技術の改善
規制物質の発生をもとから抑える技術 (MK燃焼)
② 新開発のHC・NOxトラップ触媒
規制物質であるHCをNOx浄化に有効利用し、HC , NOxともに高効率に
浄化
SULEV*を支える3つの技術
③ 燃焼改善と触媒を高効率で作動させる高度なエンジン制御
HC・NOxトラップ触媒
HCトラップ層
NOxトラップ層
NOx浄化層 COCO
HCHC
HH22
NOx
NN22 COCO22O2
HCHC
NOx
HH22COCO
NN22
HH22OO
HH22OO COCO22
COCO
HCHC
HH22
NOx
NN22 COCO22O2
HCHC
NOx
HH22COCO
NN22
HH22OO
HH22OO COCO22
将来に向けたクリーンディーゼルの開発:SULEV*
* 米国カリフォルニア州の排出ガス規制
33
リッチ条件リ-ン条件
NOxトラップ層
NOx浄化層
NOx
COCO
HCHC
②HCと共に排出量をコントールされた微量のO2を供給することで、NOx還元剤としてより効果的なH2とCOを生成し、高効率でNOxを還元浄化
HH22OO
O2
NONO
HH22
NOx
NN22 COCO22
NOx
①NOを酸化してNOxをトラップ材に吸着
O2
HCトラップ層HCHC HCHC HCHC
COCOHH22
NOx
HH22OONN22 COCO22
(イメージ図) (イメージ図)
従来のNOxトラップ還元触媒はNOxの浄化だけを行っていたのに対し新しい触媒では規制物質であるHCをNOx浄化に有効利用するためにHCトラップ層を追加し、HC , NOxともに高効率な浄化を可能とした
HC・NOxトラップ触媒
34
将来に向けたディーゼルエンジン
排出ガスのクリーン化は、技術目標である大気並みのクリーンさを
目指し、CO2削減とあわせて今後も更なる技術開発を進めていく
0 10 20 30CO2 削減量 %
排出ガスレベル
Bin10
almost ZEV
Euro5
技術目標
Bin5
PZEV
Euro6
技術のブレークスルー
ガソリン車の進化
ディーゼル車の進化
SULEV
クリーンディーゼル(M9R)
Tier2Bin5
(欧州)
35
Emotion
Efficiency Emission
Emotion
Efficiency Emission
クリーンディーゼルクリーンディーゼル
36
Thank you
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