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クレーズフィルムの孔径制御並びにクレーズフィルムの応用

岐阜大学 工学部機能材料工学科

准教授 武野 明義

高分子材料の破壊を利用する

微細加工技術 + 多孔質化技術

岐阜大学

透明プラスチック板

クレージング(白化)が起こる 破壊便利なプラスチック 錆びない、腐らない

白髪

研究背景

30μm

クレーズ複合フィルムCrazed PET film

フィルム断面

30μm

クレーズ処理によるナノ多孔高分子フィルムの例

クレーズPP断面SEM像クレーズPET光学顕微鏡写真

技術のポイント

単純な製造プロセス

本技術を利用可能な樹脂の例

PET

PP

PMMA

PS

PLA

PVDF

応用例 構造色

5mm

10μm

PMMA

応用例 光学的異方性

正面から観察 斜め方向から観察

↑↑

視界制御性フィルム

マイクロバブルは、ほとんど上昇せずに水中を浮遊している。

マイクロ・ナノバブル通常の気泡

自己加圧効果自己加圧効果

マイクロバブル:数十μm以下ナノバブル:数百nm以下

応用例 マイクロバブルの発生

応用例 光で水を透過するフィルム

0

1

2

3

4

0 6 12 18 24 30 36 42

Irradiation time (hour)

Jw (×10-7 m/s)

PLA

PLA/NTiO2

PLA/MTiO2

PLA/KTiO2

OFF OFF

ON

3hoursin dark

6hoursin dark

9hoursin dark

紫外線照射時間

水の透過流速

Craze

TiO2

ボイドに分子を閉じ込める機能化分子

クレーズのボイド

ローテクとハイテクの融合を目指す。

NEW

応用例 ナノボイドに分子をトラップし染色する

従来技術

本発明

左写真は、標準的な染色と洗浄過程を経ている(協力 岐阜県産業技術センター)。同じPP繊維だが、中央部のみクレージング処理を施している。

20μm

クレーズ処理後の繊維、多孔質化した部分が明るく写っている。

PP繊維は、後染めができない。

クレージングにより後染めが可能になる。洗濯しても落ちない。

NEW

従来技術とその問題点

<PP繊維を例として>

従来の技術• 染料や機能材を溶融練り込みする。• コーティングする。• プラズマ処理など表面処理により接着性を高めて修飾する。• 超臨界処理により、薬剤分子を注入する。

問題点• いずれの方法も、表面のみが機能の発現に寄与する。• 溶融練り込みでは、酵素など熱に弱い素材を利用できない。• コーティングでは、PPの疎水性を生かせない。• 超臨界処理は、バッチ処理となるため高コストになる。

新技術の特徴

<PP繊維を例として>

• 単純で環境負荷の大きなプロセスを含まない。• コスト面での優位性が高く、既存設備のほとんどを生かせる。• コーティングのように後から処理できる。• 練り込みのように内部にまで薬剤が浸透し、活用できる。• 後染めが可能になるため、衣料品として用途展開できる。• 薬剤の浸透後に、放出量を制御できる。• 薬剤の放出を完全に防ぐことも可能。洗濯しても落ちない。• 酵素など熱に弱い材料を取り込める。• 樹脂内部の薬剤にまでパスが形成され、機能を生かせる。

想定される用途と業界

<PP繊維を例として>

想定される業界• 繊維、衣料品、不織布の製造業とその展開として、自動車、航空機、医療、農業、水産業などに応用できる。

用途例• 水に浮く超軽量衣料品• 永久撥水衣料品• 抗菌PP繊維・不織布• 薬剤徐放性繊維・不織布• タンパク質分解酵素含有繊維・不織布

実用化に向けた課題

<PP繊維を例として>

課題• クレーズ処理前の繊維の強度が十分でない。(クレーズ処理前後の強度変化は、ほとんどない。)

• クレーズ処理速度が遅い。

解決案• クレーズ繊維と補強繊維のマルチフィラメントとすれば問題ない。

• フィルム用装置を転用しているため十分な速度が出ないが、繊維専用とすることで、解決できる。

企業への期待

• 抗菌繊維、後染めPP繊維などは、試作品を作れる段階に達しています。実用化を目指し、生産体制に関する御協力を希望します。

• 本技術は、ハイテク機能材と複合することで、その機能が生きてきます。機能素材の御提案を頂き、共同研究・開発に進みたいと考えています。

• 繊維に限らず、フィルムについても用途展開を積極的に進めています。特に、テスト商品を作成し、実用化の可能性を探る部分の御協力を期待します。

本技術に関する知的財産権

• 発明の名称:クレーズ領域の孔径サイズの制御方法• 出願番号:特願2009‐255062• 発明者: 武野明義

• 発明の名称:気体透過性フィルム及びその製造方法• 出願番号:特願2010‐036165• 発明者:武野明義

• この他、20件以上の申請中、本技術に関する主な特許を保有。

• 岐阜大学 工学部 機能材料工学科武野 明義

TEL&FAX 058‐293‐2629e‐mail: takeno‐info@gifu‐u.ac.jp

• 岐阜大学 産官学融合本部HP:  http://www.yugo‐gifu.jp/

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