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安全に登山を楽しむために

白山フウロ山岳会

2012-5-17

山での最大のリスク。遭難の定義

①病気や怪我などで自力下山できない

②計画書の下山時間を大幅に過ぎる

③事件や自殺以外での死亡事故

プチ遭難にも注意!! ①怪我をしたが自力で下山 ②疲労困憊で下山 ③道に迷って現在地を見失うが自力で下山 などなど軽微な事故やヒヤリハットにも注意が必要

ハインリッヒの法則

一件の大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして300件の ヒヤリ・ハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)が あるとされる。重大災害の防止のためには、事故や災害の発生が予測された ヒヤリ・ハットの段階で対処していくことが必要である。

遭難の概況(警察庁データ)

http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki28/h22_sangakusounan.pdf

事故調査報告(全国連盟データ)

http://www.jwaf.jp/profile/activity/data/pdf/jikohoukoku_060930.pdf

その他の遭難関連HP

http://middleagetozan.com/ ・・・山岳遭難事例から学ぶ安全対策

http://middleagetozan.com/manners/ ・・・登山マナーのHP

それでもあなたは山に登りたいですか?

そもそもあなたはなぜ山に登るのか?

・健康のため? ・山からの展望を見たいから? ・花や草木が好きだから? ・山の幸を採りたい!! ・良い景色を写真に撮りたい!! ・危ない遊びはやめられない!? などなど理由は人それぞれ

でも危険は隣り合わせ。ではどうするか!!

安全に登山をするには

~敵を知り己を知れば百戦危うからず~

事故の原因

内的要因と外的要因

内的要因とは

山へ登る自分の中にある危険要因(ヒューマンエラー) ・山への心構え、準備不足、知識不足、油断、思い込み

外的要因とは

自然に起因した原因 ・山の崩壊、落石、雪崩などの山の地形や状況 ・突然の豪雨、増水、雷などの気象に関するもの ・熊や猪、蜂などの野生生物によるもの

・山への心構え

山は行きたいだけでは行けない!どんな計画で登るのか。

どんな山なのか ルート上の危険箇所や迷いやすい場所は?気象的特徴は? などその山について調べる。

歩行時間、標高、危険箇所の通過などに対して自分の体力・技術は問題ないのか?

装備は十分なのか?メンバーは?

そしてもしもの時の備え;保険にはちゃんと入っていますか? 馬鹿にならない捜索・救助の費用。遭難すれば他の人に迷惑をかけます。

※ 適切なのか判断するためにも計画書は大事

内的要因

内的要因

・山の知識

知らなかったではすまない。自分の命は自分で守る!!

読 図 ; 現在地を把握して正確にルートをたどる。 道迷いは最大の遭難要因

気 象 ; 雨や雷、風、雪、暑さに対する備えがあれば対処も出来るが、 装備や対応が遅れれば命の危険

山のこと ; 地形や風の吹き方、雪庇の出来方など山特有の特徴を 知らなければ判断を間違う

自分のこと; 持病や身体的ハンデなど。体に合った登山をしているか?

→ これだけではない、歩き方、水の取り方、食料、などなど。そして万が一トラブルに遭った場合の対処の仕方など。知らなければならないことは山ほどあります。日々是勉強。ぼけ防止にも・・・。

内的要因

・油断/思い込み/勘違い

本当に大丈夫?その判断。生兵法は怪我の元

・よく分からないけど、大丈夫・大丈夫。行け行け!どんどん! → 根拠のない判断は危険。

・ルートを安易に変更する。そのルート本当に安全? → 事故があっても探してもらえませんよ。

・簡単な山や低山なら危険は無い?→低山には低山の危険がそこに

・注意力散漫・よそ見 → 疲れや油断は転滑落・道迷いの原因

・確か前はこうだった。で道迷い →季節や登山道の崩壊、廃道など状況で変わる山の危険 ※ 事故の多くはヒューマンエラーから判断を人任せにしたりしないで 自分で情報収集や状況判断を考えて。

外的要因

・地形や登山道の状況

・滑りやすい木の根や木道、土質、岩あるいはザレ場で石車に乗る。 急斜面や狭い登山道でバランスを崩すなど、で転倒・滑落 → 足の置き場や危険な箇所での慎重な行動を。

・地形的に落石や雪崩の起きやすい場所がある。 → そんなところで休まない

・広い尾根や平坦地、迷い易い地形、あちこちある踏み跡、全くない踏み跡、 雪で消えた登山道など、道迷いの危険がおいでおいでしている → 方向確認や現在地把握は確実に。 地図、コンパス、そしてGPS使いこなせますか

外的要因

・気象に関すること

・山では常識?天気は変わりやすいことを認識して → 雨、雷、雪。突然の変化に対応出来るように予測と備えを

・霧、濃霧 → まさに一寸先は真っ白。道迷いの原因。更に濡れて低体温も

・風にも注意が必要。 → 体感温度は、1m/sにつき約-1℃。 濡れた体では気化熱で更に寒い。強風に吹かれると低体温の危険

・高度/緯度による気温の違い。 → 100mにつき平均気温 約-0.6℃。 目的の山の標高はいくつですか?その時の気温は?

※気温の変化に対応出来るような装備、備えを

外的要因

・野生生物に関すること

・熊、猪、猿などの大中型獣 → 山は彼らの家。会わないように彼らの習性を学んで

・蛇、蜂、アブ、ブヨ、ダニ、ヒル など → かまれたり、刺されたりしたときの対処をどうするか。場合によって 命に関わる

・植物、キノコ → 食用と毒植物。間違いやすく食中毒には十分注意を

※安全に山を楽しむために、習性や対処法、判別法を学んで

山の危険をどうやって回避しますか?

技術・体力・知力の向上 ◆まずは自分の事を知る 行動体力は?持病は?怪我は? ◆知識を付ける。読図、天気、歩き方等々

無理の無い計画と適切なメンバー、装備 ◆ 自分とメンバーのパフォーマンスに合わせて行動 計画を作成し計画書を元に山行を管理する。 ◆ 季節や目的に合った装備を持つ

計画書の役割

1.計画妥当性の確認・・・メンバー(自分)の力量、装備は十分か?問題点は? 2.メンバーとの山行計画の共有・・・日程、ルート、食料、装備などの確認 3.ルート上の危険箇所の事前情報収集 ・万一事故になった場合は、捜索の基準に。。発見の迅速化、連絡先の確認

※ 計画に無理はありませんか? ・ルート、危険箇所、タイムスケジュール、装備、メンバーは 適切ですか?

※ 計画を理解していますか? ・集合場所・団体装備・必要な装備類・どんなルートで登るのか メンバー全員が理解して行動しないと他のメンバーに迷惑!!

計画書に何を書くか

最低 4W When ;いつ Where;どこへ(山域・ルート) Who ;誰が(誰と) Why ;なぜ(どんな目的で)

更に 2H How long;どんな長さで(距離・時間) How many;どんな量で(装備)

いつ・どこへ(山域)

季節、標高や緯度、地方によって行動時間や 気温が違う

→ 装備や山行タイムスケジュールが変わる

日の出から日の入りまで 長い季節で約15時間 短い季節で約9時間

基本的にはこの間で行動

を計画する

いつ・どこへ

どこへ(どんなルートで)

★ルートにより、危険度や行動時間が違います。 → 高低差、距離、危険箇所の通過 ★遭難時の捜索範囲が決まります → と言うことはルートを勝手に変えると探して もらえない。 あるいは発見までに時間がかかり手遅れに・・

誰が・誰と

何人パーティで行くのか? メンバーに合った計画か? もしもの時の連絡先は?

0%

5%

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20%

25%

30%

35%

H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 平均

パーティ別事故件数割合

0%

10%

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30%

40%

50%

H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 平均

パーティ別死亡者割合

なぜ山へ行くのか

目的を明確にして、心・体の準備を

ハイキング、写真山行、山菜・キノコ山行などの 登山から 雪山、沢、岩、氷、藪などのバリエーション登山まで 目的により求められる体力・技術、装備などが 違います。 → 目的を明確にすることで山への準備を

どんな時間行動するか

山の基本!!早出、早着

・午後から天気が崩れて、雷、夕立に遭う ・日没後の行動で道迷いや行動不能に

体力を過信して長時間行動する

・その日の体調や年齢によって体力は変わるもの 余裕を持った計画を立てる

どんなものを持つか

軽量化は大事だが・・・

①必ず必要、かつ品質が問われるもの ②必要だが、品質を問わないもの・・・食料など ③有ったら便利、嬉しいもの・・・カメラ、嗜好品、GPS等

※最後は金にものを言わせて軽量化!?

どんなものを持つか

軽量化は大事だが・・・

①必ず必要、かつ品質が問われるもの ②必要だが、品質を問わないもの・・・食料など ③有ったら便利、嬉しいもの・・・カメラ、嗜好品、GPS等

※最後は金にものを言わせて軽量化!?

リーダーは、メンバー(含む本人)や状況の変化を判断し安全に登山が出来るように配慮する。 メンバーは、計画書通りに行動できるように気を付ける。 ・集合時間に遅れる。団体装備を忘れる。勝手に 先に行く。など自分勝手な行動は迷惑をかける だけでなく危険にさらすこともある

山行中の行動は

そして必ず下山報告!! 報告無ければ遭難と同じ!

留守宅の心配度合いを考えよう!

常習では留守宅受けてもらえませんよ!

→ 報告有れば安心してお酒が飲める。

山域・日時、目的、留守宅 ・・・山域、目的は明確?留守宅もお願いした?

メンバー情報・連絡先 ・・・目的、計画に対して適切ですか

ルート、行動計画 ・・・無理は無いですか?危険箇所は? エスケープルートも考えて

装備一覧 ・・・必要なものはそろってますか? 団体装備は誰が持ってくるか明確ですか?

食糧計画・下山報告 ・・・楽しみの一つ 報告は山へ行く人の義務!!

白山フウロ山岳会の計画書 フォーマットでは。

山域・日時、目的、留守宅 ・・・山域、目的は明確?留守宅もお願いした?

メンバー情報・連絡先 ・・・目的、計画に対して適切ですか

ルート、行動計画 ・・・無理は無いですか?危険箇所は? エスケープルートも考えて

装備一覧 ・・・必要なものはそろってますか? 団体装備は誰が持ってくるか明確ですか?

食糧計画・下山報告 ・・・楽しみの一つ 報告は山へ行く人の義務!!

白山フウロ山岳会の計画書 フォーマットでは。 白山フウロ山岳会山行規定 (抜粋)

1. 計画書の提出

会員が参加する山行の際には計画書の提出が必要であり会員のいずれかに留守宅を依頼する。計画書は留守宅の他に会員全員にもメール等で届ける。また、会山行等で会員の誰にも都合がつかず留守宅を依頼できない場合は他の山岳会に留守宅を依頼する。 上記山行は、山に関するあらゆる形態を含むものである。(補足参照)

留守宅を依頼する場合は、先に必ず相手の了解を得ること。了解を得ないで一方的に計画書を送りつけてはならない。 A 計画書には ①山名・山域、②ルート、③メンバー、④入・下山予定日時 ⑤家族等の連絡先、⑥山行形態を必ず記載する。 B 装備、食糧、エスケープルート、予備日などは山行内容により適宜記載する。 C 下記1‐4ⅲについては電話(留守宅者は必ずメモを取る)、Eメール、FAX、郵送、メモ手渡

しなどにより上記①~⑥を留守宅者に伝え、その了解を得ることで計画書提出に代えることが出来る。 D 同居家族がいる場合、必ず計画書を渡すかまたは最低上記6事項を伝えておく。 届け出期限 ⅰ 危険な箇所の通過を伴う山行、または大きな山行は、1週間前 ⅱ 山中での泊(テント、山小屋など)を伴うものは、2日前 ⅲ 大きな危険を伴わない日帰り山行計画の届け出、メンバー増減を含む計画変更や 山行中止の届け出は原則として前日まで、遅くとも当日朝までとする。

山域・日時、目的、留守宅 ・・・山域、目的は明確?留守宅もお願いした?

メンバー情報・連絡先 ・・・目的、計画に対して適切ですか

ルート、行動計画 ・・・無理は無いですか?危険箇所は? エスケープルートも考えて

装備一覧 ・・・必要なものはそろってますか? 団体装備は誰が持ってくるか明確ですか?

食糧計画・下山報告 ・・・楽しみの一つ 報告は山へ行く人の義務!!

白山フウロ山岳会の計画書 フォーマットでは。

白山フウロ山岳会山行規定 (抜粋)

2.下山後の報告

2-1.下山後、留守宅に下山届けをする。これは連絡のつく場所に来たらただちに 電話報告で行う。留守宅者の希望により、メールなどの通信手段での報告も 可とする。(下山が深夜・早朝に及んだ場合でも必ず連絡すること)

2-2.山行終了後、出来るだけ速やかに山行記録又は報告書を担当者に提出する。

2-3.山行記録は記録係がルート、歩行時間を記録し報告する。他メンバーは全員、 感想文を提出する。

登山は自己責任! 人任せではなく各自情報収集、レベルアップを 図り安全な登山を楽しんでください。

遭難したら如何に迷惑がかかるのかよく考えて 慎重な行動を

山にもルールがあります。ルールを守って気持ちよく山を楽しみましょう。

~以上~

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