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令和元年度 6次産業化 優良事例表彰 6次産業化アワード 優良事例集 2020年2月 農林水産省 食料産業局 産業連携課 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 TEL.03-3502-8246(直通) https://www.maff.go.jp/ 野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社 〒100-8170 東京都千代田区大手町2-1-1 大手町野村ビル22階 TEL.03-3281-0780 https://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/napa/ 企 画・制 作 6次産業化推進協議会 堀口 健治 座長 雨宮 隆一 株式会社エムアイフードスタイル 執行役員 営業統括本部 商品部長 兼 外販統括本部付 部長 井村 辰二郎 株式会社金沢大地 代表取締役 紺野 和成 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 営業推進部 部長 藤井 利行 カゴメ株式会社 野菜事業本部 ベジタブル・ソリューション部 フィールドグループ 専任部長 都留 正伸 全国地方新聞社連合会 会長 西日本新聞社 執行役員 東京支社長 早稲田大学政治経済学術院 名誉教授 日本農業経営大学校 校長 あなたの住む地域には沢山の優れた素材があります。その素材を農林漁業者が異業種や地域とのつながりで 更に付加価値の高いモノへと変えていく。そして地域の未来をも変えていく。 地域を活かし、つながりを作る“6次産業化”が新たなビジネスを生み出す。 (順不同) 令和元年度 6 次産業化 優良事例表彰 令和元年度 6 次産業化 優良事例表彰

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Page 1: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

令和元年度 6次産業化 優良事例表彰 6次産業化アワード 優良事例集2020年2月

農林水産省 食料産業局 産業連携課〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1TEL.03-3502-8246(直通)https://www.maff.go.jp/野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社〒100-8170 東京都千代田区大手町2-1-1 大手町野村ビル22階TEL.03-3281-0780https://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/napa/

発 行

企 画 ・ 制 作

6次産業化推進協議会

堀口 健治座長

雨宮 隆一 株式会社エムアイフードスタイル 執行役員 営業統括本部 商品部長 兼 外販統括本部付 部長

井村 辰二郎 株式会社金沢大地 代表取締役

紺野 和成 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 営業推進部 部長

藤井 利行 カゴメ株式会社 野菜事業本部 ベジタブル・ソリューション部 フィールドグループ 専任部長

都留 正伸 全国地方新聞社連合会 会長西日本新聞社 執行役員 東京支社長

早稲田大学政治経済学術院 名誉教授日本農業経営大学校 校長

あなたの住む地域には沢山の優れた素材があります。その素材を農林漁業者が異業種や地域とのつながりで更に付加価値の高いモノへと変えていく。そして地域の未来をも変えていく。

地域を活かし、つながりを作る“6次産業化”が新たなビジネスを生み出す。

(順不同)

令和元年度 6 次産業化 優良事例表彰令和元年度 6 次産業化 優良事例表彰

農林水産祭参加行事

Page 2: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

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農林水産大臣賞

令和元年度

有限会社ワールドファーム茨城県

6次産業化アワード

若い担い手の育成と全国の遊休農地を活用した業務用野菜の生産・加工・販売 ビジネスモデル・連携図

取組の特徴と強み国内13か所で遊休農地や耕作放棄地を引き受け、キャベツやほうれん草、小松菜、ごぼう、人参、トマトなどの野菜の大規模露地栽培を行う。年間の生産量は約8千~1万トン、全国での作付面積は約700ha。農業の無駄や非効率を解消し、儲かる農業を実践するために、加工場を建設して6次産業化に取り組む。また、収穫や定植など一定期間のみ多くの人手が必要な場合には、他の直営農場の人材を数十人単位で投入することが可能な「集団農業」の仕組みを構築。

生産した農産物を自社の加工場(カット工場1か所(茨城県)、冷凍工場2か所(熊本県、鳥取県))で1次加工を行う。

事業者の概要

有限会社ワールドファーム茨城県つくば市

約8年で一人前の担い手を目指す教育プログラムを導入し、若手の育成にも積極的に取り組んでいる。そのため、社員80名の平均年齢は30歳と若い。

加工品は、販売や他社との提携窓口として設立したONLY JAPANを経由し、食品メーカーや外食等に業務用として販売。

取り組む際に生じた課題と対応策耕作放棄地での生産は安定するまでに時間がかかる試験栽培を繰り返し、土壌改良を重ねることで、安定した生産を行うためのPDCAを回す仕組みを構築した。

加工場等の建設には多額の資金が必要となるが、資金調達には限界がある資金力があり、農業・地域振興に強い関心、使命感のある企業との連携によって、課題を克服した。

取組の成果儲かる農業、若い担い手の育成に取り組めた。その結果、5年間で売上は2.4倍、従業員数(正社員)は2倍に拡大。入社倍率は20倍にもなっている。

約40の自治体から進出要請があり、取引先からは現在の生産量の10倍(年間10万トン)以上の生産依頼の要請が寄せられている。

今後の事業展開・現在の課題

中長期的には、冷凍食品需要が伸びている国に日本産の冷凍野菜原料を輸出することを検討。

資金力・地域振興意欲のある事業会社や資本市場を活用したファイナンスにより、120か所程度の冷凍加工場(1か所あたり事業費10億円)を企業との連携により整備し、日本に輸入されている冷凍野菜100万トンのうち50万トンの国産化を目指す。

事業者の沿革2000年 農業未経験者を中心に、茨城県つくば市で有限会社ワールドファーム設立

2002年 キャベツのカット工場をつくば市に建設し、加工事業(6次産業化)を開始

2014年 農産物の国産化と若い担い手を育成する農業と関連産業の地域一体化プロジェクト     「アグリビジネスユートピア構想」を開始

2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設

2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

2019年 兵庫県姫路市と進出協定を締結。同時に大手企業3社との姫路市での業務協力の覚書を締結

所在地 : 茨城県つくば市谷田部3395-1

代表者 : 代表取締役 上野 裕志

従業員数 : 80名

売上高 : 1,674百万円(2019年6月期)

事業内容 : 農業(大規模露地野菜)および     食品加工業(生鮮カット・冷凍・乾燥)

鳥取工場の加工風景 若いプロの担い手

各地に分散した農場の生産状況を的確に把握し、出荷を管理する必要がある商品を安定的に供給できるように、別会社ONLY JAPANを立ち上げ、各農場の生産状況の管理と販売機能を集約化することで効率的な経営を実現している。

ほうれん草の収穫風景 ほうれん草加工 商品(冷凍ほうれん草)

ワールドファーム自社栽培

(年間作付700ha)全国13拠点

ワールドファーム自社加工場

カット工場1か所冷凍工場2か所

農産物の国産化や安定調達に取り組む

食品メーカー外食コンビニ給食 等々

全国の自治体

契約農家約40戸

中電工ワールドファーム(合併会社)

進出協定締結

定植・収穫サポート

出資

(株)中電工※中国5県の生産パートナー 出資

グローリー(株)NECキャピタルソリューション(株)あおみ建設(株)

コマツ※耕作放棄地解消実証 等

サイバーダイン(株)

国産化連携

ロボット実証

スマート農機実証

ほうれん草キャベツ等

ほうれん草キャベツ等

冷凍ほうれん草カットキャベツ等

冷凍ほうれん草カットキャベツ等

出資 出資

キャベツ

販売会社ONLY JAPAN

直営農場・提携農場の産地リレーをコントロール

商社

キューピー

ワールドファームグループ

Page 3: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

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食料産業局長賞

令和元年度

有限会社伊豆沼農産宮城県

6次産業化アワード

地域の生産者の組織化により事業を発展させ、農泊・食農体験も展開

取組の特徴と強み養豚は年350頭を肥育。耕種は水稲(3ha)、ブルーベリー(30a)を栽培。地域の生産者を組織化し、豚肉生産の外部パートナーとして伊達の赤豚会、赤豚出荷組合と連携した6次産業化の事業を展開している。

食肉製品製造、食肉処理、総菜製造、アイスクリーム製造などに取り組む。乳酸発酵甘酒である「初恋さくら」は地元の宮城県立登米総合産業高校、宮城県産業技術総合センターとの連携により商品化。農商工連携だけでなく産学官連携にも取り組んでいる。

直売マーケットでは、100戸超の農家で構成される伊豆沼農産直売会と連携して野菜を販売。

事業者の概要・沿革伊豆沼農産創業。創業と同時にレストランも開店翌年㈲伊豆沼農産設立三越仙台店に伊豆沼ハムショップを出店現在の所在地に加工所と小さな直売所を設置現在のレストランと直売所を開店都市農村交流館、生ハム体験工房をオープンIFFA2019(ドイツ国際食肉加工品コンテスト)金賞受賞、ディスカバー農山漁村(むら)の宝ビジネス部門選定

1988年

1990年2000年2014年2015年2019年

所在地 : 宮城県登米市迫町新田字前沼149-7

代表者 : 代表取締役 伊藤 秀雄

従業員数 : 40名(臨時雇用含む)

売上高 : 502百万円(2019年2月期)

事業内容 : 養豚、食肉加工、外食、直売所運営など

ビジネスモデル・連携図

農泊・食農体験部門を設置し、都市農村交流、食農教育、インバウンド対応の取り組みを実施。食農教育では、新田小学校の4年生に学習田を提供して、田植えや稲刈りを体験してもらう「ふゆみずたんぼ」の取り組みを行っている。

取組の成果豚肉生産では新田地区で6戸、宮城県県北で13戸を組織化。また、伊豆沼農産直売会の会員は100戸を超え、地元農家の所得向上に寄与している。

今後の事業展開・現在の課題農泊・食農体験などの観光事業の更なる発展を目指す。伊豆沼農産が中心となって、インバウンド向けの対応マニュアルなどを整備・普及しながら、地域内の観光事業を拡大する。

1社で100億円の売り上げを目指すのではなく、地域資源を活用した1億円企業が国内に100社できるビジネスモデルの普及を想定。

6次産業化に取り組んだことで、情報の発信力が強まった。海外からも、アルバニアの農業大臣やイギリスの著名なユーチューバーが来訪するなど、地元の知名度向上につながっている。

体験工房の生ハム

直売会

赤豚出荷組合他 JA

生産部門

養豚、耕種

加工部門

食肉製品製造、食肉処理、総菜製造、

アイスクリーム製造など

販売部門

レストラン、直売マーケットなど

農泊食農体験部門

都市農村交流施設、生ハム体験工房など

量販店百貨店商社など

消費者

大形生産組合

作業の委託

行政・大学

商品開発・販路開拓

地元農家 食農体験協議会

農泊・食農体験の受け入れ

伊豆沼農産

食料産業局長賞

令和元年度

十勝清水コスモスファーム(有限会社コスモス)北海道

6次産業化アワード

経済価値が低いとされていたブラウンスイス牛をブランド化

取組の特徴と強み一般的な食肉流通に乗らず、経済価値が低いとされていたブラウンスイス牛の雄牛を肥育し、牛肉をコンビーフとして商品化。ブラウンスイスの牛肉のブランド化は、日本で唯一の取組。

哺育、育成、肥育、加工品開発・販売と、食肉加工以外の部分は自社で行う体制を構築しているため、ターゲットやマーケットニーズにきめ細かく対応した生産・加工・販売が可能。

自社にノウハウのない食肉加工、外食、デザイン等は、地域内の連携する専門業者に任せることで、経営資源の分散を抑えつつ、地域経済の好循環に寄与している。

事業者の概要・沿革ホルスタイン肥育を主として創業ブラウンスイス牛が子牛市場での購入間違いで初めて到着したのを契機に肥育開始ブラウンスイス牛のブランド化に着手し、加工品(コンビーフ)の開発・販売を開始ホルスタイン肥育から付加価値の高い黒毛和牛の繁殖・肥育及びブラウンスイス牛の肥育・加工への業態転換に着手

1987年2011年

2015年

2016年

所在地 : 北海道上川郡清水町字御影南5線51番地7

代表者 : 代表取締役 安藤 智孝

従業員数 : 14名(役員・パート含む)

売上高 : 883百万円(2019年4月期)

事業内容 : 和牛繁殖・肥育、交雑牛肥育・育成(哺育     代行)、ブラウンスイス牛肥育、加工品     の開発・販売など

ビジネスモデル・連携図

希少種のブラウンスイス牛は、ブランドのフラッグシップとして活用。経営全体では、付加価値の高い黒毛和牛の繁殖・肥育と直売に業態を転換し、安定的な売上・利益を目指す戦略性の高い6次産業化のビジネスモデルを構築。

取組の成果ブラウンスイス牛を飼養する酪農家にとって課題であった雄牛の利活用方法を開拓。雄牛が生まれると処分料を負担していたが、販売することで新たな収入となった。

今後の事業展開・現在の課題現在200頭まで増頭してきた黒毛和牛の母牛を300頭まで拡大して繁殖事業を軌道にのせ、黒毛和牛で繁殖・肥育・販売の一貫経営を実現したい。

ブラウンスイス牛は今後ともブランドイメージを象徴するフラッグシップとして加工品や販路を充実させたい。

地元の土産店や小売店等では、コンビーフを新たな定番商品として販売。十勝管内の小売店だけでも年間約2千個が販売されている。

肥育中のブラウンスイス牛

酪農家 和牛農家(繁殖・肥育)

雄子牛 子牛

成牛 枝肉加工品

商品共同開発・販売業務委託

育成済子牛素牛

生産部門【肉用牛生産】 ・和牛繁殖 ・和牛肥育 ・交雑牛肥育 ・交雑牛育成 ・ブラウンスイス牛肥育

販売部門・加工品開発・ブランディング・販売

・とかち財団(研究・開発)・ノーステック財団(支援)・帯広畜産大学(研究)・帯広信用金庫(商談会)

十勝清水コスモスファーム(有限会社コスモス)

肉質研究・新商品開発支援・販路拡大支援

・牛の屠畜・枝肉の解体/1次加工・コンビーフ等商品加工

㈱北海道チクレンミート・食肉加工業者・飲食店等の連携企業

その他地域の連携企業

レストラン百貨店小売店卸業者

催事等イベント出店

正肉・肉加工品

正肉・肉加工品(ネット通販)

消費者

Page 4: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

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食料産業局長賞

令和元年度

株式会社ザファーム千葉県

6次産業化アワード

農を基軸に観光と融合した6次産業化の新たなビジネスモデル

取組の特徴と強み90戸超の農家が組合員となっている農事組合法人和郷園を中心とした和郷グループの一員として農園リゾートを展開し、年間の来訪者は約20万人に上る。

地域の高齢化や休耕地が拡大していく様子を目の当たりにして一念発起。農村地域で自然、文化、交流を楽しむ滞在型余暇活動の文化を日本に根付かせたいという構想を実現しようと、農業を中心に据えた体験型のリゾート施設運営を開始した。

全体で10haの敷地内にある農園(2ha)では、1年を通じて約50品目の野菜が作付けされている。一番人気のサービスは、様々な季節の野菜の収穫体験。また、レストランカフェ・かりんの湯の食事処・BBQでは地元の野菜をふんだんに使った料理を提供している。

事業者の概要・沿革天然温泉「かりんの湯」開業㈱和郷のTHE FARM事業部として貸農園開業㈱ザファームを設立し、グランピングやアクティビティ運営を開始農林漁業成長産業化ファンドによる出資支援宿泊コテージ増設

2009年2010年2016年

2019年

所在地 : 千葉県香取市西田部1309-29

代表者 : 代表取締役社長 武田 泰明

従業員数 : 130名(臨時雇用含む)

売上高 : 658百万円(2019年7月期)

事業内容 : 宿泊業、温浴施設運営、各種農業体験等の     サービス事業

ビジネスモデル・連携図

宿泊業では、グランピング(32棟)、コテージ(17棟)、自分でテントを持ち込めるキャンプ場を運営している。また、会議室の施設もあり、企業・団体の研修等にも利用されている。

スタッフの適材適所への配置や、マナー教育を徹底し、利用リピート率、お客様満足度ともに高水準での運営を実現している。

取組の成果国内の個人客だけでなくインバウンド旅行者や国内企業研修等の誘致により、地元の交流人口の増加に貢献している。また、2018年における施設の稼働率は73%と高い水準となっている。

今後の事業展開・現在の課題地元の自然を財産に、田舎ならではの農業・アウトドア体験のサービスを更に開発することでファンを増やし、持続可能な地域活性化と地域農産物のブランド化を目指していく。

近隣のレストランや観光施設と一層連携し、地域全体の交流人口を増やし、地方の活性化に貢献していく。

インスタグラムをはじめとしたSNSでの情報発信に力を入れた結果、フォロワーが1万4千人を超え、地域の活性化やブランド化に貢献している。

グランピング施設

食料産業局長賞

令和元年度

株式会社いえじま家族沖縄県

6次産業化アワード

伊江島産小麦「江島神力」の生産・加工で島を守っていく

取組の特徴と強み伊江島の小麦生産者16戸と「いえじま小麦生産者組合」を結成し、島内の農家から遊休農地を借りて小麦の生産を受託。伊江島産小麦の「江島神力」を生産している。無農薬栽培に取り組むなど、安全・安心にもこだわり、2015年には沖縄で初めてとなる1等級の小麦に選定された。

自社加工場で小麦を製粉し、小麦チップス「ケックン」を製造。また、地元の製麺企業と連携し、伊江島産小麦100%使用のそば(小麦めん)の製造やオリオンビールとの協働による「琉球ホワイトエール」(クラフトビール)の開発も行っている。

伊江島を訪れる観光客向けに、伊江港内でレストラン「いーじま・とぅんが」を運営し、伊江島産小麦100%使用のそばを使った沖縄そばを提供。また、地元の伊江牛や伊江島産の農産物、水産物を使った料理も提供し、地産地消にも取り組んでいる。

事業者の概要・沿革土地改良を行い、小麦組合を立ち上げ、生産活動を開始伊江港内にレストラン「食事処いーじまとぅんが」を開店「株式会社いえじま家族」設立ネットショップをオープン、伊江島産小麦チップス「ケックン」が最良特産品優秀賞受賞いえじま家族加工センター完成ディスカバー農山漁村(むら)の宝優良事例選定地産地消等優良活動表彰食料産業局長賞受賞「ケックン」が、伊江島のリゾートホテルで、ウェルカムサービス用菓子に採用

2011年2013年2014年

2015年2016年2018年2019年

所在地 : 沖縄県国頭郡伊江村字川平200番地

代表者 : 代表取締役社長 玉城 堅徳

従業員数 : 21人(正社員18人、パート3人)

売上高 : 76百万円(2018年8月期)

事業内容 : 小麦の生産・加工、直売所の運営

ビジネスモデル・連携図

今後の事業展開・現在の課題県内外の事業者から小麦の引き合いが強いため、作付面積を拡大するとともに、栽培技術の統一・向上を図ることで安定生産を目指す。

小麦チップス「ケックン」の製造が需要に追いついていないため、加工施設の規模を拡大し、製造体制を整えていく。また、新商品の開発も検討。

「離島における農業体験学習」の取り組みを強化し、「農業×観光」のみならず、食育・農業体験を組み入れた「農業×教育」分野の確立を目指す。

取組の成果島を守るために、小麦の生産、加工はすべて伊江島で行い、人口約4千5百人の離島において、20名以上の雇用を創出している。

5tから始めた小麦の生産は、2016年に17t、2017年には33tに増加し、伊江島の特産品の中で1番の売上となっている。

いえじま小麦生産者事業組合から小麦を全量買い取ることによって、生産者の所得安定に寄与するとともに、従来から栽培している農作物の輪作作物として生産者の新たな収入源になっている。

主力商品のケックン

(農)和郷園野 菜

地元農林漁業者

自社農園

肉、魚、果物

野菜、果物

㈱和郷

野菜、加工品

出 資

研修施設

宿泊施設

温泉施設

レストラン

みやげ店舗

貸 農 園

体験型アクティビティ

インターネット販売

地元観光施設

企業・団体

インバウンド旅行客

国 内消費者

連 携

県内生産者

生産、受託

いえじま小麦生産者組合16戸

EM研究機構

遊休農地

直売所

琉球ホワイトエール(クラフトビール)

沖縄県産業振興公社

製粉、加工

島内消費者

県内消費者

観光客

事業化支援

商工会

品質研究

レストラン

道の駅スーパー

島内住民(民泊) 修学旅行生

オリオンビール

㈲タマレンタ企画

体験民泊

㈱ザファーム

Page 5: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

奨励賞

令和元年度

6次産業化アワード

地方活性化賞

98

食料産業局長賞

令和元年度

しろう農園合同会社沖縄県

6次産業化アワード

宮古島の気候風土を活かしたアロエ、ヤギ、蜂蜜のシナジーを目指した挑戦

取組の特徴と強み宮古島の気候風土を活かしてアロエベラを露地栽培。ヤギにアロエ畑の雑草を食べさせ、糞をたい肥にして畑に戻す無農薬循環型農業を行っている。アロエの生葉・苗のネット通販のほか、ゲル原液、ジュース等の加工品を生産・販売している。

アロエ畑にヤギのいる風景がメディア等に取り上げられて話題となり、農園への訪問者が増えたことから、ヤギと安全に楽しくふれあえる観光牧場を開園し、子ヤギへのミルクやり体験やカフェ、売店でのアロエベラ関連商品の販売を開始。

ヤギ1頭1頭にも名前を付けてキャラクター化し、インスタグラム等のSNSも活用しながらブランド力を強化している(キャラクターブランディング)。

事業者の概要・沿革砂川代表が兼業農家としてアロエベラ栽培開始アロエベラ栽培の専業農家となるアロエベラ加工工場が竣工し、ジュース製造等を開始(宮古島サンゴ農園)アロエベラ栽培を法人化して「しろう農園」を設立琉球大学との産学共同研究スタートヤギふれあい牧場「go at café」開園養蜂・蜂蜜生産開始

2000年2006年2015年

2016年2018年2018年2019年

所在地 : 沖縄県宮古島市上野字宮国177-2

代表者 : 代表社員 砂川 勇人

従業員数 : 11人(役員・パート含む)

売上高 : 29百万円(2019年6月期)

事業内容 : アロエベラの栽培、ヤギの飼育、アロエ     ベラ生葉・苗及び加工品(ゲル原液、     ジュース等)の販売、観光サービス等

ビジネスモデル・連携図

今後の事業展開・現在の課題アロエ事業、ヤギ事業を主軸に、近年増加している宮古島への観光客の需要を取り込み、事業の更なる発展を目指す。また、ヤギミルクのヨーグルト等の加工品製造を新たに行い、事業間の相乗効果も狙っていく。

長期滞在が可能な体験型宿泊施設を建設し、農園での様々な体験による心身のリフレッシュや、冬場でも楽しめる新たな観光資源の創出を目指す。

取組の成果無農薬栽培のアロエ畑で養蜂を開始し、所得向上につながる蜂蜜生産等の新たな取組を拡大。

冬場の観光資源が課題となっている沖縄において、通年楽しめる体験型施設として期待されている。また、動物園のない宮古島で、子供が手軽に動物と触れ合える場として地域住民にも喜ばれている。

アロエ畑とヤギ

株式会社NIKI Hillsヴィレッジ北海道

地域活性化・地方創生の核となるワイナリー

取組の特徴と強み糖度の高いぶどうをワイン醸造に使用するため、近隣のワイン用ぶどう農家と連携し、時期を遅らせて収穫。腐食などのリスクも伴うため、従来町外に販売していた価格より高く買い取っている。近隣農家と自社の畑を隣接させ、収穫から搾汁まで短時間で行うことにより、ワインの風味を高めている。

350年以上続くフランス・シャブリ村のワイン生産者ドメーヌ・セルヴァンと提携し、苗木の供給や栽培・醸造技術の指導を受け、高品質なワインを醸造する高い技術を有している。また、地域住民の雇用に力を入れており、地域の果樹栽培のノウハウを共有することで、地域内で質の良いふどうの安定生産にも寄与。

レストラン兼宿泊施設において、地元女性を積極的に雇用している。更に、「農業女子プロジェクト」に参加し、ワイン醸造の際に生じるぶどうの搾りかすを有効利用した天然素材クレヨンの開発など、女性の視点を活かしている。

事業者の概要・沿革株式会社NIKI Hillsヴィレッジ設立ぶどう苗木の初植え付け宿泊・研修・冒険記念館施設、レストラン、地下樽庫完成6次産業化アワード奨励賞受賞「Decanter World Wine Awards 2019」にて「HATSUYUKI Filterless 2017」が銀賞を受賞「International Wine Challenge 2019」にて「HATSUYUKI LATE HARVEST 2016」「NEIRO 2017」が銀賞を受賞グランドオープンを迎え全施設が稼働

2015年2016年2017年2018年2019年

所在地 : 北海道余市郡仁木町旭台148-1

代表者 : 代表取締役社長 石川 和則

従業員数 : 28名(臨時雇用含む)

売上高 : 116百万円(2019年9月期)

事業内容 : 地元産ワイン用ぶどうを使ったワインの     製造・販売

ビジネスモデル・連携図

設立当初から地方創生を理念として掲げており、仁木町および余市町と連携し、北海道日本ハムファイターズとのコラボワインの販売やニッカウヰスキーとの連携に取り組んでいる。

取組の成果観光事業によって雇用を生み出した結果、2018年に仁木町で住宅建設の補助をした件数は14件、人口は30人増加(社会増)。

今後の事業展開・現在の課題2019年秋より、自社畑で育ったぶどう(11トン)を用いたワイン醸造も始める。自社畑では、ぶどうの糖度に更にこだわり、よりおいしくて付加価値の高いワインの醸造を目指す。

今後は、輸出事業にも注力し、海外へのアピールを積極的に行っていく。

本取組をモデルに、新たにワイナリーを設立しようとする動きも出ている。今後は、仁木町周辺で8、9か所の新規ワイナリーが設立される予定。

ワイン用ぶどうの手入れ

琉球大学農学部

アロエとヤギの6次産業化共同研究

沖縄TLO 6次産業化サポートセンター

離島特産物マーケティング支援

プランナー派遣

自社農場3ha

しろう農園合同会社アロエ生葉・苗

島内契約生産者

28戸12ha

・アロエベラ1次加工・蜂蜜製造

・アロエゲル原液生産

・ジュース等加工作業受託・出荷作業受託

役員兼務

土地貸与

設備貸与

加工・出荷作業委託

化粧品

化粧品

アロエジュース

宮古島サンゴ農園㈱【加工工場所有】

・アロエベラジュース生産 出資

アロエジュース

アロエゲル原液

原料供給

コーラルコミュニケーションズ㈱ 消費者

百貨店等

消費者

食品会社化粧品会社

生産委託 アロエうどん、化粧品等

ネット通販

直売所・カフェ

ヤギふれあい牧場

アロエジュース

観光サービス

生産委託

仁木町・余市町

㈱NIKI Hillsファーム(ワイン用ぶどう、果樹栽培)

宿泊施設レストラン

ワイン用ぶどう ワイン等 販売

ホテル、レストラン、料亭、百貨店等

ワイン等 販売

イベント企画会社

地域金融機関、パートナー企業

施設賃貸

サービス提供近隣ぶどう農家2戸

(ワイン用ぶどう生産)

ドメーヌ・セルヴァン(フランス・シャブリ村)

アサヒビール㈱

ワイン用ぶどう

ワイン・ジャム・ジュース等製造

一般消費者

業務提携

包括業務提携

地方創生で連携

経営支援北海道中小企業総合支援センター

北洋6次産業化応援サブファンド

DACグループ

出資

NIKI Hillsヴィレッジ

Page 6: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

1110

奨励賞

令和元年度

秋田やまもと農業協同組合秋田県

6次産業化アワード

そら豆生産から手掛け、手仕込みで作る国産初の豆板醤

取組の特徴と強みJA秋田やまもとの組合員のそら豆生産農家19戸から、JA秋田やまもとそら豆加工グループが規格外品のそら豆を買い上げ、6か月熟成した豆板醤に加工。直売所や直営オンラインショップ、卸売業者を通じて一般消費者、レストラン、学校等に販売している。

そら豆の規格外品の利用として、豆板醤に着目。国内で仕込みから豆板醤を製造している事業者がなく、差別化につながると考えた。6次産業化プランナーや百貨店のバイヤーなど地域内外の様々な人に支えられ商品開発に成功している。

商品を購入した消費者から「もっと辛い商品が欲しい」という声を受け、辛口の商品を開発した。更につながりのあるシェフの要望に応えた商品の開発にも取り組むなど、マーケットインの発想でニーズに沿った商品開発を徹底して行っている。

事業者の概要・沿革水田の転作作物としてそら豆栽培を開始規格外品の有効活用のため、そら豆部会加工グループを設立し、豆板醤の仕込みを開始6か月熟成した豆板醤を初出荷(1か月で完売)百貨店のバイヤーから紹介された著名なシェフのアドバイスを基に新商品開発プロジェクトを開始オール秋田県産原材料を使用した豆板醤を仕込む(2020年春に一部出荷予定)

1987年2001年

2002年2009年

2018年

所在地 : 秋田県山本郡三種町鹿渡字町後270

代表者 : 組合長 米森 萬壽美

従業員数 : 126名(臨時雇用含む)

売上高 : 5,737百万円(2019年3月期)

事業内容 : 特産品はじゅんさい(生産量日本一)、       水稲、長ネギ、菌床シイタケなど

ビジネスモデル・連携図

取組の成果生鮮のそら豆は価格変動が大きく、収入が安定しにくいが、豆板醤の製造・販売が下支えとなり、そら豆を栽培する農家は増加傾向にある。

今後の事業展開・現在の課題2020年春にオール秋田県産の原材料を使用した、高品質な豆板醤を販売する予定であり、既存の商品と差別化を図った商品として更なる収益向上が見込まれる。

豆板醤は三種町のそら豆にこだわり、製造を続けていく方針。また、豆板醤だけでなく、そら豆を使った他の製品開発(そら豆の味噌など)を検討している。

製造した豆板醤は、県内の学校給食に採用され、卸売業者を通じて首都圏の学校給食でも使われている。更に、学校給食に採用されたことが縁となり、東京都から鉢植えのそら豆を送ってくれないかという声が掛かり毎年送っている。東京都ではその鉢植えのそら豆を食育に活用している。

豆板醤の仕込み作業

奨励賞

令和元年度

株式会社そば研秋田県

6次産業化アワード

国産化推進賞 里山地域資源活用賞

中山間地域で栽培したそばの加工・販売を展開

事業者の概要・沿革羽後町内の中山間地域の耕作放棄地解消を図るため「羽後町そば栽培研究会」を設立。3haでそばの栽培を開始そば栽培面積が100haを超える地元農業法人の協力により製粉施設を開設「羽後町そば栽培研究会」を法人化し「株式会社そば研」を設立そば研の呼びかけで「秋田県そば生産者連絡協議会」を設立。JGAPを取得。そば栽培面積が320haを超える

1998年

2003年2006年2012年2019年

所在地 : 秋田県雄勝郡羽後町大戸字大戸54

代表者 : 代表取締役 猪岡 専一

従業員数 : 18人(パートを含む)

売上高 : 143百万円(2018年12月期)

事業内容 : そばの栽培、加工、販売

ビジネスモデル・連携図

取組の特徴と強み1998年に「羽後町そば栽培研究会」を設立。羽後町の全額助成により、そば用コンバイン・乾燥機・選別機を導入して作付面積3haからそば栽培を開始した。コンバインの導入で周辺農家の信頼が高まり、会員数は2002年には110名、2003年には241名、2004年には328名に急増した。

そば消費の拡大を図るため、2006年に地元農業法人の協力により製粉施設を開設し、ヌキ実やそば粉の加工を開始した。そば粉は地域のそば店等に供給し、地産地消に取り組んだ。

秋田県内のそば生産組織でいち早く大型の製粉施設を整備。ヌキ実やそば粉を中心とした出荷体制を構築し、関東の製粉会社と連携して関東方面への積極的な営業を展開するなど、販路の開拓に努めている。品質管理の向上のため2019年4月にJGAPを取得。更に加工工場へのHACCPの導入も視野に入れている。

今後の事業展開・現在の課題商品の多様化を図るため、製粉会社と連携し、関東方面の販売先に、地場産の野菜(春菊、辛味大根)やマイタケ等を組み合わせたそばのセットメニューを提案している。

今後は地域の担い手の人数に合わせ、持続可能な範囲で作付面積を増やす予定。また、そば=水稲=大豆の輪作体制の構築により農業生産性の向上を目指す。

取組の成果新たな製粉施設の導入により、「ヌキ実」、「石臼粉」等の商品の多様化を図ることができた。

そば研が認定農業者として経営所得安定対策に加入し、法人の収益安定を図った上で、地元農家グループへの作業委託を通じて、地域に収益を還元している。その結果、中山間地域を中心に耕作放棄地の増加に歯止めをかけることにも貢献。

そば研のそば粉を使用したそば

組合員そら豆農家19戸

そら豆加工グループ5名

直売所オンラインショップ

そら豆規格外品

脇屋友詞氏 全農あきた 6次産業化プランナー

商品開発アドバイス

衛生管理アドバイス

商品開発・販路拡大支援

納品 一般消費者

レストラン学校等

納品

販売

販売

秋田やまもと農協

卸売業者

地元農家5グループ

農家600戸程度

農作業委託

栽培委託 製粉加工受託 販売

そばの栽培 自社製品加工

受託加工(OEM)

そば屋彦三 消費者

そば店

飲食店

自社製品卸売

そば研

製粉会社

Page 7: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

1312

奨励賞

令和元年度

株式会社赤城深山ファーム群馬県

6次産業化アワード

品質にこだわったそばづくりを通じて耕作放棄地を再生

取組の特徴と強み代表者はそば店経営の経験から、そば粉の品質(色、味、香り)にこだわり、生産から加工・販売に至る過程で徹底した品質管理を行っている。

夏そば・秋そばの二期作を実現し、年2回の「新そば」を提供する。ほ場の標高差(200m~800m)を利用して作期を分散し、農地と機械を効率的に利用している。収穫は色・風味を重視し、一般的な収穫時期よりも早めに実施。収穫時は通気性にすぐれたネット袋を使用。1次乾燥を速やかに行い、更に専用乾燥機による2次・仕上げの乾燥を行って鮮度保持に努めている。

作業効率は低いが、製粉は品質劣化の少ない石臼引きを採用。原材料・製品ともに温湿度を一定に保った保冷庫で出荷直前まで保管している。顧客(そば店)のニーズに対応し、石臼の設定や配合の調整により、希望に応じた粉質の製品を提供できる体制を整えている。

事業者の概要・沿革新規就農者として渋川市赤城地区でそば栽培を開始全国そば優良生産表彰事業で農林水産大臣賞を受賞法人化し、六次産業化法に基づく総合化事業計画の認定を受ける全国農業コンクールで農林水産大臣賞を受賞そばの作付面積が延べ200haを超える規模まで拡大

2005年2011年2013年2015年2019年

所在地 : 群馬県渋川市赤城町長井小川田4610-54

代表者 : 代表取締役 髙井 眞佐実

従業員数 : 16人(パート含む)

売上高 : 154百万円(2018年12月期)

事業内容 : そばの栽培、加工、販売

ビジネスモデル・連携図

販売については、冷蔵庫保管が可能な5kg入りアルミ袋を使用し、品質劣化を防止している。

取組の成果代表者はかつて造園業に従事していた経験を活かし、独自の暗きょ技術による水田活用や防護柵の設置による鳥獣対策を実施。これまでに30haの耕作放棄地を再生した。

今後の事業展開・現在の課題耕作放棄地が多い前橋市で農地確保を進め、100ha程度の確保を見込む。現地に調製施設を建設し、収穫から処理加工・保管までの時間を短縮。品質向上と生産性向上の両立を目指す。

自走型トラクターの活用や収穫時の黒化率の70%を判別する高精度センサーの採用等、スマート農業の導入を検討。

社内では全分野で女性が活躍。加工販売を開始したことで、更に女性の力が必要となっている。また、年齢や勤務形態に応じて活躍できる体制を整えている。

徹底した品質管理が行われているそばの実

奨励賞

令和元年度

株式会社早和果樹園和歌山県

6次産業化アワード

ものづくり地域支援賞

6次産業化モデル企業賞

6次産業化のモデル企業として地域を牽引し、みかん産地を活性化

取組の特徴と強みみかんは、生果用500トン、加工用1千2百トンを扱い、うち1割に当たる170トンを自社農場(8ha)で生産している。マルドリ方式という栽培方法やセンサー、ドローンを使ったスマート農業を実践し、天候の影響を最小限に抑えて、高品質なみかんを安定して栽培する技術を持っている。

非破壊の糖度センサーによる選別と、外皮を剥き薄皮を裏ごしするように搾るチョッパー・パルパー方式による搾汁で、鮮度を保持し、生の果実を食べたような味わいのジュースを生産している。また、原料のみかんは全て有田みかんを使用している。

大手百貨店を始め、高級ホテルや航空会社に採用され、高品質なジュースやみかん加工品として認知されている。また、和歌山大学や龍谷大学と共同で商品開発を行い、若い世代の嗜好にも対応している。「メーカーは新商品を出せなくなったら終わり」との考えのもと、1年に1種類以上の新商品を開発している。

事業者の概要・沿革みかん農家7戸で早和共撰(任意共撰組合)を設立有限会社早和果樹園(出資社員16名)を設立アグリビジネス投資育成㈱の出資支援を得て加工事業を開始6次産業化アワード農林水産大臣賞受賞経済産業省「地域未来牽引企業」に選定ディスカバー農山漁村(むら)の宝サミットで大賞を受賞

1979年2000年2003年2014年2017年2019年

所在地 : 和歌山県有田市宮原町新町275-1

代表者 : 代表取締役社長 秋竹 俊伸

従業員数 : 140名(臨時雇用含む)

売上高 : 990百万円(2019年6月期)

事業内容 : みかんの生産・加工・販売

ビジネスモデル・連携図

取組の成果みかんの付加価値を最大化する努力により加工用みかんの買取価格を大幅に引き上げ、産地を守る地域の取組の一翼を担ってきた。

今後の事業展開・現在の課題原材料の調達力を生かし、更に付加価値を高めていくため、みかんを果汁、外皮、薄皮の3つに分けて、個別の活用方法を考えていく。研究者とも連携し、機能性に着目した商品開発を行い、みかんの陳皮を利用した化粧品の拡大を図るとともに、研究開発型の企業を目指している。

知名度の向上に伴い業容が拡大し、社員を募集すると250名の新卒大学生のプレエントリーがあり、ここ数年は4~5名の新卒採用を行っている。また、シニア社員も積極的に雇用し、地域の雇用創出に貢献している。

ドローンを活用した栽培管理

富士通

自社農園8ha

ICTで協業

和歌山大学龍谷大学

早和なでしこ

商品開発加工・販売

商品開発で協業

社員食堂運営等 シニア雇用

みかん生果 本社売店

オンラインショップ 一般消費者

小売店等

百貨店等

シンガポール・香港・台湾・上海・米国・カナダ

納品

納品 販売

販売

販売

みかん生果

契約農家

みかん生果

各共撰組合

出資

アグリビジネス投資育成

卸売業者

販売 輸出商社

早和果樹園

生産 加工 販売 そば店など

製粉会社

消費者

販売

卸売

インターネット販売

地元農家400戸程度

農地中間管理機構

農地の賃貸農地の賃貸

赤城深山ファーム

Page 8: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

木頭ゆずを用いた加工品

1514

株式会社ゆうぼく愛媛県

ITを積極的に活用し、高付加価値型の畜産加工に取り組む

取組の特徴と強み肉牛550頭の肥育をメインに、養豚のほか、肉の加工販売、レストラン経営を手掛けている。肉牛、豚の飼料にはモネンシン(抗生物質)を配合しない自社開発の飼料を使用。肥育した牛や豚は自社ブランド「はなが牛」「はなが豚」として流通させ、高価格での販売を実現している。

ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工品には添加物を使用せず、自社工場で加工を行っている。また、精肉は1か月程度の熟成を行い、肉の旨味を増加させるなど、付加価値を高める努力をしている。

生産・加工・販売の各段階において、サイボウズのkintoneというクラウドサービスを活用し、1頭1頭の肥育状況や出荷状況、加工品の販売状況などをいつでも確認できる体制を構築。肥育状況のデータを分析し、自社開発飼料の配合を変えるなど、ITを活用したPDCAマネジメントを実践している。

事業者の概要・沿革個人事業として牛の育成牧場を開始 (有)ファームフーズ設立、肉の加工、販売事業を開始ログハウスの小売店舗「ゆうぼくの里」、レストラン「ゆうぼく民」オープン事業承継(現社長が28歳の時に創業者から事業を承継)レストラン「NOMADIC」を松山市内で開店生産、加工事業を統合株式会社化、養豚事業をスタート

1980年1990年1996年

2013年2017年2018年2019年

所在地 : 愛媛県西予市宇和町坂戸553-1

代表者 : 代表取締役 岡崎 晋也

従業員数 : 40人(臨時雇用含む)

売上高 : 326百万円(2019年5月期)

事業内容 : 肉牛の肥育、養豚、肉の加工販売、     レストランの経営

ビジネスモデル・連携図

取組の成果西予市の自社レストランは、市内のみならず、市外や県外からも多数来客し、交流人口の増加に貢献している。

今後の事業展開・現在の課題これまでに蓄積したデータやAI、IoTも活用し、スマート農業をベースにした牧場の研究を進め、安定した生産の実現を目指す。

今後は、輸出も視野に入れた事業展開を想定。

近隣の肉牛農家に対して、肥育は引き続き行ってもらいながら、経営管理は当社が担うなどの連携を行い、地域の畜産業の維持、発展に貢献していく。

雇用者数が年々増加し、地域の雇用状況の改善に貢献している。特に従業員の女性比率は70%以上となっている。

安定経営を実現できたことにより、従業員の福利厚生の確保、人材育成に力を入れることができた。産休や育休、学習制度なども充実させている。

牛舎の一角と自社レストラン

有限会社柚冬庵(ゆとうあん)徳島県

GI登録された木頭ゆずの加工に取り組み、地域の女性の雇用の場を創出

事業者の概要・沿革地元のゆず生産農家により組織化有限会社柚冬庵を設立地域産業資源活用事業(経済産業省)果実加工品実用化可能性調査事業「柚冬庵カフェくるく」をオープン第3回ディスカバー農山漁村(むら)の宝特別賞チャレンジ賞を受賞木頭ゆずのGI(地理的表示)登録

1982年1990年2009年2014年2016年

2017年

所在地 : 徳島県那賀郡那賀町木頭南宇字ナカバン23

代表者 : 代表取締役社長 榊野 瑞恵

従業員数 : 10名(パート含む。全員女性)

売上高 : 22百万円(2019年3月期)

事業内容 : 木頭ゆずの加工品(ポン酢、ゆず味噌、     ジャム等)の製造・販売とカフェの運営

ビジネスモデル・連携図

奨励賞

令和元年度

6次産業化アワード

地域女性雇用創出賞

奨励賞

令和元年度

6次産業化アワード

若手経営者賞

近隣酪農家子牛 加工品

近隣農家完熟堆肥

JA東宇和・生産者団体

JA全農えひめアイバックス㈱

加工事業者、レストラン

消費者

観光客

飼料 と畜 肉

おかざき牧場(生産)

ゆうぼくの里(加工)

部分肉

ゆうぼく民(レストラン)NOMADIC(市内飲食店)ゆうぼくの里(販売)

旅行会社

企画連携

JA

木頭果樹研究会 企業など 木頭ゆずクラスター

協議会

ゆずの出荷

技術等の普及

連携 支援

自社製品加工

受託加工(OEM)

自社製品の販売

カフェくるく

道の駅、物産センター

など

消費者

海外輸出

柚冬庵

今後の事業展開・現在の課題次世代への事業承継を検討している。

ゆずの生果はGI登録により、地域ブランドとしての統一感が生まれたが、加工品については、ブランドイメージが統一されていない。今後は、加工品を含めたブランドイメージの統一化に着手し、輸出も視野に入れた事業展開を目指す。

取組の成果地域の女性10名の雇用を生み出した。

地域のゆず加工品の売上増加に伴い、加工用ゆずの需要が増し、買い取り価格が上昇した。平成25年産は77円/kgだったが、平成29年には131円/kgとなり、農家所得が向上した。

取組の特徴と強み柚冬庵が設立された当時、規格外ゆずの有効利用が課題となっていた。また、地域の女性は、縫製工場や電子部品の組立工場、内職などの仕事をしていたが、工場の海外移転等により、働く場所が失われていた。こうした状況から、女性の働く場所の確保を目的に、加工用ゆずを使った6次産業化に取り組むことになった。

木頭ゆずクラスター協議会には、ゆずを販売している3社の企業・組織が加入。小ロットの加工が得意な柚冬庵、大きなロットの製品が得意な企業などが、競合することなく協力して事業を進めている。

GIの登録は、木頭ゆずクラスター協議会メンバーの発案がきっかけ。発案したのはアパレル会社のバイヤーをしていたメンバーで、バイヤーの視点で木頭ゆずの魅力をアピールすることを考えた結果、GI登録につながった。

加工作業においては、女性が参加しやすいように、台所仕事のやり方をそのまま大きくするような形にした。機械を導入し省力化するよりも、多くの女性を雇用することを重視し、小ロットでも手作りにこだわり、付加価値を上げることを考えた。

ゆず農家

柚冬庵役員

Page 9: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

1716

株式会社タケマン福岡県

職人こだわりの国産メンマの製造で放置竹林問題を解決

取組の特徴と強み高齢化や後継者不足が原因で放置されている竹林を整備・管理し、国産メンマの原材料となる幼竹を収穫している。

18年間一途にメンマ作りに向き合い、難しかった孟宗竹(もうそうちく)の発酵管理を克服して日本初の国産メンマ製法を確立した技術力を有する。

輸入原材料を用いた業務用メンマの販路(ラーメン店1千7百店舗以上)を開拓してきた販売力を有する。地域内の高校生と連携して「博多BARIMEN-バリバリ食べるメンマ菓子-」などの新商品も開発・販売している。

事業者の概要・沿革中国からの輸入原料を用いた業務用メンマの製造販売を主として創業竹林整備・原料収穫と国産メンマ製造販売を本格的に開始経済産業省「地域未来牽引企業」に選定スナック菓子「博多BARIMEN」販売開始新工場操業開始

2013年

2016年2018年2019年2020年

所在地 : 福岡県糸島市加布里1141

代表者 : 代表取締役社長 吉野 秋彦

従業員数 : 15人(役員・パート含む)

売上高 : 171百万円(2018年9月期)

事業内容 : 業務用メンマを中心に、国産原料による 消費者向けの贈答用メンマ及び スナック菓子を製造販売

ビジネスモデル・連携図

原材料生産、加工、販売を一貫して手掛けることで、市場ニーズに合致したマーケットインの商品開発が可能となっている。

市場ニーズに対応した国産メンマの新商品開発という自社の成長戦略と、放置竹林の解消という地域の課題解決を同時に実現している。

取組の成果地域の放置竹林問題の解消(整備竹林約6.3ha)のモデルケースとして、全国的に同様の取組が増えている。

今後の事業展開・現在の課題現在約40tの国産原料(皮付生たけのこ)収穫量を10年間で10倍の400tに拡大したい。そのために、外国人実習生を毎年1~2人ずつ受け入れて、労働力を確保しつつ、5年後に200t、10年後に400tの収穫を目指す。

竹箸、竹パウダー、竹ストローなどの食品以外の分野での新商品も開発中で、地域の竹林所有者が通年で所得を得られるよう計画している。

製造する国産メンマは「糸島メンマ」として地域ブランドとなり、地域内の他事業者も糸島メンマ製造販売に参入している。

竹林の整備とたけのこの収穫

糸島漁業協同組合福岡県

地域ブランドの真鯛やかきの加工・直売による事業多角化

取組の特徴と強み漁獲量が7年連続日本一の真鯛やかきなど、海産物のブランド化に取り組んでいる。糸島産の原材料にこだわり、地域内の水産会社と連携して多様な商品を開発、販売している。

直売所「志摩の四季」やかき小屋の運営、学校給食への食材供給も行っている。

漁協が主要メンバーとなっている糸島市産業クラスター協議会には、加工業者や飲食店なども参加し、会員間の商品に係る技術や情報の共有が図られている。また、会員間でのコラボ商品の開発などにより、糸島ブランドの振興を通じた地域おこしを行っている。更に、一部の商品では糸島市の高校と連携し、高校生が企画した商品の販売も行っている。

事業者の概要・沿革直売所「志摩の四季」リニューアルオープン加工事業に参入「味噌バターっ鯛」が福岡県6次化商品コンクールで「特別賞」受賞常設かき小屋9棟が開業「浜の活力再生プラン優良事例表彰」農林水産大臣賞「福岡県6次化商品コンクール」県知事賞

2006年2010年2016年2019年

所在地 : 福岡県糸島市志摩岐志778-5

代表者 : 代表理事組合長 仲西 利弘

従業員数 : 53人(役員・正社員35人、パート18人)

売上高 : 34百万円(2019年3月期。加工品のみ。 なお、直売所の売上高は250百万円)

事業内容 : 水産物の加工、直売所及びかき小屋の 運営

ビジネスモデル・連携図

糸島市内への外国人観光客の誘致を強化するため、漁協女性部・糸島市・九州大学の3者が連携した『いとしま国際観光大使事業』を通じ、糸島の魅力を国内外に情報発信する活動にも取り組んでいる。

取組の成果旅行会社等と連携したPR活動により、2017年度のかき小屋の来場者が53万人を超えた(インバウンド観光客を含む)。

今後の事業展開・現在の課題引き続き、加工品等の商品開発と販路拡大に注力していく。

糸島市内の学校給食への食材提供の活動を継続し、提供する食材の種類を増やしていくほか、地元小・中学校の授業において「漁業・水産業」の講演や調理実習、授業で使用する教材(魚)の提供などの実施を目指す。

かき小屋の企画運営や直売所の運営に関連する業務で、約300人の雇用を創出した。

常設かき小屋完工式

奨励賞

令和元年度

6次産業化アワード

多角化チャレンジ賞

奨励賞

令和元年度

6次産業化アワード

地域課題解決賞

地域への貢献が信頼感につながり、既存の業務用メンマの販売も拡大している。

市内竹林地権者7件

中国竹林生産者

中国1次加工事業者

(発酵・乾燥等)

メンマ製造(贈答用、スナック菓子、業務用)

竹林整備・収穫

1次加工(発酵・乾燥等)

整備依頼

孟宗竹BtoCネット通販(吉乃竹彦)

消費者(B toC)

BtoBネット通販

百貨店等(B toC)

ラーメン店1千7百店舗(B toB)

乾燥原料

市内協力生産者14人

麻竹

乾燥原料(輸入)

技術指導品質規格管理

贈答用メンマスナック菓子

業務用メンマ

㈱タケマン

糸島市食品産業クラスター協議会

糸島市役所

マーケティング(商品企画開発・販促)会員

販路開拓支援

運営糸島市マーケティングモデル

推進事業博多女子高校

水産品出荷

水産物

加工品

加工品加工品 加工品 通信

販売

漁協の組合員消費者

観光客

糸島漁業協同組合

加工センター

生産物

生産物

かき等の農水産物地元の農家

志摩の四季(直売所)

水産物

かき小屋

旅行会社

企画連携

農水産物

マーケティング(商品企画開発・販促)

Page 10: A4冊子左表紙-裏表紙 0203 02 - maff.go.jp2015年 鳥取県倉吉市にアグリビジネスユートピア構想のモデル工場となる冷凍加工場を建設 2018年 兵庫県姫路市で試験栽培を開始(耕作放棄地となった水田の畑地化)

取組の成果おいしい牛肉をリーズナブルな価格で提供する生肉店や焼肉レストランを展開した結果、肝付本店だけで年間3.6万人を超える来客があり、人口約1万5千人の肝付町の交流人口増加に大きく貢献。

今後の事業展開・現在の課題今後の事業拡大を見据え、700頭を収容可能な牛舎を建設中であり、数年以内に3千頭体制を目指している。

肝付本店の隣接地にHACCP対応の食肉加工場を建設し、食肉加工食品の本格的な展開を予定している。

焼肉レストランに関しては、これまでの店舗運営ノウハウをパッケージ化し、「新村和牛」ブランドのフランチャイズ展開を考えている。

過疎化が進む地域において、女性や高齢者を含め、多くの雇用を生み出している。また、女性が働きやすい職場として、「平成29年度 農業の未来をつくる女性活躍経営体100選」に選ばれた。

1918

奨励賞

令和元年度

村商株式会社鹿児島県

6次産業化アワード

和牛の繁殖・肥育の一貫生産をベースに生肉店・レストランを展開

取組の特徴と強み大隅半島南東部にある肝付町で繁殖から肥育までの一貫生産により、約1千頭の黒毛和牛を飼養している。また、飼料用の牧草(20ha)や米(7ha)の生産も行う。子牛を一頭ずつ区分して肥育するなど手間を掛けた飼養管理を行う一方で、全頭にU-motion(牛の行動管理分析)を用いるなど積極的にスマート農業を導入し、肉質へのこだわりと生産性の向上を両立している。

自社牧場及び地域内の生産農家から仕入れた牛肉を「新村和牛」のブランドで販売。また、「新村畜産」の店名で直営の生肉店と焼肉レストランを運営するとともに、子会社の㈱TJfoodsを通じて「USHIO(うしお)」の店名で焼肉レストランも運営。牛肉を積極的にブランディングして、付加価値を高めている。更に、台湾に新村畜産國際有限公司を設立し、台湾SOGOショップにて生肉の店頭販売と卸販売も行っている。

福祉施設と連携し、牛舎の清掃等の軽作業を委託することで障害者に働く機会を提供している。また、育児休暇制度の導入や定年を設けない人事制度を整備し、女性や高齢者も働きやすい環境を整えて多くの雇用を創出している。更に、自社牧場の牛舎は基礎部分のコンクリート以外は地元の木材を使用するなど、様々な形で地域経済に貢献している。

事業者の概要・沿革村商㈱を設立生肉店を開店、また、生肉の卸売事業を開始直営の焼肉レストラン(肝付本店)を開店宮崎に直営の焼肉レストラン(都城店)を開店台湾に現地法人を設立し、海外輸出を開始自動給餌機とU-motion(牛の行動管理分析)を導入六次産業化法に基づく総合化事業計画認定㈱TJfoodsをM&Aにより100%子会社化

2007年

2011年2014年2018年

2019年

所在地 : 鹿児島県肝属郡肝付町後田2566-2

代表者 : 代表取締役社長 新村 順一郎

従業員数 : 83名(臨時雇用含む)

売上高 : 1,463百万円(2019年5月期)

事業内容 : 黒毛和牛の繁殖・肥育、稲作、生肉店     及び焼肉レストランの運営、     牛肉の輸出など

ビジネスモデル・連携図

肝付本店の外観

奨励賞

令和元年度

株式会社オキス鹿児島県

6次産業化アワード

地域資源有効活用賞

遠隔地の課題解決モデル賞

遠隔地の不利性を乾燥加工技術で解決

事業者の概要・沿革物流事業者の株式会社岡本産業が農業部門を新設、農業法人株式会社オキスを設立乾燥サツマイモダイスの量産化に成功ごぼう茶の生産開始六次産業化法に基づく総合化事業計画認定NPO法人夢来郷(むらさと)たかくまを設立新社屋竣工、本社移転

2006年

2009年2010年2012年2014年2019年

所在地 : 鹿児島県鹿屋市下高隈町5454-11

代表者 : 代表取締役 岡本 孝志

従業員数:37名(パート含む)

売上高 : 549百万円(2019年3月期)

事業内容 : 野菜栽培、加工、販売

ビジネスモデル・連携図

取組の特徴と強み直営農場(120ha)で生産する、ごぼう、大根、さつまいもや契約農家(100ha)から仕入れる、大麦、ケール、ブロッコリー、明日葉を原材料として乾燥品、パウダー品、焙煎品などに加工し、主に業務用として販売している。

地元の大隅地域は、農業の経営規模が大きく県内有数の農業地帯であるが、大消費地から遠く、青果のまま輸送すると価格競争で不利となる。そこで、物流コストを抑えるため、軽量商品である乾燥野菜に目をつけ、乾燥加工技術を磨いていった。

自社で独自に開発した乾燥技術が強み。仕上がりの管理が難しい面もあるが、経験と技術で補っている。桜島溶岩を使った乾燥機は、遠赤外線の効果で対象物の中まで熱が伝わり表面が焦げることがない。これにより、主力商品であるごぼう茶は特に焦げ臭さがなく、甘い香りがする仕上がりとなっている。

今後の事業展開・現在の課題今後の事業展開も業務用の原材料供給が中心。素材を活かしたロングセラーになる製品づくりを考えている。

IQF凍結工場が2020年から稼働開始予定。凍結技術については、今後も新しい技術を取り入れていく。

野菜パウダーの殺菌ができる生産設備を導入し、離乳食も販売する見込み。

輸出事業の売上構成比を10%程度まで拡大させる。

生協などから生鮮野菜の要望も強く、本格的に栽培を開始し、事業を拡大する。

取組の成果

ごぼう茶

㈲トウエイ〔福祉施設〕

自社牧場 生肉加工

商品開発

㈱Table of Smile〔1級フードコーディネーター〕

㈱TJfoods(福岡)〔焼肉レストラン(2店舗)の経営〕

新村畜産國際有限公司(台湾)〔卸販売、生肉店・飲食店の経営〕

自社生産の米

自社農場

黒毛和牛の生産農家 (肝付町)

清掃・給餌作業の委託

(農福連携)

牧草WCS

米の生産農家 (肝付町)

苗の販売 冷凍加工食品の開発 出 資

出 資

卸販売 外食産業

消費者

外食産業

消費者

インターネット販売

焼肉レストラン

生肉店

台湾

村商 ㈱

契約農家から購入する農産物は加工原材料とするため、秀品以外も全て買い取っている。また、鉄コンテナで収穫したまま出荷できるため、農家の負担を軽減しつつ、所得向上に貢献している。

障害者就労支援を行うNPO法人夢来郷(むらさと)たかくまの作業施設が本社の近くにあり、にんにく卵黄の生産作業を委託することで、障害者の雇用創出につながっている。

ベジコネット通販

販売生産

おおのがら林業林業、椎茸など

地元市場

地元農家

大隅湖観光管理組合

消費者

生協等

岡本産業物流観光の連携

流通百貨店等加工品

の販売

生鮮野菜の販売

夢来郷たかくま

加工業者

大隅物流事業協同組合加工

乾燥野菜等

障害者雇用

加工作業の連携

協力農家

集荷・物流、情報の提供

農産物の生産

オキス