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117 〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕 市民との協働によるまちづくりを進めていくためには、市民自らが適切な判断が できるよう、行政の活動内容に関する情報を市民と共有する必要があります。 本市では、平成11年(1999年)に情報公開条例を制定し、行政情報に関する 市民の知る権利を明確に位置づけ、公平で公正な情報の公開を進めるとともに、平成 15年(2003年)には個人情報保護条例を制定し、市が所有する個人情報の適正 な取り扱いに努めています。 行政情報の広報活動については、「広報伊万里」、「市役所だより」の発行をはじめ、 CATV やホームページ等を活用した情報の提供に取り組んでおり、近年急速に普 及しているスマートフォンなどの携帯情報端末での利用を想定した情報発信が必要と なっています。 広聴活動については、政策決定などに市民の意見を反映させるため、まちづくり座 談会や出前講座の開催をはじめ、パブリックコメント の実施や「伊万里っ子ポスト」 の設置などに取り組んでおり、市民との協働による行政運営の確立を図るためには、 より多くの市民の意見や提案が寄せられるような機会の拡充を図る必要があります。 〔今後5年間の方針〕 行政の活動に関する市民への積極的な情報提供による説明責任を果たすとともに、 公正で開かれた市民との協働による行政運営に取り組んでいくため、行政情報の一層 の公表と情報公開制度の周知に努めます。 市民のまちづくりへの参加や、市民ニーズの市政への的確な反映を図るため、広報 紙などによる情報提供の充実と広聴機能の充実に努めます。 【CATV】 有線によるテレビ放送網で、地域に密着した情報や多様な娯楽情報など独自の情報を提供するもの。 【パブリックコメント】 行政が政策や制度、計画等を決定する際に、市民の意見を聞いて、それを考慮しながら最終決定を行う仕組みのことで、「パブコメ」 とも呼ばれる。

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後期基本計画

施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実施策35 適正な情報公開と広報広聴の充実

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕

 市民との協働によるまちづくりを進めていくためには、市民自らが適切な判断ができるよう、行政の活動内容に関する情報を市民と共有する必要があります。 本市では、平成11年(1999年)に情報公開条例を制定し、行政情報に関する市民の知る権利を明確に位置づけ、公平で公正な情報の公開を進めるとともに、平成15年(2003年)には個人情報保護条例を制定し、市が所有する個人情報の適正な取り扱いに努めています。 行政情報の広報活動については、「広報伊万里」、「市役所だより」の発行をはじめ、CATV※やホームページ等を活用した情報の提供に取り組んでおり、近年急速に普及しているスマートフォンなどの携帯情報端末での利用を想定した情報発信が必要となっています。 広聴活動については、政策決定などに市民の意見を反映させるため、まちづくり座談会や出前講座の開催をはじめ、パブリックコメント※の実施や「伊万里っ子ポスト」の設置などに取り組んでおり、市民との協働による行政運営の確立を図るためには、より多くの市民の意見や提案が寄せられるような機会の拡充を図る必要があります。

〔今後5年間の方針〕

 行政の活動に関する市民への積極的な情報提供による説明責任を果たすとともに、公正で開かれた市民との協働による行政運営に取り組んでいくため、行政情報の一層の公表と情報公開制度の周知に努めます。 市民のまちづくりへの参加や、市民ニーズの市政への的確な反映を図るため、広報紙などによる情報提供の充実と広聴機能の充実に努めます。

第5章 

自立と協働のまちづくり

第第第555章章章自立と協働のまちづくり自立と協働のまちづくり自立と協働のまちづくり

   【CATV】有線によるテレビ放送網で、地域に密着した情報や多様な娯楽情報など独自の情報を提供するもの。

【パブリックコメント】行政が政策や制度、計画等を決定する際に、市民の意見を聞いて、それを考慮しながら最終決定を行う仕組みのことで、「パブコメ」とも呼ばれる。

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後期基本計画

 CATVやインターネットなど様々な媒体を活用し、身近でわかりやすい行政情報の発信に努めます。

〔具体的な取り組み〕

1.適正な情報公開と個人情報保護の推進 情報公開条例に基づく制度の適正な運用により、市民への積極的な情報の公開や提供に努めるとともに、情報公開制度の市民への周知や公開文書を閲覧できる市民情報コーナーの充実を図ります。 また、ホームページを活用した各種審議会等の会議録の公表に取り組むほか、個人情報保護審査会での厳正な審査により、個人情報の適正な取り扱いに努めます。

2.的確かつ迅速な情報発信と情報共有の推進 広報紙については、行政情報をはじめ、生涯学習や市民の様々な活動に関する情報など生活に密着した情報に加え、市民が相互に情報交換を行うためのコーナーを充実させるなど、的確でわかりやすい情報発信に努めます。 ホームページについては、携帯電話やスマートフォンでの利用を想定し、フェイスブックやツイッターなどの民間ソーシャルメディアを活用した市の行事やイベントの開催等に関する情報をはじめ、災害時の緊急情報や行政情報等の発信に努めます。 また、情報発信の基盤となる超高速ブロードバンド※網の整備やCATVのエリア拡張を促進するほか、地上デジタルテレビのデータ放送を活用した効果的な情報発信に取り組みます。

3.幅広くきめこまやかな広聴制度の充実 市の施策等の決定にあたっては、パブリックコメントを実施するなど、市民の意見を積極的に収集し市政運営への反映に努めます。 また、「伊万里っ子ポスト」や電子メールを活用した提案等について市民への周知を

◇情報公開・個人情報保護事業

主な事務事業

◇広報紙発行事業  ◇行政情報番組制作・放送事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

   【超高速ブロードバンド】高速で大容量のデータの送受信が可能な高速インターネット回線のことで、光回線(FTTH)および下り伝達速度 30Mbps 以上の通信回線を指す。

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後期基本計画

図るとともに、市民の視点から、より多くの建設的な意見や提案が寄せられるよう広聴制度の充実に努めます。

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

個人情報保護審査会諮問件数 6件 2件 8件

(県内10市平均・H24)3.2件 12件

パブリックコメント1件あたりの意見数 6.2件 2.8件 0件 - 3件

広報紙への満足度 - 75.0% 76.9% - 80%

市ホームページのトップページへのアクセス件数

(ページビュー数)

392,528件/年

395,870件/年

347,117件/年 - 350,000

件/年

〔市民に期待されている役割〕

  情報公開制度を活用することにより、行政情報を共有することが期待されます。  広報紙の内容に関する積極的な意見や提

案等が期待されます。  ホームページへのアクセスによる行政情

報の収集が期待されます。  パブリックコメントをはじめ、「いまりっ

子ポスト」や電子メールなどによる意見や提案など、積極的な市政への参画が期待されます。

◇伊万里っ子ポスト運用事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

広報いまり

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後期基本計画

施策36 市民と行政との協働施策36 市民と行政との協働施策36 市民と行政との協働施策36 市民と行政との協働施策36 市民と行政との協働施策36 市民と行政との協働

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕

 地方分権の進展に伴い地方自治体の権限が拡大し、自主的なまちづくりが可能となる一方、市民ニーズが多用化、高度化する中で、各自治体が自らの決定と責任でまちづくりを進めることが求められています。 本市では、平成18年(2006年)に制定した「市民が主役のまちづくり条例」の理念の下、各種審議会等の委員の公募をはじめ、市民参画と市民との協働による行政運営を推進しています。 市民が主役のまちづくりを進めていくためには、市民一人ひとりが自分の住む地域に関心を持ち、まちづくりの計画段階から施策や事業の実施、評価段階に至るまで、主体的に参加することができる機会を確保するとともに、市民の意向を市政に的確に反映させるための取り組みを充実させていく必要があります。 また、市民と行政がそれぞれの果たすべき役割と責任を自覚するとともに、互いの信頼関係をより一層高め、市民と行政との協働によるまちづくりを推進することが求められています。

〔今後5年間の方針〕

 市民の積極的な市政への参画と市民と行政との協働によるまちづくりの確立に向け、様々な情報提供や学習機会の充実に努め、市民意識の高揚を図ります。 市が設置する各種審議会等への市民の自主的な参画を促進するとともに、情報公開をはじめ、市政運営への市民の意向反映に努めるなど、市民と行政とのパートナーシップ※によるまちづくりを進めます。

〔具体的な取り組み〕

1.市民参画の機会の充実 各種委員会等の委員選任において、公募委員の拡充を図るとともに、パブリックコメント制度や市民参加のワークショップ※等の実施により、市政への市民参画を促進しま

第5章 

自立と協働のまちづくり

   【パートナーシップ】行政や NPO 法人、企業など、立場の異なる組織や人同士が、明確な目的のもとに、対等な関係を結び、それぞれの得意分野を生かしながら連携し協力し合うこと。

【ワークショップ】企業研修や住民参加型まちづくりにおける合意形成等の手法として用いられる問題解決やトレーニングの手法としての「体験型の講座」のこと。

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後期基本計画

す。 また、行政運営への市民参画を促進するためには、市政運営に関する適切な情報が必要であることから、出前講座の実施など、まちづくりをはじめ、様々な学習機会の提供に努めます。

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

公 募 委 員 が 所 属 す る委員会等の割合 13.8% 14.8% 16.7%

(県・H24)16.2% 35.8%

市 民 と 行 政 と の 協 働 が進んでいると思う市民の割合

- 34.9% 31.0% - 40.0%(H29)

〔市民に期待されている役割〕

  市が設置する委員会やワークショップ等への主体的な参画が期待されます。

◇まちづくり出前講座推進事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

施策37 まちづくりの担い手の育成施策37 まちづくりの担い手の育成施策37 まちづくりの担い手の育成施策37 まちづくりの担い手の育成施策37 まちづくりの担い手の育成施策37 まちづくりの担い手の育成

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕

 少子高齢化や防災、防犯に対する対応など地域における課題は多様化し、これまで行政が担ってきた公共サービスの領域はますます拡大する方向にある一方で、地方の財政状況は厳しさを増していることから、行政による取り組みだけでは市民が必要とするニーズに的確に対応することが困難になりつつあります。 本市では、平成25年(2013年)3月現在、12のNPO法人があり、市民自らの手により地域や様々な分野における課題の解決等に取り組んでいますが、まちづくり活動を行う団体の多くは、人材や資金の確保など、多くの課題を抱えています。 核家族化や高齢化が進展する中で、地域社会のつながりは希薄化する傾向にあるとともに、婦人会などの地域のつながりに基づく組織の活動力が低下しています。 地域における課題を市民自らが主体的に解決していくためのコミュニティの再構築に向け、市内13町(地区)において組織されているまちづくり運営協議会の活動の活発化を図る必要があります。

〔今後5年間の方針〕

 拡大する行政ニーズに対応した新たなサービス提供の担い手として、NPO法人などの市民活動団体の育成と支援を継続して行います。 市民活動団体の活動の周知や理解を深めるための市民への情報発信に取り組みます。 各町(地区)において組織されているまちづくり運営協議会による地域の課題等の解決に向けた主体的な取り組みへの支援を行います。

第5章 

自立と協働のまちづくり

市民交流プラザ

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後期基本計画

〔具体的な取り組み〕

1.市民活動団体等の育成 新たな行政ニーズや地域課題等に対応する新しいサービスの担い手として期待される市民活動団体やNPO法人の育成支援と活動の中心となるリーダーの養成に努めます。 市民活動団体等の活動拠点となる市民活動支援センターにおいて、活動に関する情報の収集や発信をはじめ、活動を支援するための相談業務など機能の拡充に努め、団体相互のネットワーク化を図るほか、市民自らが考え実施するまちづくり事業への支援を行います。

2.地域のまちづくり活動の活発化 住民が自らの意思と責任をもって地域の自治を支える仕組みづくりや、地域の活性化につながる事業の実施など、各町(地区)における課題の解決や地域に根ざした事業を自主的、主体的に展開できるよう、その活動を積極的に支援するとともに、地域におけるまちづくりの担い手の育成に努めます。 また、自治区をはじめ、婦人会や老人クラブ、子ども会など、地域のつながりに基づき構成される組織の活性化を促進します。 さらに、食生活改善や健康づくりなど地域住民の協調による活動を促進し、地域の信頼関係と多面的なネットワークづくりを図ります。

◇市民活動支援センター管理運営事業  ◇NPO活動支援事業◇次代を創る研修事業  ◇21世紀市民ゆめづくり計画支援事業

主な事務事業

◇地域の元気推進事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

NPO法人数 10 12 12 - 17

人口 10 万人当たり 17.15 20.89 21.02(県・H24)

42 30.36

市民ネットワーク「いまり」会員団体数 18 25 25 - 30

市民活動団体の登録数 21(H21)

34 44 - 60

〔市民に期待されている役割〕

  地域づくりに対する参加意識と自覚を持ち、市民自らの手による地域活性化が期待されます。

  公共サービスの新たな担い手としての活動が期待されます。

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

施策38 男女協働参画社会の形成施策38 男女協働参画社会の形成施策38 男女協働参画社会の形成施策38 男女協働参画社会の形成施策38 男女協働参画社会の形成施策38 男女協働参画社会の形成

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕

 本市では、平成13年(2001年)に男女共同参画都市宣言を行い、今日まで、伊万里市男女協働参画基本計画に基づき、「いまりプラザ(男女協働参画懇話会)」との協働により、男女協働参画の意識の醸成をはじめ、審議会等への女性の参画促進など各種施策に取り組んでいます。 平成23年(2011)年に実施した調査では、「男は仕事、女は家庭」という考えを肯定する人の割合は減少傾向にあるものの、女性の22.1%に対し男性では34.7%となっており、固定的な性別役割分担意識は依然として根強く残っており、男女協働参画を推進するうえでの課題となっています。 地域活動の担い手として女性に対する期待が高まる中で、職場における男女の格差の解消をはじめ、仕事と育児や介護との両立支援など、女性のさらなる社会参画を促進するための環境整備が求められています。 社会のあらゆる分野において、男女協働参画社会の形成への取り組みを進めていくためには、行政運営をはじめ、事業所や地域、市民活動団体等における政策や活動方針等の決定において、女性の意思を反映するための仕組みづくりが重要になっています。 外部からの発見が困難な家庭内や交際相手からの暴力が深刻化していることから、ドメスティック・バイオレンス※(配偶者等からの暴力)やセクシャル・ハラスメント※

など性別に起因する人権侵害をなくすための環境づくりが求められています。

〔今後5年間の方針〕

 伊万里市男女協働参画基本計画・DV被害者支援基本計画に基づき、市民意識の醸成や社会環境の整備など、総合的な施策の展開に努めます。 すべての市民が、性別等にかかわりなく人として尊重されるとともに、学校をはじめ、職場や家庭、地域など社会のあらゆる分野において、男女がともに参画し、その能力を十分に発揮できる男女協働参画社会の実現を図ります。

   【ドメスティック・バイオレンス】夫婦や恋人など親密な間柄にある男女間において、主として男性から女性に加えられる身体的、精神的、性的な暴力のこと。

【セクシャル・ハラスメント】「性的嫌がらせ」とも呼ばれ、相手の意志に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言動や行為のこと。

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔具体的な取り組み〕

1.男女協働参画意識の醸成 すべての人が性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮し、多様な生き方が自由に選択できるよう、法律で保障された権利等について市民への周知を図るとともに、性別による固定的な役割分担意識や社会的慣習等の見直しをはじめ、学校や地域、職場等における性に関する正しい知識や人権問題に関する教育や学習活動の充実に努め、男女協働参画意識の醸成を図ります。 また、男女が平等に生きがいをもって働くことができる就労機会と待遇の確保を図るとともに、男女のいずれかに労働や生活上の負担が偏ることなく、職業生活や家庭生活、地域活動等にバランスよく参画し、多様な生き方が可能になるよう取り組みを進めるほか、政策をはじめ、企業や団体、地域等における方針決定において、男女協働参画の視点が生かされるような社会づくりに取り組みます。 さらに、地域防災の取り組みにおいて、避難所等における男女のニーズの違いなど男女双方の視点への配慮や男女協働参画の視点を取り入れた防災体制の確立に努めるとともに、担い手としての女性の参画を促進します。

2.男女間のあらゆる暴力の根絶 ドメスティック・バイオレンスやセクシャル・ハラスメントなどは、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害であることから、関係機関との連携により、人権に関する意識啓発のための研修会の開催をはじめ、相談体制の充実に努めます。 若年層については、交際相手に対する暴力に関する教育を推進します。 また、被害者の安全確保と人権の尊重を図るため、相談への対応から保護、自立支援など、多くの段階にわたって関係機関が連携し、被害者の立場に立った支援に努めます。

◇男女協働参画推進事業

主な事務事業

◇女性自立支援相談事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

「男は仕事・女は家庭」の考え方を支持する市民の割合

35.5%(H19)

27.7% 26.7% - 20%(H29)

審議会等での女性委員の割合 29.5% 33.2% 33.0%

(県・H25)41.1% 40%

男女格差のある出不足金の徴収を行っている行政区の数

33 17 8 - 0

生活の中で仕事・家庭・地 域 等、 複 数 の 活 動 を優先する市民の割合

- 36% -(県・H22)

52.6%50%

(H29)

〔市民に期待されている役割〕

  家庭や地域、職場等あらゆる場面で男女協働参画に関する視点を持つことが期待されます。

  まちづくりや地域活動などに、積極的に参加することが期待されます。  男女が等しい労働条件で働けるよう、適切な職場環境をつくることが期待されます。

みんなでかたれ場

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

施策39 効率的な行財政の運営施策39 効率的な行財政の運営施策39 効率的な行財政の運営施策39 効率的な行財政の運営施策39 効率的な行財政の運営施策39 効率的な行財政の運営

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕

 わが国の人口は、平成52年(2040年)には1億700万人となり、平成20年(2008年)の1億2,800万人と比べ16%減少すると予測されるなど人口減少と少子高齢化が進展するとともに、行政に対する市民ニーズは複雑化、多様化する中で、限られた行政資源を最大限に活用し、質の高い行政サービスを提供していくためには、個々の施策の成果を検証し選択と集中を図ることにより、一層の行財政運営の効率化を推進することが重要となっています。 本市では、伊万里市行政改革大綱や伊万里市財政基盤安定化計画に基づき、行財政運営の効率化に向け、様々な取り組みを進めていますが、扶助費や公債費など義務的経費の増大等により財政の硬直化が進んでいます。 国内景気は回復傾向にあるとされているものの、本市では、長引く地域経済の低迷に伴い市税収入が低下する一方で、広域ごみ処理施設整備や学校施設の整備をはじめ、老朽化が進む公共施設の改修、さらには原子力発電所事故を想定した防災対策事業の実施など、新たな行政課題への対応が求められています。 安定した財源の確保を図るとともに、限られた行政資源の中で、行政事務の広域化も視野に入れながら、一層の行財政運営の効率化を推進することが重要となっています。

〔今後5年間の方針〕

 行政改革大綱に基づき、組織機構の再編や職員数の適正化に取り組むとともに、行政評価と総合計画実施計画の連携により、限られた行政資源の効果的活用に努めます。 伊万里市アウトソーシング※指針に基づき、民間のノウハウや経営資源を可能な限り活用するなど、行政サービスの質の向上に努めます。 安定した財政基盤を維持していくため、一般財源の確保はもとより、経常的経費や義務的経費の抑制をはじめ、公債費等の長期的な軽減に向け、市債の発行抑制と優良起債の活用を図ります。 一部事務組合による効率的な施設整備と運営を促進するとともに、周辺自治体との広域的な連携により、市単独での取り組みが困難な課題の解決に努めます。

   【アウトソーシング】企業や行政の業務のうち専門的なものについて、それをより得意とする外部の専門業者等に委託すること。

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔具体的な取り組み〕1.自主財源の確保

 課税対象となる所得や資産などの把握による適正課税を行うとともに、インターネット公売や差し押さえなど滞納処分の強化を図るほか、納税相談における債務整理の支援により滞納整理につなげるなど、市税収入の安定確保と収納率の向上に努めます。 また、使用料などの受益者負担や手数料等の見直しを図るとともに、市有財産の適正な管理、運用による歳入の確保に努めます。 公会計制度に基づき、市が所有する土地や建物、備品等の資産価値を正確に把握し、貸借対照表をはじめ、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書の公開に取り組みます。

2.地籍調査の推進 計画的に国土調査(地籍調査事業)を進め、土地に関する権利関係を明確にするとともに、その成果については、土地の新たな面積に基づき課税するほか、数値化された土地情報の活用を図ります。

3.健全な財政基盤の確立 事業の選択と集中に取り組むとともに、伊万里市中期財政計画や伊万里市財政基盤安定化計画に基づき、市債の計画的な活用や一般財源の確保を図るとともに、経常的経費や義務的経費の抑制に努めます。 また、公共施設については、統廃合や他用途への転用も視野に入れ、ファシリティマネジメント計画に基づき、延命化を図るとともに、人口の減少を考慮した施設の建て替えや改修等を進めます。

◇市税等賦課徴収事業  ◇ふるさと応援寄附募集事業

主な事務事業

◇地籍調査事業

主な事務事業

◇財政管理事業  ◇ファシリティマネジメント推進事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

4.広域行政の推進 県西部地区の4市5町で組織する佐賀県西部広域環境組合による新たなごみ処理施設の整備を促進するほか、伊万里・有田消防組合の円滑な運営に取り組むとともに、他の一部事務組合の効率的な運営に向け組合組織の統合に関する検討を進めます。 また、佐賀県と長崎県の県境を越えた都市間の連携により、西九州自動車道の建設促進をはじめ、地域経済の活性化に向けた活動に取り組むとともに、地域の交流を図るための幹線道路や生活機能の整備など、広域的な地域振興を図るほか、道州制の導入に向けた国等の動向把握に努めます。

5.行政改革の推進 伊万里市行政改革大綱実施計画に基づき行政改革を着実に推進するとともに、限られた人的資源を有効に活用し、多様化する市民ニーズや新たな行政課題に適切に対応するため、組織機構の見直しや職員数の適正化に取り組みます。 また、施策や事業の成果を行政評価により常に検証し、重要度や緊急性を重視した財源の投入や行政目標の管理など、成果指向型の行政経営システムの確立に取り組むとともに、民間の経営資源やノウハウの活用が効果的な事業については、伊万里市アウトソーシング推進計画に基づき、積極的な民間活力の導入を推進し、行政サービスの向上やコスト削減に努めます。

6.電子自治体の推進 住民基本台帳および税情報や福祉情報などの住民情報システムを適正に運用するとともに、省力化・効率化のために情報技術を活用した内部事務システムを運用するほか、佐賀県および県内市町で運営する公共ネットワークを活用したシステムの共同化を進めるなど、市民サービスの向上と行政事務の高度化、簡素化に努めます。 また、平成28年(2016年)1月の社会保障・税番号制度※の運用開始に向けたシステムの構築に取り組むとともに、電子入札システムの導入や証明書の自動交付等についての検討を進めます。

◇自治体間広域連携事業  ◇定住自立圏共生ビジョン改定事業

主な事務事業

◇行政改革推進本部運営事業  ◇行政評価制度運用事業◇行政組織機構改革事業               

主な事務事業

   【社会保障・税番号制度】複数の機関に存在する特定の個人の情報を同一人であるということの確認を行うための基盤であり、社会保障・税制度の効率性や透明性、利便性を高めるための社会基盤のこと。

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

伊万里市の行政サービスに つ い て 満 足 し て い る市民の割合

- 49.1% 53.1% - 55.0%(H29)

伊万里市の職員の対応に満足している市民の割合 - 62.3% 65.6% - 68.0%

(H29)

行政改革大綱の実施計画の達成率 67.9% 60.5% 63.0% - 90%

市税収納率 91.3% 92.1% 93.6%(県内10市平均・H24)

93.9% 94.5%

経常収支比率※ 99.6% 84.5% 94.0%(H24)

(類似団体平均・H23)89.9% 93.8%

実質公債費比率※ 20.8% 19.2% 18.9%(H24)

(類似団体平均・H23)10.7% 19.6%

将来負担比率※ 204.3% 157.0% 166.0%(H24)

(類似団体平均・H23)70.3% 137.8%

地籍調査進捗率(累計) 75.1% 83.6% 88.3%(県・H25)

97.8% 98.1%

◇基幹業務システム管理運営事業  ◇公共ネットワーク運用事業◇全庁ネットワーク運用事業  ◇社会保障・税番号制度システム構築事業

主な事務事業

   【経常収支比率】毎年度経常的に支出される経費に充当された一般財源の額が、地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源、減税補てん債および臨時財政対策債の合計額に占める割合。

【実質公債費比率】地方税や普通交付税など使途が特定されず経常的に収入される財源のうち、公債費や公営企業債に対する繰出金などの公債費に準ずるものを含めた実質的な公債費相当額(普通交付税が措置されるものを除く)に充当されたものの占める割合で、前3年度の平均値を使用する。

【将来負担比率】自治体財政健全化法に基づく財政の健全度を測る指標のひとつ。地方公共団体の借入金など、現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したもの。

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

〔市民に期待されている役割〕

  本市の行政サービスに関する意見を寄せることが期待されます。  本市の財政状況への関心を高めることが期待されます。  税の仕組みや重要性について認識を深め、納税することが求められます。

行政評価委員会

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

施策40 自立した行政経営の確立施策40 自立した行政経営の確立施策40 自立した行政経営の確立

〔前期基本計画を振り返っての現況と課題〕 国においては、地方自治体が地域の実態に合わせた内容を独自の条例により規定していくことで、実情に合った自治体運営を進めることができるよう、地域の自主性及び自立性を高めるための地方分権改革が推進され、国や都道府県の権限の市町村への移譲をはじめ、道州制に関する検討が進められています。 本市では、長引く地域経済の停滞に伴い厳しい財政状況が継続していますが、市民が暮らしの中に潤いと安らぎを感じることができるよう、多様な行政ニーズへの対応とともに、簡素で効率的な行政運営体制を構築することが必要となっています。 また、地域がその特性を生かして発展を遂げることができるよう、地方分権改革に的確に対応し、市民ニーズを最も身近に把握することができる基礎自治体として、知恵と工夫により、地域の個性と特色を生かした行政経営に取り組んでいくことが求められています。

〔今後5年間の方針〕 地方分権改革の推進に伴い地方自治体に求められている自己決定と自己責任による行政運営を進めるため、限られた経営資源の有効活用による自主的で自立的な行政経営の確立を図ります。 社会経済情勢の急激な変化や市民ニーズの変化に伴う新たな行政課題に柔軟に対応するため、研修の充実などにより、職員の資質の向上に努めます。

〔具体的な取り組み〕

1.地方分権への対応 国において地方分権改革が進められる中、市民に最も身近な自治体として、本市の実情に合った適切な行政サービスを提供していくため、本市の個性を生かし自立したまちづくりを進めるとともに、政策の立案から最終的な実現に至るまでの過程において説明責任を果たしていきます。 また、国や県からの権限移譲に伴い増加する事務事業に対応した職員の適正な配置や組織機構の再編に取り組むなど、行政能力を効果的に発揮する組織体制の整備に努めます。

◇企画政策事業

主な事務事業

第5章 

自立と協働のまちづくり

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後期基本計画

2.職員の能力向上と人材の活用 職員の人事評価を人事配置や処遇に限らず、能力開発にも反映させるなど、総合的な人事システムの充実を図るとともに、政策立案能力の向上に重点を置いた職員研修の機会の拡充により、複雑化、多様化する市民ニーズや、新たな行政課題に的確に対応できる企画立案能力や総合的な調整能力を備えた職員の育成を図ります。 また、職員の業務に関する意識改革を促すとともに、より高度で効率的な行政経営を推進するため、職員自身による行政運営に関する提案や自己の日常業務の改善などの職員提案制度を推進します。

〔成果を測る目標:参考〕

指 標実績値 目標値

20 年度 23 年度 25 年度 比較対象 平成 30 年度

職員研修参加者数 1,192人 1,447人 1,717人 - 2,260人

職員一人当たりの職員提案の件数(提案件数÷職員数)

0.24件/年(163件/658人)

0.25件/年(157件/621人)

0.17件/年(98件/561人)

- 0.33件/年(154件/458人)

〔市民に期待されている役割〕

  分権型社会にふさわしい特色を生かしたまちづくりについて関心を持つことが期待されます。

◇職員研修事業

主な事務事業

政策企画研修

第5章 

自立と協働のまちづくり